WO2017094419A1 - 車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

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大輔 郡司
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Abstract

車輪支持用転がり軸受ユニットに内蔵した充電器により、発電機の出力電圧を検出し、ハブの回転速度を算出する。そして、ハブの回転速度が、バッテリからの電力を利用してセンサ及び無線通信器を動作させる低速状態にある場合には、無線通信回路が車体側に配置した演算器との間で無線通信を行う頻度を、ハブの回転速度又は車両の走行速度に応じて変化させる。

Description

車輪支持用転がり軸受ユニット
 本発明は、車輪支持用転がり軸受ユニットに関する。
 自動車の運動性能や安全性能を向上させる為、様々な制御手法や制御装置が提案されている。自動車の走る・曲がる・止まるといった運動は、タイヤと路面の摩擦力(グリップ力、タイヤ力)を介してのみ操作する事ができる為、タイヤに作用する力(荷重)を検出する事は、自動車の運動制御に関する性能向上に大きく寄与し得る。この為、タイヤに作用する力を検出する事に関する、多くの技術が提案されている。
 本件出願人は、本発明に先立って、車輪(タイヤ又はホイール)に設けたセンサに電力を供給し、かつ、センサで取得した情報を無線で車体側に通信する機能を有する、車輪支持用転がり軸受ユニットの構成を先に考えた(未公開先願:日本国特願2015-186307号)。当該先願では、センサへの電力の供給手段として、車輪支持用転がり軸受ユニットに発電機を内蔵している。先願では更に、センサの出力信号を無線送信する為の無線通信器を備える事で、車輪支持用転がり軸受ユニットの組み付け作業時に、配線の取り回し作業を一切不要にする事を可能としている。特許文献1には、軸受ユニットに発電機能や給電機能を設けて、センサに対し電力供給を行うと共に無線通信を行う発明が記載されている。
 しかしながら、上述した様に、軸受ユニットに設けた発電機を利用して電力供給を行う場合、車輪の回転数が低速、つまり車両速度が低い場合に、次の様な問題を生じる可能性がある。すなわち、一般的に発電機の発電電圧は、発電機を構成する回転子の回転数に比例する為、回転数が低い場合には、センサや各種回路を動作させるのに十分な発電電圧を確保することが難しくなる。これに対し、発電機のコイル巻数を多くする事で、低速での発電電圧を高くすることは可能であるが、このような場合にも、必ず下限となる速度が存在し、かつ、車両停止時には発電が不可能となる。又、回転子を支持する為の、軸受ユニットの回転側軌道輪部材の回転速度は、車両の走行速度に応じて大きく変化する為、低速走行時での発電電圧を高くすると、高速走行時に発電電圧が過大となってしまい、好ましくない。
 以上の様な問題を解決すべく、本発明者等は先ず、軸受ユニットに、バッテリとその充電制御回路を設ける事を考えた。すなわち、低速走行(車両停止時を含む)に、発電機によって十分な発電量が得られない場合には、バッテリから供給した電力でセンサ及び無線通信回路を動作させ、発電機により十分な発電量が得られる場合には、発電電力でセンサ及び無線通信回路を動作させつつ、バッテリを充電する。充電制御回路は、発電電圧に応じてこれらの動作を制御する。この様な構成によれば、高速走行時における発電電圧を過大にせずに、低速走行時にも、センサ及び無線通信回路に十分な電力を供給する事が可能になる。
 但し、上述の様な構成を単に採用した場合には、車両走行時間における低速走行の頻度や、センサ及び無線通信回路の消費電力に応じて、バッテリとして、十分な蓄電容量を有する大型のものを使用しなければならない可能性があるが、該バッテリは、軸受ユニットの内部に配置されるものである為、できるだけ小型とする事が望ましい。又、バッテリの体積は、蓄電容量に依存する為、バッテリを小型化するには、必要となる蓄電容量をできるだけ少なくする必要がある。
 一方、センサにより取得した車輪に作用する力(タイヤ荷重)に関する情報を、車両の運動制御に用いる事を考えた場合、低速走行時は高速走行時に比べて車両運動制御の必要性は相対的に低くなる。又、車両の走行距離(進行距離)で考えた場合、ある一定の距離だけ車両が走行するのに要する時間は、車両速度が低いほど長くなる。従って、車両速度が低い場合は、センサ情報の更新頻度が低くても(すなわち更新の時間間隔が長くても)差し支えない事になる。
 なお、本発明に関連するその他の先行技術文献として特許文献2、3がある。特許文献2には、非接触給電によりセンサを動作させる装置を有する軸受ユニットにおいて、該装置に電源監視部を設けて受電した電圧を監視し、当該電圧値に応じてワイヤレスの送電電力を制御する技術が記載されている。但し、特許文献2に記載された発明は、非接触給電を対象とするものであり、送電電力を制御するものである。又、特許文献3には、車輪側に設けたセンサへの給電を発電機又はバッテリで行う事が記載されているが、これら発電機とバッテリとの両者を組み合わせて使用する事については、何ら記載がない。又、無線通信に要する電力を考慮する事についても、何ら記載されていない。
日本国特開2003-278779号公報 日本国特開2005-78341号公報 日本国特表2008-524680号公報
 本発明は、内蔵するバッテリの容量を低減する事ができる、車輪支持用転がり軸受ユニットの提供を目的とする。
 本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットは、懸架装置に対して車輪(タイヤ及びホイール)を回転自在に支持する為のもので、軸受部と、無線通信器(無線通信回路を含む)と、発電機と、バッテリとを有すると共に、必要に応じて、充電制御回路を有する。
 前記軸受部は、外径側軌道輪部材と、内径側軌道輪部材と、複数個の転動体とを有する。
 前記外径側軌道輪部材は、例えば略円環状(円筒状)に構成されており、内周面に1乃至複数(例えば複列)の外輪軌道を有する。
 前記内径側軌道輪部材は、例えば略円環状(円筒状)に構成されており、前記外径側軌道輪部材の径方向内側に配置され、外周面に1乃至複数(例えば複列)の内輪軌道を有する。
 前記各転動体は、例えば玉やころ(円すいころ、円筒ころ、ニードル、球面ころを含む)を使用する事ができ、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に、転動自在に設けられる。
 そして、前記外径側軌道輪部材と前記内径側軌道輪部材との何れか一方の軌道輪部材を、使用状態で、前記懸架装置に支持固定されて回転しない静止側軌道輪部材とし、他方の軌道輪部材を、前記車輪を結合固定して、該車輪と共に回転する回転側軌道輪部材としている。
 又、前記無線通信器は、車体側に配置された電子機器との間で、例えば前記車輪に取り付けたセンサの出力信号を含む信号(例えば車体側から送信される車両の走行状態、エンジンの運転状態等を表す信号を必要に応じて含む)を、無線により通信するものである。
 又、前記発電機は、前記静止側軌道輪部材に対し直接又は間接的に支持される固定子と、前記回転側軌道輪部材に対し直接又は間接的に支持される回転子とを有し、これら固定子と回転子との相対回転に基づき、前記センサ(車輪の状態量を測定するセンサであり、例えば歪センサ、加速度センサ、空気圧センサ、摩耗センサ、温度センサ等)及び前記無線通信器に対し供給する電力を発電するものである。
 又、前記バッテリは、前記発電機により発電した電力を蓄えるものである。
 そして、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットは、前記発電機による発電量が、前記センサ及び前記無線通信器を動作させるのに不足する場合には、これらセンサ及び無線通信器に対し前記バッテリから電力を供給し、前記発電機による発電量が、前記センサ及び前記無線通信器を動作させるのに十分である(足りている)場合には、これらセンサ及び無線通信器に対し前記発電機のみから電力を供給する。
 特に、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、前記無線通信器が、前記電子機器との間で無線通信を行う(センサ情報を該電子機器に送信する)頻度である無線通信頻度(時間間隔)を、前記回転側軌道輪部材の回転速度に応じて変化させる(可変とする)。
 尚、無線通信頻度とは、例えば単位時間当たりに実施する無線通信の回数により表す事が可能である。
 本発明の構成においては、例えば、前記無線通信器(又は充電器)を、前記回転側軌道輪部材の回転速度に応じて変化する前記発電機の出力電圧を検出する機能を有するものとし、その出力電圧を利用して、前記回転側軌道輪部材の回転速度を求める事ができる。又、回転速度から前記無線通信頻度を求める手段としては、例えば計算式、若しくは、予め回転速度と無線通信頻度との関係を表した表(テーブル、マップ等)を利用する事ができる。
 或いは、車体側に設けた前記電子機器(演算器)において、前記無線通信頻度を、車両の走行速度に基づき定める事ができる。この場合に、車両の走行速度から前記無線通信頻度を求める手段としては、例えば計算式、若しくは、予め走行速度と無線通信頻度との関係を表した表(テーブル、マップ等)を利用する事ができる。そして、決定した無線通信頻度は、無線通信により車輪支持用転がり軸受ユニット側の無線通信器に送信する事で、この無線通信器に、前記無線通信頻度で無線通信を実行させる事ができる。
 具体的には、前記回転側軌道輪部材の回転速度又は前記車両の走行速度が、所定の速度以上である場合には前記無線通信頻度を多く、前記所定の速度よりも遅い場合には前記無線通信頻度を少なくする。
 又、本発明の構成においては、例えば、前記無線通信頻度と、前記回転側軌道輪部材の回転速度又は前記車両の走行速度とを比例関係として、この無線通信の時間間隔における車両の進行距離(次の無線通信が行われるまでに走行する距離)をほぼ等しくする事もできる。
 本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットによれば、内蔵するバッテリの容量を低減する事ができる。
 即ち、前記バッテリの供給電力により、センサ及び無線通信器を作動させる低速走行時に、無線通信器が車体側に配置された電子機器との間で行う無線通信の頻度(無線通信頻度)を、回転側軌道輪部材(ハブ)の回転速度又は車両の走行速度に応じて変化させる。この為、無線通信器が使用するバッテリの消費電力を効果的に低減する事ができる。これにより、バッテリの蓄電容量を低減する事が可能になる為、体積を小さくする事によるバッテリの小型化を図れると共に、コスト低減を図る事もできる。又、無線通信頻度を車両速度に応じて変化させる為、無線通信の頻度が減り、センサ情報の更新間隔が長くなる場合にも、車両運動制御に関する性能が低下する事を抑制できる。
本発明の実施の形態の第1例の車輪支持用転がり軸受ユニットにより車輪を懸架装置に対して支持した車輪支持構造を示す断面図。 図1のII部拡大図。 図1に示す車輪支持用転がり軸受ユニットを取り出し、軸方向外側から見た状態を示す斜視図。 図1に示す車輪支持用転がり軸受ユニットを取り出し、軸方向内側から見た状態を示す斜視図。 車輪支持用転がり軸受ユニットの分解斜視図。 車輪支持用転がり軸受ユニットに備わるハブ軸受内蔵回路と、演算器との構成を模式的に示すブロック図。 車両速度と無線通信頻度の関係を示すグラフ。 車両速度と無線通信頻度の関係の別例を示すグラフ。
[実施の形態の第1例]
 本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1~8を参照しつつ説明する。本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1は、従動輪用であり、自動車の車輪を構成するタイヤ2及びホイール3、並びに、制動装置であるディスクブレーキ装置4を構成するロータ5を、懸架装置を構成するナックル6に対し回転自在に支持している。図示の構造の場合には、車体7に対して揺動変位を可能に支持されたアッパアーム9とロアアーム10とにより、ナックル6を支持している。
 車輪支持用転がり軸受ユニット1は、軸受機能を有する軸受部11と、発電機能を有する発電機12と、無線通信機能を有する無線通信器(無線通信回路を含む)13と、蓄電機能を有するバッテリ14と、充電機能を有する充電器(充電制御回路を含む)15とを備えている。
 軸受部11は、タイヤ2及びホイール3をナックル6に対し回転自在に支持する部分であり、外径側軌道輪部材である外輪16と、内径側軌道輪部材であるハブ17と、複数個の玉(転動体)18、18とを備えている。
 外輪16は、全体を略円環状に構成されており、内周面に複列の外輪軌道19a、19bを、外周面の軸方向中間部内端寄り部分に静止側フランジ20を、それぞれ有する。又、静止側フランジ20には、軸方向に貫通する取付孔(ねじ孔または通孔)21、21が複数設けられている。
 尚、本明細書及び特許請求の範囲に於いて、軸方向に関して「内」とは、車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図1、2の右側を言う。反対に、車両の幅方向外側となる、図1、2の左側を、軸方向に関して「外」と言う。
 ハブ17は、ハブ本体22と内輪23とを組み合わせて成るもので、外周面に複列の内輪軌道24a、24bを有し、外輪16の内径側にこの外輪16と同軸に支持されている。具体的には、ハブ本体22の外周面の軸方向中間部に軸方向外側列の内輪軌道24aを直接形成すると共に、同じく軸方向内端寄り部分に形成した小径段部25に、外周面に軸方向内側列の内輪軌道24bを形成した内輪23を外嵌固定している。そして、ハブ本体22の軸方向内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部26により、内輪23の軸方向内端面を押さえ付けている。ハブ本体22の軸方向外端部で、外輪16の軸方向外端開口部よりも軸方向外方に突出した部分には、車輪を支持する為の回転側フランジ27を設けている。この回転側フランジ27には、軸方向に貫通する結合孔(ねじ孔又は通孔)28、28が設けられている。
 尚、ハブ本体の、内輪が外嵌固定された部分よりも軸方向内方の突出した部分に雄ねじ部を形成し、雄ねじ部にナットを螺合し更に締め付ける事で、内輪をハブ本体に支持固定する構成を採用する事もできる。
 特に本例の場合、ハブ本体22の中心部には、軸方向に貫通した貫通孔29が設けられている。貫通孔29は、軸方向外端部乃至中間部に設けられた外端側大径部30と、軸方向中間部内端寄り部分に設けられた小径部31と、軸方向内端部に設けられた内端側大径部32とから構成されている。本例の場合には、ハブ本体22の軸方向中間部内端寄り部分の内周面に、軸方向両側に隣接する部分よりも径方向内方に突出した円輪状の内向フランジ部33を全周に亙り形成する事で、貫通孔29を、外端側大径部30と小径部31と内端側大径部32とに区分けしている。外端側大径部30は、軸方向外方に向かう程内径寸法が次第に大きくなった断面略台形状に構成されているのに対し、内端側大径部32は、軸方向内方に向かう程内径寸法が次第に大きくなった断面略台形状に構成されている。本例の場合には、後述する様に、貫通孔29内に、前述したバッテリ14及び充電器15と無線通信器13の一部(軸方向外端部)とを配置している。
 各玉18、18は、両外輪軌道19a、19bと両内輪軌道24a、24bとの間に、両列毎に複数個ずつ、保持器34、34により保持された状態で、背面組み合わせ型の接触角と共に予圧を付与した状態で転動自在に設けられている。図示の例の場合、両列の玉18、18同士の間で、直径、ピッチ円直径、及び、接触角の大きさを、互いに同じに設定している。但し、両列の玉の直径は必ずしも同じである必要はない。例えば、インナ側(軸方向内側)の玉列を構成する玉の直径を、アウタ側(軸方向外側)の玉列を構成する玉の直径よりも大きくすると共に、アウタ側の玉列のピッチ円直径を、インナ側の玉列のピッチ円直径よりも大きくする事で、外端側大径部の空間の容積をより大きく確保する(内部に収納するバッテリの容量を増大させる)事もできる。
 外輪16をナックル6に支持固定する為に、外輪16の、静止側フランジ20よりも軸方向内側に設けられた部分(ナックル側パイロット部)を、ナックル6に形成された円形の支持孔35に挿入すると共に、静止側フランジ20の軸方向内側面をナックル6の軸方向外端面に当接させる。そして、この状態で、互いに整合する位置に設けられた、各取付孔21、21と、ナックル6に設けられた複数のナックル側取付孔(通孔又はねじ孔)とに、それぞれ結合部材(ボルト)を螺合又は挿通し、更に締め付ける。これにより、外輪16をナックル6に支持固定する。従って、本例の場合には、外輪16が、特許請求の範囲に記載した使用状態で懸架装置に支持固定されて回転しない静止側軌道輪部材に相当する。
 これに対し、回転側フランジ27には、車輪を構成するホイール3及びロータ5を結合固定する。この為に、ロータ5の中央部に設けられたロータ中心孔38、及び、ホイール3の中央部に設けられたホイール中心孔39に、ハブ本体22の軸方向外端部に設けられたパイロット部と呼ばれる位置決め筒部40を順次挿入(内嵌)する。これにより、ホイール3及びロータ5の径方向の位置決めを図った状態で、互いに整合する位置に設けられた、各結合孔28、28と、ホイール3に形成されたホイール結合孔41、41と、ロータ5に形成されたロータ結合孔42とに、それぞれ結合部材43、43を螺合又は挿通し、更に締め付ける。これにより、回転側フランジ27の軸方向外側面に、ホイール3及びロータ5を結合固定している。従って、本例の場合には、ハブ17が、特許請求の範囲に記載した車輪を結合固定して該車輪と共に回転する回転側軌道輪部材に相当する。
 ホイール3は、図示の例ではアルミニウム合金製であり、回転側フランジ27の軸方向外側面に結合固定されるディスク部44と、ディスク部44の外周縁部に設けられた円筒状のリム部45とから構成されている。そして、リム部45の周囲に、タイヤ2を支持固定している。一方、ロータ5は、断面クランク形で、全体を円輪板状に構成されている。ロータ5は、内径側部分に設けられ、回転側フランジ27の軸方向外側面に結合固定されるハット部46と、外径側部分に設けられ、ブレーキ作動時に、ディスクブレーキ装置4を構成するキャリパに支持された1対のパッドにより挟持される摺動部48とを備えている。
 本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1の場合には、外輪16の軸方向外端開口部とハブ本体22の軸方向中間部外周面との間に、シールリング49を設置すると共に、外輪16の軸方向内端開口部に、有底円筒状のカバー50を装着している。これにより、各玉18、18を設置した内部空間51内に封入したグリースが外部空間に漏洩したり、又は外部空間に存在する異物が、この内部空間51内に侵入したりする事を防止している。
 カバー50は、円筒状の円筒部52と、円板状の底部53とから構成されており、円筒部52の軸方向外端部を、外輪16の軸方向内端部内周面に内嵌固定している。この円筒部52の軸方向外端寄り部分に設けられた外向鍔部(屈曲部)54を、外輪16の軸方向内端面に突き当てる事で、カバー50の軸方向に関する位置決めを図っている。底部53は、円筒部52の軸方向内端部から径方向内方に直角に折れ曲がる状態で設けられた外径側円輪部55と、底部53の中央部で、外径側円輪部55の径方向内側に設けられた中央円板部56とから構成されている。本例の場合、円筒部52及び外径側円輪部55を、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工を施す事により一体的に構成しているのに対し、中央円板部56を、ABS樹脂やAS樹脂等の電波透過性に優れた樹脂から構成している。図示の構造の場合には、中央円板部56を、断面略U字形として、その外周縁部を外径側円輪部55の内周縁部に結合固定した状態で、外径側円輪部55よりも軸方向内側に突出した構成としている。
 そして、本例の場合、上述の様な構成を有する軸受部11に対して、発電機12と、無線通信器13と、バッテリ14と、充電器15とを組み付け、車輪支持用転がり軸受ユニット1を構成している。本例の場合には、図6に模式図を示す様に、発電機12と、無線通信器(無線通信回路)13と、バッテリ14と、充電器(充電制御回路)15とを、電気的に接続して、ハブ軸受内蔵回路を構成している。
 発電機12は、三相の交流を発電する磁石式交流発電機で、後述する車輪側に設置されたセンサ(タイヤ側、ホイール側各センサ87、88)及び無線通信器13に対し直接又はバッテリ14を介して供給する電力を発電するものであり、互いに同心に配置された固定子57と回転子58とを備えている。尚、発電機12として、単相の交流を発電する交流発電機を使用する事もできる。
 固定子57は、磁性金属板により円筒状に構成された支持環59と、支持環59の内周面に支持固定された永久磁石60とを備えている。永久磁石60は、円筒状に構成されており、径方向に着磁すると共に、着磁の向きを円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。この為、永久磁石60の内周面には、S極とN極とが交互に且つ等間隔で配置されている。本例の場合には、永久磁石60の内周面に、S極とN極との組み合わせを合計3組(6極)設けている。又、支持環59を、カバー50を構成する円筒部52の軸方向内端部内周面に結合固定している。
 これに対し、回転子58は、複数枚の電磁鋼板を積層する事により形成したステータコア61と、コイル62、62とから構成されている。これら各コイル62、62は、ステータコア61を構成する放射状に配置された複数本(図示の例では6本)のティース(突極)63、63の周囲に巻装されている。
 そして、本例の場合には、回転子58を構成するステータコア61を、断面クランク形で全体を略円環状に構成したマウント部材64を利用して、ハブ17の軸方向内端部に支持固定している。より具体的には、マウント部材64を、円板部65と、円板部65の外径側端部から軸方向外側に折れ曲がる状態で設けられた大径筒部66と、円板部65の内径側端部から軸方向内側に折れ曲がる状態で設けられた小径筒部67とから構成している。そして、大径筒部66を、ハブ17を構成する内輪23の軸方向内端部(肩部)に締り嵌めにより外嵌固定した状態で、小径筒部67にステータコア61を外嵌固定している。更に、小径筒部67の、ステータコア61を外嵌した部分よりも軸方向内側に突出した部分に、略C字形の止め輪68を係止し、回転子58が、マウント部材64から軸方向に脱落する事を防止している。
 本例の場合、固定子57を、カバー50を構成する円筒部52の内周面に結合固定すると共に、回転子58を、マウント部材64を介して内輪23に支持固定した状態で、固定子57と回転子58とが同軸に配置され、回転子58(ティース63、63)の外周面が、固定子57を構成する永久磁石60の内周面に対し、微小隙間を介して径方向に対向する。この様な構成を採用する事で、回転子58がハブ17と共に回転した際に、各コイル62、62の電磁誘導作用により起電力が発生する様にしている。つまり、車輪と共にハブ17を回転させる事により、発電機12が発電する様にしている。
 無線通信器13は、車体7側に設置された電子機器である演算器69との間で、無線による通信を行うもの(本例の場合には送受信が可能)であり、無線通信回路(基板)70と、アンテナ71とを備えている。無線通信器13は、ケース72内に樹脂モールドにより固定された状態で、マウント部材64を構成する小径筒部67の径方向内側に配置されている。本例の場合には、ケース72を段付円筒状に構成しており、軸方向中間部乃至内端部に設けられた小径部73を、マウント部材64を構成する小径筒部67に対し、軸方向外側から内嵌固定している。この際に、ケース72の軸方向外端部に設けられた大径部74の軸方向内側面を、マウント部材64を構成する円板部65の軸方向外側面に突き当てている。この様に、本例の場合には、無線通信器13に関しても、マウント部材64を利用して、ハブ17(内輪23)に支持固定している。
 ケース72の軸方向外端開口は、ケース72とは別体の円板状の中継基板75により塞いでいる。中継基板75には、図示しない配線及び複数の端子が設けられており、ケース72内に収納された無線通信回路70が電気的に接続されている。中継基板75の軸方向外側面に形成した配線には、ケース72を構成する大径部74を軸方向に挿通した、発電機12を構成するコイル62、62の両端部が接続されている。これに対し、ケース72の軸方向内端部には、無線通信回路70に電気的に接続されたアンテナ71が配置されている。本例の場合には、この様にアンテナ71を配置する事で、アンテナ71を、カバー50を構成する樹脂製の中央円板部56に対し軸方向に近接対向させている。従って、アンテナ71に出入りする無線信号が、カバー50により遮られる事を有効に防止して、無線通信器13と演算器69との間で、無線による通信が効率良く行える様にしている。
 バッテリ14は、発電機12が発電した電力を蓄えるものであり、複数本の蓄電池(例えばニッケル水素電池)を直列に接続する事により構成している。充電器15は、発電機12の発電電圧を整流すると共に、その発電電圧(入力電圧)に応じて、バッテリ14の充電を制御する。この充電器15は、発電機12が発電した交流電圧を直流電圧に変換する為の整流回路と、回転子58の回転数変化に拘らず定電圧出力を行う(ある電圧値に制御された直流電圧を出力する)為の電圧制御回路と、発電機12の発電電圧(出力電圧)に応じて、センサ及び無線通信器13への電力供給の切り替えを制御すると共に、バッテリ14への電力供給を制御する電力制御回路と、を備えている。
 充電器15の電力制御回路は、発電機12の出力電圧を監視する機能を有している。そして、車両の走行速度が高くなり、発電機12の出力電圧のみで、センサ(タイヤ側、ホイール側各センサ87、88)及び無線通信器13を動作させられると判定した場合には、発電機12の出力電圧(直流電圧に変換したもの)を、センサ及び無線通信器13に供給し、これらセンサおよび無線通信器13を動作させる。又、余剰の電力により、バッテリ14を充電する。これに対し、車両の走行速度が低く、発電機12の出力電圧のみでは、センサ及び無線通信器13を動作させられないと判定した場合には、バッテリ14から、これらセンサ及び無線通信器13に電力を供給し、これらセンサ及び無線通信器13を動作させる。この様に、本例の場合には、車両の走行速度が低く、発電機12による発電量が不足する場合にのみ、バッテリ14の電力を利用してセンサ及び無線通信器13を動作させる。これにより、バッテリ14の使用頻度を少なくし、バッテリ14の蓄電容量の低減を図っている。
 発電機12の出力電圧は、回転子58を支持固定したハブ17の回転速度に応じて変化し、ハブ17の回転速度が遅くなる(車両の走行速度が低速になる)と低くなり、ハブ17の回転速度が速くなる(車両の走行速度が高速になる)と高くなる。従って、充電器15は、発電機12の出力電圧の大きさを検出し、ハブ17の回転速度(又は車両の走行速度)を算出する。
 そして、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)が、発電機12の出力電圧のみでセンサ及び無線通信器13を動作させられる、所定の速度以上である場合には、充電器15は、上述した様に、発電機12からセンサ及び無線通信器13に対して電力を供給すると共に、無線通信器13に対し、演算器69との間で行う無線通信の頻度である無線通信頻度を一定とする旨の指示を行う。つまり、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)がそれ以上速くなっても、無線通信器13と演算器69との間で、一定の時間間隔で無線通信を行う旨の指示を行う。
 一方、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)が、発電機12の出力電圧のみでセンサ及び無線通信器13を動作させられる、所定の速度よりも遅い場合には、充電器15は、上述した様に、バッテリ14からセンサ及び無線通信器13に対して電力を供給すると共に、無線通信器13に対し、無線通信頻度を、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)に応じて変化させる旨の指示を行う。より具体的には、例えば図7に示した様に、無線通信頻度とハブ17回転速度(車両の走行速度)とを比例関係として、無線通信の時間間隔における車両の走行距離をほぼ一定とする事ができる。この場合には、走行距離を適切に定める事で、車両運動制御におけるセンサ情報の更新頻度(つまり無線通信頻度)を適切に設定する事ができる。或いは、図8に示した様に、無線通信頻度とハブ17の回転速度(車両の走行速度)とを比例関係とはせずに、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)に応じて複数の閾値を設定し、段階的に無線通信頻度を設定する事もできる。本例の場合、ハブ17の回転速度(車両の走行速度、発電機12の出力電圧)から、計算式を利用して、無線通信頻度を求めても良いし、予め作成しておいた速度(電圧)と無線通信頻度との関係を表した表(テーブル、マップ等)を利用して、無線通信頻度を決定しても良い。
 充電器15は、上述した様に、ハブ17の回転速度を利用して、無線通信頻度を定める事もできるし、発電機12の出力電圧又はハブ17の回転速度から車両の走行速度を算出し、この走行速度を利用して、無線通信頻度を定める事もできる。更に、発電機12の出力電圧から直接、無線通信頻度を定める事もできる。
 本例の場合、バッテリ14の蓄電量が低下し、かつ、発電機12の発電量が低くなると、センサ及び無線通信器13を動作させられなくなるだけでなく、充電器15を動作させられなくなる可能性がある。そのため、バッテリ14の蓄電量が最低動作蓄電量以下にならない様にする事が望ましい。そこで、本例の場合には、バッテリ14の蓄電量が、最低動作蓄電量よりは大きいが所定の基準値以下となり、かつ、発電機12の発電量のみでセンサ及び無線通信器13等を動作させる事が不可能となった場合は、上述した様な、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)に応じて定めた無線通信頻度ではなく、予め定めておいた別の無線通信頻度(より頻度が低い、より長い時間間隔)に設定し直す。これにより、消費電力を更に低減し、バッテリ14の蓄電量低下を抑制できる。
 本例の場合には、上述の様な構成を有するバッテリ14及び充電器15を、電気的に接続した状態で、軸方向外端側に開口部を有するバッテリーケース76内に収納し、キャップ77により軸方向外側から蓋をしている(密閉している)。
 バッテリーケース76は、軸方向内端部に設けられた金属製で軸状の接続部78と、軸方向中間部乃至外端部に設けられた合成樹脂製で中空筒状の収納部79と、収納部79の軸方向外端部を全周に亙り覆う様に設けられた金属製で円輪状のコネクタ部80とを備えている。そして、バッテリーケース76を、ハブ本体22の貫通孔29内に配置した状態で、接続部78を、小径部31及び内端側大径部32の内側に配置し、収納部79及びコネクタ部80を、外端側大径部30の内側に配置している。この状態で、コネクタ部80を、ハブ本体22を構成する位置決め筒部40の内側に径方向のがたつきなく内嵌すると共に、コネクタ部80の径方向外端部の軸方向内端面を、位置決め筒部40の内周面の軸方向内側に隣接して設けられた段差面92に当接させている。更に、接続部78の内端側大径部32内に突出した部分に環状のナット81を螺合している。これにより、ナット81とコネクタ部80の径方向外端部の軸方向内端面との間で、ハブ本体22の一部を軸方向両側から挟持し、バッテリーケース76をハブ本体22の内側に支持固定している。
 上述の様にバッテリーケース76を支持固定した状態で、接続部78の先端部(軸方向内端部)に設けた複数の端子83、83を、中継基板75に対し弾性的に押し付ける様にして電気的に接続している。より具体的には、各端子83、83を中継基板75に当接させた状態で、これら各端子83、83の基端部に設けた図示しないバネを弾性変形させている。これにより、中継基板75(又はバッテリーケース76)の軸方向位置が多少ずれた場合にも、各端子83、83を中継基板75に対し確実に接続できる様にしている。接続部78に設けられた端子83、83には、発電機12により発電した交流電圧を中継基板75側から受け取る為の端子と、バッテリ14に蓄えられた電圧を中継基板75側に送る為の端子と、コネクタ部80に接続されるセンサ(タイヤ側、ホイール側各センサ87、88)の出力信号を中継基板75側に送る為の端子とをそれぞれ備えている。従って、接続部78内には、図示しない複数の信号線及び電源線が、モールドされ絶縁された状態で配置されており、電源線は充電器15(バッテリ14)に接続され、信号線はコネクタ部80に接続される。
 収納部79の、奥側(軸方向内側)に充電器15を配置し、開口部側(軸方向外側)にバッテリ14を配置している。この様にバッテリ14を収納部79内に配置し、キャップ77を取り付けた(ねじ止め固定した)状態で、バッテリ14の軸方向両端部に設けられた電極に対して、充電器15に電気的に接続された1対の端子84が接続される。本例の場合には、一方の端子84を、キャップ77の内面(軸方向内側面)に設けている。この様な構成により、発電機12により発電した電力は、充電器15を構成する全波整流回路にて整流される。
 コネクタ部80は、車輪に設置する1乃至複数のセンサ(タイヤ側、ホイール側各センサ87、88)に接続する為の配線(89a、89c)を接続する為のもので、車輪支持用転がり軸受ユニット1に対しホイール3を結合固定した状態で、ホイール中心孔39の内側(外周縁部分)に位置している。つまり、本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1の、最も軸方向外側に位置する部分に設けられている。コネクタ部80は、バッテリーケース76の軸方向外端面から軸方向に突出(露出)した、それぞれが1対のピン85a、85bから成る複数(図示の例では3つ)のセンサコネクタ(オスコネクタ)86、86を有している。これら両ピン85a、85bの種類(機能及び用途)に就いては、アナログ信号用やデジタル信号用等に応じて適宜決定する事ができ、例えば、一方のピン85aを電力供給用のピンとし、他方のピン85bを信号用のピンとする事ができる。この場合には、一方のピン85aは、充電器15に電気的に接続され、他方のピン85bは、前述した様に、中継基板75を介して無線通信器13に接続される。
 本例の場合には、タイヤ交換時のコストを抑える面から、図1に示す様に、タイヤ2の状態量を測定する為のセンサのうち、摩耗センサ、タイヤ歪みセンサ、温度センサなどの、タイヤ2に直接設置しなければ測定できない状態量を測定するタイヤ側センサ87を、タイヤ2内に直接設置している。これに対し、空気圧センサ、ホイール歪みセンサ、加速度センサなどの、タイヤ2に設置しなくても測定可能な状態量を測定するホイール側センサ88に就いては、ホイール3(図示の例ではリム部45)に設置している。そして、ホイール側センサ88と、何れか1つのセンサコネクタ86とを、ホイール3を構成するディスク部44の軸方向内側面に沿って配置した配線89a、及び、配線89aの端部に設けたメスコネクタ91により接続している。これに対し、タイヤ側センサ87に就いては、ホイール3(リム部45)に取り付けた中継コネクタ90を介して接続している。具体的には、タイヤ側センサ87と中継コネクタ90との間を配線89bにより接続し、中継コネクタ90と別のセンサコネクタ86との間を、配線89c及びメスコネクタ91により接続している。この様に、タイヤ側とホイール側とで配線89b、89cを分ける事で、タイヤ交換時の作業を容易に行える様にしている。尚、残り1個のセンサコネクタ86に就いては、センサを接続していないが、必要に応じてセンサを接続する事ができる。又、バッテリ容量に応じて、センサコネクタの数を増やす事もでき、接続できるセンサ数を増やす事ができる。
 以上の様な構成を有する本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1の場合には、車両の走行に伴い車輪(タイヤ2及びホイール3)が回転すると、軸受部11の、回転側軌道輪部材であるハブ17が回転する。すると、ハブ17の軸方向内端部に支持固定された回転子58が、静止側軌道輪部材である外輪16に支持固定された固定子57に対して相対回転する。これにより、これら固定子57及び回転子58から構成される発電機12が発電する。そして、発電機12により発電された交流電圧は、図示しないケーブル等を通じてバッテリーケース76内の充電器15に送られ、直流電圧に変換される。そして、この充電器15にて発電機12の出力電圧の大きさ検出(監視)し、この発電機12の出力電圧をセンサ及び無線通信器13に対し直接供給するか、或いは、バッテリ14の電力をセンサ及び無線通信器13に対し供給するかを決定する。何れにしても、センサに電力を供給する場合には、コネクタ部80を構成するセンサコネクタ86、メスコネクタ91及び配線89a~89cを通じて供給される。これにより、センサ(タイヤ側、ホイール側各センサ87、88)は、タイヤ2及びホイール3の状態量(例えばタイヤ空気圧、歪み、上下力、加速度、温度など)を検出する。
 その後、タイヤ側、ホイール側各センサ87、88の出力信号は、配線89a~89cを通じてセンサコネクタ86に送られた後、接続部78及び中継基板75等を介して、無線通信器13に送られる。そして、無線通信器13を構成するアンテナ71により、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)に基づき定められた無線通信頻度にて、タイヤ側、ホイール側各センサ87、88の出力信号を、カバー50の中央円板部56を通じて、車体7側に配置された演算器69に対し無線送信する。この結果、演算器69は、タイヤ側、ホイール側各センサ87、88の出力信号であるタイヤ2及びホイール3の状態量を受け取り、例えば車両の運動制御に利用する。
 本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1の場合には、演算器69から、車両の走行速度に関する信号を、無線通信器13(アンテナ71)により受信する。そして、走行速度が走行状態にあると判定できる所定値以上である場合にのみ、タイヤ側、ホイール側各センサ87、88に対し電力の供給を実行し、実質的に停止していると判定できる所定値未満である場合には、電力の供給を停止する様にしている。この様な電力供給制御を行う事で、バッテリ14の無駄な電力の消費を防止している。
 以上の様な構成を有する本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1によれば、内蔵するバッテリ14の容量を低減する事ができる。
 即ち、本例の場合には、バッテリ14の供給電力により、センサ及び無線通信器13を動作させる低速走行時に、無線通信器13が車体側に配置された演算器69との間で行う無線通信の頻度(無線通信頻度)を、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)に応じて変化させる。より具体的には、車両の走行速度が速い場合(発電機12の発電量が増え、バッテリ14への供給電力が多い場合)には、無線通信頻度を多く(無線通信同士の時間間隔を短くし)、車両の走行速度が遅い場合(発電機12の発電量が減り、バッテリ14への供給電力が少ない場合)には、無線通信頻度を少なく(無線通信同士の時間間隔を長く)する。この為、本例の場合には、無線通信器13を使用する事によるバッテリ14の消費電力を効果的に低減する事ができる。これにより、バッテリ14の蓄電容量を低減する事が可能になる為、体積を小さくする事によるバッテリ14の小型化を図れると共に、コスト低減を図る事もできる。又、無線通信頻度を、ハブ17の回転速度(車両の走行速度)に応じて変化させる為、無線通信の頻度が減り、センサ情報の更新間隔が長くなる場合にも、車両運動制御に関する性能が低下する事を抑制できる。つまり、車両が一定距離だけ走行するのに要する時間は、車両速度が遅くなるほど長くなる為、無線通信頻度を車両速度に応じて変化させる事により、車両が一定距離走行する間に実施する無線通信回数をほぼ一定に保つ事が可能になり、車両運動制御に関する性能が低下する事を抑制できる。
 本例の場合には、車輪支持用転がり軸受ユニット1側ではなく、車輪(タイヤ2及びホイール3)側に、タイヤ側、ホイール側各センサ87、88を設置している為、例えばタイヤ2に作用する力を検出する場合にも、ディスクブレーキ装置4の作動状態(ブレーキの作用状態)に拘らず、正確に検出する事が可能になる。
 本例の場合には、タイヤ側、ホイール側各センサ87、88に対し、車輪支持用転がり軸受ユニット1に設けられた発電機12によって発電された電力を供給する事ができる。又、タイヤ側、ホイール側各センサ87、88の出力信号を、車輪支持用転がり軸受ユニット1に設けられた無線通信器13から車体7側に設置された演算器69に対し、無線送信する事ができる。この為、車輪支持用転がり軸受ユニット1をナックル6に対して取り付ける際に、ハーネスの取り回し作業を行う必要がなく、組立作業性を良好にできる。
 又、タイヤ2の交換時にも、車輪支持用転がり軸受ユニット1に設けられた発電機12、無線通信器13、バッテリ14、及び、充電器15は、そのまま継続して使用できる(タイヤ2に設置されたタイヤ側センサ87のみ交換すれば足りる)。この為、発電装置等をタイヤ内に設置する場合に比べて、タイヤ交換時のコストを低く抑えられる。
 更に、本例の場合には、偏摩耗防止の為にタイヤローテーション(タイヤの位置変更)を実施した場合にも、無線通信機能を有する車輪支持用転がり軸受ユニット1自体の取付位置には変更がない為、車体7側の演算器69で受信した信号が、どのタイヤの信号か判別がつかなくなる事も防止できる。
 [実施の形態の第2例]
 上述した実施の形態の第1例の場合には、無線通信器13が車体側の演算器69との間で無線通信を行う(センサ情報を送信する)頻度である無線通信頻度を、車輪支持用転がり軸受ユニット1内部に配置した充電器15により決定していた。これに対し、本例の場合には、図6を参照しつつ説明すると、車体側に設けた演算器69を構成する制御部93が有する車両の走行速度に関する情報に基づき、この演算器69側で無線通信頻度を定める。演算器69(制御部93)による無線通信頻度の決定方法に関しては、実施の形態の第1例で説明した様な、充電器15による無線通信頻度の決定方法と同じである。そして、決定した無線通信頻度に関する情報を、演算器69の無線通信回路94から、無線通信器13に対し無線送信し、無線通信頻度にて無線通信を実施させる。尚、この様な構成を有する本例の場合には、充電器15に、発電機12による出力電圧を検出する機能は不要となる。
 その他の構成及び作用効果に就いては、実施の形態の第1例の場合と同様である。
 上述した実施の形態の各例では、センサを、車輪(ホイール及びタイヤ)に対して取り付けた場合を例に説明したが、センサを、車輪支持用転がり軸受ユニットに対して取り付ける事もできる。又、実施の形態の各例では、両列の玉の直径及びピッチ円直径を、互いに同じとした場合に就いて説明したが、例えば、インナ側(軸方向内側)の玉列を構成する玉の直径を、アウタ側(軸方向外側)の玉列を構成する玉の直径よりも大きくすると共に、アウタ側の玉列のピッチ円直径を、インナ側の玉列のピッチ円直径よりも大きくする事を採用する事もできる。この様な構成を採用すれば、外端側大径部の空間の容積をより大きく確保する(内部に収納するバッテリの容量を増大させる)事もできる。又、本発明は、従動輪用に限らず、駆動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットに適用する事もできる。
 このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
 本出願は2015年12月4日出願の日本国特許出願(特願2015-237376)、2016年1月15日出願の日本国特許出願(特願2016-6139)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
  1 車輪支持用転がり軸受ユニット
  6 ナックル(懸架装置)
  7 車体
 11 軸受部
 12 発電機
 13 無線通信器
 14 バッテリ
 15 充電器
 16 外輪(外径側軌道輪部材)
 17 ハブ(内径側軌道輪部材)
 18 玉(転動体)
 19a、19b 外輪軌道
 24a、24b 内輪軌道
 70 無線通信回路
 87 タイヤ側センサ
 88 ホイール側センサ
 93 制御部
 94 無線通信回路

Claims (3)

  1.  内周面に外輪軌道を有する外径側軌道輪部材と、外周面に内輪軌道を有する内径側軌道輪部材と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを有し、前記外径側軌道輪部材と前記内径側軌道輪部材との何れか一方の軌道輪部材が、使用状態で懸架装置に支持固定されて回転しない静止側軌道輪部材であり、
     他方の軌道輪部材が、
     車輪を結合固定して該車輪と共に回転する回転側軌道輪部材である軸受部と、
     車体側に配置された電子機器との間で、センサの出力信号を含む信号を無線通信する無線通信器と、
     前記静止側軌道輪部材に支持された固定子と、前記回転側軌道輪部材に支持された回転子とを有し、これら固定子と回転子との相対回転に基づき、電力を発電する発電機と、
     前記発電機が発電した電力を蓄えるバッテリと、を備え、
     前記発電機による発電量が、前記センサ及び前記無線通信器を動作させるのに不足する場合に、これらセンサ及び無線通信器に対し前記バッテリから電力を供給する
    車輪支持用転がり軸受ユニットであって、
     前記無線通信器が無線通信を行う頻度である無線通信頻度を、前記回転側軌道輪部材の回転速度又は車両の走行速度に応じて変化させる事を特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニット。
  2.  前記発電機の出力電圧を利用して、前記回転側軌道輪部材の回転速度又は前記車両の走行速度を求める、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
  3.  前記回転側軌道輪部材の回転速度又は前記車両の走行速度が、所定の速度以上である場合には前記無線通信頻度を多く、前記所定の速度よりも遅い場合には前記無線通信頻度を少なくする、請求項1又は2に記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
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