JP6887986B2 - 吸水性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水性樹脂粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、製造における重合工程の撹拌負荷が小さいため、重合装置への負荷低減や、電力コストが削減できる吸水性樹脂粒子の製造方法に関する。
吸水性樹脂粒子は、紙おむつ及び生理用品等の衛生材料、保水材及び土壌改良材等の農園芸材料、ケーブル用止水材及び結露防止材等の工業資材等の用途に用いられてきた。これらに加えて、近年では、ペットシート、犬又は猫のトイレ配合物等の動物排泄物処理材、簡易トイレ、芳香剤、肉類のドリップ吸収シート、保湿化粧品用の配合物等、吸水性樹脂粒子が応用される用途はさらに拡大している。このような用途に使用される吸水性樹脂粒子は、各々の用途に応じた適度な粒子径を有することが求められる。
吸水性樹脂粒子の製造方法としては、得られる吸水性樹脂粒子の性能の高さと製造方法の簡便さの観点から、エチレン性不飽和単量体を重合する方法が主流である。重合方法としては、例えば、エチレン性不飽和単量体の水溶液を重合させて、含水ゲル状物を得た後、粉砕、乾燥する水溶液重合;エチレン性不飽和単量体の水溶液を界面活性剤の存在下で、炭化水素分散媒等の疎水性有機分散媒中に分散して懸濁重合させて、含水ゲル状物を得た後、乾燥する逆相懸濁重合が挙げられる。
水溶液重合においては、重合後の含水ゲルが粘稠な塊状物であるため、粉砕工程や乾燥工程が煩雑となるだけでなく、粉砕工程により微細な粒子が発生しやすくなり、適度な粒子径である吸水性樹脂粒子が得がたい。
一方、逆相懸濁重合は、炭化水素分散媒に分散したエチレン性不飽和単量体の液滴の大きさにより、粒子の大きさを制御することが可能である。したがって、逆相懸濁重合を中心に、様々な粒子径制御の技術が提案されている。
中でも、界面活性剤の使用による適度な粒子径の取得を目的としたものとして、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルを用いたもの(特許文献1:国際公開第2013/018571号)、トレハロース脂肪酸エステルを用いたもの(特許文献2:特開2013−100543号公報)、リン酸エステル系界面活性剤を用いたもの(特許文献3:特開平11−005808号公報)が知られている。
国際公開第2013/018571号 特開2013−100543号公報 特開平11−005808号公報
逆相懸濁重合を用いて吸水性樹脂粒子を製造するにあたり、重合工程の撹拌負荷が大きいと、重合装置への負荷増大や、電力コストの増加により、吸水性樹脂粒子の生産性悪化の観点から好ましくないという課題がある。さらに、攪拌負荷が大きいと目的とする用途に適した特定の範囲の粒子径を得ることが困難となる。
また、逆相懸濁重合においてエチレン性不飽和単量体を逐次滴下する滴下重合を用いると生産性が悪く、工業生産には適さない。
本発明の目的は攪拌負荷が小さく、特定の範囲の粒子径を有する吸水性樹脂粒子を製造でき、かつ、生産性が高い吸水性樹脂粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、逆相懸濁重合によって吸水性樹脂粒子を製造するに際し、炭化水素分散媒中に、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、そのアルカリ金属塩、又はアルカリ土類金属塩を混合させ、続いてエチレン性不飽和単量体を一括投入して、炭化水素分散媒中に分散させた後、ラジカル重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和単量体の逆相懸濁重合を行った。その結果、前記重合工程の撹拌負荷が小さいため、重合装置への負荷低減や、電力コストが削減できる事を見出した。
すなわち本発明は下記に示す態様を含むものである。
項1. 界面活性剤が混合された炭化水素分散媒にエチレン性不飽和単量体を一括添加して、逆相懸濁重合を行う吸水性樹脂粒子の製造方法であって、前記逆相懸濁重合は1段または2段以上で行い、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルのアルカリ金属塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルのアルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記界面活性剤のHLBが9〜15であることを特徴とする吸水性樹脂粒子の製造方法。
ここで一括添加とはエチレン性不飽和単量体を分散媒に全て添加した後に重合を開始させることをいう。重合を2段以上で行う場合は、各段の重合ごとに、エチレン性不飽和単量体を分散媒に全て添加した後に重合を開始する。
項2. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルのナトリウム塩である、項1に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
項3. 前記界面活性剤の使用量が、前記エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.1〜3.0質量部である、項1または2に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
項4. 前記エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリル酸、及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
本発明によれば、吸水性樹脂粒子の製造における重合工程の撹拌負荷が小さいため重合装置への負荷低減や、電力コストが削減でき、かつ特定の範囲の粒子径を有する吸水性樹脂粒子を製造できる。またエチレン性不飽和単量体を一括添加して製造を行っているため生産性も高い。
1.吸水性樹脂粒子の製造方法
本発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、界面活性剤が混合された炭化水素分散媒にエチレン性不飽和単量体を一括添加して逆相懸濁重合を行う吸水性樹脂粒子の製造方法であって、前記逆相懸濁重合は1段または2段以上で行い、前記界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、そのアルカリ金属塩、およびそのアルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記界面活性剤のHLBが9〜15であることを特徴とする。
以下、本発明の製造方法について詳述する。
エチレン性不飽和単量体
本発明で用いるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸(本明細書においては「アクリル」及び「メタクリル」を合わせて「(メタ)アクリル」と表記する。以下同様)及びその塩;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の非イオン性単量体;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体及びその4級化物等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、工業的に入手が容易である点から、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が好適に用いられる。さらに、得られる吸水性樹脂粒子の吸水性能が高いという観点から、(メタ)アクリル酸及びその塩がより好適に用いられる。
これらの中でも、アクリル酸及びその塩が吸水性樹脂粒子の原材料として広く用いられており、これらアクリル酸及びその塩に、前述の他のエチレン性不飽和単量体を共重合させて用いる場合もある。この場合、アクリル酸及びその塩は、主となるエチレン性不飽和単量体として、総エチレン性不飽和単量体中、70〜100モル%用いられることが好ましい。
なお、前記のエチレン性不飽和単量体は、逆相懸濁重合を行う際に、炭化水素分散媒中での分散効率を上昇させるために水溶液にして用いてもよい。このような水溶液中におけるエチレン性不飽和単量体の濃度は特に限定はされないが、通常、20質量%以上、飽和濃度以下とすればよく、25〜70質量%が好ましく、30〜55質量%がより好ましい。
エチレン性不飽和単量体が(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のように酸基を有する場合、必要に応じてその酸基が予めアルカリ性中和剤により中和されたものを用いてもよい。このようなアルカリ性中和剤としては、特に限定されるものではないが、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア等が挙げられる。特にこれらのアルカリ性中和剤は、中和操作を簡便にするために水溶液の状態にして用いてもよい。前記のアルカリ性中和剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ性中和剤によるエチレン性不飽和単量体の中和度については、特に限定されないが、得られる吸水性樹脂粒子の浸透圧を高めることで吸水性能を高め、かつ余剰のアルカリ性中和剤の存在に起因する安全性等に問題が生じないようにするために、エチレン性不飽和単量体が有する全ての酸基に対する中和度として、通常10〜100モル%が好ましく、30〜80モル%がより好ましい。
ラジカル重合開始剤
本発明で用いるラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、及び過酸化水素等の過酸化物類;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、及び4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等を挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤のなかでは、入手が容易で取り扱いやすいという観点から、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩が好ましい。これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体100モルに対して0.005〜1モルが好ましい。使用量が0.005モルより少ない場合、重合反応に多大な時間を要するおそれがある。使用量が1モルを超える場合、急激な重合反応が起こるおそれがある。
なお、前記ラジカル重合開始剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、およびL−アスコルビン酸等の還元剤を併用して、レドックス重合開始剤として用いることもできる。
連鎖移動剤
また、吸水性樹脂粒子の吸水性能を制御するために、連鎖移動剤を添加してもよい。このような連鎖移動剤としては、例えば、次亜リン酸塩類、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、アミン類等が挙げられる。
内部架橋剤
前記エチレン性不飽和単量体に、必要に応じて架橋剤を添加して重合しても良い。重合反応前のエチレン性不飽和単量体に添加する架橋剤(内部架橋剤)としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール(なお、本明細書においては、「ポリエチレングリコール」と「エチレングリコール」を合わせて「(ポリ)エチレングリコール」と表記する。以下同様)、(ポリ)プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、(ポリ)グリセリン等のジオール、トリオール等のポリオール類と(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和酸とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N’’−トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を2個以上有する化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジル化合物、トリグリシジル化合物等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリン化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物等が挙げられる。これらの内部架橋剤は、1種単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
内部架橋剤を使用する場合、その使用量は、得られる吸水性樹脂粒子の吸水性能を十分に高めるために、エチレン性不飽和単量体100モルに対して、0.00001〜1モルとすることが好ましく、0.0001〜0.5モルとすることがより好ましい。
炭化水素分散媒
本発明で用いる炭化水素分散媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、n−オクタン等の炭素数6〜8の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、trans−1,2−ジメチルシクロペンタン、cis−1,3−ジメチルシクロペンタン、trans−1,3−ジメチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの炭化水素分散媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの炭化水素分散媒のなかでも、工業的に入手が容易であり、品質が安定しており、かつ安価である点で、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンが好適に用いられる。また、前記炭化水素分散媒の混合物の例として、市販されているエクソールヘプタン(エクソンモービル社製:ヘプタン及び異性体の炭化水素75〜85質量%含有)等を用いても好適な結果が得られる。
前記炭化水素分散媒の使用量は、エチレン性不飽和単量体を均一に分散し、重合温度の制御を容易にする観点から、通常、1段目の重合工程におけるエチレン性不飽和単量体100質量部に対して、100〜1500質量部が好ましく、200〜1400質量部がより好ましい。なお、前記1段目の重合とは、単段重合の工程および2段以上の多段重合における1段目の重合工程を意味する。
界面活性剤
本発明で用いる界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、そのアルカリ金属塩、およびそのアルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であるが、例えば、ラウリルリン酸、ラウレス−2リン酸、ラウレス−4リン酸、オレス−4リン酸、オレス−7リン酸ナトリウム、ステアレス−2リン酸、ステアレス−3リン酸、(C12〜15)パレス−3リン酸、(C12〜15)パレス−6リン酸、(C12〜15)パレス−9リン酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C10)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12、13)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C4)リン酸エステルナトリウム、ジラウレス−10リン酸ナトリウム、ジオレス−8リン酸ナトリウム、ジ(C12〜15)パレス−2リン酸、ジ(C12〜15)パレス−4リン酸、ジ(C12〜15)パレス−6リン酸、ジ(C12〜15)パレス−8リン酸、ジ(C12〜15)パレス−10リン酸などが挙げられる。
これらの界面活性剤のなかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルナトリウム塩が好ましく、例えばオレス−7リン酸ナトリウムが用いられる。
前記界面活性剤のHLBは9〜15であり、吸水性樹脂粒子の製造における重合工程の撹拌負荷を小さくするために必要な条件である。一方、HLBが9〜15の範囲を外れると、重合工程の撹拌負荷は急激に大きくなってしまう。
前記界面活性剤の使用量は、炭化水素分散媒中における、エチレン性不飽和単量体の分散状態を良好に保ち、かつ使用量に見合う分散効果を得るため、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.3〜2質量部とされる。逆相懸濁重合を2段以上で行う場合は、界面活性剤の使用量は全段合計の使用量のことで、エチレン性不飽和単量体の数値は全段合計の数値を用いる。
高分子系分散安定剤
さらに、前記界面活性剤と共に高分子系分散安定剤を併用してもよい。使用される高分子系分散安定剤としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これら高分子系分散安定剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記高分子系分散安定剤の使用量は、炭化水素分散媒中における、エチレン性不飽和単量体の分散状態を良好に保ち、かつ使用量に見合う分散効果を得るため、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.3〜2質量部とされる。逆相懸濁重合を2段以上で行う場合は、高分子系分散安定剤の使用量は全段合計の使用量のことで、エチレン性不飽和単量体の数値は全段合計の数値を用いる。
逆相懸濁重合
本発明では、逆相懸濁重合を1段または2段以上で行うことができるが、生産性を高める観点から、2段以上の多段重合で行ってもよい。多段重合を行う場合、2〜3段が好ましい。2段以上の逆相懸濁重合を行う場合には、上記した方法で1段目の逆相懸濁重合を行った後、1段目の重合反応で得られた反応混合物にエチレン性不飽和単量体を全て添加し混合して、1段目と同様の方法で2段目以降の逆相懸濁重合を行えばよい。2段目以降の各段における逆相懸濁重合では、エチレン性不飽和単量体の他に、ラジカル重合開始剤、必要に応じて添加する内部架橋剤を、2段目以降の各段における逆相懸濁重合の際に添加するエチレン性不飽和単量体の量を基準として、前述したエチレン性不飽和単量体に対する各成分のモル比の範囲内で添加して、上記した方法と同様の条件で逆相懸濁重合を行えばよい。
重合反応の反応温度は、重合を迅速に進行させ、重合時間を短くすることにより生産性を高めるとともに、重合熱をより容易に除去して円滑に反応を行う観点から、通常20〜110℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。反応時間は、通常、0.1時間〜4時間が好ましい。
後架橋工程
本発明においては、エチレン性不飽和単量体の重合後以降において、架橋剤を添加して、後架橋工程を行うことが好ましい。重合後に架橋剤(後架橋剤)を添加して後架橋工程を行うことにより、吸水性能を高めることができ、ケーブル用止水材及び結露防止材等の工業資材等の用途として好適に用いられる。
本発明で用いる後架橋剤としては、反応性官能基を2個以上有する化合物を挙げることができる。その例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールトリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;エチレンカーボネート等のカーボネート化合物;ビス[N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)]アジプアミド等のヒドロキシアルキルアミド化合物が挙げられる。これらの中でも、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールトリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物が特に好ましい。これらの後架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
後架橋剤を使用する場合、その使用量は、得られる吸水性樹脂粒子の吸水性能を高める観点から、重合に使用したエチレン性不飽和単量体の総使用量100モルに対して、0.001〜1モルであることが好ましく、0.005〜0.5モルであることがより好ましい。
後架橋剤の添加時期は、重合終了後であればよく、特に限定されないが、エチレン性不飽和単量体100質量部に対し、1〜400質量部の範囲の水分存在下に添加することが好ましく、5〜200質量部の範囲の水分存在下に添加することがより好ましく、10〜100質量部の範囲の水分存在下に添加するのが最も好ましい。
後架橋剤の添加方法としては、後架橋剤をそのまま添加しても、水溶液として添加してもよいが、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いた溶液として添加してもよい。
親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これら親水性有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよく、2種類以上を併用、又は水との混合溶媒として使用してもよい。
後架橋工程における温度は、50〜250℃が好ましく、60〜180℃がより好ましく、70〜150℃が更に好ましい。また、前記後架橋工程の時間は、通常、1〜300分間、好ましくは5〜200分間である。
乾燥工程
本発明において、熱等のエネルギーを外部から加えることにより、水、炭化水素分散媒等を蒸留により除去する、乾燥工程を含んでいても良い。乾燥工程は常圧下でも減圧下で行ってもよく、乾燥効率を高めるため、窒素等の気流下で行ってもよい。乾燥工程が常圧の場合、乾燥温度は70〜250℃が好ましく、80〜180℃がより好ましく、80〜140℃が更に好ましい。また、減圧下の場合、乾燥温度は40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃がさらに好ましい。
その他の添加剤
なお、本発明の吸水性樹脂粒子には、さらに目的に応じて、滑剤などの添加剤を添加してもよい。このようにして得られた吸水性樹脂粒子は、ケーブル用止水材及び結露防止材等の工業資材等の用途に好適に使用される。
2.吸水性樹脂粒子
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子の中位粒子径は、目的とする用途によって異なるため、一概に限定できないが、例えば、ケーブル用止水材及び結露防止材等の工業資材等の用途に用いる場合、中位粒子径は75〜130μmが好ましく、さらに好ましくは90〜120μmである。
以下に、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
各実施例および比較例で得られた吸水性樹脂粒子の性能を、以下の方法により評価した。
(1)撹拌負荷
ハイパワー汎用撹拌機BLh1200R(新東科学株式会社製)とデータ収集用パソコンを接続し、重合時の撹拌機の負荷(N・m)を連続的に記録した。重合が終了するまでの最大負荷値を撹拌負荷とした。なお、70℃の水浴に浸漬して昇温を開始した時点を重合が開始した時点とし、昇温を開始して60分経過した時点を重合が終了した時点として記録を行った。
(2)中位粒子径
JIS標準篩を上から、目開き500μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き150μmの篩、目開き106μmの篩、目開き75μmの篩、目開き45μmの篩および受け皿の順に組み合わせた。組み合わせた最上の篩に、吸水性樹脂粒子約50gを入れ、ロータップ式振とう器を用いて10分間振とうさせて分級した。分級後、各篩上に残った吸水性樹脂粒子の質量を全吸水性樹脂粒子量に対する質量百分率として計算し、粒子径の大きい方から順に積算した。その後、篩の目開きと、篩上に残った吸水性樹脂粒子の質量百分率の積算値との関係を、対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径とした。
[実施例1]
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、データ収集用パソコンを接続したハイパワー汎用撹拌機BLh1200R(新東科学株式会社製)および翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼を備えた内径100mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコにn−ヘプタン479gをとり、界面活性剤としてHLB14.4であるオレス−7リン酸ナトリウム(商品名フォスファノールRD−720N、東邦化学工業株式会社製)1.150gを添加し、撹拌しつつ50℃まで昇温した後、33℃まで冷却した。
一方、500mL容の三角フラスコに80.5質量%のアクリル酸水溶液92gとイオン交換水45gをとり、外部より冷却しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液102.9gを滴下して75モル%の中和を行った。その後、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.101gを加えて溶解し、単量体水溶液を調製した。
撹拌機の回転数を900r/minとして、前記単量体水溶液を、前記セパラブルフラスコに一括添加して、系内を窒素で置換しながら33℃で30分間保持した。その後、セパラブルフラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、重合を60分間行なった。重合工程における撹拌負荷は0.3×10-1N・mであった。
重合後、撹拌機の回転数を1000r/minに変更して、125℃の油浴を使用して昇温し、水とn−ヘプタンとの共沸蒸留により、n−ヘプタンを還流しながら、87gの水を系外へ抜き出した。その後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルの2質量%水溶液4.14gを添加し、80℃で2時間、後架橋工程を行った。引き続き水とn−へプタンを蒸留により除去、乾燥することによって、吸水性樹脂粒子を71g得た。得られた吸水性樹脂粒子の中位粒子径を表1に示した。
[実施例2]
実施例1において、界面活性剤としてオレス−7リン酸ナトリウムの代わりにHLB9.9であるラウレス−4リン酸(商品名フォスファノールRD−510Y、東邦化学工業株式会社製)を1.104g用いた。重合工程における撹拌負荷は0.7×10-1N・mであった。得られた吸水性樹脂粒子は72gであり、その中位粒子径を表1に示した。
[実施例3]
実施例1において、界面活性剤としてオレス−7リン酸ナトリウムの代わりにHLB10.5である(C12〜15)パレス−6リン酸(商品名フォスファノールRS−610、東邦化学工業株式会社製)を2.074g用いた。また、重合工程における撹拌負荷は0.8×10-1N・mであった。得られた吸水性樹脂粒子は72gであり、その中位粒子径を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、界面活性剤としてHLB8.6であるオレス−7リン酸ナトリウムの代わりに特許文献1に記載のソルビタンモノラウレート(商品名ノニオンLP−20R、日本油脂株式会社製)を1.104g用いた。重合工程における撹拌負荷は1.7×10-1N・mであった。得られた吸水性樹脂粒子は71gであり、その中位粒子径を表1に示した。
[比較例2]
比較例1において、界面活性剤ソルビタンモノラウレートの使用量を2.370gに変更した。重合工程における撹拌負荷は1.6×10-1N・mであった。得られた吸水性樹脂粒子は72gであり、その中位粒子径を表1に示した。
[比較例3]
実施例1において、界面活性剤としてオレス−7リン酸ナトリウムの代わりに特許文献2に記載のHLB15.1であるポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(商品名プライサーフA212C、第一工業製薬株式会社製)を1.115g用いた。重合工程における撹拌負荷は1.3×10-1N・mであった。得られた吸水性樹脂粒子は70gであり、その中位粒子径を表1に示した。
Figure 0006887986
表1に示したように、実施例1−3において、重合工程における撹拌負荷は小さくなり、中位粒子径もケーブル用止水材及び結露防止材等の工業資材等の用途に対して適当な範囲となった。一方、比較例1−3では、重合工程における撹拌負荷は大きく、中位粒子径は適当な範囲よりも大きかった。
[実施例4]
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、データ収集用パソコンを接続したハイパワー汎用撹拌機BLh1200R(新東科学株式会社製)および翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼を備えた内径100mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコにn−ヘプタン338gを加え、界面活性剤としてHLB14.4であるオレス−7リン酸ナトリウム(商品名フォスファノールRD−720N、東邦化学工業株式会社製)1.150gを添加し、撹拌しつつ50℃まで昇温した後、33℃まで冷却した。
一方、500mL容の三角フラスコに80.5質量%のアクリル酸水溶液92gとイオン交換水45gをとり、外部より冷却しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液102.9gを滴下して75モル%の中和を行った。その後、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.101gを加えて溶解し、1段目の重合工程の単量体水溶液を調製した。
撹拌機の回転数を900r/minとして、前記単量体水溶液を、前記セパラブルフラスコに一括添加して、系内を窒素で置換しながら33℃で30分間保持した。その後、セパラブルフラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、重合を60分間行なった。1段目の重合工程における撹拌負荷は0.3×10-1N・mであった。
次に、1段目の重合工程とは別に500mL容の三角フラスコに80.5質量%のアクリル酸水溶液92gとイオン交換水50gをとり、外部より冷却しつつ、48質量%の水酸化ナトリウム水溶液64.3gを滴下して75モル%の中和を行った。その後、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.101gを加えて溶解し、2段目の重合工程の単量体水溶液を調製した。
撹拌機の回転数を1000r/minとして、前記単量体水溶液を、前記セパラブルフラスコに一括添加して、系内を窒素ガスで30分間置換した。その後、セパラブルフラスコを70℃の水浴に浸漬して系内を昇温し、重合を60分間行なった。2段目の重合工程における撹拌負荷は0.1×10-1N・mであった。
重合後、125℃の油浴を使用して昇温し、水とn−ヘプタンとの共沸蒸留により、n−ヘプタンを還流しながら、197gの水を系外へ抜き出した。その後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルの2質量%水溶液8.28gを添加し、80℃で2時間、後架橋工程を行った。引き続き水とn−へプタンを蒸留により除去、乾燥することによって、吸水性樹脂粒子を172g得た。得られた吸水性樹脂粒子の中位粒子径を表2に示した。
[実施例5]
実施例4において、界面活性剤としてオレス−7リン酸ナトリウムの代わりにHLB12.5であるラウレス−2リン酸(商品名フォスファノールML−220、東邦化学工業株式会社製)を1.127g用いた。1段目の重合工程における撹拌負荷は0.5×10-1N・m、2段目の重合工程における撹拌負荷は0.3×10-1N・mであった。得られた吸水性樹脂粒子は174gであり、その中位粒子径を表2に示した。
[比較例4]
実施例4において、界面活性剤としてオレス−7リン酸ナトリウムの代わりに特許文献1に記載のHLB8.6であるソルビタンモノラウレート(商品名ノニオンLP−20R、日本油脂株式会社製)を1.104g用いた。1段目の重合工程における撹拌負荷は1.4×10-1N・m、2段目の重合工程における撹拌負荷は1.1×10-1N・mであった。得られた吸水性樹脂粒子は174gであり、その中位粒子径を表2に示した。
Figure 0006887986
表2に示したように、実施例4、5において、重合工程における撹拌負荷は小さくなり、中位粒子径もケーブル用止水材及び結露防止材等の工業資材等の用途に対して適当な範囲となった。一方、比較例4では、重合工程における撹拌負荷は大きく、中位粒子径は適当な範囲よりも大きかった。
本発明の製造方法によれば、重合工程における攪拌負荷が小さく生産性の高い吸水性樹脂粒子の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 界面活性剤が混合された炭化水素分散媒に、エチレン性不飽和単量体を一括添加して、逆相懸濁重合を行う吸水性樹脂粒子の製造方法であって、
    前記逆相懸濁重合は1段または2段以上で行い、
    前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルのナトリウム塩、ラウレス−4リン酸、(C12〜C15)パレス−6リン酸エステル、オレス−7リン酸ナトリウム、及びラウレス−2リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記界面活性剤のHLBが、9〜15であることを特徴とする、吸水性樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記界面活性剤の使用量が、前記エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.1〜3.0質量部である、請求項1に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリル酸、及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
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