JP5191105B2 - 吸水性樹脂粒子の製造方法およびそれによって得られる吸水性樹脂粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水性樹脂粒子の製造方法およびそれによって得られる吸水性樹脂粒子に関する。さらに詳しくは、特定の後架橋方法によって、吸水性樹脂粒子前駆体の表面層の架橋密度を高めることにより、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れ、かつ安全性にも配慮した、衛生材料用途に好適な吸水性樹脂粒子の製造方法、およびそれによって得られる吸水性樹脂粒子に関する。
吸水性樹脂粒子は、紙おむつ、生理用品等の衛生材料、保水材、土壌改良材等の農園芸材料、ケーブル用止水材、結露防止材等の工業用資材等、種々の分野に広く使用されている。
このような吸水性樹脂粒子としては、例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリアクリル酸部分中和物の架橋体等が知られている。特に、ポリアクリル酸部分中和物の架橋体は、生産性および吸水性能に優れているため、衛生材料等に好適に用いられている。
衛生材料等に使用される吸水性樹脂粒子には、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れることが求められている。これまでにも、前記諸性能を改良するために、吸水性樹脂粒子の性能改良が、特に粒子の表面層の架橋密度を高める方法、いわゆる後架橋方法や、それに類似した方法によって、数多く検討されている。一方で、吸水性樹脂粒子は、肌に接する衛生材料に使用されるため、近年は、皮膚への安全性にも配慮することが求められ、吸水性樹脂粒子の改良方法も、安全性に配慮したものが検討される傾向にある。
近年、安全に配慮しつつ前記諸性能を改善する方法として、例えば、オキセタン化合物および水溶性添加剤を混合する方法(特許文献1参照)、ケタール化合物、アセタール化合物を混合して熱処理する方法(特許文献2参照)、特定のオキサゾリン化合物を混合、処理する方法(特許文献3参照)等により、吸水性樹脂粒子の表面層の架橋密度を高める方法が提案されているが、これらの技術により、吸水性樹脂粒子の諸性能は改善される傾向にはあるものの、いまだ十分満足出来るものではない。さらに、オキセタン化合物、ケタール化合物やオキサゾリン化合物などの架橋剤を使用する方法においては、反応に高温や長い時間が必要なため、吸水性樹脂粒子の一部が分解し、残存モノマーなどの増加が懸念されたり、吸水性樹脂粒子の着色や劣化等の問題が生じたりするおそれがある。
よって、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れ、かつ安全性に配慮した吸水性樹脂粒子の開発が望まれている。
特開2003−313446号公報 特開平8−27278号公報 特開2000−197818号公報
本発明の目的は、特定の後架橋方法によって、吸水性樹脂粒子前駆体の表面層の架橋密度を高めることにより、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れ、かつ安全性にも配慮した、衛生材料用途に好適な吸水性樹脂粒子の製造方法およびそれによって得られる吸水性樹脂粒子を提供することにある。
すなわち、本発明は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させて得られる吸水性樹脂粒子の前駆体(A)と、過硫酸塩(B)と、前記水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部あたり0.1〜5質量部の重合性不飽和基を有する化合物(C)とを、前記水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部あたり1〜50質量部の水の存在下に反応させる吸水性樹脂粒子の製造方法に関し、重合性不飽和基を有する化合物(C)として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、または、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドとポリエチレングリコールジアクリレートとを用いる
本発明によれば、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れ、かつ安全性にも配慮した、衛生材料用途に好適な吸水性樹脂粒子の製造方法、およびそれによって得られる吸水性樹脂粒子が提供される。
本発明において、吸水性樹脂粒子を得るための水溶性エチレン性不飽和単量体の重合方法は特に限定されず、代表的な重合方法である逆相懸濁重合法、水溶液重合法等が挙げられる。
本明細書においては、実施形態の一例として、逆相懸濁重合法についてより詳しく説明する。前記方法においては、まず、界面活性剤および/または高分子保護コロイドを含む石油系炭化水素溶媒中、水溶性エチレン性不飽和単量体を、必要により架橋剤を添加し、水溶性ラジカル重合開始剤を用いて、油中水系で逆相懸濁重合を行う。
使用する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、本発明の後架橋反応を進行しやすくする観点から、アクリロイル基(CH=CH−CO−)を有する化合物が使用される。例えば、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、およびポリエチレングリコールモノアクリレート等のアクリレート系単量体、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ塩等のアクリルアミド系単量体、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート等のアミノ基含有のアクリレート系単量体やその4級化物等を挙げることができる。なかでも、アクリル酸またはそのアルカリ塩、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましく用いられる。これらは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記水溶性エチレン性不飽和単量体に、メタクリレート系単量体、メタクリルアミド系単量体、アミノ基含有のメタアクリレート系単量体等、その他の重合性不飽和基を有する水溶性単量体を併用し、共重合することもできる。
水溶性エチレン性不飽和単量体は、通常、水溶液として用いることができる。単量体水溶液における単量体の濃度は、20質量%〜飽和濃度の範囲であることが好ましい。
水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のように酸基を有する場合、その酸基をアルカリ金属塩などのアルカリ性中和剤によって中和しておいても良い。このようなアルカリ性中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化アンモニウム等の水溶液を挙げることができる。これらアルカリ性中和剤は単独で用いても、併用してもよい。
アルカリ性中和剤による全酸基に対する中和度は、得られる吸水性樹脂粒子の浸透圧を高めることで吸収能力を高め、かつ余剰のアルカリ性中和剤の存在により、安全性などに問題が生じないようにする観点から、10〜100モル%の範囲が好ましく、30〜80モル%の範囲がより好ましい。
単量体水溶液に添加されるラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、および過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、および過酸化水素等の過酸化物類、並びに、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、および4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、通常、水溶性エチレン性不飽和単量体の総量に対して0.005〜1モル%である。使用量が0.005モル%より少ない場合、重合に多大な時間を要するので、好ましくない。使用量が1モル%を越える場合、急激な重合が起こるので、好ましくない。
なお、前記ラジカル重合開始剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、およびL−アスコルビン酸等の還元剤を併用して、レドックス重合開始剤として用いることもできる。
また、吸水性樹脂粒子の吸水性能を制御するために、連鎖移動剤を添加してもよい。このような連鎖移動剤としては、次亜りん酸塩類、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、アミン類などを例示することができる。
前記単量体水溶液に、必要に応じて架橋剤(内部架橋剤)を添加して重合しても良い。重合前の単量体水溶液に添加する内部架橋剤としては、例えば重合性不飽和基を2個以上有する化合物が用いられる。例えば、(ポリ)エチレングリコール[本明細書において、例えば、「ポリエチレングリコール」と「エチレングリコール」を合わせて「(ポリ)エチレングリコール」と表記する。以下同様]、(ポリ)プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、および(ポリ)グリセリン等のポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、前記のポリオールとマレイン酸およびフマール酸等の不飽和酸類とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビスアクリルアミド類、ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類、アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N”−トリアリルイソシアヌレート、並びに、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
また、内部架橋剤としては、重合性不飽和基を2個以上有する前記化合物に加えて、その他の反応性官能基を2個以上有する化合物を用いることができる。例えば、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。これら内部架橋剤は2種類以上を併用してもよい。
内部架橋剤の添加量は、得られる吸水性樹脂粒子の吸収性能を十分に高める観点から水溶性エチレン性不飽和単量体の総量に対して、1モル%以下とすることが好ましく、0.5モル%以下とすることがより好ましい。なお、内部架橋剤の添加が任意であるのは、単量体重合後から乾燥までのいずれかの工程において、粒子表面層の架橋を施すための架橋剤を添加することによっても、吸水性樹脂粒子の吸水能を制御することが可能なためである。
重合の分散媒として用いられる石油系炭化水素溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンおよびリグロイン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、およびメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、並びに、ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。なかでも、工業的に入手が容易であり、品質が安定しており、かつ安価であるため、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好適に用いられる。これら石油系炭化水素溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上の混合物を併用することもできる。
石油系炭化水素溶媒の量は、水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、50〜600質量部が好ましく、80〜550質量部がより好ましい。石油系炭化水素溶媒の量が50質量部よりも少ない場合、重合温度の制御が困難になる傾向があり、600質量部よりも多い場合、重合を進めるためにより多量のエネルギーが必要となり、経済的に不利となる傾向がある。
使用する界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、N−アルキルグルコンアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル、およびポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルのリン酸エステル等が挙げられる。
なかでも、単量体水溶液の分散安定性の面から、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。これらの界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記界面活性剤とともに高分子系分散剤を併用してもよい。使用される高分子系分散剤としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・プロピレン・無水マレイン酸共重合体、ブタジエン・無水マレイン酸共重合体、酸化型ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。なかでも、単量体水溶液の分散安定性の面から、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体が好ましい。これらの高分子系分散剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの分散安定剤の使用量は、石油系炭化水素溶媒中における、単量体水溶液の分散状態を良好に保ち、かつ使用量に見合う分散効果を得るため、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜3質量部がより好ましい。
重合の反応温度は、使用するラジカル重合開始剤によって異なるが、通常20〜110℃、好ましくは40〜90℃である。反応温度が20℃より低い場合、重合速度が遅く、重合時間が長くなるので、経済的に好ましくない。反応温度が110℃より高い場合、重合熱を除去することが難しくなるので、円滑に反応を行なうことが困難となる。反応時間は通常、0.1〜4時間である。
また、前記逆相懸濁重合によって得られた含水ゲルに、前記水溶性エチレン性不飽和単量体をさらに添加し、2段以上の多段で重合を行うこともできる。
かくして得られる吸水性樹脂粒子の前駆体は、前駆体中の含水量を適宜調整した後、特定の後架橋反応に供される。
本発明の特徴は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることにより吸水性樹脂粒子の前駆体を得た後に、過硫酸塩と吸水性樹脂粒子の前駆体を混合し、水の存在下、要すれば親水性有機溶媒を添加し、さらに必要に応じて重合性不飽和基を有する化合物とともに反応させることにより、後架橋処理を行なう点にある。
使用する過硫酸塩は、特に限定されないが、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等から選ばれる少なくとも1種を使用するのが好ましい。
前記過硫酸塩の量は、吸水性樹脂粒子の前駆体の重合に使用した水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.1〜2質量部である。過硫酸塩の量が0.01質量部よりも少ない場合、吸水性樹脂粒子の架橋密度を十分に高めることができなくなる傾向があり、水可溶分が増加するおそれがある。過硫酸塩の量が3質量部より多い場合、架橋密度が高くなりすぎるため吸水能が低くなる傾向がある。
後架橋処理時に必要に応じて使用する重合性不飽和基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のジまたはトリオール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジもしくはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリグリセリン等のポリオール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の、ジもしくはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類;N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド類;N,N’,N”−トリアリルイソシアヌレート等の重合性不飽和基を2個以上有する化合物等が挙げられる。なかでも、水溶液として添加できるため、吸水性樹脂粒子の前駆体と混合しやすく、かつ安全性が高いという観点から、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシアルキルアクリルアミドおよびN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジアクリレートおよび(ポリ)プロピレングリコールジアクリレートが特に好ましい。
前記重合性不飽和基を有する化合物の添加量は、水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して0〜5質量部、好ましくは0.1〜3.5質量部、より好ましくは0.5〜2.5質量部である。重合性不飽和基を有する化合物の量が、5質量部よりも多い場合、得られる重合体の架橋密度が高くなりすぎるため、吸水能が低くなる傾向がある。
後架橋処理時に存在させる水の量は、吸水性樹脂粒子の前駆体の重合に使用した水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、5〜70質量部であり、10〜50質量部であることが好ましい。後架橋処理時の水の存在量が70質量部より多い場合、表面層を架橋することが困難となり、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れた吸水性樹脂粒子が得られにくくなる。水の存在量が5質量部より少ない場合、過硫酸塩、重合性不飽和基を吸水性樹脂粒子の前駆体に均一に分散することが困難となり、前記諸性能に優れた吸水性樹脂粒子が得られにくくなる。
過硫酸塩および重合性不飽和基を有する化合物の添加時期は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合後であればよく、特に限定されない。例えば、重合後の含水ゲルに添加する方法、重合後の含水ゲルを脱水、乾燥して水分を調整後に添加する方法、重合後の含水ゲルを脱水、乾燥して得られた吸水性樹脂粒子の前駆体に、適量の水分とともに添加する方法が挙げられる。なお、過硫酸塩、重合性不飽和基を有する化合物は、全量を一度に添加しても、数回に分割して添加してもよい。
過硫酸塩および重合性不飽和基を有する化合物を添加する際には、純水などで希釈して水溶液として添加することが好ましい。その場合、後架橋処理時時に存在する水の量として、吸水性樹脂粒子の前駆体の重合に使用した水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、5〜70質量部の範囲となる量で添加される。
また、過硫酸塩および重合性不飽和基を有する化合物を水溶液として添加する際には、これらの化合物が吸水性樹脂粒子の前駆体の内部へ浸透するのを抑制するために、親水性有機溶媒を使用してもよい。
親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N’−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等があげられる。なかでも、安全性と工業的に入手が容易である面から、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールが好ましく用いられる。これらは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
親水性有機溶媒の量は、吸水性樹脂粒子の前駆体の重合に使用した水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0〜40質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。なお、親水性有機溶媒は、水と併用してもよい。
後架橋処理を行う場合には、熱や紫外線などのエネルギーを与えることが好ましい。本発明の製造方法においては、吸水性樹脂粒子の分解を抑制するため、熱などのエネルギーが少ないことに特徴がある。加熱して後架橋処理を行う場合の反応温度は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜140℃であり、最も好ましくは70〜130℃である。反応温度が50℃よりも低い場合、反応が進行しにくく長時間を要する傾向がある。反応温度が150℃を超える場合、得られる吸水性樹脂粒子の分解や、吸水性樹脂粒子の着色、劣化が発生するおそれがある。
吸水性樹脂粒子の前駆体を後架橋処理した後、さらに乾燥するなどして、水分を調整し、吸水性樹脂粒子が得られる。吸水性樹脂粒子の最終的な水分率は、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下である。吸水性樹脂粒子の水分率が20%を越える場合、粉体としての流動性が悪くなるおそれがある。
かくして本発明の製造方法によって得られる吸水性樹脂粒子は、生理食塩水保水能が30g/g以上、2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能が15mL/g以上、ゲル強度が900Pa以上であり、保水能が高く、荷重下における吸水能が高く、かつ、ゲル強度が高いため、衛生材料に好適に使用できるものである。なお、生理食塩水保水能、2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能、ゲル強度、水分率は、後述する実施例に記載の測定方法によって測定したときの値である。
生理食塩水保水能は、30g/g以上であることが好ましく、40g/g以上であることがより好ましい。生理食塩水保水能が30g/gより低い場合、衛生材料として用いた際、吸収容量が低く、液体の逆戻り量が多くなる傾向がある。
2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能は、15mL/g以上であることが好ましく、20mL/g以上であることがより好ましい。2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能が15mL/gより低い場合、衛生材料として用いた際、吸液後の衛生材料に圧力がかかった場合における逆戻り量が多くなる傾向がある。
ゲル強度は、900Pa以上であることが好ましく、1000Pa以上であることがより好ましい。ゲル強度が900Paよりも低い場合、吸液後の衛生材料中でゲルが形状を保持しにくくなり、液体の流路を確保しにくくなるため、液拡散性が低くなる傾向がある。
かくして、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることにより吸水性樹脂粒子の前駆体を得た後、過硫酸塩と吸水性樹脂粒子の前駆体を混合し、必要に応じて重合性不飽和基を有する化合物とともに反応させることにより、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れ、かつ安全性にも配慮した、吸水性樹脂粒子が得られる。
このような諸性能に優れた吸水性樹脂粒子が得られる理由は明らかではないが、以下に基づくものと推測される。すなわち、吸水性樹脂粒子の前駆体と過硫酸塩を混合することで、粒子表面層のポリマー主鎖の自己架橋が誘発され、近接した主鎖どうしが自己架橋により結合することで、表面層の架橋密度が高くなり、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能が向上するものと推測される。
さらに、前記混合物に、重合性不飽和基を有する化合物を共存させることで、自己架橋による近接したポリマー主鎖どうしの結合に加えて、それほど近接していない主鎖間の架橋構造も効果的に形成されるため、過硫酸塩のみを使用した場合よりも、前記諸性能がさらに向上するものと推察される。
なお、本発明の吸水性樹脂には、さらに目的に応じて、滑剤、消臭剤、抗菌剤等の添加剤を混合してもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例1
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管および攪拌機として4枚傾斜パドル撹拌羽根(2段)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコにn−ヘプタン500mLをとり、HLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、リョートーシュガーエステルS−370)0.92g、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学(株)、ハイワックス1105A)0.92gを添加し、撹拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
一方、500mLの三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液92gをとり、外部より冷却しつつ、21.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液146.0gを滴下して75モル%の中和を行った後、過硫酸カリウム0.11g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド9.2mgを加えて溶解し、第1段目の単量体水溶液を調製した。
この第1段目の単量体水溶液の全量を、前記セパブルフラスコに添加して、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、第1段目の重合を行った後、室温まで冷却して第1段目の重合スラリー液を得た。
一方、別の500mLの三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液128.8gをとり、外部より冷却しつつ、27.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液159.0gを滴下して75モル%の中和を行った後、過硫酸カリウム0.16g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド12.9mgを加えて溶解して、第2段目の単量体水溶液を調製した。
この第2段目の単量体水溶液の全量を、前記重合後スラリー液に添加して、系内を窒素で十分に置換した後、再度、フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、第2段目の重合を行った。
第2段目の重合後、油浴で加熱することによって、n−ヘプタンと水との共沸混合物から水分のみを除去した。さらに系内のn−ヘプタンを蒸留により除去して、吸水性樹脂粒子の前駆体(A1)を得た。この時点での水分率は3%であった。
製造例2
製造例1において、1段目重合用単量体水溶液に用いたN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を9.2mgから18.4mgに変更し、二段目重合用単量体水溶液に用いたN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を12.9mgから25.8mgに変更した以外は、製造例1と同様の方法で、吸水性樹脂粒子の前駆体(A2)を得た。この時点での水分率は4%であった。
参考例1
攪拌機、撹拌羽根、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコに、製造例1で得られた吸水性樹脂粒子の前駆体(A1)50gを入れた。
一方、過硫酸カリウム1.0g、純水20gを混合した水溶液を調製し、吸水性樹脂粒子の前駆体を攪拌しながら、前記水溶液を噴霧にて添加した。次いで、125℃の油浴で1時間加熱し、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、結果を表1に示した。
参考例2
攪拌機、撹拌羽根、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコに、製造例1で得られた吸水性樹脂粒子の前駆体(A1)50gを入れた。
一方、過硫酸カリウム0.5g、純水20gを混合した水溶液を調製し、吸水性樹脂粒子の前駆体を攪拌しながら、イソプロピルアルコール10gを噴霧後、前記水溶液を噴霧にて添加した。次いで、125℃の油浴で1時間加熱し、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、結果を表1に示した。
実施例1
攪拌機、撹拌羽根、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコに、製造例1で得られた吸水性樹脂粒子の前駆体(A1)50gを入れた。
一方、過硫酸カリウム0.5g、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド0.5g、純水10gを混合した水溶液を調製し、吸水性樹脂粒子の前駆体を攪拌しながら、前記水溶液を噴霧にて添加した。次いで、125℃の油浴で1時間加熱し、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、結果を表1に示した。
実施例2
実施例1において、純水を20gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、表1に示した。
実施例3
実施例1において、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドを1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、表1に示した。
参考例3
実施例1において、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド0.5gに代えて、ポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社の商品名:ライトアクリレート9EG−A)1.0gを添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、結果を表1に示した。
比較例1
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子の前駆体(A1)の物性を測定し、結果を表1に示した。
比較例2
製造例2で得られた吸水性樹脂粒子の前駆体(A2)の物性を測定し、結果を表1に示した。
比較例3
参考例1において、過硫酸カリウムを添加しない以外は、参考例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、結果を表1に示した。
比較例4
参考例2において、純水の量を40gに変更した以外は、参考例2と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、結果を表1に示した。
比較例5
実施例1において、過硫酸カリウムを添加しない以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子を得た。吸水性樹脂粒子の物性を測定し、結果を表1に示した。
得られた吸水性樹脂粒子の物性の測定は、以下に示す方法で行った。
(1)生理食塩水保水能
吸水性樹脂粒子2.0gを、綿袋(メンブロード60番、横100mm×縦200mm)中に量り取り、500mL容のビーカー中に入れた。綿袋に生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液、以下同様)500gを一度に注ぎ込み、吸水性樹脂粒子のママコが発生しないように生理食塩水を分散させた。綿袋の上部を輪ゴムで縛り、30分間放置して、吸水性樹脂粒子を十分に膨潤させた。遠心力が167Gになるよう設定した脱水機〔国産遠心機株式会社、品番:H−122〕を用いて綿袋を1分間脱水して、輪ゴムをはずし、脱水後の膨潤ゲルを含んだ綿袋の質量Wa(g)を測定した。吸水性樹脂粒子を添加せずに同様の操作を行い、綿袋の湿潤時空質量Wb(g)を測定し、以下の式から生理食塩水保水能を算出した。
Figure 0005191105
(2)2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能
吸水性樹脂粒子の2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能は、図1に概略を示した測定装置Xを用いて測定した。
図1に示した測定装置Xは、ビュレット部1と導管2、測定台3、測定台3上に置かれた測定部4からなっている。ビュレット部1は、ビュレット10の上部にゴム栓14、下部に空気導入管11とコック12が連結されており、さらに、空気導入管11は先端にコック13を有している。ビュレット部1と測定台3の間には、導管2が取り付けられており、導管2の内径は6mmである。測定台3の中央部には、直径2mmの穴があいており、導管2が連結されている。測定部4は、円筒40(プレキシグラス製)と、この円筒40の底部に接着されたナイロンメッシュ41と、重り42とを有している。円筒40の内径は、20mmである。ナイロンメッシュ41の目開きは、75μm(200メッシュ)である。そして、測定時にはナイロンメッシュ41上に吸水性樹脂粒子5が均一に撒布されている。重り42は、直径19mm、質量59.8gである。この重りは、吸水性樹脂粒子5上に置かれ、吸水性樹脂粒子5に対して2.07kPaの荷重を加えることができるようになっている。
次に測定手順を説明する。測定は25℃の室内にて行なわれる。まずビュレット部1のコック12とコック13を閉め、25℃に調節された生理食塩水をビュレット10上部から入れ、ゴム栓14でビュレット上部の栓をした後、ビュレット部1のコック12、コック13を開ける。次に、測定台3中心部の導管口から出てくる生理食塩水の水面と、測定台3の上面とが同じ高さになるように測定台3の高さの調整を行う。
別途、円筒40のナイロンメッシュ41上に0.10gの吸水性樹脂5粒子を均一に撒布して、この吸水性樹脂粒子5上に重り42を置いて、測定部4を準備する。次いで、測定部4を、その中心部が測定台3中心部の導管口に一致するようにして置く。
吸水性樹脂粒子5が吸水し始めた時点から、ビュレット10内の生理食塩水の減少量(すなわち、吸水性樹脂粒子5が吸水した生理食塩水量)Wc(ml)を読み取る。吸水開始から60分間経過後における吸水性樹脂粒子5の2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能は、以下の式により求めた。
Figure 0005191105
(3)吸水性樹脂粒子のゲル強度
本発明における吸水性樹脂粒子のゲル強度は、下記のゲルを図2に示すような測定原理を有する装置Y(例えば、飯尾電気社製ネオカードメーター、品番:M−303)で測定した値である。
装置Yは、支持部1、測定試料(ゲル)6を搭載するための可動台板2、可動台板2を駆動するための駆動部3および測定部4から構成される。
支持部1において、支持台10に立てられた支柱11の上部に架台12が固定されている。支柱11には、上下に移動するように可動台板2が取り付けられている。架台12上にはパルスモーター30が搭載され、プーリー31を回転させることによって、ワイヤー32を介して可動台板2を上下に移動する。
また、測定部4において、変形により生ずる歪みを計測するためのロードセル40に、精密スプリング41および連継軸42を介してディスク付き感圧軸43が取り付けられている。測定条件により、ディスクの直径は変更することができる。ディスク付き感圧軸43の上部には重り5を搭載することができる。
装置Yの作動原理は、以下の通りである。
精密スプリング41を、上方のロードセル40(応力検出器)に固定し、下方にはディスク付き感圧軸43を連結して所定の重り5を乗せて垂直に懸吊してある。測定試料6を乗せた可動台板2は、パルスモーター30の回転により一定速度で上昇する。スプリング41を介して試料6に定速荷重を加え、変形により生ずる歪みをロードセル40で計測し、硬さを測定演算するものである。
100mL容のビーカーに、生理食塩水39.0gを量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリング無し)を投入し、マグネチックスターラー(iuchi社製:HS−30D)の上に配置した。引き続きマグネチックスターラーバーを600rpmで回転するように調整し、さらに、マグネチックスターラーバーの回転により生ずる渦の底部は、マグネチックスターラーバーの上部近くになるように調整した。
次に、吸水性樹脂粒子1.0gを攪拌中のビーカー内に投入し、回転渦が消えて液面が水平になるまで攪拌を続け、測定試料6となるゲルを調製した。
60分後、装置Y(飯尾電気社製ネオカードメーター、品番:M−303、感圧軸のディスク16mmφ、荷重100g、スピード7秒/インチ、粘稠モード設定)を用いてゲルの硬さ値を測定した。得られた硬さ値(dyne/cm)から、以下の式によってゲル強度を算出した(0.1:単位補正係数(dyne/cm→Pa))。
Figure 0005191105
(4)吸水性樹脂粒子の水分率
吸水性樹脂粒子2.0gを、あらかじめ恒量(Wa(g))としたアルミホイールケース(8号)にとり精秤した(Wd(g))。上記サンプルを、内温を105℃に設定した熱風乾燥機(ADVANTEC社製)で2時間乾燥させた後、デシケーター中で放冷して、乾燥後の質量We(g)を測定した。以下の式から、吸水性樹脂粒子の水分率を算出した。
Figure 0005191105
(5)吸水性樹脂粒子の残存モノマー含量
500mL容のビーカーに生理食塩水500gを入れ、これに吸水性樹脂粒子2.0gを添加して60分間攪拌した。前記ビーカーの内容物を、目開き75μmのJIS標準ふるい、さらに、ろ紙(ADVANTEC社製、No.3)によりろ過して、吸水ゲルと抽出液を分離した。得られた抽出液中に溶解しているモノマー含量を、高速液体クロマトグラフィーにより測定した。測定値を、吸水性樹脂粒子質量あたりの値に換算して残存モノマー含量(ppm)とした。
Figure 0005191105
表1に記載の結果から明らかなように、実施例で得られた吸水性樹脂粒子は、いずれも本発明記載の特定の後架橋処理前に比べ、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れていることがわかる。
本発明の製造方法により得られた吸水性樹脂粒子は、保水能、荷重下における吸水能、ゲル強度などの諸性能に優れ、かつ安全性にも配慮しているので、生理用品や紙おむつ等の衛生材料に好適に用いることができる。
吸水性樹脂粒子の荷重下生理食塩水吸水能を測定する装置の概略図。 吸水性樹脂粒子のゲル強度を測定する装置の概略図。
符号の説明
X 測定装置
1 ビュレット部
10 ビュレット
11 空気導入管
12 コック
13 コック
14 ゴム栓
2 導管
3 測定台
4 測定部
40 円筒
41 ナイロンメッシュ
42 重り
5 吸水性樹脂粒子
Y ゲル強度測定装置
1 支持部
10 支持台
11 支柱
12 架台
2 可動台板
3 可動台板駆動部
30 パルスモーター
31 プーリー
32 ワイヤー
4 測定部
40 ロードセル
41 精密スプリング
42 連継軸
43 感圧軸
5 重り
6 ゲル

Claims (8)

  1. 水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させて得られる吸水性樹脂粒子の前駆体(A)と、過硫酸塩(B)と、前記水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部あたり0.1〜5質量部の重合性不飽和基を有する化合物(C)とを、前記水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部あたり5〜70質量部の水の存在下に反応させる吸水性樹脂粒子の製造方法において、
    重合性不飽和基を有する化合物(C)として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、または、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドとポリエチレングリコールジアクリレートとを用いる、
    吸水性樹脂粒子の製造方法。
  2. 水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリロイル基(CH=CH−CO−)を有する化合物である、請求項1記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  3. 過硫酸塩(B)が、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムまたは過硫酸ナトリウムである請求項1または2記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  4. 過硫酸塩(B)の添加量が、前記水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部あたり0.01〜3質量部である請求項1〜3いずれか記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  5. 50〜150℃の温度で反応させる請求項1〜4いずれか記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の製造方法によって得られる、生理食塩水保水能が30g/g以上、2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能が15mL/g以上、ゲル強度が900Pa以上であることを特徴とする吸水性樹脂粒子。
  7. 請求項1〜5いずれか記載の製造方法によって得られる、生理食塩水保水能が40g/g以上、2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能が15mL/g以上、ゲル強度が1000Pa以上であることを特徴とする吸水性樹脂粒子。
  8. 請求項1〜5いずれか記載の製造方法によって得られる、生理食塩水保水能が30g/g以上、2.07kPa荷重下における生理食塩水吸水能が20mL/g以上、ゲル強度が900Pa以上であることを特徴とする吸水性樹脂粒子。
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