JP5183918B2 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

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本発明は、吸水性樹脂及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、紙おむつ、失禁パッド、生理用ナプキン等の衛生材料に好適に使用し得る吸水性樹脂及びその製造方法に関する。
吸水性樹脂は、紙おむつ、生理用品等の衛生材料、保水材、土壌改良材等の農園芸材料、ケーブル用止水材、結露防止材等の工業資材等種々の分野に広く利用されている。このような吸水性樹脂として、例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリアクリル酸部分中和物等が知られている。
近年、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料においては、使用時の快適性の観点から、吸収体を薄型化にする傾向にある。この場合、嵩高く吸水能の低い親水性繊維の含有量を少なくし、吸水能が高い吸水性樹脂の割合を多くする必要がある。このような吸収体、及びそれを用いた吸水性物品に使用される吸水性樹脂に望まれる特性としては、水性液体に接した際の高い保水能や適切な吸水速度、とりわけ加圧下における高い吸水能等があげられる。
しかしながら、保水能と加圧下での吸水能及び吸水速度とは相反する関係にある。一般的に高い保水能を持つ吸水性樹脂を得るには、吸水性樹脂の架橋密度を下げる必要があるが、架橋密度を下げるとゲル強度が弱くなり、加圧下での吸水能が低下する。さらに、未架橋成分の増加により、液体と接した際、ママコ状態となることで吸水速度は低下する傾向にある。
一方、加圧下での吸水能を上げるためには、架橋密度を高める必要があるが、そのために保水能が低下する。従って、そのような吸水性樹脂を用いた吸収性物品では、吸収性物品全体の吸収容量が低下することとなる。
これに対し、吸水性樹脂のモノマーとして汎用されているα−水素を持つアクリル酸系モノマーは、その重合条件によってはモノマー自身による架橋構造が生成しやすく、例えば、重合開始剤として過硫酸カリウム等の過硫酸塩を使用した場合では、架橋剤を用いなくても、この自己架橋が起こりやすい。そのため、吸水性樹脂自体の架橋密度を下げることが難しく、高い吸水能とゲル強度の両方を兼ね備えた吸水性樹脂を得ることが困難である。
上記の問題点を解決すべく、亜リン酸及び/又はその塩の存在下で水溶液重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、該吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤を混合して加熱する方法(特許文献1参照)、次亜リン酸存在下で逆相懸濁重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、該吸水性樹脂を表面架橋する方法(特許文献2参照)等が知られている。
しかしながら、これらの方法で得られた吸水性樹脂は、前記性能を充分に満足させることができないという欠点を有している。このため、保水能及び加圧下での吸水能に優れた吸水性樹脂の開発が望まれている。
特開平9−124710号公報 特開平2−255804号公報
本発明の課題は、保水能及び加圧下での吸水能が高く、衛生材料にも好適に使用し得る吸水性樹脂及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させて吸水性樹脂を製造する方法であって、式(I):
Figure 0005183918
(式中、R1は炭素数1〜6の直鎖アルキレン基又はフェニレン基を、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立してメチル基、エチル基又は水素原子を示す)
で表されるジアミン化合物又はその塩、及び水溶性ラジカル重合開始剤の存在下、前記水溶性エチレン性不飽和単量体の重合反応を行い、重合反応後、架橋剤を添加して架橋反応を行うことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法、並びに該方法により得られる吸水性樹脂に関する。
本発明の製造方法によれば、保水能及び加圧下での吸水能が高い吸水性樹脂が得られる。
本発明は、水溶性エチレン性不飽和単量体をラジカル性重合開始剤の存在下で重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合反応を、特定のジアミン化合物の存在下で行い、重合反応後、架橋剤を添加して架橋反応を行う点に特徴を有するものである。本発明におけるジアミン化合物の作用の詳細は明らかではないが、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合において生ずる自己架橋の制御に関係があるものと推察される。即ち、ジアミン化合物が存在することにより、重合時の自己架橋が適度に抑制され、重合後に架橋反応を行うことにより、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体の表面層が架橋されて、保水能及び加圧下での吸水能が高い吸水性樹脂が得られるものと考えられる。
本発明に用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸及びそのアルカリ塩(本明細書においては「アクリル」及び「メタアクリル」を合わせて「(メタ)アクリル」と表記する。以下同様);2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ塩;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の非イオン性単量体;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体及びその4級化物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのなかでは、工業的にも入手が容易な点から、アクリル酸及びそのアルカリ塩、メタアクリル酸及びそのアルカリ塩、アクリルアミド、メタアクリルアミド並びにN,N−ジメチルアクリルアミドが好ましい。なお、アルカリ塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩等が挙げられる。
本発明で用いられる水溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、過酸化水素等の過酸化物、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、入手が容易で取り扱いやすいという観点から、過硫酸塩が好ましく、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウムがより好ましい。
なお、水溶性ラジカル重合開始剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤と併用して、レドックス重合開始剤として用いることもできる。
水溶性ラジカル重合開始剤の使用量は、重合反応の適度な進行を促進する観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.005〜1重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。なお、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部とは、特に明記のない限り、重合反応に使用する水溶性エチレン性不飽和単量体の総量を意味する。
本発明で用いられるジアミン化合物は、式(I):
Figure 0005183918
(式中、R1は炭素数1〜6の直鎖アルキレン基又はフェニレン基を、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立してメチル基、エチル基又は水素原子を示す)
で表される。
式(I)で表されるジアミン化合物としては、例えばジアミノメタン、エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等のN位無置換体:N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−メチル−o−フェニレンジアミン、N−メチル−p−フェニレンジアミン等のN位一置換体:N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−o−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン等のN位二置換体:N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等のN、N’位一置換体:N,N,N’−トリメチルジエチルアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチル−1,3−プロパンジアミン等のN位二置換N’位一置換体:N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン等のN、N’位二置換体等が挙げられる。前記ジアミン化合物の塩としては、塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。これらの中で、工業的に入手しやすく水溶性エチレン性不飽和単量体と混合しやすいという観点から、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン及びこれらの塩が好ましい。これらの化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
ジアミン化合物の使用量は、残存モノマーや水可溶分を低減する観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.2重量部がより好ましい。
本発明において、水溶性エチレン性不飽和単量体を、ジアミン化合物及び水溶性ラジカル重合開始剤の存在下で重合させる方法は、特に限定されず、代表的な方法である、逆相懸濁重合法、水溶液重合法等が用いられる。逆相懸濁重合では、例えば、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液、水溶性ラジカル重合開始剤、及び必要に応じて架橋剤を混合して、界面活性剤及び/又は高分子保護コロイドの存在下、炭化水素溶媒中で加熱することにより重合が行われる。また、水溶液重合法では、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液、水溶性ラジカル重合開始剤、及び必要に応じて架橋剤を混合して、加熱することにより重合が行われる。
以下に、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合方法の一例として、逆相懸濁重合法についてより詳しく説明する。
水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液における単量体の濃度は、20重量%〜飽和濃度の範囲であることが好ましい。
また、水溶性エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のように酸基を有する場合、その酸基をアルカリ化合物等によって中和しておいても良い。中和に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等が挙げられる。これらのアルカリ化合物は単独で用いても、併用してもよい。
アルカリ化合物による全酸基に対する中和度は、得られる吸水性樹脂の浸透圧を高めることで吸収能力を高め、かつ余剰のアルカリ化合物の存在により、安全性等に問題が生じないようにする観点から、10〜100モル%が好ましく、30〜80モル%がより好ましい。
必要に応じて、重合反応前の水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液と混合される架橋剤(以降「内部架橋剤」ともいう)としては、例えば重合性不飽和基を2個以上有する化合物等が用いられる。その具体例としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール[本明細書において、例えば、「ポリエチレングリコール」と「エチレングリコール」を合わせて「(ポリ)エチレングリコール」と表記する。以下同様]、(ポリ)プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、(ポリ)グリセリン等のポリオール類のジ又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類;前記のポリオールとマレイン酸、フマール酸等の不飽和酸類とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビスアクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N”−トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
また、内部架橋剤としては、重合性不飽和基を2個以上有する前記化合物以外に、その他の反応性官能基を2個以上有する化合物を用いることもできる。その具体例としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記内部架橋剤としては、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドが、反応性に優れているので好ましい。
内部架橋剤の使用量は、吸水性能の観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、3重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、N−アルキルグルコンアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中では、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
界面活性剤の使用量は、重合時の懸濁安定性の観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.3〜3重量部がより好ましい。
高分子保護コロイドとしては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・プロピレン・無水マレイン酸共重合体、ブタジエン・無水マレイン酸共重合体、酸化型ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、単量体水溶液の分散安定性の面から、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン及びエチレン・アクリル酸共重合体が好ましい。
高分子保護コロイドの使用量は、重合時の懸濁安定性の観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.3〜3重量部がより好ましい。
炭化水素溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、リグロイン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、工業的に入手が容易であり、品質が安定しており、かつ安価である観点から、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンが好ましい。
炭化水素溶媒の使用量は、水溶性エチレン性不飽和単量体の懸濁安定性の観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、50〜600重量部が好ましく、80〜550重量部がより好ましい。
なお、逆相懸濁重合法にて重合する際、原料モノマーである水溶性エチレン性不飽和単量体を一括で添加して重合反応を行う重合法、水溶性エチレン性不飽和単量体を複数に分けて添加して重合反応を行う多段重合法のいずれの方法も採用することができるが、経済性に優れている観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体を複数に分けて添加して重合反応を行う多段重合法が好ましい。多段重合法で行う場合、ジアミン化合物は、1段目から存在させても、2段目以降で存在させてもよいが、得られる吸水性樹脂の吸水速度を速くする観点から、2段目以降で存在させることが好ましい。また、2段目以降に用いる水溶性エチレン性不飽和単量体は、1段目に用いる単量体と同種であっても、異なる種類であってもよい。
重合反応の際の反応温度は、適度な反応の進行を促進する観点から、20〜110℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。また、反応時間は、使用する原料等の種類等によっても異なるため一概には決定することができないが、0.1〜2時間程度が好ましい。重合反応は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。水溶性エチレン性不飽和単量体の重合反応の終了は、反応熱による温度上昇により反応温度が最大になること等によって確認することができる。
本発明においては、水溶性エチレン性不飽和化合物の重合反応後、架橋剤(以降「後架橋剤」ともいう)を添加して、架橋反応を行う。
後架橋剤としては、水溶性エチレン性不飽和化合物の重合体のカルボキシル基と反応し得るものであれば特に限定されず、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロール(ポリ)グリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中では、反応性の観点から、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル及び(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテルが好ましい。
後架橋剤の使用量は、その種類によって異なるので一概には決定することができないが、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、加圧下での吸水能を向上させる観点から、0.01重量部以上が好ましく、保水能を向上させる観点から、5重量部以下が好ましい。これらの観点から、後架橋剤の使用量は、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.02〜4重量部がより好ましく、0.03〜3重量部がさらに好ましい。
後架橋剤を添加する時期は単量体の重合反応終了後であればよく、特に限定されない。後架橋剤の添加は、水の存在下で行うことが好ましい。後架橋剤を添加する際の水の量は、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、加圧下での吸水能を向上させる観点から、5重量部以上が好ましく、保水能を向上させる観点から、300重量部以下が好ましい。これらの観点から、水の使用量は、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、5〜300重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましく、10〜50重量部がさらに好ましい。なお、前記水の量は、重合反応系に含まれる水と後架橋剤を添加する際に必要に応じて用いられる水との合計量を意味し、重合反応系に過剰の水、炭化水素溶媒等の溶媒が含まれている場合は、架橋剤を添加する前に、それらの溶媒を適宜留去することが好ましい。
架橋反応の際の反応温度は、使用する後架橋剤の種類等によっても異なるため、一概には決定できない。本発明において使用するジアミン化合物が、末端に一級アミノ基(-NH2)及び/又は二級アミノ基(一置換アミノ基)を有する場合、適度な反応の進行を促進する観点から、50℃以上が好ましく、ジアミン化合物が架橋剤として作用するのを防止する観点から、150℃以下が好ましい。これらの観点から、反応温度は、50〜150℃が好ましく、70〜130℃がより好ましい。
また本発明において使用するジアミン化合物が、末端に三級アミノ基(二置換アミノ基)を有する場合、架橋反応の反応温度は、適度な反応の進行を促進する観点から、50℃以上が好ましく、熱分解を防止する観点から、250℃以下が好ましい。これらの観点から、反応温度は、50〜250℃が好ましく、70〜180℃がより好ましい。
架橋反応の反応時間は、使用する後架橋剤によって異なるので、一概には決定できないが、30分〜6時間程度が好ましい。架橋反応を終了した後、重合反応や架橋反応に使用した水、炭化水素溶媒等の溶媒を留去することにより、本発明の吸水性樹脂が得られる。
本発明において末端に一級アミノ基(-NH2)及び/又は二級アミノ基(一置換アミノ基)を有するジアミン化合物を使用する場合、重合反応後や架橋反応後に溶媒を留去するときの温度は、溶媒を速やかに留去する観点から、60℃以上が好ましく、ジアミン化合物が架橋剤として作用するのを防止する観点から、150℃以下が好ましい。これらの観点から、溶媒を留去するときの温度は、60〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。
また、末端に三級アミノ基(二置換アミノ基)を有するジアミン化合物を使用する場合、溶媒を留去するときの温度は、溶媒を速やかに留去する観点から、60℃以上が好ましく、得られる重合体の内部架橋や熱分解を防止する観点から、250℃以下が好ましい。これらの観点から、溶媒を留去するときの温度は、60〜250℃が好ましく、80〜180℃がより好ましい。
本発明の吸水性樹脂の平均粒径は、吸水性物品に使用された際の吸水速度の観点から、100〜600μmが好ましく、300〜500μmがより好ましい。水溶性エチレン性不飽和単量体の重合を逆相懸濁重合で行う場合は、反応液の攪拌速度等の調整により、得られる重合体の粒径を調整することができる。また、水溶液重合のように、重合体が塊状で得られる場合は、予め粉砕等により所望の粒径に調整した後、架橋反応に供することが好ましい。
本発明の吸水性樹脂に求められる保水能及び加圧下での吸水能は、その使用用途によって異なるため、一概には決定できないが、例えば、本発明の吸水性樹脂を紙おむつ等の乳幼児用の衛生材料に用いる場合は、荷重下状態で吸収体から液体の逆戻り量を少なくさせる観点から、無荷重下での生理食塩水保水能が、好ましくは40g/g以上、荷重2.07kPaにおける加圧下での生理食塩水吸水能が、好ましくは25ml/g以上であることが望ましい。なお、生理食塩水とは0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液である。
一方、本発明の吸水性樹脂を失禁パッド、生理用ナプキン等の成人用の衛生材料に用いる場合は、前述と同様の観点から、無荷重下での生理食塩水保水能が、好ましくは30g/g以上、荷重4.14kPaにおける加圧下での生理食塩水吸水能が、好ましくは20ml/g以上であることが望ましい。
さらに、吸水性樹脂の吸水速度は、前記と同様の理由によって、20〜80秒が好ましく、30〜60秒がより好ましい。また、吸水性樹脂の水可溶分は、25重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
なお、本発明の吸水性樹脂には、さらに目的に応じて、滑剤、消臭剤、抗菌剤等の添加剤を添加してもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
内容積1リットルの三角フラスコに80重量%アクリル酸水溶液92gを入れ、外部から氷冷しつつ、30重量%水酸化ナトリウム水溶液102.2gを滴下して、アクリル酸の75モル%を中和した。さらに、水54.4gを加え、37重量%アクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド8.3mg、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.11g、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.046gを添加し、これを重合用溶液とした。
攪拌機、攪拌翼、還流冷却器、滴下ロート及び窒素ガス導入菅を備えた内容積2リットルの5つ口円筒型丸底フラスコに、n−ヘプタン321gを加え、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS-370)0.92g及び無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学(株)製、ハイワックス1105A)0.92gを加えて溶解させた後、前記重合溶液を加えて、攪拌下で懸濁させ、系内を窒素ガスで置換した。引き続き70℃の水浴で昇温し、1時間保持して逆相懸濁重合を行った。
重合終了後、125℃の油浴で反応液を昇温し、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンを還流しながら120gの水を系外へ除去した後、後架橋剤として2重量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液3.0gを添加して、80℃で2時間保持した。さらに水及びn−ヘプタンを125℃で留去し、吸水性樹脂93gを得た。
実施例2
内容積1リットルの三角フラスコに80重量%アクリル酸水溶液92gを入れ、外部から氷冷しつつ、30重量%水酸化ナトリウム水溶液102.2gを滴下して、アクリル酸の75モル%を中和した。さらに、水54.4gを加え、37重量%アクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド8.3mg及び水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.11gを添加し、これを1段目重合用溶液とした。
攪拌機、攪拌翼、還流冷却器、滴下ロート及び窒素ガス導入菅を備えた内容積2リットルの5つ口円筒型丸底フラスコに、n−ヘプタン321gを加え、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS−370)0.92g、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学(株)製、ハイワックス1105A)0.92gを加えて溶解させた後、上記で調製した1段目重合用溶液の全量を加えて、攪拌下で懸濁させ、系内を窒素ガスで置換した。引き続き70℃に昇温し、1時間保持して1段目の逆相懸濁重合を行った。
これとは別に、内容積1リットルの三角フラスコに80重量%アクリル酸水溶液128gを入れ、氷冷しながら30重量%水酸化ナトリウム水溶液142.9gを滴下して、アクリル酸の75モル%を中和した。さらに、水33.9gを加え、42重量%アクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.15g、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.064gを添加し、これを2段目重合用溶液とした。
1段目の逆相懸濁重合の終了後、反応液を室温まで冷却し、これに上記で調製した2段目重合用溶液の全量を滴下した後、30分間攪拌を行うと同時に系内を窒素ガスで置換した。その後、70℃に昇温し、2時間保持して2段目の逆相懸濁重合を行った。
重合終了後、125℃の油浴で反応液を昇温し、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンを還流しながら260gの水を系外へ除去した後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルの2重量%水溶液8.14gを添加して、80℃で2時間保持した。さらに水及びn−ヘプタンを125℃で留去し、吸水性樹脂230gを得た。
実施例3
実施例2の2段目重合用溶液の調製において、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの代わりにエチレンジアミン0.033gを使用し、さらに、水分及びn−ヘプタンの留去を110℃で行った以外は実施例2と同様にして、吸水性樹脂229gを得た。
実施例4
実施例2の2段目重合用溶液の調製において、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの代わりにN,N’−ジメチルエチレンジアミン0.049gを使用し、さらに、水分及びn−ヘプタンの留去を120℃で行った以外は実施例2と同様にして、吸水性樹脂229gを得た。
実施例5
実施例2の1段目重合用溶液の調製において、アクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤及び水溶性ラジカル重合開始剤とともに、N,N’−ジメチルエチレンジアミン0.035gを添加し、2段目重合用溶液の調製において、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの代わりにN,N’−ジメチルエチレンジアミン0.049gを使用し、さらに、水分及びn−ヘプタンの留去を120℃で行った以外は実施例2と同様にして、吸水性樹脂228gを得た。
実施例6
攪拌機、攪拌翼、還流冷却器、滴下ロート及び窒素ガス導入菅を備えた内容積2リットルの5つ口円筒型丸底フラスコに、80重量%アクリル酸水溶液184gを入れ、氷冷しながら11.4重量%水酸化ナトリウム水溶液540gを滴下して、アクリル酸の75モル%を中和し、25重量%アクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド18.4mg、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.184g、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.092gを添加して系内を窒素ガスで置換した後、50℃の水浴にて保持して1時間水溶液重合反応を行った。
得られた重合反応物を、SUS製ミートチョッパーで粗粉砕した後、140℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させた。次いで、この乾燥物をロータスピードミルで粉砕し、目開き850μmのJIS標準篩で分級し、850μm以下の粒子を吸水性樹脂の前駆体として得た。
得られた吸水性樹脂の前駆体の全量を、攪拌機、攪拌翼、冷却器及びガス導入管を備えた内容積2リットルのフラスコ内に入れた。一方、水18.4g及び後架橋剤として2重量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液6.4gを吸水性樹脂の前駆体に攪拌しながら噴霧にて添加し、130℃の油浴にて加熱して30分間架橋反応を行い、吸水性樹脂172gを得た。
比較例1
実施例1においてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、吸水性樹脂92gを得た。
比較例2
実施例2においてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを使用しなかった以外は、実施例2と同様にして、吸水性樹脂228gを得た。
比較例3
実施例6においてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを使用しなかった以外は、実施例6と同様にして、吸水性樹脂173gを得た。
各実施例及び比較例で得られた吸水性樹脂の評価を以下の方法により行った。以下の項目(1)〜(5)の評価結果を表1に示す。
(1)生理食塩水保水能
吸水性樹脂2.00gを、綿袋(メンブロード60番、横100mm×縦200mm)に入れ、500mL容のビーカー内に入れる。この綿袋内に生理食塩水500gを注ぎ込み、開口部を輪ゴムで縛り、1時間放置する。その後、遠心力167Gの脱水機(国産遠心機株式会社製、品番:H-122)を用いて、前記綿袋を1分間脱水し、脱水後の膨潤ゲルを含んだ綿袋の質量Wa(g)を測定する。吸水性樹脂を添加せずに同様の操作を行い、綿袋の湿潤時空質量Wb(g)を測定し、次式により生理食塩水保水能を算出する。
生理食塩水保水能(g/g)=[Wa−Wb](g)/吸水性樹脂の質量(g)
(2)加圧下での生理食塩水吸水能
吸水性樹脂の2.07kPa又は4.14kPaの加圧下での生理食塩水吸水能を、図1に機略構成を示した測定装置Xを用いて測定する。
図1に示した測定装置Xは、ビュレット部1と導管2、測定台3、測定台3上に置かれた測定部4からなっている。ビュレット部1は、ビュレット10の上部にゴム栓14、下部に空気導入管11とコック12が連結されており、さらに、空気導入管11の上部にはコック13がある。ビュレット部1から測定台3までは、導管2が取り付けられており、導管2の直径は6mmである。測定台3の中央部には、直径2mmの穴があいており、導管2が連結されている。測定部4は、円筒40と、この円筒40の底部に貼着されたナイロンメッシュ41と、重り42とを有している。円筒40の内径は2.0cmである。ナイロンメッシュ41は200メッシュ(目開き75μm)に形成されている。そして、ナイロンメッシュ41上に所定量の吸水性樹脂5が均一に撒布されるようになっている。重り42は、直径1.9cm、重量59.8g又は119.5gである。この重り42は、吸水性樹脂5上に置かれ、吸水性樹脂5に対して、重量59.8gの重りにより2.07kPaの荷重を、重量119.5gの重りにより4.14kPaの荷重を、それぞれ均一に加えることができるようになっている。
このような構成の測定装置Xでは、まずビュレット部1のコック12とコック13を閉め、25℃に調節された生理食塩水をビュレット10上部から入れ、ゴム栓14でビュレット上部の栓をした後、ビュレット部1のコック12、コック13を開ける。次に、測定台3中心部における導管2の先端と空気導入管11の空気導入口とが同じ高さになるように測定台3の高さの調整を行う。
一方、円筒40のナイロンメッシュ41上に0.10gの吸水性樹脂5を均一に撒布して、この吸水性樹脂5上に重り42を置く。測定部4は、その中心部が測定台3中心部の導管口に一致するようにして置く。
吸水性樹脂5が吸水し始めた時点から継続的に、ビュレット10内の生理食塩水の減少量(吸水性樹脂5が吸水した生理食塩水量)Wc(mL)を読み取る。吸水開始から60分間経過後における吸水性樹脂5の加圧下での吸水能を、次式より算出する。
吸水能(mL/g)=Wc/0.10
(3)吸水速度
100ml容のビーカーに、25±0.2℃の温度の生理食塩水50±0.1gを入れ、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mm)を用いて、回転数が600r/minになるように調整する。次に吸水性樹脂2.0±0.002gを前記ビーカーに素早く添加し、添加し終わると同時にストップウォッチをスタートする。吸水性樹脂が生理食塩水を吸水し、渦がなくなるまでの時間(秒)をストップウォッチで測定し、吸水速度とする。
(4)水可溶分
500mL容のビーカーに、生理食塩水500±0.1gを量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリング無し)を投入し、マグネチックスターラーを用いて、600r/minで回転するように調整する。
次に、吸水性樹脂をJIS-Z8801-1982対応の標準ふるい2種(目開き500μm、300μm)で分級し、粒度調整(500μm以下、300μm以上)したもの2.0±0.002gを前記ビーカーに添加し、3時間撹拌する。3時間撹拌後の吸水性樹脂分散水を、標準ふるい(目開き75μm)でろ過し、得られたろ液をさらに桐山式ロート(ろ紙No.6)を用い吸引ろ過する。
得られたろ液を100mL容のビーカーに80±0.1g量りとり140℃の熱風乾燥機(ADVANTEC社製、型番:FV-320)で恒量になるまで乾燥させ、ろ液固形分の重量Wd(g)を測定する。
一方、吸水性樹脂を用いずに上記操作と同様に行ない、ろ液固形分の重量We(g)を測定して、次式より水可溶分を算出する。
水可溶分(重量%)=〔[(Wd−We)×(500/80)]/2〕×100
(5)平均粒径
吸水性樹脂粒子100gに、滑剤として、0.5gの非晶質シリカ(デグサジャパン(株)製、Sipernat 200)を混合する。
JIS標準篩を上から、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き355μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μm、目開き106μmの篩及び受け皿の順に組み合わせ、一番上の篩に前記吸水性樹脂を入れ、ロータップ式振盪器を用いて、20分間振盪させる。
次に、各篩上に残った吸水性樹脂粒子の重量を全量に対する重量百分率として計算し、粒子径の小さい方から順に積算することにより、篩の目開きと篩上に残った重量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットする。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算重量百分率50重量%に相当する粒子径を平均粒径とする。
Figure 0005183918
表1に示された結果から、比較例で得られた吸水性樹脂と対比して、実施例で得られた吸水性樹脂は、生理食塩水保水能、加圧下での生理食塩水吸水能が高く、適度な吸水速度であり、かつ水可溶分が少ないことが分かる。
本発明の方法によって得られた吸水性樹脂は、例えば紙おむつ、失禁パッド、生理用ナプキン等の衛生材料、特に紙おむつに好適に使用することができる。
加圧下での吸水能を測定するための装置の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
X 測定装置
1 ビュレット部
10 ビュレット
11 空気導入管
12 コック
13 コック
14 ゴム栓
2 導管
3 測定台
4 測定部
40 円筒
41 ナイロンメッシュ
42 重り
5 吸水性樹脂

Claims (7)

  1. 水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させて吸水性樹脂を製造する方法であって、
    該水溶性エチレン性不飽和単量体は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸のアルカリ塩からなる群より選択される1種以上であり、
    式(I):
    Figure 0005183918
    (式中、R1は炭素数1〜6の直鎖アルキレン基又はフェニレン基を、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立してメチル基、エチル基又は水素原子を示す)
    で表されるジアミン化合物又はその塩、重合性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤及び水溶性ラジカル重合開始剤の存在下、前記水溶性エチレン性不飽和単量体の重合反応を行い、重合反応後、架橋剤を添加して架橋反応を行うことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. ジアミン化合物又はその塩の使用量が、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して0.001〜0.5重量部である請求項1記載の製造方法。
  3. 水溶性ラジカル重合開始剤が、過硫酸塩である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 逆相懸濁重合法によって重合を実施する、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 請求項1〜いずれか記載の方法により得られる吸水性樹脂。
  6. 生理食塩水保水能が40g/g以上で、荷重2.07kPaにおける加圧下の生理食塩水吸水能が25ml/g以上である、請求項記載の吸水性樹脂。
  7. 生理食塩水保水能が30g/g以上で、荷重4.14kPaにおける加圧下の生理食塩水吸水能が20ml/g以上である、請求項記載の吸水性樹脂。
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