JPWO2013051417A1 - 吸水性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
炭化水素分散媒及び界面活性剤を含む油性液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水性液とを混合して、前記油性液及び前記油性液中に分散された前記水性液を含む懸濁液を形成し、前記懸濁液中で前記水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることを含む重合工程を備える吸水性樹脂粒子の製造方法が開示される。界面活性剤のHLBが6以上であり、油性液と水性液とを混合し始めてからこれらの全量を混合し終わるまでの間、懸濁液の温度が35℃以上に維持される。
Description
本発明は、吸水性樹脂粒子の製造方法に関する。
吸水性樹脂粒子は、紙おむつ、生理用品等の衛生材料用、保水材、土壌改良材等の農園芸材料用、ケーブル用止水材、結露防止材等の工業資材用等に用いられてきた。これらに加えて、近年では、ペットシート、犬又は猫のトイレ配合物等の動物排泄物処理材、簡易トイレ、芳香剤、肉類のドリップ吸収シート、保湿化粧品用の配合物等、吸水性樹脂粒子が応用される分野はさらに拡大している。このような用途に使用される吸水性樹脂粒子に求められる性能としては、高い吸水量、優れた吸水速度及び用途に応じた適切な粒子径等が挙げられる。
これらのうち、大人用おむつ、失禁パッド、トイレトレーニングパンツ、多い日用ナプキンのような特定の衛生材料、ケーブル用止水材、ペットシート、簡易トイレ等の用途で用いられる吸水性樹脂に対しては、比較的多量の体液等が勢いよく排出されることが想定される。このため、そのような用途では、吸収容量(吸水量)と吸水速度の改良が重視されてきた。このうち、吸収容量に関しては、吸水性樹脂粒子の使用量等でも対応可能であるが、吸水速度に関しては、吸水性樹脂粒子が有する固有の特性によるところが大きい。そのため、これまでにも吸水性樹脂粒子において優れた吸水速度を達成するために様々な検討がなされている。
例えば、水溶液重合法においては、発泡剤の存在下で得られた多孔質の樹脂の表面近傍を架橋する方法(特許文献1参照)が開示されている。
また、逆相懸濁重合においては、アクリル酸/アクリル酸塩水溶液をHLB8〜12の界面活性剤の存在下で脂環族または脂肪族炭化水素溶媒中に懸濁させ、アクリル酸/アクリル酸塩を逆相懸濁重合させる方法(特許文献2参照)、異なる吸水速度を有する吸水性樹脂の存在下で水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させる方法(特許文献3参照)が開示されている。
この他、一般的に、吸水性樹脂粒子の吸収速度を向上させる方法としては、吸水性樹脂粒子の粒子径を小さくすることが挙げられる。しかし、吸水性樹脂粒子の粒子径を小さくすると、流動性が悪化して、粒子としてのハンドリングが困難になる傾向がある。よって、適度な粒子径を有しながら吸水性樹脂粒子の吸水速度を高める方法が求められる。
ここで、本発明者らの検討によると、特許文献1に開示されている吸水性樹脂粒子は、粒子径と吸水速度の性能の両立において満足できるものではなかった。また、本発明者らの検討によると、特許文献2、3に開示されている吸水性樹脂粒子は、粒子径が比較的大きく、ハンドリング性や吸水速度が優れるものの、製造時に用いられる炭化水素分散媒が揮発成分として樹脂内部に残存し、例えば、吸水後に臭気が発生することがあり、製品使用時の臭気が、使用者(装着者等)の快適さを損なう可能性があった。また、製造プロセスの環境面への配慮と吸水性能向上の観点からも、残存揮発成分量が少ないことが求められる。
そこで、本発明の目的は、ハンドリング性に優れ、吸水速度に優れ、かつ残存揮発成分量の少ない吸水性樹脂粒子の製造方法を提供することにある。
本発明は、炭化水素分散媒及び界面活性剤を含む油性液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水性液とを混合して、油性液及び油性液中に分散された水性液を含む懸濁液を形成し、懸濁液中で水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることを含む重合工程を備える、吸水性樹脂粒子の製造方法に関する。
また、本発明は、炭化水素分散媒及び界面活性剤を含む油性液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水性液とを混合して、油性液及び油性液中に分散された水性液を含む懸濁液を形成し、懸濁液中で水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させて、含水ゲル状重合体を含む懸濁液を得ることを含む、第一重合工程と、含水ゲル状重合体を含む45℃以上の懸濁液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む第二の水性液とを混合して、第二の水性液をさらに分散させた懸濁液中で、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることを含む、第二重合工程と、をこの順に備える、吸水性樹脂の製造方法に関する。
上記界面活性剤のHLBは6以上である。(第一)重合工程において、油性液と水性液とを混合し始めてからこれらの全量を混合し終わるまでの間、形成される懸濁液の温度が35℃以上に維持される。
上記製造方法によれば、ハンドリング性に優れ、吸水速度に優れ、かつ残存揮発成分量の少ない吸水性樹脂粒子を得ることができる。
水性液と混合される上記油性液の温度は、50℃以上であってもよい。
界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
懸濁液が上記特定の界面活性剤を含むことにより、連続相である油性液(O)と不連続相である水性液(W)とにより形成されるW/O型逆相懸濁の状態がより良好で、好適な形態の吸水性樹脂粒子が好適な粒子径で得られやすくなる傾向がある。
水溶性エチレン性不飽和単量体は、アクリル酸およびその塩、メタクリル酸およびその塩、ならびにアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
炭化水素分散媒は、炭素数6〜8の脂肪族炭化水素、および炭素数6〜8の脂環族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種の分散媒を含んでいてもよい。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子は、優れた吸水速度を有する。さらに、本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子は、適度な大きさの粒子径を有するため、粒子のハンドリング性に優れ、かつ残存揮発成分量が少ないため吸水後の臭気等の問題を低減することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書に記載される全ての構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。例えば、本明細書に記載される数値範囲の上限値及び下限値、並びに実施例に記載される数値から任意に選択される数値を上限値又は下限値として用いて、各種特性に関する数値範囲を規定することができる。
本実施形態に係る吸水性樹脂粒子の製造方法は、炭化水素分散媒及び界面活性剤を含む油性液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水性液とを混合して、油性液及び油性液中に分散された水性液を含む懸濁液を形成し、懸濁液中で水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させて、含水ゲル状重合体を含む懸濁液を得ることを含む、重合工程を備える。界面活性剤のHLBは6以上であり、油性液と水性液とを混合し始めてからこれらの全量を混合し終わるまでの間、懸濁液の温度が35℃以上に維持される。以下の説明において、この重合工程を第一重合工程と称し、上記水性液を第一の水性液と称することがある。
第一の水性液は、水を含む水性溶媒と、水溶性エチレン性不飽和単量体と、ラジカル重合開始剤と、場合により各種添加剤とを含有する。水性溶媒は、主として水から構成され、他の親水性溶媒を含んでいてもよい。
上記水溶性エチレン性不飽和単量体としては、カルボキシル基、スルホ基、アミド基及びアミノ基等からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸(以下、「アクリル」及び「メタクリル」を合わせて「(メタ)アクリル」と表記する)とそのアルカリ塩、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とそのアルカリ塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。水溶性エチレン性不飽和単量体がアミノ基を含有する場合には、当該アミノ基は4級化されていてもよい。上記単量体が有するカルボキシル基及びアミノ基等の官能基は、後述する後架橋工程において架橋が可能な官能基として機能しうる。これらの水溶性エチレン性不飽和単量体は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
これらの中でも、工業的に入手が容易という観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体は、アクリル酸及びそのアルカリ塩、メタクリル酸及びそのアルカリ塩、アクリルアミド、メタクリルアミド並びにN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物、又は、アクリル酸及びそのアルカリ塩、メタクリル酸及びそのアルカリ塩並びにアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。さらに安全性をより高める観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体は、アクリル酸及びそのアルカリ塩、並びにメタクリル酸及びそのアルカリ塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
前記水溶性エチレン性不飽和単量体を、水に溶解して水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を調製し、この水溶液を第一の水性液として用いることができる。水性液における水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度は、20質量%〜飽和濃度の範囲であってもよい。また、W/O型逆相懸濁の状態が良好で好適な粒子径を得やすく、得られる吸水性樹脂粒子の膨潤性能が高くなるという観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度は、25〜50質量%、30〜45質量%、又は35〜42質量%であってもよい。
前記水溶性エチレン性不飽和単量体は、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のように酸基を有する場合、当該酸基がアルカリ金属塩等のアルカリ性中和剤によって中和され、アルカリ塩を形成してもよい。アルカリ性中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニア等の水溶液等が挙げられる。これらアルカリ性中和剤は、それぞれ単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
アルカリ性中和剤による全酸基に対する中和度は、得られる吸水性樹脂粒子の浸透圧を高めることで膨潤能力を高め、かつ、余剰のアルカリ性中和剤の残存を抑制して安全性等に問題がより生じないようにする観点から、10〜100モル%の範囲、30〜90モル%の範囲、50〜80モル%の範囲、又は60〜78モル%の範囲であってもよい。
上記第一の水性液はラジカル重合開始剤を含んでいてもよい。また、上記ラジカル重合開始剤は水溶性であってもよい。上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、及び過酸化水素等の過酸化物;並びに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(N−フェニルアミジノ)プロパン]2塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(N−アリルアミジノ)プロパン]2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、及び4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等が挙げられる。これらラジカル重合開始剤は、それぞれ単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、通常、水溶性エチレン性不飽和単量体100モルに対して0.005〜1モルである。ラジカル重合開始剤の使用量が0.005モル以上であると、重合反応に長時間を要さず、効率的である。使用量が1モル以下であると、急激な重合反応が起こらない傾向がある。
ラジカル重合開始剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄及びL−アスコルビン酸等の還元剤と併用して、レドックス重合開始剤として用いることもできる。
第一の水性液は、吸水性樹脂粒子の吸水性能を制御するために、連鎖移動剤を含んでいてもよい。このような連鎖移動剤としては、例えば、次亜リン酸塩類、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類及びアミン類等が挙げられる。
第一の水性液は、水溶性増粘剤を含有することもできる。水溶性増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース;カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等のカルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロース等が挙げられる。水溶性増粘剤は、これらの中でも、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース及びカルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロースより選ばれる少なくとも1種の化合物、又は、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを含んでいてもよい。ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースは、水性液への溶解性が高く、水性液の増粘効果がより発現しやすく、また吸水性樹脂粒子の残存揮発成分量をより低減することができる。
第一の水性液は、親水性高分子分散剤を含有していてもよい。親水性高分子分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリグリセリン、ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシプロピレングリセリン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリン共重合体、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。親水性高分子分散剤は、これらの中でも、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。残存揮発成分量の低減効果の観点から、親水性高分子分散剤は、ポリビニルピロリドン又はポリビニルアルコールを含んでいてもよい。これら親水性高分子分散剤は、それぞれ単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記油性液は、主として炭化水素分散媒から構成される疎水性の液体と、界面活性剤とを含有する。逆相懸濁重合においては、この炭化水素分散媒を水性液の分散媒とすることができる。
界面活性剤のHLBは、6〜16であってもよい。界面活性剤のHLBは、7〜16、8〜12、又は8.5〜10.5であってもよい。界面活性剤のHLBが上記範囲内であることにより、W/O型逆相懸濁の状態がより良好となり、より好適な粒子径とより優れた吸水速度とを有する粒子が得られる傾向がある。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(「(ポリ)」とは「ポリ」の接頭語がある場合とない場合の双方を意味するものとする。以下同じ。)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、及びポリエチレングリコール脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルメチルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル、及びポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルのリン酸エステル等のアニオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、W/O型逆相懸濁の状態が良好で、吸水性樹脂粒子が好適な粒子径で得られやすく、工業的に入手が容易であるという観点から、界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。さらに、得られる吸水性樹脂粒子の上記諸性能が向上するという観点から、界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステルを含んでいてもよい。これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
界面活性剤の使用量は、W/O型逆相懸濁の状態を安定させ、かつ懸濁安定化効果が得られる効率的な使用量を選択する観点から、水性溶媒、水溶性エチレン性不飽和単量体、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等の各種添加剤の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部、0.2〜3質量部、又は0.4〜2質量部であってもよい。
W/O型逆相懸濁の状態を安定させる目的で、油性液が疎水性高分子分散剤を含んでいてもよい。界面活性剤と疎水性高分子分散剤とを併用することにより、W/O型逆相懸濁の状態をより安定させることができる。上記疎水性高分子分散剤としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−ターポリマー)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、酸化型ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチルセルロース、及びエチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらの中でも、W/O型逆相懸濁の安定性の面から、疎水性高分子分散剤は、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、及びエチレン−アクリル酸共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの疎水性高分子分散剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
前記疎水性高分子分散剤の使用量は、水性溶媒、水溶性エチレン性不飽和単量体、ラジカル重合開始剤及び各種添加剤の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部、0.2〜3質量部、又は0.4〜2質量部であってもよい。
前記炭化水素分散媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、及びn−オクタン等の鎖状脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、trans−1,2−ジメチルシクロペンタン、cis−1,3−ジメチルシクロペンタン、及びtrans−1,3−ジメチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの炭化水素分散媒は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。炭化水素分散媒は、炭素数6〜8の鎖状脂肪族炭化水素、及び炭素数6〜8の脂環族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。W/O型逆相懸濁の状態が良好で、優れた吸水速度の吸水性樹脂粒子が好適な粒子径で得られやすく、工業的に入手が容易であり、かつ品質が安定している観点から、炭化水素分散媒は、n−ヘプタン、シクロヘキサン、又はこれらの両方を含んでいてもよい。また、同観点から、上記炭化水素分散媒の混合物としては、例えば、市販されているエクソールヘプタン(エクソンモービル社製:n−ヘプタン及び異性体の炭化水素75〜85%含有)を用いてもよい。
前記炭化水素分散媒の使用量は、重合熱を適度に除去し、重合温度を制御しやすくする観点から、上記第一の水性液に含まれる水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、50〜650質量部、70〜550質量部、又は100〜450質量部であってもよい。炭化水素分散媒の使用量が50質量部以上であることにより、重合温度の制御が容易となる傾向がある。炭化水素分散媒の使用量が650質量部以下であることにより、重合の生産性が向上する傾向があり、経済的である。
本実施形態にかかる製造方法は、水溶性エチレン性不飽和単量体を、HLBが6以上の界面活性剤の存在下、炭化水素分散媒中で逆相懸濁重合させる重合工程において、炭化水素分散媒に水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液を分散して懸濁液を形成した時の温度を特定したことに一つの特徴がある。
第一の水性液と混合される前の油性液の温度は、50℃以上、50〜110℃、55〜100℃、60〜90℃、又は65〜85℃であってもよい。混合前の油性液をこれらの温度範囲に調整することにより、油性液と第一の水性液とを混合し始めてからこれらの全量を混合し終わるまでの間、懸濁液の温度を容易に35℃以上に維持することができる。油性液と混合される前の第一の水性液の温度は、通常、5〜30℃程度である。
油性液及び第一の水性液の全量を混合し終えた時点(以下「懸濁時」ということがある。)の懸濁液の温度が35℃以上となるように混合前の油性液及び第一の水性液の温度等を調整すれば、通常、油性液と第一の水性液とを混合し始めてからこれらの全量を混合し終わるまでの間、懸濁液の温度は35℃以上に維持される。懸濁液の温度は、油性液及び第一の水性液の全量を混合し終えてから、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合のために懸濁液が加熱されるまでの間も、35℃以上又は下記の各温度に維持されてもよい。
第一の水性液の懸濁時の懸濁液の温度は、35〜100℃、40〜90℃、45〜80℃、又は50〜75℃であってもよい。懸濁時の温度を前記範囲とすることで、残存揮発成分を効率よく低減することが可能となる。
懸濁時の温度を特定することによる残存揮発成分量の低減メカニズムは明確では無いが、例えば、懸濁混合物(懸濁液)の温度を高めることで、懸濁状態をより活性化してW/O型逆相懸濁液中の単量体液滴を小さくし、炭化水素分散媒が単量体液滴中へ内包されるO/W/O型の形成を抑制しているものと推察される。
逆相懸濁重合を行う際の重合温度(懸濁液の温度)は、使用する水溶性ラジカル重合開始剤の種類によって異なるので、一概には決定することができない。通常、該反応温度は、重合を迅速に進行させることで重合時間を短くし、かつ重合熱を除去することが簡単で、かつ円滑に反応を行う観点から、20〜110℃、又は40〜90℃であってもよい。重合時間は、通常、0.5〜4時間である。
上述のようにして、水溶性エチレン性不飽和単量体が重合することにより、粒子状の含水ゲル状重合体が生成する。通常、得られる重合体(含水ゲル状重合体)は、球状、顆粒状、破砕状、金平糖状及びそれらの凝集物等の様々な形態で得られうるが、本実施形態においては、比表面積及び吸水速度が向上する観点から、含水ゲル状重合体は顆粒状であってもよく、表面に多くの突起を有する顆粒状であってもよい。
第一重合工程により含水ゲル状重合体を得た後、後述の後架橋等を経て吸水性樹脂粒子を得てもよいし、必要により第一重合工程後の懸濁液に水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水性液をさらに添加して逆相懸濁重合(第二重合工程)を実施してもよい。複数回の逆相懸濁重合を実施することにより、さらなる残存揮発成分量の低減を達成することが可能となる。第二重合工程の後、更に同様の逆相懸濁重合を繰り返して行ってもよい。このように、逆相懸濁重合を複数回行う場合の回数は、2回以上であればよく、残存揮発成分量を低減しつつ、生産性を高める観点から、2又は3回であってもよい。
具体的には、第一重合工程で重合後に得られる含水ゲル状重合体を含む懸濁液は、必要により冷却して、45℃以上、又は、50〜100℃、55〜90℃、60〜85℃若しくは65〜80℃に調整される。その後、上記含水ゲル状重合体を含む懸濁液と、水性溶媒、水溶性エチレン性不飽和単量体及び必要によりラジカル重合開始剤を含む第二の水性液とを混合し、第二の水性液が液滴状に分散される。第二重合工程において、上記含水ゲル状重合体を含む懸濁液と第二の水性液の全量とが混合された時点の懸濁液の温度は、35℃以上、40〜90℃、45〜85℃、50〜80℃、又は53〜75℃であってもよい。上記含水ゲル状重合体を含む懸濁液と第二の水性液とを混合する前、又は混合の前後の懸濁液の温度をそれぞれ上記範囲とすることにより、得られる吸水性樹脂粒子の残存揮発成分量を効率よく低減することが可能となる。
第二の水性液に含まれる水溶性エチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤は、例えば、第一の水性液の説明において上述したものと同様の種類の化合物を、同様な範囲の量で用いることができる。第一及び第二の水性液は同じ単量体等から構成されていてもよく、異なる単量体等から構成されていてもよい。
第二重合工程において、上記水溶性エチレン性不飽和単量体は、第一の水性液に含まれる水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、例えば、20〜250質量部、40〜200質量部、又は60〜150質量部となるように第二の水性液に含まれていてもよい。第二の水性液中の水溶性エチレン性不飽和単量体の使用量が20質量部以上であることにより、得られる吸水性樹脂粒子の残存揮発成分量がより低減する傾向があり、使用量が250質量部以下であることにより、得られる吸水性樹脂粒子の粒子径が過大となることを抑制できる傾向がある。
第二重合工程における第二の水性液中の水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度は、生産性向上の観点から、水性溶媒、水溶性エチレン性不飽和単量体、ラジカル重合開始剤及び各種添加剤の合計を基準として、第一重合工程における濃度よりも、1質量%以上、2〜25質量%、3〜20質量%、又は4〜15質量%高くてもよい。
第一重合工程により、含水ゲル状重合体が生成する。第二重合工程前に、上記含水ゲル状重合体を架橋する中間架橋工程を第二重合工程の前にさらに備えていてもよい。含水ゲル状重合体の中間架橋は、例えば、含水ゲル状重合体と下記中間架橋剤とを混合し、加熱することにより行われる。
上記中間架橋剤は、水溶性エチレン性不飽和単量体中に含まれる官能基(例えば、アクリル酸の場合はカルボキシル基)と反応しうる官能基を有し、水溶性の化合物であってもよい。中間架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等の2個以上のエポキシ基を有する化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、及びα−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネート等の2個以上のイソシアネート基を有する化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、及び3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;エチレンカーボネート等のカーボネート化合物;ビス[N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)]アジプアミド等のヒドロキシアルキルアミド化合物等が挙げられる。中間架橋剤はこれらの中でも、水溶性エチレン性不飽和単量体が有する官能基と反応しうる官能基を分子内に2個以上有する化合物を含んでいてもよい。このような化合物としては、上記ポリオール、2個以上のエポキシ基を有する化合物、ハロエポキシ化合物、及び2個以上のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記中間架橋剤は、反応性に優れている観点から、2個以上のエポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。2個以上のエポキシ基を有する化合物のなかでも水への溶解性が高く、中間架橋剤としてのハンドリング性がよいという観点から、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、及びポリグリセロールグリシジルエーテルを用いることができる。得られる吸水性樹脂粒子の上記諸性能を向上する観点から、2個以上のエポキシ基を有する化合物は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、又はこれらの両方を含んでいてもよい。
中間架橋剤の混合量は、含水ゲル状重合体を生成するために用いられた水溶性エチレン性不飽和単量体100モルに対して、0.0001〜0.03モル、0.0005〜0.02モル、又は0.001〜0.015モルであってもよい。中間架橋剤の混合量が0.0001モル以上であると、第二の水性液中の水溶性エチレン性不飽和単量体の、中間架橋工程後の含水ゲル状重合体への吸収が抑制され、吸水速度及び膨潤性能の低下を抑制できる傾向がある。また、中間架橋剤の混合量が0.03モル以下であると、過度な架橋による吸水性樹脂粒子の吸水量の低下を抑制できる傾向がある。上記中間架橋反応の反応温度は60℃以上、又は70℃〜第一重合における炭化水素分散媒の沸点温度であってもよい。中間架橋反応の反応時間は、反応温度、中間架橋剤の種類及び混合量等によって異なるので一概には決定することができないが、通常、1〜200分間、5〜100分間、又は10〜60分間であってもよい。
第一重合によって重合後に得られた含水ゲル状重合体を含む懸濁液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む第二の水性液とを混合した後に行う重合は、第一重合と同様の条件で行うことができる。上述のようにして、水溶性エチレン性不飽和単量体が重合することにより、粒子状の含水ゲル状重合体がさらに生成する。通常、得られる重合体(含水ゲル状重合体)は、球状、顆粒状、破砕状、金平糖状及びそれらの凝集物等の様々な形態で得られうるが、本実施形態においては、比表面積及び吸水速度が向上する観点から、含水ゲル状重合体は顆粒状であってもよく、表面に多くの突起を有する顆粒状であってもよい。
前記のごとく、第二重合工程を経ることで、2回以上の逆相懸濁重合を実施した場合には、吸水性樹脂粒子の生産性を向上することが可能となる。さらに驚くべきことに、得られる吸水性樹脂粒子の残存揮発成分量を大幅に低減させることが可能となる。
第二重合を実施することによる残存揮発成分量の低減メカニズムは明確ではないが、第二重合を実施する際に、第一重合で得られた含水ゲル状重合体が存在していることで、W/O型逆相懸濁系における水性液滴の分離及び合一を安定化する、すなわち、水性液滴同士の衝突時に炭化水素分散媒が水性液滴に内包される頻度を低減し、O/W/O型構造の形成を抑制しているためであると推察される。
本実施形態にかかる吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記最終の重合工程において得られた含水ゲル状重合体を架橋する後架橋工程をさらに備えていてもよい。本実施形態に係る吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記含水ゲル状重合体を構成する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の成分(ポリマー固形分)を100質量%としたときの、含水ゲル状重合体中の水の質量百分率(含水ゲル状重合体の水分率)が例えば20〜130質量%となるように調整する1次乾燥工程を上記後架橋工程の前に備えていてもよい。
上記1次乾燥工程の乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば(a)上記含水ゲル状重合体が油性液(炭化水素分散媒)に分散した状態で、外部から加熱することにより共沸蒸留により炭化水素分散媒を還流させて水分を除去する方法、(b)デカンテーションにより含水ゲル状重合体を取り出し、減圧乾燥する方法、(c)フィルターにより含水ゲル状重合体をろ別し、減圧乾燥する方法等が挙げられる。中でも、製造工程における簡便さから、(a)の方法を用いることができる。
上記のようにして、含水ゲル状重合体の水分率が例えば20〜130質量%であるように調整された含水ゲル状重合体を架橋(後架橋)させることにより、より優れた吸水性能を有する吸水性樹脂粒子が得られる。
後架橋に用いられる後架橋剤としては、水溶性エチレン性不飽和単量体中に含まれる官能基(例えば、アクリル酸の場合はカルボキシル基)と反応しうる官能基を有し、水溶性の化合物であってもよい。後架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等の2個以上のエポキシ基を有する化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、及びα−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネート等の2個以上のイソシアネート基を有する化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、及び3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;エチレンカーボネート等のカーボネート化合物;ビス[N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)]アジプアミド等のヒドロキシアルキルアミド化合物等が挙げられる。後架橋剤はこれらの中でも、水溶性エチレン性不飽和単量体が有する官能基と反応しうる官能基を分子内に2個以上有する化合物を含んでいてもよい。このような化合物としては、上記ポリオール、2個以上のエポキシ基を有する化合物、ハロエポキシ化合物、及び2個以上のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記後架橋剤は、反応性に優れている観点から、2個以上のエポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。2個以上のエポキシ基を有する化合物は、水への溶解性が高く、後架橋剤としてのハンドリング性がよいという観点から、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、及びポリグリセロールグリシジルエーテルを含んでいてもよい。得られる吸水性樹脂粒子の上記諸性能を向上する観点から、2個以上のエポキシ基を有する化合物は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、又はこれらの両方を含んでいてもよい。
後架橋剤の混合量は、含水ゲル状重合体を生成するために用いられた水溶性エチレン性不飽和単量体100モルに対して、0.0001〜1モル、0.0005〜0.5モル、0.001〜0.1モル、又は0.005〜0.05モルであってもよい。後架橋剤の混合量が0.0001モル以上であると、架橋の効果が発現し、吸水時の吸水性樹脂粒子表面が粘性を帯びることなく、吸水性樹脂粒子の吸水速度をより向上させることができる傾向があり、1モル以下であると、架橋が過度とならず、吸水性樹脂粒子の吸水量をより向上させることができる傾向がある。
含水ゲル状重合体と後架橋剤との混合は、含水ゲル状重合体の水分率を特定の範囲に調整(1次乾燥工程)した後に行うことができる。このように、含水ゲル状重合体と後架橋剤との混合時における含水ゲル状重合体の水分率を制御することにより、より好適に後架橋反応を進行させることができる。
後架橋工程における含水ゲル状重合体の水分率は、20〜130質量%、25〜110質量%、30〜90質量%、35〜80質量%、又は40〜70質量%であってもよい。含水ゲル状重合体の水分率を上記範囲内とすることで、1次乾燥工程を短くして製造効率を高めつつ、後架橋反応により吸水性能をさらに向上させることが可能となる。
なお、含水ゲル状重合体の水分率は、全重合工程の重合前の水性液に含まれる水分量から、1次乾燥工程により外部に抽出された水分量を差し引いた量(1次乾燥ゲルの水分量)に、中間架橋剤や後架橋剤を混合する際に必要に応じて用いられる水分量を加えて含水ゲル状重合体の水分量を算出した後、含水ゲル状重合体を構成する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の成分の質量に対する上記含水ゲル状重合体の水分量の割合を算出することによって求めることができる。
また、含水ゲル状重合体を構成する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の成分の質量は、重合反応に用いた水溶性エチレン性不飽和単量体の総質量から、理論上のポリマー固形分として、計算により求めている。
含水ゲル状重合体と後架橋剤との混合の際には、後架橋剤を均一に分散させるため、後架橋剤を溶解する溶媒として、水が加えられてもよく、親水性溶媒が加えられてもよい。親水性溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール及びイソプロピルアルコール等の低級アルコール類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン及びテトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、並びにジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いられてもよく、必要に応じて、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
1次乾燥ゲルの水分量と加えられる溶媒量との質量比率は、乾燥工程を合理的に短縮してプロセスの経済性を高めつつ、後架橋剤を均一に分散させる観点から、100:0〜60:40、99:1〜70:30、98:2〜80:20、又は98:2〜90:10であってもよい。
上記後架橋反応の反応温度は、60℃以上、70〜200℃、又は80〜150℃であってもよい。反応温度が60℃以上であることにより、後架橋反応が促進され、反応に過大な時間を要しない傾向があり、反応温度が200℃以下であることにより、得られる吸水性樹脂粒子の劣化、吸水性能の低下を抑制できる傾向がある。
上記後架橋反応の反応時間は、反応温度、後架橋剤の種類及び量等によって異なるので一概には決定することができないが、通常、1〜300分間であり、5〜200分間であってもよい。
本実施形態の吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記後架橋反応を行った後、熱等のエネルギーを外部から加えることにより、水、炭化水素分散媒等を蒸留により除去する、2次乾燥工程を備えていてもよい。このような2次乾燥を行うことで、流動性に優れる吸水性樹脂粒子が得られる傾向がある。
上記2次乾燥の方法としては、特に限定されず、例えば、(a)油性液(炭化水素分散媒)に分散した後架橋反応後の樹脂粒子の混合物を、蒸留することにより水分と炭化水素分散媒等を同時に除去する方法、(b)デカンテーションにより樹脂粒子を取り出し、減圧乾燥する方法、(c)フィルターにより樹脂粒子をろ別し、減圧乾燥する方法等が挙げられる。これらの中でも、製造工程における簡便さから、(a)の方法を用いることができる。
本実施形態にかかる製造方法によれば、以下に説明するような実施形態にかかる吸水性樹脂粒子を得ることができる。吸水性樹脂粒子は、適度な大きさの粒子径、優れた吸水速度を有しながら、低い残存揮発成分量を有する。
吸水性樹脂粒子の中位粒子径は、100〜600μmであってもよい。このような中位粒子径を有することで、吸収体の製造時におけるハンドリング性を良好に保ち、かつ、吸収体を薄く設計することができる。また、上記中位粒子径は、110〜500μm、120〜400μm、又は130〜350μmであってもよい。なお、上記中位粒子径は実施例にて後述する方法により測定されたものである。
吸水性樹脂粒子の生理食塩水の吸水速度は、1〜20秒であってもよい。吸水性樹脂粒子がこのように優れた吸水速度を有することで、吸水性樹脂粒子が吸収性物品、止水材等に用いられた際に、液漏れを防止することが可能となる。また、上記吸水速度は、1〜15秒、2〜10秒、2〜8秒、又は2〜6秒であってもよい。なお、上記吸水速度は実施例にて後述する方法により測定されたものである。
吸水性樹脂粒子の残存揮発成分量は、1.5質量%以下であってもよい。このように吸水性樹脂粒子が少ない残存揮発成分量を有することで、例えば、吸水性樹脂粒子が吸水した際の臭気の発生を抑制して、吸収性物品の装着者の快適さを向上させることができる。また、上記残存揮発成分量は、1.3質量%以下、0.001〜1.2質量%、0.01〜1.0質量%、又は0.1〜0.6質量%であってもよい。
吸水性樹脂粒子の生理食塩水の吸水量は特に限定されないが、吸収性物品の吸収容量を高める観点から、大きくすることができる。吸水性樹脂粒子の生理食塩水の吸水量は、30〜90g/g、35〜80g/g、45〜75g/g、50〜70g/g、又は55〜65g/gであってもよい。なお、上記生理食塩水の吸水量は実施例にて後述する方法により測定されたものである。
本実施形態の吸水性樹脂粒子の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子には、目的に応じて、耐熱性安定剤、酸化防止剤、抗菌剤等の添加剤が含まれていてもよい。上記添加剤の量は、吸水性樹脂粒子の用途、添加剤の種類等によって異なるが、吸水性樹脂粒子100質量部に対して、0.001〜10質量部、0.01〜5質量部、又は0.1〜2質量部であってもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、及び翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼(フッ素樹脂を表面にコートしたもの)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコ(以下、丸底フラスコという)を準備した。丸底フラスコに炭化水素分散媒としてn−ヘプタン660mLを加え、界面活性剤としてソルビタンモノラウレート(日油社製、商品名:ノニオンLP−20R;HLB8.6)1.10gを添加し、70℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、油性液を調製した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、及び翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼(フッ素樹脂を表面にコートしたもの)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコ(以下、丸底フラスコという)を準備した。丸底フラスコに炭化水素分散媒としてn−ヘプタン660mLを加え、界面活性剤としてソルビタンモノラウレート(日油社製、商品名:ノニオンLP−20R;HLB8.6)1.10gを添加し、70℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、油性液を調製した。
一方、内容積300mLのビーカーに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80.5質量%のアクリル酸水溶液92g(1.03モル)を加えた。上記アクリル酸水溶液を氷水冷しながら、ビーカーに20.9質量%水酸化ナトリウム水溶液147.7gを滴下して、上記アクリル酸のうち75モル%の中和を行なった。その後、ビーカーに水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.10g(0.00037モル)を加えて溶解し、水性液を調製した。この水性液のポリマー固形分量は91g、水分量は148.6gであった。
撹拌機の回転数を700rpmとして、上記水性液の全量を、丸底フラスコ中の70℃の上記油性液に添加した。添加終了時点の懸濁混合物(懸濁液)の温度は47℃となった。同温度を保ちながら系内を窒素で30分間置換した後、丸底フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、重合反応を1時間行うことにより、含水ゲル状重合体を得た。
次いで、120℃の油浴を使用して系内を昇温し、水とn−ヘプタンを共沸させることにより、n−ヘプタンを還流しながら、111.7gの水を系外へ抜き出した(1次乾燥工程)。その後、丸底フラスコに後架橋剤として2質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液4.14g(0.00048モル)を添加し、後架橋剤を含む混合物を得た。この時の丸底フラスコ内の水分量は40.9gであり、1次乾燥後(後架橋時)の含水ゲル状重合体の水分率は、45質量%であった。後架橋剤を含む混合物を調製後、約80℃で2時間保持して、含水ゲル状重合体を更に架橋させた(後架橋工程)。
その後、n−へプタンを120℃にて蒸発させて乾燥すること(2次乾燥工程)によって、顆粒状の吸水性樹脂粒子を88.2g得た。
[実施例2]
丸底フラスコ中で75℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、実施例1と同様の組成を有する油性液を調製した。75℃に維持された油性液に対して、水性液の全量を添加し、添加終了時点の懸濁混合物の温度が55℃になった。これ以外は、実施例1と同様の操作を行い、顆粒状の吸水性樹脂粒子を89.1g得た。
丸底フラスコ中で75℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、実施例1と同様の組成を有する油性液を調製した。75℃に維持された油性液に対して、水性液の全量を添加し、添加終了時点の懸濁混合物の温度が55℃になった。これ以外は、実施例1と同様の操作を行い、顆粒状の吸水性樹脂粒子を89.1g得た。
[実施例3]
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、及び翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼(フッ素樹脂を表面にコートしたもの)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコ(以下、丸底フラスコという)を準備した。丸底フラスコに炭化水素分散媒としてn−ヘプタン530mLを加え、界面活性剤としてソルビタンモノラウレート(日油株式会社製、商品名:ノニオンLP−20R;HLB8.6)1.65gを添加し、72℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、油性液を調製した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、及び翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼(フッ素樹脂を表面にコートしたもの)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコ(以下、丸底フラスコという)を準備した。丸底フラスコに炭化水素分散媒としてn−ヘプタン530mLを加え、界面活性剤としてソルビタンモノラウレート(日油株式会社製、商品名:ノニオンLP−20R;HLB8.6)1.65gを添加し、72℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、油性液を調製した。
一方、内容積300mLのビーカーに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80.5質量%のアクリル酸水溶液92g(1.03モル)を加えた。上記アクリル酸水溶液を氷水冷しながら、ビーカーに20.9質量%水酸化ナトリウム水溶液147.6gを滴下して、上記アクリル酸のうち75モル%の中和を行なった。その後、ビーカーに水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.10g(0.00037モル)を加えて溶解し、第一の水性液を調製した。この第一の水性液のポリマー固形分量は91.0g、水分量は148.5gであった。
撹拌機の回転数を500rpmとして、上記第一の水性液の全量を、丸底フラスコ中の72℃の上記油性液に添加した。添加終了時点の懸濁混合物の温度は51℃となった。同温度で系内を窒素ガスで30分間置換した後、丸底フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、重合反応を1時間行うことにより、含水ゲル状重合体を得た(第一重合工程)。重合後、中間架橋剤として2質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液1.24g(0.00014モル)を加えて、75℃で30分間架橋反応を行った(中間架橋工程)。
次に、上記第一重合工程とは別の300mLビーカーに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80.5質量%のアクリル酸水溶液92g(1.03モル)を加えた。上記アクリル酸水溶液を氷水冷しながら、ビーカーに26.9質量%水酸化ナトリウム水溶液114.7gを滴下して、上記アクリル酸のうち75モル%の中和を行なった。その後、ビーカーに水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.10g(0.00037モル)を加えて溶解し、第二の水性液を調製した。この第二の水泳液のポリマー固形分量は91.0g、水分量は115.9gであった。
中間架橋剤による上記架橋反応の終了後の懸濁液を、撹拌機の回転数を1000rpmとして攪拌しながら70℃に冷却した。冷却した丸底フラスコ内に上記第二の水性液の全量を滴下した。滴下が終了した時点の懸濁液の温度は55℃であり、その後、系内温度をその温度に保ちながら、系内を窒素ガスで30分間置換した。丸底フラスコを70℃の水浴に浸漬して系内を昇温し、その後重合を1時間行い(第二重合工程)、含水ゲル状重合体を得た。
丸底フラスコを120℃の油浴に浸漬して、第二重合工程で得られた含水ゲル状重合体を含有する懸濁液を昇温し、水とn−ヘプタンとを共沸させることにより、n−ヘプタンを還流しながら、208.6gの水を系外へ抜き出した(1次乾燥工程)。その後、丸底フラスコに後架橋剤として2質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液8.28g(0.00095モル)を添加し、後架橋剤を含む混合物を得た。この時の丸底フラスコ内の水分量は63.9gであり、1次乾燥後(後架橋時)の含水ゲル状重合体の水分率は、35質量%であった。後架橋剤を含む混合物を調製後、約80℃で2時間保持した(後架橋工程)。
その後、n−へプタンを120℃にて蒸発させて乾燥すること(2次乾燥工程)によって、顆粒状の吸水性樹脂粒子を191.1g得た。
[比較例1]
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、及び翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼(フッ素樹脂を表面にコートしたもの)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコ(以下、丸底フラスコという)を準備した。丸底フラスコに炭化水素分散媒としてn−ヘプタン660mLを加え、界面活性剤としてソルビタンモノラウレート(日油社製、商品名:ノニオンLP−20R;HLB8.6)1.10gを添加し、45℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、油性液を調製した。
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、及び翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する撹拌翼(フッ素樹脂を表面にコートしたもの)を備えた内径100mmの丸底円筒型セパラブルフラスコ(以下、丸底フラスコという)を準備した。丸底フラスコに炭化水素分散媒としてn−ヘプタン660mLを加え、界面活性剤としてソルビタンモノラウレート(日油社製、商品名:ノニオンLP−20R;HLB8.6)1.10gを添加し、45℃まで昇温して界面活性剤をn−ヘプタンに溶解して、油性液を調製した。
一方、内容積300mLのビーカーに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80.5質量%のアクリル酸水溶液92g(1.03モル)を加えた、上記アクリル酸水溶液を氷水冷しながら、ビーカーに20.9質量%水酸化ナトリウム水溶液147.7gを滴下して、上記アクリル酸のうち75モル%の中和を行なった。その後、ビーカーに水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.10g(0.00037モル)を加えて溶解し、水性液を調製した。この水性液のポリマー固形分量は91g、水分量は148.6gであった。
撹拌機の回転数を700rpmとして、上記水性液の全量を丸底フラスコ中の45℃の上記油性液に添加した。添加終了時点の懸濁液の温度は33℃であった。系内を窒素で30分間置換した後、丸底フラスコを70℃の水浴に浸漬して系内を昇温し、重合反応を1時間行うことにより、含水ゲル状重合体を得た。
次いで、120℃の油浴を使用して系内を昇温し、水とn−ヘプタンを共沸させることにより、n−ヘプタンを還流しながら、127.6gの水を系外へ抜き出した(1次乾燥工程)。その後、丸底フラスコに後架橋剤として2質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液5.52g(0.00063モル)を添加し、後架橋剤を含む混合物を得た。この時の丸底フラスコ内の水分量は26.3gであり、1次乾燥後(後架橋時)の含水ゲル状重合体の水分率は、29質量%であった。後架橋剤を含む混合物を調製後、約80℃で2時間保持した(後架橋工程)。
その後、n−へプタンを120℃にて蒸発させて乾燥すること(2次乾燥工程)によって、顆粒状の吸水性樹脂粒子を87.4g得た。
[比較例2]
内容積500mLの三角フラスコに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)を加え、上記アクリル酸を氷水冷し、攪拌しながら、三角フラスコに21質量%水酸化ナトリウム水溶液146.0gを滴下して、上記アクリル酸のうち75モル%の中和を行い、単量体濃度38質量%のアクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジエーテル18.4mg(106マイクロモル)、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム92mgを加え、第一の水性液を調製した。
内容積500mLの三角フラスコに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)を加え、上記アクリル酸を氷水冷し、攪拌しながら、三角フラスコに21質量%水酸化ナトリウム水溶液146.0gを滴下して、上記アクリル酸のうち75モル%の中和を行い、単量体濃度38質量%のアクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジエーテル18.4mg(106マイクロモル)、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム92mgを加え、第一の水性液を調製した。
2段パドル翼を備える攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた内容積2Lの五つ口円筒型丸底フラスコ(以下、丸底フラスコという)に、炭化水素分散媒としてn−ヘプタン340g(500mL)、界面活性剤としてショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ社製、商品名:S−370;HLB値3.0)0.92gを加え、n−ヘプタンに加熱溶解させた後、内温を50℃にして油性液を得た。この油性液に上記第一の水性液の全量を添加し、50℃に保持しながら、攪拌下で懸濁し、系内を充分に窒素置換した後、70℃の水浴を用いて重合反応を2時間行った(第一重合工程)。
別の内容積500mLの三角フラスコに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)を加え、上記アクリル酸水溶液を外部から氷水冷し、攪拌しながら、三角フラスコに21質量%水酸化ナトリウム水溶液146.0gを滴下して、上記アクリル酸のうち75モル%の中和を行い、単量体濃度38質量%のアクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル18.4mg(106マイクロモル)、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム92mgを加え、第二の水性液を調製した。
第一重合工程の終了後の懸濁液を、攪拌しながら50℃に冷却し、界面活性剤が溶解している状態で、冷却したフラスコ内に上記第二の水性液の全量を滴下した。その後、50℃に保持しながら、攪拌しながら系内を窒素ガスで30分間置換した。丸底フラスコを70℃の水浴に浸漬して系内を昇温し、その後重合を1.5時間行い(第二重合工程)、含水ゲル状重合体を得た。
丸底フラスコを120℃の油浴に浸漬して、第二重合工程で得られた含水ゲル状重合体を含有する懸濁液を昇温し、水とn−ヘプタンとを共沸させることにより、n−ヘプタンを還流しながら、250gの水を系外へ抜き出した(1次乾燥工程)。その後、丸底フラスコに後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル110mg(0.00063モル)を添加し、後架橋剤を含む混合物を得た。この時の含水ゲル状重合体の水分率は、25質量%であった。後架橋剤を含む混合物を調製後、約80℃で2時間保持した(後架橋工程)。
その後、n−へプタンを120℃にて蒸発させて乾燥すること(2次乾燥工程)によって、球状の吸水性樹脂粒子を188.3g得た。
<評価>
実施例および比較例で得られた吸水性樹脂粒子について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例および比較例で得られた吸水性樹脂粒子について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(1)残存揮発成分量
(a)検量線の作成
実施例及び比較例で使用した炭化水素分散媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、25質量%リン酸水溶液を、栓のできるガラス容器に用意した。これらは測定中の揮発による誤差を抑えるため、必要に応じて冷却して用いた。
(a)検量線の作成
実施例及び比較例で使用した炭化水素分散媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、25質量%リン酸水溶液を、栓のできるガラス容器に用意した。これらは測定中の揮発による誤差を抑えるため、必要に応じて冷却して用いた。
まず、内容積200mLのメスフラスコに上記炭化水素分散媒を0.15g精秤したのち、合計200mLとなるようにDMFを加え、これを標準液1とした。次いで、内容積20mLのメスフラスコに上記標準液1を10mLホールピペットで精密に量りとり、合計20mLとなるようにDMFを加え、標準液1を半分に希釈し、これを標準液2とした。
同様に、標準液2を半分に希釈することで標準液3を得て、標準液3を同様に半分に希釈することで標準液4を得て、標準液4を同様に半分に希釈することで標準液5を得た。
内容積20mLのバイアル瓶(SMI−Lab Ltd.社製、VZH−20CR−100)に上記標準液1を4mL加え、さらに25質量%リン酸水溶液5mLを加えた。セプタムゴムとアルミキャップを用いてバイアル瓶を速やかに密栓し、バイアル瓶を1分間振とう混合した。標準液2〜5に対しても同様の操作を行い、検量線溶液を調製した。
上記バイアル瓶を振とう撹拌しながら、110℃で2時間加温した後、1mLの気相部をガスクロマトグラフに注入し、各検量線溶液に対するクロマトグラムを得た。検量線溶液作製に精密に秤量した炭化水素分散媒の質量とクロマトグラムのピーク面積を用いて、検量線を作成した。なお、炭化水素分散媒由来のピークが複数認められた場合、それらピーク面積の総和を用いて検量線を作成した。
(b)残存揮発成分量の測定
DMFと25質量%リン酸水溶液を用意した。内容積20mLのバイアル瓶に、実施例及び比較例で得られた吸水性樹脂粒子0.10gをそれぞれ精秤した。このバイアル瓶に、DMFを4mL、25質量%リン酸水溶液5mLを加えた。セプタムゴムとアルミキャップを用いてバイアル瓶を速やかに密栓し、バイアル瓶を1分間振とう混合した。上記バイアル瓶を振とう混合しながら、110℃で2時間加温した後、1mLの気相部をガスクロマトグラフに注入し、クロマトグラムを得た。
DMFと25質量%リン酸水溶液を用意した。内容積20mLのバイアル瓶に、実施例及び比較例で得られた吸水性樹脂粒子0.10gをそれぞれ精秤した。このバイアル瓶に、DMFを4mL、25質量%リン酸水溶液5mLを加えた。セプタムゴムとアルミキャップを用いてバイアル瓶を速やかに密栓し、バイアル瓶を1分間振とう混合した。上記バイアル瓶を振とう混合しながら、110℃で2時間加温した後、1mLの気相部をガスクロマトグラフに注入し、クロマトグラムを得た。
得られたクロマトグラムのピーク面積と先に作成した検量線から、吸水性樹脂粒子(0.10gの精秤値)に含まれる炭化水素分散媒量を算出し、吸水性樹脂粒子1gあたりに換算した値を残存揮発成分量(質量%)とした。
以下は、ガスクロマトグラフの条件である。
装置:GC−2014(島津製作所製)
ヘッドスペースオートサンプラ:HT200H(Hamilton Company製)
充填剤:Squalane 25% Shimalite(NAW)(101)
80−100mesh
カラム:3.2mmφ×2.1m
カラム温度:80℃
注入口温度:180℃
検出器温度:180℃
検出器:FID
キャリアガス:N2
バイアル瓶加熱温度:110℃
シリンジ設定温度:130℃
装置:GC−2014(島津製作所製)
ヘッドスペースオートサンプラ:HT200H(Hamilton Company製)
充填剤:Squalane 25% Shimalite(NAW)(101)
80−100mesh
カラム:3.2mmφ×2.1m
カラム温度:80℃
注入口温度:180℃
検出器温度:180℃
検出器:FID
キャリアガス:N2
バイアル瓶加熱温度:110℃
シリンジ設定温度:130℃
(2)臭気官能試験(6段階臭気強度表示法)
吸水性樹脂粒子の膨潤時の炭化水素分散媒由来の臭気を次の方法にて評価した。内容積140mLの蓋付ガラス瓶(マヨネーズ瓶)に、25℃の0.9質量%食塩水20.0gを加え、長さ3cmの回転子を入れて攪拌した。吸水性樹脂粒子2.0gを上記ガラス瓶に添加し密閉した。当該ガラス瓶中の炭化水素分散媒由来の臭気を、表1に示す評価基準に準じて、5名の分析者が判定し、その平均値を臭気の評価結果とした。
吸水性樹脂粒子の膨潤時の炭化水素分散媒由来の臭気を次の方法にて評価した。内容積140mLの蓋付ガラス瓶(マヨネーズ瓶)に、25℃の0.9質量%食塩水20.0gを加え、長さ3cmの回転子を入れて攪拌した。吸水性樹脂粒子2.0gを上記ガラス瓶に添加し密閉した。当該ガラス瓶中の炭化水素分散媒由来の臭気を、表1に示す評価基準に準じて、5名の分析者が判定し、その平均値を臭気の評価結果とした。
(3)生理食塩水の吸水量(g/g)
生理食塩水吸収量は、以下の方法により評価した。0.9質量%食塩水500gと吸水性樹脂粒子2.0gとを混合し、室温で60分間攪拌した。質量Wa(g)を有する、目開き75μmのJIS Z 8801−1標準篩を用いて、上記混合液をろ過した。篩を水平に対して約30度の傾斜角となるように傾けた状態で、ろ物を篩上で30分間放置した。吸水した吸水性樹脂粒子と篩の質量の合計Wb(g)を測定し、以下の式により、吸水量を求めた。
生理食塩水の吸水量=(Wb−Wa)/2.0
生理食塩水吸収量は、以下の方法により評価した。0.9質量%食塩水500gと吸水性樹脂粒子2.0gとを混合し、室温で60分間攪拌した。質量Wa(g)を有する、目開き75μmのJIS Z 8801−1標準篩を用いて、上記混合液をろ過した。篩を水平に対して約30度の傾斜角となるように傾けた状態で、ろ物を篩上で30分間放置した。吸水した吸水性樹脂粒子と篩の質量の合計Wb(g)を測定し、以下の式により、吸水量を求めた。
生理食塩水の吸水量=(Wb−Wa)/2.0
(4)生理食塩水の吸水速度(秒)
吸水速度の測定は、25℃±1℃に調節された室内で行われた。恒温水槽にて25±0.2℃の温度に調整した生理食塩水50±0.1gをマグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリング無し)で攪拌して、回転数600rpmで渦を発生させた。吸水性樹脂粒子2.0±0.002gを、上記生理食塩水中に一度に添加し、吸水性樹脂粒子の添加後から液面の渦が収束する時点までの時間(秒)を測定し、当該時間を吸水性樹脂粒子の吸水速度とした。
吸水速度の測定は、25℃±1℃に調節された室内で行われた。恒温水槽にて25±0.2℃の温度に調整した生理食塩水50±0.1gをマグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリング無し)で攪拌して、回転数600rpmで渦を発生させた。吸水性樹脂粒子2.0±0.002gを、上記生理食塩水中に一度に添加し、吸水性樹脂粒子の添加後から液面の渦が収束する時点までの時間(秒)を測定し、当該時間を吸水性樹脂粒子の吸水速度とした。
(5)中位粒子径
吸水性樹脂粒子100gに、滑剤として非晶質シリカ(デグサジャパン株式会社製、商品名:Sipernat 200)0.5gを混合した。上記吸水性樹脂粒子を、JIS Z 8801−1標準篩の目開き250μmの篩に通過させ、全量に対して篩上に残る量が50質量%以上の場合には、下記(A)の篩の組み合わせを、50質量%未満の場合には、下記(B)の篩の組み合わせを用いて中位粒子径を測定した。
(A)JIS標準篩を上から、目開き850μmの篩、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き150μmの篩及び受け皿の順に組み合わせた。
(B)JIS標準篩を上から、目開き425μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き150μmの篩、目開き106μmの篩、目開き75μmの篩、目開き45μmの篩及び受け皿の順に組み合わせた。
吸水性樹脂粒子100gに、滑剤として非晶質シリカ(デグサジャパン株式会社製、商品名:Sipernat 200)0.5gを混合した。上記吸水性樹脂粒子を、JIS Z 8801−1標準篩の目開き250μmの篩に通過させ、全量に対して篩上に残る量が50質量%以上の場合には、下記(A)の篩の組み合わせを、50質量%未満の場合には、下記(B)の篩の組み合わせを用いて中位粒子径を測定した。
(A)JIS標準篩を上から、目開き850μmの篩、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き150μmの篩及び受け皿の順に組み合わせた。
(B)JIS標準篩を上から、目開き425μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き150μmの篩、目開き106μmの篩、目開き75μmの篩、目開き45μmの篩及び受け皿の順に組み合わせた。
組み合わせた最上の篩に、上記吸水性樹脂粒子を入れ、ロータップ式振とう器を用いて20分間振とうさせて分級した。
分級後、各篩上に残った吸水性樹脂粒子の質量を全量に対する質量百分率として計算し、粒子径の大きい方から順に積算することにより、篩の目開きと篩上に残った吸水性樹脂粒子の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径とした。
(6)ハンドリング性
吸水性樹脂粒子の粉体ハンドリング性は、5名の分析者により、以下基準に従って目視により評価された。3名以上の分析者が選択した評価を、その吸水性樹脂粒子の粉体ハンドリング性とした。
良好:粉立ちが少ない。流動性が適度にあり、計量や清掃等の操作が容易。
不良:粉立ちが多い。流動性が低いので、計量や清掃等の操作が難しい。
吸水性樹脂粒子の粉体ハンドリング性は、5名の分析者により、以下基準に従って目視により評価された。3名以上の分析者が選択した評価を、その吸水性樹脂粒子の粉体ハンドリング性とした。
良好:粉立ちが少ない。流動性が適度にあり、計量や清掃等の操作が容易。
不良:粉立ちが多い。流動性が低いので、計量や清掃等の操作が難しい。
表2に、各実施例および比較例の重合条件と、評価結果をまとめて示す。表中、第一重合工程及び第二重合工程の「懸濁時」の温度は、単量体水溶液の全量を添加した時点の反応液の温度である。
表2に示すように、実施例1〜3で得られた吸水性樹脂粒子は、いずれも、粒子径が適度でありながらも吸水速度等の吸水性能にも優れ、かつ残存揮発成分の少ないことがわかる。一方、比較例で得られた吸水性樹脂粒子は、これらの性能面において充分ではないことがわかる。
本実施形態にかかる製造方法により得られる吸水性樹脂粒子は、紙おむつ、生理用品、ペットシート等の衛生材料用、保水材、土壌改良材等の農園芸材料用、電力及び通信用ケーブル用止水材、結露防止材等の工業資材用等種々の分野で使用することができ、特に大人用おむつ、失禁パッド、トイレトレーニングパンツ、多い日用ナプキンのような特定の衛生材料、ケーブル用止水材、ペットシート、簡易トイレ等の分野に好適に用いられる。
Claims (6)
- 炭化水素分散媒及び界面活性剤を含む油性液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水性液とを混合して、前記油性液及び前記油性液中に分散された前記水性液を含む懸濁液を形成し、前記懸濁液中で前記水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることを含む重合工程を備え、
前記界面活性剤のHLBが6以上であり、
前記油性液と前記水性液とを混合し始めてからこれらの全量を混合し終わるまでの間、前記懸濁液の温度が35℃以上に維持される、
吸水性樹脂粒子の製造方法。 - 炭化水素分散媒及び界面活性剤を含む油性液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水性液とを混合して、前記油性液及び前記油性液中に分散された前記水性液を含む懸濁液を形成し、前記懸濁液中で前記水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させて、含水ゲル状重合体を含む懸濁液を得ることを含む、第一重合工程と、
前記含水ゲル状重合体を含む45℃以上の懸濁液と、水性溶媒及び水溶性エチレン性不飽和単量体を含む第二の水性液とを混合して、前記第二の水性液をさらに分散させた懸濁液中で、前記水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることを含む、第二重合工程と、をこの順に備え、
前記界面活性剤のHLBが6以上であり、
前記油性液と前記水性液とを混合し始めてからこれらの全量を混合し終わるまでの間、前記懸濁液の温度が35℃以上に維持される、吸水性樹脂粒子の製造方法。 - 前記水性液と混合される前記油性液の温度が50℃以上である、請求項1又は2に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
- 前記界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
- 前記水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸およびその塩、メタクリル酸およびその塩、ならびにアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
- 前記炭化水素分散媒が、炭素数6〜8の脂肪族炭化水素、および炭素数6〜8の脂環族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種の分散媒を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
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