JP6886580B2 - 接着シート及び物品の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被着体の接着に使用可能な接着シートに関するものである。
半導体ウェハ、電子発光素子(LED)、フラットパネルディスプレイ(FPD)等の製造場面では、金属、ガラス、プラスチック等からなる基板の仮固定に粘着シートが使用されている。前記粘着シートは、基板への加工等の処理が完了した後に基板から剥離する必要がある。そのため、前記粘着シートには、およそ15〜50℃の温度環境下で行われることが多い前記基板の加工工程においては基板の脱落等を引き起こさないレベルの粘着力と、加工後に容易に剥離できる易剥離性とが求められている。
このような易剥離性粘着シートとしては、例えば、紫外線硬化性のオリゴマーを含有する粘着剤層を有し、紫外線照射によるオリゴマーの硬化を利用して、粘着剤層の粘着力を低下させる紫外線硬化型粘着シートが提案されている(特許文献1参照)。
また、熱膨張性微小球を含む粘着剤層を有し、加熱による熱膨張性微小球の膨張、ひいては被着体と粘着剤層との接触面積の低下を利用して、粘着剤層の粘着力を低下させる加熱剥離型粘着シートが提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。
しかし、紫外線硬化型粘着シートや加熱剥離型粘着シートは、基板から剥離する際に紫外線照射や加熱することによって粘着層等を硬化等させるため、一度剥離した粘着シートを再利用することはできなかった。また、前記紫外線照射や加熱によって、被着体が損傷する場合があった。
特開平9−291258号公報 特開平11−302614号公報 特開2000−351947号公報 特開2002−69422号公報 特開2003−160765号公報
本発明が解決しようとする課題は、およそ15℃〜50℃程度の常温領域下においては被着体の脱落等を引き起こさないレベルの接着力を有するため、被着体への仮貼付または2以上の被着体同士の仮固定に有効であり、常温未満の温度領域では、被着体から容易に剥離または2以上の被着体を容易に分離可能なレベルの接着力を発現可能な接着シートを提供することである。
本発明は、動的粘弾性法で測定されたガラス転移温度が10℃〜50℃であり、20℃における貯蔵弾性率E’が1×10Pa〜1×10Paである接着剤層(A)を有する接着シートであって、被着体への貼付または2以上の被着体の接着に使用され、前記被着体と前記接着シートとを分離する際に、前記接着剤層(A)の温度が、そのガラス転移温度未満の温度に調整されることを特徴とする接着シートに関するものである。
本発明の接着シートは、常温下における接着剤層のべたつきが低いことから、被着体に貼付する際の接着シートの位置合わせがし易い。また、本発明の接着シートは、被着体を仮固定し得る適度な接着力を有しつつ、保持が不要となったときには、その接着剤層のガラス転移温度未満の温度に調整されることで粘着力を失い容易に剥離、解体することが可能である。
本発明の接着シートは、動的粘弾性法で測定されたガラス転移温度が10℃〜50℃であり、20℃における貯蔵弾性率E’が1×10Pa〜1×10Paである接着剤層(A)を有する接着シートであって、被着体への貼付または2以上の被着体の接着に使用され、前記被着体と前記接着シートとを分離する際に、前記接着剤層(A)の温度が、そのガラス転移温度未満の温度に調整されることを特徴とするものである。
本発明の接着シートが片面接着シートである場合、被着体の表面に片面接着シートが貼付された構成を有する物品が挙げられる。前記物品を解体する際に前記接着剤層(A)の温度をそのガラス転移温度未満の温度に調整することで、前記物品を前記被着体と片面接着シートとに分離することができる。
また、本発明の接着シートが両面接着シートである場合、2以上の被着体が前記両面接着シートによって接着された構成を有する物品が挙げられる。前記物品を解体する際、片面側または両面側の接着剤層(A)の温度を、それらのガラス転移温度未満の温度に調整することで、前記物品を前記被着体と両面片面接着シートとに分離することができる。
なお、本発明の接着シートは、一般に粘着シートや粘着テープや粘接着テープ等と称されるものを包含するものであり、本発明の接着シートが有する接着剤層(A)は、いわゆるタック感(粘着性)を有するもの、全く有さないものを包含するものである。
[接着剤層(A)]
本発明の接着シートを構成する接着剤層(A)としては、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルに基づく損失正接のピーク温度であるガラス転移温度が10℃〜50℃であるものを使用する。上記ガラス転移温度を有する接着剤層(A)を使用することによって、常温下においては、べたつき感(粘着性)が少ないため、前記接着シートと被着体との貼付位置ずれを修正するために容易に貼り直しすることができ、かつ、およそ15℃〜50℃程度の常温領域下においては被着体からの剥れやズレ等を引き起こさないレベルの接着力を有するため、被着体への仮貼付または2以上の被着体同士の仮固定に有効な接着シートを得ることができる。
前記接着剤層(A)としては、前記ガラス転移温度が15℃〜40℃であるものを使用することが好ましく、18℃〜35℃であるものを使用することが、常温下においてはべたつき感(粘着性)が低いため被着体を仮固定し得る適度な粘着力(密着力?)を有する一方で前記接着剤層(A)がガラス転移温度未満に調整された際には粘着性が失われ容易に剥離することができるため好ましい。
前記接着剤層(A)としては、上記範囲のガラス転移温度を有するとともに、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルにおける20℃の貯蔵弾性率E’が1×10Pa〜1×10Paであるものを使用する。前記20℃の貯蔵弾性率E’は、好ましくは1×10Pa〜1×10Paである。上記範囲の20℃の貯蔵弾性率E’を有する接着剤層(A)を使用することによって、常温下(約15℃〜50℃)においては高弾性であるため被着体に接着シートを貼付する際の圧力の大小によらず接着シートが被着体の表面になじみにくく、その結果、およそ15℃〜50℃程度の常温領域下においては被着体からの剥れやズレ等を引き起こさないレベルの、被着体への仮貼付または2以上の被着体同士の仮固定に効果的な接着力と、常温未満の温度領域での被着体から容易に剥離または2以上の被着体を容易に分離可能なレベルの接着力とを両立した接着シートを得ることができる。
なお、接着剤層(A)の動的粘弾性スペクトルは次の方法で測定した値を指す。ティー・エイ・インスツルメント製粘弾性測定機「RSA III」を用い、引っ張りモードで、振動数1Hz、昇温速度3℃/min、負荷歪み0.1%の条件で、−40℃〜100℃までの温度領域における、貯蔵弾性率E’と損失正接とを測定し、損失正接のピーク温度を接着剤層のガラス転移温度とした。
前記接着剤層(A)としては、上記範囲のガラス転移温度、20℃での貯蔵弾性率E’を満たす接着成分をいずれも使用でき、例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ゴム系樹脂、フェノール系樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記接着剤層(A)としては、ポリエステル樹脂(a1)、エポキシ樹脂(a2)、ポリエステルウレタン樹脂(a3)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を使用することが、前記接着剤層(A)の前記動的粘弾性スペクトルの範囲を実現し易く、その結果、室温下(約20℃〜30℃)におけるべたつき感の少なく、およそ15℃〜50℃程度の常温領域下においては被着体からの剥れやズレ等を引き起こさないレベルの接着力を有するため、被着体への仮貼付または2以上の被着体同士の仮固定に有効であり、常温未満の温度領域では、被着体から容易に剥離または2以上の被着体を容易に分離可能なレベルの接着力を発現可能な接着シートを得るうえでより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(a1)としては、特に制限されず、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合物であるポリエステル樹脂やこれを変性したポリエステル樹脂を単独または2種以上組合せ使用することができる。前記ポリエステル樹脂(a1)としては、ガラス転移温度が0℃以下のポリエステル樹脂を使用することが好ましく、−40℃〜−10℃のポリエステル樹脂を含有することが、20℃での貯蔵弾性率E’とガラス転移温度とを上記範囲内に制御でき、その結果、常温下においては被着体を仮固定し得る適度な接着強度が発現する一方で、前記接着剤層(A)がガラス転移温度未満に調整された際には粘着性が失われ容易に剥離できるためより好ましい。
前記接着剤層(A)は、例えば熱可塑性接着剤組成物によって構成されたものを使用することができる。
前記熱可塑性接着剤組成物に好適に使用可能なポリエステル樹脂(a1)としては、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合物であるポリエステル樹脂やこれを変性したポリエステル樹脂を通常使用できる。
ポリエステル樹脂(a1)の製造に使用可能な多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸またはピロメリット酸、不飽和脂肪酸から誘導されたダイマー酸類など、あるいはこれらの酸無水物などが挙げられ、これらのカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して用いられる。
前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール等が挙げられる。また、カルボン酸基を含む多価アルコールを多価アルコールとして用いてもよく、特に代表的なものとしてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸などが挙げられる。さらに、多価アルコールをε−カプロラクトンなどのカプロラクトン化合物により変性することで、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を低温化でき、20℃の貯蔵弾性率E’とガラス転移温度を目的の範囲に制御しやすい。
多価カルボン酸と多価アルコールの縮合反応は、公知慣用の種々の合成法に従って得られるものであって、その一例を挙げると、多価カルボン酸と多価アルコールとを、一緒に加えて、縮合(エステル化)する合成法が一般的である。
また、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合反応では、三価以上のカルボン酸あるいはアルコールを使用すれば、得られる縮合物に分岐構造を付与することもできる。
また、ポリエステル樹脂(a1)の数平均分子量としては、10000〜40000であることが好ましく、20000〜30000であることがより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(a1)の含有量は、溶媒を除いた熱可塑性接着剤組成物の全量に対して20質量%〜60質量%であることが好ましく、30質量%〜43質量%であることがより好ましい。前記含有量の範囲にあると、20℃の貯蔵弾性率E’とガラス転移温度とを上記範囲内に制御しやすいため好ましい。
前記熱可塑性接着剤組成物としては、前記エポキシ樹脂(a2)を含有するものを使用することが好ましい。
前記エポキシ樹脂(a2)としては、JISK7234に準拠した方法で測定された軟化点が30℃〜100℃のエポキシ樹脂を使用することが好ましく、軟化点が50℃〜80℃のエポキシ樹脂を使用することが、20℃貯蔵弾性率E’とガラス転移温度とを上記範囲内に制御でき、その結果、常温下においては被着体を仮固定し得る適度な接着強度が発現する一方で、前記接着剤層(A)がガラス転移温度未満に調整された際には粘着性が失われ容易に剥離する効果が得られるためより好ましい。
なお、エポキシ樹脂の軟化点は、JISK7234の環球法に基づいて、規定の環に試料を充填し、水浴又はグリセリン浴中で水平に支え、試料の中央に規定の球を置いて浴温を毎分5℃の速さで上昇させ、球を包み込んだ試料が環台の底板に接触した時に読み取った温度である。
エポキシ樹脂(a2)としては、数平均分子量が350〜3000の範囲であるものを使用することが好ましく、500〜2000の範囲であるものを使用することが、前記ポリエステル樹脂(a1)と混合した際に前記熱可塑性接着剤組成物を離型ライナー上に塗布した際のはじきが発生しにくいためより好ましい。
エポキシ樹脂としては、公知のものが使用できビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック樹脂などを好適に使用できる。これらのエポキシ樹脂は単体で使用してもよく、2種以上のエポキシ樹脂を混合して使用してもよい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代表的なものとしては、jER1001、jER1002、jER1003、jER1055、jER1004(三菱化学株式会社製)、EPICLON860,EPICLON1050,EPICLON1055,EPICLON2050、EPICLON3050、EPICLON4050(DIC株式会社製)などが挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂の代表的なものとしては、jER4004P、jER4005P(三菱化学株式会社製)などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、jER154(三菱化学株式会社製)、EPICLON N−770、EPICLON N−775(DIC株式会社製)などが挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(DIC株式会社製)などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂(a2)の含有量は、溶媒を除いた熱可塑性接着剤組成物の全量に対して3質量%〜70質量%であることが好ましく、5質量%〜60質量%であることが特に好ましい。前記含有量の範囲にあると、20℃の貯蔵弾性率E’とガラス転移温度とを上記範囲内に制御しやすい。
前記接着剤層(A)の形成に使用可能な熱可塑性接着剤組成物としては、ポリエステル樹脂(a1)とエポキシ樹脂(a2)のほかに、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、フェノール系樹脂を単独または複数混合したものを使用することができ、なかでもポリエステル樹脂(a1)とエポキシ樹脂(a2)とともに、ポリエステルウレタン樹脂(a3)を組合せ使用したものを使用することが、20℃および80℃の貯蔵弾性率E’を上記範囲内に制御しやすく、適度な柔軟性を備えた接着剤層を形成できるため好ましい。
前記ポリエステルウレタン樹脂(a3)としては、水酸基含有ポリエステルと、ポリイソシアネート化合物との反応物であるポリエステルウレタン樹脂を使用することができる。
前記ポリエステルウレタン樹脂(a3)としては、1種類を使用しても、複数種類を組み合わせ使用してもよい。
前記ポリエステルウレタン樹脂(a3)としては、数平均分子量が15000〜100000であるポリエステルウレタン樹脂を使用することが好ましい。
前記ポリエステルウレタン樹脂(a3)としてはガラス転移温度が好ましくは−30℃〜80℃、より好ましくは25℃〜50℃のポリエステルウレタン樹脂を使用することで、20℃の貯蔵弾性率E’とガラス転移温度とを上記範囲内に制御でき、その結果、常温下においては被着体を仮固定し得る適度な接着強度が発現する一方で、前記接着剤層(A)がガラス転移温度未満に調整された際には粘着性が失われ容易に剥離する効果が得られるため特に好ましい。
ポリエステルウレタン樹脂(a3)に使用可能な水酸基含有ポリエステル樹脂は、上記ポリエステル樹脂(a1)と同様に、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合により得られるポリエステル樹脂を使用できる。水酸基含有ポリエステル樹脂は、数平均分子量が4000〜20000の範囲にあることが好ましく、また、水酸基価が3mgKOH/g〜50mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂に反応させるイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を使用することができる。脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートが代表例として挙げられる。芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートが代表例として挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物としては、上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、ヌレート、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)を使用することができる。
前記ポリエステルウレタン樹脂(a3)の含有量は、溶媒を除いた熱可塑性接着剤組成物の全量に対して3質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜20質量%がとくに好ましい。前記範囲の含有量とすることで、20℃の貯蔵弾性率E’を上記範囲内に制御しやすく、適度な柔軟性を備えた接着剤層を形成できるため好ましい。
前記熱可塑性接着剤組成物としては、硬化剤を含有するものを使用することが好ましい。前記硬化剤としては、イソシアネート化合物を好適に使用できる。イソシアネート化合物で硬化させることで20℃の貯蔵弾性率E’を上記範囲内に制御しやすく、接着シートをロール形状等で長期保管した場合であっても、接着シートの変形を抑制することができる。
イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を使用することができるが、安全性、良好な耐黄変性を維持するうえで、脂肪族及び/又は脂環族イソシアネートを使用することが好ましい。
脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアネート化合物としては、前記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)を使用することができる。なかでも、イソシアネート化合物としては、脂肪族及び/又は脂環族イソシアネート化合物を使用することが適しており、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを使用することが特に好ましい。
イソシアネート化合物の配合量は、溶媒を除いた熱可塑性接着剤組成物の全量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。前記範囲の配合量とすることで、ポリオールとイソシアネート化合物との反応が過不足とならず、熱可塑性接着剤組成物に適切な凝集力を付与でき、接着剤層(A)の型崩れを抑制できる。
前記熱可塑性接着剤組成物としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤や、アセトン、メチルケチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等の溶媒を含有するものを使用することができる。
前記熱可塑性接着剤組成物としては、前記成分の他に、接着促進剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、粘着付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、増粘剤、硬化反応を調節するため公知の触媒などの添加剤を、必要に応じ使用することができる。
本発明の接着シートは、前記接着剤層(A)を有するものである。具体的には、前記接着シートとしては、基材の片面側または両面側に前記接着剤層(A)が設けられた構成を有するものが挙げられる。また、前記接着シートとしては、前記接着剤層(A)によって構成される、いわゆる基材レスのものが挙げられる。
前記接着シートのうち、両面接着シートとしては、両面の接着剤層が同一の組成や厚さからなる接着剤層(A)を有するものを使用することができ、また、それぞれ異なる組成や厚さからなる接着剤層を有するものを使用することができる。
また、前記接着シートとしては、単層の接着剤層(A)を有するものであってもよく、同一または異なる組成や厚さの接着剤層(A)が積層した構成を有するものであってもよい。
前記基材レスの接着シートは、接着シートの薄型化に適しているため好ましく使用できる。一方、基材を有する構成の接着シートは、接着シートのコシや厚さの調整を容易に行うことができ、かつ、加工性に優れるため好ましい。
前記接着シートを構成する基材としては、例えば透明樹脂からなるフィルム基材を使用することができ、具体的には、PETフィルムフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を使用することができる。
また、前記基材としては、前記接着剤層(A)との密着性を向上させるうえで、サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面処理がされたものを使用することができる。
前記基材としては、厚さ1μm〜50μmのものを使用することが好ましく、2μm〜12μmのものを使用することが、接着シートの引張強度が高くなり、切断加工性や離型ライナーの剥離性を好適に向上させることができるためより好ましい。
本発明の接着シートには、その各表面に剥離ライナーが積層されていてもよい。前記接着シートの両面の各接着剤層(A)に剥離ライナーが積層される場合、一方の接着剤層の表面には重剥離性の離型ライナーが積層され、他方の接着剤層の表面には軽剥離性の離型ライナーが積層されることが好ましい。
前記重剥離側の離型ライナーとしては、ライナーの少なくとも一方の表面が離型処理されたものを使用することができ、その離型処理された面の水接触角が100°以下であるものを使用することが好ましい。前記水接触角は、より好ましくは85°以下であり、さらに好ましくは75°以下である。前記範囲の水接触角を有する離型処理面を有する離型ライナーを使用することによって、離型処理表面へ塗布した際に、前記熱可塑性接着剤組成物に含まれる溶液のはじきを抑制することができる。また、前記熱可塑性接着剤組成物が表面張力を低下させる添加剤を含む場合であっても、前記添加剤が離型処理面と前記接着剤層との界面にブリードしにくく、その結果、接着剤層(A)から剥離ライナーを除去する際の剥離力の低下を効果的に抑制することができる。
なお、離型ライナーの水接触角は、次の方法で測定した値を指す。
協和界面科学株式会社製全自動接触角計「DM−501HI型」を用い、23℃及び50%RH中にて、離型ライナー表面へ精製水2μLを着滴させた後、1秒後の接触角を測定する。本測定における接触角の算出方法は、JIS R3257に記載の試験方法のうち、静滴法に従う。
また、本発明に使用する重剥離側の離型ライナーは、本発明の接着シートを離型ライナーから剥離する際の剥離力が、0.05N/25mm〜0.25N/25mmであることが好ましく、0.10N/25mm〜0.20N/25mmであることがより好ましい。前記範囲に剥離力の範囲があることで、軽剥離側の離型ライナーを剥離する際に、接着シートが重剥離側の離型シートから剥離してシワになることを抑制できるとともに、金属部材や透明樹脂シートへ感熱接着させた後に重剥離側の離型ライナーを剥がす際、金属部材や透明樹脂シートの折れジワや反りを抑制することができる。
なお、重剥離側の離型ライナーの剥離力は、100mm角に切断した接着シートの軽剥離側の離型ライナーを剥離した後、80℃の温度に加熱したロールで2×10Paの圧力で1m/分の送り速度で厚さ25μmのPETフィルムフィルム(ユニチカ株式会社製S−25)を感熱ラミネートして作成したサンプルを、25mm幅で100mmの長さに切断し、23℃及び50%RHの環境下で、厚さ25μmのPETフィルムフィルム及び接着シートを180°方向へ20m/分の引張速度で重剥離側の離型ライナーから剥離し、剥離抵抗力を測定する。感熱ラミネートの装置には、テスター産業株式会社製SA−1010小型卓上テストラミネーターを用い、剥離力の測定装置には、テスター産業株式会社製TE−702高速剥離試験機300mタイプを用いる。
前記軽剥離側の離型ライナーは、接着剤層(A)表面への貼り合せに使用されるため、特に制限されない。軽剥離側の離型ライナーの剥離力は0.005N/25mm〜0.04N/25mmが好ましく、0.01N/25mm〜0.03N/25mmがより好ましい。前記範囲の剥離力にあることで、軽剥離側の離型ライナーを本発明の接着シートから剥離した際に、接着シートが重剥離側の離型ライナーから剥離してシワになることを抑制することができる。
本発明に使用する離型ライナーの支持体を構成するライナーとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルムフィルム、ポリスチレン等の各種の樹脂フィルムを使用できる。なかでも重剥離側の離型ライナーの支持体を構成するライナーとしては、金属部材と接着シートとを貼り合せた後の剥がしやすさや接着シートの透明性の観点から、機械的強度が高く、表面平滑性が高いPETフィルムフィルムが好ましい。一方、軽剥離側の離型ライナーの支持体を構成するライナーとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムは、接着シートとの貼り合せの際に、接着シート表面とのなじみ性が優れる。さらにそのなかでも適度な伸びを示すLDPE(低密度ポリエチレン)が特に好ましい。
重剥離側の離型ライナーの支持体を構成するライナーの厚さとしては、38μm〜200μmのものが好ましく、なかでも50μm〜100μmのものが加工性や剥がしやすさに優れるため最も好ましい。軽剥離側の離型ライナーの支持体を構成するライナーの厚さとしては、38μm〜200μmのものが好ましく、なかでも50μm〜100μmのものが加工性や剥がしやすさに優れるため最も好ましい。
重剥離側の離型ライナーの離型処理としては、前記水接触角及び剥離力の好ましい範囲にある任意の離型剤を用いることができる。なかでも、非シリコーンおよびシリコーン変性のアミノアルキド系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、メラミン系樹脂等の離型剤の塗布が好ましく、水接触角が小さいうえ、剥離力を調整しやすい、非シリコーン系のアミノアルキド系樹脂の離型剤の使用がとくに好ましい。一方、軽剥離側の離型ライナーの離型処理としては、例えば、シリコーン系離型剤の塗布、フッ素系離型剤の塗布が挙げられる。なかでも、剥離力を調整しやすいシリコーン系離型剤の塗布が好ましい。
本発明の接着シートとしては、前記接着シートの各接着剤層(A)の表面に、それぞれ離型ライナーが設けられていてもよい。具体的な構成例としては、単一の接着剤層(A)からなる接着シートの各表面に離型ライナーが設けられた構成や、基材の各表面に接着剤層(A)が設けられた接着シートの各表面に離型ライナーが設けられた構成等を例示できる。
本発明の接着シートは、一般的に使用されている方法で製造でき、例えば、基材または離型ライナー上に接着剤層(A)を形成することによって製造することができる。具体的には、本発明の接着シートは、前記熱可塑性接着剤組成物を基材両面に直接塗布し乾燥、硬化させることで接着剤層(A)を形成した後、前記離型ライナーを貼り合せる方法、または、前記熱可塑性接着剤組成物を重剥離の離型ライナー上に塗布し、乾燥、硬化させ、接着剤層(A)を形成した後、軽剥離側の離型ライナー、または、接着剤層(A)を設けた基材の接着剤層(A)を設けていない面側に、およそ60℃〜90℃の温度で加熱し貼り合わせる方法などにより製造できる。
本発明の接着シートとしては、厚さ1μm〜100μmのものを使用することが好ましく、5μm〜80μmのものを使用することがより好ましく、10μm〜50μmのものを使用することが特に好ましい。
前記接着剤層(A)としては、厚さが1μm〜70μmのものを使用することが好ましく、5μm〜60μmのものを使用することがより好ましく、10μm〜55μmのものを使用することが特に好ましい。前記範囲の厚さの接着剤層(A)及び接着シートを使用することによって、被着体の仮固定性と前記接着剤層(A)の温度がガラス転移温度未満に調整されたときに容易に剥離できる接着シートとして好適に使用することができる。
本発明の接着シートは、例えば被着体の表面に貼付、または、2以上の被着体の接着に使用することができる。
1つの被着体の表面に本発明の接着シートが貼付された構成を有する物品としては、例えばウェアラブル電子機器、医療用皮膚貼付材が挙げられる。前記物品は、最終製品にかぎらず、例えば半導体ウェハ、等を製造する過程において、部品を仮固定することを目的として構成されたものも含む。
また、2以上の被着体が本発明の接着シートで接着された物品としては、例えば車載用ディスプレイ等の情報表示装置、携帯電子機器、コピー機能やスキャン機能等を備えた複写機や複合機等の画像読み取り装置が挙げられる。前記物品は、最終製品にかぎらず、例えば半導体ウェハ、電子発光素子(LED)、フラットパネルディスプレイ(FPD)、FPC積層板等を製造する過程において、部品を仮固定することを目的として構成されたものも含む。
前記被着体としては、例えば、金属、ガラス、プラスチックを使用することができる。本発明の接着テープは、接着剤層(A)の温度を調整することによってその粘着力を著しく低下できるため、被着体として例えば発光素子(LED)やフラットパネルディスプレイ(FPD)等のガラス、プラスチックからなる基板のような薄型で大型で低強度のものを使用した場合であっても、後述する物品の解体工程における被着体の割れ等の損傷を引き起こしにくい。
[解体方法]
前記物品を解体する方法としては、例えば被着体に前記接着シートが貼付された構成を有する物品のうち、前記接着シートまたは前記被着体を冷却することで、前記接着シートが有する接着剤層(A)の温度を、そのガラス転移温度未満の温度に調整した後、前記被着体と前記接着シートとを分離する方法が挙げられる。
また、前記物品を解体する方法としては、例えば2以上の被着体が前記接着シートによって接着された構成を有する物品のうち、前記接着シートまたは前記被着体を冷却することで、前記接着シートが有する接着剤層(A)の温度を、そのガラス転移温度未満の温度に調整した後、前記2以上の被着体を分離する方法が挙げられる。
前記冷却は、前記接着剤層(A)のガラス転移温度未満となるように行えばよいが、前記接着剤層(A)のガラス転移温度よりも10℃〜30℃低い温度になるよう冷却することが好ましく、15℃〜25℃低い温度になるよう冷却することが、粘着性を著しく低下でき前記分離を行いやすくなる一方で、過度な冷却による被着体の損傷の防止と、冷却に要するエネルギー効率の低下を抑制するうえでより好ましい。
前記温度の調整方法としては、例えば前記物品を冷却炉(冷凍庫、冷蔵庫)に投入する方法、前記物品をスポットクーラー等の冷却装置を用いて冷却する方法、冷却素子を前記物品に接触させる方法等が挙げられる。前記冷却は、物品の全部または一部に対して行ってもよい。
前記被着体と接着シートとを分離する方法としては、例えば前記接着シートとして片面接着シートを使用した場合であれば、(i)接着シートを自重で被着体から剥離(脱落)させる方法、(ii)接着シートの端部を、被着体の貼付面に対して任意の方向(例えば180°方向)に引張ることによって分離する方法、(iii)前記接着シートを、被着体の貼付面に対して垂直方向(面方向)に引張ることによって分離する方法等が挙げられる。前記分離方法(iii)では、必要に応じて吸盤や吸引機等を用いることで接着シートを被着体から分離してもよい。
前記2以上の被着体が両面接着シートによって接着された物品において、前記2以上の被着体を分離する方法としては、例えば(iv)一方の被着体を固定し、他方の被着体を面方向に引張ることによって分離する方法が挙げられる。その際、必要に応じて吸盤や吸引機等を用いることで被着体同士を分離してもよい。
(実施例1)
ポリエステル樹脂としてバイロンBX10SS(数平均分子量=21,000、ガラス転移温度=−18℃、東洋紡株式会社製)64質量部と、エポキシ樹脂としてEPICLON1050(数平均分子量=900、DIC株式会社製)24質量部と、ポリエステルウレタン樹脂としてバイロンUR1350(数平均分子量=36,000、ガラス転移温度=46℃、東洋紡株式会社製)12質量部と、接着促進剤としてBYK−4510(ビックケミー・ジャパン株式会社製)1.6質量部と、メチルエチルケトンとトルエンとの質量比が1:1である混合溶剤を混合することによって、固形分量が35質量%の組成物を得た。
この組成物にイソシアネート化合物としてバーノックDN980(ヘキサメチレンジイソシアネート型、DIC株式会社製)1.0質量部を添加し10分攪拌した後、1時間放置して泡抜けさせることによって接着剤組成物を得た。
前記接着剤組成物を、棒状の金属アプリケーターを用いて厚さ25μmのPETフィルムに、乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、90℃の乾燥機に3分間投入し乾燥させ、接着剤層を形成した。その後、前記接着剤層の表面に、離型ライナーとしてポリエチレン基材の離型ライナーPEW80X1(ニッパ株式会社製シリコーン系離型フィルム)を貼り合せた。その後、40℃で3日間放置することによって接着シートを作製した。
(実施例2)
接着剤層の厚さを50μmから30μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接着シートを作製した。
(比較例1)
アクリル系粘着剤SKダイン1717DT(綜研化学株式会社製)に、イソシアネート化合物としてコロネートL−45E(トリレンジイソシアネート型、東ソー株式会社製)2.3質量部を添加し、10分攪拌した後、1時間放置して泡抜けさせることによって接着剤組成物を得た。
前記接着剤組成物を、棒状の金属アプリケーターを用いて、厚さ25μmのPETフィルムに乾燥後の厚さが30μmになるように塗工し、90℃の乾燥機に3分間投入し乾燥させることによって接着剤層を得た。その後、前記接着剤層の表面に離型ライナーとしてポリエチレン基材の離型ライナーPEW80X1(ニッパ株式会社製シリコーン系離型フィルム)を貼り合せた。その後、40℃で3日間放置し、接着シートを作製した。
(比較例2)
バイロンBX10SSの使用量を64質量部から10質量部に変更し、EPICLON1050の使用量を24質量部から35質量部に変更し、バイロンUR1350の使用量を9質量部から55質量部へ変更し、接着剤組成物中の固形分量を40質量%から35質量%となるように調整し、バーノックDN980の使用量を1質量部から0.4質量部へ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、接着シートを作製した。
(貯蔵弾性率E’及びガラス転移温度)
接着剤層の動的粘弾性スペクトルは次の方法で測定した。前記実施例1〜2及び比較例1〜2で使用した接着剤組成物を棒状の金属アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが100μmとなるように、離型ライナーの表面に塗布し、90℃で10分間乾燥させることによって、厚さ100μmの接着層を、それぞれ複数枚形成した。得られた接着層をそれぞれ50mm×50mmの大きさへ切断し積層させ80℃で5×10Paの条件で熱プレスすることによって、厚さ300μmの接着シートを作成した。熱プレスの装置としては、テスター産業株式会社製熱プレス機「TP−750エアープレス」を使用した。また、ティー・エイ・インスツルメント製粘弾性測定機「RSA III」を用い、引っ張りモードで、振動数1Hz、昇温速度3℃/min、負荷歪み0.1%の条件で、前記シートの0〜90℃までの温度領域における、弾性率E’と損失正接を測定した。得られた粘弾性スペクトルから、20℃の弾性率E’と損失正接のピーク温度を接着剤層のガラス転移温度として読み取った。得られた結果は表1に示す。
(室温下における仮固定性)
実施例及び比較例で得た接着シートを23℃及び50%RH環境下で幅45mm長さ65mmに切断した。次に、剥離ライナーを剥がした接着シートを、ステンレス板(BA−SUS304、重さ30g、厚さ1.5mm、一辺の長さが45mmである正方形状)の表面に置き、その上面でハンドローラーを1往復させることによってそれらの界面に存在する気泡を除去し、その後、2kgのローラー(ゴムローラー、幅:約50mm)を1往復させることによってそれらを圧着することによって試験片を得た。その際、接着シートの長手方向(長さ65mm)の両端10mmmが、前記ステンレス板からはみ出すようにした。
23℃及び50%RH環境下、前記試験片を水平面に置いた。次に、、接着シートを手でつかみ試験片を5cm程度の高さに持ち上げ5秒間保持した。前記5秒間に、接着シートからステンレス板が脱落したか否かを観察する試験を5回行った。
〇:接着シートからステンレス板が剥がれなかった回数が、5回の試験中5回であった。
△:接着シートからステンレス板が剥がれなかった回数が、5回の試験中3〜4回であった。
×:接着シートからステンレス板が剥がれなかった回数が、5回の試験中0〜2回であった。
(室温下における180°ピール接着力)
180°ピール接着力は、JIS Z 0237に従い測定した。
実施例及び比較例で得た接着シートを23℃及び50%RH環境下で幅20mm幅に切断した。次に、離型ライナーを剥がした接着シートを、ステンレス板(BA−SUS304、重さ30g、厚さ1.5mm、一辺の長さが45mmである正方形状)の表面に置き、その上面でハンドローラーを1往復させることによってそれらの界面に存在する気泡を除去し、その後、2kgのローラー(ゴムローラー、幅:約50mm)を1往復させることによってそれらを圧着することによって試験片を得た。
次に、前記試験片を、23℃及び50%RH環境下で10分放置した。次に、23℃温度環境下で、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記試験片を構成する接着シートを、ステンレス板から、180°方向に300mm/分の速度で引き剥がした際の接着力を測定した。
(接着剤層がガラス転移温度未満に調整された際の易剥離性)
実施例及び比較例で得た接着シートを23℃及び50%RH環境下で幅45mm長さ65mmに切断した。次に、剥離ライナーを剥がした接着シートを、ステンレス板(BA−SUS304、重さ30g、厚さ1.5mm、一辺の長さが45mmである正方形状)の表面に置き、その上面でハンドローラーを1往復させることによってそれらの界面に存在する気泡を除去し、その後、2kgのローラー(ゴムローラー、幅:約50mm)を1往復させることによってそれらを圧着することによって試験片を得た。その際、接着シートの長手方向(長さ65mm)の両端10mmmが、前記ステンレス板からはみ出すようにした。
前記試験片を0℃の環境下に15分放置した。次に、接着シートを手でつかみ試験片を5cm程度の高さに持ち上げ5秒間保持した。前記5秒間に、接着シートからステンレス板が脱落したか否かを観察する試験を5回行った。
〇:ステンレス板が接着シートから剥離した回数が、5回の試験中5回であった。
△:ステンレス板が接着シートから剥離した回数が、5回の試験中3〜4回であった。
×:ステンレス板が接着シートから剥離した回数が、5回の試験中0〜2回であった。
また、前記15分間の放置温度を、0℃から−10℃、−20℃または−30℃に変更すること以外は、上記と同様の方法で試験を行った。
(接着剤層がガラス転移温度未満に調整された際の180°ピール接着力)
上記180°ピール接着力は、JIS Z 0237に従い測定した。
実施例及び比較例で得た接着シートを23℃及び50%RH環境下で幅20mm幅に切断した。次に、離型ライナーを剥がした接着シートを、ステンレス板(BA−SUS304、重さ30g、厚さ1.5mm、一辺の長さが45mmである正方形状)の表面に置き、その上面でハンドローラーを1往復させることによってそれらの界面に存在する気泡を除去し、その後、2kgのローラー(ゴムローラー、幅:約50mm)を1往復させることによってそれらを圧着することによって試験片を得た。
次に、前記試験片を23℃及び50%RH環境下で10分放置した。次に、前記試験片を0℃環境可に15分間放置した。次に、23℃温度環境下で、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記試験片を構成する接着シートを、ステンレス板から、180°方向に300mm/分の速度で引き剥がした際の接着力を測定した。
また、前記15分間の放置温度を、0℃から−10℃、−20℃または−30℃に変更すること以外は、上記と同様の方法で試験を行った。
Figure 0006886580

Claims (4)

  1. 動的粘弾性法で測定されたガラス転移温度が10℃〜50℃であり、20℃における貯蔵弾性率E’が1×10Pa〜1×10Paであり、23℃における180°ピール接着力が2.1〜5.1N/20mmであり、0℃における180°ピール接着力が0.1N/20mm未満である接着剤層(A)を有する接着シートであって、前記接着剤層(A)が、ポリエステル樹脂(a1)、エポキシ樹脂(a2)及びポリエステルウレタン樹脂(a3)を含有する層であり、被着体への貼付または2以上の被着体の接着に使用され、前記被着体と前記接着シートとを分離する際に、前記接着剤層(A)の温度が、そのガラス転移温度未満の温度に調整されることを特徴とする接着シート。
  2. 前記ポリエステル樹脂(a1)が、ガラス転移温度0℃以下のポリエステル樹脂である請求項に記載の接着シート。
  3. 被着体に請求項1または2に記載の接着シートが貼付された構成を有する物品を解体する方法であって、前記接着シートまたは前記被着体を冷却することで、前記接着シートが有する接着剤層(A)の温度を、そのガラス転移温度未満の温度に調整した後、前記被着体と前記接着シートとを分離することを特徴とする物品の解体方法。
  4. 2以上の被着体が請求項1または2に記載の接着シートによって接着された構成を有する物品を解体する方法であって、前記接着シートまたは前記被着体を冷却することで、前記接着シートが有する接着剤層(A)の温度を、そのガラス転移温度未満の温度に調整した後、前記2以上の被着体を分離することを特徴とする物品の解体方法。
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