JP7066464B2 - 部品固定用粘着シート、その製造方法および部品の固定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品固定用粘着シート、その製造方法および部品の固定方法に関する。
携帯電話などの電子機器に用いられる電子部品は、近年ますます小型・薄型化がすすめられている。従来、電子部品はトレーに収容されて搬送されることが多かったが、搬送中に電子部品がトレー内で振動することにより破損することがあった。電子部品の小型化、薄型化により、破損する危険性がますます増している。
そこで、片面に粘着剤層を有する電子部品固定用粘着シートを用い、電子部品を粘着支持して搬送した後、電子部品固定用粘着テープから電子部品を剥離することが行われている。
例えば、特許文献1では、フレキシブルプリント回路基板について、複数個の製品をまとめて運搬する際に、支持基材であるポリエステルフィルム、粘着剤層および離型ライナーを有するフィルムにおいて、部分的に離型ライナーを保持または除去することで、フレキシブルプリント基板を粘着シートに密着させる部分を選択するようにしている。
特開平4-264790号公報
特許文献1では、離型ライナーに切り込み線を入れて離型ライナーを部分的に除去して粘着剤層面を部分的に露出させている。この際、離型ライナーの除去に切断刃などを用いることが多い。
しかしながら、離型ライナーに切り込み線を入れるために厚み方向に切断刃をいれると、粘着剤層にまで切断刃が到達する。この際、切断刃に粘着剤が付着するが、工業的には連続的に切断刃を用いて切り込み線を入れるために、粘着剤が切断刃に蓄積しやすい。また、切断刃を引き上げる際に粘着剤層から粘着剤が伸びて刃に付随してくる。切断刃に付着した粘着剤は、他の場所を汚染しやすく、例えば、切断刃に付着した粘着剤が離型ライナー上に移行すると、他の部材(例えば、特許文献1では、ポリイミドフィルム)を汚染することとなる。
そこで本発明は、切断刃などを用いて切り込み線を入れる際の粘着剤による汚染が少なく、また、部品を固定して搬送する際の粘着性能にも優れた粘着シートを提供することを目的とする。
本発明は、支持基材と、粘着剤層と、積層方向に沿って設けられた切り込み線によって分離可能な分離部を有する剥離ライナーと、を有する粘着シートであって、粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ粘着剤層のヤング率が0.5MPa以上である、部品固定用粘着シートである。
本発明によれば、切断刃などを用いて切り込み線を入れる際の粘着剤による汚染が少ないため、抜き加工性が高く、また、粘着性能にも優れるため、部品の搬送性に優れた粘着シートを提供することが可能となる。
図1(A)は、粘着シートの第一実施形態を示す斜め上面方向からの模式図である。図1(B)は、図1(A)の粘着シートのB-B断面模式図である。図1(C)は、図1(A)の粘着シートのC-C断面模式図である。 図2は、第一実施形態の変形例を示す斜め上面方向からの模式図である。 図3(A)は、粘着シートの第二実施形態を示す斜め上面方向からの模式図である。図3(B)は、図3(A)の粘着シートのB’-B’断面模式図である。 図4は、第二実施形態の変形例を示す斜め上面方向からの模式図である。
本発明の第一実施形態は、支持基材と、粘着剤層と、積層方向に沿って設けられた切り込み線によって分離可能な分離部を有する剥離ライナーと、を有する粘着シートであって、粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ粘着剤層のヤング率が0.5MPa以上である、部品固定用粘着シートである。
部品固定用の粘着シートは複数の部品を搬送するための粘着シートであり、粘着剤で部品を固定化している。部品を搬送する、すなわち部品を貼付する前の粘着剤シートは、粘着剤が部品形状に露出している形態となっている。部品形状に粘着剤を露出させるために、表層の剥離ライナーに切り込み線を入れ、剥離ライナーを除去する。この際、離型ライナーに切り込み線を入れるために厚み方向に切断刃をいれる加工(抜き加工)を行うと、粘着剤層にまで切断刃が到達する。この際、切断刃に粘着剤が付着するが、工業的には連続的に切断刃を用いて切り込み線を入れるために、粘着剤が切断刃に蓄積しやすい。または、切断刃を引き上げる際に粘着剤層から粘着剤が伸びて刃に付随してくる。このようにして切断刃に付着した粘着剤が、切断刃から落下したり、伸びた粘着剤の先端がシート上に付着すると、他の場所を汚染しやすく、例えば、切断刃に付着した粘着剤が剥離ライナー上に移行する。このように汚染された剥離ライナーをロール状にしたり、枚葉のシートを複数枚積層させると、支持基材を汚染することとなる。さらには、支持基材の汚染により、さらに、搬送部品を汚染する可能性がある。
本発明者は、上記のような課題を見出し、検討する中で、粘着剤層のプローブタックおよび粘着剤層のヤング率に着目した。そして、切断刃に対する粘着剤の付着を抑制するために粘着剤層のプローブタックを小さくするとともに、粘着性を維持するためにヤング率を高くすることで、上記課題が解決されるのではないかという仮定の元、種々検討を行った。その結果、粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ粘着剤層のヤング率が0.5MPa以上であれば、切断刃などを用いた際の抜き加工性(粘着剤が切断刃に付着しない、または付着するが粘着シートを汚染しないもしくは汚染が少ない)が高く、また、粘着性が維持される、すなわち、部品の搬送性に優れた粘着シートを得ることができることを見出した。
以下、本実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等は、室温(20~25℃)/相対湿度40~50%の条件で測定する。本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を指し、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸またはメタクリル酸」を指す。
図1(A)は、粘着シートの第一実施形態を示す斜め上面方向からの模式図である。図1(A)では、ロール状に巻回された粘着シートから、粘着シートが例えば搬送ロール等によりA方向(長手方向)に送り出される様子を示している。図1(B)は、図1(A)の粘着シートのB-B断面模式図である。図1(B)の粘着シート30に示されるように、粘着シート30は、剥離ライナー33、粘着剤層32、および支持基材31がこの順に積層されてなる積層体である。送り出された粘着シートは、粘着シートの剥離ライナーに対して、例えば、切断刃10を用いて、積層方向に沿って切り込み線34が入れられる。搬送部品を固定して搬送できるように、搬送部品の形状に合わせて切り込み線が入れられる。図1(C)は、図1(A)の粘着シート30のC-C断面模式図である。図1(C)の粘着シート40は、積層方向に剥離ライナー33および粘着剤層32の界面にまで切り込み線34が入れられている。このようにして、積層方向に沿って設けられた切り込み線34によって、粘着剤層から分離可能な分離部35を有する剥離ライナーが形成される。なお、切り込み線34は粘着剤層32まで到達していてもよい。また、切断刃10で連続的に切り込み線34を入れることで、分離部35が複数設けられる。すなわち、分離部を長手方向に複数有する、部品固定用粘着シートとなる。このように分離部を複数設けることで、部品を複数固定・搬送することができ、固定・搬送効率が向上する。
図1(A)において、分離部は、4本の切り込み線によって囲まれる長方形状であるが、分離部の形状は、貼付・固定される搬送部品によって、適宜変更される。
図2は、第一実施形態の変形例を示す上面方向からの模式図である。図2の粘着シートにおいては、積層方向に沿って設けられた切り込み線37が長手方向に略平行に2本形成されている。そして、切り込み線37によって、連結部36が形成される。連結部36により、複数の分離部35が長手方向に連結される。すなわち、本例では、剥離ライナーは、複数の分離部35を長手方向に連結し、積層方向に沿って設けられた切り込み線37によって分離可能な連結部36をさらに有する。連結部36を剥離ライナーから分離することで、複数の分離部35も連結部36と一緒に一度に剥離可能となり、分離部を除去する際の作業効率性が向上する。
以下、本実施形態の粘着シートを構成する各部材について説明する。
(支持基材)
支持基材を形成する材料としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィン、ポリアミド(例えば、アラミド)、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、各種液晶ポリマーフィルムなどのスーパーエンジニアリングプラスチック等を挙げることができる。これらの中でも、機械特性、電気絶縁性、バリヤー性、耐熱性、耐薬品性、経済性などのバランスに優れる点から、ポリエチレンテレフタレートが好適である。
支持基材は、フィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができる。
上記支持基材の片面または両面には、隣接層の密着性向上を目的としてプライマー処理、酸化法、凹凸化法などによる表面処理を施すことができる。上記プライマー処理に使用し得る液剤としては、特に制限はされず、例えばアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、シリコーン系、ゴム系などの従来公知のものを用いることができる。一方、上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、支持基材の種類に応じて適宜選ばれる。
支持基材には、必要に応じて、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、加工助剤、軟化剤、金属粉、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難撚剤等を適宜に含有していてもよい。
支持基材の厚さについては特に制限はないが、通常15~200μmである。抜き加工の観点からは、支持基材の厚さは、好ましくは25~100μmの範囲である。
(粘着剤層)
粘着剤層のプローブタックは、0.05N以上0.30N未満であり、かつ粘着剤層のヤング率は0.5MPa以上である。
粘着剤層のプローブタックが0.05N未満であると、粘着力が低下し、部品を搬送する際の固定性が低下する(後述の比較例3参照)。プローブタックが0.30N以上であると、粘着剤が切断刃に付着しやすくなるため、粘着シートを汚染しやすくなり、抜き加工性が低下する(後述の比較例1参照)。粘着剤層のプローブタックは、0.05N以上0.28N未満であることが好ましく、0.10~0.25Nであることがより好ましい。粘着剤層のプローブタックは、後述の実施例に記載の方法により測定した値を採用する。
粘着剤層のプローブタックは、例えば、粘着剤層を形成する際に用いられる粘着剤組成物を構成する粘着剤(主剤)のガラス転移温度、粘着剤組成物中の架橋剤の量などにより制御することができる。粘着剤組成物を構成する主剤のガラス転移温度(Tg)が高いほどプローブタックが低くなる傾向にあり、粘着剤組成物中の架橋剤の量が多くなるほどプローブタックが低くなる傾向にある。
粘着剤層のヤング率が0.5MPa未満であると、粘着剤が切断刃に付着しやすく粘着シートを汚染しやすくなる(後述の比較例2参照)。粘着剤層のヤング率は、0.5MPa以上であることが好ましく、0.8MPa以上であることがより好ましい。粘着剤層のヤング率は、高ければ高いほどよいが、通常2.5MPa以下であり、2.0MPa以下であることがより好ましい。粘着剤層のヤング率は、後述の実施例に記載の方法により測定した値を採用する。
粘着剤層のヤング率は、例えば、粘着剤組成物中の架橋剤の量、分子量などにより制御することができる。粘着剤組成物中の架橋剤量が多い(粘着剤層の架橋が進む)ほど、粘着剤層のヤング率は高くなる傾向にあり、分子量が高いほどヤング率は高くなる傾向にある。
粘着剤の厚さとしては、特に制限されるものではないが、通常1~100μm、好ましくは5~30μmである。
粘着シートの粘着力は、150mN/25mm以上であることが好ましい。粘着力が150mN/25mm以上であることで、搬送部品の固定を適切に行うことができ、部品搬送が良好に行われる。粘着力は、搬送時の固定性、および搬送後の部品の粘着シートからの剥離性を考慮すると、150~800mN/25mmであることが好ましく、200~700mN/25mmであることがより好ましい。粘着シートの粘着力は、例えば、粘着剤層を形成する際に用いられる粘着剤組成物を構成する粘着剤(主剤)の組成、ガラス転移温度、粘着剤組成物中の架橋剤の量などにより制御することができる。粘着剤組成物を構成する主剤の組成中にアクリル酸等のカルボキシル基含有単量体などの高極性なアクリルモノマーを含まない場合は粘着力が低くなる傾向にあり、ガラス転移温度(Tg)が高いほど粘着力が低くなる傾向にあり、粘着剤組成物中の架橋剤の量が多くなるほど粘着力が低くなる傾向にある。
粘着剤層は粘着剤組成物を用いて形成される。粘着剤組成物に用いられる粘着剤としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などを用いることができる。上記粘着剤は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
粘着剤としては、接着の信頼性の観点から、特にアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤を構成するアクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより形成される。ここで、主成分とは、単量体中50質量%以上(上限100質量%)であることを指し、好ましくは65質量%以上、より好ましくは85質量%以上である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基のいずれであってもよい。アルキル基は炭素数1~24のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~18のアルキル基であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)の具体例としては、以下に制限されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等が挙げられる。これらのアルキル(メタ)アクリレートは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、粘着剤組成物のSUS等の被着体に対する濡れ性を向上させることができるので、主モノマーとして、2-エチルヘキシルアクリレート(-70℃)、イソノニルアクリレート(-58℃)、n-ブチルアクリレート(-55℃)、エトキシエチルアクリレート(-50℃)、イソアミルアクリレート(-45℃)、ヘキシルアクリレート(-45℃)を少なくとも用いることが好ましい。なお、カッコ内数値は、ホモポリマーのTgを表す。これらの中でも、共重合が容易であり、粘着剤層のプローブタックを制御しやすいことから、主モノマーが2-エチルヘキシルアクリレート及びn-ブチルアクリレートであることが好ましく、2-エチルヘキシルアクリレート及びn-ブチルアクリレートを併用して主モノマーとして用いることがより好ましい。ここでいう主モノマーとは、単独で全単量体中10質量%以上、合計で、全単量体中50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上であることを指す。
また、上記主モノマーと併用して、メチル(メタ)アクリレートを用いることが得られる粘着剤のヤング率を制御する観点から好ましく、メチルメタクリレートを用いることが好ましい。メチル(メタ)アクリレートは、単量体中、1~20質量%であることが好ましく、5質量%以上10質量%未満であることがより好ましい。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能なアクリル共重合性単量体として、後述の架橋剤が有する架橋性反応基と反応する官能基を有する単量体を用いることが好ましく、具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有単量体などを挙げることができる。2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体を用いることがより好ましく、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを用いることがさらに好ましく、4-ヒドロキシブチルアクリレートを用いることがさらにより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能なアクリル共重合性単量体は、単量体中、0.5~20質量%であることが好ましく、1質量%以上10質量%未満であることがより好ましい。
アクリル系共重合体のガラス転移温度Tgは、抜き加工性の観点から-55℃以上であることが好ましく、-50℃以上であることがより好ましい。また、搬送性の観点からは、-45℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度は、用いられるモノマー種、特に、主モノマーであるアルキル(メタ)アクリレートの種類、含有量を適宜調整することにより、調整することができる。
アクリル系共重合体のガラス転移温度は、以下のフォックス式に従って、共重合体を構成する各構成ポリマーのTgnから計算したものを採用する。
フォックス式:100/Tg=Σ(Wn/Tgn)
Tg:重合体の計算Tg(K)
Wn:モノマーnの質量分率(%)
Tgn:モノマーnのホモポリマーのガラス転移温度(K)
モノマーnのホモポリマーのTg値(Tgn)は、例えば、株式会社日本触媒、三菱化学株式会社、東亜合成株式会社などのモノマーメーカーの技術資料や高分子データハンドブック(培風館発行、高分子学会編(基礎編)、昭和61年1月初版)、Polymer Handbook 4th edition(J.Brandrup, E.H.Immergut, E.A.Grulke, 1999年発行、Wiley-Interscience)に記載されている。例えば、各モノマーのホモポリマーTgは、メチルメタクリレート(105℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(-70℃)、ブチルアクリレート(-54℃)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(-40℃)などである。
アクリル系共重合体の分子量は、特に制限されるものではないが、重量平均分子量(Mw)が40万以上であることが好ましい。アクリル系共重合体の重量平均分子量が40万以上であることで、粘着剤の凝集力が向上し、ヤング率が高くなる。アクリル系共重合体の重量平均分子量は、大きければ大きいほど好ましいが、製造上、通常200万以下となる。アクリル系共重合体の重量平均分子量は、60万~150万であることがより好ましく、80万~120万であることがさらに好ましい。本明細書において重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により標準ポリスチレン換算分子量として測定されたものを用いる。具体的には下記測定条件により測定された値を採用する。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC-8220 GPC
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL-H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
アクリル系共重合体の製造方法は、特に制限されず、重合開始剤を使用する溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法など従来公知の方法を用いることができる。また、重合開始剤により重合を開始させる方法の他に、放射線、電子線、紫外線等を照射して重合を開始させる方法を採用することもできる。中でも重合開始剤を使用する溶液重合法が、分子量の調節が容易であり、また不純物も少なくできるために好ましい。例えば、溶剤として酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンなどを用い、モノマーの合計量100質量部に対して、重合開始剤を好ましくは0.01~0.50質量部を添加し、窒素雰囲気下で、例えば反応温度60~90℃で、3~10時間反応させることで得られる。
粘着剤組成物は、アクリル系共重合体とともに架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤を含有することで良好な粘着性能が発揮される。
架橋剤としては、公知の架橋剤が使用できる。例えば、以下に制限されないが、イソシ
アネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;ならびにジイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、ジイソシアネート化合物のビウレット体やイソシアヌレート体などのイソシアネート誘導体が挙げられる。
また、エポキシ系架橋剤としては、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミンや1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン等が挙げられる。
金属キレート系架橋剤としては、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、コバルト、マンガン、ジルコニウム等の金属のアセチルアセトネート錯体等が挙げられる。
中でも、本発明の所望の物性を有する粘着剤層を得やすいことから、架橋剤はイソシアネート系架橋剤であることが好ましい。イソシアネート系架橋剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着剤組成物におけるイソシアネート系架橋剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、下限値として0.5質量部以上であることが好ましく、0.75質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることがさらに好ましい。また、粘着剤組成物におけるイソシアネート系架橋剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、上限値として5.0質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以下であることがより好ましく、3.75質量部以下であることがさらに好ましい。
イソシアネート系架橋剤の含有量が上記範囲内であると、架橋の程度を適度なものとし、得られる粘着剤層のプローブタックおよびヤング率を所望の範囲に制御しやすい。
また、アクリル系共重合体の構成モノマーとして水酸基含有モノマー由来の構成単位を含む場合には、硬化促進剤を用いることが好ましい。硬化促進剤は、ウレタン化反応を促進させる反応促進剤である。すなわち、硬化促進剤は、(メタ)アクリル酸エステル重合体における水酸基含有モノマー由来の水酸基と、イソシアネート系架橋剤のイソシアネート基との反応を促進し、架橋剤による架橋構造を形成しやすい。
硬化促進剤としては、例えば、スズ、鉛、水銀、ビスマス等の重金属の化合物(有機金属化合物を含む);チタニウム、鉄、銅、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、マンガン等の遷移金属の錯体、特にアセチルアセトネート錯体;アミン化合物;パラトルエンスルホン酸、リン酸、塩酸、塩化アンモニウム等の酸触媒などが挙げられる。これらの中でも、ウレタン化反応の促進作用の観点から、有機スズ化合物およびアミン化合物が好ましく、特に有機スズ化合物が好ましい。なお、硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機スズ化合物としては、例えば、ジメチルスズジクロライド等の有機スズ化合物;ジメチルスズジラウレート、ジメチルスズジ(2-エチルヘキサノエート)、ジメチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジヘキシルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ化合物の脂肪酸塩;ジメチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)塩、ジオクチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)塩等の有機スズ化合物のチオグリコール酸エステル塩;オクチル酸スズ、デカン酸スズ等の金属石鹸などが挙げられる。上記の中でも、ウレタン化反応の促進作用の観点から、有機スズ化合物の脂肪酸塩が好ましく、特にジブチルスズジラウレートが好ましい。
粘着剤組成物における硬化促進剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、特に0.003質量部以上であることが好ましく、さらには0.005質量部以上であることが好ましい。また、粘着剤組成物における硬化促進剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、0.5質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以下であることがさらにより好ましい。
また、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合、粘着剤組成物は、反応抑制剤を含有することも好ましい。粘着剤組成物では、反応促進剤の種類や含有量によっては、保存段階(加熱する前の段階)でウレタン化反応(架橋反応)が始まってしまうことがある。反応抑制剤を含有することで、粘着剤組成物の室温における保存安定性(ポットライフ)を向上させることができる。
反応抑制剤としては、例えば、アセチレン系化合物、オキシム化合物、有機窒素化合物、有機リン化合物、有機塩素化合物等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン化反応の反応抑制作用の観点から、アセチレン系化合物が好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。上記の反応抑制剤は、通常、粘着剤層を形成するときの乾燥工程で揮発する。なお、反応抑制剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着剤組成物中における反応抑制剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。反応抑制剤の含有量が上記範囲内にあることで、粘着シートの製造時において、粘着剤に架橋剤を添加した後に粘度が急激に増大することを防ぐことが出来る。また、粘着剤組成物中における反応抑制剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。反応抑制剤の含有量が上記範囲内にあることで、乾燥工程で揮発せずに残った反応抑制剤の影響で粘着剤組成物の架橋反応が阻害されることを防ぐことが出来る。
粘着剤組成物は、従来公知のその他の添加剤をさらに含みうる。かような添加剤としては、例えば、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、ロジン、ロジンエステル等の粘着付与剤、改質剤、防錆剤、スメクタイト、カオリン、タルク、マイカ、バーミキュライト、パイロフィライト、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、難燃剤、加水分解防止剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、滑剤、ウレタン樹脂以外の粘着剤(樹脂材料)、帯電防止剤、重合禁止剤、触媒、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤、消泡剤などが挙げられる。
粘着剤層の形成方法は特に限定されないが、例えば、粘着剤組成物を剥離ライナー上に塗布した後、乾燥することで得られる。粘着剤組成物の塗布方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。粘着剤を剥離ライナー上に塗布後、乾燥処理を行うことによって、粘着剤層が形成される。この際の乾燥条件としては特に限定されず、例えば、60~150℃にて10~60秒の条件で行われる。
また、このようにして得られた剥離ライナーおよび粘着剤層の積層体の粘着剤層面に支持基材を貼付することで、粘着シートを得ることができる。
[剥離ライナー]
剥離ライナーとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;上質紙、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙などの紙が挙げられる。
剥離ライナーの厚みは、通常10~400μm程度である。また、剥離ライナーの表面には、粘着剤層からの剥離性(分離性)を向上させるためのシリコーンなどから構成される剥離剤からなる層が設けられてもよい。かような層が設けられる場合の当該層の厚みは、通常0.01~5μm程度である。
本発明の第二実施形態は、支持基材と、粘着剤層と、部分的に打ちぬかれた打ち抜き部を有する剥離ライナーと、を有する粘着シートであって、粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ粘着剤層のヤング率が0.5MPa以上である、部品固定用粘着シートである。
図3(A)は、粘着シートの一実施形態を示す斜め上面方向からの模式図である。図3(A)では、図1(A)の粘着シートにおいて、切り込み線によって粘着剤層から分離可能な分離部を形成した後に、再度ロール状に巻き取られたロール状粘着シートを、例えば搬送ロールによって送り出される様子を示している。繰り出された粘着シートにおいて、剥離ライナーから、切り込み線に沿って分離部35が粘着剤層32から分離され、打ち抜き部38が形成されるとともに部品固定用の粘着剤層32が露出する。複数の分離部35を粘着剤層32から分離すると、打ち抜き部38が複数形成される。すなわち、打ち抜き部を長手方向に複数有する、部品固定用粘着シートとなる。このように打ち抜き部を複数設けることで、部品を複数固定・搬送することができ、固定・搬送効率が向上する。図3(B)は、図3(A)の粘着シートのB’-B’断面模式図である。図3(B)の粘着シート30において、剥離ライナー33、粘着剤層32、および支持基材31を示す。剥離ライナー33は部分的に打ちぬかれて形成されてなる打ち抜き部38を有する。打ち抜きは、部品形状に合わせて行われる。部品形状に打ちぬき加工を行い、部品形状に粘着剤層が露出した後、部品20を粘着シートに貼付する。また、図3(A)の形態のように連続的に部品形状に打ちぬき加工がされていることで、複数の部品を一度に次工程に搬送することができる。また、部品形状に剥離ライナーを打ちぬくことで、固定された部品周囲に粘着剤層が存在せず、埃等の付着による汚染を抑制することができる。
図4は、第二実施形態の変形例を示す斜め上面方向からの模式図である。図4の粘着シートは、図2の粘着シートから、分離部および連結部の剥離ライナーが分離された状態を示す。具体的には、分離部35が打ち抜き部38に相当し、連結部36が打ち抜き連結部39に相当する。
また、本発明は、支持基材、粘着剤層および剥離ライナーを有する粘着シートを得、剥離ライナーに対して積層方向に沿って切り込み線を入れて分離可能な分離部を形成することを有し、粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ前記粘着剤のヤング率が0.5MPa以上である、部品固定用粘着シートの製造方法をも提供する。さらに、該製造方法は、切り込み線を入れた後に前記分離部を除去して打ち抜き部を形成することを有している形態であってもよい。
搬送される部品としては、電子部品であることが好ましい。電子部品とは、電子工学、電気工学等において使用される全ての部品、電子機器を構成する全ての部品を包含するものであり、半導体、導電体及び/又は絶縁体のいずれかによって、あるいはこれらが組み合わせられて形成されていてもよい。例えば、能動部品(主に半導体から形成され、例えば、トランジスタ、IC、LSI、超LSI、ダイオード、発光ダイオード、サイリスタ、三端子レキュレータ、撮像素子、等)、受動素子(例えば、抵抗器、コンデンサ、スピーカ、コイル、変圧器、変成器、リレー、圧電素子、水晶振動子、セラミック発振子、バリスタ等)、構造部品(配線部品、プリント基板、コネクタ、開閉器等)等が挙げられる。
中でも、本発明の粘着剤シートに対する粘着性が確保されやすいことから、搬送される部品は、粘着剤層への固定面がSUSである電子部品であることが好ましい。
すなわち、本発明の第四実施形態は、SUS面を有する部品の固定方法であって、SUS面を第一または第二実施形態の部品固定用粘着シートの粘着剤層に固定することを有する、部品の固定方法である。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
(実施例1)
還流器および攪拌機を備えたフラスコに、表1に記載の組成(質量比)を有するモノマー混合物、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)、および酢酸エチル(溶剤)を添加し、窒素置換を行いながら65℃まで加温し、7時間重合を行って、アクリル系共重合体を得た(ガラス転移温度-49.6℃、重量平均分子量110万)。
上記アクリル系共重合体30質量部に対して、コロネートHL(ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液)1.5質量部(アクリル系共重合体100部に対してイソシアネート系架橋剤固形分 3.75部)、ジブチル錫ラウレート(硬化促進剤)0.005質量部、アセチルアセトン1.0質量部を添加・混合して粘着剤組成物を作製した。得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリコーン系剥離剤を0.1μm塗布した剥離ライナーの剥離剤塗布面上にナイフコーターにより乾燥膜厚10μmとなるように塗布した後、乾燥させて、剥離ライナーおよび粘着剤層の積層体を得た。
支持基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、上記積層体の粘着剤層面と貼り合わせて、粘着シートを得た。
(実施例2~3)
アクリル系共重合体100部に対する架橋剤の添加量を表1に記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例1)
モノマー混合物の組成比を表1に記載のように変更したこと以外は、実施例2と同様にして粘着シートを得た。
(比較例2)
モノマー混合物の組成比を表1に記載のように変更し、さらに、架橋剤の添加量をアクリル系共重合体100部に対して1.25部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例3)
モノマー混合物の組成比を表1に記載のように変更したこと以外は、実施例2と同様にして粘着シートを得た。
(測定方法1:プローブタック)
各実施例および比較例にて作製した粘着シートについて、剥離ライナーを除去して粘着剤層面を露出させた後、ASTM D2979に準じて、接触圧力50KPa(500gf/cm)、接触時間1秒、剥離速度10mm/秒の条件で、直径5mmのステンレス製プローブを粘着剤層面から引き剥がす際の最大の力(N/5mmφ)を測定し、この値をプローブタックとした。結果を表1に示す。
(測定方法2:ヤング率)
実施例および比較例で用いた粘着剤を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリコーン系剥離剤を0.1μm塗布した剥離ライナーの剥離剤塗布面上に、ナイフコーターにより乾燥膜厚120μmとなるように塗布し乾燥させた後、さらに、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリコーン系剥離剤を0.1μm塗布した剥離ライナーを粘着剤層の他方に貼り合わせ、剥離ライナー、粘着剤層および剥離ライナーからなる積層体を得た。作成した積層体を幅10mm×長さ25mmの試験片に裁断した後、片側の剥離ライナーを剥がし、粘着剤面をAnton Paar社製レオメーターMCR 302の治具Universal Extensional Fixture UXF12/CTD V2.0に貼付し、もう片側の剥離ライナーを剥がした。上記治具は直径12mmの円柱が水平方向に2つ、19mm離れて並んだ構造をしており、測定に際して粘着剤層の一端を一方の円柱に、他端をもう一方の円柱に貼付する。上記治具は片側の円柱が回転して粘着剤層を引っ張り、もう片側の円柱が応力を検知する。ひずみ速度114mm/分にて粘着剤層を引っ張った際の、応力σ(単位:MPa)、ひずみεを下記式に当てはめてヤング率E(単位:MPa)を算出した。
Figure 0007066464000001
(評価1:抜き加工性)
実施例および比較例で得た粘着シートの剥離ライナー面を上面にして厚み方向に粘着剤層に到達するまで切断刃(フナミズ刃型製版社製ネーマー刃、刃高さ8mm、刃先角度30°)を入れる作業を、切断刃を入れる場所を変えながら100回繰返して、切断刃に粘着剤が付着するかどうかを下記評価基準にしたがって評価した。
◎:切断刃に粘着剤が付着しない、
○:切断刃に粘着剤が付着するが、粘着シートを汚染しない、
×:切断刃に付着した粘着剤が粘着シートを汚染する。
(評価2:粘着性試験)
実施例および比較例で得た粘着シートを23℃環境下に1週間静置する。その後、1日標準環境下(23℃50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がしてSUS板(SUS304鋼板)に粘着剤層面を貼付する。24時間標準環境下に静置後、粘着力を測定する。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分でシートを引き剥がし、粘着力を測定する。数値は、シート幅25mm当たりの引き剥がし力に換算したもの(mN/25mm)である。
(評価3:搬送性)
実施例および比較例で得た粘着シートの剥離ライナーに、幅5mm、長さ10mmの分離部を形成し、粘着シートをロール状に巻き取る。ロールから粘着シートを繰り出し、分離部を粘着剤層から分離することにより、打抜き部を形成する。打抜き部に、幅5mm、長さ10mmのSUS片を貼付し、ロール・ツー・ロールで搬送した際の搬送性を下記評価基準に従い評価した。
◎:SUS片が粘着シートの粘着剤層に固定されている
○:SUS片が粘着シートに粘着剤層に固定されているものの、わずかにずれている
×:SUS片が粘着剤層から外れている
Figure 0007066464000002
実施例1~3の粘着シートは、比較例1~3の粘着シートと比較して抜き加工性が高く、また、部品の搬送性に優れた粘着シートであった。
10 切断刃、
20 部品、
30 粘着シート、
31 支持基材、
32 粘着剤層、
33 剥離ライナー、
34、37 切り込み線、
35 分離部、
36 連結部、
38 打ち抜き部、
39 打ち抜き連結部。

Claims (8)

  1. 支持基材と、粘着剤層と、積層方向に沿って設けられた切り込み線によって分離可能な分離部を有する剥離ライナーと、を有する粘着シートであって、
    前記分離部が分離することで粘着剤が露出し、
    前記粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ前記粘着剤層のヤング率が0.5MPa以上である、部品固定用粘着シート。
  2. 前記分離部を長手方向に複数有する、請求項1に記載の部品固定用粘着シート。
  3. 前記剥離ライナーは、前記複数の分離部を長手方向に連結し、積層方向に沿って設けられた切り込み線によって分離可能な連結部をさらに有する、請求項1または2に記載の部品固定用粘着シート。
  4. 支持基材と、粘着剤層と、部分的に打ちぬかれた打ち抜き部を有する剥離ライナーと、
    を有する粘着シートであって、
    前記打ち抜き部によって粘着剤は部品形状に露出しており、
    前記粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ前記粘着剤層のヤング率が0.5MPa以上である、部品固定用粘着シート。
  5. 前記打ち抜き部を長手方向に複数有する、請求項4に記載の部品固定用粘着シート。
  6. 支持基材、粘着剤層および剥離ライナーを有する粘着シートを得、
    前記剥離ライナーに対して積層方向に沿って切り込み線を入れて分離可能な分離部を形成することを有し、
    前記分離部が分離することで粘着剤が露出し、
    前記粘着剤層のプローブタックが0.05N以上0.30N未満であり、かつ前記粘着剤のヤング率が0.5MPa以上である、部品固定用粘着シートの製造方法。
  7. さらに、切り込み線を入れた後に前記分離部を除去して打ち抜き部を形成することを有する、請求項6に記載の部品固定用粘着シートの製造方法。
  8. SUS面を有する部品の固定方法であって、
    前記SUS面を請求項1~5のいずれか1項に記載の部品固定用粘着シートの粘着剤層に固定することを有する、部品の固定方法。
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