JP6886066B1 - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者の顔へのフィット感を高めつつ、圧迫感を抑制できるマスクを提供する。【解決手段】本発明のマスクは、着用者の鼻と口とを覆うマスク本体と、前記マスク本体の両端から延び且つ着用者の耳に掛けられる耳掛け部と、を備え、前記マスク本体及び前記耳掛け部は、いずれも、端縁が切りっぱなし仕様とされた切りっぱなし生地で形成され、前記切りっぱなし生地は、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、4cN/mm以下となる生地である。【選択図】図1

Description

本発明は、衛生用マスク等の着用者の鼻や口を覆うマスクに関する。
従来、不織布で形成されたマスクが公知である(特許文献1参照)。このマスクは、着用者の鼻や口を覆うマスク本体と、着用者の耳に掛けられる一対の耳掛け部と、を備える。マスク本体は、マスク着用時に外気と接触する側より着用者の鼻や口と接触する側に向けて、順に、外層、フィルター層と吸湿層とを含む内層、及び、口元層を備える。外層、内層、口元層は、いずれも、不織布により形成されている。耳掛け部は、紐状弾性体またはテープ状弾性体で形成されている。
特許第6608472号公報
ところで、前記マスクでは、マスク本体が伸縮性に乏しい不織布により形成されているため、装着状態において、マスク本体が着用者の顔面にフィットしないことがある。また、マスク本体のフィット感を向上するために、紐状弾性体等により形成される耳掛け部によりマスク本体を顔面に強く固定すると、着用者が、顔に圧迫感を感じたり、耳元に締め付け感を感じたりするおそれがある。
本発明は、着用者の顔へのフィット感を高めつつ、圧迫感を抑制できるマスクを提供することを目的とする。
本発明のマスクは、着用者の鼻と口とを覆うマスク本体と、前記マスク本体の両端から延び且つ着用者の耳に掛けられる耳掛け部と、を備え、前記マスク本体及び前記耳掛け部は、いずれも、端縁が切りっぱなし仕様とされた切りっぱなし生地で形成され、前記切りっぱなし生地は、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、4cN以下/mmとなる生地である。
かかる構成によれば、マスク本体及び耳掛け部は、回復荷重が4cN/mm以下となる伸縮性を有する切りっぱなし生地で形成されているため、装着状態において、マスク本体が着用者の顔の形状に沿いやすくフィット感が向上し、マスク本体及び耳掛け部の端縁が顔や耳元を締め付けないため、マスク本体による顔への圧迫感、及び、耳掛け部による耳元への圧迫感が抑制される。また、長時間着用しても顔に跡がつかない。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記切りっぱなし生地は、前記第一方向と直交する第二方向よりも、前記第一方向において伸び縮みしやすく前記切りっぱなし生地は、前記第一方向において所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、4cN/mm以下となる生地であってもよい。
かかる構成によれば、マスクを装着する際に、該マスクを伸縮させる主たる方向である第一方向において、切りっぱなし生地がよく伸び縮みするため、マスク本体による顔への圧迫感、及び、耳掛け部による耳元への圧迫感が確実に抑制される。また、長時間着用しても顔に跡がつかない。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記マスク本体の前記第一方向における中央部に設けられ、前記第一方向と直交する第二方向に沿って延びるボーンを備え、前記ボーンは、弾性復元力を有するとともに、前記第二方向における中央部が外側に突出した湾曲形状を有してもよい。
かかる構成によれば、ボーンがマスク本体の立体形状を保持するため、着用者は呼吸がしやすい。
さらに、前記マスクでは、前記マスク本体の中央部は、前記切りっぱなし生地が三層以上表裏方向に重なって形成されているとともに、前記ボーンの外側には少なくとも一層の前記切りっぱなし生地が配置され、前記ボーンの内側には少なくとも二層の前記切りっぱなし生地が配置されるように構成されてもよい。
かかる構成によれば、厚み方向における内側と外側に配置された切りっぱなし生地がボーンを保持するため、ボーンがマスク本体から飛び出しにくく、ボーンより内側に位置する複数の切りっぱなし生地がボーンと着用者の顔面との間のクッションとなるため、着用感が向上する。
また、前記マスクでは、前記ボーンは、厚みよりも幅が大きい断面形状を有し、該ボーンの幅方向が前記第一方向に沿うように配置されてもよい。
かかる構成によれば、ボーンの厚みが薄いため、装着状態において、ボーンが着用者の顔の形状に沿った湾曲形状となりやすい。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記切りっぱなし生地は、前記マスク本体が、前記第一方向における中央で二つ折りにされ且つ平置きされた状態において、前記第一方向における前記マスク本体の折り目の頂部から前記耳掛け部の内端縁までの距離が、145mm以下となる生地であってもよい。
かかる構成によれば、マスクは、通常の大人用マスクよりも小さいサイズとして形成され、より大きなサイズに伸ばされた状態で使用されるため、顔へのフィット感が向上する。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記マスク本体と前記耳掛け部が一体の前記切りっぱなし生地で構成され、前記マスク本体が、前記第一方向における中央で二つ折りにされた状態で、前記マスク本体の前記第一方向における中央部と前記耳掛け部とをチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の、5回目の50mmストローク位置での回復荷重が、100cN以下となってもよい。
かかる構成によれば、マスク本体の伸縮性が高いため、装着状態において、マスク本体が着用者の顔の形状に沿いやすくフィット感を確保できる。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記耳掛け部のうち一方の耳掛け部を一方のチャックに引っ掛け、前記耳掛け部のうち他方の耳掛け部を他方のチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた後の、前記耳掛け部間の距離が、前記所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加える前の前記耳掛け部間の距離の103%以下となってもよい。
かかる構成によれば、マスクの着用や洗濯によりマスクの伸張を繰り返しても、マスクを構成する切りっぱなし生地がダレにくいため、マスクを繰り返し着用可能である。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記マスク本体が前記第一方向における中央で二つ折りにされた状態で、前記マスク本体の前記第一方向における中央部と前記耳掛け部とをチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の、5回目の16.7mmストローク位置での前記耳掛け部における耳巻き掛け部の巻き掛け方向における中央部の幅方向における寸法に対する単位当たりの力である耳幅単位力が、5cN/mm以下となってもよい。
かかる構成によれば、マスクの耳幅単位力が5cN/mm以下であるため、耳掛け部の伸縮性が高いことから、装着状態において、耳掛け部による耳元への圧迫感が確実に抑制される。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記マスク本体は、該マスク本体の前記第一方向における中央で互いに縫い合わされた一対の半身部を含み、前記一対の半身部は、それぞれ表側に位置する前記切りっぱなし生地である表地と、裏側に位置する前記切りっぱなし生地である裏地とを有し、前記一対の半身部のうち一方の半身部では、前記マスク本体の前記第一方向における中央部となる半身中央部位において、前記表地の端部が前記裏地側に折り返されるとともに、前記裏地の端部が前記表地側に折り返され、前記一対の半身部のうち他方の半身部では、前記マスク本体の前記第一方向における中央部となる半身中央部位が、前記一方の半身部の半身中央部位の前記表地と前記裏地との間に挿入され、前記マスク本体の前記第一方向における中央部は、前記一方の半身部の半身中央部位と、前記他方の半身部のマスク本体の前記第一方向における中央部となる半身中央部位とが重なった状態で縫合されて構成されるとともに、前記第一方向と直交する第二方向における中央部が外側に突出した湾曲形状を有してもよい。
かかる構成によれば、マスク本体の第一方向における中央部は、一方の半身部の表地と裏地との間に他方の半身部が介挿された状態で縫合されて構成されるとともに、湾曲形状を有するため、マスク本体の立体形状が保持される。
また、前記マスクでは、前記耳掛け部は、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され、前記マスク本体の前記第一方向における中央部に設けられ、前記第一方向と直交する第二方向に沿って延びるボーンを備え、前記ボーンは、弾性復元力を有するとともに、前記第二方向における中央部が外側に突出した湾曲形状を有し、且つ、前記一方の半身部の半身中央部位における前記表地の端部の折返し部に収容されていてもよい。
かかる構成によれば、ボーンがマスク本体の立体形状を保持すると共に復元力を有するため、マスク本体のフィット感が向上し、半身中央部位における表地の折返し部がボーンを保持するため、ボーンが安定的に備えられ、マスク本体から飛び出しくい。また、ボーンの内側に、折り返された裏地側に位置する表地、及び、折り返されて二層となった裏地が重なって配置されているため、装着状態において、着用者の鼻に対するクッション性が良好となる。
以上より、本発明によれば、着用者の顔へのフィット感を高めつつ、圧迫感を抑制できるマスクを提供することができる。
図1は、本実施形態に係るマスクの正面図である。 図2は、前記マスクの背面図である。 図3は、前記マスクを半分に折り畳んだ状態の模式図である。 図4Aは、図1のIV−IV位置における断面構造を説明するための模式図であって、生地の折り返しを説明するための拡大断面図である。 図4Bは、図1のIV−IV位置における断面構造を説明するための模式図であって、前記マスクの拡大断面図である。 図5は、前記マスクの着用時の模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。マスクは、着用者の顔に装着可能であり、着用時に、着用者の鼻と口とを覆うマスクである。
マスク1は、図1及び図2に示すように、着用者の鼻と口とを覆うマスク本体2と、マスク本体2の両端から延び且つ着用者の耳に掛けられる耳掛け部3と、を備える。本実施形態のマスク1は、マスク本体2の第一方向における中央部20に設けられ、第一方向と直交する第二方向に沿って延びるボーン4を備える。
以下、マスク本体2の第一方向は、マスク1の着用者Pの顔の幅方向であり、図1における左右方向である。このマスク本体2の第一方向を、単に「幅方向」とも称する。また、マスク本体2の第二方向は、マスク1の着用者Pの頭側と足側との間を結ぶ方向であり、図1における上下方向である。このマスク本体2の第二方向を、端に「上下方向」とも称する。さらに、マスク1の内側は使用時に着用者Pの顔と対向する側であり、マスク1の外側は内側の反対側とする。即ち、マスク1の表裏方向は、図1における紙面に垂直な方向である。
マスク1において、マスク本体2及び耳掛け部3は、いずれも、端縁が切りっぱなし仕様とされた切りっぱなし生地で形成されている。本実施形態のマスク本体2は、積層された複数(例えば、四枚)の切りっぱなし生地で形成されている。
切りっぱなし仕様の端縁は、端始末されていない切断端である。本実施形態のマスク1において、切断端とは、生地を切断したままの端縁のことを言う。また、端始末とは、切断端を折り返して縫着したり、テープ等の別布で端部を包んで縫着したりして生地の切断端縁がほつれないようにする処理をいう。即ち、切りっぱなし仕様の端縁とは、前記のような端始末をせずに切断したままの生地の端縁をいう。なお、この切りっぱなし生地の詳細については後述する。
マスク本体2は、着用者Pの鼻と口とを含む領域を外側から覆うように構成されている(図5参照)。また、マスク本体2は、表裏方向から視たとき、上下方向における寸法が幅方向における中心部に近づくほど大きいシートである(図1参照)。また、マスク本体2は、表裏方向から視たとき、幅方向における寸法が略均一なシートである。なお、マスク本体2は、平面視において長方形状、楕円状、正方形状等の形状であってもよい。
例えば、図3に示すマスク本体2の上下方向における最大寸法(具体的には、マスク本体2の中央部20の上下方向における寸法)S1は、125mm以上170mm以下である。また、マスク本体2の幅方向における寸法S2は、70mm以上110mm以下である。
本実施形態のマスク本体2は、中央部20が頂部となるように該頂部の周囲の周囲部よりも外側に隆起した立体形状を有する。換言すると、マスク本体2の中央部20は、上下方向における中央領域(中央部)200が外側に突出した湾曲形状を有する(図3参照)。
また、マスク本体2の中央部20は、図4Bに示すように、切りっぱなし生地が三層以上、表裏方向(マスク本体2の厚み方向)に重なって形成されている。本実施形態のマスク本体2の中央部20は、表地21(外層生地、最も外側に位置する生地、表側に位置する切りっぱなし生地)を落ち返した部位と、裏地22(内層生地、最も内側に位置する生地、裏側に位置する切りっぱなし生地)とを折り返した部位を含む六層の生地で構成されている。
本実施形態のマスク本体2は、幅方向における中央で互いに縫い合わされた一対の半身部23、24を含む(図1及び図2参照)。一対の半身部23、24は、それぞれ表地21と裏地22とを有する。
具体的に、マスク本体2の中央部20では、表地21の端部210が、裏地22側に折り返されるとともに、裏地22の端部220が表地21側に折り返されている(図4B参照)。さらに、マスク本体2の中央部20では、複数層の切りっぱなし生地(例えば、二枚の切りっぱなし生地12、13)が、折り返された表地21と折り返された裏地22との間に挟まれた状態で積層されている。
より具体的に、一対の半身部23、24のうち一方の半身部23では、マスク本体2の中央部20となる半身中央部位230において、表地21の端部210が裏地22側に折り返されるとともに、裏地22の端部220が表地21側に折り返されている。一対の半身部23、24のうち他方の半身部24では、マスク本体2の中央部20となる半身中央部位240が、一方の半身部23の半身中央部位230の表地21と裏地22との間に挟まれた状態で積層されている。
さらに、マスク本体2の中央部20は、一方の半身部23の半身中央部位230と、他方の半身部24の半身中央部位240とが重なった状態で縫合されて構成されるとともに、上下方向における中央領域(中央部)200が外側に突出した湾曲形状を有する。
耳掛け部3は、マスク本体2が着用者Pの鼻や口を覆った状態で、着用者P(例えば、着用者Pの耳元)に掛けられるように構成されている(図5参照)。また、耳掛け部3は、マスク本体2の幅方向における両側に配置されている(図1参照)。本実施形態の耳掛け部3は、マスク本体2の幅方向における両端部からそれぞれ延びている。即ち、耳掛け部3は、耳掛け可能にマスク本体2の左右に一対形成されている。
本実施形態の耳掛け部3は、マスク本体2と一体である。具体的に、マスク本体2と耳掛け部3とが一体の切りっぱなし生地で構成されている。なお、一体の切りっぱなし生地とは、連続した生地(縫い目なく連続した生地)である。
より具体的に、耳掛け部3は、マスク本体2の幅方向における端部の上側に位置する領域である上側連結部25と、マスク本体2の幅方向における端部の下側に位置する領域である下側連結部26との間に延びている。より具体的に、耳掛け部3は、上側連結部25から幅方向の外側に延びる上側耳掛け部31と、下側連結部26から幅方向の外側に延びる下側耳掛け部32と、上側耳掛け部31の幅方向における外端部と下側耳掛け部32の幅方向における外端部とを接続して上下方向に延びる耳巻き掛け部33と、を含む。なお、耳掛け部3の幅Wは、例えば、5mm以上20mm以下である。
ボーン4は、マスク本体2の立体形状を保持するように構成されている。また、ボーン4は、マスク本体2の中央部20の湾曲形状に沿うように弾性変形した状態で、マスク本体2の中央部20内に収容されている。即ち、ボーン4は、本来直線状であるが、マスク本体2の中央部20に配置されることにより、弾性変形して湾曲形状となっており、該湾曲形状から直線形状へと復元するような弾性復元力を有している。
具体的に、ボーン4は、弾性復元力を有するとともに、図3に示すように、上下方向における中央部40が外側に突出した湾曲形状を有する。また、ボーン4は、一方の半身部23の半身中央部位230における表地21の端部210の折返し部に収容されている(図4B参照)。
また、ボーン4は、厚みよりも幅が大きい断面形状を有し、ボーン4の幅方向がマスク本体2の幅方向に沿うように配置される。本実施形態のボーン4は、マスク本体2の中央部20を構成する複数の層(例えば、六層)の切りっぱなし生地のうち、積層方向における外側から一層目の生地と二層目の生地との間に配置されている。
なお、本実施形態のボーン4は、マスク本体2に固定されていない。このように、ボーン4のマスク本体2に対する位置に遊びがあるため、ボーン4はマスク本体2の伸縮を妨げにくい。
ボーン4の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.4mm以上0.5mm以下が好適である。このように、ボーン4の厚みが0.4mm以上であることによりボーン4が折れ曲がりにくく、ボーン4の厚みが0.5mm以下であることにより装着状態においてボーン4がマスク本体2に沿いやすくマスク1の着用感が良好となる。また、ボーン4の幅は、特に限定されないが、例えば、1.5mm以上4.5mm以下が好適であり、2mm以上3mm以下がより好適である。なお、本実施形態のボーン4の幅は、2.5mmである。
さらに、ボーン4の長さは、特に限定されないが、マスク本体2の中央部20のサイズに合わせて決めればよく、中央部20の第二方向(上下方向)の長さよりも少し短く設定されている。本実施形態のボーン5の長さは、例えば、145mmである。
また、ボーン4は、弾性変形する素材で形成されれば限定されないが、安価で程度な弾性力を有する樹脂製が好ましく、例えば、ポリオレフィン系の樹脂製であることが好ましい。本実施形態のボーン5は、ポリプロピレン製である。
以下、マスク本体2及び耳掛け部3を構成する切りっぱなし生地の詳細について説明する。
切りっぱなし生地は、特に限定されないが、伸縮性を備え、生地を引っ張ったときに適度な張力を有している。また、試験方法(試験方法1)の詳細については後述するが、切りっぱなし生地は、繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、4cN/mm以下となる生地が好ましい。例えば、切りっぱなし生地の伸縮性は、幅方向と上下方向とで異なることが好ましい。また、切りっぱなし生地は、ニット生地が好ましく、緯編生地がより好適である。
(試験方法1)
本実施形態の切りっぱなし生地の幅方向の伸縮性は、切りっぱなし生地の上下方向の伸縮性より大きい。即ち、切りっぱなし生地は、幅方向と直交する上下方向よりも、幅方向において伸び縮みしやすい。このように、本実施形態のマスク1では、切りっぱなし生地の伸び易い方向と耳掛け部3を引っ掛ける方向とが一致している。また、この切りっぱなし生地は、幅方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、4cN/mm以下であることが好ましく、3cN/mm以下がより好ましい。更には、この回復荷重は2cN/mm以下がより好ましい。
具体的に、切りっぱなし生地は、上下方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、幅方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重の2倍以上4倍以下となる生地がより好ましく、3倍以上4倍以下の生地がさらに好ましい。
本実施形態のマスク1における切りっぱなし生地では、上下方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重(例えば、4.9cN/mm)が、幅方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重(例えば、1.3cN/mm)の3.8倍である。なお、比較生地では、上下方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重(例えば、2.32cN/mm)が、幅方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重(例えば、4.28cN/mm)の0.5倍である。市販品である比較生地のマスク1は、本実施形態とは逆に、幅方向の回復荷重の方が上下方向の回復荷重よりも大きくなっている。
なお、上記生地の「回復荷重」は、具体的には、切りっぱなし生地を50mm(チェック幅の寸法)×100mm(チャック移動方向の寸法、ただし、生地を挟持し、固定できる程度の長さであればよく、チャック部の構成や構造に合わせて生地長さは適宜決めればよい)にカットした試験片を準備し、定速伸張形引張試験機として島津製作所製のAG−100Aを用いて、鉛直方向に対向して離間して配置された上下のチャック部に(チャック間距離50mm)、この試験片を固定し、チャック間に固定した状態から、引張速度67mm/分で当該試験片を20mm引き伸ばす処理と元の位置に戻す処理とのセットを5回繰り返し、5回目の戻るときのチャック間距離が16.7mmとなった際に測定した回復力である。以上の試験方法が、試験方法1である。
本実施形態のマスク1において、切りっぱなし生地は、マスク本体2が、幅方向における中央で二つ折りにされ且つ平置きされた状態において、幅方向におけるマスク本体2の折り目27の頂部270から耳掛け部3の内端縁30までの距離L1が、145mm以下(好ましくは、143mm以下)となる生地である(図3参照)。
なお、マスク1の距離L1は、着用者の顔のサイズによるが、平均的な成人の装着状態において、160mm〜220mm程度に伸張する。また、マスク本体2の折り目27の上端から耳掛け部3の内端縁30までの距離L2は、130mm〜170mmであり、130mm〜150mmが好ましく、130mm〜140mmであることがより好ましい。マスク本体2の折り目27の下端から耳掛け部3の内端縁30までの距離L3は、例えば、130mm〜170mmであり、130mm〜150mmが好ましく、130mm〜140mmであることがより好ましいmmである。なお、ここでいう耳掛け部3の内端縁30は、耳掛け部3の耳巻き掛け部33の巻き掛け方向における中央部330の内端縁である。
また、本実施形態のマスク1において、試験方法(試験方法2)の詳細については後述するが、マスク1が、第一方向(マスク本体2の幅方向)における中央で二つ折りにされたで(図3の状態)、マスク本体2の中央部20と耳掛け部3を鉛直方向に対向して離間された上下のチャックに引っ掛け、200mm/分の定速で、チャック間を0(マスクをセットした時の状態)〜60mmに変化させた時の伸張回復荷重を加えた時の、5回目の戻るときの50mmストローク位置での回復荷重が、100cN/mm以下となる生地である。また、本実施形態のマスク1では、回復力が、76cN/mmである。なお、比較生地のマスク1では、耳幅単位力が、150cN/mmである。
(試験方法2)
なお、上記マスクの「回復荷重」は、具体的には、二つ折りにしたマスク1を準備し、定速伸張形引張試験機として島津製作所製のAG−100Aを用いて、このマスク1のマスク本体2の中央部20と耳掛け部3とを引張試験機の鉛直方向に対向して配置された上下のチャック間に固定し、引張速度200mm/分でマスク1を0〜60mm引き伸ばす処理と元の位置に戻す処理とのセットを5回繰り返したときの回復力(戻すときの荷重)である。なお、チャック間距離は、マスク1の大きさに合わせて適宜設定すればよく、チャック間にマスクをセットする時の張力がほぼゼロの状態になるようにチャック間を設定する。例えば、今回の試験では150mmに設定している。
マスク1の固定方法について具体的に説明する。上下チャック部は、鉛直方向に対向して離間し、中央部20を引っ掛ける下側バーと耳掛け部3を引っ掛ける上側バーを備えている。鉛直方向下方にある下側バーに中央部20の顎側から凡そ半分程度引っ掛け、耳掛け部3の2つの耳巻き掛け部33はお互い重ならないように上側バーに引っ掛け、張力がほぼゼロの状態でマスク1を固定している。下側バー及び上側バーはバー長さ方向が同じ向きになっており、耳巻き掛け部33はわずかに捩れた状態で固定されている。以上の試験方法が試験方法2である。
さらに、本実施形態のマスク1において、試験方法(試験方法3)の詳細については後述するが、切りっぱなし生地は、耳掛け部3のうち一方の耳掛け部3を一方のチャックに引っ掛け、耳掛け部3のうち他方の耳掛け部を他方のチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた試験後の、耳掛け部3間の距離(耳掛け部3の外端縁の頂部間距離)が、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加える前の耳掛け部間の距離の103%以下となるマスクであり、102%以下のマスクが好適である。
(試験方法3)
なお、試験方法3では、具体的には、JIS-L-1930のC4N法に準拠した洗濯試験と、60℃の雰囲気下における60分間のA法(吊干し乾燥)による乾燥と、をセットで5回実施したマスク1を事前に準備する。さらに、引張試験機(グンゼ製)において、このマスク1の耳掛け部3のうち一方の耳掛け部3を一方のチャックに引っ掛け、耳掛け部3のうち他方の耳掛け部を他方のチャックに引っ掛ける。このとき、引き伸ばし前のマスク1のサイズにあわせて一対のチャックを近づけた状態で、耳掛け部3をチャックに引っ掛ける。この張力がほぼかからない状態で、マスク1をこのチャック間に固定し、1サイクル当たり「マスク1を140%に引き伸ばして元に戻す処理」を引張速度0.2秒/サイクルで5000サイクル繰り返す。なお、チャック間距離は、マスク1の大きさにもよるが、例えば、250mmに設定している。
この試験方法3のマスク1の固定方法について具体的に説明すると、鉛直方向に離間し、一方の耳掛け部3を引っ掛ける下側フックと、他方の耳掛け部3を引っ掛ける上側フックを備えており、各フックに各耳掛け部3を張力がかからない状態で引っ掛け、固定している。この上下の各フックの初期離間距離に対し、140%となる位置まで移動し(離れ)、その位置から初期離間距離に戻る動作を繰り返し、マスク1に繰り返し伸張荷重を加え、試験前と試験後のマスクの寸法変化にて生地ダレの評価をしている。以上の試験方法が試験方法3である。
本実施形態のマスク1は、前述の試験方法2の試験において、5回目の戻るときの50mmストローク位置での耳掛け部3における耳巻き掛け部33の巻き掛け方向における中央部330の幅方向における寸法に対する単位当たりの力である耳幅単位力が、5cN/mm以下のマスクであり、4cN/mm以下のマスクが好適である。
なお、上記「耳幅単位力」は、具体的には、上述の試験方法2のマスクの「回復荷重」を、耳巻き掛け部33の「単位幅寸法S3×2」で割った値である。より詳しく説明すると、試験方法2の条件で、引き伸ばす処理と元の位置に戻す処理とのセットを5回繰り返した時のきの回復力(戻す処理の時の荷重)を耳巻き掛け部33の「単位幅寸法S3×2」で割った値である。両端の耳巻き掛け部33をチャックにセットしているため、単位幅寸法S3の2倍で「回復荷重」を割っている。
また、本実施形態のマスク1では、耳幅単位力が、2.7cN/mmである。なお、比較生地のマスクでは、耳幅単位力が、7.4cN/mmである。
本実施形態の切りっぱなし生地は、限定されないが、ポリエステル及びナイロンの少なくとも一方を含む。具体的に、切りっぱなし生地は、全材料に対するポリエステル又はナイロンの割合が、30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上含まれる生地である。なお、切りっぱなし生地は、全材料に対するポリエステルの割合、及び、全材料に対するナイロンの割合の両方が、30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上の生地である。このような切りっぱなし生地を用いることにより、マスク1のダレを抑えることができる。
なお、マスク1のダレには、切りっぱなし生地の材料以外に、切りっぱなし生地の糸の太さ、撚り数の影響、切りっぱなし生地を処理する柔軟剤の種類、切りっぱなし生地の染色前の熱処理であるプレセット時の拡布率等が影響する。本実施形態1のマスクでは、これらを最適化した切りっぱなし生地を用いることにより、マスク1のダレを確実に抑えることができる。一般的に、生地を伸張させた時の引っ張り荷重(回復荷重)が小さい生地の方が生地ダレしやすいが、この最適化により、伸縮性を備え、引っ張り荷重(回復荷重)が小さい生地であっても、生地ダレを抑えている。
以下、マスク1を製造工程の要部について説明する。マスク1を製造する際には、まず、図4Aに示すように、複数(具体的には、四枚)の切りっぱなし生地11、12、13、14を重ねる。本実施形態のマスク1を形成する際には、幅方向における寸法が広い二枚の幅狭生地11,12と、幅方向における寸法が狭い二枚の幅広生地13、14とを、各生地11、12、13、14の幅方向における各一端縁を揃えた状態で重ねる。
次に、重ねられた複数の切りっぱなし生地11、12、13、14を、そろえた生地の一端縁の近傍の第一位置P1で縫い合わせる。このときの縫い合わせは、特に限定されないが、例えば、環縫い(具体的には、一本針オーバー)が好ましい。なお、この縫い合わせは、二本針オーバーのような他の環縫いにより行われてもよい。このときの縫製ピッチは、18以上が好ましい。
さらに、縫い合わせた切りっぱなし生地11、12、13、14のうち切りっぱなし生地11、14を折り返す。具体的に、切りっぱなし生地11を第一位置P1で、幅方向に長い方の生地を表側に180度折り返すとともに、切りっぱなし生地14を第一位置P1で、幅方向に長い方の生地を裏側に180度折り返す。この切りっぱなし生地11の折返し部内にボーン4を配置した状態で、切りっぱなし生地11、14を折り返しが保持されるように、各生地の一端縁の近傍であり、且つ、第一位置P1よりも該一端縁に近い第二位置P2で切りっぱなし生地11、12、13、14を縫い合わせる。このときの縫い合わせは、例えば、環縫い(具体的には、一本針二重環)が好ましく、縫製ピッチは、18以上が好ましい。
なお、このように環縫いにより縫製されることで、例えば、本縫いにより縫製する構成と比べて、縫い合わせ箇所に伸縮性があるため、マスク1の着用感に優れ、糸切れもしにくい。また、弾性変形しているボーン4の反力が縫い合わせ箇所に加わるため、ボーンがはみ出しやすくなるが、縫製ピッチを18以上にすることで、ボーン4が縫い合わせ箇所よりはみ出すことはない。また、この縫製により得られるマスク1では、順に重ねられた切りっぱなし生地11、12、13、14のうち、切りっぱなし生地11がマスク1の表地21となり、切りっぱなし生地14がマスク1の裏地22となる。
このような縫製を含む工程を経て製造されるマスク1において、ボーン4は、マスク本体2の中央部20における表地21の端部210の折返し部に収容される(図4B参照)。また、マスク本体2の中央部20は、ボーン4の外側には少なくとも一層(例えば、一層)の切りっぱなし生地が配置され、ボーン4の内側には少なくとも二層の切りっぱなし生地(例えば、五層)が配置されるように構成される。
以上のマスク1によれば、マスク本体2及び耳掛け部3は、繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重(試験方法1による回復荷重)が、4cN/mm以下となる伸縮性を有する切りっぱなし生地で形成されているため、装着状態において、マスク本体2が着用者Pの顔の形状に沿いやすくフィット感が向上し、マスク本体2及び耳掛け部3の端縁が顔や耳元を締め付けないため、マスク本体2による顔への圧迫感、及び、耳掛け部3による耳元への圧迫感が抑制される。また、長時間着用しても顔に跡がつかない。
本実施形態のマスク1ではマスク1を装着する際に、マスク1を伸縮させる主たる方向である第一方向(マスク本体2の幅方向)において、切りっぱなし生地がよく伸び縮みするとともに、切りっぱなし生地は、幅方向において繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重(試験方法1での回復荷重)が、4cN/mm以下となる生地であるため、マスク本体2による顔への圧迫感、及び、耳掛け部3による耳元への圧迫感が確実に抑制される。また、長時間着用しても顔に跡がつかない。
また、本実施形態のマスク1では、弾性復元力を有するとともに、上下方向に延び且つ上下方向における中央領域200が外側に突出した湾曲形状を有するボーン4が、マスク本体2の立体形状を保持しようとため、マスク1の付け心地が向上する。具体的には、マスク本体2に弾性変形するボーン4が配置されることにより、装着時において、マスク1内の鼻や口周辺の空間を保持することができるため、着用者Pが呼吸し易い。また、直線状のボーン4を湾曲形状に弾性変形させた状態でマスク1を装着することで、ボーン4の弾性復元力(より具体的には、湾曲形状のボーン4が直線状のボーン4に戻ろうとする力)が、伸縮性を有する切りっぱなし生地を伸張させるため、切りっぱなし生地が顔にへばりつくことを抑えることができる。伸縮性を備え、伸張荷重(ここでいう回復荷重)が小さい生地をマスクに生地に用いると、生地が顔にへばり付きやすく、呼吸がし難くなるが、弾性復元力を有するボーン4を有することで、顔への生地のへばり付きを抑え、、着用者Pがより呼吸し易い。
さらに、本実施形態のマスク1では、マスク本体2の中央部20において、厚み方向における内側と外側に配置された切りっぱなし生地がボーン4を保持し、中央部20において、ボーン4より内側に位置する複数の切りっぱなし生地(例えば、図4Bにおける5層の切りっぱなし生地)が、ボーン4と着用者Pの顔面との間のクッションとなるため、マスク1の着用感が向上する。
本実施形態のマスク1では、ボーン4は、厚みよりも幅が大きい断面形状を有し、ボーン4の幅方向がマスク本体2の幅方向に沿うように配置される、即ち、ボーン4の厚みが薄いため、装着状態において、ボーン4が着用者Pの顔の形状に沿った湾曲形状となりやすく、着用者Pの顔面への着圧が軽減される。
また、本実施形態のマスク1は、図3に示すように、マスク本体2の折り目27の頂部270から耳掛け部3の内端縁30までの距離L1が、145mm以下(通常の大人用マスクよりも小さいサイズ)として形成され、より大きなサイズに伸ばされた状態で使用されるため、顔へのフィット感が向上する。
さらに、本実施形態のマスク1では、マスク1が、第一方向(マスク本体2の幅方向)における中央で二つ折りにされた状態で(図3の状態)、マスク本体2の中央部20と耳掛け部3とをチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の、5回目の戻るときの50mmストローク位置での回復荷重が、100cN以下となるマスクであり、マスク本体2の伸縮性があり、伸張荷重(回復荷重)が小さいため、装着状態において、マスク本体2が着用者Pの顔の形状に沿いやすくフィット感を確保できる。
本実施形態のマスク1では、試験方法3にて、各耳掛け部3をそれぞれ異なるチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の、耳掛け部間の距離が繰り返し伸張回復荷重を加える前の耳掛け部3間の距離の103%以下となるマスクであり、マスク1の着用や洗濯によりマスク1の伸張を繰り返しても、マスク1を構成する切りっぱなし生地がダレにくく、着用者Pの顔にフィットしやすく、着用者Pが呼吸しやすい。このように、マスク1を繰り返し着用可能である。
また、本実施形態のマスク1では、耳幅単位力が5cN/mm以下であるため、耳掛け部3の伸張荷重(回復荷重)が小さいことから、装着状態において、耳掛け部3による耳元への圧迫感が確実に抑制される。
さらに、本実施形態のマスク1では、マスク本体2の中央部20は、一方の半身部23の表地21と裏地22との間に他方の半身部24が介挿された状態で縫合されて構成されるとともに、湾曲形状を有するため、マスク本体2の立体形状が保持される。
本実施形態のマスク1では、ボーン4がマスク本体2の立体形状を保持するため、マスク本体2のフィット感が向上し、一方の半身部23の半身中央部位230における表地21の折返し部がボーン4を保持し、ボーン4の内側に、折り返された裏地側に位置する表地21、及び、折り返されて二層となった裏地22が重なって配置されているため、装着状態において、着用者Pの鼻に対するクッション性が良好となる。
なお、本発明のマスクは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
例えば、上記実施形態のマスク1は、ボーン4を備えていたが、ボーン4を備えていなくてもよい。マスク1がボーン4を備えていなくても、マスク本体2の中央部20が、一方の半身部23の表地21と裏地22との間に他方の半身部24が介挿された状態で縫合されて構成されるとともに、湾曲形状を有していれば、マスク本体2の立体形状が保持される。また、上記実施形態のマスク1では、ボーン4は、マスク本体に固定されていなかったが、例えば、マスク本体2に接着剤等により固定されてもよい。
さらに、上記実施形態のマスク1では、マスク本体2の中央部20が六層の切りっぱなし生地で構成されていたが、一層の切りっぱなし生地で構成されていてもよいし、二層〜五層の切りっぱなし生地で構成されていてもよいし、七層以上の切りっぱなし生地で構成されていてもよい。
上記実施形態のマスク1では、マスク本体2と耳掛け部3とは、一体の生地で形成されていたが、別体の生地で形成されてもよい。別体の生地は、例えば、複数の生地を縫い合わせて形成された生地や、複数の生地を貼り合わせて形成された生地といった、連結部分(縫い目や貼り合わせ箇所)を介して連結された生地である。
上記実施形態のマスク1は、複数の切りっぱなし生地を含んでいたが、一枚の切りっぱなし生地で構成されてもよい。
また、上記実施形態のマスク本体2及び耳掛け部3を構成する切りっぱなし生地は、上下方向より幅方向の方が伸び縮みし易い生地であったが、これに限らず、上下方向と横方向とでと同程度に伸び縮みする生地であってもよい。
1…マスク、2…マスク本体、3…耳掛け部、4…ボーン、11、12、13、14…切りっぱなし生地、20…中央部、21…表地、22…裏地、23、24…半身部、25…上側連結部、26…下側連結部、27…折り目、30…内端縁、31…上側耳掛け部、32…下側耳掛け部、33…耳巻き掛け部、40…中央領域(中央部)、200…中央領域(中央部)、210、220…端部、230、240…半身中央部位、270…頂部、330…中央部、S1、S2、S3…寸法、L1、L2、L3…距離、W…幅、P…着用者、P1…第一位置、P2…第二位置

Claims (10)

  1. 着用者の鼻と口とを覆うマスク本体と、
    前記マスク本体の両端から延びるとともに、該マスク本体の第一方向における両側に配置され且つ着用者の耳に掛けられる耳掛け部と、
    前記マスク本体の前記第一方向における中央部に設けられ、前記第一方向と直交する第二方向に沿って延び且つ弾性復元力を有するとともに、前記第二方向における中央部が外側に突出した湾曲形状を有するボーンと、を備え、
    前記マスク本体及び前記耳掛け部は、いずれも、端縁が切りっぱなし仕様とされた切りっぱなし生地で形成され、
    前記マスク本体の中央部は、前記切りっぱなし生地が三層以上表裏方向に重なって形成されているとともに、前記ボーンの外側には少なくとも一層の前記切りっぱなし生地が配置され、前記ボーンの内側には少なくとも二層の前記切りっぱなし生地が配置されるように構成される、ことを特徴とするマスク。
  2. 記切りっぱなし生地は、前記第二方向よりも、前記第一方向において伸び縮みしやすく
    前記切りっぱなし生地は、前記第一方向において所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、4cN/mm以下となる生地である、請求項に記載のマスク。
  3. 前記ボーンは、厚みよりも幅が大きい断面形状を有し、該ボーンの幅方向が前記第一方向に沿うように配置される、請求項1又は請求項2に記載のマスク。
  4. 記切りっぱなし生地は、前記マスク本体が、前記第一方向における中央で二つ折りにされ且つ平置きされた状態において、前記第一方向における前記マスク本体の折り目の頂部から前記耳掛け部の内端縁までの距離が、145mm以下となる、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のマスク。
  5. 記マスク本体と前記耳掛け部が一体の前記切りっぱなし生地で構成され、
    前記マスク本体が、前記第一方向における中央で二つ折りにされた状態で、前記マスク本体の前記第一方向における中央部と前記耳掛け部とをチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の、5回目の50mmストローク位置での回復荷重が、100cN以下となる、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のマスク。
  6. 記耳掛け部のうち一方の耳掛け部を一方のチャックに引っ掛け、前記耳掛け部のうち他方の耳掛け部を他方のチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた後の、前記耳掛け部間の距離が、前記所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加える前の前記耳掛け部間の距離の103%以下となる、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のマスク。
  7. 記マスク本体が前記第一方向における中央で二つ折りにされた状態で、前記マスク本体の前記第一方向における中央部と前記耳掛け部とをチャックに引っ掛け、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の、5回目の50mmストローク位置での前記耳掛け部における耳巻き掛け部の巻き掛け方向における中央部の幅方向における寸法に対する単位当たりの力である耳幅単位力が、5cN/mm以下となる、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のマスク。
  8. 着用者の鼻と口とを覆うマスク本体と、
    前記マスク本体の両端から延びるとともに、前記マスク本体の第一方向における両側に配置され且つ着用者の耳に掛けられる耳掛け部と、を備え、
    前記マスク本体及び前記耳掛け部は、いずれも、端縁が切りっぱなし仕様とされた切りっぱなし生地で形成され、
    前記マスク本体は、該マスク本体の前記第一方向における中央で互いに縫い合わされた一対の半身部を含み、
    前記一対の半身部は、それぞれ表側に位置する前記切りっぱなし生地である表地と、裏側に位置する前記切りっぱなし生地である裏地とを有し、
    前記一対の半身部のうち一方の半身部では、前記マスク本体の前記第一方向における中央部となる半身中央部位において、前記表地の端部が前記裏地側に折り返されるとともに、前記裏地の端部が前記表地側に折り返され、
    前記一対の半身部のうち他方の半身部では、前記マスク本体の前記第一方向における中央部となる半身中央部位が、前記一方の半身部の半身中央部位の前記表地と前記裏地との間に挿入され、
    前記マスク本体の前記第一方向における中央部は、前記一方の半身部の半身中央部位と、前記他方の半身部の半身中央部位とが重なった状態で縫合されて構成されるとともに、前記第一方向と直交する第二方向における中央部が外側に突出した湾曲形状を有する、ことを特徴とするマスク。
  9. 記マスク本体の前記第一方向における中央部に設けられ、前記第一方向と直交する第二方向に沿って延びるボーンを備え、
    前記ボーンは、弾性復元力を有するとともに、前記第二方向における中央部が外側に突出した湾曲形状を有し、且つ、前記一方の半身部の半身中央部位における前記表地の端部の折返し部に収容されている、請求項8に記載のマスク。
  10. 前記切りっぱなし生地は、所定条件にて繰り返し伸張回復荷重を加えた時の5回目の16.7mmストローク位置での回復荷重が、4cN以下/mmとなる生地である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のマスク。
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