JP3235610U - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム紐等の伸縮性を有する材料や、特殊な部材を用いなくても、耳掛け部の長さを変更することができるマスクを提供する。【解決手段】布材よりなり、使用者の顔面の一部を被覆可能な本体部10と、本体部10に、相互に幅方向に離間して取り付けられ、使用者の耳に掛けて本体部10を使用者の顔面に保持することができる1対の耳掛け部20と、を有し、それぞれの耳掛け部20は、本体部10の上下方向に離間した位置からそれぞれ延出した、布材よりなる紐状部材として、第一延出部21と、第二延出部22と、を有し、第一延出部21は、中途部に、第一延出部21自体を結んで形成された環状部23を有し、第二延出部22は、長手方向に沿って運動可能に、第一延出部21の環状部23に挿通されているとともに、第二延出部22自体を結んで構成され、先端部を環状部23に対して抜け止めする抜け止め部24を有する、マスク1とする。【選択図】図1

Description

本考案は、マスクに関し、さらに詳しくは、鼻や口等、使用者の顔面の一部を覆うためのマスクに関する。
感染症の防止等を目的として、耳掛け式のマスクが用いられる。耳掛け式のマスクにおいては、多様な使用者が顔面に密着させて装着できるようにするために、耳掛け部に、ゴム紐等、伸縮性を有する材料が用いられることも多い。伸縮性を有する材料で耳掛け部を構成することで、耳掛け部の長さを、可逆的に変更することができ、マスクを顔面に沿わせて装着しやすくなる。特許文献1に開示されるように、耳掛け部の長さを調節できる調節機構を設ける形態も、提案されている。
特開2018−165424号公報
新型の感染症の爆発的な流行等により、大量のマスクの需要が急に発生すると、マスクを製造するための材料に、不足が生じる場合がある。耳掛け部の長さが可変となったマスクを製造するために、ゴム紐等、特定の素材を使用する必要があるならば、その素材を入手できない場合に、マスクを安定に製造し、供給することができなくなる。特許文献1に開示されるもののように、特殊な調節機構を設ける場合にも、同様である。
また、市場へのマスクの供給量が不足するようになると、医療機関を中心に、同じマスクを、洗濯、滅菌等して何度も使用したいという要望が生じる場合がある。このような場合に、マスクに、ゴム紐等の伸縮性のある材料や、特殊な調節機構が用いられていると、それらの部材の存在により、洗濯や滅菌が行いにくくなる可能性がある。また、洗濯や滅菌を経て、何度もマスクを使用しているうちに、ゴムの弛緩等、それらの部材に劣化が生じ、耳掛け部の長さを可変とし、使用者の顔面にマスクを密着させるという機能を十分に果たせなくなる可能性がある。
本考案が解決しようとする課題は、ゴム紐等の伸縮性を有する材料や、特殊な部材を用いなくても、耳掛け部の長さを変更することができるマスクを提供することにある。
上記課題を解決するために、本考案にかかるマスクは、布材よりなり、使用者の顔面の一部を被覆可能な本体部と、前記本体部に、相互に幅方向に離間して取り付けられ、前記使用者の耳に掛けて前記本体部を前記使用者の顔面に保持することができる1対の耳掛け部と、を有し、それぞれの前記耳掛け部は、前記本体部の上下方向に離間した位置からそれぞれ延出した、布材よりなる紐状部材として、第一延出部と、第二延出部と、を有し、前記第一延出部は、中途部に、前記第一延出部自体を結んで形成された環状部を有し、前記第二延出部は、長手方向に沿って運動可能に、前記第一延出部の前記環状部に挿通されているとともに、前記第二延出部自体を結んで構成され、先端部を前記環状部に対して抜け止めする抜け止め部を有する。
ここで、前記第一延出部と、前記第二延出部は、基端が相互につながった1本の布材よりなる耳掛け紐として構成されており、前記耳掛け紐は、長手方向に沿って運動可能に、前記本体部に取り付けられているとよい。引き解け止め結びにより、前記第二延出部を挿通した状態で、前記第一延出部に前記環状部が形成されているとよい。
前記マスクは、ワイヤを備えないものであるとよい。前記本体部および前記耳掛け部は、全体が綿の織布よりなり、前記マスク全体が、縫製のみによって成形されているとよい。
前記本体部において、前記使用者の顔面側に配置される面を内側面とし、反対側の面を外側面として、前記本体部は、上端部に、幅方向に沿って、構成材料の布材を前記外側面から前記内側面に折り返した、上端折り返し部を有するとよい。この場合に、前記第一延出部と、前記第二延出部は、基端が相互につながった1本の布材よりなる耳掛け紐として構成されており、前記本体部を構成する布材は、前記上端折り返し部となる折り曲げ構造を幅方向全域に形成されたうえで、幅方向両側の端部が、前記耳掛け紐を挟み込んで折り返され、前記耳掛け紐を長手方向に運動可能に保持した状態で、縫い止められているとよい。さらにこの場合、前記本体部は、幅方向に沿って折り曲げられた襞折り部を有し、前記本体部を構成する布材は、前記上端折り返し部となる折り曲げ構造とともに、前記襞折り部となる折り曲げ構造を幅方向全域に形成されたうえで、幅方向両側の端部が、前記耳掛け紐を挟み込んで折り返され、前記耳掛け紐を長手方向に運動可能に保持した状態で、縫い止められているとよい。
上記考案にかかるマスクにおいては、耳掛け部が、第一延出部と第二延出部の2つの紐状部材より構成されている。第一延出部に形成された環状部に、第二延出部を挿通することで、耳に掛けることができる輪状構造が形成される。第一延出部の環状部に挿通した第二延出部が、抜け止めされた状態で、長手方向に運動することができるので、その運動を利用して、耳掛け部の長さを調節することができる。よって、ゴム紐等の伸縮性のある材料や、特殊な調節部材を用いなくても、任意の布材を用いて、長さを変更可能な耳掛け部を有するマスクを製造することができる。
マスクの需要の急増により、特定の原料が不足することがあっても、上記マスクは、本体部と合わせて、耳掛け部も、入手可能な任意の布材を用いて、製造することができるので、需要の急増にも対応して、製造しやすい。本体部、耳掛け部とも、布材より製造されることで、小規模な製造業者や異業種の製造業者等、マスク用の特別な製造設備を持たない者であっても、多様な製造業者が、マスクの製造を容易に開始することができ、その点でも、需要の急増への対応が容易になる。また、本体部および耳掛け部とも、布材より構成されることで、洗濯や滅菌を経た繰り返しの使用に対しても、高い耐用性を有するマスクとなる。
ここで、第一延出部と、第二延出部が、基端が相互につながった1本の布材よりなる耳掛け紐として構成されており、耳掛け紐が、長手方向に沿って運動可能に、本体部に取り付けられている場合には、第一延出部と第二延出部より構成される耳掛け部を、1本の紐状の布材から、簡便に形成することができる。また、その紐状の布材が、長手方向に運動可能となっていることで、使用者の好み等に合わせて、第一延出部に形成された環状部や、その環状部に挿通した第二延出部の余長部の位置を、自在に変更して使用することができる。
引き解け止め結びにより、第二延出部を挿通した状態で、第一延出部に環状部が形成されている場合には、第一延出部の中途部に環状部が形成され、その環状部に、第二延出部が、長手方向に運動可能に挿通された状態を、簡便に形成することができる。また、通常のマスク装着時には、第二延出部を、容易には運動しない状態に維持しやすくなる。
マスクが、ワイヤを備えないものである場合には、マスクを製造するために、ワイヤを調達する必要がないので、急激な需要の増大にも対応しやすくなる。多様な製造業者によるマスクの製造への対応も、行いやすくなる。また、金属をはじめとして、ワイヤを構成する布材以外の材料が、マスクに含まれないことにより、マスクの洗濯や滅菌を行いやすくなる。特に、オートクレーブ等による高温での滅菌を行いやすくなる。本マスクは、耳掛け部の長さを、自在に調節することができるので、鼻当て用のワイヤを備えていなくても、多様な使用者が、顔面に密着させて装着できる。
本体部および耳掛け部が、全体が綿の織布よりなり、マスク全体が、縫製のみによって成形されている場合には、医療機関等で、洗濯や滅菌を繰り返しても、衛生的な状態で、また丈夫な状態で、使用を継続することができる。また、多様な製造業者によるマスクの製造も、行いやすくなる。
本体部において、使用者の顔面側に配置される面を内側面とし、反対側の面を外側面として、本体部が、上端部に、幅方向に沿って、構成材料の布材を外側面から内側面に折り返した、上端折り返し部を有する場合には、上端折り返し部を使用者の鼻に掛けて、マスクを装着することで、耳掛け部の長さの調節と合わせて、使用者の顔面に密着して、鼻および口を覆うことが、容易となる。この上端折り返し部は、本体部を構成する布材を折り返すことにより、簡便に形成することができる。
この場合に、第一延出部と、第二延出部が、基端が相互につながった1本の布材よりなる耳掛け紐として構成されており、本体部を構成する布材が、上端折り返し部となる折り曲げ構造を幅方向全域に形成されたうえで、幅方向両側の端部が、耳掛け紐を挟み込んで折り返され、耳掛け紐を長手方向に運動可能に保持した状態で、縫い止められている形態によれば、布材を所定の箇所で折り曲げたうえで、幅方向両端部に耳掛け紐を挟み込み、縫い止めるだけで、マスクを製造することができる。立体的な裁断や縫製等の高度な工程も必要がなく、特別な設備を有さない製造業者であっても、マスクの製造を簡便に行うことができる。
さらにこの場合、本体部が、幅方向に沿って折り曲げられた襞折り部を有し、本体部を構成する布材が、上端折り返し部となる折り曲げ構造とともに、襞折り部となる折り曲げ構造を幅方向全域に形成されたうえで、幅方向両側の端部が、耳掛け紐を挟み込んで折り返され、耳掛け紐を長手方向に運動可能に保持した状態で、縫い止められている形態によれば、本体部に襞折り部を設けることで、使用者が、本体部を顔面に密着させ、かつ余裕をもって、鼻や口を覆いやすくなる。布材を所定の箇所で折り曲げるだけで、上端折り返し部と合わせて、襞折り部も形成できるので、上記のように、マスクの製造を簡便に行うことができる。
本考案の一実施形態にかかるマスクの外側面を平面的に示す写真である。 上記マスクの内側面を平面的に示す写真である。 上記マスクを立体的に広げ、外側面から見た状態を示す写真である。 上記マスクを立体的に広げ、内側面から斜めに見た状態を示す写真である。 上記マスクの耳掛け部を拡大して示す写真であり、耳掛け部を長くした調節状態を示している。 上記マスクの耳掛け部を拡大して示す写真であり、耳掛け部を短くした調節状態を示している。 上記耳掛け部の引き解け止め結びを緩めた状態を示す写真である。
以下、本考案の一実施形態にかかるマスクについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
[マスクの全体構造]
図1〜4に示すように、本考案の一実施形態にかかるマスク1は、本体部10と、1対の耳掛け部20とを有する。本体部10は、鼻と口を含む部位等、使用者の顔面の一部を被覆することができる。1対の耳掛け部20は、相互に幅方向に離間して、本体部10に取り付けられており、使用者の耳に掛けることで、所定の部位を覆った状態で、本体部10を使用者の顔面に保持することができる。本マスク1は、本体部10、耳掛け部20とも、布材より構成されている。
本明細書において、使用者がマスク1を装着した際に、使用者の顔面側に配置される方向を内側とし、その反対の方向を外側とする。また、上下の方向および幅方向を、使用者が装着した際に、それぞれ上下および左右に配置される方向として定義しており、各図面は、それらの方向に従う。また、山折り、谷折り等、加工の方向については、外側面から見た状態を基準として記述する。
本体部10および耳掛け部20を構成する布材の種類は、特に限定されるものではないが、伸縮性を有さないものであることが好ましい。ここで、伸縮性を有さないとは、布材を引張った際に、破断に至るまでの伸びが、おおむね5%以下、さらに好ましくは1%以下である形態を指すものとする。また、布材は、織布であっても不織布であっても、また編布であってもよいが、織布であることが好ましい。特に、綿を主材料とする織布、中でも、実質的に綿100%で構成された綿布であることが好ましい。織布の織り構造も、特に限定されるものではないが、平織り等、丈夫で簡素な織構造であることが好ましい。ガーゼのように、粗い織構造のものを採用する必要はない。本体部10を構成する布材と、耳掛け部20を構成する布材は、同じものであっても、異なるものであってもよい。装着の快適性の観点からは、耳掛け部20の方が、柔らかい布材より構成されるとよい。
本体部10は、長方形の形状を有しており、適宜、布材が2枚重ねとなっている。本体部10は、それぞれ布材を幅方向に沿って折り曲げた構造として、上端折り返し部11、および複数の襞折り部12を有している。上端折り返し部11は、本体部10を構成する布材が、上端部にて、外側面10aから内側面10bへと折り返された構造となっている。襞折り部12は、本体部10を構成する布材が、上下方向の複数の箇所で、襞折りされた構造として形成されている。襞折り部12の位置および数は特に限定されるものではないが、図示した形態では、上方から、谷折り→山折り→山折り→谷折りの順に布材が折り曲げられて襞折り部12が形成されており、図3,4に示すように、使用者の口の位置に相当する上下方向中央付近を、前方にせり出させるようにして、本体部10の面を立体的に広げることができる。
本体部10の幅方向両端部は、それぞれ、端縁を幅方向内側に折り返され、側方折り返し部13とされている。その側方折り返し部13は、縫い目31により、本体部10の面に縫い止められている。側方折り返し部13は、幅方向に沿って全域に形成された上端折り返し部11および襞折り部12の折り曲げ構造を保った状態で、形成され、本体部10の面に縫い止められている(図5,6参照)。側方折り返し部13は、本体部10の外側面10aに向かって折り返されていても、内側面10bに向かって折り返されていてもよいが、図に示した形態では、外側面10aに向かって折り返されている。
側方折り返し部13を縫い止める縫い目31は、本体部10の幅方向端縁となる布材の折り目14から、幅方向内側に入った位置に、上下方向に沿って形成されており、幅方向には形成されていない。これにより、折り目14と縫い目31の間の空間が、上下の端部が開放された筒状構造として形成されている。この筒状空間に、耳掛け部20を構成する耳掛け紐20aが上下方向に沿って挿通されており、耳掛け紐20aが、筒状空間の中で長手方向に沿って運動可能(摺動可能)に保持されている。本体部10を構成する布材を折り返して側方折り返し部13を形成する際に、耳掛け紐20aを挟み込んで折り返しを行い、耳掛け紐20aに縫い目31が掛からないように、側方折り返し部13の縫い止めを行うことで、容易に、耳掛け紐20aを、長手方向に運動可能な状態で、本体部10に取り付けることができる。
本実施形態にかかるマスク1は、縫製のみにより、全体が、マスクとしての形状に成形されている。よって、マスク1は、それぞれ布材よりなる本体部10と耳掛け部20の他は、糸のみなっている。糸は、本体部10を構成する布材を2枚重ねに縫い合わせている箇所や、側方折り返し部13を縫い止めている箇所、識別のために任意に刺繍を施す箇所等に用いられる。マスク1の構成材料として、金属や樹脂等よりなるワイヤをはじめ、布材と糸以外の材料は、用いられていない。
[耳掛け部の構造]
本実施形態にかかるマスク1においては、本体部10のみならず、耳掛け部20も、布材で構成されている。つまり、1対の耳掛け部20のそれぞれを構成する耳掛け紐20aが、紐状にした布材より構成されている。図5,6に、耳掛け部20の構成を拡大して示す。なお、紐状の布材としては、例えば、布テープとして市販されているものを利用するか、任意の布材を細長く裁断し、適宜端の始末を行うことで、準備することができる。
耳掛け紐20aは、輪状に固定されたものではなく、端末が開放された2本の紐状の延出部21,22から構成されている。具体的には、本体部10の幅方向端部から、第一延出部21と第二延出部22が延出している。第一延出部21と第二延出部22の延出位置は、上下方向に沿って相互に離間している。第一延出部21と第二延出部22は、それぞれ独立した紐状部材として構成されてもよいが、ここで扱っている形態では、第一延出部21と第二延出部22は、基端が相互につながっており、側方折り返し部13の筒状構造に挿通された1本の耳掛け紐20aの一方端側と他方端側の延出部として、第一延出部21と第二延出部22が構成されている。第一延出部21と第二延出部22の上下の位置関係は、特に限定されるものではないが、使用の利便性等の観点から、ここでは、第一延出部21が下方に、第二延出部22が上方に配置された形態としている。
第一延出部21は、中途部に、環状部23を有している。環状部23は、第一延出部21が、第二延出部22を挿通可能な環状構造を形成しているものであり、他の部材を用いず、第一延出部21を構成する布材自体を結んで(絡ませて)、環状構造を形成している。第一延出部21の環状部23には、第二延出部22が挿通されている。挿通方向は、本体部10に第二延出部22が設けられた箇所から、第一延出部21が設けられた箇所へと向かう方向に沿っており、ここでは、上方から下方に向かって挿通されている。第二延出部22には、第一延出部21の環状部23に挿通された位置よりも先端側に、抜け止め部24が、第二延出部22自体を結んだ結び目として形成されている。抜け止め部24により、第二延出部22の先端が、環状部23から脱出できないようになっている。抜け止め部24は、片結び等、解けにくい結び方で形成されている。
第二延出部22は、第一延出部21の環状部23に挿通された状態で、長手方向に、運動可能(摺動可能)となっている。ただし、環状部23内での第二延出部22の運動は、第二延出部22を構成する布材に、長手方向に沿って進退させる力を掛けた際には、スムーズに起こせるが、そのような力を掛けていない通常のマスク1の装着時には、容易には起こらないことが好ましい。そのように、適切な力を印加することにより、第二延出部22の長手方向に沿った運動を可能とする環状部23の構造としては、紐結びを利用したものを挙げることができる。第二延出部22は、まっすぐに保持して、第一延出部21に対して結びつける(絡みつける)ことがないようにする一方、第一延出部21を、その第二延出部22の外周に結びつければ(絡みつければ)よい。そのような紐結びの具体例として、引き解け止め結びを例示することができる。図7に、引き解け止め結びを、緩めた状態で示す。
以上のように、本実施形態にかかるマスク1においては、第二延出部22を第一延出部21の環状部23に挿通することで、輪状の耳掛け部20が構成されている。第二延出部22を、環状部23の中で、長手方向に運動させることで、耳掛け部20の長さを調節することができる。図5のように、環状部23から突出した第二延出部22の余長部25の長さを短くすることで、耳掛け部20を長くすることができる。一方、図6のように、余長部25を長くすることで、耳掛け部20を短くすることができる。耳掛け部20の長さの調節は、手指等で環状部23を押さえ、環状部23のいずれか一方側において、第二延出部22を引張ることで、行うことができる。調節に際し、環状部23を構成する紐結び構造を緩める必要はない。
[マスクの使用方法]
本実施形態にかかるマスク1の使用方法の一例について説明する。本体部10を、使用者の鼻から口にわたる部位等、被覆したい部位にあてがい、第一延出部21と第二延出部22から構成される耳掛け部20の輪状構造を、両方の耳にそれぞれ掛ける。この際、第一延出部21の環状部23に挿通された第二延出部22を、長手方向に沿って移動させることで、耳掛け部20の長さを調節すればよい。調節は、耳掛け部20を耳に掛けてから、そのままの状態で行っても、あらかじめ調節を行ってから、耳に掛けてもよい。耳掛け部20の長さは、使用者の体格、あるいは顔面への本体部10の密着感における好みや、耳に対する耳掛け部20の締め付け感における好み等に応じて、自在に選択することができる。使用者が、耳掛け部20の長さを一旦調節した後、長さを強固に固定したい場合には、第一延出部21と第二延出部22の間を、例えば、真結び等の緩みにくい結び方で結んでおけばよい。
第一延出部21および第二延出部22を構成する耳掛け紐20aは、側方折り返し部13の筒状空間に挿通され、本体部10に対して、長手方向に運動可能となっているので、第一延出部21と第二延出部22で構成された輪状構造を、本体部10に対して、上下方向に回転させるようにして、動かすことができる。これにより、第一延出部21の環状部23が配置される位置や、第二延出部22の余長部25が垂下する位置を、変更することができる。使用者が、自身の好み等に応じて、それらの位置を変更すればよい。例えば、各使用者が、環状部23や余長部25の接触を不快に感じる位置や、邪魔に感じる位置を避けて、環状部23や余長部25を配置できるように、耳掛け紐20aを上下に運動させて、調節を行えばよい。
本実施形態における耳掛け部20は、ゴム紐等、伸縮性を有する材料を用いなくても、長さを変更できるものとなっている。また、長さの変更を行うための機構が、布製の紐状部材として構成された、第一延出部21および第二延出部22それ自体によって形成されており、長さ調節に特化した調節部材を別途備えるものではない。このように、ありふれた材料と簡素な構造で、耳掛け部20の長さを変更し、長さの調節を行えるものとなっている。なお、耳掛け部20を構成する耳掛け紐20aが、伸縮性を有する布材より構成される形態を妨げるものではないが、長さ調節の行いやすさや、耐用性等の観点から、伸縮性を有さない布材より構成されることが好ましい。
図4等に示されるように、マスク1は、本体部10の上端部に、上端折り返し部11を有しており、この上端折り返し部11を、鼻に掛けて装着することが、本体部10を顔面に密着させるうえで、好ましい。上端折り返し部11は、幅方向両側が縫い目31によって閉じられており、下方のみが開放された袋形状となっているため、鼻に掛けた状態を安定に維持しやすい。また、本体部10の襞折り部12を適宜立体的に広げて装着することで、本体部10で、鼻から顎先またはその近傍に至る広い領域を、被覆することができる。この際、本体部10の外周部を顔に十分に密着させながらも、使用者に不快感を与えないだけの余裕を、本体部10と顔面の間に確保することができる。襞折り部12は、マスク1の内側面10bに、フィルタや当て布等を増設する場合に、それらの部材を挟んで保持するのにも利用することできる。
本実施形態にかかるマスク1は、本体部10および耳掛け部20が、綿布等の織布より構成されていることにより、洗濯や滅菌を経て、何度も再利用することができる。綿布等の織布は、丈夫であり、通常は伸縮性を有さないので、洗濯や滅菌を何度も経ても、素材の劣化や損傷が起こりにくい。ゴム等、伸縮性を有する素材が用いられたマスクの場合は、洗濯や滅菌に適しておらず、また、繰り返して洗濯や滅菌、使用を行っているうちに、伸縮性素材が弛緩等の劣化を起こす可能性がある。また、本実施形態にかかるマスク1は、金属製のワイヤ等、オートクレーブ等を用いた高温の滅菌への対応が難しい素材を含まない点でも、繰り返し使用に適している。
[マスクの需要増大時の対応]
新型の感染症が爆発的に流行した際等、全国的、さらには世界的に、マスクの需要が急激に高まり、マスクを製造するための素材が、不足することがある。すると、必要な数量のマスクが市場や医療機関に供給されなくなる。例えば、マスクの耳掛け部をゴム紐より形成するとすれば、ゴム紐の供給が滞ることにより、マスクの製造を停止せざるを得ない場合がある。
しかし、本実施形態にかかるマスク1においては、耳掛け部20を、ゴム紐等、特定の材料ではなく、任意の布材で作製し、長さ調節機能を持たせることができる。新規な感染症の拡大を防止するためには、マスク1を顔面に密着させて、適切に装着することが重要となるが、耳掛け部20に長さ調節機能を持たせることで、様々な体格の使用者が、本体部10を顔面に密着させて、適切にマスク1を装着することが可能となる。また、本実施形態にかかるマスク1は、耳掛け部20だけでなく、本体部10も、汎用的な綿布等、任意の布材で構成することができる。汎用的な綿布では、ウイルスや細菌そのものの透過は可能であるとしても、飛沫の飛散は十分に抑制することができる。多くの感染症の拡大抑制には、飛沫の飛散を抑制することが、高い効果を有する。
さらに、本実施形態にかかるマスク1においては、耳掛け部20の長さ調節機能を利用することにより、また、上端折り返し部11を鼻に掛けて装着することにより、マスク1に鼻当て用のワイヤを設けなくても、使用者の顔面に本体部10を十分に密着させた状態で、装着することができる。このように、本実施形態にかかるマスク1は、耳掛け用のゴム紐、本体部用の不織布やガーゼ、鼻当てワイヤ用の針金等の素材が入手できない場合でも、その時々に利用可能な任意の布材を利用して、全体を製造することができる。よって、急に多量のマスクが必要になった際でも、材料の不足の影響をあまり受けずに、医療機関や市場にマスクを供給することが可能となる。
また、マスクの需要が急激に高まった際には、マスクの供給不足を補うために、医療機関等において、洗濯および滅菌を行って、同じマスクを再利用したいという要望も生じる。上記のように、本実施形態にかかるマスク1は、全体が布材より構成されており、複数回の洗濯や滅菌、使用を経ても、伸縮性部材の弛緩をはじめとする劣化を起こしにくい。よって、洗濯および滅菌を経て、丈夫で衛生的な状態で、何度もマスク1を再利用することができる。滅菌は、病院等に備えられるオートクレーブの他、家庭のアイロンや煮沸等でも行うことができる。
さらに、本実施形態にかかるマスク1は、簡単に製造することができる。具体的には、本体部10を構成する布材を所定の大きさに裁断し、適宜2つ折りにすることで2枚重ねにしたうえで、上端折り返し部11および襞折り部12となる折り曲げ構造を所定の位置に形成すればよい。そして、耳掛け紐20aを挟み込んで幅方向両端部を折り返して、側方折り返し部13を形成し、その側方折り返し部13を本体部10の面に縫い止めればよい。その後、耳掛け紐20aの両端部の間で、引き解け結び等を行うことで、第一延出部21の環状部23に第二延出部22が挿通された状態を形成するとともに、第二延出部22の先端側を結んで抜け止め部24を形成して、長さ調節機能を備えた耳掛け部20を作製することができる。つまり、紐結び以外は、縫製のみで、布材をマスクの形状に成形することができる。その縫製も、本体部10となる布材を、適宜2つ折りにして縫い合わせる工程と、所定の位置で折り曲げた長方形の布材の端部を直線的に縫い止める工程のみであり、立体的な裁断や縫製等、高度な工程を含まないので、縫製に熟練した作業者でなくても、簡単に製造することができる。また、マスク専門の製造設備を有する製造業者でなくても、一般的なミシン等を保有していれば、製造することができるので、小規模な製造業者や、マスク以外の異業種の製造業者であっても、さらには、家庭での作業によっても、容易に、また特別な設備投資を要さずに、マスク1の製造に着手することができる。
このように、多様な製造業者や個人が、入手可能な布材を利用して、また簡単な作業で、マスク1を製造できるようになることで、マスクの不足の解消を促進することができる。本体部10となる布材の大きさや、折り曲げを行う位置等を示した共通の型紙を、インターネット等を通じて容易に入手できるようにしておけば、統一の規格でのマスク1の大量生産にも、対応しやすくなる。さらには、特別な設備や技術を要さずにマスク1を製造できることで、感染症の爆発的な拡大により、業績が悪化した企業や、職を失った労働者が、マスク1の製造に従事できる可能性も考えられ、感染症の拡大に伴う経済的問題の緩和の一助となる可能性もある。
以上、本考案の実施形態について説明した。本考案は、これらの実施形態に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。
1 マスク
10 本体部
10a 外側面
10b 内側面
11 上端折り返し部
12 襞折り部
13 側方折り返し部
14 折り目
20 耳掛け部
20a 耳掛け紐
21 第一延出部
22 第二延出部
23 環状部
24 抜け止め部
25 余長部
31 縫い目

Claims (8)

  1. 布材よりなり、使用者の顔面の一部を被覆可能な本体部と、
    前記本体部に、相互に幅方向に離間して取り付けられ、前記使用者の耳に掛けて前記本体部を前記使用者の顔面に保持することができる1対の耳掛け部と、を有し、
    それぞれの前記耳掛け部は、前記本体部の上下方向に離間した位置からそれぞれ延出した、布材よりなる紐状部材として、第一延出部と、第二延出部と、を有し、
    前記第一延出部は、中途部に、前記第一延出部自体を結んで形成された環状部を有し、
    前記第二延出部は、長手方向に沿って運動可能に、前記第一延出部の前記環状部に挿通されているとともに、前記第二延出部自体を結んで構成され、先端部を前記環状部に対して抜け止めする抜け止め部を有し、
    前記本体部において、前記使用者の顔面側に配置される面を内側面とし、反対側の面を外側面として、
    前記本体部は、上端部に、幅方向に沿って、構成材料の布材を前記外側面から前記内側面に折り返した、上端折り返し部を有し、前記上端折り返し部を前記使用者の鼻にかけて使用する、マスク。
  2. 前記第一延出部と、前記第二延出部は、基端が相互につながった1本の布材よりなる耳掛け紐として構成されており、
    前記耳掛け紐は、長手方向に沿って運動可能に、前記本体部に取り付けられている、請求項1に記載のマスク。
  3. 引き解け止め結びにより、前記第二延出部を挿通した状態で、前記第一延出部に前記環状部が形成されている、請求項1または請求項2に記載のマスク。
  4. ワイヤを備えない、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマスク。
  5. 前記本体部および前記耳掛け部は、全体が綿の織布よりなり、
    前記マスク全体が、縫製のみによって成形されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマスク。
  6. 前記第一延出部と、前記第二延出部は、基端が相互につながった1本の布材よりなる耳掛け紐として構成されており、
    前記本体部を構成する布材は、
    前記上端折り返し部となる折り曲げ構造を幅方向全域に形成されたうえで、
    幅方向両側の端部が、前記耳掛け紐を挟み込んで折り返され、前記耳掛け紐を長手方向に運動可能に保持した状態で、縫い止められている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマスク。
  7. 前記本体部は、幅方向に沿って折り曲げられた襞折り部を有し、
    前記本体部を構成する布材は、前記上端折り返し部となる折り曲げ構造とともに、前記襞折り部となる折り曲げ構造を幅方向全域に形成されたうえで、
    幅方向両側の端部が、前記耳掛け紐を挟み込んで折り返され、前記耳掛け紐を長手方向に運動可能に保持した状態で、縫い止められており、
    前記上端折り返し部は下方のみが開放された袋状となっている、請求項6に記載のマスク。
  8. 前記第一延出部が下方に、前記第二延出部が上方に配置されており、
    前記第二延出部は、前記第一延出部の前記環状部に、上方から下方に向かって挿通されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のマスク。
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