JP6885134B2 - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
電気光学装置として画素ごとに有機エレクトロルミネッセンス(Electro−Luminescence)素子を備えた有機EL装置が知られている。有機EL素子は、LED(Light Emitting Diode)に比べて小型化、薄型化が可能であることから、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)や電子ビューファインダー(EVF)などのマイクロディスプレイへの応用が注目されている。このようなマイクロディスプレイにおいてカラー表示を実現する手段として、白色発光が得られる有機EL素子とカラーフィルターとを組み合わせる構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の有機EL装置では、基板上に配置された複数の有機EL素子を覆って封止層が形成され、封止層上に赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層で構成されたカラーフィルターがフォトリソグラフィ法を用いて形成される。カラーフィルターを構成する各着色層は、封止層上における高さが着色層よりも低い凸部で区分されている。したがって、隣り合う着色層同士の縁部が互いに接したり、一方の縁部が他方の縁部に重なり合ったりしている。
特開2014−089804号公報
画素サイズが小さいマイクロディスプレイとしての有機EL装置において良好な視角特性を得るためには、カラーフィルターを構成する着色層を各有機EL素子に対して高精度に形成することが求められる。したがって、カラーフィルターの製造プロセスにおいては、各着色層の管理特性(例えば、寸法や位置など)の制御を精度良く行うことが望ましい。しかしながら、上記特許文献1に示されているように、隣り合う着色層同士の縁部が互いに接したり、一方の縁部が他方の縁部に重なり合うように形成される場合、各着色層の寸法や位置などを正確に測定することが困難であるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る電気光学装置は、基板と、前記基板上の第1領域に画素ごとに配置された有機EL素子と、前記第1領域に設けられ、前記有機EL素子を覆う封止部と、前記封止部上に設けられたカラーフィルターと、前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンと、前記基板の端部と前記封止部との間に配置された台座部と、を備え、前記評価用パターンは前記台座部上に配置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、評価用パターンの寸法、位置などを測定すれば、カラーフィルターを構成する着色層の寸法、位置などの管理特性に係る情報を入手することができる。また、評価用パターンは基板において台座部上に配置されていることから、台座部上に配置しない場合に比べて、封止部上に設けられるカラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を適切に入手できる。さらに、台座部は基板の端部と封止部との間に配置されていることから、カラーフィルターと同様に封止部上に評価用パターンを設ける場合に比べて、有機EL素子からの発光が評価用パターンを透過して、第1領域における表示に係る発光に影響を及ぼし難い。すなわち、画素の有機EL素子に対して着色層が適正かつ高精度に配置されているか否かを製造プロセスにて評価用パターンを用いて評価し管理することが可能であることから、視角特性などの表示特性を良好な状態に実現可能な電気光学装置を提供できる。特に、封止部上において隣り合う着色層が重なっていない場合に比べて、隣り合う着色層同士の縁部が互いに接したり、一方の縁部が他方の縁部に重なり合うようにカラーフィルターが形成されている場合に、評価用パターンによってカラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を適切に入手できることは有効である。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記基板上における前記台座部の高さは前記封止部の高さと略同一であることが好ましい。
この構成によれば、封止部上に設けられるカラーフィルターと同じ条件で評価用パターンを設けることができることから、カラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を精度よく入手できる。なお、略同一であるとは、封止部の高さを基準として台座部の高さが製造プロセスにおける形成精度のばらつきの範囲内であって、例えば90%〜110%の範囲内にあることを言う。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記封止部は、有機封止層と、前記有機封止層を挟む無機封止層とからなり、前記台座部は前記封止部と同じ層構成であることが好ましい。
この構成によれば、気体や液体が透過し難い無機封止層と、平坦化し易い有機封止層とにより封止部を構成することで、水分や酸素などの影響を受けて失活し易い有機EL素子を封止部で保護すると共に、カラーフィルターが設けられる封止部を平坦化することができる。さらに、台座部を封止部と同じ層構成とすることで、封止部上のカラーフィルターの着色層及び台座部上の評価用パターンのそれぞれにおける形状を安定化させることができる。
[適用例]本適用例に係る他の電気光学装置は、基板と、前記基板上の第1領域に画素ごとに配置された有機EL素子と、前記第1領域に設けられ、前記有機EL素子を覆う封止部と、前記封止部上に設けられたカラーフィルターと、前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンと、前記評価用パターンの上方において、前記第1領域を囲んで設けられた遮光部と、前記評価用パターンと前記遮光部との間に設けられたn層の透光性部材と、を備え、前記評価用パターンは、以下の数式(1)を満たす位置に設けられていることが好ましい。
Figure 0006885134
nは1以上の整数であり、Lpは平面視における前記遮光部の前記第1領域側の端部から前記評価用パターンの端部までの距離であり、Lnはn層の前記透光性部材のそれぞれにおける前記評価用パターン上における厚みであり、θnは前記評価用パターンの端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光が前記透光性部材のそれぞれを透過するときの当該透光性部材の法線に対する角度である。
本適用例によれば、評価用パターンの寸法、位置などを測定すれば、カラーフィルターを構成する着色層の寸法、位置などの管理特性に係る情報を入手することができる。また、評価用パターンと遮光部との間にはn層の透光性部材が配置されている。遮光部の第1領域側の端部から評価用パターンの端部までの距離が上記数式(1)を満たすことにより、有機EL素子からの発光が評価用パターンを透過し、且つn層の透光性部材を透過して第1領域における表示に係る発光に影響を及ぼすことを抑制可能である。詳しくは、評価用パターンの端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光が透光性部材のそれぞれを透過するときの当該透光性部材の法線に対する角度と当該透光性部材の厚みとによって、当該透光性部材に対する斜め光の入射位置と射出位置とが規定されるからである。すなわち、画素の有機EL素子に対して着色層が適正かつ高精度に配置されているか否かを製造プロセスにて評価用パターンを用いて評価可能であると共に、評価用パターンを設けることに伴う光漏れを抑制できる。ゆえに、視角特性などの表示特性を良好な状態に実現可能であって優れた表示品質を有する電気光学装置を提供できる。特に、封止部上において隣り合う着色層が重なっていない場合に比べて、隣り合う着色層同士の縁部が互いに接したり、一方の縁部が他方の縁部に重なり合うようにカラーフィルターが形成されている場合に、評価用パターンによってカラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を入手できることは有効である。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記基板の端部と前記封止部との間に配置された台座部、を備え、前記評価用パターンは前記台座部上に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、評価用パターンは基板において台座部上に配置されていることから、台座部上に配置しない場合に比べて、封止部上に設けられるカラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を適切に入手できる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、n層の前記透光性部材は、前記カラーフィルターと前記評価用パターンとを覆う接着層と、前記接着層に積層された対向基板とを含むことが好ましい。
この構成によれば、接着層を介して積層された対向基板によって、カラーフィルター及び評価用パターンを保護できると共に、封止部に水分や酸素などが浸入することを対向基板で防ぐことができる。言い換えれば、n層の透光性部材として、接着層と対向基板とが評価用パターンと遮光部との間に配置されていても、上記数式(1)を満たすことにより、適正な位置に評価用パターンを配置して、表示に影響を及ぼす光漏れを防ぐことができる。つまり、優れた表示品質と耐久品質とを有する電気光学装置を提供できる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記遮光部は、前記第1領域を囲むように設けられたケース部であり、前記評価用パターンと前記ケース部との間に、前記接着層と前記対向基板とが配置されているとしてもよい。
この構成によれば、接着層及び対向基板のそれぞれは、評価用パターンとケース部との間に配置されるn層の透光性部材を構成するものであり、ケース部の第1領域側の端部から評価用パターンの端部までの距離Lpが上記数式(1)を満たすことから、評価用パターンを設けることに伴う光漏れをケース部によって遮光することができる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記遮光部は、前記対向基板と前記接着層との界面、または前記対向基板の前記界面と反対側の面に設けられた遮光層であるとしてもよい。
この構成によれば、対向基板と接着層との界面に遮光部としての遮光層が設けられた場合には、接着層は透光性部材を構成するものであり、対向基板の上記界面と反対側の面に遮光部としての遮光層が設けられた場合には、接着層及び対向基板がn層の透光性部材を構成するものである。いずれの場合も、遮光層の第1領域側の端部から評価用パターンの端部までの距離Lpが上記数式(1)を満たすことから、評価用パターンを設けることに伴う光漏れを対向基板に設けられた遮光層によって遮光することができる。
また、上述した適用例に示したように遮光部をケース部とする場合に比べて、遮光部としての遮光層を評価用パターンに近づけて配置できることから、上記距離Lpの長さを短くできる。言い換えれば、光漏れを考慮したときの評価用パターンの配置可能な範囲を小さくできることから、評価用パターンを設けたとしてもより小型な電気光学装置とすることができる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記評価用パターンは、前記カラーフィルターの着色層における寸法精度を評価するための、少なくとも赤、緑、青の3色の着色パターンを含み、前記少なくとも赤、緑、青の3色の着色パターンは、互いに離間して配置されていることが好ましい。
この構成によれば、評価用パターンを構成する少なくとも赤、緑、青の3色の着色パターンは、互いに離間して配置されているので、それぞれの着色パターンの寸法、位置などを正確に測定できる。これらの着色パターンの測定結果から、カラーフィルターにおける着色層の管理特性に係る情報を入手できる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記着色パターンは、色ごとに複数のパターンを有し、前記複数のパターンは互いに離間して配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数のパターンのうちの1つが変形したり消失したりしても、他のパターンを測定することで、カラーフィルターの着色層における管理特性に係る情報を入手できる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記着色パターンの前記複数のパターンのうちの1つは他のパターンと異なる形状となっているとしてもよい。
この構成によれば、複数のパターンの中から特定のパターンを識別することや、異なるパターン同士を比較して、カラーフィルターにおいて対応する色の着色層の位置ずれなどを把握することが可能となる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記基板上に前記カラーフィルターの着色層における位置精度を評価するための位置評価用パターンを有し、前記位置評価用パターンは、少なくとも赤、緑、青の3色のそれぞれに対応して設けられていることが好ましい。
この構成によれば、位置評価用パターンによって、有機EL素子に対するカラーフィルターの着色層の位置精度に係る情報を入手することができる。また、カラーフィルターの着色層における寸法などに求められる精度と、位置に求められる精度とが異なっていた場合、要求される精度に基づいて、位置評価用パターンを構成することができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、視角特性などの表示特性を良好な状態に実現可能な電気光学装置を備えているので、表示において見栄えのよい電子機器を提供することができる。
[適用例]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、基板上の第1領域に画素ごとに有機EL素子を形成する工程と、前記第1領域に亘り前記有機EL素子を覆う封止部を形成する工程と、前記封止部上にカラーフィルターを形成する工程と、前記基板の端部と前記封止部との間に台座部を形成する工程と、を備え、前記カラーフィルターを形成する工程では、フォトリソグラフィ法により、前記カラーフィルターの着色層を形成すると共に、前記着色層の形成材料を用いて、前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンを前記台座部上に形成することを特徴とする。
本適用例によれば、着色層と同時に形成された評価用パターンの寸法、位置などを測定すれば、カラーフィルターの形成工程における着色層の寸法、位置などの管理特性に係る情報を入手することができる。また、基板において台座部上に評価用パターンを形成することから、台座部上に形成しない場合に比べて、露光時における基板上の着色層の位置と評価用パターンの位置との差を小さくできる。したがって、着色層の形成精度と、評価用パターンの形成精度との差が生じ難くなるため、カラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を適切に入手できる。さらに、台座部を基板の端部と封止部との間に形成することから、カラーフィルターと同様に封止部上に評価用パターンを形成する場合に比べて、有機EL素子からの発光が評価用パターンを透過して、第1領域における表示に係る発光に影響を及ぼし難い。すなわち、画素の有機EL素子に対して着色層が適正かつ高精度に形成されているか否かを製造プロセスにて評価用パターンを用いて評価可能であることから、視角特性などの表示特性を良好な状態に実現可能な電気光学装置を製造することができる。特に、カラーフィルターの形成工程において、封止部上で隣り合う着色層を重ならないように形成する場合に比べて、隣り合う着色層同士の縁部が互いに接したり、一方の縁部が他方の縁部に重なり合うようにカラーフィルターを形成する場合に、評価用パターンによってカラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を適切に入手できることは有効である。
[適用例]本適用例に係る他の電気光学装置の製造方法は、基板上の第1領域に画素ごとに有機EL素子を形成する工程と、前記第1領域に亘り前記有機EL素子を覆う封止部を形成する工程と、前記封止部上にカラーフィルターを形成する工程と、前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンを形成する工程と、前記評価用パターン上にn層の透光性部材を配置する工程と、前記評価用パターンの上方に、前記第1領域を囲む遮光部を配置する工程と、を備え、前記評価用パターンを、以下の数式(1)を満たす位置に形成することを特徴とする。
Figure 0006885134
nは1以上の整数であり、Lpは平面視における前記遮光部の前記第1領域側の端部から前記評価用パターンの端部までの距離であり、Lnはn層の前記透光性部材のそれぞれにおける前記評価用パターン上における厚みであり、θnは前記評価用パターンの端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光がn層の前記透光性部材のそれぞれを透過するときの当該透光性部材の法線に対する角度である。
本適用例によれば、評価用パターンの寸法、位置などを測定すれば、カラーフィルターの形成工程における着色層の寸法、位置などの管理特性に係る情報を入手することができる。また、評価用パターンと遮光部との間にはn層の透光性部材が配置される。遮光部の第1領域側の端部から評価用パターンの端部までの距離が上記数式(1)を満たすように評価用パターンが形成されることにより、有機EL素子からの発光が評価用パターンを透過し、且つn層の透光性部材を透過して第1領域における表示に係る発光に影響を及ぼすことを抑制可能である。詳しくは、評価用パターンの端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光が透光性部材のそれぞれを透過するときの当該透光性部材の法線に対する角度と当該透光性部材の厚みとによって、当該透光性部材に対する斜め光の入射位置と射出位置とが規定されるからである。すなわち、画素の有機EL素子に対して着色層が適正かつ高精度に配置されているか否かを製造プロセスにて評価用パターンを用いて評価可能であると共に、評価用パターンを形成することに伴う光漏れを抑制できる。ゆえに、視角特性などの表示特性を良好な状態に実現可能であって優れた表示品質を有する電気光学装置を製造することができる。特に、カラーフィルターの形成工程において、封止部上で隣り合う着色層を重ならないように形成する場合に比べて、隣り合う着色層同士の縁部が互いに接したり、一方の縁部が他方の縁部に重なり合うようにカラーフィルターを形成する場合に、評価用パターンによってカラーフィルターの着色層の管理特性に係る情報を入手できることは有効である。
上記適用例に記載の電気光学装置の製造方法において、前記カラーフィルターを形成する工程は、前記基板が複数面付けされるマザー基板と、前記カラーフィルターの着色層の形成材料と、少なくとも2つ以上の前記基板を同時に露光可能な露光用レチクルとを用いて、フォトリソグラフィ法により、前記マザー基板に前記着色層と前記評価用パターンとを形成し、前記露光用レチクルは、少なくとも2つの前記基板の前記評価用パターンを露光可能な露光パターンを有するとしてもよい。
この方法によれば、マザー基板に面付けされた複数の基板のすべてに評価用パターンを形成しなくてもよい。すなわち、露光用レチクルにおける評価用パターン用の露光パターンを適正に配置することで、カラーフィルターの着色層における管理特性に係る情報を入手するために測定を行う評価用パターンをマザー基板において特定することができる。言い換えれば、作業者は測定対象の評価用パターンを特定し易く、マザー基板上のすべての基板に対して測定を行わなくてもよいので作業効率が向上する。
電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す模式図。 第1実施形態に係る有機EL装置の構成を示す概略平面図。 第1実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 サブ画素における有機EL素子及びカラーフィルターの配置を示す概略平面図。 図4のA−A’線に沿ったサブ画素の構造を示す概略断面図。 素子基板における評価用パターンの配置の一例を示す概略平面図。 寸法評価用パターンにおける着色パターンの配置例を示す概略平面図。 位置評価用パターンにおける着色パターンの配置例を示す概略平面図。 図6のC−C’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図。 図6のD−D’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 マザー基板における素子基板(基材)の面付けの状態を示す概略平面図。 素子基板における評価用パターンの他の配置例を示す概略平面図。 マザー基板における評価用パターンの他の配置例を示す概略平面図。 第2実施形態の有機EL装置の構造を示す概略断面図。 第3実施形態の有機EL装置の素子基板における評価用パターンの配置例を示す概略平面図。 図16のE−E’線に沿った第3実施形態の有機EL装置の構造を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<電子機器>
まず、本実施形態の電気光学装置が表示部に適用された電子機器の一例としてヘッドマウントディスプレイ(HMD)を挙げ、図1を参照して説明する。図1は、電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す模式図である。
ヘッドマウントディスプレイ(Head Mount Display;HMD)1000は、左右の眼に対応して情報を表示するための一対の光学ユニット1001L,1001Rと、一対の光学ユニット1001L,1001Rを使用者の頭部に装着するための装着部(図示省略)と、電源部及び制御部(図示省略)などを有している。ここで、一対の光学ユニット1001L,1001Rは左右対称の構成であるため、右眼用の光学ユニット1001Rを例として説明する。
光学ユニット1001Rは、表示部100Rと、集光光学系1002と、L字状に折れ曲がった導光体1003とを備えている。導光体1003にはハーフミラー層1004が設けられている。光学ユニット1001Rにおいて、表示部100Rから射出された表示光は、集光光学系1002によって導光体1003に入射し、ハーフミラー層1004で反射して右眼に導かれる。ハーフミラー層1004に投影された表示光(映像)は虚像である。したがって、使用者は、表示部100Rによる表示(虚像)とハーフミラー層1004の先にある外界の双方を視認することができる。つまり、HMD1000は、透過型(シースルー型)の投射型表示装置である。
導光体1003はロッドレンズを組み合わせたものであって、ロッドインテグレーターを形成している。導光体1003の光の入射側に、集光光学系1002と表示部100Rとが配置され、集光光学系1002により集光された表示光を、上記ロッドレンズが受光する構成となっている。また、導光体1003のハーフミラー層1004は、集光光学系1002で集光され、ロッドレンズ内で全反射して伝達される光束を、右眼に向って反射する角度を有している。
表示部100Rは、制御部から伝送された表示信号を、文字や映像などの画像情報として表示領域に表示することができる。表示された画像情報は、集光光学系1002によって実像から虚像に変換される。本実施形態において表示部100Rには、後述する本実施形態の電気光学装置である自発光型の有機EL装置100が適用されている。表示部100Rの表示領域以外からの発光が集光光学系1002によって集光され表示に影響を及ぼさないように、表示部100Rの集光光学系1002側には、表示領域を囲むように枠状のケース部101が設けられている。
なお、上述した通り、左眼用の光学ユニット1001Lについても、後述する本実施形態の有機EL装置100が適用された表示部100Lを有し、構成及び機能は上記右眼用の光学ユニット1001Rと同じである。
本実施形態によれば、表示部100L,100Rとして自発光型の有機EL装置100が適用されているので、受光型の液晶装置を用いる場合に比べて、バックライトなどの照明装置を必要としないことから、小型で軽量であると共に、見栄えのよいシースルー型のHMD1000を提供することができる。
なお、本実施形態の有機EL装置100が適用されるHMD1000は、両眼に対応した一対の光学ユニット1001L,1001Rを備える構成に限定されず、例えば、片方の光学ユニット1001Rを備える構成であってもよい。また、シースルー型に限定されず、外光を遮光した状態で表示を視認する没入型であってもよい。
<有機EL装置>
次に、本実施形態に係る電気光学装置としての有機EL装置100について、図2から図5を参照して説明する。図2は第1実施形態に係る有機EL装置の構成を示す概略平面図、図3は第1実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図4はサブ画素における有機EL素子及びカラーフィルターの配置を示す概略平面図、図5は図4のA−A’線に沿ったサブ画素の構造を示す概略断面図である。本実施形態に係る有機EL装置100は、上述したヘッドマウントディスプレイ(HMD)の表示部に好適な自発光型のマイクロディスプレイである。
図2に示すように、本実施形態に係る有機EL装置100は、素子基板10と、対向基板40とを有している。両基板は、接着層42(図5参照)を介して対向配置され接着されている。
素子基板10は、第1領域としての表示領域E1と、表示領域E1よりも外側の周辺領域である非表示領域E2とを有している。表示領域E1には、赤色(R)光が発せられるサブ画素18Rと、緑色(G)光が発せられるサブ画素18Gと、青色(B)光が発せられるサブ画素18Bとが、例えばマトリックス状に配列されている。有機EL装置100では、サブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18B、を含む画素19が表示単位となって、フルカラーの表示が提供される。
なお、以降の説明では、サブ画素18R及びサブ画素18G並びにサブ画素18Bを総称して、サブ画素18と称する場合がある。本実施形態のサブ画素18は、本発明における画素に相当するものである。表示領域E1は、サブ画素18から表示光が発せられ、表示に寄与する領域である。表示領域E1よりも外側の非表示領域E2は上述したようにケース部101(図1参照)によって覆われている。したがって、サブ画素18から発した表示光が非表示領域E2で拡散あるいは乱反射して迷光となって射出されたとしても、該迷光はケース部101によって遮光される構成となっている。
素子基板10は、対向基板40よりも大きく、対向基板40からはみ出した素子基板10の第1辺に沿って、複数の外部接続用端子102が配列されている。複数の外部接続用端子102と表示領域E1との間には、データ線駆動回路15が設けられている。該第1辺と直交し互いに対向する他の第2辺、第3辺と表示領域E1との間には、走査線駆動回路16が設けられている。外部接続用端子102には、表示に係る制御信号や電源などを供給する外部駆動回路との接続を図るためのフレキシブル配線基板(FPC)103が実装されている。
対向基板40は、素子基板10よりも小さく、外部接続用端子102が露出されるように配置されている。対向基板40は、光透過性の基板であり、例えば石英基板やガラス基板などを使用することができる。対向基板40は、表示領域E1において、サブ画素18に配置された後述する有機EL素子30が損傷しないように保護する役割を有し、少なくとも表示領域E1に対向するように配置される。本実施形態の有機EL装置100には、サブ画素18から発する光を対向基板40側から取り出す、トップエミッション方式が採用されている。
以降の説明では、外部接続用端子102が配列された上記第1辺に沿った方向をX方向とし、該第1辺と直交し互いに対向する他の2辺(第2辺、第3辺)に沿った方向をY方向とする。素子基板10から対向基板40に向かう方向をZ方向とする。また、Z方向に沿って対向基板40側から見ることを「平面視」と言う。
本実施形態では、表示領域E1において、同色の発光が得られるサブ画素18が行方向(X方向)に配列され、異なる色の発光が得られるサブ画素18が列方向(Y方向)に配列される、所謂、横ストライプ方式のサブ画素18の配置が採用されている。サブ画素18には、有機EL素子30とカラーフィルター36(図4または図5参照)とが配置されている。有機EL素子30及びカラーフィルター36の詳しい構成については後述する。
なお、図2では、表示領域E1におけるサブ画素18R,18G,18Bの配置を視認できるように模式的に示しているが、サブ画素18の配置は、列方向(Y方向)においてR、G、Bの順であることに限定されない。例えば、B、G、Rの順であってもよい。また、サブ画素18の配置は、横または縦のストライプ方式であることに限定されず、デルタ方式、モザイク方式、ペンタイル方式、ベイヤー方式、Sストライプ方式であってもよく、サブ画素18R,18G,18Bの形状や大きさは同じであることに限定されない。例えば、視感度に応じて、サブ画素18R,18Gに対してサブ画素18Bの大きさを大きくして、輝度バランスを図る構成としてもよい。
[有機EL装置の電気的な構成]
図3に示すように、有機EL装置100は、互いに交差する走査線12及びデータ線13と、電源線14とを有している。走査線12は走査線駆動回路16に電気的に接続され、データ線13はデータ線駆動回路15に電気的に接続されている。また、走査線12とデータ線13とで区画された領域にサブ画素18が設けられている。
サブ画素18は、有機EL素子30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路20とを有している。以降、サブ画素18Rに配置された有機EL素子30を有機EL素子30Rと呼び、サブ画素18Gに配置された有機EL素子30を有機EL素子30Gと呼び、サブ画素18Bに配置された有機EL素子30を有機EL素子30Bと呼ぶ。
有機EL素子30は、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とで構成される。画素電極31は、発光機能層に32に正孔を注入する陽極として機能する。対向電極33は、発光機能層32に電子を注入する陰極として機能する。発光機能層32では、注入された正孔と電子とにより、励起子(エキシトン;正孔と電子とがクーロン力にて互いに束縛された状態)が形成され、励起子(エキシトン)が消滅する際(正孔と電子とが再結合する際)にエネルギーの一部が蛍光や燐光となって放出される。本実施形態では、発光機能層32から白色発光が得られるように、発光機能層32が構成されている。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23と、を含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型トランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは、走査線12に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター21のソースは、データ線13に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター21のドレインは、駆動用トランジスター23のゲートに電気的に接続されている。
駆動用トランジスター23のドレインは、有機EL素子30の画素電極31に電気的に接続されている。駆動用トランジスター23のソースは、電源線14に電気的に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間には、蓄積容量22が電気的に接続されている。
走査線駆動回路16から供給される制御信号により走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン(ON)状態になると、データ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ(ON・OFF)状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン(ON)状態になると、駆動用トランジスター23を介して、電源線14から有機EL素子30にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子30は、発光機能層32に流れる電流量に応じた輝度で発光する。
なお、画素回路20の構成は、2つのトランジスター21,23を有することに限定されず、例えば、有機EL素子30に流れる電流を制御するためのトランジスターをさらに備えていてもよい。
[画素電極及びカラーフィルターの配置]
次に、図4を参照して、サブ画素18における有機EL素子30の画素電極31及びカラーフィルター36の配置について説明する。
図4に示すように、X方向とY方向とにマトリックス状に配置された複数のサブ画素18には、それぞれ有機EL素子30の画素電極31が配置されている。具体的には、X方向に並ぶ、サブ画素18Rには有機EL素子30Rの画素電極31Rが配置され、サブ画素18Gには有機EL素子30Gの画素電極31Gが配置され、サブ画素18Bには有機EL素子30Bの画素電極31Bが配置されている。Y方向に配列した異なる色の3つのサブ画素18R,18G,18Bを1つの画素19として表示がなされる構成になっている。3つのサブ画素18R,18G,18Bを含む画素19の外形はほぼ正方形である。
画素電極31(31R,31G,31B)のそれぞれは、平面視で略矩形状であり、長手方向がX方向に沿って配置されている。X方向及びY方向における画素19の配置ピッチは、例えば10μm以下である。したがって、各サブ画素18R,18G,18BのY方向における幅は3μm〜4μm程度以下となる。
各画素電極31R,31G,31Bの外縁を覆って絶縁膜28が形成されている。絶縁膜28には、画素電極31R,31G,31B上に、平面視で略矩形状の開口部28KR,28KG,28KBが形成されている。開口部28KR,28KG,28KB内において、画素電極31R,31G,31Bのそれぞれが露出している。なお、開口部28KR,28KG,28KBの形状は略矩形状であることに限定されず、例えば短辺側が円弧状であるトラック状でもよい。サブ画素18Rに対して開口部28KRは、X方向にオフセットされて配置されている。X方向にオフセットされた部分には、有機EL素子30Rの画素電極31Rと前述した駆動用トランジスター23との電気的な接続を図るコンタクト部(図示省略)が設けられている。すなわち、コンタクト部は絶縁膜28で覆われている。他のサブ画素18G,18Bにおける開口部28KG,28KBの配置も同様である。
サブ画素18R,18G,18Bには、カラーフィルター36が配置されている。カラーフィルター36は、赤色(R)の着色層36R、緑色(G)の着色層36G、青色(B)の着色層36Bで構成されている。具体的には、X方向に配列する複数のサブ画素18Rに対して着色層36Rが配置されている。同じくX方向に配列する、複数のサブ画素18Gに対して着色層36Gが配置され、複数のサブ画素18Bに対して着色層36Bが配置されている。
つまり、着色層36Rは、X方向に配列する画素電極31R(開口部28KR)と重なるようにX方向に延在してストライプ状に配置されている。着色層36Gは、X方向に配列する画素電極31G(開口部28KG)と重なるようにX方向に延在してストライプ状に配置されている。同じく、着色層36Bは、X方向に配列する画素電極31B(開口部28KB)と重なるようにX方向に延在してストライプ状に配置されている。
本実施形態では、Y方向に隣り合うサブ画素18Rとサブ画素18Gとの境界では、着色層36Rと着色層36Gとが重なり合って配置されている。Y方向に隣り合うサブ画素18Gとサブ画素18Bとの境界では、着色層36Gと着色層36Bとが重なり合って配置されている。また、図示しないが、Y方向に隣り合うサブ画素18Bとサブ画素18Rとの境界では、着色層36Bと着色層36Rとが重なり合って配置されている。
[サブ画素の構造]
次に、図5を参照して、有機EL装置100におけるサブ画素18の構造について説明する。図5に示すように、有機EL装置100は、接着層42を介して対向配置された素子基板10と対向基板40とを有している。接着層42は、素子基板10と対向基板40とを接着する役割を有し、光透過性を有する例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などで構成されている。
素子基板10は、本発明における基板としての基材11と、基材11上において、Z方向に順に積層された反射層25と、透光層26と、有機EL素子30と、封止層34と、カラーフィルター36とを備えている。
基材11は、例えばシリコンなどの半導体基板である。基材11には、前述した等価回路における、走査線12、データ線13、電源線14、データ線駆動回路15、走査線駆動回路16、画素回路20(スイッチング用トランジスター21、蓄積容量22、駆動用トランジスター23)などが、公知技術を用いて形成されている。図5では、これらの配線や回路構成の図示を省略している。
なお、基材11は、シリコンなどの半導体基板に限定されず、例えば石英やガラスなどの基板であってもよい。換言すれば、画素回路20を構成するトランジスターは、半導体基板にアクティブ層を有するMOS型トランジスターであってもよいし、石英やガラスなどの基板に形成された薄膜トランジスターや電界効果型のトランジスターであってもよい。
反射層25は、サブ画素18R,18G,18Bに跨って配置され、各サブ画素18R,18G,18Bの有機EL素子30R,30G,30Bから発した光を対向基板40側に反射させるものである。反射層25の形成材料としては、高い反射率を実現可能な例えばアルミニウムや銀あるいはこれらの金属の合金などが用いられる。
反射層25上には、透光層26が設けられている。透光層26は、第1絶縁膜26a、第2絶縁膜26b、及び第3絶縁膜26cを含んで構成されている。第1絶縁膜26aは、反射層25上においてサブ画素18R,18G,18Bに跨って配置されている。第2絶縁膜26bは、第1絶縁膜26aに積層され、サブ画素18Rとサブ画素18Gとに跨って配置されている。第3絶縁膜26cは、第2絶縁膜26bに積層され、サブ画素18Rに配置されている。
すなわち、サブ画素18Bの透光層26は第1絶縁膜26aで構成され、サブ画素18Gの透光層26は第1絶縁膜26aと第2絶縁膜26bとで構成され、サブ画素18Rの透光層26は第1絶縁膜26aと第2絶縁膜26bと第3絶縁膜26cとで構成されている。したがって、透光層26の膜厚は、サブ画素18B、サブ画素18G、サブ画素18Rの順に大きくなっている。
透光層26上には、有機EL素子30が設けられている。有機EL素子30は、Z方向に順に積層された画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とを含む。画素電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電膜で構成され、サブ画素18ごとに島状に形成されている。
各画素電極31R,31G,31Bの周縁部を覆うように絶縁膜28が配置されている。上述したように、絶縁膜28には、画素電極31R上に開口部28KRが形成され、画素電極31G上に開口部28KGが形成され、画素電極31B上に開口部28KBが形成されている。絶縁膜28は、例えば酸化シリコンなどからなる。
開口部28KR,28KG,28KBが設けられた部分では、画素電極31(31R,31G,31B)と発光機能層32とが接し、画素電極31から発光機能層32に正孔が供給され、対向電極33から電子が供給されて発光機能層32が発光する。つまり、開口部28KR,28KG,28KBが設けられた領域が、発光機能層32が発光する発光領域となる。絶縁膜28が設けられた領域では、画素電極31から発光機能層32への正孔の供給が抑制され、発光機能層32の発光が抑制される。
発光機能層32は、サブ画素18R,18G,18Bに跨って表示領域E1(図2参照)の全域を覆うように配置されている。発光機能層32は、Z方向に順に積層された、例えば正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、及び電子輸送層などを有している。有機発光層は、青色から赤色までの波長範囲の光を発する。有機発光層は、単層で構成されていてもよいし、例えば、青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を含んだり、青色発光層と、赤色(R)及び緑色(G)の波長範囲を含む発光が得られる黄色発光層とを含んだりする複数層で構成されていてもよい。
対向電極33は、発光機能層32を覆うように配置されている。対向電極33は、光透過性と光反射性とを兼ね備えるように、例えばマグネシウムと銀との合金などで構成され、その膜厚が制御されている。
対向電極33を覆う封止層34は、Z方向に順に積層された第1封止層34aと、平坦化層34bと、第2封止層34cとで構成されている。第1封止層34aと第2封止層34cとは、無機材料を用いて形成された無機封止層である。無機材料としては、水分や酸素などを通し難い、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどが挙げられる。このような封止層34は、少なくとも発光機能層32(有機EL素子30)が配置されている表示領域E1に亘って形成される。本発明における封止部は、封止層34を含んで構成されている。
第1封止層34a及び第2封止層34cを形成する方法としては真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、CVD法などが挙げられる。有機EL素子30に熱などのダメージを与え難い点で、真空蒸着法やイオンプレーティング法を採用することが望ましい。第1封止層34a及び第2封止層34cの膜厚は、成膜時にクラックなどが生じ難く、且つ透光性が得られるように、例えば50nm〜1000nm程度、好ましくは200nm〜400nm程度となっている。
平坦化層34bは、透光性の有機封止層であって、例えば、熱または紫外線硬化型のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂材料を用いて形成することができる。平坦化層34bは、複数の有機EL素子30を覆った第1封止層34aに積層して形成されている。
平坦化層34bは、第1封止層34aの成膜時における欠陥(ピンホール、クラック)や異物などを被覆し、略平坦な面を形成する。また、第1封止層34aの表面は、膜厚が異なる透光層26の影響を受けて凹凸が生ずるので、該凹凸を緩和するため、例えば1μm〜5μm程度の膜厚で平坦化層34bを形成することが好ましい。これによって、封止層34上に形成されるカラーフィルター36が該凹凸の影響を受け難くなる。透光層26に起因する該凹凸を緩和する観点から平坦化層34bは、厚膜化し易い有機封止層によって構成されることが好ましいが、塗布型の無機材料(酸化シリコンなど)を用いて形成してもよい。
封止層34上には、隣り合うサブ画素18同士の間に光透過性の凸部35が設けられている。凸部35は、着色材料(色材)を含まない感光性樹脂材料を用いてフォトリソグラフィ法で形成されている。凸部35は、カラーフィルター36の着色層36R,36G,36Bをそれぞれ区分するように、封止層34上においてX方向に延在しストライプ状(スジ状)に配置されている。凸部35の断面形状は、例えば台形状であるが、矩形状など、他の形状であってもよい。
なお、凸部35は、ストライプ状に配置されることに限定されず、例えば、各サブ画素18の画素電極31における開口部28KB,28KG,28KRを囲むように、X方向とY方向とに延在して格子状に配置されていてもよい。凸部35の高さは、後述する着色層36R,36G,36Bの平均膜厚よりも低い(小さい)ことが好ましい。
カラーフィルター36は、封止層34上に形成されている。カラーフィルター36は、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色材料を含む感光性樹脂材料を用いてフォトリソグラフィ法で形成された着色層36R,36G,36Bで構成されている。すなわち、凸部35と着色層36R,36G,36Bの主材料は同じである。着色層36R,36G,36Bは、サブ画素18R,18G,18Bに対応して形成されている。
各着色層36R,36G,36Bは、封止層34上において、隣り合う凸部35の間を埋めると共に、凸部35上の少なくとも一部を覆うように形成されている。各着色層36R,36G,36Bのうち、隣り合う着色層同士は、その一部が互いに重なるように形成されている。
例えば、着色層36Gに隣り合う着色層36Bは、凸部35の側壁に接すると共に、その一方の縁部が凸部35の頭頂部を覆った着色層36Gの縁部と重なっている。同様に、着色層36Gに隣り合う着色層36Rは、凸部35の側壁に接すると共に、その縁部が凸部35の頭頂部を覆った着色層36Gの縁部と重なっている。
図示を省略するが、凸部35及び着色層36R,36G,36Bの形成方法を簡単に説明する。凸部35の形成方法としては、封止層34上に着色材料を含まない感光性樹脂材料をスピンコート法を用いて塗布してプレベークすることにより、感光性樹脂層を形成する。感光性樹脂材料はポジタイプでもネガタイプでもよい。フォトリソグラフィ法を用いて、感光性樹脂層を露光・現像することにより、封止層34上に凸部35が形成される。
着色層36R,36G,36Bも、凸部35と同様に、各色の着色材料を含む感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布して感光性樹脂層を形成した後、その感光性樹脂層をフォトリソグラフィ法を用いて露光・現像することにより形成する。本実施形態では、着色層36G、着色層36B、着色層36Rの順で形成している。
したがって、着色層36Gの縁部は凸部35の頭頂部を覆うと共に、一方が着色層36Bの縁部によって覆われ、他方が着色層36Rの縁部によって覆われる。着色層36Bの縁部の一方は凸部35の頭頂部を覆うと共に着色層36Rの縁部によって覆われ、他方は着色層36Gの縁部を覆う。着色層36Rの縁部の一方は着色層36Gの縁部を覆い、他方は着色層36Bの縁部を覆う。つまり、凸部35はカラーフィルター36を形成する工程で形成することが可能であることから、後述するカラーフィルター36の形成工程は、凸部35を形成する工程を含むとして説明する。
[光共振構造]
本実施形態に係る有機EL装置100は、反射層25と対向電極33との間に光共振構造を有している。有機EL装置100において、発光機能層32が発した光は、反射層25と対向電極33との間で繰り返し反射され、反射層25と対向電極33との間の光学的な距離に対応する特定波長(共振波長)の光の強度が増幅され、表示光として対向基板40からZ方向に射出される。
本実施形態において、透光層26は、反射層25と対向電極33との間の光学的な距離を調整する役割を有している。上述した通り、透光層26の膜厚は、サブ画素18B、サブ画素18G、サブ画素18Rの順に大きくなっている。その結果、反射層25と対向電極33との間の光学的な距離は、サブ画素18B、サブ画素18G、サブ画素18Rの順に大きくなっている。なお、光学的な距離は、反射層25と対向電極33との間に存在する各層の屈折率と膜厚との積の合計で表すことができる。
例えば、サブ画素18Bでは、共振波長(輝度が最大となるピーク波長)が470nmとなるように、透光層26の膜厚が設定されている。サブ画素18Gでは、共振波長が540nmとなるように、透光層26の膜厚が設定されている。サブ画素18Rでは、共振波長が610nmとなるように、透光層26の膜厚が設定されている。
その結果、サブ画素18Bから470nmをピーク波長とする青色光(B)が発せられ、サブ画素18Gから540nmをピーク波長とする緑色光(G)が発せられ、サブ画素18Rから610nmをピーク波長とする赤色光(R)が発せられる。換言すれば、有機EL装置100は、特定波長の光の強度を増幅する光共振構造を有し、サブ画素18Bでは発光機能層32が発する白色光から青色の光成分を取り出し、サブ画素18Gでは発光機能層32が発する白色光から緑色の光成分を取り出し、サブ画素18Rでは発光機能層32が発する白色光から赤色の光成分を取り出している。
なお、透光層26の代わりに、画素電極31(31R,31G,31B)の膜厚を互いに異ならせることで、反射層25と対向電極33との間の光学的な距離を調整する構成としてもよい。
このようなサブ画素18R,18G,18Bにおいて、封止層34上にカラーフィルター36が配置されている。サブ画素18Bの有機EL素子30Bに封止層34を介して着色層36Bが配置されている。したがって、470nmをピーク波長とする青色光(B)が着色層36Bを透過することによって色純度が高められる。同様に、サブ画素18Gの有機EL素子30Gに封止層34を介して着色層36Gが配置され、サブ画素18Rの有機EL素子30Rに封止層34を介して着色層36Rが配置されている。したがって、540nmをピーク波長とする緑色光(G)が着色層36Gを透過することによって色純度が高められ、610nmをピーク波長とする赤色光(R)が着色層36Rを透過することによって色純度が高められる。
上記のように、サブ画素18から発せられた光は、対向電極33から封止層34側に射出される光であり、有機EL素子30の発光機能層32の内部で発せられる光のスペクトルとは異なるスペクトルの光である。
その一方で、着色層36R,36G,36Bのそれぞれは特定波長域の光だけを透過して特定波長域以外の光を吸収する。したがって、頭頂部が異なる色の着色層で覆われた凸部35を通過する光は、その波長域の一部または全部が異なる色の着色層で吸収されて輝度が低下する。つまり、異なる色の発光が得られる隣り合ったサブ画素18同士の境界部では、赤色光(R)が着色層36Gや着色層36Bを透過することで輝度が低下し、緑色光(G)が着色層36Bや着色層36Rを透過することで輝度が低下し、青色光(B)が着色層36Rや着色層36Gを透過することで輝度が低下する。
換言すれば、サブ画素18Rの有機EL素子30Rから斜め方向に発せられ、赤色の着色層36Rを透過し、青色の着色層36Bまたは緑色の着色層36Gに入射した光は遮光される。同様にサブ画素18Gの有機EL素子30Gから斜め方向に発せられ、緑色の着色層36Gを透過し、青色の着色層36Bまたは赤色の着色層36Rに入射した光は遮光される。サブ画素18Bの有機EL素子30Bから斜め方向に発せられ、青色の着色層36Bを透過し、緑色の着色層36Gまたは赤色の着色層36Rに入射した光は遮光される。したがって、各有機EL素子30の位置とカラーフィルター36の各着色層の位置とにより、有機EL装置100から取り出される光の方向が規定される。
有機EL装置100において、各サブ画素18R,18G,18Bから発せられる光の色純度を高め、良好な視角特性を得るためには、カラーフィルター36を構成する各着色層36R,36G,36Bの寸法や位置などの精度を高めることが求められる。また、着色層36R,36G,36Bのそれぞれを区分する凸部35についても同様である。特に、本実施形態では、凸部35及び着色層36R,36G,36Bは、それぞれX方向に延在してストライプ状に形成されている。したがって、サブ画素18において、X方向に比べてY方向における凸部35及び着色層36R,36G,36Bの有機EL素子30に対する相対的な形成精度を高める必要がある。それゆえに、本実施形態に係る有機EL装置100は、凸部35及びカラーフィルター36の寸法や位置などの管理特性を評価するための評価用パターンを備えており、評価用パターンの寸法や位置などを測定することで、凸部35及びカラーフィルター36の形成精度を管理している。以降、評価用パターンについて説明する。なお、上述したように凸部35の形成工程はカラーフィルター36の形成工程に含まれることから、以降、カラーフィルター36は凸部35を含むとして説明する。
[評価用パターン]
まず、本実施形態のカラーフィルター36を評価するための評価用パターンの概略について、図6〜図8を参照して説明する。図6は素子基板における評価用パターンの配置の一例を示す概略平面図、図7は寸法評価用パターンにおける着色パターンの配置例を示す概略平面図、図8は位置評価用パターンにおける着色パターンの配置例を示す概略平面図である。
図6に示すように、本実施形態の有機EL装置100における素子基板10には、カラーフィルター36を評価するための評価用パターンとして、寸法評価用パターン50と位置評価用パターン60とが設けられている。寸法評価用パターン50及び位置評価用パターン60は、いずれも表示領域E1よりも外側の非表示領域E2に設けられている。なお、非表示領域E2には表示領域E1を囲むようにカラーフィルター遮光部36S(以降、簡略化してCF遮光部36Sとして示す)が設けられている。CF遮光部36Sの構成については後述するが、3色の着色層36R,36G,36Bを重ねることにより遮光性を付与した構成となっている。なお、前述した封止層34は、表示領域E1だけでなくCF遮光部36Sと平面視で重なるように設けられている。本実施形態における寸法評価用パターン50及び位置評価用パターン60は、素子基板10の外周端部と封止層34を含む封止部37の端部との間に配置されている。
寸法評価用パターン50は、Y方向においてCF遮光部36Sと外部接続用端子102との間で、X方向のほぼ中央部側に配置されている。平面視では、CF遮光部36Sの外側においてX方向に延在するデータ線駆動回路15と重なるように配置されている。
寸法評価用パターン50は、所謂TEG(Test Element Group)の役割を有し、カラーフィルター36の各着色層36R,36G,36B及び凸部35の寸法精度を評価するためのものである。ここでいう寸法精度とは、各着色層36R,36G,36B及び凸部35の寸法(幅)、形状、膜厚などの管理特性を含む。
具体的には、図7に示すように、寸法評価用パターン50は、色ごとに設けられた着色パターンとしてのパターン群50Rと、パターン群50Gと、パターン群50Bと、パターン群51とで構成される。パターン群50R,50G,50Bのそれぞれは、カラーフィルター36における各色の着色層36R,36G,36Bと同じ感光性樹脂材料で形成された複数のパターンP1,P2,P3,P4,P5を有する。パターン群51は、凸部35と同じ色材を含まない感光性樹脂材料で形成された複数のパターンP11,P12,P13,P14,P15を有する。
パターンP1,P2,P3,P4,P5は、着色層36R,36G,36Bと同様に、それぞれX方向に延在してストライプ状に形成されている。また、Y方向に隣り合うパターン同士は互いに離間されて形成されている。つまり、隣り合うパターン同士の間には凸部35が配置されていない。この点が、凸部35上において、一部(縁部)が互いに重なるように形成されるカラーフィルター36の着色層36R,36G,36Bと異なる。
着色層36R,36G,36Bは、凸部35上において、隣り合う着色層同士の縁部が互いに重なるように形成されるため、カラーフィルター36の製造プロセスにおいて、各着色層36R,36G,36Bや凸部35の寸法(幅)、形状、膜厚などを正確に測定することは困難である。
寸法評価用パターン50を構成するパターン群50R,50G,50B,51は、カラーフィルター36の製造プロセスにおいて、着色層36R,36G,36Bや凸部35と同じ材料及び製造プロセスで形成されている。
したがって、寸法評価用パターン50を測定すれば、各着色層36R,36G,36B及び凸部35の寸法、形状、膜厚などの管理特性に係る情報を入手することができる。各パターンP1,P2,P3,P4,P5のY方向における幅は、各着色層36R,36G,36Bの幅の2倍以内であり、各着色層36R,36G,36Bと同じ幅であることが好ましい。凸部35と同じ材料及び製造プロセスで形成されるパターン群51の各パターンP11,P12,P13,P14,P15も同様に、凸部35のY方向の幅の2倍以内であり、凸部35と同じ幅であることが好ましい。
パターンP1,P2,P3,P4,P5のうち、Y方向における中央に配置されたパターンP3が、測定対象とするパターンである。各着色層36R,36G,36Bに対応するパターンが一つだけ孤立して設けられていると、フォトリソグラフィ法でパターンを形成する際に、オーバー露光やオーバー現像になり易く、パターンの形状が崩れたり(変形したり)、あるいは、消失したりすることがある。そのため、複数のパターンP1,P2,P3,P4,P5を設け、測定対象とするパターンP3をパターンP1,P2及びパターンP4,P5の間に配置することで、オーバー露光やオーバー現像を防ぎ、パターンP3が変形したり消失したりすることを抑止している。
パターンP1,P2,P3,P4,P5のうち、パターンP3は、その両側に配置されたパターンP1,P2,P4,P5と異なる。より具体的には、パターンP3のX方向における長さは、その両側に配置されたパターンP1,P2,P4,P5の長さよりも長い。これにより、パターンP1,P2,P3,P4,P5の中から、測定対象とするパターンP3を容易に識別できる。凸部35に係るパターンP11,P12,P13,P14,P15も同様であって、Y方向における中央に配置された測定対象のパターンP13のX方向における長さが、他のパターンP11,P12,P14,P15よりも長い。
位置評価用パターン60は、寸法評価用パターン50と同様に、TEG(Test Element Group)の役割を有し、カラーフィルター36の各着色層36R,36G,36B及び凸部35の素子基板10上における位置精度を評価するためのものである。ここでいう位置精度とは、例えば、各着色層36R,36G,36B及び凸部35の位置ずれ(特定方向へのシフトなど)、回転、倍率のずれ、歪みなどの管理特性を含む。
図6に示すように、位置評価用パターン60は、素子基板10の非表示領域E2においてCF遮光部36Sの外側であって、素子基板10の角部に配置されている。なお、図6では、位置評価用パターン60が素子基板10のすべての角部に配置された状態を示しているが、位置評価用パターン60は、4箇所の角部のうち少なくとも1箇所に設けられていればよい。
図8に示すように、位置評価用パターン60は、3色の着色層36R,36G,36Bに対応したパターン群60Rと、パターン群60Gと、パターン群60Bと、凸部35に対応したパターン群61とで構成される。パターン群60R,60G,60Bは、略矩形に形成されたパターンP21と、パターンP21を囲むように枠状に形成されたパターンP22とを有する。パターンP21は、パターンP22の開口部内において、X方向及びY方向に間隔を置いて形成されている。パターン群61は、同じく矩形状に形成されたパターンP31と、パターンP31を囲むように枠状に形成されたパターンP22とを有する。パターンP31は、パターンP22の開口部内において、X方向及びY方向に間隔を置いて形成されている。
パターン群60R,60G,60BのパターンP21は、カラーフィルター36の着色層36R,36G,36Bと同じ色材を含む感光性樹脂材料で形成されている。パターン群61のパターンP31は、凸部35と同じ色材を含まない感光性樹脂材料で形成されている。パターン群60R,60G,60BのパターンP21及びパターン群61のパターンP31は、カラーフィルター36の製造プロセスにおいて形成されている。
パターン群60R,60G,60B,61のパターンP22は、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、金属材料、窒化シリコンなどで形成されている。パターン群60R,60G,60B,61のパターンP22は、カラーフィルター36を製造する前のプロセスにおいて形成されている。
パターン群60R,60G,60B,61のそれぞれは、パターンP22の開口部の内端とパターンP21及びパターンP31の外周との間に所定の間隔が空くように設計されている。したがって、パターンP22の内端とパターンP21及びパターンP31の外周との間隔(距離)を測定し設計値と比較することで、パターンP22に対してパターンP21及びパターンP31の位置ずれがあるか否かがわかり、位置ずれがある場合は位置ずれの大きさ及びその方向がわかる。これにより、基材11上におけるカラーフィルター36の各着色層36R,36G,36B及び凸部35の位置に係る情報を入手することができる。
[基材上のおける評価パターンの配置]
次に、寸法評価用パターン50及び位置評価用パターン60の基材11上における構造について、図9及び図10を参照して説明する。図9は図6のC−C’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図、図10は図6のD−D’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図である。
寸法評価用パターン50は、上述したように、それぞれに独立した複数のパターンにより構成されるパターン群50R,50G,50B,51を有している。したがって、表示領域E1に配置された有機EL素子30からの発光がパターン群50R,50G,50B、51に入射すると、入射光を透過させてしまう。とりわけ、複数のパターンは、間隔を置いてY方向に並列していることから、入射光が複数のパターンによって回折して、その一部が表示領域E1に入射する迷光となるおそれがある。そのため、寸法評価用パターン50は、表示領域E1から発する表示光を阻害しないように、非表示領域E2に設けられたCF遮光部36Sよりも外側に配置することが好ましい。その上で、寸法評価用パターン50としての機能を果たすように配置することが求められる。
具体的には、図9に示すように、有機EL装置100は、接着層42を介して対向配置され接着された素子基板10と対向基板40とを有する。素子基板10において、表示領域E1に配置された有機EL素子30を封止する封止層34を含む封止部37は、その端部が、非表示領域E2にはみ出るように形成されている。封止部37の端部では、平坦化層34bの終端が傾斜面を構成している。平坦化層34bが途切れた付近で第1封止層34aと第2封止層34cが重なった部分までが封止部37である。
表示領域E1を覆う封止層34上には、Y方向に間隔を置いて複数の凸部35が形成されている。Y方向に隣り合う凸部35の間に、着色層36R,36G,36Bのそれぞれが配置されている。封止層34の非表示領域E2にはみ出た部分には、CF遮光部36Sが形成されている。CF遮光部36Sは、封止層34側から順に積層された着色層36G,36B,36Rからなる。積層の順番は、着色層36G,36B,36Rの形成の順による。
本実施形態の寸法評価用パターン50は基材11上に設けられた台座部34Dの上に形成されている。台座部34Dは、基材11の端部と封止部37の端部との間に設けられている。基材11上における台座部34Dの構造は、封止層34と同じであって、第1封止層34a、平坦化層34b、第2封止層34cとからなる。つまり、基材11上における台座部34Dの高さは封止層34を含む封止部37の高さと同じである。なお、図9において、台座部34D上の寸法評価用パターン50は、3つのパターンを有するように表示されているが、実際には、図7に示したように、パターンP1〜P5、パターンP11〜P15を含むものである。
枠状のケース部101は、対向基板40の光の射出側において表示領域E1を囲むように配置されている。また、ケース部101は、対向基板40及び接着層42の側面と、対向基板40からY方向にはみ出した素子基板10の部分とに対向するように配置されている。ケース部101には、対向基板40への装着時の位置精度を考慮して、表示領域E1の大きさよりもやや大きな開口部が形成されている。なお、図9には図示していないが、対向基板40からY方向にはみ出した素子基板10の部分とケース部101との隙間は、外部からの水分などの浸入を防ぐべく、例えばシリコン樹脂などのモールド材を充填して封止される。
表示領域E1に配置された有機EL素子30は面光源であって、カラーフィルター36を透過して対向基板40側から射出され、ケース部101の開口部を透過する光は表示光である。有機EL素子30から発してCF遮光部36Sに入射する光はCF遮光部36Sで吸収されて強度が減衰または遮光される。有機EL素子30から発して封止部37の端部から漏れる光は、非表示領域E2において、素子基板10と対向基板40との間で拡散あるいは乱反射して迷光となる。
寸法評価用パターン50は、非表示領域E2において台座部34D上に設けられていることから、寸法評価用パターン50の表示領域E1側の端部を透過する迷光は、接着層42と対向基板40とを透過して、表示領域E1から発する表示光と混ざるおそれがある。
一方で、表示領域E1から射出される表示光に上記迷光が混ざったとしても、前述したHMD1000において実際の表示に影響を及ぼすか否かは、有機EL装置100に対向配置される集光光学系1002の集光能力による。集光光学系1002の集光能力は一般的に開口数で与えられ、光軸を基準として集光光学系1002が集光可能な入射光の角度で表すことができ、本明細書では集光光学系1002が有機EL装置100から発する光りを飲み込むことが可能な飲み込み角度θgとする。
図9に示すように、例えば、寸法評価用パターン50の表示領域E1側の端部の法線に対して角度θ1で接着層42を透過する迷光は、接着層42と屈折率が異なる対向基板40に入射すると、対向基板40の入射位置の法線に対して、角度θ2で対向基板40を透過する。対向基板40を角度θ2で透過した迷光は、対向基板40よりも屈折率が小さい空気層に入射することから、角度θ2よりも大きな角度θ3で対向基板40から射出する。対向基板40から角度θ3で射出した迷光がケース部101に入射する場合は、ケース部101で遮光されるが、ケース部101の開口部における表示領域E1側の端部から漏れる場合は、表示光に混ざることになる。ケース部101の開口部における端部の位置は、必ずしも表示領域E1の端部の位置と同じではない。
そこで、発明者は、以下の数式(1)を満たす位置に寸法評価用パターン50を配置することとした。
Figure 0006885134
nは1以上の整数であり、Lpは平面視における遮光部としてのケース部101の表示領域E1側の端部から寸法評価用パターン50の端部までの距離であり、Lnは、寸法評価用パターン50とケース部101との間に配置されるn層の透光性部材のそれぞれにおける寸法評価用パターン50上における厚みであり、θnは寸法評価用パターン50の端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光が上記透光性部材のそれぞれを透過するときの当該透光性部材の法線に対する角度である。
本実施形態において、寸法評価用パターン50とケース部101との間に配置されたn層の透光性部材は、接着層42と、対向基板40と、空気層とであることから、上記数式(1)を本実施形態に当てはめると、以下の数式(2)となる。
Figure 0006885134
この場合、L1は寸法評価用パターン50と対向基板40との間の接着層42のZ方向における厚みであり、L2は対向基板40の厚みであり、L3はZ方向における対向基板40とケース部101との隙間の長さである。
また、接着層42の屈折率をn1とし、対向基板40の屈折率をn2とし、空気層の屈折率をn3とすると、上記数式(2)は、以下の数式(3)に変換することができる。
Figure 0006885134
つまり、接着層42から入射して対向基板40を透過する光の角度θ2は、接着層42の屈折率n1と、対向基板40の屈折率n2と、対向基板40に入射する光の角度θ1とによって定義することができる。同様にして、対向基板40から入射して空気層を透過する光の角度θ3は、対向基板40の屈折率n2と、空気層の屈折率n3と、空気層に入射する光の角度θ2によって定義することができる。すなわち、距離Lpは、各透光性部材の厚みL1,L2,L3と、角度θ1とによって定義できる。
よって、図9によれば、L1×tanθ1=y1、L2×tanθ2=y2、L3×tanθ3=y3であることから、Lp>y1+y2+y3となる。y1はY方向における寸法評価用パターン50の端部から角度θ1の迷光が接着層42を透過して対向基板40に入射するときの第1の入射位置までの距離である。y2はY方向における第1の入射位置から角度θ2で対向基板40を透過した迷光が空気層に入射するときの第2の入射位置までの距離である。y3はY方向における第2の入射位置からケース部101の端部までの距離である。
空気層を角度θ3で透過した迷光が、ケース部101の表示領域E1側の端部から漏れると、表示光に混ざることになるが、実際には、上述したように、集光光学系1002の飲み込み角度θgと同じかそれよりも角度θ3が小さくなると、表示に影響を及ぼすことになる。したがって、集光光学系1002の飲み込み角度θgから得られる角度θ3に基づいて角度θ1を逆算すれば、寸法評価用パターン50を設ける場合の基材11上におけるケース部101の端部からの最短距離を導くことができる。距離Lpを当該最短距離よりも大きくすれば、基材11上に寸法評価用パターン50を設けることに起因する光漏れの影響を実際に回避することができる。
例えば、接着層42の厚みL1を5μm、屈折率n1を1.5とし、対向基板40の厚みL2を1150μm(1.15mm)、屈折率n2を1.46とし、空気層の厚みL3を15μm、屈折率n3を1とする。集光光学系1002の飲み込み角度θgから得られる角度θ3を12度として、角度θ2及び角度θ1を逆算した。角度θ2はおよそ8.19度、角度θ1はおよそ7.97度となった。そこで、上記数式(3)にこれを当てはめて算出すると、y1は1μm、y2は165μm、y3は3μmとなり、上記最短距離は169μmとなった。すなわち、寸法評価用パターン50を設けることに起因する迷光の光漏れを防ぐには、ケース部101の表示領域E1側の端部から寸法評価用パターン50の端部までのY方向における距離Lpを169μmよりも大きくすることが好ましい。これによって、台座部34Dの位置と寸法評価用パターン50における複数のパターンの位置とを特定することができる。
なお、非表示領域E2における接着層42と対向基板40との界面における迷光の反射を防ぐ観点から、接着層42の屈折率n1と対向基板40の屈折率n2との差が小さくなるように、それぞれの材料を選択することが好ましい。また、接着層42の厚みL1や対向基板40とケース部101との隙間における空気層の厚みL3は、μm単位であるのに対して、対向基板40の厚みL2はmm単位であることから、上記最短距離はほぼ対向基板40の厚みL2によって決まると考えてもよい。つまり、集光光学系1002における飲み込み角度θgと対向基板40の厚みL2とを考慮して、ケース部101の表示領域E1側の端部から基材11上の寸法評価用パターン50の端部までの距離Lpを求めてもよい。
位置評価用パターン60は、図6に示したように、基材11の角部に設けられている。例えば、図10に示すように、対向基板40からはみ出た基材11の角部に位置評価用パターン60を設けた場合には、寸法評価用パターン50のような光漏れを考慮する必要はない。
図10に示すように、基材11の第1封止層34aと第2封止層34cとが積層された部分に、まず、位置評価用パターン60のうちのパターンP22を形成する。その後、カラーフィルター36の形成工程において、凸部35と同じ色材を含まない感光性樹脂材料を用いてパターンP31を形成する。続いて、着色層36R,36G,36Bと同じ色材を含む感光性樹脂材料を用いてパターンP21を形成する。位置評価用パターン60が設けられた部分は、対向基板40からはみ出た基材11の部分を覆うケース部101の部分と近接して対向することになる。なお、パターンP21やパターンP31を囲むパターンP22は、第2封止層34c上に形成することに限定されず、第1封止層34a上に形成してもよいし、第1封止層34aよりも下層に形成してもよい。
有機EL装置100はマイクロディスプレイであって、画素19のサイズが直視型のディスプレイと比べて非常に小さいので、視野角特性などの表示特性を考慮すると、サブ画素18におけるカラーフィルター36の凸部35及び着色層36R,36G,36Bの高い形成精度を実現する必要がある。本実施形態では、図6に示すように、素子基板10の基材11に、カラーフィルター36の評価用パターンとして寸法評価用パターン50と位置評価用パターン60とを設けた。カラーフィルター36における寸法精度と位置精度とに求められる管理特性の水準は必ずしも同じでないため、それぞれに必要な水準を考慮して、寸法評価用パターン50と位置評価用パターン60とを設けることが可能となる。
なお、画素19のサイズやサブ画素18の形態によっては、基材11上における寸法評価用パターン50の相対的な位置を測定してカラーフィルター36の位置精度を特定し、位置評価用パターン60を省いてもよい。言い換えれば、本発明の評価用パターンは、少なくとも寸法評価用パターン50を含む構成であればよい。
<電気光学装置の製造方法>
次に、本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置100の製造方法について、図11及び図12を参照して説明する。図11は有機EL装置の製造方法を示すフローチャート、図12はマザー基板における素子基板(基材)の面付けの状態を示す概略平面図である。
図11に示すように、本実施形態の有機EL装置100の製造方法は、基材11に有機EL素子30を形成する工程(ステップS1)と、封止部37を形成する工程(ステップS2)と、カラーフィルター36を形成する工程(ステップS3)と、接着層42を形成する工程(ステップS4)と、接着層42を介して素子基板10と対向基板40とを貼り合わせる工程(ステップS5)と、ケース部101を装着する工程(ステップS6)とを備えている。なお、基材11にデータ線駆動回路15、走査線駆動回路16などの周辺回路、及び画素回路20、並びにこれらの回路を接続させる配線や外部接続用端子102などを形成する工程は、上述したように公知の方法を用いることができる。また、反射層25や透光層26も同様である。したがって、ステップS1から説明する。
ステップS1の有機EL素子30の形成工程では、表示領域E1においてサブ画素18ごとに画素電極31を形成し、複数のサブ画素18に跨るように発光機能層32と、対向電極33とを形成して、サブ画素18ごとに有機EL素子30を形成する。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2の封止部37の形成工程では、表示領域E1に形成された複数の有機EL素子30、具体的には対向電極33を覆うように無機材料を用いて第1封止層34aを形成する。続いて樹脂材料を用いて有機封止層を形成し、有機封止層をパターニングして平坦化層34bを形成する。平坦化層34bを覆うと共に、平坦化層34bからはみ出た第1封止層34aを覆うように無機材料を用いて第2封止層34cを形成する。これにより封止層34が形成され、封止層34を含む封止部37ができあがる。また、同時に、基材11の端部と封止部37の端部との間に、封止層34と同じ層構成の台座部34Dを形成する。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3のカラーフィルター36の形成工程では、まず、封止部37を覆うように色材を含まない感光性樹脂材料を塗布して透明な感光性樹脂層を形成する。これをフォトリソグラフィ法により露光・現像して、凸部35と、寸法評価用パターン50におけるパターン群51と、位置評価用パターン60におけるパターン群61のパターンP31とを同時に形成する。
続いて、例えば、緑(G)の色材を含む感光性樹脂材料を塗布して凸部35を覆う緑(G)の感光性樹脂層を形成する。これをフォトリソグラフィ法により露光・現像して、所定の隣り合う凸部35の間を埋めた着色層36Gと、寸法評価用パターン50のうちパターン群50Gと、位置評価用パターン60のうちパターン群60GのパターンP21とを形成する。次に、青(B)の色材を含む感光性樹脂材料を塗布して凸部35と着色層36Gとを覆う青(B)の感光性樹脂層を形成する。これをフォトリソグラフィ法により露光・現像して、所定の隣り合う凸部35の間を埋めた着色層36Bと、寸法評価用パターン50のうちパターン群50Bと、位置評価用パターン60のうちパターン群60BのパターンP21とを形成する。そして、赤(R)の色材を含む感光性樹脂材料を塗布して凸部35と着色層36Gと着色層36Bとを覆う赤(R)の感光性樹脂層を形成する。これをフォトリソグラフィ法により露光・現像して、所定の隣り合う凸部35の間を埋めた着色層36Rと、寸法評価用パターン50のうちパターン群50Rと、位置評価用パターン60のうちパターン群60RのパターンP21とを形成する。また、非表示領域E2において、封止層34上に3つの着色層36G,36B,36Rを順に積層してパターニングすることによりCF遮光部36Sを形成する。なお、寸法評価用パターン50は、台座部34D上において、上述した数式(2)を満たす位置に形成し、位置評価用パターン60は、基材11の角部に形成する。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4の接着層42の形成工程では、素子基板10のカラーフィルター36と寸法評価用パターン50とを覆うように接着剤を塗布して接着層42を形成する。そして、ステップS5へ進む。
ステップS5の貼り合わせ工程では、接着層42を介して素子基板10と対向基板40とを貼り合わせし、接着層42を硬化させる。そして、ステップS6へ進む。
ステップS6のケース部101の装着工程では、表示領域E1に対応した開口部を有する枠状のケース部101を、対向基板40を覆うように装着する。
上記ステップS1〜ステップS5は、実際には、図12に示すように、複数の素子基板10(基材11)が設計上においてX方向とY方向とにマトリックス状に面付けされるマザー基板10Mを用いて行われる。また、フォトリソグラフィ法を用いてカラーフィルター36を形成する工程(ステップS3)では、1回の露光において、複数の基材11(例えば図12に示すようにC1〜C4の4つの基材11)を露光対象として同時に露光が可能な露光用レチクル(露光用マスク)EXSを用い、マザー基板10Mに対して露光用レチクルEXSの位置を1回の露光ごとに変えるステップ露光を行う。このような、露光用レチクルEXSを用いる場合、寸法評価用パターン50と位置評価用パターン60とに対応する露光パターンは、必ずしもC1〜C4のすべてに対応して存在している必要はない。例えば、対角方向に位置するC2とC3とに対応して存在していればよい。
すなわち、カラーフィルター36を形成する工程は、基材11が複数面付けされるマザー基板10Mと、カラーフィルター36の形成材料と、少なくとも2つ以上の基材11を同時に露光可能な露光用レチクルEXSとを用いて、フォトリソグラフィ法により、マザー基板10Mに凸部35及び着色層36R,36G,36Bと評価用パターンとを形成する。露光用レチクルEXSは、少なくとも2つの基材11の評価用パターンを露光可能な露光パターンを有する。なお、このような露光用レチクルEXSは、凸部35と、3色の着色層36R,36G,36Bとに対応して合計で4つ用意される。
カラーフィルター36の形成工程では、凸部35、各着色層36R,36G,36Bをそれぞれ形成した段階で、対応する寸法評価用パターン50及び位置評価用パターン60が形成された基材11(この場合は、C2とC3)を特定して、寸法や位置などの測定を行う。測定結果に基づいて形成されたカラーフィルター36の形成精度が所望の状態となっているか判断し、不具合があれば形成条件などを変更する処置を行う。マザー基板10Mにおける測定対象の基材11を容易に特定することができ、面付けされたすべての基材11の評価用パターンを測定する必要がないので、作業が容易となる。
次に、素子基板10における評価用パターンの他の配置例について、図13及び14を参照して説明する。図13は素子基板における評価用パターンの他の配置例を示す概略平面図、図14はマザー基板における評価用パターンの他の配置例を示す概略平面図である。
図13に示すように、寸法評価用パターン50は、平面視で、CF遮光部36Sの外側であって、データ線駆動回路15と重なるように配置されているだけでなく、データ線駆動回路15に対してY方向において表示領域E1を挟んで反対側であって、素子基板10の端部と封止層34を含む封止部37の端部との間に設けられていてもよい。
また、寸法評価用パターン50は表示領域E1を囲むCF遮光部36Sに対してX方向に沿った位置に配置されることに限定されない。素子基板10のY方向に沿った辺の端部と、封止層34を含む封止部37の端部との間にY方向に沿って配置された寸法評価用パターン50Vを備えていてもよい。寸法評価用パターン50Vは、図7に示した、寸法評価用パターン50のパターン群50R,50G,50B,51をY方向に順に配列させたものである。なお、複数のパターンP1〜P5及び複数のパターンP11〜P15の延在方向は、表示領域E1における凸部35及び着色層36R,36G,36Bの配置に対応した状態とする。換言すれば、寸法評価用パターン50は、表示領域E1における凸部35及び着色層36R,36G,36Bの配置に対応し、素子基板10の端部と封止部37の端部との間のスペースの状態に応じて配置することができる。
また、マザー基板10Mを用いる場合、寸法評価用パターン50は、必ずしも素子基板10上に配置されることに限定されない。例えば、図14に示すように、マザー基板10Mにおいて複数の素子基板10をX方向とY方向とにそれぞれ間隔を置いて配置(形成)する場合、当該間隔部分に寸法評価用パターン50(50V)や位置評価用パターン60を配置してもよい。寸法評価用パターン50(50V)や位置評価用パターン60は、マザー基板10Mを用いてカラーフィルター36を形成する際に使用できる状態であればよく、マザー基板10Mの当該間隔部分をダイシングして有機ELパネルを取り出す構成としてもよい。このようにすれば、評価用パターンが素子基板10に残らないことから、評価用パターンを設けることに起因する光漏れを考慮する必要が無くなる。ただし、完成後の有機ELパネルにおけるカラーフィルター36の形成精度が所望の状態であるか否かを、後から評価用パターンを用いて分析することはできない。換言すれば、素子基板10に評価用パターンを残存させれば、後から評価用パターンを用いてカラーフィルター36の形成精度が所望の状態であるか否かを分析できるという効果を奏する。
上記第1実施形態の有機EL装置100とその製造方法によれば、以下の効果が得られる。
(1)カラーフィルター36の寸法や位置などの管理特性を評価するための寸法評価用パターン50は、基材11上において、基材11の端部と封止部37の端部との間に設けられた台座部34D上に配置されている。台座部34Dは、有機EL素子30を封止する封止層34と同じ層構成であり、基材11上における封止層34を含む封止部37の高さと台座部34Dの高さは同じである。したがって、フォトリソグラフィ法でカラーフィルター36を形成するにあたり、露光時の基材11上おける、凸部35及び着色層36R,36G,36Bの位置と、寸法評価用パターン50の位置とがほぼ同じとなることから、凸部35及び着色層36R,36G,36Bの形成精度と、寸法評価用パターン50の形成精度がほぼ同等となる。このような、寸法評価用パターン50を測定すれば、表示領域E1において異なる色の着色層同士が凸部35上で重なり合うように配置されていたとしても、凸部35及び着色層36R,36G,36Bの形成精度に係る管理特性の情報を適切に入手することができる。そして、当該管理特性の情報に基づいて、カラーフィルター36の形成工程において、凸部35及び着色層36R,36G,36Bの形成条件を管理すれば、各色のサブ画素18において、有機EL素子30に対して凸部35と着色層36R,36G,36Bとを精度よく形成することができる。すなわち、各色のサブ画素18において、有機EL素子30に対して凸部35を含むカラーフィルター36が精度よく配置された有機EL装置100を提供あるいは製造することができる。
(2)遮光部としてのケース部101の表示領域E1側の端部から寸法評価用パターン50の端部までの距離Lpが以下の数式(2)を満たすように、基材11上に台座部34D及び寸法評価用パターン50が形成される。
Figure 0006885134
L1は寸法評価用パターン50と対向基板40との間の接着層42のZ方向における厚みであり、L2は対向基板40の厚みであり、L3はZ方向における対向基板40とケース部101との隙間の長さである。角度θ1は寸法評価用パターン50の端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光が接着層42を透過するときの法線に対する角度であり、角度θ2は角度θ1で入射した斜め光が対向基板40を透過するときの法線に対する角度であり、角度θ3は角度θ2で入射した斜め光が対向基板40とケース部101との間の空気層を透過してケース部101の表示領域E1側の端部から漏れるときの角度である。
これによれば、台座部34D上に寸法評価用パターン50を設けることに起因する光漏れを防止することができる。なお、角度θ3は、集光光学系1002の飲み込み角度θgを考慮して規定される。
(3)寸法評価用パターン50は着色パターンとしてのパターン群50R,50G,50B,51を有し、パターン群50R,50G,50B,51のそれぞれは独立した複数のパターンからなる。これによれば、色(透明である場合も含む)ごとに1つのパターンにより寸法評価用パターン50を構成する場合に比べて、フォトリソグラフィ法におけるオーバー露光やオーバー現像によって、パターンが欠損したり、消失したりすることを抑制できる。言い換えれば、確実に寸法評価用パターン50を形成して、これを測定することにより、凸部35及び着色層36R,36G,36Bの管理特性に係る情報を入手することができる。
(4)寸法評価用パターン50の着色パターンは複数のパターンからなり、そのうちの少なくとも1つは他のパターンと異なる形状(本実施形態ではX方向における長さが他のパターンに比べて長い)となっている。これにより、測定対象のパターンを容易に特定できる。
(5)カラーフィルター36の位置精度を評価するための位置評価用パターン60が、寸法評価用パターン50とは別に設けられている。寸法評価用パターン50に求められる管理特性の水準と、位置評価用パターン60に求められる管理特性の水準とが異なる場合には、位置評価用パターン60を別に設けることは有効である。また、位置評価用パターン60を対向基板40からはみ出た素子基板10の角部に設ければ、位置評価用パターン60を設けることに起因する光漏れの心配は不要となる。なお、位置評価用パターン60を封止部37の端部の近傍に設ける場合には、上記数式(2)を満たす位置に設けることが好ましい。また、位置評価用パターン60を寸法評価用パターン50と同様に台座部34D上に配置してもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電気光学装置としての有機EL装置について、図15を参照して説明する。図15は第2実施形態の有機EL装置の構造を示す概略断面図である。第2実施形態の有機EL装置は、上記第1実施形態の有機EL装置100に対して遮光部の構成を異ならせたものである。したがって、他の構成は有機EL装置100と同じであることから、有機EL装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細の説明は省略する。図15は上記第1実施形態の有機EL装置100の構造を示す図6におけるC−C’線に対応させた概略断面図である。
図15に示すように、本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置200は、接着層42を介して貼り合わされた素子基板10と対向基板40とを有する。素子基板10は、上記第1実施形態に示したように、表示領域E1においてサブ画素18ごとに配置された有機EL素子30と、有機EL素子30を被覆する封止層34を含む封止部37と、封止層34上に設けられたカラーフィルター36と、を有している。また、素子基板10は、基材11の端部と封止部37の端部との間に設けられた台座部34Dと、台座部34D上に設けられた、カラーフィルター36を評価するための寸法評価用パターン50とを有している。
有機EL装置200は、対向基板40の表示光の射出側において、表示領域E1を囲むように設けられた枠状のケース部101を有している。また、ケース部101と対向基板40との間において、対向基板40の表面に設けられた遮光部としての遮光層43を有している。遮光層43もまた表示領域E1を囲むと共に非表示領域E2に亘って枠状に設けられている。遮光層43は、光吸収性を有する、金属やその合金あるいは、黒色の顔料などを含む樹脂層を用いて形成することができる。
遮光層43は、遮光層43の表示領域E1側の端部と表示領域E1の端部とが同じ位置となるように対向基板40に設けられている。寸法評価用パターン50の表示領域E1側の端部から法線に対して角度θ1で斜め方向に発した斜め光(迷光)は、接着層42を透過して対向基板40に入射する。対向基板40に角度θ1で入射した斜め光(迷光)が、角度θ2で対向基板40を透過して遮光層43の端部からケース部101側に射出されると、角度θ3で射出されることから表示光に混ざることになる。
Y方向における遮光層43の表示領域E1側の端部と表示領域E1の端部とを同じ位置とすると、寸法評価用パターン50と遮光層43との間には接着層42と対向基板40とが介在することから、これを上記第1実施形態の数式(1)に当てはめれば、以下の数式(4)となる。
Figure 0006885134
すなわち、遮光層43の表示領域E1側の端部から寸法評価用パターン50の端部までの距離Lpは、上記数式(4)で与えられる。言い換えれば、上記第1実施形態に比べて遮光部としての遮光層43の表示領域E1側の端部から寸法評価用パターン50の端部までの最短距離を縮めることができる。
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1)、(3)、(4)、(5)に加えて、以下の効果が得られる。
(6)表示光が射出される対向基板40の外側の表面に遮光層43が形成されているため、対向基板40に対してケース部101の装着位置が多少ばらついたとしても、寸法評価用パターン50を設けることに起因する迷光を遮光層43で確実に遮光して、迷光が表示光に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の電気光学装置としての有機EL装置について、図16、図17を参照して説明する。図16は第3実施形態の有機EL装置の素子基板における評価用パターンの配置例を示す概略平面図、図17は図16のE−E’線に沿った第3実施形態の有機EL装置の構造を示す概略断面図である。第3実施形態の有機EL装置は、上記第1実施形態の有機EL装置100に対して遮光部の構成を異ならせると共に、寸法評価用パターン50の配置を異ならせたものである。したがって、他の構成は有機EL装置100と同じであることから、有機EL装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細の説明は省略する。
図16に示すように、本実施形態の電気光学装置における素子基板310は、表示領域E1を囲むように配置されたCF遮光部36Sを有している。CF遮光部36Sは、封止部37の封止層34上に設けられている。カラーフィルター36の寸法や形状などを評価するための寸法評価用パターン50は、CF遮光部36Sの形成範囲内にあって、データ線駆動回路15に沿った位置に設けられている。また、カラーフィルター36の形式によっては、基材11のY方向の辺部に沿った位置に寸法評価用パターン50Vを設けてもよい。CF遮光部36Sの基材11の端部側の位置と、寸法評価用パターン50,50Vの端部の位置とは、この場合同じである。
また、基材11の4箇所の角部には、位置評価用パターン60が配置されている。なお、位置評価用パターン60は、4箇所の角部のうち少なくとも1箇所に配置されていればよい。
図17に示すように、本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置300は、接着層42を介して貼り合わされた素子基板310と対向基板40とを有する。素子基板310は、表示領域E1においてサブ画素18ごとに配置された有機EL素子30と、有機EL素子30を被覆する封止層34を含む封止部37と、封止層34上に設けられたカラーフィルター36と、を有している。また、素子基板310において、カラーフィルター36を評価するための寸法評価用パターン50は、封止層34上に配置されている。
有機EL装置300は、対向基板40の表示光の射出側において、表示領域E1を囲むように設けられた枠状のケース部101を有している。また、対向基板40と接着層42との界面に、遮光部の一例としての遮光層44を有している。遮光層44もまた表示領域E1を囲むと共に非表示領域E2に亘って枠状に設けられている。遮光層44は、光吸収性を有する、金属やその合金あるいは、黒色の顔料などを含む樹脂層を用いて形成することができる。
遮光層44は、遮光層44の表示領域E1側の端部と、表示領域E1の端部とが同じ位置になるように対向基板40に設けられている。寸法評価用パターン50の表示領域E1側の端部から法線に対して角度θ1で斜め方向に発した斜め光(迷光)は、接着層42を透過して対向基板40に入射する。対向基板40に角度θ1で入射した斜め光(迷光)が、角度θ2で対向基板40を透過して遮光層44の端部から漏れると、角度θ3でケース部101側に射出され表示光と混ざることになる。
本実施形態では、Z方向において寸法評価用パターン50の近くに遮光部としての遮光層44を配置することによって、寸法評価用パターン50の端部から斜め方向に発する迷光を遮光層44で遮光し易くなることから、寸法評価用パターン50を表示領域E1に近い位置に配置が可能となる。Y方向における遮光層44の表示領域E1側の端部と表示領域E1の端部とを同じ位置とすれば、遮光層44と寸法評価用パターン50との間に配置された透光性部材は接着層42のみであることから、上記第1実施形態で説明した上記数式(1)に本実施形態の有機EL装置300における構成を当てはめると以下の数式(5)となる。
Figure 0006885134
すなわち、遮光層44の表示領域E1側の端部から寸法評価用パターン50の端部までの距離Lpは、上記数式(5)で与えられる。
したがって、対向基板40の厚みL2を考慮する必要が無くなり、遮光層44の表示領域E1側の端部から寸法評価用パターン50の端部までの最短距離を、上記第1実施形態や上記第2実施形態に比べて小さくすることが可能となる。ゆえに、寸法評価用パターン50を封止層34上に設けることが可能となる。加えて、寸法評価用パターン50の表示領域E1側にCF遮光部36Sが配置されるようにすれば、寸法評価用パターン50の端部から漏れる迷光の一部をCF遮光部36Sで遮光することも可能となる。
上記第3実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(3)、(4)、(5)に加えて、以下の効果が得られる。
(7)有機EL装置300は、素子基板310の封止層34上にカラーフィルター36と、寸法評価用パターン50とが配置されている。基材11上における各着色層36R,36G,36Bと寸法評価用パターン50の位置(高さ)が同じであることから、寸法評価用パターン50を測定することで、カラーフィルター36における凸部35及び着色層36R,36G,36Bの形成精度に係る情報を適切に入手することができる。
(8)表示光が射出される対向基板40の接着層42との界面に遮光部としての遮光層44が形成されているため、上記第2実施形態の効果(6)と同様に、対向基板40に対してケース部101の装着位置が多少ばらついたとしても、寸法評価用パターン50を設けることに起因する迷光を遮光層44で確実に遮光して、表示光に影響を及ぼすことを防ぐことができる。さらに、基材11上において寸法評価用パターン50を設ける位置に係る最短距離を上記第1実施形態や上記第2実施形態に比べてさらに小さくすることができる。それゆえに、寸法評価用パターン50を封止層34上に配置することも可能となることから、上記第1実施形態のように寸法評価用パターン50を配置するための台座部34Dを設ける必要が無くなる。すなわち、台座部34Dを設けるためのスペースが必要なくなるので、素子基板310をより小さくして有機EL装置300の小型化を図ることができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置の製造方法並びに該電気光学装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記第1実施形態では、寸法評価用パターン50が配置される台座部34Dの層構成を封止層34と同じとしたが、これに限定されない。例えば、基材11上における封止層34の高さとほぼ同等となるように、他の構成部材を用いて台座部34Dを構成してもよい。その場合、遮光性を有する部材を用いて台座部34Dを構成すれば、有機EL素子30に係る迷光を遮光性の台座部34Dで遮光することも可能である。
(変形例2)上記第1実施形態において、位置評価用パターン60のパターン群60R,60G,60BのパターンP22は、パターンP21と異なる材料を用いて異なるプロセスにおいて形成することとしたが、本発明はこのような形態に限定されない。パターンP22を凸部35と同様の色材を含まない感光性樹脂材料で形成し、パターンP21を着色層36B,36G,36Rと同様の色材を含む感光性樹脂材料で形成することとしてもよい。このような構成にすれば、着色層36B,36G,36Rに係るパターンP21よりも先に形成される凸部35に係るパターンP22の位置を基準として、パターンP21の位置を測定すれば、各着色層36B,36G,36Rの位置精度を評価することができる。
(変形例3)上記各実施形態において、画素19は赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のサブ画素18を含む構成としたが、これに限定されない。画素19は、赤(R)、緑(G)、青(B)以外の、例えば、黄(Y)のサブ画素18を含んで構成されていてもよい。このような画素19の構成とすれば、明るさや色再現性をさらに向上させることができる。
(変形例4)上記各実施形態のサブ画素18において、Y方向における、有機EL素子30(画素電極31)の中心と、ストライプ状の着色層の中心とは、必ずしも合致していなくてもよい。例えば、表示領域E1から発する表示光が集光光学系1002に入射する角度を考慮して、表示領域E1におけるストライプ状の着色層の中心をサブ画素18ごとに調整して配置してもよい。具体的には、集光光学系1002の光軸から遠ざかるほど、サブ画素18における有機EL素子30の中心に対してストライプ状の着色層の中心を上記光軸側にずらしてもよい。このようにすれば、視角特性における色ずれを抑制して見栄えのよいカラー表示が可能となる。このようにサブ画素18に対して着色層の位置を細かく調整する際には、寸法評価用パターン50や位置評価用パターン60を備えていることは有効に働く。
(変形例5)上記第2実施形態及び第3実施形態に示したように、対向基板40に遮光層43あるいは遮光層44を設ける場合、電気光学装置としての有機EL装置において、対向基板40の表示光の射出側に表示領域E1を囲むように設けられた枠状のケース部101を無くしてもよい。また、ケース部101は、対向基板40及び接着層42の側面だけや、対向基板40の周辺上面部だけを覆うように設けられていてもよい。
(変形例6)マイクロディスプレイである有機EL装置100(あるいは有機EL装置200,300)を適用可能な電子機器は、上記実施形態のヘッドマウントディスプレイ(HMD)1000に限定されない。例えば、デジタルカメラなどの電子ビューファインダー、ヘッドアップディスプレイや携帯型情報端末の表示部などに好適に用いることができる。
10…素子基板、10M…マザー基板、11…基板としての基材、30…有機EL素子、34…封止層、34a…無機封止層としての第1封止層、34b…有機封止層としての平坦化層、34c…無機封止層としての第2封止層、34D…台座部、35…凸部、36…カラーフィルター、36B,36G,36R…着色層、37…封止部、40…透光性部材としての対向基板、42…透光性部材としての接着層、43,44…遮光部としての遮光層、50…評価用パターンとしての寸法評価用パターン、50B,50G,50R…着色パターンとしてのパターン群、60…位置評価用パターン、100,200,300…電気光学装置としての有機EL装置、101…遮光部としてのケース部、1000…電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(HMD)、E1…第1領域としての表示領域、EXS…露光用レチクル、P1〜P5…着色パターンにおける複数のパターン。

Claims (16)

  1. 基板と、
    前記基板上の第1領域に画素ごとに配置された有機EL素子と、
    前記第1領域に設けられ、前記有機EL素子を覆う封止部と、
    前記封止部上に設けられたカラーフィルターと、
    前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンと、
    前記基板の端部と前記封止部との間に配置された台座部と、を備え、
    前記評価用パターンは前記台座部上に配置されている、電気光学装置。
  2. 前記基板上における前記台座部の高さは前記封止部の高さと略同一である、請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記封止部は、有機封止層と、前記有機封止層を挟む無機封止層とからなり、
    前記台座部は前記封止部と同じ層構成である、請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 基板と、
    前記基板上の第1領域に画素ごとに配置された有機EL素子と、
    前記第1領域に設けられ、前記有機EL素子を覆う封止部と、
    前記封止部上に設けられたカラーフィルターと、
    前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンと、
    前記評価用パターンの上方において、前記第1領域を囲んで設けられた遮光部と、
    前記評価用パターンと前記遮光部との間に設けられたn層の透光性部材と、を備え、
    前記評価用パターンは、以下の数式(1)を満たす位置に設けられている、電気光学装置。
    (数1)
    Lp>Σ(Ln×tanθ) ・・・(1)
    nは1以上の整数であり、Lpは平面視における前記遮光部の前記第1領域側の端部から前記評価用パターンの端部までの距離であり、Lnはn層の前記透光性部材のそれぞれにおける前記評価用パターン上における厚みであり、θは前記評価用パターンの端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光が前記透光性部材のそれぞれを透過するときの当該透光性部材の法線に対する角度である。
  5. 前記基板の端部と前記封止部との間に配置された台座部、を備え、
    前記評価用パターンは前記台座部上に配置されている、請求項4に記載の電気光学装置。
  6. n層の前記透光性部材は、前記カラーフィルターと前記評価用パターンとを覆う接着層と、前記接着層に積層された対向基板とを含む、請求項4または5に記載の電気光学装置。
  7. 前記遮光部は、前記第1領域を囲むように設けられたケース部であり、
    前記評価用パターンと前記ケース部との間に、前記接着層と前記対向基板とが配置されている、請求項6に記載の電気光学装置。
  8. 前記遮光部は、前記対向基板と前記接着層との界面、または前記対向基板の前記界面と反対側の面に設けられた遮光層である、請求項6に記載の電気光学装置。
  9. 前記評価用パターンは、前記カラーフィルターの着色層における寸法精度を評価するための、少なくとも赤、緑、青の3色の着色パターンを含み、
    前記少なくとも赤、緑、青の3色の着色パターンは、互いに離間して配置されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記着色パターンは、色ごとに複数のパターンを有し、前記複数のパターンは互いに離間して配置されている、請求項9に記載の電気光学装置。
  11. 前記着色パターンの前記複数のパターンのうちの1つは他のパターンと異なる形状となっている、請求項10に記載の電気光学装置。
  12. 前記基板上に前記カラーフィルターの着色層における位置精度を評価するための位置評価用パターンを有し、
    前記位置評価用パターンは、少なくとも赤、緑、青の3色のそれぞれに対応して設けられている、請求項1乃至11に記載の電気光学装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた、電子機器。
  14. 基板上の第1領域に画素ごとに有機EL素子を形成する工程と、
    前記第1領域に亘り前記有機EL素子を覆う封止部を形成する工程と、
    前記封止部上にカラーフィルターを形成する工程と、
    前記基板の端部と前記封止部との間に台座部を形成する工程と、を備え、
    前記カラーフィルターを形成する工程では、フォトリソグラフィ法により、前記カラーフィルターの着色層を形成すると共に、前記着色層の形成材料を用いて、前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンを前記台座部上に形成する、電気光学装置の製造方法。
  15. 基板上の第1領域に画素ごとに有機EL素子を形成する工程と、
    前記第1領域に亘り前記有機EL素子を覆う封止部を形成する工程と、
    前記封止部上にカラーフィルターを形成する工程と、
    前記カラーフィルターを評価するための評価用パターンを形成する工程と、
    前記評価用パターン上にn層の透光性部材を配置する工程と、
    前記評価用パターンの上方に、前記第1領域を囲む遮光部を配置する工程と、を備え、
    前記評価用パターンを、以下の数式(1)を満たす位置に形成する、電気光学装置の製造方法。
    (数2)
    Lp>Σ(Ln×tanθ) ・・・(1)
    nは1以上の整数であり、Lpは平面視における前記遮光部の前記第1領域側の端部から前記評価用パターンの端部までの距離であり、Lnはn層の前記透光性部材のそれぞれにおける前記評価用パターン上における厚みであり、θは前記評価用パターンの端部の法線に対して斜め方向に発する斜め光がn層の前記透光性部材のそれぞれを透過するときの当該透光性部材の法線に対する角度である。
  16. 前記カラーフィルターを形成する工程は、前記基板が複数面付けされるマザー基板と、前記カラーフィルターの着色層の形成材料と、少なくとも2つ以上の前記基板を同時に露光可能な露光用レチクルとを用いて、フォトリソグラフィ法により、前記マザー基板に前記着色層と前記評価用パターンとを形成し、
    前記露光用レチクルは、少なくとも2つの前記基板の前記評価用パターンを露光可能な露光パターンを有する、
    請求項14または15に記載の電気光学装置の製造方法。
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