JP6880905B2 - 回路装置、物理量測定装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

回路装置、物理量測定装置、電子機器及び移動体 Download PDF

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Description

本発明は、回路装置、物理量測定装置、電子機器及び移動体等に関する。
従来より、入力信号のサンプリング信号を逐次比較動作によりA/D変換する逐次比較型のA/D変換回路が知られている。このようなA/D変換回路において、時間的に変化するコードデータを用いてコードシフトを行うことで、微分非直線性(DNL: Differential Non Linearity)や積分非直線性(INL: Integral Non Linearity)を改善する手法が知られている。例えば特許文献1には、比較回路と、比較結果に基づいてレジスター値が更新される逐次比較用レジスターと、レジスター値をD/A変換する第1のD/A変換回路と、時間的に変化するコードデータを生成するコードデータ生成回路と、コードデータをD/A変換する第2のD/A変換回路と、を含むA/D変換回路が開示されている。
特開2010−263399号公報
上記のようなA/D変換回路において、コードデータをD/A変換するD/A変換回路に非直線性があった場合、その非直線性による誤差がA/D変換データに加わる可能性がある。コードデータは、例えば線形帰還シフトレジスター(LFSR: Linear Feedback Shift Register)等で生成されるので、その線形帰還シフトレジスターのコードが一巡する周期によりコードデータに周期性が生じる。そうすると、コードデータの周期性によってA/D変換データの誤差に周期性が生じ、特性周波数のノイズ成分となるおそれがある。この特性周波数のノイズ成分は、A/D変換回路のアラン分散特性(例えば比較的長いτの特性)に影響を与えるおそれがある。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は態様として実現することが可能である。
本発明の一態様は、時間的に変化するコードデータを生成するコードデータ生成回路と、前記コードデータに基づくコードシフトを行って、入力信号をA/D変換する逐次比較型のA/D変換回路と、を含み、前記コードデータ生成回路は、周波数特性がシェイピング特性を有する誤差データを生成し、前記誤差データを前記コードデータに変換する回路装置に関係する。
本発明の一態様によれば、周波数特性がシェイピング特性を有する誤差データを生成され、その誤差データがコードデータに変換され、そのコードデータに基づくコードシフトが行われて入力信号がA/D変換される。これにより、コードシフトによるA/D変換データの誤差を、誤差データに対応した誤差にすることが可能になり、A/D変換データの誤差にシェイピング特性をもたせることが可能になる。コードシフトによるA/D変換データの誤差がシェイピング特性を有することで、逐次比較型のA/D変換回路において、コードシフトがアラン分散特性に影響を与えるおそれを低減できる。
また本発明の一態様では、前記コードデータ生成回路は、前記コードデータを前記誤差データに変換する関数の逆関数により、前記誤差データを前記コードデータに変換してもよい。
このようにすれば、コードデータを誤差データに変換する関数を適切に設定することで、A/D変換データの誤差の周波数特性に、誤差データの周波数特性と同一(略同一)にできる。これにより、A/D変換データの誤差にシェイピング特性を付与することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記A/D変換回路は、前記コードデータをD/A変換するコードデータ用D/A変換回路を有し、前記関数は、前記コードデータ用D/A変換回路の変換特性に基づく関数であってもよい。
コードデータを誤差データに変換する関数の逆関数は、誤差データをコードデータに変換する関数となる。このコードデータを誤差データに変換する関数を、コードデータ用D/A変換回路の変換特性に基づいて設定することで、システムの誤差伝搬関数をほぼ1(又は定数)にすることが可能になる。これにより、コードシフトによるA/D変換データの誤差が、誤差データと同一(略同一)の周波数特性をもつようになる。
また本発明の一態様では、前記コードデータをCSとし、前記コードデータの範囲に対応した所定値をCM、CAとし、前記誤差データをERRとし、前記関数をfとしたとき、CS>0においてERR=f(CS)=(CM−CS)/CA、CS=0においてERR=f(CS)=0CS<0においてERR=f(CS)=−(CM+CS)/CAであってもよい。
このような関数fを採用することで、コードデータ用D/A変換回路が有すると推定される非線形性に応じた関数fを設定できる。即ち、コードデータ用D/A変換回路の変換特性に基づく関数を関数fとして設定できる。
また本発明の一態様では、前記コードデータ生成回路は、データ生成回路と、前記データ生成回路からの生成データを変調して前記誤差データを生成する変調回路と、前記誤差データを前記コードデータに変換する変換回路と、を含んでもよい。
このように、コードデータ生成回路が変調回路を含むことで、周波数特性がシェイピング特性を有する誤差データを生成できる。また、コードデータ生成回路が変換回路を含むことで、誤差データをコードデータに変換できる。
また本発明の一態様では、前記変調回路は、前記生成データに対してn次(nは1以上の整数)のΔΣ変調を行って前記誤差データを生成してもよい。
このように生成データに対してn次のΔΣ変調を行うことで、シェイピング特性を有する誤差データを生成できる。そして、その誤差データのシェイピング特性により、コードシフトによるA/D変換データの誤差にシェイピング特性を付与できる。
また本発明の一態様では、前記データ生成回路は、前記生成データとして疑似乱数データを生成してもよい。
このようにすれば、疑似乱数データが変調されることでコードデータが生成される。疑似乱数データを用いることでコードデータの周期性を低減できるが、データ生成回路の動作周期によってコードデータに周期性が残るおそれがある。本実施形態では、疑似乱数データを変調することで、コードデータの周期性がA/D変換データのアラン分散特性に与える影響を低減できる。
また本発明の一態様では、前記データ生成回路は、前記疑似乱数データと第2の乱数データに基づいて前記生成データを出力してもよい。
このようにすれば、よりランダム性が高い生成データを生成できる。例えば、生成データの各コードの出現頻度が均一でない場合に、その出現頻度をより均一にすることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記A/D変換回路は、比較回路と、前記比較回路からの比較結果信号によりレジスター値が設定される逐次比較レジスターを有し、逐次比較用データを出力する制御回路と、前記制御回路からの前記逐次比較用データをD/A変換して、前記逐次比較用データに対応するD/A出力信号を出力する逐次比較用データ用D/A変換回路と、前記コードデータをD/A変換して、前記コードデータに対応するコード信号を出力するコードデータ用D/A変換回路と、を含み、前記比較回路は、前記入力信号のサンプリング信号と前記コード信号の加算信号と、前記D/A出力信号とを比較する処理、或いは前記サンプリング信号と、前記D/A出力信号と前記コード信号の加算信号とを比較する処理を行い、前記制御回路は、前記逐次比較レジスターの逐次比較結果データと前記コードデータとに基づき求められる出力データを、前記入力信号のA/D変換データとして出力してもよい。
逐次比較用データ用D/A変換回路が非線形性を有している場合、その非線形性は、A/D変換特性に非線形性を生じさせる要因となるおそれがある。本発明の一態様によれば、時間的に変化するコードデータを用いることで、入力信号に対する逐次比較結果データを変化させることができる。これにより、非線形性が時間的に分散され、時間平均で見たA/D変換回路の特性を改善できる。例えば、ミッシングコードが発生するコードを、時間的に分散させることが可能になる。
また本発明の一態様では、物理量トランスデューサーを駆動する駆動回路と、前記物理量トランスデューサーからの検出信号を受けて、物理量に応じた物理量信号を検出する検出回路と、を含み、前記検出回路は、前記検出信号に基づく前記入力信号をA/D変換する前記A/D変換回路を有してもよい。
このようにすれば、シェイピング特性を有する誤差データに基づいて生成されたコードデータに基づくコードシフトを行って、検出信号に基づく入力信号をA/D変換できる。これにより、アラン分散特性が改善されたA/D変換回路により物理量信号を検出することが可能になり、高精度に物理量を検出することが可能になる。
また本発明の他の態様は、上記に記載の回路装置と、前記物理量トランスデューサーと、を含む物理量測定装置に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む移動体に関係する。
回路装置の比較例。 コードデータ用D/A変換回路の積分非直線性の特性例。 コードシフトによるA/D変換データの誤差の時間変化を模式的に示す図。 比較例における、コードシフトによるA/D変換データの誤差の周波数特性の例。 比較例におけるA/D変換データのアラン分散特性の例。 本実施形態の回路装置の構成例。 本実施形態の手法の原理的な説明図。 コードデータを誤差データに変換する関数の特性例。 データ生成回路の詳細な構成例。 変調回路の詳細な構成例。 本実施形態における、コードシフトによるA/D変換データの誤差の周波数特性の例。 比較例及び本実施形態におけるA/D変換データのアラン分散特性の例。 データ生成回路の変形例。 データ生成回路の変形例の動作を説明する図。 A/D変換回路の構成例。 A/D変換回路の第1の詳細な構成例。 A/D変換回路の第1の詳細な構成例の動作を説明する図。 A/D変換回路の第2の詳細な構成例。 物理量測定装置の構成例。 移動体の例。 電子機器の例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.比較例
図1は、回路装置の比較例である。この回路装置190は、線形帰還シフトレジスター191(コードデータ生成回路)、A/D変換回路192を含む。
線形帰還シフトレジスター191は、例えば疑似乱数データ等を生成し、その生成したデータをコードデータCDAとして出力する。A/D変換回路192は、逐次比較型のA/D変換回路であり、入力信号VIN(入力電圧)をA/D変換し、その結果をA/D変換データDOUTとして出力する。A/D変換回路192は、コードデータCDAをD/A変換するコードデータ用D/A変換回路193を含んでいる。そして、コードデータ用D/A変換回路の出力信号を用いて、入力信号VINに対するA/D変換値をコードデータCDAの分だけシフト(コードシフト)させる。得られたA/D変換値からコードデータCDAを減算し、A/D変換データDOUTとして出力する。
このようなA/D変換回路において、コードデータ用D/A変換回路193の出力信号がコードデータCDAに対して非線形性をもっていたとする。そうすると、コードデータ用D/A変換回路193の出力信号は、コードデータCDAに対応する理想的な成分と、非線形性による誤差成分とを含むことになる。理想的な成分は、A/D変換値からコードデータCDAを減算した際に除かれるが、誤差成分は除かれないので、その誤差成分に対応したデータがA/D変換データDOUTに残ってしまうことになる。
図2は、コードデータ用D/A変換回路の積分非直線性の特性例である。この積分非直線性に応じた誤差が、A/D変換データDOUTの誤差として現れることになる。図2の例では、コードデータCDAの範囲が−31〜+31であり、その範囲の中央(CDA=0)で積分非直線性の値が大きく変化している。この特性は、コードデータ用D/A変換回路の変換特性に応じたものであり、図2はその一例である。
例えば図16で後述するA/D変換回路では、DAC2がコードデータ用D/A変換回路に相当する。DAC2のキャパシターCC1、CC2、CC3、CC4は、ユニットキャパシターの容量値をCとして、C、2C、4C、8Cに重み付けされた容量値を有する。ユニットキャパシターの容量値にはばらつきがあるので、それが要因となって積分非直線性が生じる。DAC2は4ビットのコードデータをD/A変換するので、コードデータCDAの範囲は0〜+15となる。CDA=0は「0000」であり、CDA=+15は「1111」である。スイッチ素子SC1、SC2、SC3、SC4は、コードデータCDAのLSB、2ビット目、3ビット目、MSBで制御され、ビットが「1」のとき基準電圧VREFを選択し、ビットが「0」のとき接地電圧GNDを選択する。このため、CDA=+7は「0111」であり、CDA=+8は「1000」であり、この間で全てのキャパシターCC1〜CC4の一端のノードの電圧がVREFとGNDで入れ替わることになり、積分非直線性の値の変化が最大になると予想される。また、図18のように差動のD/A変換回路(DAC2P、DAC2N)を用いた場合には、コードデータCDAの範囲は−7〜+7となる。図18の例では、コードデータCDAのMSBを、2の補数の符号ビットを反転させたビットとして考える。即ち、CDA=−1は2の補数で「1111」なので、符号ビットを反転して「0111」であり、CDA=0は2の補数で「0000」なので、符号ビットを反転して「1000」となる。このため、CDA=−1(「0111」)とCDA=0(「1000」)の間で全てのキャパシターCC1P〜CC4P、CC1N〜CC4Nの一端のノードの電圧がVREFとGNDで入れ替わることになり、積分非直線性の値の変化が最大になると予想される。このことから、コードデータ用D/A変換回路の積分非直線性の特性が図2のようになると予想される。
図3は、コードシフトによるA/D変換データの誤差の時間変化を模式的に示す図である。図1で説明したように、時間的に変化するコードデータCDAが線形帰還シフトレジスター191により生成され、図2で説明したように、コードデータCDAに応じて誤差(積分非直線性の値)が変化する。そのため、図3に示すように、コードシフトによるA/D変換データの誤差は時間的に変化する。
線形帰還シフトレジスター191は、所定の周期で生成コードが一巡するので、コードデータCDAには周期性がある。この周期をTAとすると、コードシフトによるA/D変換データの誤差は、周期TA毎に同じ波形を繰り返すことになる。このため、コードシフトによるA/D変換データの誤差には、周期的な成分が含まれることになる。
図4は、比較例における、コードシフトによるA/D変換データの誤差の周波数特性の例である。図4には、誤差の時間変化をフーリエ変換したシミュレーション結果を示している。また図5は、比較例におけるA/D変換データのアラン分散特性の例である。アラン分散は、時間的にノイズを評価する指標であり、時間間隔τの間に発生する誤差の分散を時間で規格化した指標である。
図4に示すように、誤差の周波数成分(信号パワー)は低周波側でも比較的フラットな特性となっている。SPAは、低周波側における、おおよその信号パワーレベルを示している。この低周波数側の周波数成分は、図5に示すアラン分散において、長い時間間隔τの特性に影響を与える可能性がある。例えば、A/D変換回路の比較回路にタイムドメイン型コンパレーターを用いると、アンプ回路の1/fノイズの影響を受けなくなるので、τが大きくなるに従ってアラン分散が低下していく特性を得ることができる。しかしながら、図5のA1に示すように、A/D変換データの誤差の周波数成分が、τが大きい領域においてアラン分散の特性を乱す(ピークを発生させる)可能性がある。
2.回路装置
図6は、本実施形態の回路装置の構成例である。回路装置100は、コードデータ生成回路110、A/D変換回路120を含む。なお、本実施形態は図6の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
コードデータ生成回路110は、時間的に変化するコードデータCSを生成する。A/D変換回路120は、逐次比較型のA/D変換回路であり、コードデータCSに基づくコードシフトを行って、入力信号VIN(入力電圧)をA/D変換する。そしてコードデータ生成回路110は、周波数特性がシェイピング特性を有する誤差データERRを生成し、誤差データERRをコードデータCSに変換する。
具体的には、A/D変換回路120は、逐次比較用データをD/A変換した信号と入力信号VINとを比較し、その比較結果に基づいて逐次比較用データを更新し、その更新を繰り返すことで入力信号VINをA/D変換データDOUTに変換する。この入力信号VINから1つのA/D変換データDOUTを求める動作を1回のA/D変換動作とする。
コードデータ生成回路110は、各回のA/D変換動作で異なるコードデータCSを出力する。このとき、コードデータ生成回路110は、誤差データERRをコードデータCSに変換することで、コードデータCSを生成する。誤差データERRは、コードシフトによる(コードデータ用D/A変換回路の積分非直線性による)A/D変換データDOUTの誤差に対応する。即ち、A/D変換回路120がコードデータCSに基づくコードシフトを行ってA/D変換データDOUTを出力した際に、そのA/D変換データDOUTに含まれると想定される誤差が、誤差データERRである。コードデータ生成回路110は、シェイピング特性を有する誤差データERRを生成するので、A/D変換データDOUTに含まれる誤差もシェイピング特性を有することになる。シェイピング特性とは、低周波数側の周波数成分(ノイズ成分)が抑制されたハイパス周波数特性である。本実施形態では、生成データDARから誤差データERRを生成しているが、生成データDARの周波数特性における低周波数側の周波数成分が、誤差データERRにおいて抑制されている。
このように、誤差データERRをコードデータCSに変換することで、コードシフトによるA/D変換データDOUTの誤差を、誤差データERRに対応した誤差にすることが可能になる。これにより、誤差データERRの周波数特性により、コードシフトによるA/D変換データDOUTの誤差の低周波成分を制御できるようになる。即ち、周波数特性がシェイピング特性を有する誤差データERRを生成することで、コードシフトによるA/D変換データDOUTの誤差にシェイピング特性をもたせることが可能になる。誤差がシェイピング特性をもつことで低周波数側の周波数成分が小さくなるので、A/D変換回路120のアラン分散特性(例えば比較的長い時間間隔τにおける特性)を改善できる。
図6に示すように、コードデータ生成回路110は、データ生成回路112と、データ生成回路112からの生成データDARを変調して誤差データERRを生成する変調回路114と、誤差データERRをコードデータCSに変換する変換回路116と、を含む。
具体的には、データ生成回路112は、時系列のランダムなデータ(時間的に変化するデータ)である生成データDARを生成する。例えば、生成データDARは疑似乱数データである。変調回路114は、誤差データERRの周波数特性をシェイピングする変調を行う。例えば、変調としてΔΣ変調を採用できる。変換回路116は、所定の変換関数により誤差データERRをコードデータCSに変換する。A/D変換回路120がコードデータCSをA/D変換データDOUTの誤差に変換していると考えると、その変換関数(のモデル)の逆関数が、所定の変換関数である。
このように、コードデータ生成回路110に変調回路114を設けることで、周波数特性がシェイピング特性を有する誤差データERRを生成できる。また、コードデータ生成回路110に変換回路116を設けることで、誤差データERRをコードデータCSに変換できる。
図7は、本実施形態の手法の原理的な説明図である。図7に示すように、A/D変換回路120はコードデータ用D/A変換回路121、逐次比較回路122、減算回路123を含む。例えば図15のA/D変換回路では、DAC2がコードデータ用D/A変換回路121に対応し、S/H回路30、DAC1、比較回路10、制御回路20が逐次比較回路122及び減算回路123に対応する。なお、図7では、入力信号をVIN=0とし、逐次比較回路122が理想的な(微分非直線性や積分非直線性がない)A/D変換特性を有すると仮定する。
変換回路116は、コードデータCSと誤差データERRの関係を示す関数f(CS)=ERRの逆関数f−1(ERR)=CSにより、誤差データERRをコードデータCSに変換する。コードデータ用D/A変換回路121は、コードデータCSをD/A変換し、信号V(CS)+e(CS)を出力する。V(CS)は理想的なD/A変換結果であり、e(CS)は、コードデータ用D/A変換回路121の非線形性による誤差である。逐次比較回路122は、VIN+V(CS)+e(CS)=V(CS)+e(CS)に対応するA/D変換値CS+De(CS)を出力する。De(CS)は、e(CS)のA/D変換結果に対応する。減算回路123は、A/D変換値CS+De(CS)からコードデータCSを減算し、A/D変換データDOUT=De(CS)を出力する。
このように、A/D変換データDOUTは、コードデータCSに対応する誤差データDe(CS)を含んでいることが分かる。De(CS)は、コードデータCSを誤差データに変換する関数になっている。このDe(CS)に、変換回路116で用いる逆関数f−1(ERR)=CSを代入すると、De(CS)=De(f−1(ERR))となる。本実施形態では、関数fとして、関数Deと同じ(略同一の)特性の関数を採用する。これにより、De(CS)=De(De−1(ERR))=ERRとなり、変調回路114で生成した誤差データERRのシェイピング特性を、A/D変換データDOUTの誤差データDe(CS)に反映させることができる。
De(f−1(ERR))は、システムの誤差伝搬関数に相当する。本実施形態では、この誤差伝搬関数De(f−1(ERR))の演算結果がほぼERR(又は定数×ERR)になるように、関数fを設定しておく。Deの特性は、コードデータ用D/A変換回路121の特性で決まるので、その非線形性を表す関数eと同じ(略同一の)特性の関数を関数fとして採用する。例えば、コードデータ用D/A変換回路121の動作から関数eを推定し、その推定した関数を関数fに設定する。
以上の実施形態では、コードデータ生成回路110は、コードデータCSを誤差データERRに変換する関数fの逆関数f−1により、誤差データERRをコードデータCSに変換する。
このようにすれば、コードデータCSを誤差データERRに変換する関数fを適切に設定することで、A/D変換データDOUTの誤差データDe(CS)の周波数特性を、誤差データERRの周波数特性と同一(略同一)にできる。これにより、A/D変換データDOUTの誤差データDe(CS)にシェイピング特性をもたせることが可能になる。
また本実施形態では、A/D変換回路120は、コードデータCSをD/A変換するコードデータ用D/A変換回路121を有する。関数fは、コードデータ用D/A変換回路121の変換特性に基づく関数である。
コードデータ用D/A変換回路121の変換特性は、V(CS)+e(CS)で表される。その誤差成分であるe(CS)に基づいて関数fを設定することで、システムの誤差伝搬関数De(f−1(ERR))の演算結果をほぼERR(又は定数×ERR)にできる。これにより、コードシフトによるA/D変換データDOUTの誤差データDe(CS)が、誤差データERRと同一(略同一)となるようにできる。
3.詳細な構成例
図8は、コードデータを誤差データに変換する関数の特性例である。関数fは、下式(1)で表される。下式(1)は、コードデータCSの範囲が−31〜+31である場合の例である。
Figure 0006880905
コードデータ用D/A変換回路がもつ非線形性(積分非直線性)は、図2で説明した特性となる。上式(1)の関数fは、その非線形性に基づいて設定したものである。変換回路116は、上式(1)の関数fの逆関数f−1により誤差データERRをコードデータCSに変換する。例えば、変換回路116は、DSP(Digital Signal Processor)や専用のロジック回路等により逆関数f−1の演算処理を行う。DSPを用いる場合、DSPが時分割に行う複数の処理の一部により、変換回路116の機能が実現される。或いは、変換回路116は、逆関数f−1に対応するルックアップテーブルを記憶し、そのルックアップテーブルにより誤差データERRをコードデータCSに変換してもよい。
以上の実施形態によれば、コードデータCSの範囲に対応した所定値をCM、CAとしたとき、関数fは下式(2)で表される。
Figure 0006880905
上式(1)、(2)を比較すると、所定値はCM=32、CA=31である。即ち、コードデータCSの範囲が−CA〜CAである場合に、その範囲の大きさ(CA−(−CA)=2CA)の1/2が所定値CAである。また、所定値CM=CA+1である。
このような関数fを採用することで、一般的なD/A変換回路が有すると推定される非線形性に応じた関数fを設定できる。例えば、図16や図18のようなキャパシターアレイ型のD/A変換回路では、センターコード(CS=0)において積分非直線性の変化が最大になると考えられる。関数fは、このような特性を反映している。
なお、関数fは上式(1)、(2)に限定されない。例えば、上式(1)ではCS=−31からCS=−1に向かってf(CS)が単調減少し、CS=0でf(CS)が正方向に急激に変化し、CS=+1からCS=+31に向かってf(CS)が単調減少している。このような特性は、コードデータ用D/A変換回路の構成や動作によって決まっているので、異なる構成や動作のコードデータ用D/A変換回路を採用した場合には、それに応じて関数fを設定すればよい。
図9は、データ生成回路の詳細な構成例である。データ生成回路112は、フリップフロップ回路FF1〜FF16、排他的論理和回路EX1〜EX3を含む。
フリップフロップ回路FF2〜FF16のデータ入力端子には、フリップフロップ回路FF1〜FF15の出力Q1〜Q15が入力される。排他的論理和回路EX1は、フリップフロップ回路FF14、FF16の出力Q14、Q16の排他的論理和を出力する。排他的論理和回路EX2は、フリップフロップ回路FF13の出力Q13と排他的論理和回路EX1の出力との排他的論理和を出力する。排他的論理和回路EX3は、フリップフロップ回路FF11の出力Q11と排他的論理和回路EX2の出力との排他的論理和を出力する。フリップフロップ回路FF1のデータ入力端子には、排他的論理和回路EX3の出力が入力される。
このように、データ生成回路112は、排他的論理和回路EX1〜EX3により帰還されたシフトレジスター(線形帰還シフトレジスター)になっている。図9の例では、Q1〜Q16で構成される16ビットのデータQ[16:1]が生成され、このデータQ[16:1]は疑似乱数データとなる。フリップフロップ回路FF1〜FF16を動作させるクロック信号の周波数をfckとすると、データQ[16:1]は周期216/fckで一巡する。生成データDARとしては、例えばデータQ[16:1]の一部を用いる。例えば、コードデータCSが6ビット(−31〜+31)の場合、データQ[16:1]のうち下位6ビットのデータQ[6:1]を生成データDARとして出力する。
以上の実施形態によれば、データ生成回路112は、生成データDARとして疑似乱数データを生成する。
このようにすれば、疑似乱数データに基づいてコードデータCSを生成することが可能になる。疑似乱数データを用いることでコードデータCSの周期性を低減できるが、図3で説明したように、データ生成回路112の動作周期によってコードデータCSに周期性が残る。本実施形態では、疑似乱数データを変調して(周波数特性をシェイピングして)コードデータCSを生成することで、コードデータCSの周期性の影響を低減できる。
なお、データ生成回路112は図9の構成に限定されず、疑似的な乱数データを生成できる回路であればよい。
図10は、変調回路の詳細な構成例である。変調回路114は、加算処理部131(減算回路)、減算処理部132(減算回路)、遅延部133(レジスター、フリップフロップ回路)を含む。
加算処理部131は、生成データDARと遅延部133の出力を加算し、その結果を誤差データERRとして出力する。減算処理部132は、遅延部133の出力から加算処理部131の出力を減算し、その結果を出力する。遅延部133は、減算処理部132の出力を記憶し(ラッチし)、その記憶したデータを出力する。この変調回路114は、生成データDARに対して1次のΔΣ変調を行うΔΣ変調回路である。例えば、変調回路114は、DSPや専用のロジック回路等により実現される。DSPを用いる場合、DSPが時分割に行う複数の処理の一部により、変調回路114の機能が実現される。
図11は、本実施形態における、コードシフトによるA/D変換データの誤差の周波数特性の例である。図11には、図8〜図10を図6に適用した場合の誤差の時間変化をフーリエ変換したシミュレーション結果を示している。また図12は、比較例及び本実施形態におけるA/D変換データのアラン分散特性の例である。AD1は、図5で説明した比較例のアラン分散特性であり、AD2は、本実施形態におけるアラン分散特性である。
図11に示すように、1次のΔΣ変調により、A/D変換データの誤差の周波数特性がシェイピングされている。比較例における信号パワーレベルSPAに比べて、低周波側における周波数成分(信号パワー)が大幅に低減されていることが分かる。これにより、図12のB1に示すように、τが大きい領域でのアラン分散特性が、比較例に比べて改善している。即ち、誤差の周波数成分によるアラン分散特性の乱れ(ピーク)が低減されている。また、誤差の低周波側における周波数成分(信号パワー)が低減されたことで、アラン分散特性のフロアが下がり、アラン分散の全体的な特性が改善されている。
以上の実施形態によれば、変調回路114は、生成データDARに対してn次(nは1以上の整数)のΔΣ変調を行って誤差データERRを生成する。
このようにすれば、図11に示すようなシェイピング特性を誤差データERRに付与することが可能になる。本実施形態では、A/D変換データDOUTの誤差データDe(CS)が誤差データERRと同じ(略同一の)周波数特性となるので、A/D変換データDOUTの誤差データDe(CS)にシェイピング特性を付与できる。
なお、図10では1次のΔΣ変調回路を例に説明したが、変調回路114は2次以上のΔΣ変調回路であってもよい。ΔΣ変調回路の次数は、ΔΣ変調回路が含む帰還ループの数に対応する。
4.変形例
図13は、データ生成回路の変形例である。図13では、データ生成回路112は、線形帰還シフトレジスター141、出力回路142を含む。
線形帰還シフトレジスター141は、疑似乱数データRMD1(第1の乱数データ)を生成する。線形帰還シフトレジスター141は、例えば図9の線形帰還シフトレジスターである。出力回路142は、疑似乱数データRMD1と第2の乱数データRMD2に基づいて生成データDARを出力する。例えば、第2の乱数データRMD2を用いて疑似乱数データRMD1に対して加工(例えば置き換え、演算、組み合わせ等)を行って、生成データDARを生成する。第2の乱数データRMD2は、例えば回路装置100の内部の回路により出力される乱数データ、或いは回路装置100の外部から供給される乱数データである。例えば、データ生成回路112が線形帰還シフトレジスター141とは別の疑似乱数データ生成回路を含み、その疑似乱数データ生成回路が第2の乱数データRMD2を出力してもよい。
以上の実施形態によれば、データ生成回路112は、疑似乱数データRMD1と第2の乱数データRMD2に基づいて生成データDARを出力する。
このようにすれば、よりランダム性が高い生成データDARを生成できる。例えば、生成データDARの各コードの出現頻度が均一でない場合に、その出現頻度をより均一にすることが可能になる。
図14は、データ生成回路の変形例の動作を説明する図である。図14には、コードデータCSとして4ビットの2の補数を生成する場合の例を示す。この場合、生成データDARも4ビットの2の補数となる。
4ビットの疑似乱数データRMD1は、2進数で0000〜1111の値をとり得る。10進数では0〜15であり、16個の値がある。一方、4ビットの2の補数は、10進数で考えると−7〜+7であり、値の数は15個になる。このため、疑似乱数データRMD1から2の補数である生成データDARを生成しようとすると、値が1つ余ることになる。例えば、疑似乱数データRMD1の1〜15を生成データDARの−7〜+7に変換したとすると、疑似乱数データRMD1の0が余る。例えば、余った0を生成データDARの0に対応させたとする。このとき、疑似乱数データRMD1の各コードの発生頻度が均一であるとすると、DAR=0の発生頻度は、0以外のコードの発生頻度の2倍になってしまう。
本実施形態では、疑似乱数データがRMD1=0の場合に第2の乱数データRMD2を割り当て、その第2の乱数データRMD2を生成データDARに変換する。第2の乱数データRMD2の各コードの出現頻度が均一であれば、RMD1=0の出現頻度が生成データDARの各コードに分散される。このようにして、生成データDARの各コードの出現頻度を均一にできる。
5.A/D変換回路
図15は、A/D変換回路の構成例である。A/D変換回路120は、比較回路10、制御回路20、第1のD/A変換回路DAC1、第2のD/A変換回路DAC2、S/H回路30(サンプルホールド回路)を含む。第2のD/A変換回路DAC2が図7のコードデータ用D/A変換回路121に対応する。なお、本実施形態は図15の構成に限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
比較回路10は、コンパレーターにより実現され、信号SADDと信号DCQの比較処理を行う。例えば、比較回路10は、入力信号を時間(例えばパルス幅、或いはパルスの遅延時間)に変換して比較するタイムドメイン型コンパレーターである。例えば、タイムドメイン型コンパレーターは、第1の電圧時間変換回路、第2の電圧時間変換回路、判定回路を含む。第1の電圧時間変換回路は、第1の入力信号(DCQ)と第2の入力信号(SADD)の差分に対応する遅延時間でパルス信号を遅延させる。第2の電圧時間変換回路は、第2の入力信号(SADD)と第1の入力信号(DCQ)の差分に対応する遅延時間でパルス信号を遅延させる。判定回路は、第1の電圧時間変換回路により遅延されたパルス信号と第2の電圧時間変換回路により遅延されたパルス信号とを比較し、第1の入力信号と第2の入力信号との大小を判定する。
制御回路20は、逐次比較レジスターSARを有し、逐次比較レジスターSARに記憶された逐次比較用データRDAを出力する。逐次比較レジスターSARは、比較回路10からの比較結果信号CPQにより、そのレジスター値が設定されるレジスターである。例えば比較回路10が、MSBのビットからLSBのビットに至るまでの逐次比較処理を行った場合に、各ビットにおける比較処理結果(「1」、「0」)が、逐次比較レジスターSARの各レジスター値として記憶される。
なお制御回路20は、A/D変換回路の各回路ブロックの制御処理も行うこともできる。例えばD/A変換回路DAC1、DAC2に含まれるスイッチ素子(スイッチアレイ)をオン及びオフする制御を行う。
D/A変換回路DAC1(逐次比較用データ用D/A変換回路)は、制御回路20からの逐次比較用データRDAのD/A変換を行う。そして逐次比較用データRDAに対応するD/A出力信号DCQを出力する。このD/A変換回路DAC1は、キャパシターアレイを用いた電荷再分配型であってもよいし、その一部又は全部がラダー抵抗型であってもよい。
D/A変換回路DAC2は、コードデータCSをD/A変換する。そしてコードデータCSに対応するコード信号SCDを出力する。ここでコードデータCSは、所定タイミング毎に変化するデジタルデータであり、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるデータである。
S/H回路30は、A/D変換の対象となる入力信号VINをサンプルホールドする回路である。なお電荷再分配型の場合にはS/H回路30の機能はD/A変換回路により実現できる。
そして本実施形態では比較回路10は、入力信号VINのサンプリング信号SINとコード信号SCDの加算信号SADDと、D/A出力信号DCQとを比較する処理を行う。なお、比較回路10は、サンプリング信号SINと、D/A出力信号DCQとコード信号SCDの加算信号とを比較する処理を行ってもよい。
そして制御回路20は、逐次比較レジスターSARからの逐次比較結果データQDA(逐次比較が終了した後の最終的な逐次比較用データRDA)とコードデータCSとに基づき求められる出力データを、入力信号VINのA/D変換データDOUTとして出力する。例えばサンプリング信号SINとコード信号SCDの加算信号SADDと、D/A出力信号DCQとの比較処理が行われる場合には、制御回路20は、逐次比較結果データQDAからコードデータCSを減算する処理を行う。一方、サンプリング信号SINと、D/A出力信号DCQとコード信号SCDの加算信号との比較処理が行われる場合には、制御回路20は、逐次比較結果データQDAにコードデータCSを加算する処理を行う。
逐次比較用データRDAをD/A変換するD/A変換回路DAC1が、非線形性(微分非直線性、積分非直線性)を有している場合、その非線形性は、A/D変換回路120のA/D変換特性に非線形性を生じさせる要因となる。例えば、A/D変換データの特定のコードがミッシングコードになる可能性がある。本実施形態では、時間的に変化するコードデータCSを用いることで、(同一の)入力信号VINに対する逐次比較結果データQDAを変化させることができる。これにより、非線形性が時間的に分散され、時間平均で見たA/D変換回路の特性を改善できる。例えば、ミッシングコードが発生するコードを、時間的に分散させることが可能になる。
図16は、A/D変換回路の第1の詳細な構成例である。図16は、図15のDAC1、DAC2、比較回路10の詳細な構成例を示すものであり、DAC1、DAC2は電荷再分配型のD/A変換回路により構成される。
第1のD/A変換回路DAC1は、第1のキャパシターアレイ部41と第1のスイッチアレイ部51を含む。また比較ノードNCと第1のノードN1との間に設けられる第1の直列キャパシターCS1を含む。またDAC1は、第2のキャパシターアレイ部42と第2のスイッチアレイ部52を含む。またサンプリング期間において、ノードNC、N1を接地電圧GND(電源電圧、基準電圧)に設定するためのスイッチ素子SS1、SS2を含む。
第1のキャパシターアレイ部41は、複数のキャパシターCA1〜CA4を含む。これらのキャパシターCA1〜CA4は、その一端が比較回路10の比較ノードNCに接続される。ここで比較ノードNC(サンプリングノード)は、比較回路10の第1の入力端子(反転入力端子)に接続されるノードであり、比較回路10の第2の入力端子(非反転入力端子)はGNDに設定される。またキャパシターCA1〜CA4はバイナリーで重み付けされており、例えばCA1、CA2、CA3、CA4の容量値は、4ビットの場合にはC、2C、4C、8Cになっている。また第1のキャパシターアレイ部41は、ダミーキャパシターCDMも含む。
第1のスイッチアレイ部51は、複数のスイッチ素子SA1〜SA4を含む。これらのスイッチ素子SA1〜SA4は、第1のキャパシターアレイ部41のキャパシターCA1〜CA4の他端に接続される。そしてスイッチ素子SA1〜SA4は、逐次比較用データRDAの上位ビットのデータ(例えばRDAが8ビットの場合には上位の4ビットのデータ)に基づきスイッチ制御される。
第2のキャパシターアレイ部42は、複数のキャパシターCB1〜CB4を含む。これらのキャパシターCB1〜CB4は、その一端が第1のノードN1に接続される。ここで第1のノードN1は、一端が比較ノードNCに接続される直列キャパシターCS1の他端側のノードである。またキャパシターCB1〜CB4はバイナリーで重み付けされており、例えばCB1、CB2、CB3、CB4の容量値は、4ビットの場合にはC、2C、4C、8Cになっている。
第2のスイッチアレイ部52は、複数のスイッチ素子SB1〜SB4を含む。これらのスイッチ素子SB1〜SB4は、第2のキャパシターアレイ部42のキャパシターCB1〜CB4の他端に接続される。そしてスイッチ素子SB1〜SB4は、逐次比較用データRDAの下位ビットのデータ(例えばRDAが8ビットの場合には下位の4ビットのデータ)に基づきスイッチ制御される。
第2のD/A変換回路DAC2は、比較ノードNCと第2のノードN2との間に設けられる第2の直列キャパシターCS2を含む。また第3のキャパシターアレイ部43と第3のスイッチアレイ部53を含む。またサンプリング期間において、第2のノードN2をGNDに設定するためのスイッチ素子SS3を含む。
第3のキャパシターアレイ部43は、複数のキャパシターCC1〜CC4を含む。これらのキャパシターCC1〜CC4は、その一端が第2のノードN2に接続される。ここで第2のノードN2は、一端が比較ノードNCに接続される直列キャパシターCS2の他端側のノードである。またキャパシターCC1〜CC4はバイナリーで重み付けされており、例えばCC1、CC2、CC3、CC4の容量値は、4ビットの場合にはC、2C、4C、8Cになっている。
DAC2の第3のスイッチアレイ部53は、複数のスイッチ素子SC1〜SC4を含む。これらのスイッチ素子SC1〜SC4は、第3のキャパシターアレイ部43のキャパシターCC1〜CC4の他端に接続される。そしてスイッチ素子SC1〜SC4は、コードデータCSに基づきスイッチ制御される。
図17は、A/D変換回路の第1の詳細な構成例の動作を説明する図である。図17に示すように、入力信号VINのサンプリング期間では、D/A変換回路DAC1のスイッチ素子SS1、SS2がオンになり、ノードNC、N1がGNDに設定される。またD/A変換回路DAC1のスイッチ素子SA1〜SA4、SB1〜SB4を介して、キャパシターCA1〜CA4、CB1〜CB4の他端がVINの電圧レベルに設定される。
これにより入力信号VINのサンプリングが行われる。そしてスイッチ素子SA1〜SA4、SB1〜SB4がオフすると、そのタイミングでの入力信号VINの電圧がホールドされる。なおサンプリング期間では、ダミーキャパシター用のスイッチ素子SDMを介して、ダミーキャパシターCDMの他端がVINの電圧レベルに設定される。
またサンプリング期間では、コードシフト用のD/A変換回路DAC2のスイッチ素子SS3がオンになり、ノードN2がGNDに設定される。またスイッチ素子SC1〜SC4を介して、キャパシターCC1〜CC4の他端がGNDに設定される。これによりキャパシターCC1〜CC4の両端がGNDに設定され、電荷が蓄積されない状態になる。
次に、A/D変換の逐次比較期間になると、D/A変換回路DAC1のスイッチ素子SS1、SS2がオフになる。またダミーキャパシター用のスイッチ素子SDMの他端はGNDに設定される。
そして、逐次比較用データRDAの各ビットに基づいて、DAC1のスイッチ素子SA1〜SA4、SB1〜SB4がスイッチ制御され、キャパシターCA1〜CA4、CB1〜CB4の他端はVREF又はGNDに設定される。例えば逐次比較用データがRDA=10000000である場合には、RDAのMSBに対応するキャパシターCA4の他端は基準電圧VREFに設定される。また、他のキャパシターCA3〜CA1、CB4〜CB1の他端はGNDに設定される。
またA/D変換の逐次比較期間になると、D/A変換回路DAC2のスイッチ素子SS3がオフになる。そして、コードデータCSの各ビットに基づいて、DAC2のスイッチ素子SC1〜SC4がスイッチ制御され、キャパシターCC1〜CC4の他端はVREF又はGNDに設定される。例えばコードデータがCDA=1000である場合には、キャパシターCC4の他端はVREFに設定され、他のキャパシターCC3〜CC1の他端はGNDに設定される。
図16の電荷再分配型のA/D変換回路においては、VINのサンプリング信号と、D/A出力信号とコード信号の加算信号との比較処理が行われる。この場合には図15の制御回路20は、逐次比較結果データQDAにコードデータCSを加算する処理を行うことになる。
図18は、A/D変換回路の第2の詳細な構成例である。図18には、全差動型のA/D変換回路の構成例を示す。A/D変換回路120は、比較回路10と、比較回路10の非反転入力端子に接続される第1のD/A変換回路DAC1Pと、比較回路10の反転入力端子に接続される第2のD/A変換回路DAC1Nを含む。また、A/D変換回路120は、比較回路10の非反転入力端子に接続される第3のD/A変換回路DAC2Pと、反転入力端子に接続される第4のD/A変換回路DAC2Nを含む。
D/A変換回路DAC1P、DAC1Nの構成は、図16のD/A変換回路DAC1と同様に、キャパシターアレイ部とスイッチアレイ部を含む。そしてDAC1Pには、差動信号を構成する非反転側(正側)の入力信号PINが入力され、DAC1Nには、差動信号を構成する反転側(負側)の入力信号NINが入力される。
そしてサンプリング期間では、DAC1PのノードNCP、N1Pは、スイッチ素子SS1P、SS2Pによりコモン電圧(中間電圧)VCMに設定される。またDAC1NのノードNCN、N1Nは、スイッチ素子SS1N、SS2Nによりコモン電圧VCMに設定される。またサンプリング期間では、DAC1Pのスイッチ素子SA1P〜SA4P、SB1P〜SB4Pの一端は、差動信号の非反転側の信号PINに接続され、DAC1Nのスイッチ素子SA1N〜SA4N、SB1N〜SB4Nの一端は、差動信号の反転側の信号NINに接続される。
一方、逐次比較期間では、DAC1Pのスイッチ素子SA1P〜SA4P、SB1P〜SB4Pの一端は、逐次比較用データの対応するビットが「1」である場合にはVREFに接続され、「0」である場合にはGNDに接続される。これに対して、DAC1Nのスイッチ素子SA1N〜SA4N、SB1N〜SB4Nの一端は、逐次比較用データの対応するビットが「1」である場合にはGNDに接続され、「0」である場合にはVREFに接続される。
D/A変換回路DAC2P、DAC2Nは、図16のコードシフト用のD/A変換回路DAC2と同様に、キャパシターアレイ部とスイッチアレイ部を含む。
そしてサンプリング期間では、DAC2PのノードN2Pは、スイッチ素子SS3PによりVCMに設定される。またDAC2NのノードN2Nは、スイッチ素子SS3NによりVCMに設定される。またDAC2Pのスイッチ素子SC1P〜SC4P及びDAC2Nのスイッチ素子SC1N〜SC4Nの一端はVCMに接続される。
一方、逐次比較期間では、DAC2Pのスイッチ素子SC1P〜SC4Pの一端は、コードデータの対応するビットが「1」である場合にはVREFに接続され、「0」である場合にはGNDに接続される。これに対して、DAC2Nのスイッチ素子SC1N〜SC4Nの一端は、コードデータの対応するビットが「1」である場合にはGNDに接続され、「0」である場合にはVREFに接続される。
6.物理量測定装置
図19は、本実施形態の回路装置を含む物理量測定装置の構成例である。物理量測定装置400は、物理量トランスデューサーと回路装置100を含む。回路装置100は、物理量トランスデューサーを駆動する駆動回路70と、物理量トランスデューサーからの検出信号を受けて、物理量に応じた物理量信号を検出する検出回路60と、を含む。そして、検出回路60は、検出信号に基づく入力信号をA/D変換するA/D変換回路120を有する。
物理量トランスデューサーは、物理量を検出するための素子やデバイスである。物理量は、例えば角速度、角加速度、速度、加速度、距離、圧力、音圧、磁気量又は時間等である。なお、回路装置100は、複数の物理量トランスデューサーからの検出信号に基づいて物理量を検出してもよい。例えば、第1〜第3の物理量トランスデューサーが、各々、第1軸、第2軸、第3軸についての物理量を検出する。第1軸、第2軸、第3軸についての物理量とは、一例としては第1軸、第2軸、第3軸回りでの角速度又は角加速度、或いは第1軸、第2軸、第3軸方向での速度又は加速度などである。第1軸、第2軸、第3軸は一例としてはX軸、Y軸、Z軸である。なお第1軸〜第3軸のうちの2軸の物理量だけを検出するものであってもよい。
図19には、物理量測定装置の一例として、角速度を検出するジャイロセンサーの構成例を示す。図19では、物理量測定装置400は、物理量トランスデューサーとして振動子410を含む。また、回路装置100は、処理回路150(DSP)を含むことができる。
振動子410(角速度検出素子)は、所定の軸での回転により振動子410に働くコリオリ力を検出し、そのコリオリ力に応じた信号を出力する素子である。振動子410は、例えば圧電振動子である。例えば、振動子410はダブルT字型、T字型、音叉型等の水晶振動子等である。なお、振動子410として、シリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子等を採用してもよい。
駆動回路70は、振動子410からのフィードバック信号DIが入力される増幅回路32と、自動ゲイン制御を行うゲイン制御回路40と、駆動信号DQを振動子410に出力する駆動信号出力回路50を含む。また同期信号SYCを検出回路60に出力する同期信号出力回路54を含む。
増幅回路32(I/V変換回路)は、振動子410からのフィードバック信号DIを増幅する。例えば振動子410からの電流の信号DIを電圧の信号DVに変換して出力する。この増幅回路32は、演算増幅器、帰還抵抗素子、帰還キャパシターなどにより実現できる。
駆動信号出力回路50は、増幅回路32による増幅後の信号DVに基づいて、駆動信号DQを出力する。例えば駆動信号出力回路50が、矩形波(又は正弦波)の駆動信号を出力する場合には、駆動信号出力回路50はコンパレーター等により実現できる。
ゲイン制御回路40(AGC)は、駆動信号出力回路50に制御電圧DSを出力して、駆動信号DQの振幅を制御する。具体的には、ゲイン制御回路40は、信号DVを監視して、発振ループのゲインを制御する。例えば駆動回路70では、ジャイロセンサーの感度を一定に保つために、振動子410の駆動用振動部に供給する駆動電圧の振幅を一定に保つ必要がある。このため、駆動振動系の発振ループ内に、ゲインを自動調整するためのゲイン制御回路40が設けられる。ゲイン制御回路40は、振動子410からのフィードバック信号DIの振幅(振動子410の駆動用振動部の振動速度)が一定になるように、ゲインを可変に自動調整する。このゲイン制御回路40は、増幅回路32の出力信号DVを全波整流する全波整流器や、全波整流器の出力信号の積分処理を行う積分器などにより実現できる。
同期信号出力回路54は、増幅回路32による増幅後の信号DVを受け、同期信号SYC(参照信号)を検出回路60に出力する。この同期信号出力回路54は、正弦波(交流)の信号DVの2値化処理を行って矩形波の同期信号SYCを生成するコンパレーターや、同期信号SYCの位相調整を行う位相調整回路(移相器)などにより実現できる。
検出回路60は、増幅回路64、同期検波回路81、コードデータ生成回路110を更に含む。増幅回路64は、振動子410からの第1、第2の検出信号IQ1、IQ2を受けて、電荷−電圧変換や差動の信号増幅やゲイン調整などを行う。同期検波回路81は、駆動回路70からの同期信号SYCに基づいて同期検波を行う。A/D変換回路120は、コードデータ生成回路110からのコードデータに基づいてコードシフトを行い、同期検波後の信号のA/D変換を行う。処理回路150はA/D変換回路120からのデジタル信号に対してデジタルフィルター処理やデジタル補正処理(例えばゼロ点補正処理や感度補正処理など)を行う。
7.移動体、電子機器
図20、図21は、本実施形態の回路装置を含む移動体、電子機器の例である。本実施形態の回路装置100は、例えば、車、飛行機、バイク、自転車、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。
図20は、移動体の具体例としての自動車206を概略的に示したものである。自動車206には、回路装置100を含むジャイロセンサー(不図示)が組み込まれている。ジャイロセンサーは車体207の姿勢を検出することができる。ジャイロセンサーの検出信号は車体姿勢制御装置208に供給される。車体姿勢制御装置208は例えば車体207の姿勢に応じてサスペンションの硬軟を制御したり個々の車輪209のブレーキを制御したりすることができる。その他、こういった姿勢制御は二足歩行ロボットや航空機、ヘリコプター等の各種の移動体において利用されることができる。姿勢制御の実現にあたってジャイロセンサーは組み込まれることができる。
図21は、電子機器の具体例としてのデジタルスチルカメラ610を概略的に示したものである。デジタルスチルカメラ610には、回路装置100を含むジャイロセンサー(不図示)や加速度センサー(不図示)が組み込まれている。例えばデジタルスチルカメラ610においてジャイロセンサーや加速度センサーを用いた手ぶれ補正等を行うことができる。また電子機器の具体例として生体情報検出装置(ウェアラブル健康機器。例えば脈拍計、歩数計、活動量計等)を想定できる。生体情報検出装置において、ジャイロセンサーや加速度センサーを用いて、ユーザーの体動を検出したり、運動状態を検出したりできる。このように、本実施形態の回路装置100はデジタルスチルカメラ610や生体情報検出装置などの種々の電子機器に適用できる。
また、移動体又は電子機器の具体例としてロボットを想定できる。本実施形態の回路装置100は、例えばロボットの可動部(アーム、関節)や本体部に適用できる。ロボットは、移動体(走行・歩行ロボット)、電子機器(非走行・非歩行ロボット)のいずれも想定できる。走行・歩行ロボットの場合には、例えば自律走行にジャイロセンサー(本実施形態の回路装置を含む)を利用できる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。またコードデータ生成回路、A/D変換回路、回路装置、物理量測定装置、電子機器、移動体の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10…比較回路、20…制御回路、30…S/H回路、32…増幅回路、
40…ゲイン制御回路、41…第1のキャパシターアレイ部、
42…第2のキャパシターアレイ部、43…第3のキャパシターアレイ部、
50…駆動信号出力回路、51…第1のスイッチアレイ部、
52…第2のスイッチアレイ部、53…第3のスイッチアレイ部、
54…同期信号出力回路、60…検出回路、64…増幅回路、70…駆動回路、
81…同期検波回路、100…回路装置、110…コードデータ生成回路、
112…データ生成回路、114…変調回路、116…変換回路、
120…A/D変換回路、121…コードデータ用D/A変換回路、
122…逐次比較回路、123…減算回路、131…加算処理部、
132…減算処理部、133…遅延部、141…線形帰還シフトレジスター、
142…出力回路、150…処理回路、190…回路装置、
191…線形帰還シフトレジスター、192…A/D変換回路、
193…コードデータ用D/A変換回路、206…自動車(移動体)、
207…車体、208…車体姿勢制御装置、209…車輪、
400…物理量測定装置、410…振動子(物理量トランスデューサー)、
610…デジタルスチルカメラ(電子機器)、
CS…コードデータ、
DAC1…第1のD/A変換回路(逐次比較用データ用D/A変換回路)、
DAC2…第2のD/A変換回路(コードデータ用D/A変換回路)、
DAR…生成データ、DOUT…A/D変換データ、ERR…誤差データ、
RDA…逐次比較用データ、RMD1…疑似乱数データ、
RMD2…第2の乱数データ、SAR…逐次比較レジスター、
SIN…サンプリング信号、VIN…入力信号、f…関数、f−1…逆関数

Claims (12)

  1. 時間的に変化するコードデータを生成するコードデータ生成回路と、
    逐次比較により入力信号を逐次比較結果データに変換し、前記逐次比較結果データに基づいてA/D変換データを出力する逐次比較型のA/D変換回路と、
    を含み、
    前記A/D変換回路は、
    前記コードデータをD/A変換して、前記コードデータに対応するコード信号を出力するコードデータ用D/A変換回路を含み、
    前記コード信号と前記入力信号とに基づく前記逐次比較により前記逐次比較結果データのコードシフトを行い、前記コードシフトにより得られた前記逐次比較結果データと前記コードデータとに基づいて前記A/D変換データを出力し、
    前記コードデータ生成回路は、
    周波数特性がシェイピング特性を有する誤差データを生成し、前記コードデータを前記誤差データに変換する関数の逆関数により、前記誤差データを前記コードデータに変換することを特徴とする回路装置。
  2. 請求項に記載の回路装置において、
    記関数は、
    前記コードデータ用D/A変換回路の変換特性に基づく関数であることを特徴とする回路装置。
  3. 請求項又はに記載の回路装置において、
    前記コードデータをCSとし、前記コードデータの範囲に対応した所定値をCM、CAとし、前記誤差データをERRとし、前記関数をfとしたとき、
    CS>0においてERR=f(CS)=(CM−CS)/CA
    CS=0においてERR=f(CS)=0
    CS<0においてERR=f(CS)=−(CM+CS)/CA
    であることを特徴とする回路装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記コードデータ生成回路は、
    データ生成回路と、
    前記データ生成回路からの生成データを変調して前記誤差データを生成する変調回路と、
    前記誤差データを前記コードデータに変換する変換回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  5. 請求項に記載の回路装置において、
    前記変調回路は、
    前記生成データに対してn次(nは1以上の整数)のΔΣ変調を行って前記誤差データを生成することを特徴とする回路装置。
  6. 請求項又はに記載の回路装置において、
    前記データ生成回路は、
    前記生成データとして疑似乱数データを生成することを特徴とする回路装置。
  7. 請求項に記載の回路装置において、
    前記データ生成回路は、
    前記疑似乱数データと第2の乱数データに基づいて前記生成データを出力することを特
    徴とする回路装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記A/D変換回路は、
    比較回路と、
    前記比較回路からの比較結果信号によりレジスター値が設定される逐次比較レジスターを有し、逐次比較用データを出力する制御回路と、
    前記制御回路からの前記逐次比較用データをD/A変換して、前記逐次比較用データに対応するD/A出力信号を出力する逐次比較用データ用D/A変換回路と、
    含み、
    前記比較回路は、
    前記入力信号のサンプリング信号と前記コード信号の加算信号と、前記D/A出力信号とを比較する処理、或いは前記サンプリング信号と、前記D/A出力信号と前記コード信号の加算信号とを比較する処理を行い、
    前記制御回路は、
    前記逐次比較レジスターの前記逐次比較結果データと前記コードデータとに基づき求められる出力データを、前記入力信号の前記A/D変換データとして出力することを特徴とする回路装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の回路装置において、
    物理量トランスデューサーを駆動する駆動回路と、
    前記物理量トランスデューサーからの検出信号を受けて、物理量に応じた物理量信号を検出する検出回路と、
    を含み、
    前記検出回路は、
    前記検出信号に基づく前記入力信号をA/D変換する前記A/D変換回路を有することを特徴とする回路装置。
  10. 請求項に記載の回路装置と、
    前記物理量トランスデューサーと、
    を含むことを特徴とする物理量測定装置。
  11. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする移動体。
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