JP6353267B2 - Ad変換器及びad変換方法 - Google Patents

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本発明は、AD変換器及びAD変換方法に関し、より詳細には、容量の相対誤差の影響を低減する構成で逐次比較AD変換器におけるデルタシグマ変調を実現したAD変換器及びAD変換方法に関する。
近年、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器(アナログデジタル変換器;ADC)は、あらゆる電子機器に搭載されている。特に最近では、低コストかつ高性能で、製品用途の広い逐次比較型と呼ばれるAD変換器が知られている。
つまり、アナログ値をデジタル値に変換するAD変換器(ADC)の1つとして、非特許文献1などに示される逐次比較AD変換器(Successive Approximation Resister ADC;SARADC)が知られている。
この種の逐次比較AD変換器の精度や変換速度に対する要求は、年々、高くなってきている。逐次比較AD変換器には、電圧比較器が内蔵されている。逐次比較AD変換器によって高精度なA/D変換を実現するためには、内蔵されている電圧比較器が高ゲインで、なおかつ低オフセットであることが好ましい。また、高速なA/D変換を実現するためには、内蔵する電圧比較器が高速で動作することが好ましい。
電圧比較器の設計においては、オフセットと動作速度はトレードオフの関係にある。オフセットを小さく抑えるには、素子サイズを大きく設計する必要がある。しかしながら、素子サイズの増大は、寄生容量の増加を招く。そのため、その電圧比較器を高速化するのが難しくなるという問題がある。また、素子サイズを大きく設計することにより、コアサイズ、しいてはチップサイズの増大にもつながるという問題がある。これらの問題を解決するために、補正用の容量を追加、制御して電圧比較器のオフセットを補正する技術も知られている。
図8は、従来の逐次比較AD変換器の基本的な回路構成図である。図8に示すように、逐次比較AD変換器(SARADC)50の基本構成は、サンプルホールド回路51と比較器52と逐次比較レジスタ(SAR)53とDA変換器(DAC)54とで構成されている。
入力信号をサンプルホールドした電圧Vinと、DAC54により出力される、SAR53に蓄積されているデジタル出力値Doutに対応した電圧Dとの差分値を比較器52で基準電圧VCMと逐次比較することで入力信号に最も近いデジタル出力値を得る。通常、入力信号の電圧範囲はDAC54の出力電圧範囲と等しく、その電圧範囲の中央値がVCMに選ばれる。例えば、基準電圧Vrefを用いて、信号入力範囲を−Vref〜+Vrefとした時、VCM=0Vに選ばれる。
この変換アルゴリズムは通常、バイナリに重み付けされた素子群を用いており、Nビット分解能のSARADCの場合、最上位ビットから逐次変換することで、N回の判定サイクルの後、Nビットのデジタル出力値Doutを得る。
近年は、DA変換器54としてバイナリに重み付けされた容量DAC(CDAC)を用いる電荷再配分型のSARADCが主流であるので、以下、CDACを用いるSARADCについて説明する。
電荷再配分型のSARADCは、例えば、非特許文献2などに開示されている図9の構成が代表的な構成である。
図9は、非特許文献2に記載の電荷再配分型のSARADCの基本的な回路構成図である。電荷再配分型のSARADCは、アナログ入力電圧をサンプリングし、このサンプリングしたアナログ入力電圧と電荷再配分型のCDACで生成した比較対象電圧との比較動作を、DACのデジタル入力信号の最上位ビットから最下位ビットまで逐次繰り返す。すなわち、CDACは、図8におけるサンプルホールド回路51とDAC54の両方の機能を有する。
また、CDACの構成において、特許文献1に開示されているように、上位ビット側と下位ビット側を結合容量で接続する構成も知られている。この特許文献1のものは、寄生容量が存在していても高精度のアナログ出力レベルを生成することができるDACに関するものである。図8、図9および特許文献1で例示した構成は、簡単のため、シングルエンド構成を用いて説明しているが、動作原理は、シングルエンド構成に限定されるものではなく、容易に全差動構成を実現できる。
しかしながら、SARADCは、ビット数を増加させるとDACの面積が大きくなるという課題がある。DACは、バイナリに重み付けされた素子群を用いるため、1ビット上昇させるために最上位ビットに対応する素子を追加すれば、DACの面積は凡そ2倍に増大する。一方、最下位ビットに対応する素子を追加すれば、素子の相対誤差の影響から、期待する分解能を実現できないことが多い。
また、特許文献1に示される結合容量を使用した構成でも、高分解能を実現するためには、DACの線形性確保のための制御回路が必要となり、面積増大が避けられない。
そこで、近年、非特許文献3に示されるように、従来のSARADCにおいてデルタシグマ変調を行うことにより、DACの面積を増加させることなく高分解能化を実現する構成が提案されている。
図10(a)乃至(c)は、非特許文献3に示されている1次デルタシグマ変調を実現するADCの回路構成図で、図10(a)はブロック図、図10(b)は具体的な回路構成図、図10(c)はタイミングチャートを示す図である。
図10(a)に示すADCは、従来のSARADCの構成要素である、CDACと比較器とSARに加えて、演算増幅器と静電容量値が等しい3つの容量CR,CR1,CR2とスイッチSW1,SW2,SWstart,SWendから構成されている。
このADCの動作概略は、以下のようになる。まず、SARADCの量子化誤差Eである、従来のSARADCの逐次比較動作の最後にCDACに残った電圧をスイッチSW1,SW2で接続を制御された容量CR1もしくはCR2でその残渣電圧をサンプリングする。続いて、次の入力信号電圧をサンプリングする際のCDACの共通端子電圧を、演算増幅器と先ほど残渣電圧をサンプリングした容量CR1もしくはCR2とCRにより、先ほどの残渣電圧とすることで、入力信号に対して減算をする。この動作により、量子化誤差に時間的相関が与えられ、量子化誤差電圧は低周波数領域で低く、高周波数領域で高いノイズシェーピング特性を持つこととなる。
特開2010−45723号公報
「図解A/Dコンバータ入門」オーム社、p.99〜104 R.Y.−k.Choi and C.−y.Tsui、"A Low Energy Two−step Successive Approximation Algorithm for ADC design"Circuits and Systems、2009.ISCAS 2009.IEEE International Symposium on. K.Kim,J.Kim,and S.H.Cho,"Nth−order multi−Bit ADC using SAR quantiser,"Electron.Lett.,vol.46,no.19,Sep.2010.
しかしながら、上述した特許文献及び非特許文献に記載のものは、上述したような種々の問題点を抱えている。また、上述した非特許文献3の構成では、入力信号電圧をサンプリングする際に加えられる量子化誤差電圧は、容量CR1とCR、もしくは容量CR2とCRの容量比で決定されるため、3つの容量CR1,CR2,CRの相対精度が低いと低周波数領域における量子化誤差の相殺が十分に行われず、高分解能化が難しいという課題がある。また、相対誤差の向上のため、3つの容量CR1,CR2,CRの面積を増大させれば、回路面積の増大に加え、消費電力の増大が避けられない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、容量の相対誤差の影響を低減する構成でSARADCにおけるデルタシグマ変調を実現したAD変換器及びAD変換方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、容量DA変換器(14,34a,34b,44)を備えた電荷再分配型のAD変換器(10,30,40)において、容量素子(15b,35b−1,35b−2,45b)を有し、量子化誤差を電荷として前記容量素子(15b,35b−1,35b−2,45b)に保存し、保存した電荷を次の逐次比較動作時に入力信号に応じ前記容量DA変換器(14,34a,34b,44)の各容量素子(図4,図7のCs)にサンプリングされた電荷と加算する誤差帰還部(15,35,45)を備えていることを特徴とする。(図1,図3,図4,図7;実施形態1,2及び実施例1,2)
また、発明は、容量DA変換器(CDAC)を備えた電荷再分配型のAD変換器(10,30,40)において、入力信号をサンプルホールドした信号(Vin)を生成するサンプルホールド回路(11,31)と、該サンプルホールド回路(11,31)に接続され、前記サンプルホールドした信号(Vin)に応じた電荷を蓄える複数の容量素子(図7のCs)を含み、該複数の容量素子(図7のCs)の接続を切り換えることにより比較信号を生成する容量DA変換器(14,34a,34b,44)と、前記容量DA変換器(14,34a,34b,44)に接続され、前記比較信号と基準電位(VCM)とを比較する比較器(12,32,42)と、該比較器(12,32,42)に接続され、容量素子(15b,35b−1,35b−2,45b)を有し、量子化誤差を電荷として前記容量素子(15b,35b−1,35b−2,45b)に保存し、保存した電荷を次の逐次比較動作時に入力信号に応じ前記容量DA変換器(14,34a,34b,44)の各容量素子(図7のCs)にサンプリングされた電荷と加算する誤差帰還部(15,35,45)と、前記比較器(12,32,42)の出力信号を逐次蓄積して出力信号(Dout)を出力する逐次比較レジスタ(13,33,43)とを備えていることを特徴とする。
また、上記本発明によるAD変換器において、前記誤差帰還部(15,35,45)は、入力端子が前記容量DA変換器(14,34a,34b,44)の各容量素子(図7のCs)の一端に接続される演算増幅器(15a,35a,45a)と、前記容量DA変換器(14,34a,34b,44)の各容量素子(図7のCs)の一端と基準電圧端子との間に前記容量素子(15b,35b−1,35b−2,45b)を接続可能とする第1スイッチ(15c−1,35c−1a,35c−1b,45c−1)と、前記演算増幅器(15a,35a,45a)の入力端子と出力端子との間に前記容量素子(15b,35b−1,35b−2,45b)を接続可能とする第2スイッチ(15c−2,35c−2a,35c−2b,45c−2)とを備えていること特徴とする。
また、上記本発明によるAD変換器において、前記容量DA変換器(34a,34b)及び前記誤差帰還部(35)を全差動構成にしたこと特徴とする。(図3;実施形態2)
また、上記本発明によるAD変換器において、前記演算増幅器(45a)の入力端子と出力端子とを接続可能とする第3スイッチ(45c−3)を更に備えていること特徴とする。(図7;実施例2)
また、発明は、容量DA変換器(CDAC)を備えた電荷再分配型のAD変換器(10,30,40)におけるAD変換方法において、入力信号(Vin)を前記容量DA変換器(14,34a,34b,44)の各容量素子(図7のCs)にサンプリングする第一フェーズを実行し、前記容量DA変換器(14)の各容量素子(図7のCs)にサンプリングされた電荷による電圧と基準電圧(VCM)とを比較し、比較結果により前記各容量素子(図7のCs)に高基準電圧又は低基準電圧を接続する動作を逐次行う第二フェーズを実行し、演算増幅器(15a,35a,45a)の入力端子と出力端子との間に接続可能な容量素子(15b,35b−1,35b−2,45b)に量子化誤差を電荷として保存する第三フェーズを実行し、逐次比較動作をするときに、誤差帰還部によって前記保存した電荷を前記容量DA変換器(14,34a,34b,44)の各容量素子(図7のCs)にサンプリングされた電荷に加算し、前記第一フェーズにおいて、前記入力信号、前記高基準電圧及び前記低基準電圧がそれぞれ入力される第一端子と前記各容量素子との間にそれぞれ設けられた第一スイッチを前記入力信号が入力される前記第一端子に接続し、前記基準電圧が印加される第二端子と前記各容量素子との間に設けられた第二スイッチを導通状態にするとともに、前記演算増幅器の出力端子と前記容量素子との間に設けられた第三スイッチ及び前記基準電圧が入力される基準電圧端子と前記容量素子との間に設けられた第四スイッチを非導通状態とし、前記第二フェーズにおいて、前記第二スイッチを非導通状態とした後に、前記第四スイッチを導通状態にするのと同時に、前記各容量素子のうちの最上位の容量素子と前記第一端子との間に設けられた前記第一スイッチを前記高基準電圧が入力される前記第一端子に接続するとともに前記各容量素子の残余の容量素子との間にそれぞれ設けられた前記第一スイッチを前記低基準電圧が入力される前記第一端子に接続し、前記第三フェーズにおいて、前記第四スイッチを非導通状態にした後に、前記第三スイッチを導通状態として前記演算増幅器の入力端子と出力端子を短絡することを特徴とする。
た、上記本発明によるAD変換方法において、前記容量DA変換器(34a,34b)及び前記誤差帰還部(35)を全差動構成にしたこと特徴とする。
本発明によれば、容量の相対誤差の影響を低減する構成でSARADCにおけるデルタシグマ変調を実現したAD変換器及びAD変換方法を実現することができる。
本発明に係るAD変換器の実施形態1を説明するための回路構成図である。 図1に示した実施形態1に係るAD変換器のシステム等価図である。 本発明に係るAD変換器の実施形態2を説明するための回路構成図である。 本発明に係るAD変換器の具体的な実施例1を説明するための回路構成図である。 図4に示したAD変換器の動作タイミング図である。 本発明の実施例1に係るAD変換器の電圧遷移図である。 本発明に係るAD変換器の具体的な実施例2を説明するための回路構成図である。 従来のSARADCの基本的な回路構成図である。 非特許文献2に記載の電荷再配分型のSARADCの基本的な回路構成図である。 (a)乃至(c)は、非特許文献3に示されている1次デルタシグマ変調を実現するADCの回路構成図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明に係るAD変換器の実施形態1を説明するための回路構成図で、AD変換器のシングルエンド構成における回路構成図である。図中符号10はAD変換器、11はサンプルホールド回路(S/H)、12は比較器、13は逐次比較レジスタ(SAR)、14はデジタルアナログ変換器(DAC)、15は誤差帰還部、15aは演算増幅器、15bは容量素子、15c−1,15c−2は第1及び第2のスイッチを示している。
なお、DAC14としては、バイナリに重み付けされた容量DA変換器(CDAC)を用いる電荷再配分型のSARADCが主流であるので、以下、CDACを用いるSARADCについて説明する。
図1に示すAD変換器10は、サンプルホールド回路(S/H)11と比較器12と逐次比較レジスタ(SAR)13及びDAC14に加えて、誤差帰還部15により構成されている。すなわち、図8に示した従来のSARADCの構成に誤差帰還部15を追加した構成である。したがって、誤差帰還部15以外の動作は、図8に記載のAD変換器と同様である。
つまり、本実施形態1のAD変換器10は、容量DA変換器(CDAC)14を備えた電荷再分配型のAD変換器である。誤差帰還部15は、容量素子15bを有し、量子化誤差を電荷として容量素子15bに保存し、保存した電荷を次の逐次比較動作時に入力信号に応じ容量DA変換器14の各容量素子(後述する図4のCs)にサンプリングされた電荷と加算するように構成されている。
具体的には、以下のような構成を備えている。
サンプルホールド回路11は、入力アナログ信号をサンプルホールドした信号Vinを生成する。また、容量DA変換器14は、サンプルホールド回路11に接続され、サンプルホールドした信号Vinに応じた電荷を蓄える複数の容量素子(図4のCs)を含み、この複数の容量素子(図4のCs)の接続を切り換えることにより比較信号を生成する。
また、比較器12は、容量DA変換器14に接続され、比較信号と基準電位VCMとを比較する。また、誤差帰還部15は、比較器12に接続されている。また、逐次比較レジスタ(SAR)13は、比較器12の出力信号を逐次蓄積して出力信号Doutを出力する。
また、誤差帰還部15は、入力端子が容量DA変換器14の各容量素子(図4のCs)の一端に接続される演算増幅器15aと、容量DA変換器14の各容量素子(図4のCs)の一端と基準電圧端子との間に容量素子15bを接続可能とする第1スイッチ15c−1と、演算増幅器15aの入力端子と出力端子との間に容量素子15bを接続可能とする第2スイッチ15c−2とを備えている。
次に、本実施形態1のAD変換器の動作について説明する。
初期状態として、誤差帰還部15の出力は、基準電圧VCMと同電位を出力しているとする。まず、上述した逐次比較動作により、入力電圧Vinとデジタル出力値Doutに対応した電圧値Dとの差分値を基準電圧VCMに近づけていくことでAD変換を行う。即ち、VCMを基準とすれば(VCM=0とすれば)、入力電圧Vinと電圧値Dを一致させるようにSAR13はDAC14を制御する。この時、SARADCの量子化誤差Eを用いると、入力電圧Vinと電圧値Dの関係は、次式(1)で示される。
Figure 0006353267
即ち、比較器12の入力電圧ノードVxは、次式(2)
Figure 0006353267
と表される。
続いて、この残渣電圧(Vin−D)を誤差帰還部15に保存し、次回AD変換時に入力電圧Vinに加算する。この時、遅延演算子としてZ−1を用いると、SAR13は、Vin+(−EZ−1)とデジタル出力値Doutに対応した電圧値Dを一致させるようにDAC14を制御するため、AD変換後の電圧値Dは、次式(3)
Figure 0006353267
と表される。また、この時、比較器12の入力電圧ノードVxは、次式(4)
Figure 0006353267
となり、式(2)と同じく−Eの電圧となっている。したがって、この残渣電圧を誤差帰還部15に保存し、次回AD変換時に入力電圧Vinに加算した後にAD変換を行うという変換サイクルにおいて、式(3)は定常的に成立する。この式(3)は一次デルタシグマ変調を示す式として知られており、周波数領域において、量子化誤差Eは低域で抑えられ、高域で増大するノイズシェーピング特性を示すことを表している。
図2は、図1に示した実施形態1に係るAD変換器のシステム等価図である。このシステムは、多ビットADC20と、そのデジタル出力Doutに対応したアナログ値Dを出力するDAC21と、遅延器22とで構成されている。
まず、ADC20の入力とDAC21の出力Dを減算することで、AD変換によって加算される量子化誤差Eを取り出す。続いて、遅延器22に保存しておいた量子化誤差を、次回のAD変換の入力信号Vinから減算することで、量子化誤差に周波数特性を持たしている。このようなシステムは、誤差帰還型のデルタシグマ変調を実現していることを意味する。
このようにして、容量の相対誤差の影響を低減する構成でSARADCにおける誤差帰還型デルタシグマ変調を実現したAD変換器を実現することができる。
[実施形態2]
図3は、本発明に係るAD変換器の実施形態2を説明するための回路構成図で、AD変換器の全差動構成における回路構成図である。図中符号30はAD変換器、31はサンプルホールド回路(S/H)、32は比較器、33は逐次比較レジスタ(SAR)、34a,34bはデジタルアナログ変換器(DAC)、35は誤差帰還部、35aは演算増幅器、35b−1,35b−2は容量素子、35c−1a,35c−1bは第1のスイッチ、35c−2a,35c−2bは第2のスイッチを示している。
本実施形態2のAD変換器30は、容量DA変換器34a,34bを備えた電荷再分配型のAD変換器30である。誤差帰還部35は、容量素子35b−1,35b−2を有し、量子化誤差を電荷として容量素子35b−1,35b−2に保存し、保存した電荷を次の逐次比較動作時に入力信号に応じ容量DA変換器34a,34bの各容量素子(後述する図4のCs)にサンプリングされた電荷と加算するように構成されている。
具体的には、以下のような構成を備えている。
サンプルホールド回路31は、入力信号をサンプルホールドした信号Vinを生成する。また、容量DA変換器34a,34bは、サンプルホールド回路31に接続され、サンプルホールドした信号Vinに応じた電荷を蓄える複数の容量素子(後述する図4のCs)を含み、複数の容量素子(図4のCs)の接続を切り換えることにより比較信号を生成する。
また、比較器32は、容量DA変換器34a,34bに接続され、比較信号と基準電位VCMとを比較する。また、誤差帰還部35は、比較器32に接続されている。また、逐次比較レジスタ33は、比較器32の出力信号を逐次蓄積して出力信号Doutを出力する。
また、誤差帰還部35は、入力端子が容量DA変換器34a,34bの各容量素子(図4のCs)の一端に接続される演算増幅器35aと、容量DA変換器34a,34bの各容量素子(図4のCs)の一端と基準電圧端子との間に容量素子35b−1,35b−2を接続可能とする第1スイッチ35c−1a,35c−1bと、演算増幅器35aの入力端子と出力端子との間に容量素子35b−1,35b−2を接続可能とする第2スイッチ35c−2a,35c−2bとを備えている。
このように、図1においてはシングルエンド構成で示したが、図3に示すように全差動構成に拡張することも容易に実現できる。
本実施形態2のAD変換器30は、容量DA変換器34a,34b及び誤差帰還部35を全差動構成にしたものである。つまり、図3に示したAD変換器は、サンプルホールド回路(S/H)31と比較器32と逐次比較レジスタ(SAR)33とDAC34a,34bに加え、誤差帰還部35により構成されている。
基準電圧VCM=0とすると、サンプルホールド回路31の2つの出力電圧が+Vinと−VinというようにVCM=0に対して対称の値であれば、回路の対称性より、図3に示した構成は、図1に示した構成と同等と見なせる。したがって、図3に示した構成においても、システム等価図は、図2で示され、誤差帰還型のデルタシグマ変調を実現できる。
図4は、本発明に係るAD変換器の具体的な実施例1を説明するための回路構成図で、AD変換器のシングルエンド構成における回路構成図である。図中符号40はAD変換器、42は比較器、43は逐次比較レジスタ(SAR)、44は容量デジタルアナログ変換器(CDAC)、45は誤差帰還部、45aは演算増幅器、45bは容量素子(Cf)、45c−1,45c−2は第1及び第2のスイッチを示している。
本実施例1のAD変換器40は、図1に示した実施形態1におけるDAC14として容量DA変換器(CDAC)44を備えた電荷再分配型のAD変換器である。誤差帰還部45は、容量素子(Cf)45bを有し、量子化誤差を電荷として容量素子45bに保存し、保存した電荷を次の逐次比較動作時に入力信号に応じ容量DA変換器44の各容量素子Csにサンプリングされた電荷と加算するように構成されている。
具体的には、以下のような構成を備えている。
容量DA変換器44は、サンプルホールド回路として、サンプルホールドした信号Vinに応じた電荷を蓄える複数の容量素子Csを含み、この複数の容量素子Csの接続を切り換えることにより比較信号を生成する。
また、比較器42は、容量DA変換器44に接続され、比較信号と基準電位VCMとを比較する。また、誤差帰還部45は、比較器42に接続されている。また、逐次比較レジスタ43は、比較器42の出力信号を逐次蓄積して出力信号Doutを出力する。
また、誤差帰還部45は、入力端子が容量DA変換器44の各容量素子Csの一端に接続される演算増幅器45aと、容量DA変換器44の各容量素子Csの一端と基準電圧端子との間に容量素子(Cf)45bを接続可能とする第1スイッチ45c−1と、演算増幅器45aの入力端子と出力端子との間に容量素子45bを接続可能とする第2スイッチ45c−2とを備えている。
つまり、図4に示したAD変換器40は、ダミーキャパシタCdと、バイナリに重み付けされた容量C0〜CN−1を有する容量群Csと、スイッチ群SWgとを有するCDAC44と、スイッチSWsと、容量群Csの共通端子Vxを閾値電圧である基準電位VCM(例えば、0V)と比較する比較器42と、この比較器42の出力を逐次蓄積して複数ビットのデジタル出力信号Doutを出力するSAR回路43と、演算増幅器45aと容量CfとスイッチSWc及びSWtを有する誤差帰還部45とを有している。
この例では、デジタル出力信号Doutは、Nビット(Nは1以上の整数)であり、このAD変換器40は、アナログ入力電圧VINを2階調のデジタル信号に変換する。そして、容量群CsのダミーキャパシタCd、容量C0〜CN−1の値は、図中に示されるとおり、1C、1C、2C、4C、8C、16C、・・・、2N−1Cである。ここで、Cは単位容量値を意味する。なお、キャパシタCdは、ダミーキャパシタでありアナログ入力電圧を2等分の1の分解能でデジタル出力信号に変換するためのものであるが、ダミーキャパシタCdがなくても2N−1等分の1の分解能になるのみであるので、設けない場合もある。
演算増幅器45aは、正入力端子をVCMに、負入力端子をノードVxに接続しており、出力ノードVoを有している。
スイッチSWsは、一端を基準電圧VCMに、他端をノードVx(CDACの共通端子)に接続している。スイッチSWcは、一端を基準電圧VCMに、他端をノードVyに接続しており、スイッチSWtは、一端をノードVyに、他端を演算増幅器43の出力ノードVoに接続している。また、スイッチ群SWgは、一端が容量群Csにそれぞれ接続されており、SARが出力する制御信号により、他端を高基準電圧VRH、低基準電圧VRL、アナログ入力電圧Vinのいずれかに接続されている。
図5は、図4に示したAD変換器の動作タイミング図である。
AD変換器のデータ出力周波数をFs[Hz]と示すと、1サイクルの動作時間は1/Fs=Ts[s]となる。AD変換器の1サイクルの動作は、サンプリングフェーズφs、逐次比較フェーズφc、誤差転送フェーズφtの3つのフェーズに分割される。図5に示すように、時間区分は、例えば、φsがTs/2、φcが2Ts/5、φtがTs/10のように、その合計がTsとなるように分割される。なお、これらのフェーズに重なりが無いようにノンオーバーラップ区間φNOがそれぞれ存在するが、1サイクル全体の時間に対して微小なため、以下ではφNOの時間は無視して説明を行う。
次に、図4及び図5を用いて、本実施例1に係るAD変換器の概略動作を説明する。簡単のため、VCM=0、VRH=VREF、VRL=−VREFとする。
まず、図5におけるサンプリングフェーズφsでは、図4においてスイッチ群SWgを全てアナログ入力電圧Vinの端子に接続し、スイッチSWsを導通状態にしてノードVxに基準電位VCMを接続する。このときスイッチSWt及びSWcは非導通状態である。これにより、容量群Csには、CsをダミーキャパシタCd及び容量C0〜CNの容量値の総和とした時、次式(5)
Figure 0006353267
の電荷がVxノード側に蓄積される。すなわち、アナログ入力電圧VinがCDAC44の容量群Csにサンプリングされる。
また、このとき容量Cfには電圧Vfを用いて、次式(6)
Figure 0006353267
の電荷がノードVx側に蓄積されているとする。
したがって、サンプリングフェーズφsでは、ノードVx側に合計で、次式(7)
Figure 0006353267
の電荷が蓄積されており、容量群Csに対して、{Vin+(Cf/Cs)・Vf}の電圧をサンプリングすることと等価の電荷が蓄積されている。
次に、図5における逐次比較フェーズφcが開始すると、まず、スイッチSWsが非導通状態となる。続いて、スイッチSWcが導通状態となるのと同時に、スイッチ群SWgの中で、最上位のキャパシタCN−1のスイッチは高基準電圧VRH側に接続され、それ以外のキャパシタCd、C0〜CN−2のスイッチは低基準電圧VRL側に接続される。この時、高基準電圧VRH側に接続された容量値と、低基準電圧VRL側に接続された容量値は等しくなるので、容量群Csの各スイッチ側のノードにおける、容量値を重みとした加重平均電圧はVCM=0となる。
これにより、ノードVxの電圧をVx2とすると、ノードVx側の総電荷Q2は、次式(8)
Figure 0006353267
となる。
上記式(7)と(8)の電荷は、電荷保存則により等しいので、Q1=Q2を解くと、次式(9)
Figure 0006353267
を得る。
このVx2は、VCM=0に対して比較器42によって比較され、その結果に応じて、SAR43によりスイッチSWgが操作される。比較結果がVx2<0の場合、{Vin+(Cf/Cs)・Vf}>0であるので、MSBは1と決定され、最上位の容量CN−1は高基準電圧VRH側に接続したまま、容量CN−2(容量値2N−2C=Cs/4)を高基準電圧VRH側に接続し、次ビットの判定を行う。
この時、ノードVxにおいて変化する電圧ΔVxpは、次式(10)
Figure 0006353267
であるので、この時のノードVxの電圧Vx3は、
Figure 0006353267
と表される。
一方、Vx2>0の場合、{Vin+(Cf/Cs)・Vf}<0であるので、MSBは0と決定され、最上位の容量CN−1を低基準電圧VRL側に、容量CN−2を高基準電圧VRH側に接続し、次ビットの判定を行う。
この時、ノードVxにおいて変化する電圧ΔVxnは、次式(12)
Figure 0006353267
であるので、この時のノードVxの電圧Vx3は、次式(13)
Figure 0006353267
と表される。
これらの動作を逐次行うことにより高ビットから順にデジタル出力を確定させ、N回の判定の後、Nビットのデジタル出力値Dout=(δ,δ,…,δ)を得る。ただし、δ(k=1,2,…,N)はMSBからk回目の判定結果がVx≧0なら0、Vx<0なら1と決定される値である。
このデジタル出力値Doutは、−VREF〜VREFの電圧範囲を2等分に量子化した電圧値Dに対応し、次式(14)
Figure 0006353267
と表すことができる。
また、この電圧値Dは容量群Csの各スイッチ側のノードにおける電圧値の容量値を重みとした加重平均電圧と見なせる。したがって、{Vin+(Cf/Cs)・Vf}に対して逐次比較動作が行われることを考えると、量子化誤差Eを用いれば、次式(15)
Figure 0006353267
の関係として示せる。
したがって、Nビット判定後、ノードVxの電圧Vx4は、次式(16)
Figure 0006353267
と表される。
すなわち、逐次比較フェーズφcにおいて、N回の判定を終え、容量群Csに接続されたスイッチの接続先を確定したときのノードVx側に蓄積された全容量Q4は、次式(17)
Figure 0006353267
となり、式(17)に式(16)を代入すると、次式(18)
Figure 0006353267
と示すことができる。
続いて、図5における誤差転送フェーズφtでは、スイッチSWcを非導通状態にした後、スイッチSWtが導通状態となり、ノードVxは演算増幅器によりVCM=0となる。また、演算増幅器の出力電圧をVoと示す。
この時の、ノードVxにおける電荷保存則を考えると、次式(19)
Figure 0006353267
となり、容量CfにはノードVx側にCf・(0−Vo)=Cs・Eの電荷が保存されている。
次のサンプリングフェーズφsでは、同様に、スイッチ群SWgを全てアナログ入力電圧Vinの端子に接続し、スイッチSWsを導通状態にしてノードVxに基準電位VCMを接続する。このときスイッチSWt及びSWcは、非導通状態である。
次に、逐次比較フェーズφcが開始すると、同様に、まず、スイッチSWsが非導通状態となる。続いて、スイッチSWcが導通状態となるのと同時に、スイッチ群SWgの中で、キャパシタCd、C0〜CN−1のスイッチは、高基準電圧VRH側又は低基準電圧VRL側に接続される。このとき、誤差転送フェーズφtで容量Cfに量子化誤差Eとして保存された電荷は、容量群Csにサンプリングした電荷と加算される。
また、式(19)において、Vfはサンプリングフェーズφs開始時に容量Cfに保存されていた電荷によって生じる電圧であるので、周期Ts[s]に対応する遅延演算子Z−1を用いると、次式(20)
Figure 0006353267
の関係がある。したがって、式(15)は、式(20)を用いれば、次式(21)
Figure 0006353267
となる。この式(21)は、一次デルタシグマ変調を示す式として知られており、周波数領域において、量子化誤差Eは低域で抑えられ、高域で増大するノイズシェーピング特性を示すことを表している。このため、量子化誤差電力の大きい高周波側(例えば、Fs/32以上の周波数領域)をデジタル低域通過フィルタにより除去すれば、従来のSARADCに比べ高い分解能でAD変換が実現できる。
そして、本発明におけるADCでは、SARADCのAD変換における量子化誤差Eを電荷として容量Cfに一旦保存した後、次のAD変換時に入力電圧Vinを容量群Csにサンプリングした電荷と加算することで、量子化誤差に時間的な相関を持たせ、デルタシグマ変調を実現している。量子化誤差Eを電荷として次回判定に転送するため、容量Cfは、容量群Csとの容量比に不感であり、その面積は相対誤差精度に制限されない。
また、図10に示した非特許文献3の構成では、電荷転送を担う容量はCR,CR1,CR2の3つであったのが、本構成では図1に示すように容量Cfのみであるので、面積削減の利点も有する。
なお、本構成ではCDAC40として図4のような構成を示したが、逐次比較動作によってADCの量子化誤差Eに相当する電荷が残渣として残ればよく、例えば、特許文献1のようなCDACの構成でも問題ない。
また、本構成では、一次デルタシグマ変調を実現する構成を示したが、n次デルタシグマ変調(nは2以上)を実現する構成とすることもできる。
図6は、本発明の実施例1に係るAD変換器の電圧遷移図で、逐次比較フェーズφcにおける動作に関して、N=3ビットの場合のノードVxの電圧遷移図である。
時刻t1、t2、t3は、逐次比較フェーズφcの開始時刻を基準としており、それぞれ1ビット目、2ビット目、3ビット目の判定時刻を示す。また、各容量におけるセトリング時間は十分に確保されているとする。
例えば、{Vin+(Cf/Cs)・Vf}=−(1.6/4)・Vrefであった場合を示す。
まず、サンプリングフェーズφsの終了時、VCM=0であったノードVxVxの電圧は、最上位のキャパシタC2のスイッチが高基準電圧VRH側に接続され、それ以外のキャパシタCd、C0、C1のスイッチが低基準電圧VRL側に接続される。この時、容量群Csの各スイッチ側のノードにおける、容量値を重みとした加重平均電圧はVCM=0となるので、β=Cs/(Cs+Cf)と表すと、式(5)より、Vxは、−β・{Vin+(Cf/Cs)・Vf}=(1.6/4)・β・Vref(>0)の電圧値となるので、1ビット目は0であり、δ1=0と決定される。
続いて、1ビット目の判定を受けて、最上位の容量C2を低基準電圧VRL側に、容量C1を高基準電圧VRH側に接続し、次ビットの判定を行う。数式8よりVxの電圧は−β・(VREF/2)だけ遷移し、(−0.4/4)・β・Vref(<0)の電圧値となるため、2ビット目は1であり、δ2=1と決定される。
さらに、2ビット目の判定を受けて、容量C1は高基準電圧VRH側に接続したまま、容量C0(容量値20C=Cs/8)を高基準電圧VRH側に接続し、次ビットの判定を行う。Vxの電圧はβ・(VREF/4)だけ遷移し、(0.6/4)・β・Vref(>0)の電圧値となるため、3ビット目は0であり、δ3=0と決定される。
最後に、3ビット目の判定を受けて、容量C0を低基準電圧VRL側に接続して、N=3ビット分の判定を終了とする。
以上の動作により、Dout=(0,1,0)と決定され、Doutに対応する電圧Dは、次式(22)
Figure 0006353267
となるため、式(11)より量子化誤差Eは、E=−(0.4/4)・Vrefと求められる。
以上より本発明によれば、容量の相対誤差の影響を低減する構成でSARADCにおけるデルタシグマ変調を実現し、高分解能で小面積のAD変換器を実現することができる。
図7は、本発明に係るAD変換器の具体的な実施例2を説明するための回路構成図で、AD変換器のシングルエンド構成における回路構成図である。図中符号45c−3(SWs)は第3のスイッチを示している。なお、図4と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
つまり、本実施例2のAD変換器40は、演算増幅器45aの入力端子と出力端子とを接続可能とする第3スイッチ45c−3を更に備えている。
つまり、図7に示したAD変換器40は、図4と同様に、ダミーキャパシタCd、バイナリに重み付けされた容量C0〜CN−1を有する容量群Csと、スイッチ群SWgとを有するCDAC44と、容量群Csの共通端子Vxを閾値電圧である基準電位VCM(例えば、0V)と比較する比較器42と、この比較器42の出力を逐次蓄積し複数ビットのデジタル出力信号Doutを出力するSAR回路43と、演算増幅器45aと容量CfとスイッチSWc及びSWtを有する誤差帰還部45と、スイッチSWsとを有している。
構成要素の接続は、スイッチSWsを除いて図4と同様であり、図7においてスイッチSWsは、一端をノードVxに他端を演算増幅器45aの出力ノードVoに接続している。
図7で示したAD変換器の動作タイミング図は、図5の動作タイミング図と同じである。以下、図5及び図7を用いて、本発明の実施例2に係るAD変換器の概略動作を説明する。簡単のため、VCM=0、VRH=VREF、VRL=−VREFとする。本実施例2と上述した実施例1との相違は、演算増幅器45aがオフセット及びフリッカノイズなどの低域ノイズVoffを有するときに、出力デジタル値として影響を低減する効果を有する点である。
まず、図5におけるサンプリングフェーズφsでは、図7においてスイッチ群SWgを全てアナログ入力電圧VINの端子に接続し、スイッチSWsを導通状態にして共通端子Vxに演算増幅器45aの出力ノードを接続する。このときスイッチSWt及びSWcは、非導通状態である。演算増幅器45aがオフセット及びフリッカノイズなどの低域ノイズを有するとき、その入力換算雑音電圧をVoffとすれば、演算増幅器45aの正入力端子にVCM+Voff=0+Voff=Voffが入力されていることと等価なので、出力ノードの電圧Voは、次式(23)
Figure 0006353267
となる。したがって、容量群Csには、CsをダミーキャパシタCd及び容量C0〜CNの容量値の総和とした時、次式(24)
Figure 0006353267
の電荷がノードVx側に蓄積される。すなわち、アナログ入力電圧Vinと入力換算雑音電圧Voffの差分値がCDAC40の容量群Csにサンプリングされる。
また、このとき容量Cfには電圧Vfを用いて、次式(25)
Figure 0006353267
の電荷がノードVx側に蓄積されているとする。
したがって、サンプリングフェーズφsでは、ノードVx側に合計で、次式(26)
Figure 0006353267
の電荷が蓄積されており、容量群Csに対して、{Vin+(Cf/Cs)・Vf−Voff}の電圧をサンプリングすることと等価の電荷が蓄積されている。
次に、図5における逐次比較フェーズφcが開始すると、まず、スイッチSWsが非導通状態となる。続いて、スイッチSWcが導通状態となるのと同時に、スイッチ群SWgの中で、最上位のキャパシタCN−1のスイッチは高基準電圧VRH側に接続され、それ以外のキャパシタCd、C0〜CN−2のスイッチは、低基準電圧VRL側に接続される。
これにより、ノードVxの電圧をVx2aとすると、ノードVx側の総電荷Q2aは、次式(27)
Figure 0006353267
となる。
上記式(26)と(27)の電荷は、電荷保存則により等しいので、Q1a=Q2aを解くと、次式(28)
Figure 0006353267
を得る。
この電圧Vx2aは、Vc=0に対して比較器42によって比較され、その結果に応じて、SAR43によりスイッチ群SWgが操作される。比較結果がVx2a<0の場合、{Vin+(Cf/Cs)・Vf−Voff}>0であるので、MSBは1と決定され、最上位の容量CN−1のスイッチは高基準電圧VRH側に接続したまま、容量CN−2(容量値2N−2C=Cs/4)を高基準電圧VRH側に接続し、次ビットの判定を行う。
以上の動作を逐次行うことにより高ビットから順にデジタル出力を確定させ、N回の判定の後、Nビットのデジタル出力値Dout=(δ,δ,…,δ)を得る。ただし、δ(k=1,2,…,N)はMSBからk回目の判定結果がVx≧0なら0、Vx<0なら1と決定される値である。
このデジタル出力値Doutは−VREF〜VREFの電圧範囲を2等分に量子化した電圧値Dに対応し、次式(29)
Figure 0006353267
と表すことができる。
また、この電圧値Dは、容量群Csの各スイッチ側のノードにおける電圧値の容量値を重みとした加重平均電圧と見なせる。したがって、{Vin+(Cf/Cs)・Vf−Voff}に対して逐次比較動作が行われることを考えると、量子化誤差Eを用いれば、次式(30)
Figure 0006353267
の関係として示せる。
したがって、Nビット判定後、ノードVxの電圧Vx4aは、次式(31)
Figure 0006353267
と表される。
すなわち、逐次比較フェーズφcにおいて、N回の判定を終え、容量C1に接続されたスイッチの接続先を確定したときのノードVx側に蓄積された全容量Q4aは、次式(32)
Figure 0006353267
となり、式(32)に式(31)を代入すると、次式(33)
Figure 0006353267
と示すことができる。
続いて、誤差転送フェーズφtでは、スイッチSWcを非導通状態にした後、スイッチSWtが導通状態となる。この時、ノードVxは演算増幅器45aによりVCM+Voff=0+Voff=Voffとなる。また、演算増幅器45aの出力電圧をVoaと示す。
この時の、ノードVxにおける電荷保存則を考えると、次式(34)
Figure 0006353267
となり、容量CfにはノードVx側にCf・(Voff−Voa)=Cs・(E−Voff)の電荷が保存されている。式(30)において、Vfはサンプリングフェーズφs開始時に容量Cfに保存されていた電荷による電位であるので、周期Ts[s]に対応する遅延演算子Z−1と周期Ts/2[s]に対応する遅延演算子Z−1/2を用いると、式(34)におけるEはE・Z−1、VoffはVoff・Z−1/2と変換されることに注意すると、Vfは次式(35)
Figure 0006353267
と表すことができる。したがって、式(30)は、式(35)を用いれば、次式(36)
Figure 0006353267
となる。したがって、以上の動作により量子化誤差Eに対して1次デルタシグマ変調がなされたうえに、演算増幅器45aに由来するオフセット及びフリッカノイズなどの低域ノイズ(入力換算雑音電圧Voff)もまた抑制される。量子化誤差Eは低域で抑えられ、高域で増大するノイズシェーピング特性を示すため、量子化誤差電力の大きい高周波側(例えば、Fs/32以上の周波数領域)をデジタル低域通過フィルタにより除去すれば、従来のSARADCに比べ高い分解能でAD変換が実現できることを意味する。
なお、本発明のおけるADCでは、SARADCのAD変換における量子化誤差Eを電荷として容量Cfに一旦保存した後、次のAD変換時に入力電圧Vinを容量群Csにサンプリングした電荷と加算することで、量子化誤差に時間的な相関を持たせ、デルタシグマ変調を実現している。量子化誤差Eを電荷として次回判定に転送するため、容量Cfは容量群Csとの容量比に不感であり、その面積は相対誤差精度に制限されない。また、図10に示した非特許文献3の構成では、電荷転送を担う容量はCR,CR1,CR2の3つであったのが、本構成では図1に示すように容量Cfのみであるので、面積削減の利点も有する。
なお、本構成では、CDAC44として図7のような構成を示したが、上述した実施例1と同様に、逐次比較動作によってADCの量子化誤差Eに相当する電荷が残渣として残ればよく、例えば、特許文献1のようなCDACの構成でも問題ない。
また、本構成では、一次デルタシグマ変調を実現する構成を示したが、n次デルタシグマ変調(nは2以上)を実現する構成とすることもできる。
以上より本発明によれば、演算増幅器45aに由来するオフセット及びフリッカノイズなどの低域ノイズ、及び容量の相対誤差の影響を低減する構成でSARADCにおけるデルタシグマ変調を実現し、高分解能で小面積のAD変換器を実現することができる。
次に、本発明のAD変換方法について説明する。
本発明のAD変換方法は、容量DA変換器(CDAC)を備えた電荷再分配型のAD変換器における誤差帰還型デルタシグマ変調を実現したAD変換方法である。
まず、入力信号Vinを容量DA変換器14,34a,34b,44の各容量素子(図4及び図7のCs)にサンプリングする。
次に、容量DA変換器14,34a,34b,44の各容量素子(図4及び図7のCs)にサンプリングされた電荷による電圧と基準電圧VCMとを比較する。
次に、比較結果により各容量素子(図4及び図7のCs)に高基準電圧又は低基準電圧を接続する動作を逐次行う。
次に、演算増幅器15a,35a,45aの入力端子と出力端子との間に接続可能な容量素子15b,35b−1,35b−2,45bに量子化誤差を電荷として保存する。
次に、逐次比較動作をするときに、保存した電荷を容量DA変換器14,34a,34b,44の各容量素子(図4及び図7のCs)にサンプリングされた電荷に加算する。
また、入力信号Vinを容量DA変換器14,34a,34b,44の各容量素子(図4及び図7のCs)にサンプリングするときに、演算増幅器15a,35a,45aの入力端子と出力端子を短絡する。
また、容量DA変換器34a,34b及び誤差帰還部35を全差動構成にすることも可能である。
このようにして、容量の相対誤差の影響を低減する構成でSARADCにおける誤差帰還型デルタシグマ変調を実現したAD変換方法を実現することができる。
10,30,40 AD変換器
11,31,51 サンプルホールド回路(S/H)
12,32,42,52 比較器
13,33,43,53 逐次比較レジスタ(SAR)
14,34a,34b,54 デジタルアナログ変換器(DAC)
15,35,45 誤差帰還部
15a,35a,45a 演算増幅器
15b,35b−1,35b−2,45b 容量素子(Cf)
15c−1,35c−1a,35c−1b,45c−1,第1のスイッチ
15c−2,35c−2a,35c−2b,45c−2 第2のスイッチ
20 多ビットADC
21 DAC
22 遅延器
44 容量DA変換器(CDAC)
50 SARADC

Claims (2)

  1. 容量DA変換器を備えた電荷再分配型のAD変換器におけるAD変換方法において、
    入力信号を前記容量DA変換器の各容量素子にサンプリングする第一フェーズを実行し、
    前記容量DA変換器の各容量素子にサンプリングされた電荷による電圧と基準電圧とを比較し、比較結果により前記各容量素子に高基準電圧又は低基準電圧を接続する動作を逐次行う第二フェーズを実行し
    演算増幅器の入力端子と出力端子との間に接続可能な容量素子に量子化誤差を電荷として保存する第三フェーズを実行し、
    逐次比較動作をするときに、誤差帰還部によって前記保存した電荷を前記容量DA変換器の各容量素子にサンプリングされた電荷に加算し、
    前記第一フェーズにおいて、前記入力信号、前記高基準電圧及び前記低基準電圧がそれぞれ入力される第一端子と前記各容量素子との間にそれぞれ設けられた第一スイッチを前記入力信号が入力される前記第一端子に接続し、前記演算増幅器の入力端子と出力端子との間に設けられた第二スイッチを導通状態にするとともに、前記演算増幅器の出力端子と前記容量素子との間に設けられた第三スイッチ及び前記基準電圧が入力される基準電圧端子と前記容量素子との間に設けられた第四スイッチを非導通状態とし、
    前記第二フェーズにおいて、前記第二スイッチを非導通状態とした後に、前記第四スイッチを導通状態にするのと同時に、前記各容量素子のうちの最上位の容量素子と前記第一端子との間に設けられた前記第一スイッチを前記高基準電圧が入力される前記第一端子に接続するとともに前記各容量素子の残余の容量素子との間にそれぞれ設けられた前記第一スイッチを前記低基準電圧が入力される前記第一端子に接続し、
    前記第三フェーズにおいて、前記第四スイッチを非導通状態にした後に、前記第三スイッチを導通状態とし、前記第二スイッチを非導通状態とする
    ことを特徴とするAD変換方法。
  2. 前記容量DA変換器及び前記誤差帰還部を全差動構成にしたこと特徴とする請求項1に記載のAD変換方法。
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