JP2019020204A - 回路装置、発振器、物理量測定装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

回路装置、発振器、物理量測定装置、電子機器及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度な温度検出を行うことが可能な回路装置、発振器、物理量測定装置、電子機器及び移動体等を提供すること。
【解決手段】回路装置100は、温度特性を有する第1の電圧VTと、基準電圧となる第2の電圧VRFとを出力する温度センサー10と、第2の電圧VRFを、第1の電圧VTの温度特性における上限電圧と下限電圧との間の電圧である第3の電圧VLSに変換する電圧変換回路20と、第1の電圧VT及び第3の電圧VLSに対してチョッピングの変調を行い、チョッピングの変調後の第1の出力電圧VC1及び第2の出力電圧VC2を出力するチョッピング変調回路30と、第1の出力電圧VC1及び第2の出力電圧VC2に基づく第1の入力電圧VA1の信号及び第2の入力電圧VA2の信号が差動信号として入力される差動型のA/D変換回路50と、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回路装置、発振器、物理量測定装置、電子機器及び移動体等に関する。
環境温度を測定して温度検出データを取得し、その温度検出データ用いた信号処理を行うために、種々の回路装置において温度センサーが用いられている。例えば特許文献1には、バンドギャップリファレンス回路を用いた温度センサーが開示されている。温度センサーからの温度検出電圧は、例えばA/D変換回路によって温度検出データにA/D変換される。或いは、温度検出電圧は、変換増幅回路等のアナログ回路によって処理され、その処理後の電圧がA/D変換回路によって温度検出データにA/D変換される。
特開2007−192718号公報
温度センサーや、その温度検出電圧を処理するアナログ回路では、例えばフリッカーノイズ等の低周波ノイズが発生するため、その低周波ノイズによって温度検出の精度が低下するおそれがある。温度検出の精度が低下すると、その温度検出データを用いた信号処理に影響を与えるおそれがある。例えば、発振子の発振周波数の温度補償に温度センサーが用いられるが、発振周波数を高精度に温度補償するためには、発振子の温度を高精度に測定できることが望ましい。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は態様として実現することが可能である。
本発明の一態様は、温度特性を有する第1の電圧と、基準電圧となる第2の電圧とを出力する温度センサーと、前記第2の電圧を、前記第1の電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧との間の電圧である第3の電圧に変換する電圧変換回路と、前記第1の電圧及び前記第3の電圧に対してチョッピングの変調を行い、前記チョッピングの変調後の第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するチョッピング変調回路と、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧に基づく第1の入力電圧の信号及び第2の入力電圧の信号が差動信号として入力される差動型のA/D変換回路と、を含む回路装置に関係する。
本発明の一態様によれば、第1の電圧及び第3の電圧がチョッピング変調回路により変調され、チョッピングの変調後の第1の出力電圧及び第2の出力電圧が出力される。これにより、チョッピング変調回路の後段に設けられた回路の低周波ノイズを低減することが可能となり、温度検出の精度を向上できる。また本発明の一態様によれば、第2の電圧が、第1の電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧との間の電圧である第3の電圧に変換される。これにより、差動型のA/D変換回路の入力フルスケール電圧を有効に活用できるようになり、温度検出の精度を向上できるようになる。
また本発明の一態様は、温度特性を有する第1の電圧と、基準電圧となる第2の電圧とを出力する温度センサーと、前記第2の電圧が、第3の電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧との間の電圧となるように、前記第1の電圧を前記第3の電圧に変換する電圧変換回路と、前記第2の電圧及び前記第3の電圧に対してチョッピングの変調を行い、前記チョッピングの変調後の第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するチョッピング変調回路と、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧に基づく第1の入力電圧の信号及び第2の入力電圧の信号が差動信号として入力される差動型のA/D変換回路と、を含む回路装置に関係する。
本発明の一態様によれば、第2の電圧及び第3の電圧がチョッピング変調回路により変調され、チョッピングの変調後の第1の出力電圧及び第2の出力電圧が出力される。これにより、チョッピング変調回路の後段に設けられた回路の低周波ノイズを低減することが可能となり、温度検出の精度を向上できる。また本発明の一態様によれば、第2の電圧が、第3の電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧との間の電圧となるように、第1の電圧が第3の電圧に変換される。これにより、差動型のA/D変換回路の入力フルスケール電圧を有効に活用できるようになり、温度検出の精度を向上できるようになる。
また本発明の一態様では、前記温度センサーは、バンドギャップリファレンス回路であり、前記第2の電圧は、前記バンドギャップリファレンス回路が生成するバンドギャップ電圧であってもよい。
バンドギャップリファレンス回路は、温度依存性を有しない安定した基準電圧を出力するために、温度特性を有しないバンドギャップ電圧を生成する。このバンドギャップ電圧は、温度特性を有する第1の電圧の基準電圧(第2の電圧)として用いることができる。
また本発明の一態様では、前記第1の電圧は、バイポーラートランジスターのベース−エミッター間電圧であってもよい。
バイポーラートランジスターのベース−エミッター間電圧は、負の温度特性を有するので、温度特性を有する第1の電圧として用いることができる。バンドギャップ電圧が、ベース−エミッター間電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧の間でない場合であっても、本発明の一態様では、バンドギャップ電圧を、ベース−エミッター間電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧の間にシフトできる。
また本発明の一態様では、前記第1の出力電圧の信号及び前記第2の出力電圧の信号を差動信号として増幅して、前記増幅された差動信号として前記第1の入力電圧の信号及び前記第2の入力電圧の信号を出力する増幅回路を含んでもよい。
増幅回路は、例えばフリッカーノイズ等の低周波ノイズを発生させる。そのため、温度センサーの検出信号は低周波帯域に低周波ノイズが重畳される。この点、本発明の一態様によれば、チョッピング変調回路の後段に増幅回路が設けられるので、増幅回路が発生する低周波ノイズをチョッピング周波数だけ高周波側にシフトできる。これにより、低周波帯域において高S/Nな温度検出データを得ることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記A/D変換回路のA/D変換データに対してチョッピングの復調のデジタル処理を行うロジック回路を含んでもよい。
このようにすれば、チョッピング変調回路と、チョッピングの復調を行うロジック回路との間に増幅回路とA/D変換回路が設けられる。これにより、増幅回路とA/D変換回路が発生する低周波ノイズをチョッピング周波数だけ高周波側にシフトでき、低周波帯域において高S/Nな温度検出データを得ることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記第1の出力電圧の信号と前記第2の出力電圧の信号を差動信号として増幅する増幅回路と、前記増幅回路の後段に設けられ、チョッピングの復調を行うチョッピング復調回路と、を含んでもよい。
このようにすれば、チョッピング変調回路と、チョッピング復調回路との間に増幅回路が設けられる。これにより、増幅回路が発生する低周波ノイズをチョッピング周波数だけ高周波側にシフトでき、低周波帯域において高S/Nな温度検出データを得ることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記チョッピング復調回路の後段であって前記A/D変換回路の前段に設けられ、チョッピングの変調を行う第2のチョッピング変調回路と、前記A/D変換回路のA/D変換データに対してチョッピングの復調のデジタル処理を行うロジック回路を含んでもよい。
このようにすれば、第2のチョッピング変調回路と、チョッピングの復調を行うロジック回路との間にA/D変換回路が設けられる。これにより、A/D変換回路が発生する低周波ノイズをチョッピング周波数だけ高周波側にシフトでき、低周波帯域において高S/Nな温度検出データを得ることが可能になる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置と、発振子と、を含む発振器に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置と、物理量トランスデューサーと、を含む物理量測定装置に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む移動体に関係する。
本実施形態の回路装置の構成例。 本実施形態における温度に対する電圧変化の特性例。 電圧変換回路を用いない場合におけるA/D変換回路の入力電圧の例。 本実施形態におけるA/D変換回路の入力電圧の例。 本実施形態の回路装置の第1の詳細な構成例。 本実施形態の回路装置の第2の詳細な構成例。 本実施形態の回路装置の第3の詳細な構成例。 ノイズ密度の周波数特性のシミュレーション結果。 温度センサーの詳細な構成例。 電圧変換回路の詳細な構成例。 チョッパー回路(チョッピング変調回路、チョッピング復調回路)の詳細な構成例。 ロジック回路が行うチョッピングの復調を説明するタイミングチャート。 ローパスフィルターの詳細な構成例。 詳細な構成例のローパスフィルターの周波数特性。 A/D変換回路50の詳細な構成例。 本実施形態の回路装置を含む発振器の構成例。 本実施形態の回路装置を含む物理量測定装置の構成例。 本実施形態の回路装置を含む電子機器の構成例。 本実施形態の回路装置を含む移動体の例。 本実施形態の回路装置の第2の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.回路装置
図1は、本実施形態の回路装置の構成例である。回路装置100は、温度センサー10と、電圧変換回路20と、チョッピング変調回路30と、A/D変換回路50と、を含む。また回路装置100は、アナログ処理回路40を含むことができる。なお、本実施形態は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
温度センサー10は、温度特性を有する第1の電圧VTと、基準電圧となる第2の電圧VRFとを出力する。即ち、温度センサー10は測定対象の温度を検出(測定)し、その検出結果を第1の電圧VTと第2の電圧VRFとの差分として出力する。第1の電圧VTは、検出された温度に応じて電圧値が変化する電圧であり、例えば温度に対して線形に変化する電圧である。第2の電圧VRFは、温度に依存せず電圧値が一定の電圧である。この第2の電圧VRFを基準とする第1の電圧VTが、検出された温度を示す電圧となっている。
電圧変換回路20は、第2の電圧VRFを、第1の電圧VTの温度特性における上限電圧と下限電圧の間の電圧である第3の電圧VLSに変換する。第1の電圧VTは、所与の温度範囲において温度が変化するときに、下限電圧と上限電圧の間の電圧範囲で電圧値が変化する。所与の温度範囲は、回路装置100が用いられる環境において想定される温度範囲であり、例えば回路装置100の製品仕様に規定された温度範囲や、或いは回路装置100の検査において用いる温度範囲等である。上限電圧と下限電圧の間の電圧は、下限電圧と上限電圧の間の電圧範囲内の電圧であればよい。望ましくは、上限電圧と下限電圧の間の中央(略中央を含む)の電圧である。
図2は、本実施形態における温度に対する電圧変化の特性例である。Tminは温度範囲の下限温度であり、Tmaxは温度範囲の上限温度である。またVmaxは、TminとTmaxの間の温度範囲において第1の電圧VTが変化する電圧範囲の下限電圧であり、Vmaxは、電圧範囲の上限電圧である。なお、ここでは第1の電圧VTが負の温度特性(温度に対して負の傾きで電圧が変化する特性)を有する場合を図示するが、第1の電圧VTは正の温度特性を有してもよい。
図2に示すように、電圧変換回路20により第2の電圧VRFが第3の電圧VLSにシフトされる。第3の電圧VLSは、第1の電圧VTの温度特性における上限電圧Vmaxと下限電圧Vminの間の電圧となっている。シフト前の第2の電圧VRFは、第1の電圧VTの温度特性における上限電圧Vmaxと下限電圧Vminの間の電圧ではない。このため、第2の電圧VRFと第1の電圧VTとの差分は、0Vを含まない電圧範囲で変化する。一方、シフト後の第3の電圧VLSと第1の電圧VTとの差分は、0Vを含む電圧範囲で変化する。
チョッピング変調回路30(チョッパー回路)は、第1の電圧VTと第3の電圧VLSに対してチョッピングの変調(アナログ処理)を行い、チョッピングの変調後の第1の出力電圧VC1と第2の出力電圧VC2を出力する。チョッピングの変調は、差動のチョッピングによる変調である。即ち、入力信号を非反転で出力する状態と反転して出力する状態とを所与の周波数(チョッピング周波数)でスイッチングすることで、入力信号を変調することである。チョッピング変調回路30は、第1の電圧VTを第1の出力電圧VC1として出力すると共に第3の電圧VLSを第2の出力電圧VC2として出力する第1の状態(正相、非反転状態、正極性)と、第1の電圧VTを第2の出力電圧VC2として出力すると共に第3の電圧VLSを第1の出力電圧VC1として出力する第2の状態(逆相、反転状態、負極性)と、を所与の周波数で繰り返す。
チョッピング変調回路30により変調された信号は、例えばアナログ処理回路40において復調される。或いは、A/D変換回路50の後段のデジタル信号処理において復調される。これらの構成例の詳細は後述する。
アナログ処理回路40は、差動信号である第1の出力電圧VC1及び第2の出力電圧VC2をアナログ信号処理する回路である。その処理後の差動信号は、第1の入力電圧VA1及び第2の入力電圧VA2としてA/D変換回路50に入力される。例えば、アナログ処理回路40は、増幅回路、フィルター回路、チョッピング復調回路又はチョッピング変調回路等である。
A/D変換回路50には、第1の出力電圧VC1と第2の出力電圧VC2に基づく第1の入力電圧VA1の信号と第2の入力電圧VA2の信号が差動信号として入力される。A/D変換回路50は、第1の入力電圧VA1の信号と第2の入力電圧VA2の信号を差動信号としてA/D変換し、変換後のA/D変換データDOUTを出力する。A/D変換方式としては、例えば逐次比較型、フラッシュ型、パイプライン型又は二重積分型等を採用できる。第1の入力電圧VA1と第2の入力電圧VA2は、例えば何らかの回路(図1ではアナログ処理回路40)によって第1の出力電圧VC1と第2の出力電圧VC2を処理した差動信号である。アナログ処理回路40が差動信号処理を行う場合、第1の入力電圧VA1と第2の入力電圧VA2で構成される差動信号が、第1の出力電圧VC1と第2の出力電圧VC2の差動信号に基づく信号となっている。また、アナログ処理回路40が、差動信号を構成する2つの信号の各々をシングルエンド信号処理する場合、第1の入力電圧VA1と第2の入力電圧VA2の一方が、第1の出力電圧VC1に基づく信号となっており、他方が第2の出力電圧VC2に基づく信号となっている。
なお、図1ではチョッピング変調回路30とA/D変換回路50の間にアナログ処理回路40を設ける場合を図示しているが、アナログ処理回路40は省略されてもよい。この場合、第1の入力電圧VA1と第2の入力電圧VA2は、第1の出力電圧VC1と第2の出力電圧VC2そのものである。即ち、第1の入力電圧VA1と第2の入力電圧VA2の一方が、第1の出力電圧VC1であり、他方が第2の出力電圧VC2である。
以上の本実施形態によれば、A/D変換回路50の前段側にチョッピング変調回路30が設けられる。これにより、チョッピング変調回路30の後段側に設けられる回路(例えばアナログ処理回路40、或いはA/D変換回路50)が発生する低周波ノイズが温度検出データに与える影響を低減できる。即ち、チョッピングの復調を行った際に、上記の低周波ノイズはチョッピング周波数だけ高周波側にシフトするので、そのシフトしたノイズをローパスフィルター等によって低減することで、高S/Nの温度検出データを取得できる。
また本実施形態によれば、温度センサー10は、温度検出結果として、基準電圧(VRF)と温度依存電圧(VT)の差分を出力する。また、チョッピング変調回路30は差動信号を非反転で出力する状態と反転して出力する状態とをスイッチングする。このため、A/D変換回路50の入力信号も差動信号(VA1、VA2)となっている。このとき、図2で説明したように、電圧変換回路20により第2の電圧VRFが第3の電圧VLSにシフトされ、シフト後の第3の電圧VLSと第1の電圧VTとの差分は、0Vを含む電圧範囲で変化する。これにより、温度検出データの高分解能化、或いはA/D変換回路50の低ビット数化が可能となっている。以下、図3、図4を用いて説明する。
図3は、電圧変換回路を用いない場合におけるA/D変換回路の入力電圧の例である。FSCはA/D変換回路50の入力フルスケール電圧を表し、−VFS〜+VFSの電圧範囲に対応する。縦の太実線は、温度特性による電圧の変化範囲を表す。図2で説明したように、電圧変換回路20を用いない場合、第2の電圧VRFと第1の電圧VTの差分VRF−VTが0Vを含まない電圧範囲で変化する。この電圧範囲はA/D変換回路50の入力フルスケール電圧FSCよりも小さいので、増幅してA/D変換回路50に入力させる。このとき、電圧範囲の下限と上限が共に同じ方向(図3の例では正方向)に増幅されるので、増幅のゲインを大きくすることが難しい。このため、増幅後の電圧(例えば2×(VRF−VT))をA/D変換回路50に入力したとき、その入力フルスケール電圧FSCの狭い範囲しか用いることができない。
図4は、本実施形態におけるA/D変換回路の入力電圧の例である。図2で説明したように、電圧変換回路20を用いた場合、第3の電圧VLSと第1の電圧VTの差分VLS−VTが0Vを含む電圧範囲で変化する。この電圧範囲を増幅した場合、電圧範囲の下限と上限が互いに異なる方向に増幅されるので、図3の場合に比べて増幅のゲインを大きくできる。このため、増幅後の電圧(例えば10×(VLS−VT))をA/D変換回路50に入力したとき、図3の場合に比べて入力フルスケール電圧FSCの広い範囲を用いることができる。
図3、図4で同じ温度分解能(温度検出データの1LSBあたりの温度変化)を実現しようとした場合、図4の方が低い電圧分解能(A/D変換回路50のビット数)でよいことになる。即ち、本実施形態の方がA/D変換回路50を低ビット化できる。また、図3、図4で同じ電圧分解能のA/D変換回路50を用いた場合、図4の方が温度分解能を高くできる。即ち、本実施形態の方が高精度な温度検出が可能となる。このように、本実施形態ではチョッピングに差動信号が必要であり、その差動信号の一方をレベルシフトすることによって、A/D変換回路の低ビット化又は温度検出の高精度化が可能となっている。
なお、図1では電圧変換回路20が第2の電圧VRFを第3の電圧VLSに変換しているが、これに限定されない。図20に示すように、電圧変換回路20が第1の電圧VTを第3の電圧VLSに変換してもよい。この場合、第3の電圧VLSは、温度特性を有する電圧となる。電圧変換回路20は、第2の電圧VRFが、第3の電圧VLSの温度特性における上限電圧と下限電圧の間の電圧となるように、第1の電圧VTを第3の電圧VLSに変換する。そして、チョッピング変調回路30は、第2の電圧VRFと第3の電圧VLSに対してチョッピングの変調を行い、チョッピングの変調後の第1の出力電圧VC1と第2の出力電圧VC2を出力する。図2で説明したように、図1の構成ではチョッピング変調回路30がVLS−VTをチョッピング変調する。一方、図20の構成ではチョッピング変調回路30がVRF−VLSをチョッピング変調することになる。このVRF−VLSは、0Vを含む電圧範囲で変化する電圧である。以上の図20の構成によれば、図1の構成と同様に、高S/Nの温度検出データの取得や、A/D変換回路の低ビット化又は温度検出の高精度化が可能になる。なお、以下では図1の構成を例にとって説明するが、図20の構成においても各回路(温度センサー10、電圧変換回路20、チョッピング変調回路30、アナログ処理回路40、A/D変換回路50等)を同様の構成にできる。
2.回路装置の詳細な構成例
図5は、本実施形態の回路装置の第1の詳細な構成例である。図5では、アナログ処理回路40が増幅回路41である。また回路装置100がロジック回路60、ローパスフィルター70(デジタルローパスフィルター)、制御回路110を含む。なお、既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜省略する。
増幅回路41(差動増幅回路)は、第1の出力電圧VC1の信号と第2の出力電圧VC2の信号を差動信号として増幅して、その増幅された差動信号として第1の入力電圧VA1の信号と第2の入力電圧VA2の信号を出力する。具体的には、増幅回路41は差動入力、差動出力の増幅回路であり、差動信号である第1の出力電圧VC1と第2の出力電圧VC2を差動増幅し、差動信号である第1の入力電圧VA1と第2の入力電圧VA2を出力する。例えば増幅回路41は、レジスター設定等によりゲインを可変に設定できるプログラマブルゲインアンプである。或いは、ゲインが固定の増幅回路であってもよい。
ロジック回路60は、A/D変換回路50のA/D変換データDOUTに対してチョッピングの復調のデジタル処理を行う。復調されたA/D変換データDOUTは出力データLGQとして出力される。図1で説明したように、チョッピング変調回路30は第1の状態(正相)と第2の状態(逆相)を所与の周波数で繰り返しているため、その出力信号に基づく入力信号(VA1、VA2)をA/D変換したA/D変換データDOUTも変調された信号となっている。ロジック回路60は、チョッピング変調回路30が第2の状態(逆相)のときのA/D変換データDOUTの符号(正負)を反転させることで、チョッピングの復調を行う。チョッピングの復調の詳細は後述する。
ローパスフィルター70は、ロジック回路60の出力データLGQに対してデジタル信号処理によるローパスフィルター処理を行い、処理後の出力データLGQを温度検出データLFQとして出力する。ローパスフィルター70として、FIRフィルター(例えば移動平均フィルター等)、IIRフィルター(例えばバタワースフィルター、チェビシェフフィルター等)等の種々のフィルターを採用できる。カットオフ周波数は、チョッピング周波数よりも低い周波数に設定される。
制御回路110は、チョッピングの変調及び復調を制御する。即ち、チョッピングの状態(正相、逆相)を示す制御信号FCPをチョッピング変調回路30及びロジック回路60に出力する。チョッピング変調回路30は、制御信号FCPが示す状態に従って差動信号(VLS、VT)を正相(非反転状態)及び逆相(反転状態)にスイッチングし、チョッピングの変調を行う。ロジック回路60は、制御信号FCPが示す状態に従ってA/D変換データDOUTの符号をスイッチング(逆相の場合に符号を反転)し、チョッピングの復調を行う。
ロジック回路60、ローパスフィルター70、及び制御回路110は、例えば、それぞれ個別のハードウェア回路として構成されてもよい。或いは、DSP(Digital Signal processor)等の処理回路が各回路の処理を時分割に実行することで、ロジック回路60、ローパスフィルター70、及び制御回路110が実現されてもよい。
以上の実施形態では、増幅回路41やA/D変換回路50が、例えばフリッカーノイズ(1/fノイズ)等の低周波ノイズを発生させる。フリッカーノイズは、例えば増幅回路41やA/D変換回路50(のアナログ部)を構成するトランジスターから発生する。温度センサー10の検出信号は低周波帯域(DC付近)の信号であるため、その信号帯域と低周波ノイズの帯域が重なっている。
この点、本実施形態によれば、チョッピング変調回路30とロジック回路60(チョッピング復調回路)の間に増幅回路41とA/D変換回路50が設けられるので、増幅回路41とA/D変換回路50が発生する低周波ノイズを高周波側にシフトできる。これにより、温度検出の信号帯域において高S/Nな温度検出データを得ることが可能になる。高周波側にシフトされた低周波ノイズは、ローパスフィルター70により低減することができる。
図6は、本実施形態の回路装置の第2の詳細な構成例である。図6では、アナログ処理回路40が増幅回路41、チョッピング復調回路80、第2のチョッピング変調回路90を含む。なお、既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜省略する。
増幅回路41は、第1の出力電圧VC1の信号と第2の出力電圧VC2の信号を差動信号として増幅する。チョッピング復調回路80は、増幅回路41の後段に設けられ、チョッピングの復調(アナログ処理)を行う。具体的には、増幅回路41は、増幅後の電圧VG1と電圧VG2を出力する。チョッピング復調回路80は、電圧VG1と電圧VG2に対してチョッピングの復調を行い、復調後の電圧VD1と電圧VD2を出力する。ここでのチョッピングの復調は、チョッピング変調回路30(第1のチョッピング変調回路)が行うチョッピングの変調に対応した復調である。チョッピングの復調は、差動のチョッピングによる復調である。即ち、チョッピングの変調によりスイッチングされた差動信号の状態(正相、逆相)を、変調前の状態(正相)に戻すようにスイッチングすることである。
第2のチョッピング変調回路90は、チョッピング復調回路80の後段であってA/D変換回路50の前段に設けられ、チョッピングの変調(アナログ処理)を行う。ロジック回路60は、A/D変換回路50のA/D変換データに対してチョッピングの復調のデジタル処理を行う。具体的には、第2のチョッピング変調回路90は、チョッピング復調回路80からの電圧VD1と電圧VD2に対してチョッピングの変調を行う。変調後の電圧は、第1の入力電圧VA1と第2の入力電圧VA2としてA/D変換回路50に入力される。ロジック回路60が行うチョッピングの復調は、第2のチョッピング変調回路90が行うチョッピングの変調に対応した復調である。
制御回路110は、制御信号FCPをチョッピング変調回路30、チョッピング復調回路80、第2のチョッピング変調回路90及びロジック回路60に出力し、チョッピングの変調及び復調を制御する。
以上の実施形態によれば、チョッピング変調回路30とチョッピング復調回路80との間に増幅回路41が設けられる。これにより、増幅回路41が発生する低周波ノイズをチョッピングにより高周波側にシフトさせ、温度検出の信号帯域において高S/Nな温度検出データを得ることが可能になる。
また本実施形態によれば、第2のチョッピング変調回路90とロジック回路60(チョッピング復調回路)の間にA/D変換回路50が設けられる。これにより、A/D変換回路50が発生する低周波ノイズを高周波側にシフトさせ、温度検出の信号帯域において高S/Nな温度検出データを得ることが可能になる。
図7は、本実施形態の回路装置の第3の詳細な構成例である。図7では、アナログ処理回路40が増幅回路41、チョッピング復調回路80を含む。また図7では、回路装置100はロジック回路60を含まない。なお、既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜省略する。
本構成例では、増幅回路41についてはチョッピングによるノイズ低減を行い、A/D変換回路50についてはチョッピングによるノイズ低減を行わない。A/D変換データDOUTは変調されていないデータであり、ローパスフィルター70は、A/D変換回路50からのA/D変換データDOUTに対してローパスフィルター処理を行い、温度検出データLFQを出力する。
図8は、ノイズ密度の周波数特性のシミュレーション結果である。図8では、ノイズ密度及び周波数を対数軸で示す。ノイズ密度の単位は例えばV/√Hzである。なお、以下ではローパスフィルター処理を行う前のA/D変換データのノイズ密度を示す。
A1は、チョッピングを行わない場合、つまり図5においてチョッピング変調回路30及びロジック回路60を省略した(VC2=VLS、VC1=VT、DQ=DOUT)場合のA/D変換データのノイズ密度である。A2は、図7のように増幅回路41の前後でチョッピングの変調と復調を行った場合のA/D変換データのノイズ密度である。A1に比べて低周波側のノイズ密度が大幅に低減されていることが分かる。A3は、図5のように増幅回路41及びA/D変換回路50の前後でチョッピングの変調と復調を行った場合のA/D変換データのノイズ密度である。A2に比べて低周波側のノイズ密度が更に低減されていることが分かる。なお、A2、A3では、温度センサー10はバンドギャップリファレンス回路であり、そのバンドギャップリファレンス回路においてフィードバック用のアンプ回路にチョッピングを適用している。
チョッピングを行った場合のノイズ密度の温度特性(A2、A3)では、チョッピングによるノイズのピークがチョッピング周波数fchopに生じる。このノイズは、チョッピング周波数fchopよりもカットオフ周波数が低いローパスフィルター70によって低減できる。A4は、ローパスフィルター70の周波数特性例である。
3.温度センサー、電圧変換回路
図9は、温度センサーの詳細な構成例である。図9の温度センサー10は、抵抗素子RA1〜RA4(抵抗)、バイポーラートランジスターBTA1〜BTA3、アンプ回路APA、P型トランジスターMTAを含む。
アンプ回路APAは、入力ノードNA1、NA2が同電位となるようにP型トランジスターMTAを介してフィードバック制御を行う。バイポーラートランジスターBTA1、BTA2のサイズ比は、ベース−エミッター間電圧の温度特性がキャンセルされるように設定されており、第2の電圧VRF(基準電圧)として温度特性を有しない電圧が出力される。第1の電圧VTは、バイポーラートランジスターBTA3のベース−エミッター間電圧である。ベース−エミッター間電圧は負の温度特性を有するので、第1の電圧VTは温度特性を有する電圧となる。
以上の実施形態によれば、温度センサー10は、バンドギャップリファレンス回路であり、第2の電圧VRFは、バンドギャップリファレンス回路が生成するバンドギャップ電圧である。
バンドギャップリファレンス回路は、温度依存性を有しない安定した基準電圧を出力するために、温度特性を有しないバンドギャップ電圧を生成する。このバンドギャップ電圧は、温度検出において基準となる(即ち温度特性を有する第1の電圧VTの基準となる)第2の電圧VRFとして用いることができる。
また本実施形態では、第1の電圧VTは、バイポーラートランジスターBTA3のベース−エミッター間電圧である。
バイポーラートランジスターBTA3のベース−エミッター間電圧は、負の温度特性を有する。このベース−エミッター間電圧は、第2の電圧VRFを基準として温度に依存して変化する第1の電圧VTとして用いることができる。バンドギャップ電圧とベース−エミッター間電圧は、例えば0.5V程度はなれている。本実施形態では、電圧変換回路20によって、バンドギャップ電圧(VRF)をベース−エミッター間電圧(VT)の電圧変化範囲内にシフトさせる。これにより、シフト後のバンドギャップ電圧(VLS)とベース−エミッター間電圧(VT)の差分が小さくなり、図4で説明したようにA/D変換回路50の入力フルスケールを有効に使えるようになる。
なお、上記では温度センサーがバンドギャップリファレンス回路である例に説明したが、これに限定されず、回路素子の温度特性を用いて温度を検出する回路であればよい。例えば、ダイオードの順方向電圧の温度特性を用いた温度センサーであってもよい。
図10は、電圧変換回路の詳細な構成例である。電圧変換回路20は、抵抗素子RT1、RT2(抵抗)を含む。
抵抗素子RT1及び抵抗素子RT2は、第2の電圧VRFのノードと所与の電圧のノードとの間に直列接続される。所与の電圧は、例えば低電位側電源電圧(例えばグランド電圧)である。第3の電圧VLSは、抵抗素子RT1と抵抗素子RT2の間のノード(分割ノード)から出力される。
なお、上記では、電圧変換回路20が抵抗分割による電圧分割回路である例を説明したが、これに限定されず、入力電圧とは異なる電圧に変換して出力できる回路であればよい。例えば、リニアレギュレーター等であってもよい。図20のように第1の電圧VTを第3の電圧VLSに変換する場合、電圧変換回路20は、例えば、入力電圧を、入力電圧よりも高い出力電圧に変換する回路である。例えば、電圧変換回路20は、第1の電圧VTのノードと所与の電圧のノード(例えば高電位側電源ノード)との間に直列接続される第1、第2の抵抗素子を含み、第1、第2の抵抗素子の間のノードの電圧を第3の電圧VLSとして出力する。或いは、電圧変換回路20は、オペアンプ及び抵抗で構成される正転増幅回路で構成される。
4.チョッピング変調回路、チョッピング復調回路、ロジック回路
図11は、チョッパー回路(チョッピング変調回路、チョッピング復調回路)の詳細な構成例である。チョッパー回路35は、スイッチ素子SA1〜SA4(スイッチ)を含む。なお、図11のチョッパー回路は、チョッピング変調回路30、第2のチョッピング変調回路90、チョッピング復調回路80に適用できる。
スイッチ素子SA1は、電圧VI1が入力される入力ノードNI1と、電圧VQ1が出力される出力ノードNQ1との間に設けられる。スイッチ素子SA2は、電圧VI2が入力される入力ノードNI2と、出力ノードNQ1との間に設けられる。スイッチ素子SB1は、入力ノードNI2と、電圧VQ2が出力される出力ノードNQ2との間に設けられる。スイッチ素子SB2は、入力ノードNI1と出力ノードNQ2との間に設けられる。スイッチ素子SA1〜SA4は、例えばアナログスイッチであり、例えばトランジスターで構成される。
チョッピングの変調及び復調が正相(第1の状態)である場合、スイッチ素子SA1及びスイッチ素子SB1がオンになり、スイッチ素子SA2及びスイッチ素子SB2がオフになる。正相では、VQ1=VI1、VQ2=VI2である。一方、チョッピングの変調及び復調が逆相(第2の状態)である場合、スイッチ素子SA1及びスイッチ素子SB1がオフになり、スイッチ素子SA2及びスイッチ素子SB2がオンになる。逆相では、VQ1=VI2、VQ2=VI1である。
図12は、ロジック回路が行うチョッピングの復調を説明するタイミングチャートである。なお、ここでは図5の構成を例に説明するが、図6の構成においても同様の動作となる。
ここでは、ローレベルの制御信号FCPが正相を表し、ハイレベルの制御信号FCPが逆相を表すものとし、チョッピング変調回路30の入力電圧Vin(=VLS−VT)が正の電圧であるとする。この場合、A/D変換回路50の入力電圧VinAD(=VA2−VA1)は、正相のとき正の電圧となり、逆相のとき負の電圧となる。正相のときの入力電圧VinADをA/D変換したA/D変換データDOUTは、正のコードとなる。一方、逆相のときの入力電圧VinADをA/D変換したA/D変換データDOUTは、負のコードとなる。ロジック回路60は、正相のときの入力電圧VinADをA/D変換したA/D変換データDOUTをそのまま出力データLGQとして出力し、逆相のときの入力電圧VinADをA/D変換したA/D変換データDOUTの符号を反転させて出力データLGQとして出力する。この結果、出力データLGQは正のコードとなる。例えば、A/D変換データDOUT及び出力データLGQは2の補数で表され、符号の反転は2の補数における符号の反転により実行される。なお、チョッピング変調回路30の入力電圧Vinが負の電圧である場合、A/D変換回路50の入力電圧VinADは、正相のとき負の電圧となり、逆相のとき正の電圧となる。正相のときのA/D変換データDOUTは、負のコードとなり、逆相のときのA/D変換データDOUTは、正のコードとなる。ロジック回路60は、逆相のときのA/D変換データDOUTの符号を反転させて復調し、出力データLGQは負のコードとなる。
5.ローパスフィルター、A/D変換回路
図13は、ローパスフィルターの詳細な構成例である。ローパスフィルター70は、k−1個の遅延部DE1〜DEk−1(遅延回路)と、k−1個の加算部AD1〜ADk−1(加算回路)と、乗算部GNと、を含む。kは2以上の整数である。
ローパスフィルター70は移動平均フィルターであり、下式(1)の演算を行う。nは整数であり、デジタル処理の離散時間(処理ステップ)を表す。
y[n]=(1/k)×(x[n]+x[n-1]+・・・+x[n-k+1]) ・・・(1)
図14は、図13のローパスフィルターの周波数特性である。図14では、k=8である場合の周波数特性を示すが、kは8に限定されない。
図14に示すように、ローパスフィルター70の周波数特性はノッチを有しており、そのノッチの1つがチョッピング周波数fchopの位置にくるようになっている。例えば、A/D変換回路50は2×fchopの周波数でA/D変換を行い、ローパスフィルター70は2×fchopの周波数で動作する。この場合、ナイキスト周波数であるfchopにノッチが生じる。ローパスフィルター70の通過帯域BWは、0Hzから最も低周波数側のノッチの周波数までの帯域となる。通過帯域BWは、kにより調整可能であり、kが大きいほど狭くなる。
なお、上記ではローパスフィルター70が移動平均フィルターである例を説明したが、これに限定されず、ローパスフィルター70として種々のデジタルローパスフィルターを採用できる。
図15は、A/D変換回路50の詳細な構成例である。A/D変換回路50は、比較回路55、逐次比較制御回路56を含む。比較回路55は、サンプルホールド回路51、D/A変換回路52、コンパレーター53を含む。
D/A変換回路52は、逐次比較制御回路56からの逐次比較用データRDAのD/A変換を行う。そして逐次比較用データRDAに対応するD/A出力電圧DCQを出力する。このD/A変換回路52は、キャパシターアレイを用いた電荷再分配型であってもよいし、その一部又は全部がラダー抵抗型であってもよい。
サンプルホールド回路51は、A/D変換の対象となる入力電圧VINをサンプリング及びホールドし、ホールドした電圧SINを出力する。なお電荷再分配型の場合には、サンプルホールド回路51及びD/A変換回路52をキャパシターアレイにより一体に構成できる。
コンパレーター53は、電圧SINと電圧DCQの比較処理を行う。即ち、電圧SINが電圧DCQより高いか否かを判定し、その比較結果を比較結果信号CPQとして出力する。
逐次比較制御回路56は、逐次比較レジスターを有し、逐次比較レジスターに記憶された逐次比較用データRDAを出力する。逐次比較レジスターは、比較回路55からの比較結果信号CPQにより、そのレジスター値が設定されるレジスターである。例えば比較回路55が、MSBのビットからLSBのビットに至るまでの逐次比較処理を行った場合に、各ビットにおける比較処理結果(「1」、「0」)が、逐次比較レジスターの各レジスター値として記憶される。逐次比較制御回路56は、逐次比較処理が終わった後の逐次比較用データRDAをA/D変換データDOUTとして出力する。
なお、差動入力のA/D変換回路は、例えば以下のように構成できる。即ち、比較回路55は、差動信号の第1の信号が入力される正極用のサンプルホールド回路及びD/A変換回路と、差動信号の第2の信号が入力される負極用のサンプルホールド回路及びD/A変換回路と、比較回路とを有する。比較回路は、正極の入力電圧と負極の入力電圧とを比較処理する。正極の入力電圧は、正極用のサンプルホールド回路の出力電圧と、正極用のD/A変換回路の出力電圧との差分である。負極の入力電圧は、負極用のサンプルホールド回路の出力電圧と、負極用のD/A変換回路の出力電圧との差分である。
6.発振器、物理量測定装置
図16は、本実施形態の回路装置を含む発振器の構成例である。発振器300は、回路装置100、発振子XTAL(振動子、物理量トランスデューサー)を含む。
発振子XTALは例えば圧電振動子である。具体的には発振子は例えば水晶振動子である。水晶振動子としては、例えばカット角がATカットやSCカットなどの厚みすべり振動する水晶振動子である。例えば発振子は、恒温槽を備える恒温槽型水晶発振器(OCXO)に内蔵されている振動子、或いは恒温槽を備えない温度補償型水晶発振器(TCXO)に内蔵されている振動子などであってもよい。また発振子として、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子、シリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子等を採用してもよい。
回路装置100は、温度検出回路105、処理回路130、発振信号生成回路140を含む。
温度検出回路105は温度センサー10を含み、温度検出結果にA/D変換データDOUTを出力する。具体的には、温度検出回路105は、図1の温度センサー10、電圧変換回路20、チョッピング変調回路30、アナログ処理回路40、A/D変換回路50に対応する。
処理回路130は、A/D変換データDOUTに基づくデジタル信号処理を行い、周波数制御データDFCQを出力する。具体的には、処理回路130は、A/D変換データDOUTに対してチョッピングの復調を行うチョッピング復調部62と、復調されたA/D変換データDOUTに対してローパスフィルター処理を行うローパスフィルター部72と、ローパスフィルター部72の出力データである温度検出データに基づいて発振子XTALの発振周波数の温度補償処理を行う温度補償部132と、を含む。
処理回路130は、例えばDSPで構成され、DSPの時分割処理により温度補償部132、チョッピング復調部62、ローパスフィルター部72の処理を実行する。なお、温度補償部132、チョッピング復調部62、ローパスフィルター部72が、それぞれ個別の回路で構成されてもよい。チョッピング復調部62は、図5、図6のロジック回路60に対応する。ローパスフィルター部72は、図5、図6のローパスフィルター70に対応する。温度補償部132は、例えば発振子XTALの発振周波数の温度特性を補償するための多項式を用いて、温度検出データから周波数制御データDFCQを演算する。多項式の係数は、例えば不図示の不揮発性メモリーに記憶されている。或いは、温度補償部132は、ルックアップテーブルを参照して温度検出データに対応する周波数制御データDFCQを取得する。なお、A/D変換回路50が図15のような逐次比較型のA/D変換回路である場合、逐次比較制御回路56が処理回路130に含まれてもよい。この場合、逐次比較制御回路56(逐次比較制御部)の処理がDSPの時分割処理に組み込まれてもよい。
発振信号生成回路140は、周波数制御データDFCQにより設定される発振周波数の発振信号OSCKを生成する。例えば発振信号生成回路140は、処理回路130からの周波数制御データDFCQと発振子XTALを用いて、周波数制御データDFCQにより設定される発振周波数の発振信号OSCKを生成する。一例としては、発振信号生成回路140は、発振子XTALを発振させる発振回路142を含み、周波数制御データDFCQにより設定される発振周波数で発振子XTALを発振させて、発振信号OSCKを生成する。
例えば、発振信号生成回路140は、周波数制御データDFCQをD/A変換するD/A変換回路を含む。発振回路142は、発振子XTALの一端が接続されるノードに設けられた可変容量を含む。可変容量は、D/A変換回路の出力電圧によって容量値が可変に制御され、その可変容量の容量値によって発振回路142(発振子XTAL)の発振周波数が制御される。
或いは、発振信号生成回路140は、発振子XTALの一端が接続されるノードに設けられたキャパシターアレイを含む。キャパシターアレイは、周波数制御データDFCQによって容量値が可変に制御され、そのキャパシターアレイの容量値によって発振回路142(発振子XTAL)の発振周波数が制御される。
なお発振信号生成回路140は、ダイレクトデジタルシンセサイザー方式で発振信号OSCKを生成する回路であってもよい。例えば振動子(固定発振周波数の発振源)の発振信号をリファレンス信号として、周波数制御データDFCQで設定される発振周波数の発振信号OSCKをデジタル的に生成してもよい。
図17は、本実施形態の回路装置を含む物理量測定装置の構成例である。なお、図17では、物理量測定装置の一例として、時間をデジタル値に変換する時間デジタル変換器の構成例を示す。但し、例えば角速度、角加速度、速度、加速度、距離、圧力、音圧又は磁気量等の種々の物理量を検出する物理量測定装置に、本実施形態の回路装置100を適用可能である。また図17の物理量測定装置は発振子を含むが、これに限定されず、測定される物理量を検出するための物理量トランスデューサーを含んでもよい。例えば、角速度を検出するジャイロセンサーの場合、物理量トランスデューサーとして振動子(例えば水晶振動子、MEMS振動子等)を含んでもよい。
図17の物理量測定装置400は、回路装置100、発振子XTAL1〜XTAL3(振動子)を含む。発振子XTAL1〜XTAL3は、図16の発振子XTALと同様の構成である。回路装置100は、温度検出回路120、処理回路130、発振信号生成回路140、PLL回路150(第1のPLL回路)、PLL回路160(第2のPLL回路)、時間デジタル変換回路170を含む。なお、既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素については適宜説明を省略する。
発振信号生成回路140は、発振周波数が温度補償された発振信号に基づいて基準クロック信号CKRを出力する。PLL回路150は、クロック信号CK1と基準クロック信号CKRとの位相同期を行う。PLL回路150は、発振子XTAL2を発振させてクロック信号CL1を生成する発振回路152を含み、クロック信号CK1と基準クロック信号CKRとの位相比較結果に基づいて発振回路152(発振子XTAL2)の発振周波数をフィードバック制御することで、位相同期を行う。PLL回路160は、クロック信号CK2と基準クロック信号CKRとの位相同期を行う。PLL回路160は、発振子XTAL3を発振させてクロック信号CK2を生成する発振回路162を含み、クロック信号CK2と基準クロック信号CKRとの位相比較結果に基づいて発振回路162(発振子XTAL3)の発振周波数をフィードバック制御することで、位相同期を行う。
時間デジタル変換回路170は、クロック信号CK1、CK2を用いて、信号STA(第1の信号。例えばスタート信号)と信号STP(第2の信号。例えばストップ信号)の遷移タイミングの時間差をデジタル値DQに変換する。信号STAと信号STPの遷移タイミングの時間差は、信号STAと信号STPのエッジ間(例えば立ち上がりエッジ間又は立ち下がりエッジ間)の時間差である。
以下、本実施形態の時間デジタル変換手法を説明する。クロック信号CK1の周波数をf1とし、クロック信号CK2の周波数をf2とする。周波数f1、f2は異なる周波数である。クロック信号CK1、CK2は位相同期タイミングにおいて位相同期が行われており、位相同期タイミングにおいてクロック信号CK1、CK2の遷移タイミングが一致している。その後、クロック信号CK1、CK2のクロック間時間差(位相差)が、Δt、2Δt、3Δt・・・というように、クロックサイクル毎にΔtずつ増えて行く。
時間デジタル変換回路170は、クロック周波数f1、f2の周波数差|f1−f2|に対応する分解能で時間をデジタル値に変換する。時間デジタル変換の分解能(時間分解能)は、Δt=|1/f1−1/f2|=|f1−f2|/(f1×f2)と表すことができる。
例えば、第1の位相同期タイミングからクロック信号CK1の第mのクロックサイクル(mは1以上の整数)において信号STAを発生し、発生した信号STAに対応して信号レベルが変化する信号STPを取得する。そして第mのクロックサイクルでの信号STAと信号STPの時間差とクロック間時間差m×Δtとを比較する処理を行う。第1の位相同期タイミングとは異なる第2の位相同期タイミングからクロック信号CK1の第m+1のクロックサイクルにおいて信号STAを発生し、発生した信号STAに対応して信号レベルが変化する信号STPを取得する。そして第m+1のクロックサイクルでの信号STAと信号STPの時間差とクロック間時間差(m+1)×Δtとを比較する処理を行う。時間差がクロック間時間差m×Δtより長く、クロック間時間差(m+1)×Δtより短いと判定された場合、時間差はm×Δt又は(m+1)×Δtであると求められる。なお、第2の位相同期タイミングは、第1の位相同期タイミングの次の位相同期タイミングに限定されず、第1の位相同期タイミングとは異なる位相同期タイミングであればよい。
7.電子機器、移動体
図18に、本実施形態の回路装置を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器500は、回路装置100と発振子XTAL1〜XTAL3を有する物理量測定装置400と、処理部520を含む。また通信部510、操作部530、表示部540、記憶部550、アンテナANTを含むことができる。なお、電子機器500は、回路装置100と発振子XTALを有する発振器300を含んでもよい。
電子機器500としては、例えば距離、時間、流速又は流量等の物理量を計測する計測機器、生体情報を測定する生体情報測定機器(超音波測定装置、脈波計、血圧測定装置等)、車載機器(自動運転用の機器等)、基地局又はルーター等のネットワーク関連機器を想定できる。また頭部装着型表示装置や時計関連機器などのウェアラブル機器、ロボット、印刷装置、投影装置、携帯情報端末(スマートフォン等)、コンテンツを配信するコンテンツ提供機器、或いはデジタルカメラ又はビデオカメラ等の映像機器などを想定できる。
通信部510(無線回路)は、アンテナANTを介して外部からデータを受信したり、外部にデータを送信する処理を行う。処理部520(処理回路)は、電子機器500の制御処理や、通信部510を介して送受信されるデータの種々のデジタル処理などを行う。処理部520の機能は、例えばマイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現できる。操作部530は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイをなどにより実現できる。表示部540は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。記憶部550は、データを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。
図19に、本実施形態の回路装置(振動デバイス)を含む移動体の例を示す。本実施形態の振動デバイス250は、例えば、車、飛行機、バイク、自転車、ロボット、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。ここで振動デバイス250は、発振器300又は物理量測定装置400に対応する。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器(車載機器)を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。図19は移動体の具体例としての自動車206を概略的に示している。自動車206には、本実施形態の振動デバイス250(回路装置100)が組み込まれる。制御装置208は、この振動デバイス250により生成されたクロック信号や測定された物理量情報に基づいて種々の制御処理を行う。例えば物理量情報として、自動車206の周囲の物体の距離情報が測定された場合に、制御装置208は、測定された距離情報を用いて自動運転のための種々の制御処理を行う。制御装置208は、例えば車体207の姿勢に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪209のブレーキを制御する。なお本実施形態の振動デバイス250が組み込まれる機器は、このような制御装置208には限定されず、自動車206やロボット等の移動体に設けられる種々の機器に組み込むことができる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また回路装置、発振器、物理量測定装置、振動デバイス、電子機器、移動体の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10…温度センサー、20…電圧変換回路、30…チョッピング変調回路、
35…チョッパー回路、40…アナログ処理回路、41…増幅回路、
50…A/D変換回路、51…サンプルホールド回路、52…D/A変換回路、
53…コンパレーター、55…比較回路、56…比較制御回路、60…ロジック回路、
62…チョッピング復調部、70…ローパスフィルター、72…ローパスフィルター部、
80…チョッピング復調回路、90…第2のチョッピング変調回路、100…回路装置、
105…温度検出回路、110…制御回路、120…温度検出回路、130…処理回路、
132…温度補償部、140…発振信号生成回路、142…発振回路、
150…PLL回路、152…発振回路、160…PLL回路、162…発振回路、
170…時間デジタル変換回路、206…自動車、207…車体、208…制御装置、
209…車輪、250…振動デバイス、300…発振器、400…物理量測定装置、
500…電子機器、510…通信部、520…処理部、530…操作部、
540…表示部、550…記憶部、
VLS…第3の電圧、VRF…第2の電圧、VT…第1の電圧、
Vmax…上限電圧、Vmin…下限電圧、fchop…チョッピング周波数

Claims (12)

  1. 温度特性を有する第1の電圧と、基準電圧となる第2の電圧とを出力する温度センサーと、
    前記第2の電圧を、前記第1の電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧との間の電圧である第3の電圧に変換する電圧変換回路と、
    前記第1の電圧及び前記第3の電圧に対してチョッピングの変調を行い、前記チョッピングの変調後の第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するチョッピング変調回路と、
    前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧に基づく第1の入力電圧の信号及び第2の入力電圧の信号が差動信号として入力される差動型のA/D変換回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  2. 温度特性を有する第1の電圧と、基準電圧となる第2の電圧とを出力する温度センサーと、
    前記第2の電圧が、第3の電圧の温度特性における上限電圧と下限電圧との間の電圧となるように、前記第1の電圧を前記第3の電圧に変換する電圧変換回路と、
    前記第2の電圧及び前記第3の電圧に対してチョッピングの変調を行い、前記チョッピングの変調後の第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するチョッピング変調回路と、
    前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧に基づく第1の入力電圧の信号及び第2の入力電圧の信号が差動信号として入力される差動型のA/D変換回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  3. 請求項1又は2に記載の回路装置において、
    前記温度センサーは、バンドギャップリファレンス回路であり、
    前記第2の電圧は、前記バンドギャップリファレンス回路が生成するバンドギャップ電圧であることを特徴とする回路装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記第1の電圧は、バイポーラートランジスターのベース−エミッター間電圧であることを特徴とする回路装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記第1の出力電圧の信号及び前記第2の出力電圧の信号を差動信号として増幅して、前記増幅された差動信号として前記第1の入力電圧の信号及び前記第2の入力電圧の信号を出力する増幅回路を含むことを特徴とする回路装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記A/D変換回路のA/D変換データに対してチョッピングの復調のデジタル処理を行うロジック回路を含むことを特徴とする回路装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記第1の出力電圧の信号と前記第2の出力電圧の信号を差動信号として増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の後段に設けられ、チョッピングの復調を行うチョッピング復調回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  8. 請求項7に記載の回路装置において、
    前記チョッピング復調回路の後段であって前記A/D変換回路の前段に設けられ、チョッピングの変調を行う第2のチョッピング変調回路と、
    前記A/D変換回路のA/D変換データに対してチョッピングの復調のデジタル処理を行うロジック回路を含むことを特徴とする回路装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の回路装置と、
    発振子と、
    を含むことを特徴とする発振器。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする物理量測定装置。
  11. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする移動体。
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