JP5549824B2 - A/d変換回路、電子機器及びa/d変換方法 - Google Patents

A/d変換回路、電子機器及びa/d変換方法 Download PDF

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本発明は、A/D変換回路、電子機器及びA/D変換方法等に関する。
従来より、アナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路として、逐次比較型のA/D変換回路が知られている。この逐次比較型のA/D変換回路は、比較回路と、逐次比較レジスタと、D/A変換回路を備え、入力信号をサンプリング(サンプル・ホールド)した信号を逐次比較動作によりA/D変換することでデジタルデータを出力する。このような逐次比較型のA/D変換回路の従来技術としては特許文献1等に開示される技術が知られている。
このようなA/D変換回路では、その変換精度の大部分はD/A変換回路の精度に依存する。そして、D/A変換回路の精度を高めようとすると、キャパシタの面積(電荷再分配型の場合)が抵抗の面積(ラダー抵抗型の場合)が要因となって、回路が大規模化してしまう。一方、回路の大規模化を抑制するために、D/A変換回路の回路に工夫を加えると、今度は、微分非直線性(Differential Non Linearity)や積分非直線性(Integral Non Linearity)の誤差が原因で、いわゆるミッシングコードが発生するなどの問題が生じる。
特開平8−321779号公報
本発明の幾つかの態様によれば、A/D変換の特性を改善できるA/D変換回路、電子機器、A/D変換方法等を提供できる。
本発明の一態様は、比較回路と、前記比較回路からの比較結果信号によりレジスタ値が設定される逐次比較レジスタを有し、逐次比較用データを出力する制御回路と、前記制御回路からの前記逐次比較用データをD/A変換して、前記逐次比較用データに対応するD/A出力信号を出力する第1のD/A変換回路と、時間的に変化するコードデータをD/A変換して、前記コードデータに対応するコード信号を出力する第2のD/A変換回路を含み、前記比較回路は、入力信号のサンプリング信号および前記コード信号の加算信号と、前記D/A出力信号と、を比較する処理、或いは前記サンプリング信号と、前記D/A出力信号および前記コード信号の加算信号と、を比較する処理を行い、前記制御回路は、前記逐次比較レジスタの逐次比較結果データと前記コードデータとに基づき求められる出力データを、前記入力信号のA/D変換データとして出力するA/D変換回路に関係する。
本発明の一態様によれば、逐次比較レジスタを有する制御回路からの逐次比較用データが第1のD/A変換回路に入力されて、逐次比較用データに対応するD/A出力信号が出力される。また時間的に変化するコードデータが第2のD/A変換回路に入力されて、コードデータに対応するコード信号が出力される。そして入力信号のサンプリング信号とコード信号の加算信号と、D/A出力信号とを比較する処理、或いはサンプリング信号と、D/A出力信号とコード信号の加算信号とを比較する処理が行われる。そして逐次比較結
果データとコードデータとに基づき求められる出力データが、入力信号のA/D変換データとして出力される。このようにすれば、時間的に変化するコードデータによりコードシフトが行われるようになり、A/D変換の特性を改善できる。
また本発明の一態様では、前記第1のD/A変換回路の最小分解能をRS1、前記第2のD/A変換回路の最小分解能をRS2とした場合に、RS2≧RS1であってもよい。
このようにすれば、第1のD/A変換回路の最小分解能RS1以上の大きさのコード信号の加算処理を行って、コードシフトを実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記コードデータを生成して、前記第2のD/A変換回路に対して出力するコードデータ生成部を含み、前記コードデータ生成部は、所定のデータ範囲内において、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるデータを、前記コードデータとして出力してもよい。
このようにすれば、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるコードデータに対応するコード信号の加算処理が行われて、コードシフトが実現される。これにより、例えばDNL特性の悪化を周囲のコードに時間的に拡散させて、A/D変換の特性を改善できる。
また本発明の一態様では、前記第1のD/A変換回路及び前記第2のD/A変換回路は、電荷再分配型のD/A変換回路であってもよい。
なお第1、第2のD/A変換回路の一部又は全部をラダー抵抗型で実現してもよい。
また本発明の一態様では、前記第1のD/A変換回路は、前記比較回路の比較ノードに一端が接続される複数のキャパシタを有する第1のキャパシタアレイ部と、前記第1のキャパシタアレイ部の前記複数のキャパシタの他端に接続され前記逐次比較用データの上位ビットデータに基づきスイッチ制御される複数のスイッチ素子を有する第1のスイッチアレイ部と、前記比較ノードと第1のノードとの間に設けられる第1の直列キャパシタと、前記第1のノードに一端が接続される複数のキャパシタを有する第2のキャパシタアレイ部と、前記第2のキャパシタアレイ部の前記複数のキャパシタの他端に接続され前記逐次比較用データの下位ビットデータに基づきスイッチ制御される複数のスイッチ素子を有する第2のスイッチアレイ部を含み、前記第2のD/A変換回路は、前記比較ノードと第2のノードとの間に設けられる第2の直列キャパシタと、前記第2のノードに一端が接続される複数のキャパシタを有する第3のキャパシタアレイ部と、前記第3のキャパシタアレイ部の前記複数のキャパシタの他端に接続され前記コードデータに基づきスイッチ制御される複数のスイッチ素子を有する第3のスイッチアレイ部を含んでもよい。
このような構成の第1のD/A変換回路を用いれば、回路面積の増加を最小限に抑えながら、A/D変換の高ビット化を図れる。またこのような構成の第2のD/A変換回路を用いれば、サンプリング信号と、D/A出力信号とコード信号の加算信号とを比較する処理を実現できる。
また本発明の一態様では、前記コードデータを生成して、前記第2のD/A変換回路に対して出力するコードデータ生成部を含み、前記コードデータ生成部は、前記逐次比較用データの下位ビットデータのデータ範囲内において、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるデータを、前記コードデータとして出力してもよい。
このようにすれば逐次比較用データの1LSBに相当する電圧以上の範囲でコード信号
を変化させてコードシフトを実現できる。
また本発明の一態様では、前記制御回路は、前記サンプリング信号と前記コード信号の加算信号と、前記D/A出力信号との比較処理が行われる場合に、前記逐次比較レジスタの前記逐次比較結果データから前記コードデータを減算する処理を行ってもよい。
このようにすれば、サンプリング信号とコード信号の加算信号と、D/A出力信号との比較処理が行われる場合に、コードデータの減算処理を行うことで、適正なA/D変換データを出力できるようになる。
また本発明の一態様では、前記制御回路は、前記サンプリング信号と、前記D/A出力信号と前記コード信号の加算信号との比較処理が行われる場合に、前記逐次比較レジスタの前記逐次比較結果データに前記コードデータを加算する処理を行ってもよい。
このようにすれば、サンプリング信号と、D/A出力信号とコード信号の加算信号との比較処理が行われる場合に、コードデータの加算処理を行うことで、適正なA/D変換データを出力できるようになる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載のA/D変換回路を含む電子機器に関係する。
また本発明の他の態様は、比較回路と逐次比較レジスタとD/A変換回路を有する逐次比較型のA/D変換回路におけるA/D変換方法であって、時間的に変化するコードデータに対応するコード信号を生成し、入力信号のサンプリング信号および前記コード信号の加算信号と、前記D/A変換回路からのD/A出力信号と、を比較する処理、或いは前記サンプリング信号と、前記D/A出力信号および前記コード信号の加算信号と、を比較する処理を行い、前記逐次比較レジスタからの逐次比較結果データと前記コードデータとに基づき求められる出力データを、前記入力信号のA/D変換データとして出力するA/D変換方法に関係する。
本発明の他の態様によれば、コードデータに対応するコード信号が生成され、入力信号のサンプリング信号とコード信号の加算信号と、D/A出力信号とを比較する処理、或いはサンプリング信号と、D/A出力信号とコード信号の加算信号とを比較する処理が行われる。そして逐次比較結果データとコードデータとに基づき求められる出力データが、入力信号のA/D変換データとして出力される。このようにすれば、時間的に変化するコードデータによりコードシフトが行われるようになり、A/D変換の特性を改善できる。
本実施形態のA/D変換回路の構成例。 A/D変換回路の第1の比較例。 図3(A)〜図3(C)は本実施形態のコードシフト手法の説明図。 本実施形態のA/D変換回路の詳細な構成例。 A/D変換回路の動作を説明するための図。 A/D変換回路の第2の比較例。 A/D変換回路の第3の比較例。 寄生容量が及ぼす悪影響についての説明図。 図9(A)、図9(B)はDNL、INLの説明図。 図10(A)、図10(B)はDNLのシミュレーション結果の例。 本実施形態の全差動型のA/D変換回路の構成例。 本実施形態の電子機器の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.構成
図1に本実施形態のA/D変換回路の構成例を示す。このA/D変換回路は、比較回路10.制御回路20、第1のD/A変換回路DAC1、第2のD/A変換回路DAC2を含む。また、S/H(サンプル・ホールド)回路30やコードデータ生成部90を含むことができる。
なお、本実施形態のA/D変換回路は図1の構成に限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えばS/H回路30の構成要素を省略し、D/A変換回路に入力信号VINのサンプル・ホールド機能を持たせてもよい。まだコードデータ生成部90の構成要素を省略し、コードデータCDAを外部から直接に入力してもよい。
比較回路10は、コンパレータ(例えばヒステリシス機能付きコンパレータ)により実現され、例えば信号SADDと信号DQの比較処理を行う。
制御回路20は、逐次比較レジスタSAR(Successive Approximation Registor)を有し、逐次比較用データRDA(D/A入力データ)を出力する。逐次比較レジスタSARは、比較回路10からの比較結果信号CPQによりそのレジスタ値が設定されるレジスタである。例えば比較回路10が、MSBのビットからLSBのビットに至るまでの逐次比較処理を行った場合に、各ビットにおける比較処理結果(「1」、「0」)が、逐次比較レジスタSARの各レジスタ値として記憶される。
なお制御回路20は、A/D変換回路の各回路ブロックの制御処理も行うこともできる。例えばD/A変換回路DAC1、DAC2に含まれるスイッチ素子(スイッチアレイ)のオン・オフ制御を行う。
D/A変換回路DAC1は、制御回路20からの逐次比較用データRDAのD/A変換を行う。そして逐次比較用データRDAに対応するD/A出力信号DQ(RDAをD/A変換したアナログ信号)を出力する。このD/A変換回路DAC1は、キャパシタアレイを用いた電荷再分配型であってもよいし、その一部又は全部がラダー抵抗型であってもよい。
D/A変換回路DAC2は、コードデータCDAをD/A変換する。そしてコードデータCDAに対応するコード信号SCD(CDAをD/A変換した信号)を出力する。ここでコードデータCDAは時間的に変化するデータ(所定タイミング毎に変化するデジタルデータ)である。具体的には所定のデータ範囲内において、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるデータである。
なおこの場合のデータ範囲は、第1のデジタルデータを上限値とし、第2のデジタルデータを下限値とする範囲である。A/D変換タイミングは例えばデジタルデータをアナログ信号に変換する各A/D変換期間に対応するタイミングである。
S/H(サンプル・ホールド)回路30は、A/D変換の対象となる入力信号VINをサンプル・ホールドする回路である。なお電荷再分配型の場合にはS/H回路30の機能
はD/A変換回路により実現できる。
コードデータ生成部90は、コードデータCDAを生成してD/A変換回路DAC2に出力する。例えば所定データ範囲内において、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるコードデータCDAを出力する。具体的には逐次比較用データの下位ビットデータのデータ範囲内において、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるコードデータCDAを出力する。
そして本実施形態では比較回路10は、入力信号VINのサンプリング信号SIN(VINをサンプル・ホールドした信号)とコード信号SCDの加算信号SADDと、D/A出力信号DQとを比較する処理を行う。具体的には比較回路10は、第1の入力端子に入力される加算信号SADD(加算電圧)と第2の入力端子に入力されるD/A出力信号DQ(D/A変換電圧)を比較する。なお、電荷再分配型の場合等では、比較回路10は、サンプリング信号SINと、D/A出力信号DQとコード信号SCDの加算信号とを比較する処理を行う。例えば信号SINのサンプリング電圧と、信号DQとSCDの加算電圧を比較する。
そして制御回路20は、逐次比較レジスタSARからの逐次比較結果データQDA(最終的なデータ)とコードデータCDAとに基づき求められる出力データDOUTを、入力信号VINのA/D変換データとして出力する。例えば制御回路20は、図1のようにサンプリング信号SINとコード信号SCDの加算信号SADDと、D/A出力信号DQとの比較処理が行われる場合には、逐次比較レジスタSARの逐次比較結果データQDAからコードデータCDAを減算する処理を行う。一方、後述する電荷再分配型のように、サンプリング信号SINと、D/A出力信号DQとコード信号SCDの加算信号との比較処理が行われる場合には、逐次比較結果データQDAにコードデータCDAを加算する処理を行う。
次に本実施形態の動作についてA/D変換のビット数が8ビットである場合を例にとり説明する。
まずS/H回路30が入力信号VINをサンプル・ホールドしてサンプリング信号SINを出力する。またコードデータ生成部90は、所定のデータ範囲内(例えば0000〜1111)の任意のコードデータCDAを出力し、D/A変換回路DAC2がCDAに対応するコード信号SCDを出力する。
制御回路20は、例えばMSBのビットが「1」に設定された逐次比較用データRDA=10000000を出力し、D/A変換回路DAC1がRDAに対応するD/A出力信号DQを出力する。
そして比較回路10は、サンプリング信号SINにコード信号SCDを加算した信号SADDの電圧と、D/A出力信号DQの電圧を比較し、「1」又は「0」の比較結果信号CPQを出力する。例えば信号DQの電圧の方が信号SADDの電圧よりも大きければ「1」を出力し、小さければ「0」を出力する。これにより逐次比較レジスタSARのレジスタ値のMSBのビットには「1」又は「0」が設定される。
次に制御回路20は、MSBの次のビットが「1」に設定された逐次比較用データRDA=11000000又は01000000を出力する。例えばMSBの比較結果が「1」である場合にはRDA=11000000を出力し、「0」である場合にはRDA=01000000を出力する。するとD/A変換回路DAC1はRDAに対応するD/A出力信号DQを出力する。
そして比較回路10は、サンプリング信号SINにコード信号SCDを加算した信号SADDの電圧と、D/A出力信号DQの電圧を比較し、「1」又は「0」の比較結果信号CPQを出力する。これにより逐次比較レジスタSARのレジスタ値のMSBの次のビットには「1」又は「0」が設定される。
以上のような逐次比較動作を、MSBのビットからLSBのビットに至るまで実行することで、最終的な逐次比較結果データQDAが取得される。即ち入力信号VINの電圧とD/A出力信号DQの電圧が等しくなるように逐次比較動作を行うことで、最終的な逐次比較結果データQDAが取得される。そして、取得された逐次比較結果データQDAからコードデータCDAを減算したデータが、入力信号VINをA/D変換したデータDOUTとして出力される。
図2に、本実施形態の第1の比較例のA/D変換回路を示す。この第1の比較例ではコードデータ生成部90や第2のD/A変換回路DAC2は設けられていない。そしてこの第1の比較例では、図3(A)に示すように、例えばDNLの誤差等が原因で特定のコードでミッシングコードが発生する。例えばDNLが1LSBを超えると、出力コードが存在しないコードが発生するというミッシングコードの現象が生じる。
この点、本実施形態によれば、このようなミッシングコードが発生したとしても、時間的に変化するコードデータCDAの信号SCDを、サンプリング信号SINに加算することで、図3(B)に示すようなコードシフトが行われる。なお図3(B)の実線はコードシフト後の特性を表すものであり、破線はコードシフト前の特性を表すものである。
即ち本実施形態では1又は複数回のA/D変換タイミング毎にコードデータCDAを異なった値にすることで、図3(B)に示すように、ミッシングコードが発生するコードの場所が1又は複数回のA/D変換タイミング毎に変化する。例えば00010000のコードでミッシングコードが発生したとしても、その場所が、00010001や00010010や00001111の場所にシフトする。この結果、長い時間範囲で見ると、図3(C)に示すようにDNLやINLが改善され、ミッシングコードの現象が生じない良好な特性を得ることができる。即ち、ある特定のコードで発生していたDNL特性の悪化(ミッシングコード)を、時間的に変化するコードデータCDAにより周囲のコードに拡散させることで、特性の改善を図っている。
以上のように、本実施形態によれば、コードデータCDAを発生して加算するという簡素な処理により、ミッシングコードの発生を防止し、A/D変換回路のDNLやINLの特性を改善することに成功している。
2.詳細な構成例
図4に本実施形態のA/D変換回路の詳細な構成例を示す。図4は、図1のDAC1、DAC2、比較回路10の詳細な構成例を示すものであり、DAC1、DAC2は電荷再分配型のD/A変換回路により構成される。
具体的には第1のD/A変換回路DAC1は、第1のキャパシタアレイ部41と第1のスイッチアレイ部51を含む。また比較ノードNCと第1のノードN1との間に設けられる第1の直列キャパシタCS1を含む。またDAC1は、第2のキャパシタアレイ部42と第2のスイッチアレイ部52を含む。またサンプリング期間において、ノードNC、N1をGND(AGND)に設定するためのスイッチ素子SS1、SS2を含む。
なお、ノードN1に対して第3の直列キャパシタの一端を接続し、この第3の直列キャ
パシタの他端側に、キャパシタアレイ部42、スイッチアレイ部52と同様の構成のキャパシタアレイ部、スイッチアレイ部を設けてもよい。
DAC1の第1のキャパシタアレイ部41は、複数のキャパシタCA1〜CA4を含む。これらのキャパシタCA1〜CA4は、その一端が比較回路10の比較ノードNCに接続される。ここで比較ノードNC(サンプリングノード)は、比較回路10の第1の入力端子(反転入力端子)に接続されるノードであり、比較回路10の第2の入力端子(非反転入力端子)はGNDに設定される。またキャパシタCA1〜CA4はバイナリで重み付けされており、例えばCA1、CA2、CA3、CA4の容量値は、4ビットの場合にはC、2C、4C、8Cになっている。また第1のキャパシタアレイ部41は、ダミーキャパシタCDMも含む。
DAC1の第1のスイッチアレイ部51は、複数のスイッチ素子SA1〜SA4を含む。これらのスイッチ素子SA1〜SA4は、第1のキャパシタアレイ部41のキャパシタCA1〜CA4の他端に接続される。そしてスイッチ素子SA1〜SA4は、逐次比較用データRDAの上位ビットのデータ(例えばRDAが8ビットの場合には上位の4ビットのデータ)に基づきスイッチ制御される。
DAC1の第2のキャパシタアレイ部42は、複数のキャパシタCB1〜CB4を含む。これらのキャパシタCB1〜CB4は、その一端が第1のノードN1に接続される。ここで第1のノードN1は、一端が比較ノードNCに接続される直列キャパシタCS1の他端側のノードである。またキャパシタCB1〜CB4はバイナリで重み付けされており、例えばCB1、CB2、CB3、CB4の容量値は、4ビットの場合にはC、2C、4C、8Cになっている。
DAC1の第2のスイッチアレイ部52は、複数のスイッチ素子SB1〜SB4を含む。これらのスイッチ素子SB1〜SB4は、第2のキャパシタアレイ部42のキャパシタCB1〜CB4の他端に接続される。そしてスイッチ素子SB1〜SB4は、逐次比較用データRDAの下位ビットのデータ(例えばRDAが8ビットの場合には下位の4ビットのデータ)に基づきスイッチ制御される。
第2のD/A変換回路DAC2は、比較ノードNCと第2のノードN2との間に設けられる第2の直列キャパシタCS2を含む。また第3のキャパシタアレイ部43と第3のスイッチアレイ部53を含む。またサンプリング期間において、第2のノードN2をGNDに設定するためのスイッチ素子SS3を含む。
DAC2の第3のキャパシタアレイ部43は、複数のキャパシタCC1〜CC4を含む。これらのキャパシタCC1〜CC4は、その一端が第2のノードN2に接続される。ここで第2のノードN2は、一端が比較ノードNCに接続される直列キャパシタCS2の他端側のノードである。またキャパシタCC1〜CC4はバイナリで重み付けされており、例えばCC1、CC2、CC3、CC4の容量値は、4ビットの場合にはC、2C、4C、8Cになっている。
DAC2の第3のスイッチアレイ部53は、複数のスイッチ素子SC1〜SC4を含む。これらのスイッチ素子SC1〜SC4は、第3のキャパシタアレイ部43のキャパシタCC1〜CC4の他端に接続される。そしてスイッチ素子SC1〜SC4は、コードデータCDAに基づきスイッチ制御される。
即ち図1のコードデータ生成部90は、D/A変換回路DAC2に対してコードデータCDAを出力し、このコードデータCDAに基づいてスイッチ素子SC1〜SC4はスイ
ッチ制御される。例えばコードデータ生成部90は、逐次比較用データRDAの下位ビットデータのデータ範囲内において、1又は複数回のA/D変換タイミング毎に異なった値になるデータを、コードデータCDAとして出力する。
具体的には図4の8ビットのA/D変換の場合には、逐次比較用データRDAの下位の4ビットのデータ範囲内において、コードデータCDAを変化させる。例えば0000〜1111のデータ範囲内(或いは0000〜1111よりも狭いデータ範囲内)においてコードデータCDAをランダムに変化させて、D/A変換回路DAC2のスイッチアレイ部53のスイッチ素子SC1〜SC4をスイッチ制御する。このときD/A変換回路DAC1のスイッチアレイ部52のスイッチ素子SB1〜SB4も、逐次比較用データRDAの下位の4ビットのデータによりスイッチ制御される。このように、コードデータCDAを変化させる範囲を、DAC1のスイッチ素子SB1〜SB4をスイッチ制御する逐次比較用データRDAのデータ範囲内に設定することで、ミッシングコードの発生を効果的に防止できる。
なお、D/A変換回路DAC1の最小分解能(LSBに相当する電圧、量子化電圧)をRS1とし、D/A変換回路DAC2の最小分解能をRS2としたとする。この場合に図4ではRS2=RS1になっている。具体的には例えば直列キャパシタCS1とCS2の容量値は同一(ほぼ同一)になっており、DAC1のLSBに相当するキャパシタCB1の容量値と、DAC2のLSBに相当するキャパシタCC1の容量値も同一(ほぼ同一)になっている。即ちDAC2は、DAC1の最小分解能RS1(LSB)未満のノイズ電圧ではなく、ノイズ電圧よりも大きなコード電圧を出力している。このようにすることで図3(B)に示すようなコードシフトを実現できる。なおRS2=RS1には限定されず、RS2≧RS1であってもよい。
次に、図5を用いて本実施形態の動作について詳細に説明する。図5に示すように、入力信号VINのサンプリング期間では、メインのD/A変換回路DAC1のスイッチ素子SS1、SS2がオンになり、ノードNC、N1がGNDに設定される。またD/A変換回路DAC1のスイッチ素子SA1〜SA4、SB1〜SB4を介して、キャパシタCA1〜CA4、CB1〜CB4の他端がVINの電圧レベルに設定される。
これにより入力信号VINのサンプリングが行われる。そしてスイッチ素子SA1〜SA4、SB1〜SB4がオフすると、そのタイミングでの入力信号VINの電圧がホールドされる。なおサンプリング期間では、ダミーキャパシタ用のスイッチ素子SDMを介して、ダミーキャパシタCDMの他端がVINの電圧レベルに設定される。
またサンプリング期間では、コードシフト用のD/A変換回路DAC2のスイッチ素子SS3がオンになり、ノードN2がGNDに設定される。またスイッチ素子SC1〜SC4を介して、キャパシタCC1〜CC4の他端がGNDに設定される。これによりキャパシタCC1〜CC4の両端がGNDに設定され、電荷が蓄積されない状態になる。
次に、A/D変換の逐次比較期間になると、メインのD/A変換回路DAC1のスイッチ素子SS1、SS2がオフになる。またダミーキャパシタ用のスイッチ素子SDMの他端はGNDに設定される。
そして、逐次比較用データRDAの各ビットに基づいて、DAC1のスイッチ素子SA1〜SA4、SB1〜SB4がスイッチ制御され、キャパシタCA1〜CA4、CB1〜CB4の他端はVREF又はGNDに設定される。
例えば逐次比較用データがRDA=10000000である場合には、RDAのMSB
に対応するキャパシタCA4の他端は基準電圧VREFに設定される。また、他のキャパシタCA3〜CA1、CB4〜CB1の他端はGNDに設定される。
また逐次比較用データがRDA=10001000である場合には、キャパシタCA4とCB4の他端はVREFに設定される。また、他のキャパシタCA3〜CA1、CB3〜CB1の他端はGNDに設定される。
またA/D変換の逐次比較期間になると、コードシフト用のD/A変換回路DAC2のスイッチ素子SS3がオフになる。そして、コードデータCDAの各ビットに基づいて、DAC2のスイッチ素子SC1〜SC4がスイッチ制御され、キャパシタCC1〜CC4の他端はVREF又はGNDに設定される。
例えばコードデータがCDA=1000である場合には、キャパシタCC4の他端はVREFに設定され、他のキャパシタCC3〜CC1の他端はGNDに設定される。またコードデータがCDA=1100である場合には、キャパシタCC4、CC3の他端はVREFに設定され、他のキャパシタCC2、CC1の他端はGNDに設定される。
この場合にコードデータCDAは、図5に示す1回のA/D変換タイミング毎に変化する。即ちサンプリング期間及び逐次比較期間により構成される1回のA/D変換期間毎にコードデータCDAは変化する。なお複数回のA/D変換タイミング毎にコードデータCDAを変化させてもよい。
図4の電荷再分配型のA/D変換回路においては、VINのサンプリング信号(サンプリング電圧)と、D/A出力信号とコード信号(コード電圧)の加算信号(加算電圧)との比較処理が行われる。この場合には図1の制御回路20は、逐次比較レジスタSARの逐次比較結果データQDAにコードデータCDAを加算する処理を行うことになる。
具体的にはサンプリング期間においては、入力信号VINに応じた電荷がキャパシタCA1〜CA4、CB1〜CB4に蓄積される。そして、このVINに応じて蓄積された電荷と、逐次比較期間において逐次比較用データRDA及びコードデータCDAに応じてキャパシタCA1〜CA4、CB1〜CB4、CC1〜CC4に蓄積された電荷とが比較される。そして、両者の電荷が一致した時の逐次比較用データRDAが、逐次比較結果データQDAとして逐次比較レジスタSARから出力される。そして、この逐次比較結果データQDAにコードデータCDAを加算したデータが、入力信号VINをA/D変換したデータDOUTとして出力されることになる。このようにすることで、図3(B)に示すようなコードデータCDAによるコードシフトを実現しながら、適正なA/D変換データを出力できるようになる。
図6に本実施形態の第2の比較例のA/D変換回路を示す。この第2の比較例は、図2の第1の比較例を電荷再分配型で実現した例であり、D/A変換回路DAC(及びS/H回路330)は、キャパシタアレイ部321、スイッチアレイ部331、スイッチ素子SSにより実現される。
A/D変換回路の変換精度を決める大きな要因となるのは、DACの変換精度である。図6の第2の比較例において、DACの分解能をnビットとすると、キャパシタアレイ部321は、バイナリに重み付けされたn個のキャパシタCA1〜CAnと、1個のダミーキャパシタCDMにより構成される。そしてサンプリング期間では、キャパシタCA1〜CAnの他端は入力信号VINに接続され、比較ノードNCはGNDに設定される。
そして逐次比較期間において、最上位ビットであるMSBから順次、逐次比較処理が行
われる。具体的には、キャパシタCA1〜CAnの他端を、スイッチアレイ部331のスイッチ素子SA1〜SAnを用いて、D/A変換回路の入力値に応じて、基準電圧VREFもしくはGNDに接続されるかを切り替える。これより比較回路310の反転入力端子の比較ノードNCの電圧は、DACの出力値からVINのサンプリング電圧を引いた電圧になる。
しかしながら、図6の第2の比較例では、A/D変換回路の分解能を例えば12ビットにするために、DACの分解能を12ビットにすると、合計で212×Cの容量値が必要になってしまう。このため、回路が大規模化すると共に、キャパシタを充電するために大きな電流が必要になってしまう。A/D変換回路の分解能を高くするほど、この傾向は強くなるため、図6の第2の比較例には高ビット化に限界があるという問題がある。
図7にA/D変換の第3の比較例を示す。この第3の比較例は、上述の第2の比較例の問題を解決するために、直列キャパシタCSを設け、バイナリに重み付けされたキャパシタを複数段にする構成にしている。即ち、一端が比較ノードNCに接続され、他端がノードN1に接続される直列キャパシタCSを設ける。また比較ノードNCに接続されるキャパシタアレイ部341及びそのスイッチ制御を行うスイッチアレイ部351と、ノードN1に接続されるキャパシタアレイ部342及びそのスイッチ制御を行うスイッチアレイ部352を設ける。
図7の第3の比較例の構成によれば、例えばキャパシタアレイ部341のキャパシタCA1の容量値と、キャパシタアレイ部342のキャパシタCB1の容量値を同じにできる。従って8ビットの場合を例にとると、図6の第2の比較例では2×Cの容量値が必要になるが、図7の第3の比較例では2×Cの容量値で済む。このため、回路の小面積化を図れると共にキャパシタの充電電流も小さくできる。
ところが、図7の第3の比較例では、ノードN1に寄生する容量がDACのDNL(Differential Non Linearity)やINL(Integral Non Linearity)を劣化させるという問題が生じる。これは、バイナリごとに重み付けされた容量比が、寄生容量によって狂うことが原因である。この悪影響は、図7の8ビットの場合を例にとると、LSBから5ビット目が変化するコード付近で顕著に生じる。具体的には00001111と00010000(MSBが先頭)の変わり目で生じ、図3(A)に示すようなミッシングコードの問題が発生する。
このような問題を解決する手法として、直列キャパシタCSの容量値をトリミングして、特性を微調整する手法も考えられる。しかしながら、トリミングだけでは、トリミングできる容量単位や範囲に限界がある。また製造工程にトリミング工程が必要になり、高コスト化等を招く。またA/D変換データをデジタル補正するデジタル補償処理などを行って、高精度化を図る手法も考えられるが、処理が繁雑化すると共に余分な処理が必要になってしまうという問題がある。
次に、図8を用いて、ノードNC、N1に寄生容量CP1、CP2が付加された場合のSAR型ADCの理論式について説明する。寄生容量CP1、CP2を含まない理論式は、CP1、CP2を0にすれば導出できる。なお、キャパシタCA1及びCB1、CA2及びCB2、CA3及びCB3、CA4及びCB4の容量値を、各々、C、2C、4C、8Cとする。また直列キャパシタCSの容量値をCとする。またダミーキャパシタCDMは、サンプリング時に充電される電荷量を調整する目的(フルスケール調整)で用いられるものであるが、ここでは説明の簡素化のためにダミーキャパシタCDMの容量値は無視する。
図8はサンプリング期間でのスイッチ素子の状態を示している。このサンプリング期間においてノードNCに充電される電荷量Q1は下式(1)のように表される。
またサンプリング期間においてノードN1に充電される電荷量Q2は下式(2)のように表される。
なお直列キャパシタCS及び寄生容量CP1、CP2は、両端の電圧がGND(接地電位)であるため、電荷は充電されない。
次に、逐次比較期間でのノードNCの電圧V1とノードN1の電圧V2を求める。例えば図8において、スイッチ素子SB1〜SB4は、逐次比較用データRDAの下位の4ビットD0〜D3によりスイッチ制御され、スイッチ素子SA1〜SA4は、RDAの上位の4ビットD4〜D7によりスイッチ制御される。具体的には、ビットDi=1(0≦i≦7)の場合にはVINに接続され、ビットDi=0の場合にはGNDに接続される。この場合に、逐次比較期間においてノードNC、N1に蓄積される電荷量Q1、Q2は下式(3)、(4)のように表される。
そして電荷保存の法則により、式(1)と式(3)の電荷量Q1は等しく、式(2)と式(4)の電荷量Q2は等しい。また、逐次比較用データRDAの全てのビットD0〜D7についての比較動作が完了したときには、比較回路310の反転入力端子のノードNCの電圧は、非反転入力端子のGNDと等しくなるため、下式(5)が成立する。
従って、式(1)〜(5)の連立方程式をVINについて解くと、下式(6)が導かれる。
式(6)から明らかなように、VINのA/D変換結果には、ノードNCの寄生容量CP1の影響はなく、ノードN2の寄生容量CP2だけが特性に悪影響を与える。従って、寄生容量CP2の悪影響を低減するために直列キャパシタCSのトリミングが必要になる。また式(6)から、寄生容量CP2の悪影響はD4以上のビットに対応するスイッチ素子の接続が変化するときに現れ、これにより図3(A)に示すようなミッシングコードが発生することが理解される。
なお、図9(A)、図9(B)はDNL、INLの説明図である。図9(A)に示すDNLは、理想的なコード幅と測定されたコード幅の差分である。例えば図9(A)では、DNLの特性の悪化により、010のコードの幅が狭くなり、011のコードの幅が広くなっている。そして010のコードの幅が更に狭くなって消失すると、010のコードは図3(A)のようなミッシングコードになる。
また図9(B)のINLは、ゲイン誤差とオフセット誤差を除去した後の、実際のコード遷移点(破線)と、それに対応する理想的な遷移点(実線)の最大偏差である。正のINLは、遷移が理想よりも遅れていることを示し、負のINLは、遷移が理想よりも早いことを示している。
図10(A)、図10(B)にDNLのシミュレーション結果例を示す。ここでは、後述する全差動型のA/D変換回路を用い、メインのDAC1が14ビットであり、コードシフト用のDAC2が4ビットの場合を例にとり説明する。図4では、メインのDAC1は、4ビット+4ビットの2段の直列構成になっているが、14ビットのメインのDAC1の場合には、6ビット+4ビット+4ビットの3段構成になる。
図10(A)は本実施形態のコードシフト手法を採用しなかった場合のDNLのシミュレーション結果例である。図10(A)では、DNLが1LSB以上になるミッシングコードが発生している。
図10(B)は本実施形態のコードシフト手法を採用した場合のDNLのシミュレーション結果例である。図10(B)では、DNLが1LSB未満になっており、ミッシングコードの発生が防止されている。
以上のように本実施形態によれば、図7の第3の比較例に対して、図4に示すようにコードシフト用のDAC2を追加し、DAC2によりコードデータの信号を加算することで
、コードシフトを実現している。
即ち図7の第3の比較例では、ノードN1の寄生容量CP2が原因で、図3(A)や図10(A)に示すようなミッシングコードが発生している。これに対して本実施形態では、時間的に変化するコードデータの信号をDAC2により加算することで、特定のコードで発生していたDNLの悪化(ミッシングコード)を周囲のコードに時間的に拡散させる。例えばミッシングコードが00010000というようにMLSBから4ビット目で発生する場合に、0000〜1111のデータ範囲で変化するランダムなコードデータの信号を加算する。こうすることで、図3(B)や図10(B)に示すように、DNLを1LSB未満に抑えて、ミッシングコードの発生を防止できる。従って、回路規模を小さくするために直列キャパシタCS1を設けた場合にも、ノードN1の寄生容量を原因とするミッシングコードの発生を防止できる。この結果、回路規模の縮小化と、A/D変換の特性の劣化防止とを両立することが可能になる。
3.全差動型
図11に本実施形態のコードシフト手法を適用した全差動型のA/D変換回路の構成例を示す。図11のA/D変換回路は、比較回路10と、比較回路10の非反転入力端子に接続されるメインのD/A変換回路DAC1Pと、反転入力端子に接続されるメインのD/A変換回路DAC1Nを含む。また、比較回路10の非反転入力端子に接続されるコードシフト用のD/A変換回路DAC2Pと、反転入力端子に接続されるコードシフト用のD/A変換回路DAC2Nを含む。
非反転側(正側)のメインのDAC1P及び反転側(負側)のメインのDAC1Nの構成は、図4のメインのDAC1と同様に、キャパシタアレイ部とスイッチアレイ部を含む。そしてDAC1Pには、差動信号を構成する非反転側(正側)の入力信号PINが入力され、DAC1Nには、差動信号を構成する反転側(負側)の入力信号NINが入力される。
そしてサンプリング期間では、DAC1PのノードNCP、N1Pは、スイッチ素子SS1P、SS2Pによりコモン電圧(中間電圧)VCMに設定される。またDAC1NのノードNCN、N1Nは、スイッチ素子SS1N、SS2Nによりコモン電圧VCMに設定される。
またサンプリング期間では、DAC1Pのスイッチ素子SA1P〜SA4P、SB1P〜SB4Pの一端は、差動信号の非反転側の信号PINに接続され、DAC1Nのスイッチ素子SA1N〜SA4N、SB1N〜SB4Nの一端は、差動信号の反転側の信号NINに接続される。
一方、逐次比較期間では、DAC1Pのスイッチ素子SA1P〜SA4P、SB1P〜SB4Pの一端は、逐次比較用データの対応するビットが「1」である場合にはVREFに接続され、「0」である場合にはGNDに接続される。
これに対して、DAC1Nのスイッチ素子SA1N〜SA4N、SB1N〜SB4Nの一端は、逐次比較用データの対応するビットが「1」である場合にはGNDに接続され、「0」である場合にはVREFに接続される。
非反転側のコードシフト用のDAC2P及び反転側のコードシフト用のDAC2Nは、図4のコードシフト用のDAC2と同様に、キャパシタアレイ部とスイッチアレイ部を含む。
そしてサンプリング期間では、DAC2PのノードN2Pは、スイッチ素子SS3PによりVCMに設定される。またDAC2NのノードN2Nは、スイッチ素子SS3NによりVCMに設定される。またDAC2Pのスイッチ素子SC1P〜SC4P及びDAC2Nのスイッチ素子SC1N〜SC4Nの一端はVCMに接続される。
一方、逐次比較期間では、DAC2Pのスイッチ素子SC1P〜SC4Pの一端は、コードデータの対応するビットが「1」である場合にはVREFに接続され、「0」である場合にはGNDに接続される。これに対して、DAC2Nのスイッチ素子SC1N〜SC4Nの一端は、コードデータの対応するビットが「1」である場合にはGNDに接続され、「0」である場合にはVREFに接続される。
図11の構成によっても、コードシフト手法により、A/D変換回路のDNLやINLを改善し、ミッシングコード等の発生を防止できる。また全差動型でA/D変換回路を構成することで、振幅を大きく取ることができ、S/N比を向上できると共に、コモンモードノイズの影響を低減できる。
4.電子機器
図12に本実施形態のA/D変換回路を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、センサー510、検出回路520、A/D変換回路530、処理部540を含む。なおこれらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えば検出回路520、A/D変換回路530、処理部540は集積回路装置により実現できる。
図12の電子機器としては、例えば生体計測機器(脈拍計、歩数計等)、携帯型情報端末、映像機器(デジタルカメラ、ビデオカメラ)、時計などの種々の機器を想定できる。
センサー510は、ジャイロセンサー、加速度センサー、フォトセンサー、圧力センサー等であって、電子機器の用途に応じた様々なセンサーが用いられる。検出回路520はセンサー510から出力されるセンサー信号を増幅して、所望信号を抽出する。またA/D変換回路530は検出回路520からの検出信号(所望信号)をデジタルデータに変換して、処理部540へ出力する。
処理部540は、A/D変換回路530からのデジタルデータに対して必要なデジタル信号処理を実行する。また処理部540は、検出回路520のゲイン制御等を行ってもよい。ここで処理部540で行われるデジタル信号処理としては、センサー信号から適正な所望信号を抽出するための高速フーリエ変換等の種々の処理を想定できる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。またA/D変換回路、電子機器の構成・動作や、A/D変換手法、コード生成手法、コードシフト手法等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば図4ではメインのDAC1が2段構成である場合の例を示したが、3段以上の構成であってもよい。
DAC1 第1のD/A変換回路、DAC2 第2のD/A変換回路、
SAR 逐次比較レジスタ、
CA1〜CA4、CB1〜CB4、CC1〜CC4 キャパシタ、
SA1〜SA4、SB1〜SB4、SC1〜SC4、SS1〜SS3 スイッチ素子、
CS1 第1の直列キャパシタ、CS2 第2の直列キャパシタ、
10 比較回路、20 制御回路、30 S/H回路、
41 第1のキャパシタアレイ部、42 第2のキャパシタアレイ部、
43 第3のキャパシタアレイ部、
51 第1のスイッチアレイ部、52 第2のスイッチアレイ部、
53 第3のスイッチアレイ部、90 コードデータ生成部、
310 比較回路、320 制御回路、330 S/H回路

Claims (6)

  1. 比較回路と、
    前記比較回路からの比較結果信号によりレジスタ値が設定される逐次比較レジスタを有し、逐次比較用データを出力する制御回路と、
    前記制御回路からの前記逐次比較用データをD/A変換して、前記逐次比較用データに対応するD/A出力信号を出力する第1のD/A変換回路と、
    時間的に変化するコードデータをD/A変換して、前記コードデータに対応するコード信号を出力する第2のD/A変換回路を含み、
    前記第1のD/A変換回路の最小分解能をRS1、前記第2のD/A変換回路の最小分解能をRS2とした場合に、RS2≧RS1であり、
    前記比較回路は、
    入力信号のサンプリング信号と、前記D/A出力信号および前記コード信号の加算信号とを比較する処理を行い、
    前記制御回路は、
    前記逐次比較レジスタの逐次比較結果データと前記コードデータとに基づき求められる出力データを、前記入力信号のA/D変換データとして出力することを特徴とするA/D変換回路。
  2. 請求項1において、
    前記サンプリング信号と、前記D/A出力信号および前記コード信号の加算信号とを比較する処理を行う場合に、
    前記制御回路は、前前記逐次比較結果データから前記コードデータを加算して前記入力信号のA/D変換データとして出力することを特徴とするA/D変換回路。
  3. 請求項1または2において、
    前記コードデータを生成して、前記第2のD/A変換回路に対して出力するコードデータ生成部を含み、
    前記コードデータ生成部は、
    所定のデータ範囲内において、A/D変換のタイミング毎に異なった値になるデータを
    、前記コードデータとして出力することを特徴とするA/D変換回路。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項において、
    前記第1のD/A変換回路及び前記第2のD/A変換回路は、電荷再分配型のD/A変換回路であることを特徴とするA/D変換回路。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のA/D変換回路を含むことを特徴とする電子機器。
  6. 比較回路と逐次比較レジスタと第1のD/A変換回路と第2のD/A変換回路とを有する逐次比較型のA/D変換回路におけるA/D変換方法であって、
    前記第1のD/A変換回路の最小分解能をRS1、前記第2のD/A変換回路の最小分解能をRS2とした場合に、RS2≧RS1であり、
    前記逐次比較レジスタに格納された逐次比較用データをD/A変換して、前記逐次比較用データに対応するD/A出力信号を前記第1のD/A変換回路で生成し、
    時間的に変化するコードデータをD/A変換して、前記コードデータに対応するコード信号を前記第2のD/A変換回路で生成し、
    入力信号のサンプリング信号と、前記第1のD/A変換回路からのD/A出力信号および前記コード信号の加算信号とを比較する処理を前記比較回路で行い、逐次比較結果データとして前記逐次比較レジスタに格納し、
    前記逐次比較結果データと前記コードデータとに基づき求められる出力データを、前記入力信号のA/D変換データとして出力することを特徴とするA/D変換方法。
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