JP6880829B2 - 加飾成形品、加飾成形品の製造方法及び転写シート - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、基体シート上に全面的にマット剤を含有する離型層と、部分的に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するマスク層と、転写層として剥離層と図柄層とが形成された部分マット転写シートを、転写層側を被転写物表面に密着させ、部分マット転写シートの基体シート側から熱と圧力とを加えて転写層を被転写物表面に接着させた後に基体シートと離型層とマスク層とを剥離することにより得られる部分マット転写成形品が開示されている。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
[1]樹脂成形体上に、凹凸を有する保護層を備え、前記保護層の凹凸において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa1が下記の条件(1)を満たし、前記保護層の前記凹凸表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax1)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray1)が、下記の条件(2)を満たす、加飾成形品。
θa1>1.0度 (1)
0.45≦(Rax1−Ray1)/Ray1 (2)
[2]前記保護層が、前記凹凸を有する領域(P)と、前記領域(P)に隣接する領域(Q)とを有し、前記領域(P)の平均傾斜角θa1と、前記保護層の前記領域(Q)の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa2とが、下記の条件(3)を満たす、上記[1]に記載の加飾成形品。
0.50度≦θa1−θa2 (3)
[3]前記保護層の前記領域(Q)の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax2)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray2)が、下記の条件(4)を満たす、上記[2]に記載の加飾成形品。
0.90≦(Rax2−Ray2)/Ray2 (4)
[4]前記(Rax1−Ray1)/Ray1と前記(Rax2−Ray2)/Ray2との比〔(Rax1−Ray1)/Ray1〕/〔(Rax2−Ray2)/Ray2〕が0.56以下である、上記[3]に記載の加飾成形品。
[5]領域(P’)と、前記領域(P’)に隣接する領域(Q’)とを有する基材と、前記基材の領域(P’)上に設けられた凹凸形状を有する凹凸層と、前記凹凸層の前記凹凸形状の上に形成された第一離型層と、前記基材の領域(Q’)上に設けられた第二離型層と、前記第一離型層と、前記第二離型層の上に形成された保護層とを有し、前記第一離型層において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa11が下記の条件(1)’を満たし、前記第一離型層表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax11)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray11)が、下記の条件(2)’を満たす、転写シート。
θa11>1.0度 (1)’
0.45≦(Rax11−Ray11)/Ray11 (2)’
[6]前記第一離型層における平均傾斜角θa11と、前記第二離型層の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa22とが、下記の条件(3)’を満たす、上記[5]に記載の転写シート。
0.50度≦θa11−θa22 (3)’
[7]前記第二離型層の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax22)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray22)が、下記の条件(4)’を満たす、上記[6]に記載の転写シート。
0.90≦(Rax22−Ray22)/Ray22 (4)’
[8]前記(Rax11−Ray11)/Ray11と前記(Rax22−Ray22)/Ray22との比〔(Rax11−Ray11)/Ray11〕/〔(Rax22−Ray22)/Ray22〕が0.56以下である、上記[7]に記載の転写シート。
[9]
上記[5]乃至[8]のいずれか一項に記載の転写シートの保護層を被転写体に転写する工程と、前記転写シートの基材、凹凸層、第一離型層、及び第二離形層を剥離する工程と、
を有する、加飾成形品の製造方法。
本発明の加飾成形品は、樹脂成形体上に、凹凸を有する保護層を備え、保護層の凹凸において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa1が特定の条件を満たし、且つカットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax1)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray1)が特定の条件を満たすことを特徴する。
また、図2に示すように、本発明の加飾成形品20は、樹脂成形体11と保護層12との間に、アンカー層13、印刷層14、接着層15が設けられていてもよい。
なお、領域(P)及び領域(Q)の位置は特に限定されず、図2に示すように領域(Q)の間または領域(Q)の内部に領域(P)が配置されていてもよいし、図3に示すように、領域(P)の間または領域(P)の内部に領域(Q)が配置されていてもよい。
以下、本発明の加飾成形品を構成する各層について具体的に説明する。
本発明の加飾成形品に用いる保護層は、凹凸を有し、該凹凸において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa1が下記の条件(1)を満たす。
θa1>1.0度 (1)
θa=tan−1{(h1+h2+h3+・・・+hn)/L} …(1)
なお、nの数は1500である。すなわち、「h1+h2+h3+・・・+hn」は、基準長さを1500分割した各区間の凸部高さの和に相当する。
本発明において、θaは、例えば、表面粗さ測定器:SE−3400/(株)小坂研究所製等により測定して求めることができる。
なお、後述のRa及びRskの値についても同様に、上記測定器を用いて測定し、求めることができる。
上記θa1の上限値は特に限定されないが、防眩性が強すぎてコントラストの低下を抑制できないおそれや、マット感が強すぎて正反射が過度に低下し照りがなく、高級感が得られないおそれがあるので、好ましくは3.00度以下、より好ましくは2.50度以下、更に好ましくは2.00度以下である。
0.45≦(Rax1−Ray1)/Ray1 (2)
なお、「ギラツキ」とは、表面の凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象のことをいう。
また、(Rax1−Ray1)/Ray1の上限値は、好ましくは0.90未満、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.70以下である。高周波成分を適度に有することで、写りこみ画像の周縁画線が鮮明に視認されなくなるとともに、過度の低周波成分がなくなることで、コントラストと照りの確保が可能になるからである。
なお、本明細書において「AA〜BB」とは、「AA以上BB以下」のことをいう。以下、同様である。
0.50度≦θa1−θa2 (3)
θa1−θa2は、より好ましくは0.70度以上、更に好ましくは0.90度以上である。
θa1は、好ましくは1.5〜2.0、より好ましくは1.6〜1.8である。また、θa2は、好ましくは0.5〜1.2、より好ましくは0.6〜1.0である。
0.90≦(Rax2−Ray2)/Ray2 (4)
(Rax2−Ray2)/Ray2は、より好ましくは1.20以上、更に好ましくは1.50以上である。
また、(Rax2−Ray2)/Ray2の上限値は特に限定されないが、適度な高周波成分と低周波成分とを有する観点から、領域(Q)表面は、好ましくは2.50以下、より好ましくは2.00以下である。
なお、領域(P)よりも領域(Q)をマットにして、上記(Rax1−Ray1)/Ray1及び(Rax2−Ray2)/Ray2の比〔(Rax2−Ray2)/Ray2〕/〔(Rax1−Ray1)/Ray1〕を3.0以下としてもよい。
なお、領域(P)よりも領域(Q)をマットにして、{(Rax1−Ray1)/Ray1}−{(Rax2−Ray2)/Ray2}<−0.30としてもよい。
Rskx1<0 (5)
粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、その抜取部分の平均線の方向にX軸を、高さ方向にZ軸を取り、粗さ曲線をz=Z(x)で表す。そのとき、スキューネス(Rsk)は、Z(x)の三乗の平均値として定義される。すなわち、x=0〜lrまでの範囲を測定したときには、下記式(i)で示すように、Z(x)の三乗をx=0〜lrまで積分して得た値をRqの三乗で除算した値としてスキューネス(Rsk)を得ることができる。なお、Rqは粗さ曲線の二乗平均の平方根で表される高さである。
保護層の領域(P)上の凹凸表面が、Rskx1<0を満たすことにより、保護層の領域(P)上の凹凸表面は、凸部が支配する凹凸形状となり、耐擦傷性及び触感を良好にすることができる。また、Rskx1<0でありながら、上述の平均傾斜角θa1が3.00度以下である条件を満たすことが好ましい。該条件を満たすことは、凸部の頂上近傍に高周波成分の凹凸が少ないことを意味する。このように、凸部の頂上近傍に高周波成分の凹凸が少ないことにより、ギラツキを抑制することができる。
なお、第一離型層を形成する材料としては、保護層との接着力が低く、積層体から保護層を容易に剥離し得る材料であれば特に限定されず用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、上記のポリマーと無機粒子の合計に対して、0.5〜10質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは3〜8質量%であり、該ポリマーおよび無機粒子は固形分を基準としたものである。
樹脂成形体としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、公知の様々な樹脂を用いることができる。
本発明の加飾成形品をインモールド成形により製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
アンカー層は、インモールド成形等の高温環境に置かれる場合において、耐熱性を向上させるために設けられる層であり、硬化性樹脂を用いて形成される。硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の電離放射線硬化性官能基を有するポリマーを用いることができる。例えば、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびポリエーテル(メタ)アクリレートを挙げることができ、特にウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、アクリルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、ポリエステルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、およびアクリル酸をメラミンで硬化させた樹脂が挙げられる。
印刷層は、加飾成形品に所望の意匠性を付与するための層であり、所望により設けられる層である。印刷層の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる絵柄を挙げることができる。また、印刷層は、上記絵柄を表現する柄パターン層及び全面ベタ層を単独で又は組み合わせて設けることができ、全面ベタ層は、通常、隠蔽層、着色層、着色隠蔽層などとして用いられる。
印刷層の厚みは、意匠性の観点から0.5〜40μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
接着層は、樹脂成形体と保護層等他の層とを密着させるために形成される層である。この接着層には、樹脂成形体の素材に適した感熱性又は感圧性の樹脂を適宜使用する。例えば、樹脂成形体の材質がアクリル系樹脂の場合は、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、樹脂成形体の材質がポリフェニレンオキサイド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用することが好ましい。さらに、樹脂成形体の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂を使用することが好ましい。
上記の樹脂には、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。
接着層の厚みは、通常0.1〜5μm程度が好ましい。
また、本発明の加飾成形品の領域(P)または領域(Q)におけるヘイズは、意匠によって調整すればよいが、ディスプレイなどの表示部は好ましくは40%以下、より好ましくは1.0〜40%、更に好ましくは1.0〜30%である。上記ヘイズは、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に準拠した方法により測定することができる。
本発明の加飾成形品の製造方法は、上述の転写シートの保護層を被転写体(樹脂成形体)に転写する工程と、上記転写シートの離型シート(基材、凹凸層、第一離型層、及び第二離形層)を剥離する工程と、を有する。
加飾成形品の製造方法には、公知の転写法を用いることができる。例えば、(i)予め成形された被転写体(樹脂成形体)に転写シートを貼着し、該転写シートの転写層を転写した後、該転写シートの離型シートを剥離する方法、(ii)平板状の被転写体(樹脂成形体)に転写シートを貼着し、該転写シートの転写層を転写した後、該転写シートの離型シートを剥離し、その後、樹脂成形体に転写層が積層された積層体に曲加工を行う方法、(iii)被転写体(樹脂成形体)を射出成形する際に転写シートと一体化させ、その後、転写シートの離型シートを剥離する方法〔インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)〕等が挙げられる。中でも、インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)によれば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体に加飾成形することができる。
(a)上記の転写シートの転写層側をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程と、
(b)上記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程と、
(c)上記転写シートと、上記樹脂とを一体化させて、樹脂成形体(被転写体)の表面上に上記転写シートの転写層を転写する工程と、
(d)樹脂成形体(被転写体)を金型から取り出した後、上記転写シートの離型シートを剥離する工程と、を有するものが挙げられる。
このような製造工程により加飾成形品を製造することで、樹脂成形体の表面に複雑な意匠を表現することができる。
本発明の転写シートは、領域(P’)と、該領域(P’)に隣接する領域(Q’)とを有する基材と、該基材の領域(P’)上に設けられた凹凸形状を有する凹凸層と、該凹凸層の凹凸形状の上に形成された第一離型層と、基材の領域(Q’)上に設けられた第二離型層と、第一離型層と、第二離型層の上に形成された保護層とを有し、
第一離型層において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa11が特定の条件を満たし、且つカットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax11)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray11)が特定の条件を満たすことを特徴する。
なお、領域(P’)及び領域(Q’)の位置は特に限定されず、図5に示すように領域(Q’)の間または領域(Q’)の内部に領域(P’)が配置されていてもよいし、図6に示すように、領域(P’)の間または領域(P’)の内部に領域(Q’)が配置されていてもよい。
以下、本発明の転写シートを構成する各層について具体的に説明する。
本発明の転写シートに用いられる基材は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド系樹脂などによるものが利用される。これらのうち、利用条件により基材を選定する。例えば、耐熱性重視の観点からはポリエチレンテレフタレート等が、湾曲形状等の被転写物表面形状追随性重視の観点からはナイロン等を用いることができる。
また、基材の表面には、凹凸層等との接着性を高めるために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理や、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
凹凸層は、凹凸形状を有する層であり、基材の領域(P’)上に形成される。
凹凸層は、フィラーとバインダー樹脂を主体とする樹脂組成物を用いて凹凸形状を形成する方法や、フィラーを含まず樹脂等のみを含んだ樹脂組成物を用いて相分離により凹凸形状を形成する方法や、フィラーを含まず樹脂等のみを含んだ樹脂組成物を型に転写させて凹凸形状を形成する方法等により形成することができる。本発明では、凹凸層は、フィラーとバインダー樹脂を主体とする樹脂組成物から形成されてなるものが好ましい。該樹脂組成物を用いることで、凹凸層の保護層と接する表面を凹凸形状にすることができる。バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂が挙げられ、皮膜強度の観点から硬化性樹脂が好ましい。
上記光重合開始剤は、前記反応性二重結合を有する化合物100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で添加される。また、光重合開始剤は1種に限らず、2種以上を併用してもよい。
第一離型層は、基材及び凹凸層から転写層を容易に剥離すると共に、加飾成形品のコントラストを向上させるために設けられる層であり、上述の領域(P’)の上に形成される。したがって、第一離型層の表面形状は、凹凸層の凹凸形状に追随した形状、即ち、凹凸形状となる。
本発明では、第一離型層の凹凸形状において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa11が下記の条件(1)’を満たす。
θa11>1.0度 (1)’
上記θa11の上限値は特に限定されないが、好ましくは3.00度以下、より好ましくは2.50度以下、更に好ましくは2.00度以下である。
0.45≦(Rax11−Ray11)/Ray11 (2)’
なお、高周波成分の凹凸は剥離を重くする傾向にある。このため、上記条件(2)’を満たすことにより、保護層からその他の層(基材、凹凸層等)を剥離しやすくできる。
また、(Rax11−Ray11)/Ray11の上限値は、好ましくは0.90未満、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.70以下である。
0<Rskx1 (5)’
なお、凹凸層の厚みT1及び第一離型層の厚みT2は、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kv〜30kVとすることが好ましい。STEMの倍率は、測定膜厚がミクロンオーダーの場合は1000〜7000倍とすることが好ましく、測定膜厚がナノオーダーの場合は5万〜30万倍とすることが好ましい。
本発明では、特に、エステル基含有硬化性樹脂を用いて形成することが好ましい。エステル基含有硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、側鎖にエステル基を有する電離放射線硬化性樹脂であればよく、側鎖にエステル基を有するアクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびポリエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、側鎖にエステル基および水酸基を有するポリマーとイソシアネートとを反応してなる樹脂であればよく、例えば、側鎖にエステル基および水酸基を有するアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、並びにフェノール樹脂とイソシアネートとを反応してなる樹脂を用いることでき、特にアクリルポリオールとイソシアネートとを反応してなる樹脂を用いることが好ましい。
第二離型層は、基材及び緩和層から転写層を容易に剥離するために設けられる層であり、基材の領域(Q’)上に設けられる。
本発明では、第一離型層における平均傾斜角θa11と、第二離型層の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa22とが、下記の条件(3)’を満たすことが好ましい。
0.50度≦θa11−θa22 (3)’
θa11−θa22は、より好ましくは0.70度以上、更に好ましくは0.90度以上である。
θa11は、好ましくは1.5〜2.0、より好ましくは1.6〜1.8である。また、θa22は、好ましくは0.5〜1.2、より好ましくは0.6〜1.0である。
0.90≦(Rax22−Ray22)/Ray22 (4)’
(Rax22−Ray22)/Ray22は、より好ましくは1.20以上、更に好ましくは1.50以上である。
また、(Rax22−Ray22)/Ray22の上限値は特に限定されないが、好ましくは2.50以下、より好ましくは2.00以下である。
本発明の転写シートは、基材の領域(Q’)上に凹凸層を形成した場合には、該凹凸層の凹凸形状をより滑らかにするために、該凹凸層と第二離型層との間に、さらに緩和層を設けることが好ましい。
緩和層は、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂のみから形成してもよいし、これらの樹脂をバインダーとし、適当な色の顔料又は染料を着色剤として含有する着色インキにより形成してもよい。緩和層が着色剤を含むことで、転写層に図柄を印刷する場合の位置あわせ、及び被転写体との位置あわせをするためのマーカーを、緩和層形成と同時に形成することができる。この場合、色とは、人の感じられる色に限らず、赤外線等、機械的に検知できる色を含む。中でも緩和層は、光電管の光源の種類によらず確実に検出される観点から黒色が好ましい。印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷法が挙げられる。なお、第二離型層に着色剤を含有させず、緩和層に着色剤を含有させることにより、第二離型層の表面に着色剤に起因する凹凸を形成させにくくできるとともに、第二離型層と保護層との剥離性を良好にしやすくできる。
本発明の転写シートは、第一離型層及び第二離型層と、保護層との間に、さらに剥離層を設けてもよい。剥離層を設けることで、転写シートから離型シートを剥離して、該剥離層を含む転写層を確実かつ容易に被転写体へ転写させることができる。
1−1.カットオフ値0.8mmによる測定
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所株式会社製)を用いて、下記の測定条件により、実施例及び比較例で作製した加飾成形品の保護層の領域(P)(転写シートの領域(P’)に対応する部分)の表面について、JIS B0601:2001のRa、及びRskを測定した。また、同様に、領域(Q)(転写シートの領域(Q’)に対応する部分)の表面について、JIS B0601:2001のRaを測定した。また、明細書本文に記載の手法に基づき、領域(P)及び領域(Q)のθaを算出した。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所株式会社製)を用いて、下記の測定条件により、実施例及び比較例で作製した加飾成形品の保護層の領域(P)(転写シートの領域(P’)に対応する部分)の表面について、JIS B0601:2001のθa、Ra、及びRskを測定した。また、同様に、領域(Q)(転写シートの領域(Q’)に対応する部分)の表面について、JIS B0601:2001のθa、及びRaを測定した。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.08mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):0.4mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
なお、実施例1で得られた加飾成形品の保護層の領域(Q)は、略平滑であることからθa2、Rax2、及びRay2の測定を省略した。
実施例及び比較例で得られた加飾成形品の透明アクリルシート側の面を、画像が印刷された黒色アクリル樹脂板の印刷面上に貼り合わせた。蛍光灯のついた明るい室内で、加飾成形品の保護層の領域(P)上の凹凸部分を目視で観察し、黒色の背景と画像とのコントラストが極めてよいものを3点、黒色の背景と画像とのコントラストがよいものを2点、黒色の背景と画像とのコントラストが悪いものを1点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
<評価基準>
○:平均点が2.5以上
△:平均点が1.5以上2.5未満
×:平均点が1.5未満
実施例及び比較例で得られた加飾成形品の透明アクリルシート側の面を表示装置の画面に貼り合わせ、表示装置の画面の領域(P)及び領域(Q)について、正面から目視により観察し、映像光に微細な輝度のばらつきが全くなかったものを3点、映像光に微細な輝度のばらつきがほとんどなかったものを2点、映像光に微細な輝度のばらつきがみられたものを1点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
<評価基準>
○:平均点が2.5以上
△:平均点が1.5以上2.5未満
×:平均点が1.5未満
実施例及び比較例で得られた加飾成形品の保護層の領域(P)及び領域(Q)について、該保護層側から目視により観察し、領域(P)及び領域(Q)の光沢感に極めて差があり、且つ領域(P)の正反射が強すぎないものを3点、領域(P)及び領域(Q)の光沢感に差があり、且つ領域(P)の正反射が強すぎないものを2点、領域(P)及び領域(Q)の光沢感に差がないものを1点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
<評価基準>
○:平均点が2.5以上
△:平均点が1.5以上2.5未満
×:平均点が1.5未満
(1)転写シートの製造
基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(東レ(株)製、S105、コロナ処理)を準備し、PET基材の一方の面の領域(P’)上に、下記処方の凹凸層用塗工液を乾燥後の塗布量が3.0g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した後、室温(25℃)で72時間エージングし、プレ硬化させた凹凸層を形成した。
<凹凸層用塗工液>
・アクリルポリオール(綜研化学(株)製、商品名:サーモラックSU100A 固形分:50% 溶剤:トルエン/酢酸エチル混合溶剤):40質量部
・フィラー((株)日本触媒製、商品名:エポスターS12、平均粒子径1.2μm):4質量部
・イソシアネート(三井化学(株)製、タケネートD−110N 固形分:75% 溶剤:酢酸エチル)(タケネートは登録商標):14質量部
・酢酸エチル:40質量部
第一離型層におけるθa11、Ra11、及びRay11の値は、それぞれ表1に示すθa1、Ra1、及びRay1の値と略同等であった。また、第一離型層におけるRsk11は、表1に示すRsk1において正負が逆の値と略同等であった。
<離型層用塗工液>
・アクリルポリオール(綜研化学(株)製、商品名:サーモラックSU100A 固形分:50% 溶剤:トルエン/酢酸エチル混合溶剤):70質量部
・イソシアネート(三井化学(株)製、タケネートD−110N 固形分:75% 溶剤:酢酸エチル)(タケネートは登録商標):25質量部
・酢酸エチル:161質量部
・メチルイソブチルケトン:56質量部
<保護層用塗工液>
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物(大日精化(株)製、商品名:セイカビームHT−X 固形分:35% 溶剤:トルエン・酢酸エチル混合溶剤):70質量部
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物(大日精化(株)製、商品名:セイカビームEXF−HT−1 固形分:40% 溶剤:トルエン/メチルエチルケトン混合溶剤) :30質量部
<アンカー層用塗工液>
・アクリルポリオール(大日精化(株)製、商品名:TM−VMAC 固形分25% 溶剤:トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶剤):100質量部
・キサンメチレンジイソシアネート(大日精化(株)製、商品名:PTC−RC3 固形分:75% 溶剤:酢酸エチル):10質量部
<接着層用塗工液>
・アクリル系樹脂(大日精化(株)製、商品名:TM−R600 固形分20% 溶剤:酢酸エチル/酢酸−n−プロピル/メチルエチルケトン混合溶剤):100質量部
・メチルエチルケトン:40質量部
得られた転写シートの接着層側の面を透明アクリルシート(クラレ(株)製、商品名:コモグラスDK3、厚み2mm)に重ね合わせ、転写シートの基材側から加熱転写した。次いで、転写シートの離型シート(基材、凹凸層、第一離型層、及び第二離型層)を剥離した後、樹脂成形体に紫外線照射(大気中、Hバルブ、800mJ/cm2)し、保護層(厚み6μm)を完全に硬化させ、加飾成形品を得た。
(1)転写シートの製造
基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(東レ(株)製、S105、コロナ処理)を準備し、PET基材の一方の面上に、下記処方の凹凸層用塗工液を乾燥後の塗布量が3.0g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した後、室温(25℃)で72時間エージングし、プレ硬化させた凹凸層を形成した。
<凹凸層用塗工液>
・アクリルポリオール(綜研化学(株)製、商品名:サーモラックSU100A 固形分:50% 溶剤:トルエン/酢酸エチル混合溶剤):40質量部
・フィラー((株)日本触媒製、商品名:エポスターS12、平均粒子径1.2μm):4質量部
・イソシアネート(三井化学(株)製、タケネートD−110N 固形分:75% 溶剤:酢酸エチル)(タケネートは登録商標):14質量部
・酢酸エチル:40質量部
<緩和層用塗工液>
・黒色グラビアインキ((株)昭和インク工業所製、商品名:EIS(NT)黒 固形分:32% メチルエチルケトン/酢酸エチル/メチルイソブチルケトン混合溶剤):100質量部
・メチルエチルケトン:65質量部
第一離型層におけるθa11、Ra11、及びRay11の値は、それぞれ表1に示すθa1、Ra1、及びRay1の値と略同等であった。また、第一離型層におけるRsk11は、表1に示すRsk1において正負が逆の値と略同等であった。第二離型層におけるθa22、Ra22、及びRay22の値は、それぞれ表1に示すθa2、Ra2、及びRay2の値と略同等であった。
<離型層用塗工液>
・アクリルポリオール(綜研化学(株)製、商品名:サーモラックSU100A 固形分:50% 溶剤:トルエン/酢酸エチル混合溶剤):70質量部
・イソシアネート(三井化学(株)製、タケネートD−110N 固形分:75% 溶剤:酢酸エチル)(タケネートは登録商標):25質量部
・酢酸エチル:161質量部
・メチルイソブチルケトン:56質量部
得られた転写シートの接着層側の面を透明アクリルシート(クラレ(株)製、商品名:コモグラスDK3、厚さ2mm)に重ね合わせ、転写シートの基材側から加熱転写した。転写シートの離型シート(基材、凹凸層、緩和層、第一離型層、及び第二離型層)を剥離した後、樹脂成形体に紫外線照射(大気中、Hバルブ、800mJ/cm2)し、保護層(厚み6μm)を完全に硬化させ、加飾成形品を得た。
(1)転写シートの製造
実施例1において、凹凸層用塗工液のフィラーを5.0質量部に変更した以外は実施例1と同様にして転写シートを得た。
得られた転写シートを用いて、実施例1と同様にして加飾成形品を得た。
(1)転写シートの製造
実施例2において、凹凸層用塗工液のフィラーを3.5質量部に変更した以外は実施例2と同様にして転写シートを得た。
得られた転写シートを用いて、実施例2と同様にして加飾成形品を得た。
(1)転写シートの製造
実施例2で、基材の領域(P’)上に形成した凹凸層上に第一離型層を形成しなかった以外は実施例2と同様にして転写シートを得た。
得られた転写シートを用いて、実施例2と同様にして加飾成形品を得た。
(1)転写シートの製造
実施例2において、凹凸層用塗工液のフィラーを平均粒子径1.0μmのものとし、3.5質量部に変更した以外は実施例2と同様にして転写シートを得た。
得られた転写シートを用いて、実施例2と同様にして加飾成形品を得た。
40、50、60 転写シート
1、11、21 樹脂成形体
2、12、22、35、45、55 保護層
13、23、47、57 アンカー層
14、24、48、58 印刷層
15、25、49、59 接着層
31、41、51 基材
32、42、52 凹凸層
33、43、53 第一離型層
34、44、54 第二離型層
46、56 緩和層
P 保護層の領域(P)
Q 保護層の領域(Q)
P’ 基材の領域(P’)
Q’ 基材の領域(Q’)
X 離型シート
Y 転写層
Claims (9)
- 樹脂成形体上に、凹凸を有する保護層を備え、
前記保護層の凹凸において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa1が下記の条件(1)を満たし、
前記保護層の前記凹凸表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax1)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray1)が、下記の条件(2)を満たす、加飾成形品。
θa1>1.0度 (1)
0.45≦(Rax1−Ray1)/Ray1 (2) - 前記保護層が、前記凹凸を有する領域(P)と、前記領域(P)に隣接する領域(Q)とを有し、
前記領域(P)の平均傾斜角θa1と、前記保護層の前記領域(Q)の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa2とが、下記の条件(3)を満たす、請求項1に記載の加飾成形品。
0.50度≦θa1−θa2 (3) - 前記保護層の前記領域(Q)の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax2)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray2)が、下記の条件(4)を満たす、請求項2に記載の加飾成形品。
0.90≦(Rax2−Ray2)/Ray2 (4) - 前記(Rax1−Ray1)/Ray1と前記(Rax2−Ray2)/Ray2との比〔(Rax1−Ray1)/Ray1〕/〔(Rax2−Ray2)/Ray2〕が0.56以下である、請求項3に記載の加飾成形品。
- 領域(P’)と、前記領域(P’)に隣接する領域(Q’)とを有する基材と、
前記基材の領域(P’)上に設けられた凹凸形状を有する凹凸層と、
前記凹凸層の前記凹凸形状の上に形成された第一離型層と、
前記基材の領域(Q’)上に設けられた第二離型層と、
前記第一離型層と、前記第二離型層の上に形成された保護層とを有し、
前記第一離型層において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa11が下記の条件(1)’を満たし、
前記第一離型層表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax11)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray11)が、下記の条件(2)’を満たす、転写シート。
θa11>1.0度 (1)’
0.45≦(Rax11−Ray11)/Ray11 (2)’ - 前記第一離型層における平均傾斜角θa11と、前記第二離型層の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際の平均傾斜角θa22とが、下記の条件(3)’を満たす、請求項5に記載の転写シート。
0.50度≦θa11−θa22 (3)’ - 前記第二離型層の表面において、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Rax22)、及びカットオフ値を0.08mmとした際のJIS B0601:2001の算術平均粗さ(Ray22)が、下記の条件(4)’を満たす、請求項6に記載の転写シート。
0.90≦(Rax22−Ray22)/Ray22 (4)’ - 前記(Rax11−Ray11)/Ray11と前記(Rax22−Ray22)/Ray22との比〔(Rax11−Ray11)/Ray11〕/〔(Rax22−Ray22)/Ray22〕が0.56以下である、請求項7に記載の転写シート。
- 請求項5乃至8のいずれか一項に記載の転写シートの保護層を被転写体に転写する工程と、
前記転写シートの基材、凹凸層、第一離型層、及び第二離形層を剥離する工程と、
を有する、加飾成形品の製造方法。
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