JP7404637B2 - 加飾シート及びこれを利用した樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、加飾シート及びこれを利用した樹脂成形品の製造方法に関する。
自動車内外装、建材内装材、家電製品などに使用される樹脂成形品や、無機ガラス代替材料として用いられる有機ガラス等に用いられる樹脂成形品などにおいては、表面保護や意匠性の付与などを目的として、加飾シートを用いた積層技術が用いられている。このような技術に使用される加飾シートとしては、ラミネート型の加飾シートと、転写型の加飾シートとに大別することができる。
ラミネート型の加飾シートは、支持基材上に保護層が最表面に位置するように積層されており、支持基材側に成形樹脂を積層することで、樹脂成形品中に支持基材が取り込まれるように用いられる。一方、転写型の加飾シートは、支持基材上に直接、または必要により設けられる離型層を介して保護層が積層されており、支持基材とは反対側に成形樹脂を積層後、支持基材を剥離することで、樹脂成形品に支持基材が残らないようにして用いられる。これら2種類の加飾シートは、樹脂成形品の形状や求める機能などに応じて使い分けがなされている。
転写型の加飾シートの場合、保護層上には、意匠層や接着層などの他の層を積層することがあるという点、離型層を有する場合には、離型層の上に保護層を積層するという点、成形加工において保護層から支持基材を剥離されなければならないという点、支持基材を剥離することで表出した面が優れた物性を発現しなければならないという点などから、ラミネート型に比して、保護層を形成する樹脂組成物の設計がより難しいという問題がある。
また、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体の加飾には、射出成形同時加飾方法が用いられてきた。射出成形同時加飾方法とは、射出成形の際にインモールド成形用金型内に挿入された加飾シートを、キャビティ内に射出注入された溶融した射出樹脂と一体化させて、樹脂成形体の表面に加飾を施す方法である。さらに、樹脂成形体と一体化される加飾シートの構成の違い(前述のラミネート型と転写型の加飾シート)によって、通常、射出成形同時ラミネート加飾法と、射出成形同時転写加飾法とに大別される。
射出成形同時転写加飾法においては、加飾シートの転写層側を金型の内側に向けて配し、転写層側から熱盤によって加熱し、該加飾シートが金型内形状に沿うように成形する。次いで、キャビティ内に溶融した射出樹脂を射出して、該加飾シートと射出樹脂とを一体化する。そして、樹脂成形体を冷却して金型から取り出した後、該加飾シートの基材シートを剥離することにより、転写層を転写した加飾層を有する樹脂成形品を得ることができる。
このようにして得られる加飾層を有する樹脂成形体の製品(樹脂成形品)は、従来の家庭用電化製品、自動車内装品、および雑貨品等の分野に加えて、近年市場が拡大している分野、例えば、モバイルパソコンを含めたノート型のパソコンおよび携帯電話等の分野での使用も注目されている。これらの分野においては、インク層を従来の公知の印刷方法(グラビア印刷、シルクスクリーン印刷等)で形成することでは実現できなかった問題を解決することが求められている。
例えば、加飾成形品に優れた高硬度性等の表面特性を付与すると同時に、より形状が複雑な成形品を得られる成形性が求められている。このような技術的課題を解決するために、特定の多官能性ラジカル重合型プレポリマーと、特定の反応性無機微粒子と、多官能イソシアネートとを含むインキ組成物により形成した保護層形成層を有する加飾シートを用いることが提案されている(特許文献1参照)。
また、例えば、特許文献2には、少なくとも、基材層、離型層、剥離層、およびアンカー層が順に積層されたインモールド成形用加飾シートであって、前記離型層が、少なくとも、エステル基含有硬化性樹脂と、微粒子とを含んでなり、前記剥離層が、少なくとも、アクリル系樹脂を含んでなり、前記アンカー層が、少なくとも、硬化性樹脂を含んでなる、インモールド成形用加飾シートが記載されている。
特開2012-041479号公報 特開2015-163434号公報
特許文献2に記載された加飾シートによれば、特許文献1に記載の加飾シートが有する課題(すなわち、常温(20℃)での剥離強度が軽いため、スリット加工中に箔こぼれが発生したり、また、成形加工中の高温では剥離強度が重いため、成形転写時に剥離異常が起こって加飾成形品の外観不良が発生したりする)を解消し、常温であっても加飾シートの箔こぼれや箔ばりの発生を抑制できるとともに、成形性と転写性に優れる。
しかしながら、特許文献2のような従来の転写型の加飾シートにおいては、例えば剥離強度を低下させた場合の箔チリの発生を効果的に抑制することは困難であった。ここで、箔チリとは、転写型の加飾シートを樹脂成形体と一体化する成形を行った後、転写用基材及び離型層とを転写層から剥離する際に、転写用基材が部分的に浮き上がった部分などが割れることによって発生する、転写用基材の小片である。例えば、転写型の加飾シートは、加飾シートの製造時や樹脂成型品を製造する際に裁断される。この裁断時に、転写用基材が部分的に浮き上がることで、箔チリの起点が形成される。また、加飾シートの製造時に巻き取られる際にも、転写用基材が部分的に浮き上がることで、箔チリの起点が形成される。
箔チリの発生を抑制する方法としては、例えば、転写用基材の部分的な浮きを抑制するために、離型層の剥離強度を高める方法が考えられる。しかしながら、離型層の剥離強度を高めると、成形性が低下する(成形後に転写用基材を離型層と共に転写層から剥離する際に、転写層の表面に離型層の箔離痕が形成される)という問題が生じる。
このような状況下、本発明は、転写用基材上に、少なくとも、離型層と、転写層とをこの順に有する加飾シートであって、箔チリの発生が抑制されており、かつ、優れた成形性を有する加飾シートを提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該加飾シートを用いた樹脂成形品の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、転写用基材上に、少なくとも、離型層と、転写層とをこの順に有する加飾シートにおいて、離型層のガラス転移温度Tgを所定値以下に設定することにより、箔チリの発生が抑制され、かつ、優れた成形性が奏されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 転写用基材上に、少なくとも、離型層と、転写層とをこの順に有する加飾シートであって、
前記離型層のガラス転移温度Tgが、110℃以上127℃以下である、加飾シート。
項2. 23℃環境における、前記離型層の前記転写層からの剥離強度が、0.05N/25mm以上である、項1に記載の加飾シート。
項3. 80℃環境における、前記離型層の前記転写層からの剥離強度が、3.0N/25mm以下である、項1又は2に記載の加飾シート。
項4. 前記離型層は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成されている、項1~3のいずれか1項に記載の加飾シート。
項5. 前記離型層は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成されている、項1~4のいずれか1項に記載の加飾シート。
項6. 前記転写層は、前記離型層と隣接した面に保護層を有し、
前記保護層のガラス転移温度Tgが、100~130℃の範囲である、項1~5のいずれか1項に記載の加飾シート。
項7. 前記転写層は、前記離型層と隣接した面に保護層を有し、
前記保護層は、アクリル系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成されている、項1~6のいずれか1項に記載の加飾シート。
項8. 前記転写層は、前記離型層と隣接した面に保護層を有し、
前記保護層の前記離型層側とは反対側に、アンカー層及び接着層の少なくとも一方を有する、項1~7のいずれか1項に記載の加飾シート。
項9. 項1~8のいずれかに記載の加飾シートの前記転写用基材とは反対側に成形樹脂層を積層する工程と、
前記転写用基材及び離型層を、前記転写層から剥離する工程と、
を備える、樹脂成形品の製造方法。
本発明によれば、転写用基材上に、少なくとも、離型層と、転写層とをこの順に有する加飾シートであって、箔チリの発生が抑制されており、かつ、優れた成形性を有する加飾シートを提供することができる。また、本発明によれば、当該加飾シートを利用した樹脂成形品の製造方法を提供することもできる。
本発明の加飾シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の加飾シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の加飾シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の支持体付き樹脂成形品の一形態の断面構造の模式図である。 本発明の樹脂成形品の一形態の断面構造の模式図である。
1.加飾シート
本発明の加飾シートは、転写用基材上に、少なくとも、離型層と、転写層とをこの順に有する加飾シートであって、前記離型層のガラス転移温度Tgが、110℃以上127℃以下であることを特徴とする。本発明の加飾シートでは、このような構成を有することにより、箔チリの発生が抑制されており、かつ、優れた成形性を有する。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
本明細書において、「以上」、「以下」と明記している箇所を除き、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。また、後述の通り、本発明の加飾シートは、絵柄層などを有していなくてもよく、例えば透明であってもよい。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
加飾シートの積層構造
本発明の加飾シート10は、転写用基材1上に、少なくとも、離型層2と、転写層をこの順に有する。転写層は、保護層3を有する。転写層は、離型層2と接面した面に保護層3を有することが好ましい。すなわち、離型層2と保護層3とは接面していることが好ましいが、離型層2と保護層3との間に剥離層(図示を省略)を有していてもよい。なお、離型層2と保護層3との間に剥離層を有する場合には、離型層2と保護層3との剥離は、剥離層と保護層3との剥離に読み替える。
保護層3の離型層2側とは反対側に、必要に応じて、アンカー層4、絵柄層(図示を省略)、接着層5などの他の層を少なくとも1層有していてもよい。また、転写用基材1の離型層2側とは反対側に、必要に応じて、帯電防止層(図示を省略)を設けてもよい。
本発明の加飾シートにおいては、転写用基材1及び離型層2、さらには必要に応じて設けられる帯電防止層や剥離層が、支持体を構成しており、当該支持体は、加飾シートを成形樹脂層6に積層させた後に、剥離除去される。本発明の加飾シートにおいて、保護層3、必要に応じてさらに設けられる、アンカー層4、絵柄層、接着層5などが、転写層9を構成しており、転写層9が成形樹脂層6に転写されて本発明の樹脂成形品20となる。
本発明の加飾シートの積層構造として、転写用基材/離型層/保護層がこの順に積層された積層構造;転写用基材/離型層/保護層/アンカー層がこの順に積層された積層構造;転写用基材/離型層/保護層/接着層がこの順に積層された積層構造;転写用基材/離型層/保護層/アンカー層/接着層がこの順に積層された積層構造;転写用基材/離型層/保護層/アンカー層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造;帯電防止層/転写用基材/離型層/保護層/アンカー層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造;帯電防止層/転写用基材/離型層/剥離層/保護層/アンカー層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造;転写用基材/離型層/保護層/アンカー層/絵柄層/アンカー層/接着層がこの順に積層された積層構造;転写用基材/離型層/保護層/アンカー層/接着層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造などが挙げられる。図1に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、転写用基材/離型層/保護層がこの順に積層された加飾シートの一形態の断面構造の模式図を示す。図2に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、転写用基材/離型層/保護層/アンカー層がこの順に積層された加飾シートの一形態の断面構造の模式図を示す。図3に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、転写用基材/離型層/保護層/接着層がこの順に積層された加飾シートの一形態の断面構造の模式図を示す。
加飾シートを形成する各層の組成
(支持体)
本発明の加飾シート10は、支持体として、転写用基材1及び離型層2、さらには必要に応じて帯電防止層、剥離層を有する。また、前述の通り、離型層2の上に形成された保護層3、必要に応じてさらに設けられる、アンカー層4、絵柄層、接着層5などが、転写層9を構成している。本発明においては、加飾シート10と成形樹脂層6を一体成形した後に、支持体と転写層9の界面が引き剥がされ、支持体が剥離除去されて樹脂成形品20が得られる。
[転写用基材1]
本発明において、転写用基材1は、加飾シート10において支持部材としての役割を果たす支持体として用いられる。本発明で用いられる転写用基材1は、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
本発明においては、転写用基材1として、ポリエステルシートを用いることが、耐熱性、寸法安定性、成形性、及び汎用性の点で好ましい。ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)が、耐熱性や寸法安定性の点で特に好ましい。
転写用基材1は、後述の保護層3の表面に凹凸形状を付与することなどを目的として、必要に応じて少なくとも一方の表面に凹凸形状を有していてもよい。転写用基材1の凹凸形状を有する表面上に直接保護層3を積層することにより、保護層3の表面に、転写用基材1の凹凸形状に対応した凹凸形状を形成することができる。例えば、表面に微細な凹凸形状を有する転写用基材1の直上に保護層3を積層することにより、保護層3の表面に当該凹凸形状が転写され、保護層3の表面にマットな意匠を付与することができる。
転写用基材1の表面に凹凸形状を形成する方法としては、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、レーザ加工、エンボス加工などの物理的な方法、又は薬品や溶剤による腐食処理などの化学的な方法のほか、転写用基材1に微粒子を含有させることにより、当該微粒子の形状を転写用基材1の表面に表出させる方法が例示される。これらの中でも、保護層3に微細な凹凸形状を転写してマットな意匠を表現する上では、転写用基材1に微粒子を含有させる方法が好適に用いられる。
微粒子としては、合成樹脂粒子や無機粒子が代表的に挙げられるが、三次元成形性を良好とする観点からは合成樹脂粒子を用いることが特に好ましい。合成樹脂粒子としては、合成樹脂により形成された粒子であれば、特に制限されず、例えば、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコーンビーズ、ナイロンビーズ、スチレンビーズ、メラミンビーズ、ウレタンアクリルビーズ、ポリエステルビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。これらの合成樹脂粒子の中でも、凹凸形状を好適に保護層3に形成する観点からは、好ましくはアクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコーンビーズが挙げられる。また、無機粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、カオリンなどが挙げられる。これらの微粒子は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。微粒子の粒子径としては、好ましくは0.3~25μm程度、より好ましくは0.5~5μm程度が挙げられる。なお、微粒子の平均粒子径は、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができ、メジアン径である。
転写用基材1に含まれる微粒子の含有量としては、保護層3に所望の凹凸形状が形成されれば特に制限されず、例えば、転写用基材1に含まれる樹脂100質量部に対して、好ましくは1~100質量部程度、より好ましくは5~80質量部程度が挙げられる。また、転写用基材1には、必要に応じて各種安定剤、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、蛍光増白剤などを配合することもできる。
本発明で転写用基材1として好適に用いられるポリエステルシートは、例えば以下のように製造される。まず上記のポリエステル系樹脂とその他の原料をエクストルーダーなどの周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してシート化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前又は後に再度縦及び/又は横方向に延伸してもよい。本発明においては十分な寸法安定性を得るため延伸倍率を面積倍率として7倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましく、3倍以下がさらに好ましい。この範囲内であれば、得られるポリエステルシートを加飾シートに用いた場合、該加飾シートが成形樹脂を射出する際の温度域で再び収縮せず、当該温度域で必要なシート強度を得ることができる。なお、ポリエステルシートは、上記のように製造してもよいし、市販のものを用いてもよい。
また、転写用基材1は、当該離型層2との密着性を向上させる目的で、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、転写用基材1の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。また、転写用基材1は、転写用基材1とその上に設けられる層との層間密着性の強化などを目的として、易接着層を形成するなどの処理を施してもよい。なお、ポリエステルシートとして市販のものを用いる場合には、該市販品は予め上記したような表面処理が施されたものや、易接着剤層が設けられたものも用いることができる。
転写用基材1の厚みは、通常10~150μmであり、10~125μmが好ましく、10~80μmがより好ましい。また、転写用基材1としては、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを用いることができる。
[離型層2]
離型層2は、転写用基材1と転写層との剥離性を高めることなどを目的として、転写用基材1の転写層が積層される側の表面に設けられる。離型層2は、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であってもよいし、一部に設けられるものであってもよい。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
離型層2は、保護層3と接面していることが好ましいが、離型層2と保護層3との間に剥離層を設けることも可能である。
離型層2は、ガラス転移温度Tgが、110℃以上127℃以下であることを特徴としている。本発明の加飾シート10においては、このような所定値以下のTgを備える離型層を用いることにより、箔チリの発生が抑制され、かつ、優れた成形性が奏される。
箔チリ発生の抑制と優れた成形性とをより一層効果的に両立させる観点から、離型層2のガラス転移温度Tgとしては、好ましくは110~127℃程度、より好ましくは113~127℃程度、さらに好ましくは119~127℃程度、特に好ましくは122~125℃程度が挙げられる。離型層2のガラス転移温度(Tg)は、剛体振り子型物性試験器(例えばエー・アンド・デイ社製のRPT-3000W)を用いて測定され、具体的な測定条件は以下の通りである。加飾シートのサンプルサイズは、15mm×40mmとし、加飾シートの転写層側の面に、ニチバン(株)製セロテープ(登録商標)を貼り付ける。その後、180°方向に剥離速度5.0mm/secでセロテープとともに転写層を加飾シートから剥離し、離型層を露出させる。サンプルをSUS板(20mm×50mm)の上に、露出した離型層が上を向くよう設置し、耐熱テープで固定する。これを試料マウント(CHB-100)に設置し、試料マウントを測定部に設置する。フレームにFRB-100、振り子のパイプとしてRPB-040を使用し、昇温速度5℃/minで測定し、対数減衰率が高くなっている温度領域の中で、最も高い値となっている温度を測定値とする。
離型層は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成されていることが好ましい。硬化性樹脂としては、特に制限されないが、好ましくはエステル基含有硬化性樹脂が挙げられる。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができ、好ましくは熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂としては、水酸基を有するポリマーとイソシアネート化合物とを反応してなる樹脂(すなわち、ウレタン樹脂)が好ましく、エステル基含有ウレタン樹脂が好ましい。エステル基含有ウレタン樹脂としては、例えば、側鎖にエステル基および水酸基を有する、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂と、イソシアネート化合物とを反応してなる樹脂を用いることができ、特にアクリルポリオールとイソシアネート化合物とを反応してなる樹脂(ウレタン樹脂)を用いることが好ましい。
イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を有する化合物であれば、特に制限されないが、好ましくはイソシアネート基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物が挙げられる。多官能イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等や、ブロック化されたイソシアネート化合物等も挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、側鎖にエステル基を有する電離放射線硬化性樹脂が挙げられ、側鎖にエステル基を有するアクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびポリエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
離型層2のガラス転移温度Tgを110℃以上127℃以下に好適に設定する方法としては、例えば、硬化剤の割合で調整する方法などが挙げられる。例えば、アクリルポリオールとイソシアネートとを反応してなる樹脂を用いる場合であれば、アクリルポリオールの水酸基価に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)として、好ましくは1/1~1/0.01程度、より好ましくは1/0.5~1/0.10程度、さらに好ましくは1/0.35~1/0.10程度が挙げられる。
離型層2には、必要に応じて微粒子が含まれていてもよい。微粒子は、有機微粒子および/または無機微粒子である。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、珪藻土、ゼオライト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ガラスビーズなどの微粒子が挙げられる。また、有機微粒子としては、各種の合成樹脂粒子、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルマリン縮合物、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種を混合して用いることもできる。特に、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物や、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物の有機微粒子は、表面における艶消し性、反射防止性の効果が優れている点、あるいは塗工時のインキの安定性の点から好ましい。また、上記の微粒子の形状は、球状品でも粉砕品であってもよいが、球状品を使用することにより、表面に球状品による形状が移り、摩擦係数が低くなり、耐擦過性が向上するので好ましい。
離型層2に含まれる微粒子は、0.5~10μmの平均粒径を有することが好ましい。微粒子の平均粒子径は、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができ、メジアン径である。
離型層2に微粒子が含まれる場合、離型層中の微粒子の含有量は、離型層2に含まれる樹脂100質量部(固形分)に対し、30~150質量部(固形分)であることが好ましい。離型層2中の微粒子の含有量が、上記範囲程度であれば、離型層表面に適度な微細凹凸形状を形成しながら、離型層2の膜強度を保つことができる。離型層2は、前述の硬化性樹脂などを溶解または分散させて離型層用インキを調製し、これを転写用基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
離型層2の乾燥後の厚さは、0.3~10μm程度である。但し、離型層2が微粒子を含む場合、離型層2の当該厚さは、微粒子の突起部分を含まないバインダー樹脂の皮膜部分の厚さである。
箔チリ発生の抑制と優れた成形性とをより一層効果的に両立させる観点から、本発明の加飾シート10は、23℃環境における、離型層2の転写層からの剥離強度が、0.05N/25mm以上であることが好ましく、0.1~1.0N/25mmであることがより好ましく、0.2~0.5N/25mmであることがさらに好ましい。
同様の観点から、本発明の加飾シート10は、80℃環境における、離型層2の転写層からの剥離強度が、3.0N/25mm以下であることが好ましく、0.2~2.5N/25mmであることがより好ましく、0.5~1.2N/25mmであることがさらに好ましい。なお、80℃環境における離型層2の転写層からの剥離強度は、加飾シート10を成形した後に、離型層2を転写層から剥離する際の温度を想定したものである。
23℃環境又は80℃環境における、離型層2の転写層からの剥離強度は、実施例に記載の方法により測定された値である。
[剥離層]
本発明の加飾シート10の剥離層は、支持体の転写層からの剥離をより一層容易に行うために、必要に応じて設けられる層である。剥離層は、離型層2と転写層との間に設けることができる。
剥離層は、アクリル系樹脂を含んでなり、ビニル系樹脂およびポリエステル系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含んでもよい。アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、およびポリ(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。ビニル系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、およびポリビニルブチラール等が挙げられる。剥離層は、アクリル系樹脂と、ビニル系樹脂および/またはポリエステル系樹脂とを組み合わせて含むことで、離型層との密着強度を向上させることができる。
剥離層は、離型剤をさらに含んでもよい。離型剤としては、合成ワックスや天然ワックス等のワックス類が挙げられる。合成ワックスとしては、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックスが好ましい。剥離層は離型剤を含むことで、離型性を向上させることができる。
剥離層の厚さは、0.3~10μm程度である。
(転写層9)
本発明の加飾シート10においては、支持体の上に形成された、保護層3、必要に応じてさらに形成されるアンカー層4、絵柄層、接着層5などが転写層9を構成している。本発明においては、加飾シート10と成形樹脂を一体成形した後に、支持体と転写層9の界面(すなわち、離型層2と保護層3との界面)が引き剥がされ、加飾シート10の転写層9が成形樹脂層6に転写された樹脂成形品20が得られる。以下、これらの各層について詳述する。
[保護層3]
本発明の加飾シート10において、保護層3は、転写層9が加飾シート10から成形樹脂層へと転写された後は、摩耗や光、薬品等から成形品や絵柄層を保護するための層である。保護層3は、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いて形成することができ、これらの中でも、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂の硬化物により構成することが好ましい。
電離放射線硬化性とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋・重合させうるエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線等の照射により励起して、重合反応を生じることにより架橋・硬化する性能のことである。また、電離放射線硬化性官能基とは、上記電離放射線硬化性を発現しうる官能基のことであり、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種である。あるいは、保護層3は、熱可塑性樹脂を用いて形成することもできる。
なお、保護層を形成する材料として、熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合、保護層を形成する時点で熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を完全硬化させてもよいが、成形性の観点から、保護層を形成する時点では熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物を未硬化又は半硬化の状態にしておき、被着体に転写した後に熱硬化性樹脂組成物及び/又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、完全硬化させてもよい。
保護層3が電離放射線硬化性樹脂から構成される場合、保護層3は、電離放射線硬化性樹脂を含むインキ組成物から形成されることが好ましい。このインキを、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段により塗布・乾燥させて形成することができる。
電離放射線硬化性官能基を有するポリマーとしては、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびポリエーテル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。すなわち、保護層3は、アクリル系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成されていることが好ましい。これらの中でも、特にウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。本発明においては、これらのポリマーを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、箔チリ発生の抑制と優れた成形性とをより一層効果的に両立させる観点から、本発明の加飾シート10においては、保護層3がアクリル系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物に構成されており、かつ、離型層2が前述のウレタン樹脂(好ましくは、側鎖にエステル基および水酸基を有する、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂と、イソシアネート化合物とを反応してなるエステル基含有ウレタン樹脂であり、特にアクリルポリオールとイソシアネート化合物とを反応してなるウレタン樹脂)を含む硬化性樹脂組成物の硬化物により構成されていることが特に好ましい。
箔チリ発生の抑制と優れた成形性とをより一層効果的に両立させる観点から、保護層3のガラス転移温度Tgとしては、好ましくは100~130℃程度、より好ましくは110~130℃程度、さらに好ましくは120~125℃程度が挙げられる。保護層3のガラス転移温度(Tg)の具体的な測定条件は、測定対象を保護層とすること以外は、前述した離型層のガラス転移温度の測定方法と同様である。
電離放射線硬化性官能基を有するポリマーの重量平均分子量は、好ましくは5000~150000程度であり、より好ましくは20000~100000である。数平均分子量が上記範囲内であれば、インキ組成物のチキソ性が得られ、良好な成形性も得られる。ここで、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された値であり、標準サンプルにポリスチレンを用いた条件で測定された値である。また、優れた高硬度性および耐スクラッチ性を得る観点から、ポリマーの二重結合当量は、50~1000、好ましくは100~1000、より好ましくは100~500である。ここで、二重結合当量は、電離放射線硬化性官能基1個あたりの分子量を意味する。
また、保護層3を形成する硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有するポリマーに加えて、無機粒子の表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子を含んでいてもよい。反応性無機粒子は、無機粒子の表面に反応性官能基を有するものである。反応性官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、エポキシ基、およびシラノール基等が好ましく挙げられ、高硬度性および耐スクラッチ性の向上の観点から、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基がより好ましい。
無機粒子としては、シリカ粒子(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカなど)、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、酸化亜鉛粒子などの金属酸化物粒子が好ましく挙げられ、高硬度性および耐スクラッチ性の向上の観点から、シリカ粒子が好ましい。
無機粒子の形状としては、球、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、これらの形状が均一で、整粒であることが好ましく、また無機粒子は、粒子同士の相互作用が弱く、単一分散された粒子であることが好ましい。無機粒子の平均粒子径は、インキ組成物により形成する層の厚さにより適宜選択しうるが、通常0.005~0.5μmが好ましく、0.01~0.1μmがより好ましい。ここで、平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)であり、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
また、無機粒子のなかでも、高硬度性の観点からは、異形無機粒子が好ましい。異形無機粒子は、無機粒子が平均連結数2~40個の連結凝集した無機粒子群からなるものであり、本発明においては無機粒子に包含されるものである。連結凝集は、規則的であっても不規則的であってもよい。該無機粒子群を形成する無機粒子としては、シリカ(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカなど)、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛などの金属酸化物からなる無機粒子が好ましく挙げられ、高硬度性および耐スクラッチ性の向上の観点から、シリカからなる無機粒子であることが好ましい。すなわち、異形無機粒子は、シリカ粒子が平均連結数2~40個の連結凝集したシリカ粒子群からなるものであることが好ましい。
このような反応性異形無機粒子としては、シランカップリング剤で表面装飾された異形無機粒子が好ましく挙げられる。シランカップリング剤としては、アルコキシ基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基などを有する公知のシランカップリング剤が挙げられ、より具体的には、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが好ましく挙げられ、より好ましくは、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシランである。
異形無機粒子をシランカップリング剤で表面装飾する方法は、特に制限はなく公知の方法であればよく、シランカップリング剤をスプレーする乾式の方法や、異形無機粒子を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式の方法などが挙げられる。
また、保護層3を形成する硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有するポリマーに加えて、多官能イソシアネートを含んでいてもよい。多官能イソシアネートは、イソシアネート基を2個以上有する化合物である。多官能イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等や、ブロック化されたイソシアネート化合物等も挙げられる。
また、多官能イソシアネートのうち、電離放射線硬化性官能基としてビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも一種をさらに有するものが、高硬度性の観点から特に好ましい。具体的には「Laromer LR9000(商品名)」(BASF社製)のように、エチレン性不飽和結合を有する官能基を少なくとも1個と、2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートが好ましい。
上記のインキ組成物中の反応性無機粒子および/または反応性異形無機粒子の含有量は、好ましくは15~60質量%、より好ましくは20~50質量%である。ここで、インキ組成物中の反応性無機粒子および/または反応性異形無機粒子の含有量は、ポリマーならびに反応性無機粒子および/または反応性異形無機粒子の合計に対する反応性無機粒子および/または反応性異形無機粒子の含有量を意味し、ポリマーは固形分である。反応性無機粒子の含有量が上記範囲内であれば、優れた高硬度性および耐スクラッチ性が得られる。
上記のインキ組成物は、粘度を調整する目的で溶媒を含有してもよい。溶媒としては、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ニトロメタン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドなどの含窒素化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレンなどのその他の物;またはこれらの混合物が好ましく挙げられる。より好ましい溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
インキ組成物中の溶媒の量は、該組成物の粘度に応じて適宜選定すればよいが、上記ポリマーの固形分、反応性無機粒子や反応性異形無機粒子およびその他後述する光重合開始剤などを合わせた固形分の含有量が通常10~50質量%程度、好ましくは20~40質量%となるような量である。
上記のインキ組成物は、光重合開始剤を配合することができる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケトン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ケタール系、アントラキノン系、ジスルフィド系、チオキサントン系、チウラム系、フルオロアミン系などの光重合開始剤が挙げられる。なかでも、アセトフェノン系、ケトン系、ベンゾフェノン系が好ましく挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用することができ、また複数を組み合わせて使用することもできる。
光重合開始剤の含有量は、上記のポリマーと無機粒子の合計に対して、0.5~10質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは1~8質量%、さらに好ましくは3~8質量%であり、該ポリマーおよび無機粒子は固形分を基準としたものである。
上記のインキ組成物は、得られる所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、酸化防止剤、レベリング剤、チキソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤などが挙げられる。
また、保護層3が熱硬化性樹脂から構成される場合、熱硬化性樹脂としては、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、アクリルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、ポリエステルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、アクリル酸をメラミンで硬化させた樹脂などを用いることができる。さらに、保護層3が熱硬化性樹脂から構成される場合、熱硬化性樹脂に無機粒子を添加してもよい。熱硬化性樹脂に添加する無機粒子としては、保護層3が電離放射線硬化性樹脂から構成される場合と同様に、上述の無機粒子を用いることができる。
また、保護層3が熱可塑性樹脂から構成される場合、熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。さらに、保護層3が熱硬化性樹脂から構成される場合、熱可塑性樹脂に無機粒子を添加してもよい。熱可塑性樹脂に添加する無機粒子としては、保護層3が電離放射線硬化性樹脂から構成される場合と同様に、上述の無機粒子を用いることができる。
通常、保護層3の厚さは、0.5~30μmの範囲内であることが好ましく、1~15μmの範囲内であることがより好ましい。保護層3の厚さが、上記範囲内であると、箔チリ発生の抑制と優れた成形性とをより一層効果的に発揮することができ、また、優れた高硬度性、耐スクラッチ性、耐薬品性、および耐汚染性等の表面物性が得られる。
[アンカー層4]
本発明の加飾シート10において、アンカー層4は、硬化性樹脂を用いて形成することができ、インモールド成形における高温での耐熱性を向上させるために設けられる層である。
アンカー層4は、保護層3の離型層2側とは反対側に設けられる。加飾シート10が接着層5を有する場合であれば、アンカー層4は、保護層3と接着層5との間に設けることができる。また、加飾シート10が後述の絵柄層を有する場合であれば、保護層3と絵柄層との間などに設けることができる。
アンカー層4の形成に用いられる硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の電離放射線硬化性官能基を有するポリマーを用いることができ、例えば、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびポリエーテル(メタ)アクリレートを挙げることができ、特にウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、アクリルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、ポリエステルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、およびアクリル酸をメラミンで硬化させた樹脂が挙げられる。
また、アンカー層4は、アクリルポリオールとイソシアネートとを反応してなる樹脂を含むことが好ましい。アンカー層が、アクリルポリオールとイソシアネートとを反応してなる樹脂を含み、絵柄層または接着層がアクリルポリオールを含むことで、絵柄層または接着層の密着性を向上することができる。また、保護層3の樹脂とアンカー層のアクリルポリオールとイソシアネートとを反応してなる樹脂との親和性により、保護層3、アンカー層4、および絵柄層または接着層5の各層間の密着性を向上させることができる。
さらに、アンカー層4は、上記の樹脂に必要な添加剤を加えたものを適当な溶剤に溶解または分散させて調製したインキを、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段により塗布・乾燥させて形成することができる。通常、アンカー層の厚さは、0.1~6μmの範囲内であることが好ましく、1~5μmの範囲内であることがより好ましい。
[絵柄層]
本発明の加飾シート10において、絵柄層は、加飾シート10の意匠性を付与するために必要に応じて設けられる層であり、模様、文字、およびパターン状の絵柄等を表現する柄層である。
絵柄層は、保護層3の離型層2側とは反対側に設けられる。加飾シート10が接着層5を有する場合であれば、絵柄層は、保護層3と接着層5との間に設けることができる。また、加飾シート10がアンカー層4を有する場合であれば、アンカー層4の保護層3側とは反対側などに設けることができる。
絵柄層が表現する柄としては、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、ストライプ状やグラデーションの絵柄等が挙げられる。なお、より深みのある意匠を表現するために、例えば絵柄層間に透明アンカーコート層及び/または透明メジウム層を挟むような層順とするなどの工夫を施してもよい。好ましい態様によれば、インク層を有するインクリボンを用いた熱転写プリンターによって、該インク層が転写して形成されるものである。このように熱転写により絵柄層を形成することで、小ロット多品種での製造に対応でき、グラデーション等の複雑な意匠を表現することができる。また、印画する画像は、デジタル情報での画像処理工程のみであり、一般の製版、印版等の工程が不要となり、工程数の低減による納期の短縮および設備の不要によるコストの低減を実現することができる。
絵柄層の形成に用いられるインキの樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂(塩酢ビ系樹脂)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。本発明においては、これらの樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、耐熱性、着色剤の移行性等の点から、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が好ましく、アクリル系樹脂と塩酢ビ系樹脂の混合樹脂が特に好ましい。上記インキは、上記の各種樹脂よりなるバインダーに加えて、顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。
上記インキに用いる着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルーチタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(あるいは染料も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属粉末からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料、蛍光顔料等を、1種または2種以上を混合して用いることができる。
なお、絵柄層は、金属薄膜層等でもよい。金属薄膜層の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜する。あるいはこれらの組み合わせでもよい。該金属薄膜層は、全面に設けても、あるいは、部分的にパターン状に設けてもよい。
絵柄層は、柄層上に、隠蔽層をさらに設けたものでもよい。隠蔽層は、加飾シート10を加飾成形品に転写した後の地肌(成形体)の模様や着色を隠蔽等の目的で設けられるものである。このため、成形体に転写後の層構成は、(表面側)絵柄層(柄層/遮蔽層)/接着層(成形体側)となるのがよい。遮蔽層は、通常、模様のない全面ベタ状または一部ベタ状の着色層として形成される。なお、柄層がベタ層の作用(遮蔽効果)を兼ねる場合もあり、この場合には、遮蔽層を形成しなくてもよい。遮蔽層は、上記の柄層と同様の着色顔料を含有するインキを用いて形成することができる。
通常、絵柄層の厚さは、好ましくは0.5~40μm、より好ましくは1~5μmである。絵柄層の厚さが、上記範囲内であると、グラデーション等の複雑な意匠を表現するために十分な厚さを確保できる。
[接着層5]
本発明の加飾シート10において、接着層5は、絵柄層を接着性よく樹脂成形体に転写するための層である。本発明において、接着層5は、樹脂を含むものであることが好ましく、添加剤等をさらに含んでもよい。接着層5の形成に用いる樹脂としては、樹脂成形体の素材に適した感熱性または感圧性の樹脂を適宜選択して用いることができる。例えば、樹脂成形体の材質が、ポリフェニレンオキサイド-ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびスチレン系樹脂の場合には、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびポリアミド系樹脂等を用いることが好ましい。また、樹脂成形体の材質が、ポリプロピレン樹脂の場合には、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、および環化ゴム、クマロンインデン樹脂等を使用することが好ましい。
さらに、接着層5は、上記の樹脂に必要な添加剤を加えたものを適当な溶剤に溶解または分散させて調製したインキを、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段により塗布・乾燥させて形成することができる。通常、接着層の厚さは、0.1~5μmの範囲内であることが好ましく、1~5μmの範囲内であることがより好ましい。
なお、絵柄層が、樹脂成形体に対して十分な接着性を有する場合には、接着層を設けなくてもよい。
[帯電防止層]
本発明の加飾シート10の帯電防止層は、加飾成形品の製造工程、特に転写工程において、加飾シート10への異物の付着を防止するために、必要に応じて、転写用基材1の外側(すなわち、離型層2側とは反対側)に設けられる層である。
帯電防止層は、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等の金属、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)等の金属酸化物、および黒鉛等からなる導電性物質の粉末または微薄片、あるいは導電性ポリマーを含むものであり、界面活性剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
さらに、帯電防止層は、上記の導電性物質に界面活性剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な溶剤に溶解または分散させて調製したインキを、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段により塗布・乾燥させて形成することができる。通常、帯電防止層の厚みは、109~1012Ω/□の表面抵抗値を発現する範囲であることが好ましい。
本発明においては、各層を形成するためのインキには、公知の種々の溶剤を用いることができ、目標とする粘度等の性質に応じて適宜選択して組み合わせて用いることができる。例えば、溶剤としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル類、ニトロメタン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等の窒素含有化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン等の他の溶剤、またはこれらの混合物が挙げられる。特に、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等が好ましい。
2.樹脂成形品及びその製造方法
本発明の樹脂成形品は、本発明の加飾シート10と成形樹脂層6とを一体化させることにより成形されてなるものである。具体的には、加飾シート10の支持体とは反対側に成形樹脂層6を積層することにより、少なくとも成形樹脂層6と、転写層と、支持体とがこの順に積層された、支持体付き樹脂成形品21が得られる(例えば図4を参照)。次に、支持体付き樹脂成形品21から支持体を剥離することにより、少なくとも成形樹脂層6と保護層3とがこの順に積層された本発明の樹脂成形品が得られる(例えば図5を参照)。図4,5に示されるように、本発明の樹脂成形品では、必要に応じて、上述のアンカー層4、絵柄層、接着層5、帯電防止層などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。
本発明の樹脂成形品20は、以下の工程を備える製造方法により製造することができる。
加飾シート10の転写用基材1とは反対側に成形樹脂層6を積層する工程、
前記転写用基材1及び離型層2を、転写層から剥離する工程
加飾シートを例えば射出成形同時転写加飾法に適用する場合、本発明の樹脂成形品の製造方法としては、例えば以下の工程(1)~(5)を含む方法が挙げられる。
(1)まず、上記転写用加飾シートの転写層9側(支持体と反対側)を金型内に向けて、熱盤によって転写層9側から加飾シートを加熱する工程、
(2)該加飾シートを金型内形状に沿うように予備成形(真空成形)して金型内面に密着させて型締する工程、
(3)樹脂を金型内に射出する工程、
(4)該射出樹脂を冷却した後に金型から樹脂成形品(支持体付き樹脂成形品)を取り出す工程、及び
(5)樹脂成形品の転写層から転写用基材及び離型層(支持体)を剥離する工程。
上記両工程(1)及び(2)において、加飾シートを加熱する温度は、転写用基材1のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常はガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲を指し、転写用基材1として好適なポリエステルフィルムを使用する場合には、一般に70~130℃程度である。なお、あまり複雑でない形状の金型を用いる場合は、加飾シートを加熱する工程や、加飾シートを予備成形する工程を省略し、後記する工程(3)において、射出樹脂の熱と圧力によって加飾シートを金型の形状に成形してもよい。
上記両工程(3)において、後述する成形用樹脂を溶融させて、キャビティ内に射出して該加飾シートと成形用樹脂とを一体化させる。成形用樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、加熱溶融によって流動状態にして、また、成形用樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、未硬化の液状組成物を室温又は適宜加熱して流動状態で射出して、冷却して固化させる。これによって、加飾シートが、形成された樹脂成形体と一体化して貼り付き、支持体付き樹脂成形品となる。成形用樹脂の加熱温度は、成形用樹脂の種類によるが、一般に180~320℃程度である。
このようにして得られた支持体付き樹脂成形品は、工程(4)において冷却した後に金型から取り出した後、工程(5)において支持体を転写層から剥離することにより樹脂成形品を得る。また、支持体を転写層から剥離する工程は、加飾樹脂成形品を金型から取り出す工程と同時に行われてもよい。すなわち、工程(5)は工程(4)に含まれるものであってもよい。
さらに、樹脂成形品の製造は、真空圧着法により行うこともできる。真空圧着法では、まず、上側に位置する第1真空室及び下側に位置する第2真空室からなる真空圧着機内に、本発明の加飾シート及び樹脂成形体を、加飾シートが第1真空室側、樹脂成形体が第2真空室側となるように、且つ加飾シートの成形樹脂層6を積層する側が樹脂成形体側に向くように真空圧着機内に設置し、2つの真空室を真空状態とする。樹脂成形体は、第2真空室側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台上に設置される。次いで、第1の真空室を加圧すると共に、昇降台を用いて成形体を加飾シートに押し当て、2つの真空室間の圧力差を利用して、加飾シートを延伸しながら樹脂成形体の表面に貼着する。最後に2つの真空室を大気圧に開放し、支持体を剥離し、必要に応じて加飾シートの余分な部分をトリミングすることにより、本発明の樹脂成形品を得ることができる。
真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。当該工程を備える真空圧着法は、特に真空加熱圧着法と呼ばれることがある。当該工程における加熱温度は、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、例えば転写用基材1としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常60~200℃程度とすることができる。
本発明の樹脂成形品において、成形樹脂層6は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂層6を形成する成形用樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、支持体付き樹脂成形品において、支持体は、樹脂成形品の保護シートとしての役割を果たすので、支持体付き樹脂成形品の製造後に剥離させずにそのまま保管しておき、用時に支持体を剥がしてもよい。このような態様で使用することにより、輸送時の擦れ等によって樹脂成形品に傷付きが生じるのを防止することができる。
本発明の樹脂成形品は、優れた耐薬品性を有するため、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1~3及び比較例1~2)
[加飾シートの製造]
まず、転写用基材として、75μmの厚さのPETフィルム(東レ(株)製、商品名:S10)を用意した。グラビア印刷法により、転写用基材の一方の面に、下記組成の離型層用インキを塗工量0.7g/m2で印刷し、乾燥・硬化させて離型層を形成した後、40℃で3日間養生した。次に、グラビア印刷法により、離型層上に、下記組成の保護層用インキを塗工量3.5g/m2で印刷し、乾燥後、紫外線(16mJ/cm2)を照射することで、保護層を半硬化とした。次に、グラビア印刷法により、保護層上に、下記組成のアンカー層用インキを塗工量2.5g/m2で印刷して、アンカー層を形成した。次に、グラビア印刷法により、アンカー層上に、接着層用インキ塗工量2.5g/m2で印刷し、100℃で60秒加熱して乾燥させて接着層を形成した後、40℃で3日間養生した。以上の工程により、転写用基材/離型層/保護層/アンカー層/接着層が順に積層された各加飾シートを得た。
(離型層用インキの組成と形成条件)
<実施例1~3及び比較例1~2:熱硬化性樹脂組成物>
・アクリルポリオール(DNPファインケミカル(株)製、商品名:BCD #128 クリアー SU100A) 100質量部
・イソシアネート化合物(三井化学(株)製、商品名:タケネートD-110N) それぞれ、アクリルポリオールの水酸基価に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が表1に記載の比となるように配合
・希釈溶剤:メチルエチルケトン 所定量
・形成条件:100℃で30秒加熱して乾燥させる
(保護層用インキの組成と形成条件)
・紫外線硬化型アクリルアクリレート(大日精化(株)製、商品名:セイカビームHT-X) 100質量部
・紫外線硬化型アクリルアクリレート(大日精化(株)製、商品名:セイカビームEXF-HT1) 42.9質量部
・希釈溶剤:メチルエチルケトン 所定量
・形成条件:100℃で30秒加熱して乾燥させ、16mJ/cm2の条件で紫外線照射
(アンカー層用インキの組成と形成条件)
・アクリルポリオール(大日精化(株)製、商品名:TM-VMAC) 100質量部
・ヘキサンメチレンジイソシアネート(大日精化(株)製、商品名:PTC RC-3) 10質量部
・希釈溶剤:メチルエチルケトン 所定量
・形成条件:100℃で60秒加熱して乾燥させる
(離型層のガラス転移温度の測定)
以下の手順により、実施例1~3及び比較例1,2の離型層のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。離型層2のガラス転移温度(Tg)は、剛体振り子型物性試験器(エー・アンド・デイ社製のRPT-3000W)を用いて測定され、具体的な測定条件は以下の通りである。加飾シートのサンプルサイズは、15mm×40mmとし、加飾シートの転写層側の面に、ニチバン(株)製セロテープ(登録商標)を貼り付けた。その後、180°方向に剥離速度5.0mm/secでセロテープとともに転写層を加飾シートから剥離し、離型層を露出させた。サンプルをSUS板(20mm×50mm)の上に、露出した離型層が上を向くよう設置し、耐熱テープで固定する。これを試料マウント(CHB-100)に設置し、試料マウントを測定部に設置する。フレームにFRB-100、振り子のパイプとしてRPB-040を使用し、昇温速度5℃/minで測定し、対数減衰率が高くなっている温度領域の中で、最も高い値となっている温度を測定値とする。
(保護層のガラス転移温度の測定)
測定対象を保護層としたこと以外は、離型層のガラス転移温度と同様にして、実施例1~3及び比較例1,2の保護層のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<離型層の硬化性の評価>
各加飾シートの製造において、保護層用インキを離型層の上に塗工した際に、溶剤が離型層に浸透することによる割れや、60秒経過後による拭き取り痕の発生について確認し、以下の規準により評価した。結果を表1に示す。
A:離型層に割れや拭き取り痕は発生していない。
C:離型層に割れ又は拭き取り痕が発生している。
<剥離強度の測定(23℃及び80℃>
まず、幅50mm、長さ150mmの両面テープを、該テープと同じサイズにした加飾シートの接着層に貼り付け、平らなガラス板に固定した。次に、固定した加飾シートの転写用基材面に幅25mm、長さ100mmのセロファンテープ(ニチバン(株)製のセロファン粘着テープ、「セロテープ(登録商標)」)を密着させ、密着させたセロファンテープに沿ってカッターで切り込みを入れ、25mm幅となるようにカットした。次に、密着させたセロテープ(登録商標)ごと、離型層と保護層の界面を剥離させて、保護層を10mmほど浮かせ、その先端に引っ掛け治具を貼り付けた。23℃環境又は80℃環境において、それぞれ、該引っ掛け治具にテンションゲージ(荷重測定用)のフックをひっかけ、該テンションゲージを保護層と離型層との剥離角度が常に90°となるように、剥離速度100mm/minで引張り、10mm以上剥離した際の最大荷重を剥離強度(N/25mm)とした。結果を表1に示す。
<箔チリの評価(浮き・割れの発生の確認)>
(マンドレル試験)
上記で得られた各加飾シートについて、転写用基材側を、φ2金属棒(直径2mmのステンレス鋼製)に半周ほど巻き付け、転写用基材の両末端を交互に引っ張り金属棒に数回擦りつけた。次に、加飾シートを巻出し、金属棒に擦り付けた転写用基材の表面に浮きや割れが発生しているか否かを目視で確認した。φ4金属棒、φ5金属棒でも同様の操作を行い、以下の規準により評価を行った。結果を表1に示す。
1点:転写用基材の浮きや割れは全く発生していない。
0点:転写用基材の浮きや割れが発生している。
上記評価をφ2金属棒、φ4金属棒、φ5金属棒にて行い、点数の合計が、2点以上の評価をA、2点未満の評価をCとした。
(裁断試験)
上記で得られた各加飾シートを、転写用基材側を下にして、隙間を開けて配置した2枚のカッターマット上に設置した。カッター刃としては、エヌティー社製のBA-52Pの新品を使用した。次に、転写用基材に対して垂直方向(厚み方向)に隙間方向からカッターの刃を入れ、すばやく長さ方向に5cmほど裁断した。裁断によって形成された端面について、転写用基材に浮きや割れが発生しているか否かを目視で確認して、以下の規準により評価を行った。結果を表1に示す。
A:転写用基材の浮きや割れは発生していない。
B:転写用基材の割れは発生していない。
C:転写用基材の浮きや割れが発生している。
<成形性評価>
インモールド成形用金型内に、上記で得られた各加飾シートを挿入(接着層が射出樹脂と接着する方向に挿入)した後、該金型内にPC(ポリカーボネート)を樹脂温度300℃で射出して、インモールド成形により支持体付き樹脂成形品を得た。次に、支持体付き樹脂成形品から、転写用基材を手で剥離(離型層と保護層との界面で剥離)した後、紫外線(800mJ/cm2)を照射し、保護層を完全硬化させることで、樹脂成形品を得た。その後、得られた樹脂成形品の保護層の表面に箔離痕が形成されているか否かについて、目視で観察して、以下の規準により評価を行った。結果を表1に示す。
A:保護層の表面に箔離痕が形成されていない。
C:保護層の表面に箔離痕が形成されている。
Figure 0007404637000001
1 転写用基材
2 離型層
3 保護層
4 アンカー層
5 接着層
6 成形樹脂層
9 転写層
10 加飾シート
20 樹脂成形品
21 支持体付き樹脂成形品

Claims (7)

  1. 転写用基材上に、少なくとも、離型層と、転写層とをこの順に有する加飾シートであって、
    前記離型層は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成されており、
    前記硬化性樹脂は、アクリルポリオール及びイソシアネート化合物を含み、
    前記アクリルポリオールの水酸基価に対する、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が1/1~1/0.01であり、
    前記離型層のガラス転移温度Tgが、110℃以上127℃以下であり、
    23℃環境における、前記離型層の前記転写層からの剥離強度が、0.05N/25mm以上0.5N/25mm以下である、加飾シート。
  2. 23℃環境における、前記離型層の前記転写層からの剥離強度が、0.1N/25mm以上0.5N/25mm以下である、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 80℃環境における、前記離型層の前記転写層からの剥離強度が、3.0N/25mm以下である、請求項1又は2に記載の加飾シート。
  4. 前記転写層は、前記離型層と隣接した面に保護層を有し、
    前記保護層のガラス転移温度Tgが、100~130℃の範囲である、請求項1~のいずれか1項に記載の加飾シート。
  5. 前記転写層は、前記離型層と隣接した面に保護層を有し、
    前記保護層は、アクリル系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の加飾シート。
  6. 前記転写層は、前記離型層と隣接した面に保護層を有し、
    前記保護層の前記離型層側とは反対側に、アンカー層及び接着層の少なくとも一方を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の加飾シート。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の加飾シートの前記転写用基材とは反対側に成形樹脂層を積層する工程と、
    前記転写用基材及び離型層を、前記転写層から剥離する工程と、
    を備える、樹脂成形品の製造方法。
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