JP2019055481A - 転写シート、転写シートの製造方法、及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリット時の箔チリを抑制するとともに転写適性が良好な転写シートを提供する。【解決手段】離型シート上に転写層を有してなり、前記離型シートは支持体上に樹脂層を有し、前記樹脂層及び前記転写層は紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記離型シートは、前記転写層側の表面に、被転写物に転写するための第1領域と、前記第1領域に隣接した第2領域とを有し、前記離型シートの前記第1領域と前記転写層との接着力をA1、前記離型シートの前記第2領域と前記転写層との接着力をA2とした際に、A1<A2の関係を満たす、転写シート。【選択図】図1
Description
本発明は、転写シート、転写シートの製造方法、及び加飾成形品の製造方法に関する。
家庭用電化製品、自動車内装品、及び雑貨品等の分野において、転写法により物品の表面を装飾する場合がある。
転写法は、基材上に、剥離層、図柄層、接着剤層などからなる転写層を形成した転写シートを、被転写物である物品に密着させた後、基材を剥離して、被転写物表面に転写層のみを転写して装飾を行う方法である。
転写法は、基材上に、剥離層、図柄層、接着剤層などからなる転写層を形成した転写シートを、被転写物である物品に密着させた後、基材を剥離して、被転写物表面に転写層のみを転写して装飾を行う方法である。
転写法では、転写層の構成を調整することにより、被転写物である物品に光沢感を付与したり、あるいは、逆に、光沢感を減らしてマット感を付与したりすることができる。
例えば、特許文献1には、基体シート上に全面的にマット剤を含有する離型層と、部分的に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するマスク層と、転写層として剥離層と図柄層とが形成されたことを特徴とする部分マット転写シートが開示されている。
例えば、特許文献1には、基体シート上に全面的にマット剤を含有する離型層と、部分的に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するマスク層と、転写層として剥離層と図柄層とが形成されたことを特徴とする部分マット転写シートが開示されている。
特許文献1の部分転写シートは、全面に離型層を形成しており、転写後の離型性という観点では良好な性能を有している。
ところで、転写シートを製造する場合、製造効率を高めために、幅広の基材上に各層を積層した後、被転写物の幅に合わせてスリットすることがある。特許文献1の部分転写シートをスリットすると、転写シートの断片が周囲に飛び散り、付着した断片によって転写シートの外観が損なわれるという問題があった。以下、転写シートの断片が周囲に飛び散ることを「箔チリ」と称する場合がある。
ところで、転写シートを製造する場合、製造効率を高めために、幅広の基材上に各層を積層した後、被転写物の幅に合わせてスリットすることがある。特許文献1の部分転写シートをスリットすると、転写シートの断片が周囲に飛び散り、付着した断片によって転写シートの外観が損なわれるという問題があった。以下、転写シートの断片が周囲に飛び散ることを「箔チリ」と称する場合がある。
本発明は、スリット時の箔チリを抑制するとともに、転写適性が良好な転写シート、該転写シートの製造方法、及び該転写シートを用いた加飾成形品の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]離型シート上に転写層を有する転写シートであって、前記離型シートは支持体上に樹脂層を有し、前記樹脂層及び前記転写層は紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、
前記離型シートは、前記転写層側の表面に、被転写物に転写するための第1領域と、前記第1領域に隣接した第2領域とを有し、前記離型シートの前記第1領域と前記転写層との接着力をt1、前記離型シートの前記第2領域と前記転写層との接着力をt2とした際に、t1<t2の関係を満たす、転写シート。
[2]下記(A1)〜(A4)工程を順に行う、上記[1]に記載の転写シートの製造方法。
(A1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を形成した積層体を得る工程。
(A3)積層体の樹脂層の第1領域上に離型層を形成し、離型シートを得る工程。
(A4)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、紫外線を照射して、転写層を形成する工程。
[3]下記(B1)〜(B4)工程を順に行う、上記[1]に記載の転写シートの製造方法。
(B1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(B2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(B3)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、未硬化の転写層を形成する工程。
(B4)第2領域上の転写層に紫外線を照射して、該部分の転写層を硬化する工程。
[4]下記(C1)〜(C3)工程を順に行う、加飾成形品の製造方法。
(C1)上記[1]に記載の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
[1]離型シート上に転写層を有する転写シートであって、前記離型シートは支持体上に樹脂層を有し、前記樹脂層及び前記転写層は紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、
前記離型シートは、前記転写層側の表面に、被転写物に転写するための第1領域と、前記第1領域に隣接した第2領域とを有し、前記離型シートの前記第1領域と前記転写層との接着力をt1、前記離型シートの前記第2領域と前記転写層との接着力をt2とした際に、t1<t2の関係を満たす、転写シート。
[2]下記(A1)〜(A4)工程を順に行う、上記[1]に記載の転写シートの製造方法。
(A1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を形成した積層体を得る工程。
(A3)積層体の樹脂層の第1領域上に離型層を形成し、離型シートを得る工程。
(A4)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、紫外線を照射して、転写層を形成する工程。
[3]下記(B1)〜(B4)工程を順に行う、上記[1]に記載の転写シートの製造方法。
(B1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(B2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(B3)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、未硬化の転写層を形成する工程。
(B4)第2領域上の転写層に紫外線を照射して、該部分の転写層を硬化する工程。
[4]下記(C1)〜(C3)工程を順に行う、加飾成形品の製造方法。
(C1)上記[1]に記載の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
本発明によれば、スリット時の箔チリを抑制するとともに転写適性が良好な転写シート、該転写シートの製造方法、及び該転写シートを用いた加飾成形品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本明細書において「AA〜BB」とは、「AA以上BB以下」のことをいう。
また、本明細書において、幅方向とは、転写シートのTD方向(Transverse Direction)のことを意味し、流れ方向とは、転写シートのMD方向(Machine Direction)のことを意味する。
なお、本明細書において「AA〜BB」とは、「AA以上BB以下」のことをいう。
また、本明細書において、幅方向とは、転写シートのTD方向(Transverse Direction)のことを意味し、流れ方向とは、転写シートのMD方向(Machine Direction)のことを意味する。
[転写シート]
本発明の転写シートは、離型シート上に転写層を有してなり、前記離型シートは支持体上に樹脂層を有し、前記樹脂層及び前記転写層は紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記離型シートは、前記転写層側の表面に、被転写物に転写するための第1領域と、前記第1領域に隣接した第2領域とを有し、前記離型シートの前記第1領域と前記転写層との接着力をt1、前記離型シートの前記第2領域と前記転写層との接着力をt2とした際に、t1<t2の関係を満たす、ものである。
本発明の転写シートは、離型シート上に転写層を有してなり、前記離型シートは支持体上に樹脂層を有し、前記樹脂層及び前記転写層は紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記離型シートは、前記転写層側の表面に、被転写物に転写するための第1領域と、前記第1領域に隣接した第2領域とを有し、前記離型シートの前記第1領域と前記転写層との接着力をt1、前記離型シートの前記第2領域と前記転写層との接着力をt2とした際に、t1<t2の関係を満たす、ものである。
図1〜図3は、本発明の転写シート100の実施の形態を示すTD方向の断面図である。
図1〜図3において、転写シート100は、表面に第1領域R1及び第2領域R2を有する離型シート10と、離型シート10上に形成された転写層20とを有している。また、図1〜図3において、離型シート10は第1領域に凹凸部3を有し、転写層20は保護層21及び接着剤層22から構成されている。また、図1の離型シート10は離型層4を有し、図3の離型シート10は第2領域R2に突出部5を有している。
なお、図1〜図3は本発明の転写シートの実施の形態であり、本発明の転写シートは各図の構成に限定されない。
図1〜図3において、転写シート100は、表面に第1領域R1及び第2領域R2を有する離型シート10と、離型シート10上に形成された転写層20とを有している。また、図1〜図3において、離型シート10は第1領域に凹凸部3を有し、転写層20は保護層21及び接着剤層22から構成されている。また、図1の離型シート10は離型層4を有し、図3の離型シート10は第2領域R2に突出部5を有している。
なお、図1〜図3は本発明の転写シートの実施の形態であり、本発明の転写シートは各図の構成に限定されない。
本発明の転写シートは、離型シートの第1領域と転写層との接着力をt1、離型シートの第2領域と転写層との接着力をt2とした際に、t1<t2の関係を満たすものである。
t1<t2の関係を満たさない場合、離型シートの第2領域と転写層との接着力t2が相対的に小さくなり、転写シートを第2領域でスリットする際に箔チリが生じることを抑制できない。また、t1<t2の関係を満たさない場合、離型シートの第1領域と転写層との接着力t1が相対的に大きくなり、転写適性を良好にすることができない。
t1<t2の関係を満たさない場合、離型シートの第2領域と転写層との接着力t2が相対的に小さくなり、転写シートを第2領域でスリットする際に箔チリが生じることを抑制できない。また、t1<t2の関係を満たさない場合、離型シートの第1領域と転写層との接着力t1が相対的に大きくなり、転写適性を良好にすることができない。
本発明の転写シートは、離型シートの第2領域において、樹脂層と転写層とが接しており、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とが化学的に結合してなることが好ましい。例えば、後述する(A1)〜(A4)工程、あるいは、後述する(B1)〜(B4)工程によって転写シートを製造することにより、かかる構成を備えた転写シートを製造できる。転写シートがかかる構成を備えることにより、t1<t2の関係を満たしやすくできる。
t1<t2の関係が成立するか否かは、例えば、JIS K5600−5−6:1999のクロスカット法により確認することができる。なお、クロスカット法には、分類0から分類5までの6つの分類があり、分類0は接着力が最も良好であることを意味し、分類5は接着力が最も悪いことを意味している。かかる分類において、t1は、分類3〜5であることが好ましく、分類5であることがより好ましく、t2は、分類0〜2であることが好ましく、分類0であることがより好ましい。また、t1の分類番号と、t2の分類番号との差は3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、5であることがさらに好ましい。
<離型シート>
離型シートは、転写層側の表面に第1領域及び第2領域を有するものである。離型シートは、樹脂成形体等の被着体に転写層を密着した後に分離される。
第1領域及び第2領域は、図1〜図3に示すように、離型シートのTD方向に並んで配置されることが好ましい。また、離型シート10は、製造効率の観点から、図5に示すように、第1領域R1及び第2領域R2を含む構成単位を複数有することが好ましい。
離型シートは、転写層側の表面に第1領域及び第2領域を有するものである。離型シートは、樹脂成形体等の被着体に転写層を密着した後に分離される。
第1領域及び第2領域は、図1〜図3に示すように、離型シートのTD方向に並んで配置されることが好ましい。また、離型シート10は、製造効率の観点から、図5に示すように、第1領域R1及び第2領域R2を含む構成単位を複数有することが好ましい。
離型シートは、支持体及び樹脂層を含む。なお、離型シートは、転写層の剥離性を良好にするための離型層を有するものであってもよい。
<<支持体>>
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性、寸法安定性に優れ、位置合わせの適性に優れる2軸延伸ポリエステルフィルムが好適である。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性、寸法安定性に優れ、位置合わせの適性に優れる2軸延伸ポリエステルフィルムが好適である。
支持体の厚みは、成形性、形状追従性、取り扱いの観点から、12〜150μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。
また、支持体の表面には、樹脂層等との接着性を高めるために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理や、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
また、支持体の表面には、樹脂層等との接着性を高めるために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理や、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
<<樹脂層>>
樹脂層は、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。
樹脂層は、樹脂成分として、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物以外の樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物)を含んでいてもよいが、樹脂層を構成する全樹脂成分のうち、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
樹脂層は、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。
樹脂層は、樹脂成分として、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物以外の樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物)を含んでいてもよいが、樹脂層を構成する全樹脂成分のうち、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を70質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことがよりさらに好ましい。
樹脂層は、コーティングにより形成してもよいが、正確にかつ精密な形状を形成する観点から、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いた印刷により形成することが好ましい。樹脂層がその他の領域を有する場合、該版は、さらに、その他の領域と相補的な形状を有することが好ましい。版を用いた樹脂層の形成方法の詳細は後述する。
紫外線硬化性樹脂組成物は、紫外線硬化性官能基を有する化合物(以下、「紫外線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。紫外線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
紫外線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、転写シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、紫外線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
紫外線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、転写シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、紫外線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記紫外線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記紫外線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂層形成用インキは、光重合開始剤を含む。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。なお、樹脂層に接する転写層(図1〜図3の場合は保護層)形成用インキには、樹脂層形成用インキと同一種の光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。なお、樹脂層に接する転写層(図1〜図3の場合は保護層)形成用インキには、樹脂層形成用インキと同一種の光重合開始剤を含むことが好ましい。
樹脂層形成用インキ中の光重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましく、7質量部以上であることがよりさらに好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物100質量部に対して光重合開始剤を1質量部以上とすることにより、後述の(A2)工程及び(B2)工程の後に、樹脂層の支持体とは反対側の表面付近に光重合開始剤及び紫外線硬化性樹脂組成物の官能基を残存させやすくなり、後述の(A4)工程及び(B4)工程において、第2領域の樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、第2領域の転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とが化学的に結合させやすくすることができる。
なお、光重合開始剤の含有量が過剰になると、上述の効果の向上が見られない一方で樹脂層の物性が低下するため、樹脂層形成用インキ中の光重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物100質量部に対して光重合開始剤を1質量部以上とすることにより、後述の(A2)工程及び(B2)工程の後に、樹脂層の支持体とは反対側の表面付近に光重合開始剤及び紫外線硬化性樹脂組成物の官能基を残存させやすくなり、後述の(A4)工程及び(B4)工程において、第2領域の樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、第2領域の転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とが化学的に結合させやすくすることができる。
なお、光重合開始剤の含有量が過剰になると、上述の効果の向上が見られない一方で樹脂層の物性が低下するため、樹脂層形成用インキ中の光重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
樹脂層形成用インキは、光重合促進剤を含むことが好ましい。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
樹脂層の厚みは特に限定されないが、1〜15μmであることが好ましく、2〜12μmであることがより好ましい。
<<第1領域>>
離型シート10の第1領域R1は、主として、被着体に転写層を転写する領域に該当する。
被着体への転写は、被着体と転写層との接着力をt3とした際に、例えば、t1<t2<t3の関係が成立すれば可能である。このため、第1領域と被着体に転写層を転写する領域とは必ずしも一致しなくてもよい。例えば、第1領域のみならず第2領域の一部が被着体に転写されてもよいし、第1領域の中の一部分のみが被着体に転写されてもよい。しかしながら、t1、t2、t3の差が小さい場合、第2領域も被着体に転写する設計とすると、転写不良を生じる可能性がある。このため、転写適性を良好にする観点から、第1領域の全部または第1領域の一部を被着体に転写する設計とすることが好ましい。
なお、第1領域の全部または第1領域の一部を被着体に転写する設計とする場合には、t1<t3<t2の関係でも被着体への転写が可能である。
離型シート10の第1領域R1は、主として、被着体に転写層を転写する領域に該当する。
被着体への転写は、被着体と転写層との接着力をt3とした際に、例えば、t1<t2<t3の関係が成立すれば可能である。このため、第1領域と被着体に転写層を転写する領域とは必ずしも一致しなくてもよい。例えば、第1領域のみならず第2領域の一部が被着体に転写されてもよいし、第1領域の中の一部分のみが被着体に転写されてもよい。しかしながら、t1、t2、t3の差が小さい場合、第2領域も被着体に転写する設計とすると、転写不良を生じる可能性がある。このため、転写適性を良好にする観点から、第1領域の全部または第1領域の一部を被着体に転写する設計とすることが好ましい。
なお、第1領域の全部または第1領域の一部を被着体に転写する設計とする場合には、t1<t3<t2の関係でも被着体への転写が可能である。
第1領域の表面形状は、加飾成形品に付与する表面形状に応じて適宜選択するため、特に限定されない。例えば、離型シート10の第1領域R1は、図1〜図3のように少なくとも一部に凹凸部3を有していてもよいし、全面が略平滑であってもよい。
図1〜図3のように、第1領域R1内に凹凸部3を有する場合、被着体には、該凹凸部の相補的形状を有する転写層20が転写され、得られる加飾成形品の表面に凹凸形状を付与することができる。
一方、第1領域R1の表面形状が略平滑である場合、被着体に転写した転写層20の表面形状を略平滑にすることができ、得られる加飾成形品の光沢を高くすることができる。
図1〜図3のように、第1領域R1内に凹凸部3を有する場合、被着体には、該凹凸部の相補的形状を有する転写層20が転写され、得られる加飾成形品の表面に凹凸形状を付与することができる。
一方、第1領域R1の表面形状が略平滑である場合、被着体に転写した転写層20の表面形状を略平滑にすることができ、得られる加飾成形品の光沢を高くすることができる。
第1領域に凹凸部を有する場合、その凹凸の程度の絶対値は特に限定されないが、最大高さ粗さRzは0.2〜4.0μm程度とすることが好ましい。同様に、算術平均粗さRaは0.05〜2.0μm程度とすることが好ましい。
なお、本明細書において、最大高さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の最大高さ粗さRzを意味し、平均粗さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを意味する。Rz及びRaは10回測定した値の平均値とする。
なお、本明細書において、最大高さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の最大高さ粗さRzを意味し、平均粗さは、カットオフ値0.8mmにおけるJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを意味する。Rz及びRaは10回測定した値の平均値とする。
図4及び図5は、本発明の転写シート100の実施の形態を示す平面図である。図4及び図5の左右方向はTD方向、上下方向はMD方向を示している。
通常、スリットはMD方向に平行な方向で行うため、第1領域R1及び第2領域R2は、図4及び図5、並びに図1〜図3に示すようにTD方向に並んでいることが好ましい。
なお、図5に示すように、MD方向においても第1領域R1及び第2領域R2が並んでいる場合、MD方向においても接着力の強度を調整できる点で好ましい。
通常、スリットはMD方向に平行な方向で行うため、第1領域R1及び第2領域R2は、図4及び図5、並びに図1〜図3に示すようにTD方向に並んでいることが好ましい。
なお、図5に示すように、MD方向においても第1領域R1及び第2領域R2が並んでいる場合、MD方向においても接着力の強度を調整できる点で好ましい。
<<第2領域>>
第2領域は第1領域に隣接する領域である。加飾成形品の製造過程において、転写シートは、被着体の大きさに合わせることなどを目的として、第2領域内でスリットされる。
第2領域は第1領域に隣接する領域である。加飾成形品の製造過程において、転写シートは、被着体の大きさに合わせることなどを目的として、第2領域内でスリットされる。
第2領域R2は略平滑でもよいが、図3に示すように、第2領域R2の一部に突出部5を有していてもよい。第2領域の一部に突出部を有することにより、第2領域の突出部を有する箇所と、第2領域の突出部を有さない箇所との間、あるいは、第2領域と第1領域との間の光学特性(光透過率、光反射率等)に差が生じ、位置合わせをすることができる。
位置合わせを行う任意の工程としては、例えば、転写シートを長尺にスリットする工程、転写シートを枚葉に型抜きする工程、転写シートを被着体に転写する工程が挙げられる。位置合わせは、汎用の光電センサーや画像センサーを用いて行うことができる。
位置合わせを行う任意の工程としては、例えば、転写シートを長尺にスリットする工程、転写シートを枚葉に型抜きする工程、転写シートを被着体に転写する工程が挙げられる。位置合わせは、汎用の光電センサーや画像センサーを用いて行うことができる。
第2領域の幅(第2領域のTD方向の長さ)は、スリット工程の作業性を良好にする観点と、歩留まりを良好にする観点とのバランスから、5〜200mmであることが好ましく、10〜150mmであることがより好ましい。離型シートが幅方向に複数の第2領域を有する場合、全ての第2領域の幅が前記範囲であることが好ましい。
第2領域の幅は、転写シートのTD方向の断面写真から読み取ることができる。
第2領域の幅は、転写シートのTD方向の断面写真から読み取ることができる。
第2領域に必要に応じて形成される突出部は任意の構造体から形成される。
突出部の形状としては、任意の方向に延伸したライン状の構造体、ドット状の構造体等が挙げられる。
任意の方向は特に限定されず、斜め方向(例えば、転写シートのTD方向に対して45度)であってもよいが、転写シート100の任意の1辺に平行な方向であることが好ましく、転写シート100のMD方向に平行であることがより好ましい。突出部を該構成とすることにより、位置合わせをしやすくできる。
突出部の形状としては、任意の方向に延伸したライン状の構造体、ドット状の構造体等が挙げられる。
任意の方向は特に限定されず、斜め方向(例えば、転写シートのTD方向に対して45度)であってもよいが、転写シート100の任意の1辺に平行な方向であることが好ましく、転写シート100のMD方向に平行であることがより好ましい。突出部を該構成とすることにより、位置合わせをしやすくできる。
突出部5の高さは、1〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることが好ましく、3〜8μmであることがより好ましく、4〜6μmであることがさらに好ましい。
突出部の高さを1μm以上とすることにより、位置合わせのための光学特性に差をつけやすくすることができる。また、突出部の高さを15μm以下とすることにより、離型シートの製造時や巻き取り時等に、突出部が変形することを抑制できる。
なお、本明細書において、突出部の高さとは、転写シートをTD方向に垂直に切断した際に、突出部を形成する構造体の断面中央部の、離型シートの基準面からの高さのことをいう。本明細書では、第2領域の突出部を有さない箇所を基準面とすることができる。
突出部の高さを1μm以上とすることにより、位置合わせのための光学特性に差をつけやすくすることができる。また、突出部の高さを15μm以下とすることにより、離型シートの製造時や巻き取り時等に、突出部が変形することを抑制できる。
なお、本明細書において、突出部の高さとは、転写シートをTD方向に垂直に切断した際に、突出部を形成する構造体の断面中央部の、離型シートの基準面からの高さのことをいう。本明細書では、第2領域の突出部を有さない箇所を基準面とすることができる。
突出部の幅は、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。
突出部の幅を5μm以上とすることにより、突出部の強度を維持することができるとともに、突出部を均質に形成しやすくできる。また、突出部の幅を200μm以下とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。
なお、本明細書において、突出部の幅とは、突出部を形成する構造体がライン状構造体である場合、構造体の延伸方向に直交する方向で切断した断面の幅のことをいい、突出部を形成する構造体がドット状構造体の場合、構造体の長軸方向で切断した断面の幅のことをいう。
突出部の幅を5μm以上とすることにより、突出部の強度を維持することができるとともに、突出部を均質に形成しやすくできる。また、突出部の幅を200μm以下とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。
なお、本明細書において、突出部の幅とは、突出部を形成する構造体がライン状構造体である場合、構造体の延伸方向に直交する方向で切断した断面の幅のことをいい、突出部を形成する構造体がドット状構造体の場合、構造体の長軸方向で切断した断面の幅のことをいう。
突出部の高さと突出部の幅との比率[突出部の高さ/突出部の幅]は、0.010〜0.050であることが好ましく、0.015〜0.045であることがより好ましく、0.020〜0.040であることがさらに好ましい。
[突出部の高さ/突出部の幅]を0.010以上とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。また、[突出部の高さ/突出部の幅]を0.050以下とすることにより、突出部の形状を維持しやすくできる。
[突出部の高さ/突出部の幅]を0.010以上とすることにより、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる。また、[突出部の高さ/突出部の幅]を0.050以下とすることにより、突出部の形状を維持しやすくできる。
突出部の端部同士の間隔は、突出部の認識率を向上させ、第2領域の面積が必要以上に広くなることを抑制できる観点から、10〜500μmであることが好ましく、15〜450μmであることがより好ましく、20〜400μmであることがさらに好ましく、25〜350μmであることがよりさらに好ましい。なお、突出部上に着色層を形成する場合、間隔を500μm以下とすることにより、着色層が突出部の間の溝に流入することを抑制できる。
本明細書において、突出部の端部同士の間隔とは、突出部の裾の末端間距離をいう。
本明細書において、突出部の端部同士の間隔とは、突出部の裾の末端間距離をいう。
突出部の高さと、突出部の端部同士の間隔との比率[突出部の高さ/突出部の端部同士の間隔]は、0.003〜0.100であることが好ましく、0.005〜0.080であることがより好ましく、0.007〜0.060であることがさらに好ましい。
[突出部の高さ/突出部の端部同士の間隔]を上記範囲とすることにより、突出部の高さと間隔とのバランスが良好となり、突出部の端部の間に裾が形成されにくくなり、位置合わせ精度を良好にできる。
[突出部の高さ/突出部の端部同士の間隔]を上記範囲とすることにより、突出部の高さと間隔とのバランスが良好となり、突出部の端部の間に裾が形成されにくくなり、位置合わせ精度を良好にできる。
突出部上には、着色層を有していてもよい。
着色層を有することにより、位置合わせのための光学特性の差を出しやすくすることができる。なお、本明細書の「着色層」には、光の拡散により白っぽく見える層(例えば、擦りガラスのように見える層)も含むものとする。
着色層を有することにより、位置合わせのための光学特性の差を出しやすくすることができる。なお、本明細書の「着色層」には、光の拡散により白っぽく見える層(例えば、擦りガラスのように見える層)も含むものとする。
着色層は、主として、バインダー樹脂と、顔料及び/又はマット剤とから構成することが好ましい。
着色層の顔料としては、隠蔽性の高い顔料、あるいは反射率の高い顔料を含むことが好ましい。隠蔽性の高い顔料としては、カーボンブラック等の黒色顔料が好ましい。反射率の高い顔料としては、硫酸バリウム、酸化チタン及びパール顔料等が挙げられる。
着色層のマット剤としては、着色層の表面に凹凸を付与し、外部ヘイズを生じさせるものであれば特に制限されることなく使用できる。具体的には、該マット剤としては、シリカ、アルミナ等の無機粒子、アクリル粒子、スチレン粒子等の有機粒子が挙げられる。
着色層のバインダー樹脂は特に限定されず、汎用の、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を用いることができる。
着色層の顔料としては、隠蔽性の高い顔料、あるいは反射率の高い顔料を含むことが好ましい。隠蔽性の高い顔料としては、カーボンブラック等の黒色顔料が好ましい。反射率の高い顔料としては、硫酸バリウム、酸化チタン及びパール顔料等が挙げられる。
着色層のマット剤としては、着色層の表面に凹凸を付与し、外部ヘイズを生じさせるものであれば特に制限されることなく使用できる。具体的には、該マット剤としては、シリカ、アルミナ等の無機粒子、アクリル粒子、スチレン粒子等の有機粒子が挙げられる。
着色層のバインダー樹脂は特に限定されず、汎用の、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を用いることができる。
着色層の厚みは、位置合わせのための光学特性の差を良好にできる範囲で調整すればよく、通常、0.3〜5.0μm程度である。
第2領域R2は、第1領域R1の幅方向の一方の側のみに形成されていてもよいが、図1〜図5に示すように、第1領域R1の幅方向の両方の側に形成されていることが好ましい。
第1領域の幅方向の両方の側に第2領域を有し、かつ、第2領域が突出部を有することにより、位置合わせ精度をより良好にすることができる。
第1領域の幅方向の両方の側に第2領域を有し、かつ、第2領域が突出部を有することにより、位置合わせ精度をより良好にすることができる。
<<離型層>>
離型シートは、剥離性を調整するための離型層を有していてもよい。
また、後述する(A1)〜(A4)工程の転写シートの製造方法では、(A3)工程で離型層を形成することによって、t1<t2の関係を満たすことを可能としている。
離型シートは、剥離性を調整するための離型層を有していてもよい。
また、後述する(A1)〜(A4)工程の転写シートの製造方法では、(A3)工程で離型層を形成することによって、t1<t2の関係を満たすことを可能としている。
第1領域に凹凸部を有する場合、該凹凸部上に離型層が形成されることで、凹凸が緩和され、加飾成形品の表面に高周波成分の少ない凹凸形状を形成することができ、加飾成形品の白化及びギラツキを抑制できる。
ここで、「ギラツキ」とは、表面の凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象のことをいう。つまり、凹凸部上に離型層を形成することで、加飾成形品を液晶表示素子等の表示素子の前面に用いる場合に、ギラツキを抑制できる。
ここで、「ギラツキ」とは、表面の凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象のことをいう。つまり、凹凸部上に離型層を形成することで、加飾成形品を液晶表示素子等の表示素子の前面に用いる場合に、ギラツキを抑制できる。
離型層は、主として樹脂で構成することが好ましい。
離型層の樹脂は、所定の被膜強度を有し、転写層との接着力が低い材料であれば特に限定されず、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物等が挙げられる。具体的には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿等が挙げられる。
これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、アクリルポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタン系樹脂である熱硬化性樹脂組成物がより好ましい。
離型層の樹脂は、所定の被膜強度を有し、転写層との接着力が低い材料であれば特に限定されず、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物等が挙げられる。具体的には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿等が挙げられる。
これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、アクリルポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタン系樹脂である熱硬化性樹脂組成物がより好ましい。
離型層は、離型性を向上させるために離型剤をさらに含んでもよい。離型剤としては、合成ワックス及び天然ワックス等のワックス類が挙げられる。合成ワックスとしては、ポリエチレンワックスやポリプピレンワックス等のポリオレフィンワックスが好ましい。
離型層の厚みは、0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜3.0μmであることがより好ましく、0.3〜1.0μmであることがさらに好ましい。
<<その他の層>>
離型シートは、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、帯電防止層が挙げられる。離型シートは、帯電防止層を有することにより、離型シートを剥離する際の剥離帯電を抑制でき、転写の作業性を向上できる。
離型シートは、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、帯電防止層が挙げられる。離型シートは、帯電防止層を有することにより、離型シートを剥離する際の剥離帯電を抑制でき、転写の作業性を向上できる。
帯電防止層は、電子伝導型帯電防止剤、イオン伝導型帯電防止剤等の帯電防止剤、及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。
帯電防止層は、離型シートの転写層と接する側の面とは反対側の表面に形成されていることが好ましい。
帯電防止層は、表面抵抗率を1.0×10−9Ω/□〜1.0×10−12Ω/□の範囲に調整することが好ましい。
なお、帯電防止剤を樹脂層等の他の層に含有させて帯電防止性を発揮させてもよい。
帯電防止層は、離型シートの転写層と接する側の面とは反対側の表面に形成されていることが好ましい。
帯電防止層は、表面抵抗率を1.0×10−9Ω/□〜1.0×10−12Ω/□の範囲に調整することが好ましい。
なお、帯電防止剤を樹脂層等の他の層に含有させて帯電防止性を発揮させてもよい。
<転写層>
離型シート10の第1領域R1及び第2領域R2上には、転写層20が形成される。
転写層20は、例えば、図1に示すように、離型シート10に近い側から順に、保護層21及び接着剤層22を有する。
なお、転写層20は全てが被着体200に転写されなくてもよい。例えば、図6に示すように、転写層20のうち、被着体200に密着した箇所の転写層20が被着体200に転写されればよい。
離型シート10の第1領域R1及び第2領域R2上には、転写層20が形成される。
転写層20は、例えば、図1に示すように、離型シート10に近い側から順に、保護層21及び接着剤層22を有する。
なお、転写層20は全てが被着体200に転写されなくてもよい。例えば、図6に示すように、転写層20のうち、被着体200に密着した箇所の転写層20が被着体200に転写されればよい。
転写層を構成する保護層及び接着剤層等の各層は、例えば、各層の構成成分を含むインキを調製し、離型シート上に、グラビアコート法、ロールコート法等のコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により塗布、乾燥し、必要に応じて紫外線を照射して硬化することにより形成できる。
<<保護層>>
保護層21は、転写層20が転写シート100から被着体200へと転写された後は、摩耗、光、薬品等から加飾成形品300を保護する役割を有する。
離型シート10の第1領域R1内に凹凸部4を有する場合、該凹凸形状と相補的な形状を有する保護層21が加飾成形品の表面に付与される。また、離型シート10の第1領域R1が略平滑な場合、表面が略平滑な保護層21が加飾成形品の表面に付与され、加飾成形品の光沢を高くすることができる。
保護層21は、転写層20が転写シート100から被着体200へと転写された後は、摩耗、光、薬品等から加飾成形品300を保護する役割を有する。
離型シート10の第1領域R1内に凹凸部4を有する場合、該凹凸形状と相補的な形状を有する保護層21が加飾成形品の表面に付与される。また、離型シート10の第1領域R1が略平滑な場合、表面が略平滑な保護層21が加飾成形品の表面に付与され、加飾成形品の光沢を高くすることができる。
保護層は、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。
保護層の紫外線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、上述した樹脂層の樹脂成分の実施の形態と同様である。
なお、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、保護層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とを化学的に結合させやすくする観点から、保護層の紫外線硬化性樹脂組成物と、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物とは、重合機構が同一であることが好ましく、同一種の紫外線硬化性樹脂組成物であることがより好ましい。
保護層の紫外線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、上述した樹脂層の樹脂成分の実施の形態と同様である。
なお、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、保護層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とを化学的に結合させやすくする観点から、保護層の紫外線硬化性樹脂組成物と、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物とは、重合機構が同一であることが好ましく、同一種の紫外線硬化性樹脂組成物であることがより好ましい。
保護層形成用インキは光重合開始剤を含むものを用いる。また、保護層形成用インキは光重合促進剤を含むことが好ましい。
保護層形成用インキの光重合開始剤及び光重合促進剤の実施の形態は、上述した樹脂層形成用インキの光重合開始剤及び光重合促進剤の実施の形態と同様である。
なお、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、保護層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とを化学的に結合させやすくする観点から、保護層形成用インキの光重合開始剤と、樹脂層形成用インキの光重合開始剤は、同一種のものを含むことが好ましい。
保護層形成用インキの光重合開始剤及び光重合促進剤の実施の形態は、上述した樹脂層形成用インキの光重合開始剤及び光重合促進剤の実施の形態と同様である。
なお、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、保護層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とを化学的に結合させやすくする観点から、保護層形成用インキの光重合開始剤と、樹脂層形成用インキの光重合開始剤は、同一種のものを含むことが好ましい。
保護層形成用インキは、イソシアネート系化合物を含有してもよい。すなわち、保護層は、イソシアネート系化合物の硬化物を含有していてもよい。
保護層形成用インキがイソシアネート系化合物を含有し、イソシアネート系化合物の少なくとも一部を熱硬化させておくことにより、保護層を形成した後に巻き取った際のブロッキングを抑制することができる。特に、後述の(B1)〜(B4)工程では、第1領域の保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物が硬化していないため、保護層形成用インキがイソシアネート系化合物を含むことが有効となる。
保護層形成用インキがイソシアネート系化合物を含有し、イソシアネート系化合物の少なくとも一部を熱硬化させておくことにより、保護層を形成した後に巻き取った際のブロッキングを抑制することができる。特に、後述の(B1)〜(B4)工程では、第1領域の保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物が硬化していないため、保護層形成用インキがイソシアネート系化合物を含むことが有効となる。
イソシアネート系化合物は、イソシアネート基を2個以上有する多官能イソシアネートが好ましい。
多官能イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等や、ブロック化されたイソシアネート化合物等も挙げられる。
多官能イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等や、ブロック化されたイソシアネート化合物等も挙げられる。
また、多官能イソシアネートのうち、電離放射線硬化性官能基としてビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも一種をさらに有するものが、高硬度性の観点から特に好ましい。具体的には「Laromer LR9000(商品名)」(BASF社製)のように、エチレン性不飽和結合を有する官能基を少なくとも1個と、2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートが好ましい。
保護層中には、有機粒子及び無機粒子等の粒子を含有してもよい。保護層中に粒子を含有することにより、樹脂成分との屈折率差による内部ヘイズの発現により、ギラツキ及び欠陥を目立ちにくくすることができる。これらの粒子は、同様の目的で、後述する接着剤層、アンカー層等に含有させてもよい。また、粒子はブロッキング抑制の観点でも有効である。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
また、粒子は、粒子の表面に反応性官能基を有する反応性粒子であってもよい。反応性官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、エポキシ基、およびシラノール基等が好ましく挙げられ、高硬度性および耐スクラッチ性の向上の観点から、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基がより好ましい。
粒子の平均粒子径は、0.05〜5.0μmが好ましく、0.5〜3.0μmがより好ましい。
本明細書において、平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を質量累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本明細書において、平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を質量累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
粒子の含有量は、保護層の樹脂成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
保護層の厚みは、表面硬度及び成形性のバランスの観点から、0.5〜30μmであることが好ましく、1.0〜20μmであることがより好ましく、2.0〜10μmであることがさらに好ましい。
<<接着剤層>>
接着剤層22は、樹脂成形体等の被着体200と、転写層20との接着性を良好にして、転写作業を良好にする役割を有する。
接着剤層22は、樹脂成形体等の被着体200と、転写層20との接着性を良好にして、転写作業を良好にする役割を有する。
接着剤層は、被着体の素材に適した感熱性又は感圧性の樹脂を使用することが好ましい。例えば、被着体の材質がアクリル系樹脂の場合は、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、被着体の材質がポリフェニレンオキサイド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用することが好ましい。さらに、被着体の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂を使用することが好ましい。
接着剤層には、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。
紫外線吸収剤は、無機系であってもよく有機系であってもよいが、透明性に優れる点から有機系の紫外線吸収剤が好ましい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。有機系の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ニッケルキレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛金属酸化物系赤外線吸収剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、無機系であってもよく有機系であってもよいが、透明性に優れる点から有機系の紫外線吸収剤が好ましい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。有機系の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ニッケルキレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛金属酸化物系赤外線吸収剤等が挙げられる。
接着剤層の厚みは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましく、1.0〜10μmであることがさらに好ましい。
<<アンカー層>>
アンカー層は、インモールド成形等の高温環境に置かれる場合において、耐熱性を向上させるために必要に応じて設けられる層である。アンカー層は、保護層と接着剤層との間に形成することが好ましい。
アンカー層は、インモールド成形等の高温環境に置かれる場合において、耐熱性を向上させるために必要に応じて設けられる層である。アンカー層は、保護層と接着剤層との間に形成することが好ましい。
アンカー層は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
アンカー層の紫外線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の実施の形態と同様である。
アンカー層の熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
アンカー層の厚みは、0.1〜6μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
アンカー層の紫外線硬化性樹脂組成物の実施の形態は、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の実施の形態と同様である。
アンカー層の熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
アンカー層の厚みは、0.1〜6μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。
<<印刷層>>
転写層は、さらに印刷層を有していてもよい。印刷層は、加飾成形品に所望の意匠性を付与する役割を有する。
転写層は、さらに印刷層を有していてもよい。印刷層は、加飾成形品に所望の意匠性を付与する役割を有する。
印刷層は、転写シートを平面方向から観察した際に、第1領域内の少なくとも一部に位置するように配置することが好ましい。
また、印刷層の厚み方向の位置は、接着剤層上に配置してもよいし、接着剤層と保護層との間に配置してもよいし、保護層と離型シートとの間に配置してもよい。印刷層の保護と、被着体への接着性の観点からは、接着剤層と保護層との間に印刷層を配置することが好ましい。また、小ロット品への対応の観点からは、接着剤層上に印刷層を配置することが好ましい。なお、接着剤層上に印刷層を配置する場合、被着体との接着性の均一化の観点から、印刷層の樹脂成分は、接着剤層の樹脂成分と同系統の樹脂とすることが好ましく、同一の樹脂とすることがより好ましい。
また、印刷層の厚み方向の位置は、接着剤層上に配置してもよいし、接着剤層と保護層との間に配置してもよいし、保護層と離型シートとの間に配置してもよい。印刷層の保護と、被着体への接着性の観点からは、接着剤層と保護層との間に印刷層を配置することが好ましい。また、小ロット品への対応の観点からは、接着剤層上に印刷層を配置することが好ましい。なお、接着剤層上に印刷層を配置する場合、被着体との接着性の均一化の観点から、印刷層の樹脂成分は、接着剤層の樹脂成分と同系統の樹脂とすることが好ましく、同一の樹脂とすることがより好ましい。
印刷層のパターンは任意であり、例えば、木目、石目、布目、砂目、円、四角形、多角形、幾何学模様、文字、ベタ印刷等が挙げられる。
印刷層は、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等のバインダー樹脂と、顔料及び/又は染料とを含むことが好ましい。
印刷層の厚みは、意匠性の観点から0.5〜40μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
印刷層の厚みは、意匠性の観点から0.5〜40μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
なお、印刷層を形成する際、位置合わせが重要となるが、第2領域により位置合わせを行うことによって、印刷層を正確な位置に形成することができる。
<転写シートの形状、大きさ>
転写シートは、枚葉状であってもよいしロール状であってもよい。枚葉の大きさは、通常は、幅5〜60cm、長さ5〜60cm程度である。ロールの大きさは、通常、幅5〜100cm、長さ20〜500m程度である。
転写シートは、枚葉状であってもよいしロール状であってもよい。枚葉の大きさは、通常は、幅5〜60cm、長さ5〜60cm程度である。ロールの大きさは、通常、幅5〜100cm、長さ20〜500m程度である。
[転写シートの製造方法(1)]
本発明の転写シートの製造方法は、下記(A1)〜(A4)工程を順に行うものである。
(A1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を形成した積層体を得る工程。
(A3)積層体の樹脂層の第1領域上に離型層を形成し、離型シートを得る工程。
(A4)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、紫外線を照射して、転写層を形成する工程。
本発明の転写シートの製造方法は、下記(A1)〜(A4)工程を順に行うものである。
(A1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を形成した積層体を得る工程。
(A3)積層体の樹脂層の第1領域上に離型層を形成し、離型シートを得る工程。
(A4)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、紫外線を照射して、転写層を形成する工程。
[転写シートの製造方法(2)]
本発明の転写シートの製造方法は、下記(B1)〜(B4)工程を順に行うものである。
(B1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(B2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(B3)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、未硬化の転写層を形成する工程。
(B4)第2領域上の転写層に紫外線を照射して、該部分の転写層を硬化する工程。
本発明の転写シートの製造方法は、下記(B1)〜(B4)工程を順に行うものである。
(B1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(B2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(B3)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、未硬化の転写層を形成する工程。
(B4)第2領域上の転写層に紫外線を照射して、該部分の転写層を硬化する工程。
(A1)工程及び(B1)工程の樹脂層形成用インキが溶剤を含む場合、(A1)工程及び(B1)工程において溶剤を乾燥させることが好ましい。
(A2)工程及び(B2)工程では支持体側から紫外線を照射する。このように、支持体側から紫外線を照射することにより、(A2)工程及び(B2)工程が終了した段階において、樹脂層の支持体とは反対側の表面付近に光重合開始剤及び紫外線硬化性樹脂組成物の官能基を残存させやすくなり、後述の(A4)工程及び(B4)工程において、第2領域の樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、第2領域の転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とが化学的に結合させやすくすることができる。
(A2)工程及び(B2)工程の紫外線の照射量は、樹脂層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物の反応率が0.3〜0.9となるように照射することが好ましい。紫外線樹脂組成物の反応率は、810cm−1付近にみられるビニル基のCH面外変角振動のピーク面積の紫外線照射前を100としたときの、紫外線照射後の該ピーク面積から算出できる。
反応率 = 1−(紫外線照射後の810cm−1付近にみられるビニル基のCH面外変角振動のピーク面積/紫外線照射前の810cm−1付近にみられるビニル基のCH面外変角振動のピーク面積)
(A2)工程及び(B2)工程の紫外線の照射量は、樹脂層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物の反応率が0.3〜0.9となるように照射することが好ましい。紫外線樹脂組成物の反応率は、810cm−1付近にみられるビニル基のCH面外変角振動のピーク面積の紫外線照射前を100としたときの、紫外線照射後の該ピーク面積から算出できる。
反応率 = 1−(紫外線照射後の810cm−1付近にみられるビニル基のCH面外変角振動のピーク面積/紫外線照射前の810cm−1付近にみられるビニル基のCH面外変角振動のピーク面積)
上記の反応率の測定は、反射のFT−IRにより測定できる。具体的には、支持体上に樹脂層を形成したフィルムサンプルを作製し、該サンプルの樹脂層側の面を測定面として、測定を行う。したがって、かかる測定は、転写層との密着性に重要となる、樹脂層の表面(樹脂層の支持体側とは反対側の面)の官能基の残存率を測定しているといえる。
(A2)工程は、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、支持体側から紫外線を照射して、賦形した樹脂層の硬化を進行させる工程とすることが好ましい。
また、(B2)工程は、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、支持体側から紫外線を照射して、賦形した樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程とすることが好ましい。
(A2)工程及び(B2)工程を上述した工程とすることにより、第1領域及び第2領域の形状を正確かつ簡易に形成できる点で好ましい。
また、(B2)工程は、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、支持体側から紫外線を照射して、賦形した樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程とすることが好ましい。
(A2)工程及び(B2)工程を上述した工程とすることにより、第1領域及び第2領域の形状を正確かつ簡易に形成できる点で好ましい。
上述した版は、例えば、エッチング、サンドブラスト、切削及びレーザー加工、あるいはこれらの組み合わせなどによって、シリンダーの表面を所望の形状に彫刻することにより得ることができる。あるいは、レーザー彫刻、光造形等によって長尺の雄型の版(第1領域及び第2領域と同一の形状を有する版)を作製し、これを反転したものをシリンダーの表面に巻き付けることによって得ることができる。これら版の表面は、クロム等で硬質メッキ処理することが好ましい。
転写シートは、製造効率の観点から、図5のように多面付けで製造することが好ましい。同様に、離型シートも多面付けで製造することが好ましい。このため、上述した版は、多面付けに対応した版とすることが好ましい。
転写シートは、製造効率の観点から、図5のように多面付けで製造することが好ましい。同様に、離型シートも多面付けで製造することが好ましい。このため、上述した版は、多面付けに対応した版とすることが好ましい。
(A3)工程では、積層体の樹脂層の第1領域上に離型層を形成する。
このように、第1領域のみに離型層を形成することにより、(A4)工程後にt1<t2の関係を満たす転写シートとすることができる。
このように、第1領域のみに離型層を形成することにより、(A4)工程後にt1<t2の関係を満たす転写シートとすることができる。
(A4)工程では、離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、紫外線を照射して、転写層を形成する。
(A4)工程の転写層形成用インキ中の紫外線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤は、(A1)工程の保護層形成用インキ中の紫外線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤と同一種を含むことが好ましい。
なお、転写層が複数の層から形成されている場合、(A4)工程の紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキは、離型シートに最も近い側の層(図1〜図3の場合は保護層21)を形成するインキを指すものとする。
(A4)工程の転写層形成用インキ中の紫外線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤は、(A1)工程の保護層形成用インキ中の紫外線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤と同一種を含むことが好ましい。
なお、転写層が複数の層から形成されている場合、(A4)工程の紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキは、離型シートに最も近い側の層(図1〜図3の場合は保護層21)を形成するインキを指すものとする。
(A4)工程において、紫外線は、支持体側から照射してもよいし、転写層側から照射してもよい。
また、(A4)工程では、転写層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物が完全硬化させるように紫外線を照射してもよいが、耐ブロッキング性及び成形性の観点から、転写層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物の反応率が0.05〜0.5となるように照射することが好ましく、0.1〜0.3となるように照射することがより好ましい。
なお、(A4)工程において、紫外線硬化性樹脂組成物の反応率を1.0未満とした場合、被着体に転写層を転写した後、紫外線を照射して完全硬化することが好ましい。
また、(A4)工程では、転写層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物が完全硬化させるように紫外線を照射してもよいが、耐ブロッキング性及び成形性の観点から、転写層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物の反応率が0.05〜0.5となるように照射することが好ましく、0.1〜0.3となるように照射することがより好ましい。
なお、(A4)工程において、紫外線硬化性樹脂組成物の反応率を1.0未満とした場合、被着体に転写層を転写した後、紫外線を照射して完全硬化することが好ましい。
(B3)工程では、離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、未硬化の転写層を形成する。
また、(B4)工程では、第2領域上の転写層に紫外線を照射して、該部分の転写層を硬化する。
(B4)工程において、第2領域上の転写層のみに紫外線を照射することにより、第2領域において、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とが化学的に結合し、(B4)工程後にt1<t2の関係を満たす転写シートとすることができる。
第2領域上の転写層のみに紫外線を照射する手段としては、紫外線を透過しない材料で形成したマスクで第1領域を覆った状態で紫外線を照射する手段やウシオ電機株式会社製のスポットキュアシリーズ等の局所UV照射装置で第2領域のみを照射する手段が挙げられる。
また、(B4)工程では、第2領域上の転写層に紫外線を照射して、該部分の転写層を硬化する。
(B4)工程において、第2領域上の転写層のみに紫外線を照射することにより、第2領域において、樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とが化学的に結合し、(B4)工程後にt1<t2の関係を満たす転写シートとすることができる。
第2領域上の転写層のみに紫外線を照射する手段としては、紫外線を透過しない材料で形成したマスクで第1領域を覆った状態で紫外線を照射する手段やウシオ電機株式会社製のスポットキュアシリーズ等の局所UV照射装置で第2領域のみを照射する手段が挙げられる。
(B3)工程の転写層形成用インキ中の紫外線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤は、(B1)工程の保護層形成用インキ中の紫外線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤と同一種であることが好ましい。
(B3)工程の転写層形成用インキ中には、イソシアネート系化合物を含有することが好ましい。また、(B3)工程の転写層形成用インキ中にイソシアネート系化合物を含有する場合、転写層の全領域を加熱し、イソシアネート系化合物の少なくとも一部を熱硬化させることが好ましい。イソシアネート化合物を硬化するタイミングは、(B3)工程と(B4)工程との間であってもよいし、(B4)工程の後であってもよい。
イソシアネート系化合物は、例えば、塗工装置のドライヤーで熱硬化させることができる。ドライヤーの温度及び時間は特に限定されないが、通常、70〜120℃で10〜120秒程度である。
イソシアネート系化合物は、例えば、塗工装置のドライヤーで熱硬化させることができる。ドライヤーの温度及び時間は特に限定されないが、通常、70〜120℃で10〜120秒程度である。
なお、転写層が複数の層から形成されている場合、(B3)工程の紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキは、離型シートに最も近い側の層(図1〜図3の場合は保護層21)を形成するインキを指すものとする。
(B4)工程において、紫外線は、支持体側から照射してもよいし、転写層側から照射してもよい。
また、(B4)工程の紫外線の照射量は、第2領域の転写層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物の反応率が0.05以上となるように照射することが好ましく、0.1〜1.0となるように照射することがより好ましい。なお、(B4)工程において、紫外線硬化性樹脂組成物の反応率を1.0未満とした場合、被着体に転写層を転写した後、紫外線を照射して完全硬化することが好ましい。
また、(B4)工程の紫外線の照射量は、第2領域の転写層形成用インキの紫外線硬化性樹脂組成物の反応率が0.05以上となるように照射することが好ましく、0.1〜1.0となるように照射することがより好ましい。なお、(B4)工程において、紫外線硬化性樹脂組成物の反応率を1.0未満とした場合、被着体に転写層を転写した後、紫外線を照射して完全硬化することが好ましい。
なお、(B1)〜(B4)工程で作製した転写シートは、被着体に転写層を転写した後、紫外線を照射して第1領域を完全硬化することが好ましい。
離型シートが突出部上に着色層を有する場合、(A2)工程後〜(A4)工程前、(B2)工程後に、突出部上に着色層を形成する工程を行えばよい。
[転写シートのその他の製造方法]
本発明の転写シートの製造方法は、上記(A1)〜(A4)、(B1)〜(B4)に限定されない。
例えば、樹脂層形成用インキを塗布した後に紫外線を照射する際に、第1領域よりも第2領域の紫外線照射量を少なくすることにより、その後、転写層を形成した際に、第2領域の樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物との化学的な結合が強固となるため、本発明の転写シートを製造することができる。
また、第2領域の樹脂層に少量の紫外線吸収剤を配合し、支持体側から紫外線を照射することにより、第2領域の樹脂層の表面付近において、光重合開始剤及び紫外線硬化性樹脂組成物の官能基が残存し、その後、転写層を形成した際に、第2領域の樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とを化学的に結合させることができる。
本発明の転写シートの製造方法は、上記(A1)〜(A4)、(B1)〜(B4)に限定されない。
例えば、樹脂層形成用インキを塗布した後に紫外線を照射する際に、第1領域よりも第2領域の紫外線照射量を少なくすることにより、その後、転写層を形成した際に、第2領域の樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物との化学的な結合が強固となるため、本発明の転写シートを製造することができる。
また、第2領域の樹脂層に少量の紫外線吸収剤を配合し、支持体側から紫外線を照射することにより、第2領域の樹脂層の表面付近において、光重合開始剤及び紫外線硬化性樹脂組成物の官能基が残存し、その後、転写層を形成した際に、第2領域の樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とを化学的に結合させることができる。
[加飾成形品の製造方法]
本発明の加飾成形品の製造方法は、下記(C1)〜(C3)工程を順に行うものである。
(C1)本発明の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
被着体としては、樹脂成形体等が挙げられる。
本発明の加飾成形品の製造方法は、下記(C1)〜(C3)工程を順に行うものである。
(C1)本発明の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
被着体としては、樹脂成形体等が挙げられる。
図6は、上記工程(C1)〜(C3)工程の一実施形態を示す断面図である。
加飾成形品の具体的な製造方法には、公知の転写法を用いることができる。
例えば、(i)予め成形された被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(ii)平板状の被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(iii)被着体を射出成形する際に転写シートの転写層側の面と一体化(密着)させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法〔インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)〕等が挙げられる。これらの中でも、インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)によれば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体に加飾成形することができる点で好ましい。
加飾成形品の具体的な製造方法には、公知の転写法を用いることができる。
例えば、(i)予め成形された被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(ii)平板状の被着体に転写シートの転写層側の面を密着させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法、(iii)被着体を射出成形する際に転写シートの転写層側の面と一体化(密着)させた積層体を作製し、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する方法〔インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)〕等が挙げられる。これらの中でも、インモールド成形(射出成形同時転写加飾法)によれば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体に加飾成形することができる点で好ましい。
インモールド成形による本発明の転写シートを用いる加飾成形品の製造方法の一実施態様としては、
(a)上記の転写シートの転写層側の面をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程と、
(b)上記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程と、
(c)上記転写シートの転写層側の面と、上記樹脂とを一体化(密着)させた積層体を得る工程と、
(d)積層体を金型から取り出した後、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する工程と、を有するものが挙げられる。
このような製造工程により加飾成形品を製造することで、被着体の表面に複雑な意匠を表現することができる。
保護層が半硬化の状態の場合、(d)工程の終了後に紫外線を照射して保護層を完全に硬化させることが好ましい。
(a)上記の転写シートの転写層側の面をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程と、
(b)上記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程と、
(c)上記転写シートの転写層側の面と、上記樹脂とを一体化(密着)させた積層体を得る工程と、
(d)積層体を金型から取り出した後、該積層体から転写シートの離型シートを分離(剥離)する工程と、を有するものが挙げられる。
このような製造工程により加飾成形品を製造することで、被着体の表面に複雑な意匠を表現することができる。
保護層が半硬化の状態の場合、(d)工程の終了後に紫外線を照射して保護層を完全に硬化させることが好ましい。
<樹脂成形体>
樹脂成形体としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、公知の様々な樹脂を用いることができる。
本発明による加飾成形品をインモールド成形により製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
樹脂成形体としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、公知の様々な樹脂を用いることができる。
本発明による加飾成形品をインモールド成形により製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
1.版の作製
厚み200μmの銅メッキ層を有するシリンダーを準備した。該シリンダーの全面を、第1領域の凹凸部を形成する箇所が抜き加工されたマスクで覆った。
次いで、ガラスビーズを用いたブラスト加工により、マスクで覆われていない箇所に凹凸を形成した。該凹凸を反転して得られた凹凸の最大高さ粗さRzは1.5μm、算術平均粗さRaは0.5μmであった。
次いで、マスクを外し、シリンダーの表面を硬質メッキ処理(クロムメッキ)して、第1領域の凹凸部及び第2領域の平滑部と相補的な形状を備えた版を得た。該版は、図1及び図4に示すように、凹凸部を有する第1領域の幅方向(TD方向)の左右に第2領域が配置されてなるものであった。なお、該版の第1領域の幅は200mmであり、第1領域の左側に存在する第2領域の幅及び第1領域の右側に存在する第2領域の幅は50mmであった。
厚み200μmの銅メッキ層を有するシリンダーを準備した。該シリンダーの全面を、第1領域の凹凸部を形成する箇所が抜き加工されたマスクで覆った。
次いで、ガラスビーズを用いたブラスト加工により、マスクで覆われていない箇所に凹凸を形成した。該凹凸を反転して得られた凹凸の最大高さ粗さRzは1.5μm、算術平均粗さRaは0.5μmであった。
次いで、マスクを外し、シリンダーの表面を硬質メッキ処理(クロムメッキ)して、第1領域の凹凸部及び第2領域の平滑部と相補的な形状を備えた版を得た。該版は、図1及び図4に示すように、凹凸部を有する第1領域の幅方向(TD方向)の左右に第2領域が配置されてなるものであった。なお、該版の第1領域の幅は200mmであり、第1領域の左側に存在する第2領域の幅及び第1領域の右側に存在する第2領域の幅は50mmであった。
2.離型シートの作製
2−1.離型シートA
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記処方の樹脂層形成用インキを塗布、乾燥し、厚み8.0μmの未硬化の樹脂層を形成した。
2−1.離型シートA
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記処方の樹脂層形成用インキを塗布、乾燥し、厚み8.0μmの未硬化の樹脂層を形成した。
<樹脂層形成用インキ>
・紫外線硬化性樹脂組成物 60質量部
(新中村化学工業社製、商品名:A-NOD-N)
・光重合開始剤1 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・光重合開始材2 1質量部
(BASF社製、商品名:Lucirin TPO)
・メチルエチルケトン 40質量部
・紫外線硬化性樹脂組成物 60質量部
(新中村化学工業社製、商品名:A-NOD-N)
・光重合開始剤1 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・光重合開始材2 1質量部
(BASF社製、商品名:Lucirin TPO)
・メチルエチルケトン 40質量部
次いで、上記「1」で作製した版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から紫外線を照射して(紫外線硬化性樹脂組成物の反応率が0.9となるような照射量で照射)、賦形した樹脂層を硬化し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に賦形された樹脂層を備えた積層体を得た。
次いで、下記処方の離型層形成用インキを第1領域の凹凸部上に塗布、乾燥し、厚み0.5μmの離型層を形成し、離型シートAを得た。
<離型層形成用インキ>
・アクリルポリオール 70質量部
(綜研化学社製、商品名:サーモラックSU100A)
・イソシアネート 25質量部
(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N)
・酢酸エチル 161質量部
・メチルイソブチルケトン 56質量部
・アクリルポリオール 70質量部
(綜研化学社製、商品名:サーモラックSU100A)
・イソシアネート 25質量部
(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N)
・酢酸エチル 161質量部
・メチルイソブチルケトン 56質量部
2−2.離型シートB
第1領域の凹凸部上に離型層を形成しなかった以外は、離型シートAと同様にして、離型シートBを得た。
第1領域の凹凸部上に離型層を形成しなかった以外は、離型シートAと同様にして、離型シートBを得た。
3.転写層の形成(転写シートの作製)
3−1.実施例1
上記「2−1」で得られた離型シートAの全面に、下記処方の保護層形成用インキを乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して塗膜を形成した後、保護層側から紫外線を照射し(ウレタンアクリレートの反応率が0.2となるような照射量で照射)、保護層を半硬化させた。
3−1.実施例1
上記「2−1」で得られた離型シートAの全面に、下記処方の保護層形成用インキを乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して塗膜を形成した後、保護層側から紫外線を照射し(ウレタンアクリレートの反応率が0.2となるような照射量で照射)、保護層を半硬化させた。
<保護層形成用インキ1>
・光重合開始剤 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・ウレタンアクリレート樹脂
(日本合成化学製 商品名:UV-7630B) 26質量部
・トルエン 35質量部
・MEK 35質量部
・光重合開始剤 4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・ウレタンアクリレート樹脂
(日本合成化学製 商品名:UV-7630B) 26質量部
・トルエン 35質量部
・MEK 35質量部
次いで、保護層上に下記処方のアンカー層形成用インキを乾燥後の付着量が3.0g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した後、40℃で72時間乾燥し、硬化させ、厚み2μmのアンカー層を形成した。
<アンカー層用インキ>
・アクリルポリオール 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−VMAC、固形分25%)
(トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・キサンメチレンジイソシアネート 10質量部
(大日精化工業社製、商品名:PTC−RC3)
(固形分75%、溶剤:酢酸エチル)
・アクリルポリオール 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−VMAC、固形分25%)
(トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・キサンメチレンジイソシアネート 10質量部
(大日精化工業社製、商品名:PTC−RC3)
(固形分75%、溶剤:酢酸エチル)
次いで、アンカー層上に下記処方の接着剤層形成用インキを乾燥後の付着量が2.5g/m2となるように塗布し、塗膜を形成した。該塗膜を乾燥し、厚み2μmの接着剤層を形成し、実施例1の転写シートを得た。
<接着剤層用塗工液>
・アクリル系樹脂 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−R600、固形分20%)
(酢酸エチル/酢酸−n−プロピル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・メチルエチルケトン 40質量部
・アクリル系樹脂 100質量部
(大日精化工業社製、商品名:TM−R600、固形分20%)
(酢酸エチル/酢酸−n−プロピル/メチルエチルケトン混合溶剤)
・メチルエチルケトン 40質量部
3−2.実施例2
上記「2−2」で得られた離型シートBの全面に、下記処方の保護層形成用インキ2を乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して、未硬化の保護層を形成した。次いで、紫外線を透過しない材料で形成したマスクで保護層の第1領域を覆った状態で、保護層の第2領域に対して保護層側から紫外線を照射し(第2領域の紫外線硬化性樹脂組成物Aの反応率が0.5となるような照射量で照射)、保護層を硬化させた。
上記「2−2」で得られた離型シートBの全面に、下記処方の保護層形成用インキ2を乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して、未硬化の保護層を形成した。次いで、紫外線を透過しない材料で形成したマスクで保護層の第1領域を覆った状態で、保護層の第2領域に対して保護層側から紫外線を照射し(第2領域の紫外線硬化性樹脂組成物Aの反応率が0.5となるような照射量で照射)、保護層を硬化させた。
<保護層形成用インキ2>
・下記の紫外線硬化性樹脂組成物A 6質量部
・反応性無機粒子 10質量部
(日揮触媒化成社製、商品名:ELCOM V−8803)
(固形分:40質量%)
・多官能イソシアネート 1質量部
(BASF社製、商品名:Laromer LR9000)
・光重合開始剤 0.4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・溶剤 26.7質量部
(MEKとMIBKとの7:3混合溶剤)
・下記の紫外線硬化性樹脂組成物A 6質量部
・反応性無機粒子 10質量部
(日揮触媒化成社製、商品名:ELCOM V−8803)
(固形分:40質量%)
・多官能イソシアネート 1質量部
(BASF社製、商品名:Laromer LR9000)
・光重合開始剤 0.4質量部
(BASF社製、商品名:Irgacure184)
・溶剤 26.7質量部
(MEKとMIBKとの7:3混合溶剤)
次いで、実施例1と同様にして、保護層上にアンカー層及び接着剤層を順次形成し、実施例2の転写シートを得た。
<紫外線硬化性樹脂組成物A(アクリルアクリレート系プレポリマー)の合成>
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2L四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン(MIBK)120g、メチルエチルケトン(MEK)210gを仕込み、該四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート(GMA)80g、メチルメタクリレート(MMA)20g及びアゾ系の開始剤(アゾビスイソブチロニトリル,AIBN−1)0.75gからなる混合液を滴下ロートで2時間かけて滴下させながら、100〜110℃の温度下で4時間反応させた後、アゾ系の開始剤(アゾビスイソブチロニトリル,AIBN−2)0.6gをさらに加えて、3時間保温後、室温まで冷却した。これに、アクリル酸(AA)40.6g、トリフェニルホスフィン2g、及びメトキノン0.5gからなる混合液を加えて、付加反応を行った。水酸化カリウム溶液の中和滴定で、反応性生物の酸価の消失を確認し、反応を終了させた。
得られた反応生成物(紫外線硬化性樹脂組成物A。アクリルアクリレート系プレポリマー)の重量平均分子量は80000であり、二重結合当量は250g/mol(計算値)であり、固形分は30%であった。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値であり、標準サンプルにポリスチレンを用いた条件で測定された値である。
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2L四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン(MIBK)120g、メチルエチルケトン(MEK)210gを仕込み、該四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート(GMA)80g、メチルメタクリレート(MMA)20g及びアゾ系の開始剤(アゾビスイソブチロニトリル,AIBN−1)0.75gからなる混合液を滴下ロートで2時間かけて滴下させながら、100〜110℃の温度下で4時間反応させた後、アゾ系の開始剤(アゾビスイソブチロニトリル,AIBN−2)0.6gをさらに加えて、3時間保温後、室温まで冷却した。これに、アクリル酸(AA)40.6g、トリフェニルホスフィン2g、及びメトキノン0.5gからなる混合液を加えて、付加反応を行った。水酸化カリウム溶液の中和滴定で、反応性生物の酸価の消失を確認し、反応を終了させた。
得られた反応生成物(紫外線硬化性樹脂組成物A。アクリルアクリレート系プレポリマー)の重量平均分子量は80000であり、二重結合当量は250g/mol(計算値)であり、固形分は30%であった。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値であり、標準サンプルにポリスチレンを用いた条件で測定された値である。
3−3.比較例1
上記「2−2」で得られた離型シートBの全面に、上記処方の保護層形成用インキ2を乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥し、未硬化の保護層を形成した。
次いで、保護層が未硬化の状態のままで、実施例1と同様にして、保護層上にアンカー層及び接着剤層を順次形成し、比較例1の転写シートを得た。
上記「2−2」で得られた離型シートBの全面に、上記処方の保護層形成用インキ2を乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥し、未硬化の保護層を形成した。
次いで、保護層が未硬化の状態のままで、実施例1と同様にして、保護層上にアンカー層及び接着剤層を順次形成し、比較例1の転写シートを得た。
3−4.比較例2
上記「2−2」で得られた離型シートBの全面に、上記処方の保護層形成用インキ2を乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して未硬化の保護層を形成した。次いで、保護層側から紫外線を照射し(紫外線硬化性樹脂組成物Aの反応率が0.5となるような照射量で照射)、保護層を硬化させた。
次いで、実施例1と同様にして、保護層上にアンカー層及び接着剤層を順次形成し、比較例2の転写シートを得た。
上記「2−2」で得られた離型シートBの全面に、上記処方の保護層形成用インキ2を乾燥後の付着量が6.5g/m2(6.0μm)となるように塗布、乾燥して未硬化の保護層を形成した。次いで、保護層側から紫外線を照射し(紫外線硬化性樹脂組成物Aの反応率が0.5となるような照射量で照射)、保護層を硬化させた。
次いで、実施例1と同様にして、保護層上にアンカー層及び接着剤層を順次形成し、比較例2の転写シートを得た。
4.測定、評価
実施例及び比較例の転写シートに関して、下記の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の転写シートに関して、下記の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
4−1.接着力
離型シートの第1領域と転写層との接着力(t1)、離型シートの第2領域と転写層との接着力(t2)を、JIS K5600−5−6:1999のクロスカット法による付着性試験により評価した。第1領域及び第2領域の分類番号を表1に示す。
離型シートの第1領域と転写層との接着力(t1)、離型シートの第2領域と転写層との接着力(t2)を、JIS K5600−5−6:1999のクロスカット法による付着性試験により評価した。第1領域及び第2領域の分類番号を表1に示す。
4−2.箔チリ
実施例及び比較例の転写シートを、第2領域内でスリット加工した。スリット加工の際に箔チリが生じないものを「A」、スリット加工の際に箔チリが生じたものを「C」とした。
実施例及び比較例の転写シートを、第2領域内でスリット加工した。スリット加工の際に箔チリが生じないものを「A」、スリット加工の際に箔チリが生じたものを「C」とした。
4−3.転写性
実施例及び比較例の転写シートの接着剤層側の面を透明アクリルシート(クラレ社製、商品名:コモグラスDK3、厚み2mm)に重ね合わせ、転写シートの支持体側から加熱転写した。次いで、転写シートの離型シートを分離(剥離)した後、樹脂成形体の転写層側から紫外線を照射し、保護層を完全に硬化させ、加飾成形品を作製した。
その結果、転写層が良好に転写されたものを「A」、転写層の一部が欠け良好に転写されなかったものを「C」とした。
実施例及び比較例の転写シートの接着剤層側の面を透明アクリルシート(クラレ社製、商品名:コモグラスDK3、厚み2mm)に重ね合わせ、転写シートの支持体側から加熱転写した。次いで、転写シートの離型シートを分離(剥離)した後、樹脂成形体の転写層側から紫外線を照射し、保護層を完全に硬化させ、加飾成形品を作製した。
その結果、転写層が良好に転写されたものを「A」、転写層の一部が欠け良好に転写されなかったものを「C」とした。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜2の転写シートは、箔チリを抑制するとともに転写適性が良好であることが確認できる。
一方、比較例1の転写シートは、第2領域の接着力が弱いため、スリット時に箔チリが生じるものであった。また、比較例2の転写シートは、第1領域の接着力が強いため、被着体の一部に転写層が転写されず、転写適性を満足できないものであった。
一方、比較例1の転写シートは、第2領域の接着力が弱いため、スリット時に箔チリが生じるものであった。また、比較例2の転写シートは、第1領域の接着力が強いため、被着体の一部に転写層が転写されず、転写適性を満足できないものであった。
本発明の転写シートは、携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品などの加飾成形品の製造に好適に用いることができる。
1:支持体
2:樹脂層
3:凹凸部
4:離型層
5:突出部
10:離型シート
20:転写層
21:保護層
22:接着剤層
100:転写シート
200:被着体
300:加飾成形品
400:スリット刃
2:樹脂層
3:凹凸部
4:離型層
5:突出部
10:離型シート
20:転写層
21:保護層
22:接着剤層
100:転写シート
200:被着体
300:加飾成形品
400:スリット刃
Claims (9)
- 離型シート上に転写層を有する転写シートであって、
前記離型シートは支持体上に樹脂層を有し、
前記樹脂層及び前記転写層は紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、
前記離型シートは、前記転写層側の表面に、被転写物に転写するための第1領域と、前記第1領域に隣接した第2領域とを有し、
前記離型シートの前記第1領域と前記転写層との接着力をt1、前記離型シートの前記第2領域と前記転写層との接着力をt2とした際に、t1<t2の関係を満たす、転写シート。 - 前記離型シートの前記第2領域において、前記樹脂層と前記転写層とが接しており、前記樹脂層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物と、前記転写層の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物とが化学的に結合してなる、請求項1に記載の転写シート。
- 前記離型シートの前記第1領域は凹凸部を有する、請求項1又は2に記載の転写シート。
- 前記離型シートの前記第2領域は位置合わせのための突出部を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の転写シート。
- 下記(A1)〜(A4)工程を順に行う、請求項1に記載の転写シートの製造方法。
(A1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(A2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を形成した積層体を得る工程。
(A3)積層体の樹脂層の第1領域上に離型層を形成し、離型シートを得る工程。
(A4)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、紫外線を照射して、転写層を形成する工程。 - 前記(A2)工程が、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、支持体側から紫外線を照射して、賦形した樹脂層の硬化を進行させる工程である、請求項5に記載の転写シートの製造方法。
- 下記(B1)〜(B4)工程を順に行う、請求項1に記載の転写シートの製造方法。
(B1)支持体上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む樹脂層形成用インキを塗布し、未硬化の樹脂層を形成する工程。
(B2)支持体側から紫外線を照射して、樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程。
(B3)離型シートの第1領域及び第2領域上に、紫外線硬化性樹脂組成物を含む転写層形成用インキを塗布し、未硬化の転写層を形成する工程。
(B4)第2領域上の転写層に紫外線を照射して、該部分の転写層を硬化する工程。 - 前記(B2)工程が、第1領域及び第2領域と相補的な形状を有する版を用いて、未硬化の樹脂層を賦形すると同時に、支持体側から紫外線を照射して、賦形した樹脂層の硬化を進行させ、支持体上に紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層が形成された離型シートを得る工程である、請求項7に記載の転写シートの製造方法。
- 下記(C1)〜(C3)工程を順に行う、加飾成形品の製造方法。
(C1)請求項1〜4の何れか1項に記載の転写シートを第2領域でスリットする工程。
(C2)スリットした転写シートの転写層側の面と、被着体とを密着させた積層体を得る工程。
(C3)前記積層体から前記転写シートの前記離型シートを分離する工程。
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