JP6878480B2 - 車両用荷室構造 - Google Patents
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Description
また、フック手段(74)は、フック(83)を内ロッド(48)に掛止した場合、乗員の首元にフック(83)が存在するため、煩わしさを感じるおそれがあった。
なお、図1または図2に示す車両1の進行方向を「F」、後退方向を「B」、「鉛直上方側を「U」、鉛直下方側を「D」、左側を「L」、右側を「R」として適宜説明する。また、シート連結部材65の前端部を中心として回動するボード3は、図1に示す水平状態にしたときの基端側を前側、先端側を後側として説明する。
車両1は、車両1の後面に設けられた後部開口1aと、後部開口1aを開閉する扉(図示省略)と、車体後部に設けられた荷室2と、荷室2の前側に配置されたシート(例えば、リアシート6)と、荷室2に配置されたボード3と、ボード3を支持する棚部11と、を備えている。
車両用荷室構造は、図1または図2に示すように、リアシート6と、荷室空間21を有する荷室2と、荷室空間21に配置されたボード3と、リアシート6に設けられたフック部材4と、ボード3に設けられた掛止部材5と、を備えて成る。
なお、扉(図示省略)は、後部開口1aを開閉可能なものであれば、どのようなタイプのドアでも構わない。扉(図示省略)は、例えば、跳ねた上げタイプのヒンジ式ドアから成る。
荷室2は、荷物を収納したり、積載したりする空間である。この荷室2は、車体後端部に設けられた後部開口1aと、客室の後端部に配置されたリアシート6との間に形成されている。荷室2は、リアシート6を前後方向に移動させることによって、荷室2の前後方向に長さを変えることが可能になっている。荷室2内の左右両側には、ボード3のトランクボード32を支持する棚部11を有する車室内壁22が形成されている。
図1に示すように、リアシート6は、車室の後部に配置された座席である。リアシート6は、シートバック61と、シートクッション62と、傾動機構63と、スライド機構64と、シート連結部材65と、を備えている。リアシート6は、荷室2の前側に配置されて、棚部11の前方で前後方向にスライド可能に配置されている。リアシート6は、例えば、左右一対の座席から成る(図2参照)。
なお、リアシート6は、一つのベンチシートであってもよい。また、リアシート6は、荷室2の前側にあればよく、フロントシートであってもよい。
なお、フック部材4は、左側のリアシート6のシートバック61に取り付けてあってもよく、また、左右の両方のリアシート6のシートバック61に取り付けてあってもよい。
ボード連結部65bは、略逆U字形状のシート連結部材本体65cにおいて、スライドボード31の連結部材33に着脱自在に連結される部位である。
シート連結部材本体65cは、金属製棒状部材から成る。シート連結部材本体65cは、前端側に設けられたシート連結部65aと、後端側に配置されたボード連結部65bと、を連結している。
図2及び図3(a)、(b)に示すように、フック部材4は、掛止部材5を掛止させることによって、リアシート6の背面に立て掛けたボード3を立て掛けた状態に保持するための掛止具である。このほか、フック部材4は、レジ袋(「取手付きゴミ袋」、「コンビニ袋」ともいう。)取手付きバッグ等を掛止する掛止具としても使用可能である。フック部材4は、リアシート6の背面において、図1に示すような収納位置の状態のボード3よりも上方の位置に設けられている。フック部材4は、図2に示すように、ボード3をリアシート6の背面に配置した収納位置の状態で、リアシート6の背面において、起立状態のボード3よりも高い位置に設置することにより、掛止部材5やレジ袋等を容易に掛止することができる。フック部材4は、車幅方向において、前延部32bの直上に設けられている。図3(a)、(b)に示すように、フック部材4は、側面視して略J字形状に形成されたフック41と、フック41をシートバック61の背面に固定するための固定枠42と、を備えて構成されている。
図2に示すように、掛止部材5は、フック部材4に引っ掛け可能な可撓性の部材によって形成されている。掛止部材5は、例えば、略U字状に折り曲げた線状部材の両端部をボード3の中央部の右寄りの位置に設けられている。図3(a)、(b)に示すように、掛止部材5は、フック部材4に直接引っ掛けて掛止するワイヤ51によって形成されている。掛止部材5の基端部は、固定具72によってトランクボード32の下面に固定された保持部材7に固定されている。
図3(a)、(b)に示すように、保持部材7は、掛止部材5の基端部を保持するための金属製または樹脂製のブラケットである。保持部材7は、掛止部材固定部71aと、収容凹部71bと、開口部71cと、を有する保持部材本体71から成る。
掛止部材固定部71aは、略U字状に曲げたワイヤ51の両側基端部を固定する固定部である。掛止部材固定部71aは、保持部材本体71に一体形成されている。
図2及び図4に示すように、ボード3は、荷物を載置するための板状部材である。ボード3は、スライドボード31と、トランクボード32と、連結部材33(被連結部33c)と、掛止部材5(図2参照)と、を備えて構成されている。ボード3は、荷室空間21において、図4及び図5に示す荷物を載置可能な載置位置と、図2、図11及び図12に示すリアシート6の背面に沿って配置される収納位置と、に保持可能である。図2に示すように、載置位置の状態に配置したボード3は、荷室空間21を上側の上部荷室空間と、下側の下部荷室空間と、に上下に区画して、荷室2を二つの部屋にする仕切り部材の機能を有している。なお、ボード3をリアシート6の背面に沿って配置する収納位置の場合、ボード3は、リアシート6の背面に平行でなくてもよい。
図4及び図5に示すように、スライドボード31は、載置位置において、リアシート6と一緒に前後方向にスライド可能な平面視して略矩形の樹脂製の厚板状部材である。スライドボード31の前端部は、連結部材33及びシート連結部材65を介在してリアシート6に着脱可能に連結されている。このため、スライドボード31は、リアシート6を前方向にスライド移動させた際に、リアシート6とスライドボード31の前端との間に、大きな隙間Sができるのを抑制して、隙間Sから荷物が落下するのを防止することができる。つまり、その隙間Sは、スライドボード31がリアシート6と一緒に前後方向に連動することで、シートバック61を傾動させない限り、変化しないように構成されている。
トランクボード32は、スライドボード31の下側に配置されて、車室の側面1bの棚部11に支持させることが可能な平面視して略四角形の樹脂製の厚板部材から成る。トランクボード32は、連結部32aと、前延部32bと、係合部32cと、前側両端部32dと、後延部32eと、保持部32fと、一般部32gと、傾斜部32hと、側辺32iと、角辺32jと、後辺32kと、を有している。
前側両端部32dは、トランクボード32の車幅方向の両端部である。前側両端部32dには、保持部32fが形成されている。このように、トランクボード32の前側両端部32dは、前延部32bから連結部32aを介して保持部32fまで階段状に形成されている。
図4〜図7に示すように、連結部材33は、スライドボード31をトランクボード32及びシート連結部材65に着脱自在に連結するための部材である。連結部材33は、スライドボード31の左右前端部に固定された左右一対の金属製部材から成る。図7に示すように、連結部材33は、連結部材本体33aと、トランクボード連結片33bと、被連結部33cと、シート連結部材連結片33dと、を有している。連結部材33は、複数の固定具34によってスライドボード31の下面の前側の左右端部にそれぞれ固定されている。
図7または図8に示すように、トランクボード連結片33bは、連結部材本体33aの車幅方向中央側後端部からトランクボード32側に突出するように折曲形成された側面視して略L字形状の突出片から成る。図4及び図5に示すように、トランクボード連結片33bと、スライドボード31との間には、トランクボード32の連結部32aが係合される被連結部33cが形成されている。トランクボード連結片33bの先端部は、トランクボード32がスムーズに係合できるように斜め下方向に拡開するように折曲形成されている。
係合部33d1は、側面視して略J字状に形成された舌片から成る。このため、係合部33d1は、スライドボード31をスライドさせたときに、ボード連結部65bが外れないように支持することができる。係止部33d2は、トランクボード32がスムーズに係合できるように、係合部33d1の先端から下方向に拡開するように略湾曲状に曲げて形成されている。
図1及び図10に示すように、棚部11は、トランクボード32を下側から支持する支持部である。図9に示すように、棚部11は、左右の車室内壁22から荷室2側(車内側)に膨出し、縦断面視して略コ字状に形成されている。棚部11の車外側の表面は、この表面に沿って上下方向に補強用のリブ11k(図10参照)が前後方向に適宜な間隔で突出形成されている。棚部11は、前後方向に水平に延設されている。棚部11の上面11fには、前端部に設けられた凹部11bと、凹部11bの後方に設けられた凸部または凹部11aと、が設けられている。
第1側壁11dは、棚部11の上面11fの前端から下方に伸びる凹部11bの後側内壁面である。
底面11cは、第1側壁11dの下端から前方に向かって伸びる内底面である。
第2側壁11eは、底面11cの前端から第1側壁11dに沿って上方に伸びる凹部11bの前側内壁面である。この第2側壁11eは、棚部11の上面11fよりも上方に伸びている。
次に、図1〜図12を参照して本発明の実施形態に係る車両用荷室構造の作用を説明する。
この場合、ボード3は、図4に示すように、トランクボード32の下面の係合部32cが凸部または凹部11aに係合され、スライドボード31の前端部の連結部材33がリアシート6のシート連結部材65に連結されて保持されている。このため、ボード3は、車両1が走行中であっても、安定した状態で、荷室2内に配置することができる。
また、フック部材4は、リアシート6の背面に設置されているので、乗員の首元から離間した位置に配置することができるため、乗員の煩わしさを減らすことができる。
また、フック部材4は、載置位置のボード3よりも上方に設けることができるので、ボード3の上に載せた荷物や、レジ袋等を容易にフック41に引っ掛けて固定することができる。このため、荷物の保持性を高めることができる。
また、トランクボード32の連結部32aの前後位置は、シート(リアシート6)を後方にスライドさせた際に、スライドボード31の被連結部33cと連結される位置によって定まる。このため、前延部32bが連結部32aよりも前方に伸びていることで、スライドボード31が前側にスライド移動した際に、スライドボード31とトランクボード32とが重なり合う重なり代を確保することができる。
これにより、スライドボード31とのラップ代が少ない連結部32aを、トランクボード32が車室内面に固定される位置に近づけることで、スライドボード31の支持剛性が低下するのを抑制することができる。また、フック部材4は、車幅方向内側に設けられることで、車室内面が邪魔にならずに、荷物を引っ掛ける際の作業性を向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
1b 車室の側面
2 荷室
3 ボード
4 フック部材
5 掛止部材
6 リアシート(シート)
11 棚部
11a 凸部または凹部
11b 凹部
21 荷室空間
31 スライドボード
32 トランクボード
32a 連結部
32b 前延部
32c 係合部
33 連結部材
33c 被連結部
51 ワイヤ
Claims (6)
- 車両のシートの後方に設けられた荷室空間と、
前記荷室空間において、荷物を載置可能な載置位置と、前記シートの背面に沿って配置される収納位置と、に保持可能なボードと、
前記シートの背面において、前記載置位置の状態の前記ボードよりも上方の位置に設けられたフック部材と、
前記ボードに設けられて前記フック部材に引っ掛け可能な掛止部材と、を備え、
前記ボードは、前記シートと一緒にスライド可能なスライドボードと、
前記スライドボードの下方に配置されるトランクボードと、を備えて構成され、
前記ボードを使用しない場合、シート連結部材によって前記シートに連結された前記スライドボードは、前記シートのシートバックの背面に立て掛けられて、
前記トランクボードは、当該トランクボードに設けられた前記掛止部材を前記フック部材に引っ掛けて、車室の側面に設けられた棚部の上面に形成した凹部に、前記トランクボードの車幅方向両側辺の前端部に形成した保持部を挿入して、前記スライドボードの後側に立て掛けて前記スライドボードの上端部を支えること、
を特徴とする車両用荷室構造。 - 前記掛止部材は、可撓性を有し、前記フック部材に引っ掛けて掛止するワイヤを備えていること、
を特徴とする請求項1に記載の車両用荷室構造。 - 前記トランクボードは、前記スライドボードに連結される連結部と、
前記載置位置において、前記連結部よりも前方に向かって伸びる前延部と、を備え、
前記フック部材は、車幅方向において、前記前延部の直上に設けられていること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用荷室構造。 - 前記連結部に連結される被連結部は、載置位置において、前記スライドボードの下面から下方に向かって設けられると共に、前記スライドボードが後方にスライドしたときに、前記連結部に連結されること、
を特徴とする請求項3に記載の車両用荷室構造。 - 前記トランクボードは、前記車室の側面に設けられた棚部の上方に載置され、
前記棚部の上面には、凸部または凹部が設けられ、
前記トランクボードの下面には、前記凸部または凹部と係合する係合部が設けられていること、
を特徴とする請求項4に記載の車両用荷室構造。 - 前記連結部は、前記フック部材よりも車幅方向外側に設けられていること、
を特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用荷室構造。
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