JP6878479B2 - 車両用荷室構造 - Google Patents
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Description
なお、図1または図2に示す車両1の進行方向を「F」、後退方向を「B」、「鉛直上方側を「U」、鉛直下方側を「D」、左側を「L」、右側を「R」として適宜説明する。また、シート連結部材65の前端部を中心として回動するボード3は、図1に示す水平状態にしたときの基端側を前側、先端側を後側として説明する。
車両1は、車両1の後面に設けられた後部開口1aと、後部開口1aを開閉する扉(図示省略)と、車体後部に設けられた荷室2と、荷室2の前側に配置されたシート(例えば、リアシート6)と、荷室2に配置されたボード3と、ボード3を支持する棚部11と、を備えている。
車両用荷室構造は、図1または図2に示すように、リアシート6と、荷室空間21を有する荷室2と、荷室空間21に配置されたボード3と、リアシート6に設けられたフック部材4と、ボード3に設けられた掛止部材5と、を備えて成る。
荷室2は、荷物を収納したり、積載したりする空間である。この荷室2は、車体後端部に設けられた後部開口1aと、客室の後端部に配置されたリアシート6との間に形成されている。荷室2は、リアシート6を前後方向に移動させることによって、荷室2の前後方向に長さを変えることが可能になっている。荷室2内の左右両側には、ボード3のトランクボード32を支持する棚部11を有する車室内壁22が形成されている。
図1、図2及び図11に示すように、棚部11は、トランクボード32を下側から支持する支持部である。図10に示すように、棚部11は、左右の車室内壁22から荷室2側(車内側)に膨出し、前後方向に水平に延設されている。棚部11の上面11fには、前端部に設けられた凹部11bと、凹部11bの後方に設けられた凸部または凹部11aと、が設けられている。
第1側壁11dは、棚部11の上面11fの前端から下方に伸びる凹部11bの後側内壁面である。
底面11cは、第1側壁11dの下端から前方に向かって伸びる内底面である。
第2側壁11eは、底面11cの前端から第1側壁11dに沿って上方に伸びる凹部11bの前側内壁面である。この第2側壁11eは、棚部11の上面11fよりも上方に伸びている。
図1に示すように、リアシート6は、車室の後部に配置された座席である。リアシート6は、シートバック61と、シートクッション62と、傾動機構63と、スライド機構64と、シート連結部材65と、を備えている。リアシート6は、荷室2の前側に配置されて、棚部11の前方で前後方向にスライド可能に配置されている。リアシート6は、例えば、左右一対の座席から成る(図3参照)。
なお、リアシート6は、一つのベンチシートであってもよい。また、リアシート6は、荷室2の前側にあればよく、フロントシートであってもよい。
なお、フック部材4は、左側のリアシート6のシートバック61に取り付けてあってもよく、また、左右の両方のリアシート6のシートバック61に取り付けてあってもよい。また、フック部材4の構成は、後で詳述する。
ボード連結部65bは、略逆U字形状のシート連結部材本体65cにおいて、スライドボード31の連結部材33に着脱自在に連結される部位である。
シート連結部材本体65cは、前端側に設けられたシート連結部65aと、後部側に配置されたボード連結部65bと、を連結した金属製棒状部材から成る。
図1及び図11に示すように、ボード3は、荷物を載置するための板状部材である。ボード3は、スライドボード31と、トランクボード32と、連結部材33(被連結部33c)と、掛止部材5(図2参照)と、を備えて構成されている。ボード3は、荷室空間21において、図1及び図11に示す荷物を載置可能な載置位置と、図2、図3及び図12に示すリアシート6の背面に配置される収納位置と、に保持可能である。図2に示すように、載置位置の状態に配置したボード3は、荷室空間21を上側の上部荷室空間と、下側の下部荷室空間と、に上下に区画して、荷室2を二つの部屋にする仕切り部材の機能を有している。
図11及び図12に示すように、スライドボード31は、リアシート6と一緒に前後方向にスライド可能な平面視して略矩形の樹脂製の厚板状部材である。スライドボード31の前端部は、連結部材33及びシート連結部材65を介在してリアシート6に着脱可能に連結されている。このため、スライドボード31は、リアシート6を前方向にスライド移動させた際に、リアシート6とスライドボード31の前端との間に、大きな隙間Sができるのを抑制して、隙間Sから荷物が落下するのを防止することができる。つまり、その隙間Sは、スライドボード31がリアシート6と一緒に前後方向に連動することで、シートバック61を傾動させない限り、変化しないように構成されている。
トランクボード32は、スライドボード31の下側に配置されて、車室の側面1bに支持させることが可能な平面視して略四角形の樹脂製の厚板部材から成る。トランクボード32は、連結部32aと、前延部32bと、係合部32cと、前側両端部32dと、後延部32eと、保持部32fと、一般部32gと、傾斜部32hと、側辺32iと、角辺32jと、後辺32kと、コーナー部32mと、開口領域部32nと、を有している。
後延部32eは、連結部32aの車幅方向端部から後方(先端側)に向かって伸びて形成された部位である。
図8または図9に示すように、連結部材33は、スライドボード31をトランクボード32及びシート連結部材65に着脱自在に連結するための部材である。連結部材33は、スライドボード31の左右前端部に固定された左右一対の金属製部材から成る。連結部材33は、連結部材本体33aと、トランクボード連結片33bと、被連結部33cと、シート連結部材連結片33dと、を有している。連結部材33は、複数の固定具34によってスライドボード31の下面の前側の左右端部にそれぞれ固定されている。
図8または図9に示すように、トランクボード連結片33bは、連結部材本体33aの車幅方向中央側前端部からトランクボード32側に突出するように折曲形成された側面視して略L字形状の突出片から成る。図11及び図12に示すように、トランクボード連結片33bと、スライドボード31との間には、トランクボード32の連結部32aが係合される被連結部33cが形成されている。トランクボード連結片33bの先端部は、トランクボード32がスムーズに係合できるように斜め下方向に拡開するように折曲形成されている。
被連結部33cは、トランクボード32の左右前端部の連結部32aが着脱自在に係合されて、連結部32aを支持する部位である。被連結部33cは、側面視して略L字状のトランクボード連結片33bと、スライドボード31の下面と、によって形成された横溝形状の空間から成る。被連結部33cは、スライドボード31の下面から下方に伸びると共に、後方に開口する開口部を備えている。図4及び図5に示すように、被連結部33cは、スライドボード31が後方向(矢印b方向)にスライド移動したときに、連結部32aに連結される。
係合部33d1は、側面視して略J字状に形成された舌片から成る。係止部33d2は、トランクボード32がスムーズに係合できるように、係合部33d1の先端から下方向に拡開するように略湾曲状に曲げて形成されている。
図3及び図4(a)、(b)に示すように、フック部材4は、掛止部材5を掛止させることによって、リアシート6の背面に立て掛けたボード3を立て掛けた状態に保持するための掛止具である。このほか、フック部材4は、レジ袋(「取手付きゴミ袋」、「コンビニ袋」ともいう。)取手付きバッグ等を掛止する掛止具としても使用可能である。フック部材4は、リアシート6の背面において、図1に示すような載置位置の状態のボード3よりも上方の位置に設けられている。さらに、詳述すると、フック部材4は、図2に示すように、ボード3をリアシート6の背面に配置した収納位置の状態で、掛止部材5を掛止させることが可能な位置に設置されている。フック部材4は、車幅方向において、前延部32bの直上に設けられている。図4(a)、(b)に示すように、フック部材4は、側面視して略J字形状に形成されたフック41と、フック41をシートバック61の背面に固定するための固定枠42と、を備えて構成されている。
図3に示すように、掛止部材5は、フック部材4に引っ掛け可能な可撓性の部材によって形成されている。掛止部材5は、例えば、略U字状に折り曲げた線状部材の両端部をボード3の中央部の右寄りの位置に設けられている。図4(a)、(b)に示すように、掛止部材5は、フック部材4に直接引っ掛けて掛止するワイヤ51によって形成されている。掛止部材5の基端部は、固定具72によってトランクボード32の下面に固定された保持部材7に固定されている。
図4(a)、(b)に示すように、保持部材7は、掛止部材5の基端部を保持するための金属製または樹脂製のブラケットである。保持部材7は、掛止部材固定部71aと、収容凹部71bと、開口部71cと、を有する保持部材本体71から成る。図7に示すように、保持部材7は、一般部32gと傾斜部32hとの間に形成されたコーナー部32mに設けられている。
掛止部材固定部71aは、略U字状に曲げたワイヤ51の両側基端部を固定する固定部である。掛止部材固定部71aは、保持部材本体71に一体形成されている。
次に、図1〜図13を参照して本発明の実施形態に係る車両用荷室構造の作用を説明する。
この場合、ボード3は、図11に示すように、トランクボード32の下面の係合部32cが凸部または凹部11aに係合され、スライドボード31の前端部の連結部材33がリアシート6のシート連結部材65に連結されて保持されている。このため、ボード3は、車両1が走行中であっても、安定した状態で、荷室2内に配置することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
1a 後部開口
1b 荷室の側面
1c 下面
2 荷室
3 ボード
4 フック部材
5 掛止部材
6 リアシート(シート)
7 保持部材
23 床面
32 トランクボード
32g 一般部
32h 傾斜部
32i 側辺
32j 角辺
32k 後辺
32m コーナー部
32n 開口領域部
71b 収容凹部
71c 開口部
Claims (4)
- 車両の後部に設けられた荷室と、前記車両の後面に設けられ前記荷室と連通する後部開口と、前記荷室を上下に仕切るトランクボードと、を備えた車両用荷室構造において、
前記荷室の前方にシートが備えられ、
前記後部開口の下面は、前記荷室の床面よりも高い位置に設けられ、
前記トランクボードは、略水平方向に延びる一般部と、
前記一般部から後端に向かって上方に傾斜する傾斜部と、
前記シートに掛止される可撓性を有する掛止部材と、を備え、
前記傾斜部の少なくとも一部は、車幅方向から見て前記後部開口の下面の上方に位置する開口領域部を有し、
前記一般部の下面には、前記掛止部材を収容する収容凹部が上方に向かって凹んだ形状で設けられ、
前記収容凹部は、U字状に折り曲げた線状部材から成る前記掛止部材の両端部を固定する保持部材に設けられ、
前記収容凹部の上面は、前記傾斜部の下面まで延びており、
前記掛止部材は、U字状に折り曲げれた先端部位を前記収容凹部に挿入することで支持されるとともに、前記トランクボードを前記荷室内に水平に配置している場合、開放された前記後部開口の後方から視認可能に配置されていること、
を特徴とする車両用荷室構造。 - 前記保持部材は、前記一般部と前記傾斜部との間に形成されたコーナー部に設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の車両用荷室構造。 - 前記トランクボードは、前記荷室の側面に沿って延びる側辺と、
前記側辺から後方に向かうに連れて車幅方向中央に向かって傾斜する角辺と、
前記角辺の後端から車幅方向に延びる後辺と、を有し、
前記後辺が、前記後部開口の下面の上方に配置されていること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用荷室構造。 - 前記傾斜部は、前記後辺に沿って形成されていること、
を特徴とする請求項3に記載の車両用荷室構造。
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