以下に添付図面を参照して、この発明に係る開閉制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉するシャッターカーテンの開閉移動を制御するための開閉制御システムに関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、シャッターカーテンを備えるシャッター装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、重量シャッター等の自重で閉鎖移動することが可能な全ての形式のシャッターを含む概念である。また、シャッター装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また、シャッター装置の駆動方式は任意であり、例えば、「電動式のシャッター」、「手動式のシャッター」が該当する。また「シャッターカーテンの状態」とは、例えば、シャッターカーテンによって開口部を全閉した「全閉状態」と、シャッターカーテンによって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。なお、実施の形態では、全閉状態におけるシャッターカーテンの位置を「全閉位置」と称し、全開状態におけるシャッターカーテンの位置を「全開位置」と称する。以下、実施の形態では、シャッター装置が、商業施設の如き建物内の所定の部屋における通路側の壁に設けられた上下開閉式且つ電動式の重量シャッター(具体的には、防火シャッター)である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る開閉制御システムについて説明する。この実施の形態1は、後述する入力不可制御が行われている場合に、後述する入力可能状態であると判定された場合には、後述する入力不可制御に代えて後述する入力可制御を行う形態である。
(構成)
最初に、実施の形態1に係る開閉制御システムが適用されるシャッター装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向をシャッター装置の左右方向又は幅方向(−X方向をシャッター装置の左方向、+X方向をシャッター装置の右方向)、図1のY方向をシャッター装置の上下方向(+Y方向をシャッター装置の上方向、−Y方向をシャッター装置の下方向)、X方向及びY方向に直交する方向を前後方向と称する。
図1に示すように、このシャッター装置1は、概略的に、シャッター収納部10、ガイドレール20、シャッターカーテン30、開閉機40、巻取軸(図示省略)、異常報知システム50、及び開閉制御システム60を備えている。ただし、シャッター装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部10は、シャッター装置1の各部を収納するための中空体である。図1に示すように、このシャッター収納部10は、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、このシャッター収納部10の内部には、開閉機40、巻取軸、並びに、開閉制御システム60の後述する自動閉鎖装置70、後述する上限検知部90、後述する下限検知部100、火災検知部110、後述する受信部122、及び後述する制御装置130が収容されていると共に、巻取軸にてシャッターカーテン30が巻上げられた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部が、シャッター収納部10の内部に収容される。また、このシャッター収納部10の具体的な構成については任意であるが、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成している。
(構成−ガイドレール)
ガイドレール20は、シャッターカーテン30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、シャッター装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
(構成−シャッターカーテン)
シャッターカーテン30は、巻取軸によって閉鎖移動又は開放移動されることで、シャッターカーテン30の状態を全開状態、全閉状態、又は半開状態とする遮蔽手段である。このシャッターカーテン30は、図1に示すように、複数のスラット31を備えており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部(図示省略)を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、このシャッターカーテン30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、このシャッターカーテン30の下端部には、座板32が接続されている。この座板32は、シャッターカーテン30の状態が全閉状態である場合において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
(構成−開閉機)
開閉機40は、巻取軸を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させる開閉移動手段である。この開閉機40は、例えばシャッター用の開閉機等を用いて構成されており、出力軸、減速部、調速部、ブレーキ、及び駆動部を備えている(いずれも図示省略)。
このうち、出力軸は、駆動部から伝達された回転力を巻取軸に伝達するものであり、出力軸の一部が外部に向けて突出するように設置されており、当該突出した部分に取り付けられたチェーン(図示省略)を介して巻取軸に連結されている。また、減速部は、駆動部の回転速度を減速させて、出力軸に回転力を伝達させるものである。また、調速部は、出力軸を介して出力軸の回転速度を調整するものである。また、ブレーキは、出力軸への作用によりシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動(自重降下)を停止させるものである。このブレーキには、ブレーキによるシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動の停止状態を解放するための解放操作部(図示省略)が外部に露出するように取り付けられている。また、駆動部は、出力軸を電動で回転させるための駆動手段である。
このような構成により、駆動部を電動駆動させることにより回転力が出力軸に入力されると、当該入力された回転力が出力軸を介して巻取軸に伝達されるので、シャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動させることができる。また、後述する異常の発生の際に、開閉制御システム60の後述する自動閉鎖装置70が作動することにより、解放操作部が後述する自動閉鎖装置70によって解放操作されると(例えば、解放操作部が自動閉鎖装置70によって引かれて解放される等)、ブレーキによるシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動の停止状態が解放されて、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させることができる。この場合において、調速部によって出力軸の回転速度が低速になるように調速されるため、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動の速度を低減することができる。
(構成−巻取軸)
巻取軸は、シャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させるための回動軸である。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸にはシャッターカーテン30の上端に連結された連結部(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結部を介してシャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させることができる。また、この巻取軸の左端部(又は右端部)がチェーン(図示省略)を介して開閉機40の出力軸に連結されているので、開閉機40の出力軸の回転に伴って巻取軸を回転させることができる。
(構成−異常報知システム)
次に、開閉制御システム60と連動させる異常報知システム50の構成について説明する。異常報知システム50は、建物又はその近傍を含む監視領域(図示省略)における異常の発生を検出して報知するシステムである。ここで、「異常の発生」とは、監視領域又は開口部2の近傍において正常でない状態が生じていることを意味し、例えば、監視領域で火災、洪水等の災害の発生等を含む概念であるが、実施の形態1では、火災の発生として説明する。また、この異常報知システム50は、例えば公知の火災報知システムを用いて構成されており、建物内に設置されており、図1に示すように、火災感知器51及び防災盤52を備えている。
このうち、火災感知器51は、第1異常発生信号を防災盤52に出力する火災検出手段であり、例えば公知の熱感知器(又は煙感知器)等を用いて構成されている。ここで、「第1異常発生信号」とは、監視領域で異常が発生している可能性がある旨を示す信号を意味する。また、防災盤52は、火災感知器51から第1異常発生信号を配線4を介して受信した場合に、警報音の出力や火災表示灯の点灯を行うと共に、第1異常発生信号を開閉制御システム60の後述する制御装置に配線4を介して1回又は継続して出力する装置である。
(構成−開閉制御システム)
次に、開閉制御システム60の構成について説明する。図1に示すように、開閉制御システム60は、自動閉鎖装置70、シャッター側操作装置80、上限検知部90、下限検知部100、火災検知部110、座板スイッチ120、送信部121、受信部122、及び制御装置130を備えている。
(構成−開閉制御システム−自動閉鎖装置)
自動閉鎖装置70は、開閉機40のブレーキを解放させることにより、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させるブレーキ解放手段であり、例えば公知の自動閉鎖装置等を用いて構成されている。ここで、「開閉機40のブレーキを解放させる」とは、開閉機40のブレーキを開閉機40の出力軸に作用させないことを意味する。また、この自動閉鎖装置70の具体的な動作については任意であるが、例えば、制御装置130の後述する出力部134から配線4を介して受信した制御信号に基づいて、開閉機40の解放操作部を解放操作することにより開閉機40のブレーキを解放させることで、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させたり、あるいは、開閉機40の解放操作部を解放操作される前の状態に戻すことにより開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を停止させる。
(構成−開閉制御システム−シャッター側操作装置)
シャッター側操作装置80は、シャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段である。このシャッター側操作装置80は、例えば公知の操作装置等を用いて構成されており、シャッターカーテン30の近傍に設けられており、図1に示すように、電動開放ボタン81、電動閉鎖ボタン82、電動停止ボタン83、非常作動ボタン84、及び復旧ボタン85を備えている。
このうち、電動開放ボタン81は、シャッターカーテン30を電動で開放移動させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す電動開放信号を出力するボタンである。また、電動閉鎖ボタン82は、シャッターカーテン30を電動で閉鎖移動させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す電動閉鎖信号を出力するボタンである。また、電動停止ボタン83は、電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す電動停止信号を出力するボタンである。また、非常作動ボタン84は、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す信号を出力するボタンである。また、復旧ボタン85は、後述する制御装置130の第1入力部131又は第2入力部132によって第1異常発生信号又は後述する第2異常発生信号の入力が受け付けられた後に、開閉制御システム60を第1異常発生信号又は後述する第2異常発生信号の入力が受け付けられる前の状態に復旧させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す復旧信号を出力するボタンである。
また、このシャッター側操作装置80の設置方法については任意であるが、例えば、人が部屋の床面に立った状態でシャッター側操作装置80に手が届く位置に設置することが望ましく、一例として、部屋の壁の部分のうち、部屋の床面から所定距離(例えば1m等)上方に向けて離れた部分に設置している。
(構成−開閉制御システム−上限検知部、下限検知部)
上限検知部90は、シャッターカーテン30の下端部が部屋の天井3の面と面一となる位置(以下、「上限位置」と称する。)に達しているか否かを検出する上限検知手段である。また、下限検知部100は、シャッターカーテン30の下端部が、部屋の床面近傍に設定された位置(例えば、床面から所定距離(数cm)だけ上方側に設定された位置等。以下、「下限位置」と称する。)に達しているか否かを検出する下限検知手段である。これら上限検知部90及び下限検知部100は、例えばカウンター式のリミットスイッチ等の公知の検知センサを用いて構成されており、開閉機40の近傍位置にそれぞれ設置されている。
また、この上限検知部90が開閉機40の出力軸の回転数を検出するカウンター式のリミットスイッチである場合の具体的な検知動作については任意であるが、例えば、上限検知部90においては、開閉機40の出力軸の回転数が、シャッターカーテン30の下端部が開口部2の下端部から上限位置に到達するまでに必要な必要回転数に達していない場合には、上限検知信号を出力しないが、開閉機40の出力軸の回転数が上記必要回転数に達している場合には、上限検知信号を出力する。また、この下限検知部100が開閉機40の出力軸の回転数を検出するカウンター式のリミットスイッチである場合の具体的な検知動作については任意であるが、例えば、下限検知部100においては、開閉機40の出力軸の回転数が、シャッターカーテン30の下端部が開口部2の上端部から下限位置に到達するまでに必要な必要回転数に達していない場合には、下限検知信号を出力しないが、開閉機40の出力軸の回転数が上記必要回転数に達している場合には、下限検知信号を出力する。
(構成−開閉制御システム−火災検知部)
火災検知部110は、当該火災検知部110の熱変形に伴って第2異常発生信号を出力する火災検知手段である。ここで、「第2異常発生信号」とは、開口部2の近傍で異常が発生している可能性がある旨を示す信号を意味する。この火災検知部110は、図2に示すように、開口部2の近傍に設けられており、支持部111、出力部112、及び作用部113を備えている。
(構成−開閉制御システム−火災検知部−支持部)
支持部111は、出力部112及び作用部113を支持するための支持手段であり、図2に示すように、支持部本体111a、第1支持部111b、及び第2支持部111cを備えている。このうち、支持部本体111aは、支持部111の基本構造体であり、略板状体にて形成されている。また、第1支持部111bは、後述する固定側接点部112aを固定支持するものであり、支持部本体111aに立設されている。また、第2支持部111cは、後述する可動側接点部112b及び作用部113を支持するものであり、第1支持部111bと間隔を隔てて支持部本体111aに立設されている。
(構成−開閉制御システム−火災検知部−出力部)
出力部112は、第2異常発生信号を出力する出力手段であり、図2に示すように、第1支持部111bに対して固定支持されている固定側接点部112aと、第2支持部111cに対して可動可能に支持され、且つ固定側接点部112aと対向する位置に設けられている可動側接点部112bとを備えている。また、固定側接点部112a及び可動側接点部112bの具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、図2に示すように、固定側接点部112a及び可動側接点部112bが接触した際に、第2異常発生信号を制御装置130に出力できるように、固定側接点部112a及び可動側接点部112bの各々と制御装置130とが配線4を介して接続されている。
(構成−開閉制御システム−火災検知部−作用部)
作用部113は、当該作用部113の熱変形に伴って出力部112から第2異常発生信号が出力されるように出力部112に対して作用する作用手段であり、図2に示すように、ばね部113a、ガイド部113b、及び拘束部113cを備えている。このうち、ばね部113aは、当該ばね部113aの付勢力によって可動側接点部112b及びガイド部113bを固定側接点部112aに向けて移動させるためのものであり、例えば公知のばね部材を用いて構成されており、第2支持部111c及び可動側接点部112bに接続されている。また、ガイド部113bは、可動側接点部112bが固定側接点部112aに向けて移動するようにガイドするためのものであり、棒状に形成されており、ガイド部113bが第2支持部111cに形成された挿通孔(図示省略)に挿通された状態で、ガイド部113bの一方の端部が可動側接点部112bに接続されている。また、拘束部113cは、ばね部113aの付勢力が発生するように、ばね部113aが収縮された状態を維持するためのものである。この拘束部113cは、例えば所定温度以上(例えば、70℃以上等)で溶融(熱変形)する公知のヒューズ材(一例として低融点可溶合金製のヒューズ材)を用いて構成されている。また、図2(a)に示すように、拘束部113cの一方の端部が可動側接点部112bに対して接続されていると共に、拘束部113cの他方の端部が第2支持部111cに対して接続されている。
また、この火災検知部110の具体的な動作については任意であるが、例えば、火災の熱等によって開口部2の近傍の温度が所定温度以上になることで、拘束部113cが溶融(熱変形)した場合には、図2(b)に示すように、ばね部113aの付勢力によって可動側接点部112b及びガイド部113bが固定側接点部112aに向けて移動し、その後可動側接点部112bが固定側接点部112aに接触すると、出力部112から第2異常発生信号が出力される。
このような火災検知部110により、公知の熱感知器又は煙感知器に比べて、簡易に構成することができると共に、開閉制御システム60(具体的には、制御装置130)の処理負荷を低減でき、火災検知部110の製造性を向上させることができると共に、開閉制御システム60の制御性が低下することを回避できる。なお、この火災検知部110の感度(第2異常発生信号を出力するタイミング)、及び異常報知システム50の火災感知器51の感度(第1異常発生信号を出力するタイミング)の設定方法については任意であるが、実施の形態1では、略同一の感度に設定しているが、これに限られず、例えば、相互に異なる感度に設定してもよい。一例として、火災検知部110の感度については、当該火災検知部110の周辺温度が80℃以上になると第2異常発生信号を出力するように設定し、火災感知器51の感度については、当該火災感知器51の周辺温度が60℃以上になると第1異常発生信号を出力するように設定することにより、火災検知部110の感度を火災感知器51の感度よりも鈍く設定してもよい。これにより、火災検知部110の誤検知を抑制することができ、開口部近傍での異常の発生を正確に報知することが可能となる。
(構成−開閉制御システム−座板スイッチ)
図1に戻り、座板スイッチ120は、シャッターカーテン30の閉鎖移動の障害になる障害物を検知する障害物検知手段である。この座板スイッチ120は、例えば公知の有線式の座板スイッチ等を用いて構成されており、座板32に取り付けられている。
また、座板スイッチ120がマイクロスイッチである場合の検知動作については任意であるが、例えば、シャッターカーテン30の閉鎖移動中にシャッターカーテン30の下端部が障害物に接触して当該シャッターカーテン30に対して相対的に上方に持ち上げられた場合に、その持ち上げられた変位がマイクロスイッチ等によって検知されることにより、障害物が検知された旨を示す情報を含む信号(以下、「障害物検知信号」と称する)を出力する。一方、シャッターカーテン30の閉鎖移動中においてシャッターカーテン30の下端部が障害物に接触していないことで当該シャッターカーテン30に対して相対的に上方に持ち上げられていない場合には、障害物検知信号を出力しない。
なお、実施の形態1では、座板スイッチ120が設けられていると説明するが、これに限られず、例えば、座板スイッチ120に代えて、障害物を検知するための任意の検知手段を用いることができ、一例として、光電センサ等によって、シャッターカーテン30の下端部よりも下方に存在する障害物を検知してもよい。
(構成−開閉制御システム−送信部)
送信部121は、座板スイッチ120による障害物検知信号を無線(電波又は赤外線等)にて送信する送信手段である。この送信部121は、例えば公知の無線式の送信機を用いて構成されており、図1に示すように、座板スイッチ120の近傍に設けられており、座板スイッチ120と図示しない配線を介して通信可能に接続されている。
(構成−開閉制御システム−受信部)
受信部122は、障害物検知信号を無線(電波又は赤外線等)にて受信する受信手段である。この受信部122は、例えば公知の無線式の受信機を用いて構成されており、図1に示すように、制御装置130の近傍に設けられている。
(構成−開閉制御システム−制御装置)
制御装置130は、シャッター装置1の各部を相互に連動させるものである。この制御装置130は、開閉機40、自動閉鎖装置70、シャッター側操作装置80、上限検知部90、下限検知部100、火災検知部110、座板スイッチ120、及び異常報知システム50の防災盤52と配線4を介して電気的に接続されており、図3に示すように、第1入力部131、第2入力部132、第3入力部133、出力部134、電源部135、制御部136、及び記憶部137を備えている。
(構成−開閉制御システム−制御装置−第1入力部、第2入力部、第3入力部)
第1入力部131は、第1異常発生信号の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている(なお、第2入力部132の構成、第3入力部133の構成についても同様とする)。第2入力部132は、第2異常発生信号の入力を受け付ける入力手段である。第3入力部133は、第1異常発生信号や第2異常発生信号以外の他の信号(具体的には、電動開放信号、電動閉鎖信号、電動停止信号、非常信号、復旧信号、上限検知信号、下限検知信号、障害物検知信号、後述する断線信号、後述する定期通報信号等)の入力を受け付ける入力手段である。
(構成−開閉制御システム−制御装置−出力部)
出力部134は、信号を自動閉鎖装置70又は開閉機40に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。
(構成−開閉制御システム−制御装置−電源部)
電源部135は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置130の各部に供給すると共に、自動閉鎖装置70、シャッター側操作装置80、上限検知部90、下限検知部100、火災検知部110、及び受信部122にも供給する電源手段である。
(構成−開閉制御システム−制御装置−制御部)
制御部136は、制御装置130の各部を制御する制御手段である。この制御部136は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
また、この制御部136は、図3に示すように、機能概念的に、判定部136a及び開閉移動制御部136bを備えている。ここで、判定部136aは、第1異常発生信号の入力が可能な状態(以下、「入力可能状態」と称する)であるか否かを判定する判定手段である。開閉移動制御部136bは、判定部136aによって入力可能状態であると判定された場合に、少なくとも第1入力部131による第1異常発生信号の入力の有無に基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する入力可制御と、判定部136aによって入力可能状態でないと判定された場合に、少なくとも第2入力部132による第2異常発生信号の入力の有無に基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する入力不可制御と、を行う開閉移動制御手段である。なお、この制御部136によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−開閉制御システム−制御装置−記憶部)
記憶部137は、制御装置130の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
(開閉処理)
次に、このように構成された開閉制御システム60によって実行される開閉処理について説明する。以下の説明では、図4から図8に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。開閉処理は、シャッターカーテン30の開閉移動を制御するための処理であり、概略的には、シャッターカーテン30を開閉移動させるために、開閉機40の駆動部を電動駆動させたり、又は自動閉鎖装置70を作動させる処理が行われる。
ここで、開閉処理における開閉機40のブレーキの具体的な動作については、実施の形態1では「開閉機40のブレーキを作用させる」こと、「開閉機40のブレーキを機械的に解放させる」こと、「開閉機40のブレーキを電気的に解放させる」ことが該当する。このうち、「開閉機40のブレーキを作用させる」とは、開閉機40の図示しない付勢手段(例えば、スプリング等)による付勢力を用いて、開閉機40のブレーキを開閉機40の出力軸に対して効かせることを意味する。また、「開閉機40のブレーキを機械的に解放させる」とは、開閉機40のブレーキを作用させた状態において、自動閉鎖装置70によって開閉機40の解放操作部が解放操作されることにより、開閉機40の付勢手段による付勢力に抗して、開閉機40のブレーキを解放することで、開閉機40のブレーキを開閉機40の出力軸に対して効かせないことを意味する。また、「開閉機40のブレーキを電気的に解放させる」とは、開閉機40のブレーキを作用させた状態において、開閉機40の電磁クラッチ(図示省略)が電気的に操作されることにより、開閉機40の付勢手段による付勢力に抗して、開閉機40のブレーキを解放することで、開閉機40のブレーキを開閉機40の出力軸に対して効かせないことを意味する。
また、この開閉処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、開閉機40、異常報知システム50の火災感知器51、及び防災盤52、並びに、開閉制御システム60の自動閉鎖装置70、シャッター側操作装置80、上限検知部90、下限検知部100、火災検知部110、送信部121、受信部122、及び制御装置130の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。また、この開閉処理の前提としては、具体的には、シャッターカーテン30の状態が全開状態であって、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30を停止させていること、として説明する。
開閉処理が起動されると、後述する入力可制御処理及び後述する入力不可制御処理が実行できるように、制御装置130の制御部136は、図4に示すように、SA1からSA3の処理を行う。
まず、SA1において制御装置130の判定部136aは、入力可能状態であるか否かを判定する。この入力可能状態であるか否かを判定する方法については任意であるが、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が断線している旨を示す信号(以下、「断線信号」と称する)が第3入力部133によって入力されたか否か、又は防災盤52から定期的に出力される通報信号(以下、「定期通報信号」と称する)が第3入力部133によって定期的に入力されている否かに基づいて判定し、断線信号が入力されていない場合又は定期通報信号が定期的に入力されている場合には入力可能状態であると判定し、断線信号が入力された場合又は定期通報信号が定期的に入力されていない場合には入力可能状態でないと判定する(なお、後述するSB1、後述するSC2、後述するSC7、後述するSD2、後述するSD6、及び後述するSE1の処理についても同様とする)。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、入力可能状態であると判定された場合(SA1、Yes)には入力可制御処理(SA2)を起動させ、入力可能状態でないと判定された場合(SA1、No)に入力不可制御処理(SA3)を起動させる。なお、入力可制御処理及び入力不可制御処理の処理内容の詳細については後述する。
次に、SA2の入力可制御処理又はSA3の入力不可制御処理が実行された後に、SA2において第1異常検知信号又は第2異常検知信号の入力が受け付けられる前の状態、又はSA3において第2異常検知信号の入力が受け付けられる前の状態に復旧できるように、制御装置130の制御部136は、図4に示すように、SA4、SA5の処理を行う。
まず、SA4において制御装置130の制御部136は、第3入力部133によって復旧信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部136は、復旧信号の入力が受け付けられるまで待機し(SA4、No)、復旧信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SA4、Yes)にSA5へ移行する。
SA5において制御装置130の開閉移動制御部136bは、シャッターカーテン30の開閉移動を停止させる(あるいは、SA5の処理直前に既にシャッターカーテン30の開閉移動が停止している場合には、当該停止している状態を維持する)。なお、例えば、シャッター側操作装置80の復旧ボタン85が押し続けられることにより、SA4において復旧信号の入力が継続して受け付けられている場合には、当該入力が継続している間において、第1異常検知信号又は第2異常検知信号の入力の有無に関わらず、シャッターカーテン30の開閉移動が停止している状態を維持させてもよい。この場合には、復旧信号の入力がされなくなった後に、SA2の入力可処理又はSA3の入力不可処理において、第1異常検知信号又は第2異常検知信号の入力が受け付けられると、シャッターカーテン30の開閉移動(具体的には、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動)が再実行される。その後、制御装置130の制御部136は、SA1へ移行させて、以降同様に、SA1からSA5の処理を繰り返す。
(開閉処理−入力可制御処理)
次に、図4のSA2の入力可制御処理について説明する。入力可制御処理は、判定部136aによって入力可能状態であると判定された場合に入力可制御を行うための処理である。
入力可制御処理が起動されると、図5に示すように、SB1において制御装置130の判定部136aは、入力可能状態であるか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、入力可能状態であると判定された場合(SB1、Yes)にはSB2へ移行し、入力可能状態でないと判定された場合(SB1、No)には図4のSA3へ移行する。
図5に戻り、SB2において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第1入力部131によって第1異常検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第1異常検知信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SB2、No)にSB3へ移行し、第1異常検知信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SB2、Yes)に第1入力可制御処理(SB6)を起動させる。また、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第1入力可制御処理が実行された後に入力可制御処理を終了し、図4の開閉処理に戻る。なお、第1入力可制御処理の処理内容の詳細については後述する。
SB3において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2入力部132によって第2異常検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2異常検知信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SB3、No)にSB4へ移行し、第2異常検知信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SB3、Yes)に第2入力可制御処理(SB7)を起動させる。また、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2入力可制御処理が実行された後に入力可制御処理を終了し、図4の開閉処理に戻る。なお、第2入力可制御処理の処理内容の詳細については後述する。
SB4において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第3入力部133によって電動閉鎖信号、電動開放信号、電動停止信号、上限検知信号、下限検知信号、非常信号、又は障害物検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、電動閉鎖信号等の入力が受け付けられたと判定された場合(SB4、Yes)にはSB5へ移行し、電動閉鎖信号等の入力が受け付けられていないと判定された場合(SB4、No)にはSB1へ移行する。
SB5において制御装置130の開閉移動制御部136bは、開閉機40によって、SB4において入力が受け付けられた電動閉鎖信号等に基づいて、シャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいは、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる。その後、制御装置130の制御部136は、SB1へ移行する。
ここで、SB4において電動閉鎖信号等の入力が受け付けられた場合には、以下に示す方法によりシャッターカーテン30の開閉移動の制御が行われる。すなわち、SB4において電動閉鎖信号又は電動開放信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の出力部134を介して開閉機40に向けて制御信号を出力することにより、開閉機40のブレーキを電気的に解放させると共に、開閉機40の駆動部を駆動させることで、シャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動させる。この場合において、例えば、SB4において電動閉鎖信号又は電動開放信号の入力が受け付けられた後に建物にいる操作者がシャッター側操作装置80の電動閉鎖ボタン82又は電動開放ボタン81を操作することなくシャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動できるように、第3入力部133による電動閉鎖ボタン82又は電動開放ボタン81の入力の受け付けが停止した場合においても、出力部134からの制御信号の出力を継続することによって開閉機40の駆動部を駆動させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動又は開放移動を継続させてもよい。また、シャッターカーテン30が電動で閉鎖移動又は開放移動している場合に、電動停止信号の入力が受け付けられた場合には、出力部134を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる。また、SB4において非常信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の出力部134を介して自動閉鎖装置70に制御信号を出力して、開閉機40のブレーキを機械的に解放させることで、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させる(なお、後述するSC1、後述するSD1、及び後述するSE5の処理についても同様とする)。この場合において、実施の形態1では、復旧信号又は障害物検知信号の入力が受け付けられ、又はシャッターカーテン30の下端部が全閉位置に達するまで、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を継続させる。
また、SB4において上限検知信号、下限検知信号、又は障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、以下に示す方法によりシャッターカーテン30の開閉移動の制御が行われる。すなわち、シャッターカーテン30が電動で開放移動している場合に、第3入力部133によって上限検知信号の入力が受け付けられた場合には、出力部134を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の電動による開放移動を停止させる。また、シャッターカーテン30が電動で閉鎖移動している場合に、第3入力部133によって下限検知信号の入力が受け付けられた後、さらに、シャッターカーテン30の下端部が部屋の床面と接触したことにより、第3入力部133によって障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、出力部134を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を停止させる(いわゆる、「タッチストップ動作」を行う)。また、シャッターカーテン30が電動で閉鎖移動している場合に、第3入力部133によって下限検知信号の入力が受け付けられる前に、第3入力部133によって障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、出力部134を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を一旦停止させる。その後、シャッターカーテン30の下端部の位置が現状の位置よりも上方位置となるように、開閉機40のブレーキを電気的に解放させると共に、開閉機40の駆動部を所定時間駆動させる。そして、再び開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を停止させる(いわゆる「タッチアップ動作」を行う)。あるいは、これに限られず、第3入力部133によって下限検知信号の入力が受け付けられる前に、第3入力部133によって障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、出力部134を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を停止させてもよい(いわゆる「タッチストップ動作」を行う)。なお、第3入力部133によって下限検知信号の入力が受け付けられる前に、タッチアップ動作又はタッチストップ動作が行われた場合には、SB2の第1異常発生信号の入力、SB3の第2異常発生信号の入力、又はSB4の電動開放信号、電動閉鎖信号、又は非常信号の入力が受け付けられるまで、シャッターカーテン30の開閉移動を停止させた状態を維持する。このような処理により、例えば、シャッターカーテン30が電動で閉鎖移動している場合に、シャッターカーテン30によって開口部2を通行する通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる。
このような入力可制御処理により、入力可能状態である場合に、異常発生信号の種類に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができると共に、シャッター側操作装置80を用いたシャッターカーテン30の開閉移動を行うことができるので、状況に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができる。また、特に、入力可制御処理が行われている場合に、開閉移動制御部136bが、SB1において入力可能状態でないと判定された場合には、入力可制御処理に代えて入力不可制御処理を行うことができる。よって、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御処理(具体的には、第1入力可制御処理)よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御処理を優先して行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能となる。
(開閉処理−入力可制御処理−第1入力可制御処理)
次に、図5のSB6の第1入力可制御処理について説明する。第1入力可制御処理は、入力可制御において第1入力部131によって第1異常発生信号が入力された場合に、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する第1入力可制御を行うための処理である。
第1入力可制御処理が起動されると、図6に示すように、SC1において制御装置130の開閉移動制御部136bは、自動閉鎖装置70によって、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させる。
SC2において制御装置130の判定部136aは、入力可能状態であるか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、入力可能状態であると判定された場合(SC2、Yes)にはSC3へ移行し、入力可能状態でないと判定された場合(SC2、No)には後述する図8のSE6へ移行する。
図6に戻り、SC3において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2入力部132によって第2異常検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2異常検知信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SC3、No)にSC4へ移行し、第2異常検知信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SC3、Yes)に後述する図7のSD2へ移行する。
図6に戻り、SC4において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第3入力部133によって復旧信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、復旧信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SC4、No)にSC5へ移行し、復旧信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SC4、Yes)に図4のSA5へ移行する。
図6に戻り、SC5において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第3入力部133によって障害物検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、障害物検知信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SC5、Yes)にSC6へ移行し、障害物検知信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SC5、No)にSC10へ移行する。
SC6において制御装置130の開閉移動制御部136bは、自動閉鎖装置70によって、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を停止させる。この自重による閉鎖移動を停止させる方法については任意であるが、実施の形態1では、まず、自動閉鎖装置70によって開閉機40の解放操作部を解放操作される前の状態に戻すことにより、開閉機40のブレーキが機械的に解放された状態から開閉機40のブレーキを作用させた状態に切り替えることで、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を一旦停止させる。次いで、シャッターカーテン30の下端部の位置が現状の位置よりも上方位置となるように、開閉機40のブレーキを電気的に解放させると共に、開閉機40の駆動部を所定時間駆動させる。そして、再び開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキを作用させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を停止させる(いわゆる「タッチアップ動作」を行う(なお、後述するSD5及び後述するSE8の処理についても同様とする)。ただし、これに限らず、例えば、タッチアップ動作に代えて、上述した図5のSB5における「タッチストップ動作」を行ってもよい(特に、停電時においては、「タッチアップ動作」を行うことができないので、「タッチストップ動作」を行うことになる)。
図6に戻り、SC7において制御装置130の判定部136aは、入力可能状態であるか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、入力可能状態であると判定された場合(SC7、Yes)にはSC8へ移行し、入力可能状態でないと判定された場合(SC7、No)には後述する図8のSE5へ移行する。
図6に戻り、SC8において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2入力部132によって第2異常検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2異常検知信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SC8、No)にSC9へ移行し、第2異常検知信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SC8、Yes)に後述する図7のSD1へ移行する。
図6に戻り、SC9において制御装置130の開閉移動制御部136bは、SC5において受け付けられた障害物検知信号の入力が受け付けられなくなってから所定時間(例えば10sec等)が経過したか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、所定時間が経過したと判定されていない場合(SC9、No)にはSC7へ移行し、所定時間が経過したと判定された場合(SC9、Yes)には、SC1へ移行する(すなわち、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を再開させる)。このようなSC7からSC9の処理により、SC5において障害物検知信号の入力が受け付けられたことで、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止している場合に、SC9において所定時間が経過するまでに、入力可能状態でなくなった場合又は第2異常検知信号の入力が受け付けられた場合には、第1入力制御処理に代えて入力不可制御処理又は第2入力制御処理を実行することができる。よって、SC7、SC8の処理を行わない場合(すなわち、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動の停止を継続する場合)に比べて、シャッターカーテン30の状態を迅速に全閉状態にすることができ、建物の防災性を確保しやすくなる。なお、SC9における「所定時間」は、特許請求の範囲における「第1所定時間」に対応する。
SC10において制御装置130の開閉移動制御部136bは、シャッターカーテン30の下端部の位置が全閉位置に達しているか否かを判定する。このシャッターカーテン30の下端部の位置が全閉位置に達しているか否かの判定方法については任意であるが、例えば、第3入力部133によって下限検知信号の入力が受け付けられているか否かに基づいて判定し、下限検知信号の入力が受け付けられている場合には全閉位置に達していると判定し、下限検知信号の入力が受け付けられていない場合には全閉位置に達していないと判定する(なお、後述するSD8、及び後述するSE10の処理についても同様とする)。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、全閉位置に達していないと判定されていない場合(SC10、No)にはSC2へ移行し、全閉位置に達していると判定された場合(SC10、Yes)には、SC11へ移行する。
SC11において制御装置130の開閉移動制御部136bは、自動閉鎖装置70によって、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を停止させ、具体的には、SC10にて全閉位置に達していると判定されてから、シャッターカーテン30の下端部が床面に接触することで座板スイッチ120から出力された障害物検知信号の入力が受け付けられた後に、シャッターカーテン30の開閉移動が停止される(いわゆる「タッチストップ動作」を行う。なお、後述するSD9、後述するSE11の処理についても同様とする。)。その後、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第1入力可制御処理を終了して、図5の入力可制御処理に戻る。
このような第1入力可制御処理により、入力可制御において、第1異常発生信号に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができる。また、特に、第1入力可制御処理が行われている場合に、開閉移動制御部136bが、SC2、SC7において入力可能状態でないと判定された場合には、第1入力可制御処理に代えて入力不可制御処理を行うことができる。また、第1入力可制御処理が行われている場合に、開閉移動制御部136bが、SC3、SC8において第2異常発生信号が入力された場合には、第1入力可制御処理に代えて第2入力可制御処理を行うことができる。よって、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる第1入力可制御処理よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御処理又は第2入力可制御処理を優先して行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能となる。
(開閉処理−入力可制御処理−第2入力可制御処理)
次に、図5のSB7の第2入力可制御処理について説明する。第2入力可制御処理は、入力可制御において第2入力部132によって第2異常発生信号が入力された場合に、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する第2入力可制御を行うための処理である。なお、第2入力可制御処理における図7のSD1からSD6、SD8、SD9は、第1入力可制御処理における図6のSC1、SC2、SC4からSC7、SC10、SC11とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
図7に示すように、SD7において制御装置130の開閉移動制御部136bは、SD4において受け付けられた障害物検知信号の入力が受け付けられなくなってから(すなわち、障害物がなくなってから)所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、この所定時間の設定方法については任意であるが、実施の形態1では、図6のSC9の所定時間よりも短い時間に設定しており、例えば1secに設定している(すなわち、SD5にてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止されてから(具体的には、障害物がなくなってから)SD1にて当該閉鎖移動が再開されるまでの時間をゼロにしない)。ただし、これに限られず、1secよりも短い時間(一例として、0sec等)に設定したり(すなわち、SD5にてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止されてから(具体的には、障害物がなくなってから)SD1にて当該閉鎖移動が再開されるまでの時間を略ゼロにする)、又は、1secよりも長い時間(一例として、3sec等)に設定してもよい。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、所定時間が経過したと判定されていない場合(SD7、No)にはSD6へ移行し、所定時間が経過したと判定された場合(SD7、Yes)には、SD1へ移行する(すなわち、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を再開させる)。このような処理により、第1入力可制御処理の図6のSC9と、第2入力可制御処理の図7のSD7とを異ならせることができる。よって、例えば、第1入力可制御処理において通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる制御を行うことができると共に、第2入力可制御処理において建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、第1入力可制御処理と第2入力可制御処理とが同じである場合に比べて、開閉制御システム60の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。特に、第2入力可制御処理において障害物が検知された場合に、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を第1所定時間停止させた後にシャッターカーテン30の閉鎖移動を再開させる場合に比べて、当該再開を迅速に行うことができ、建物の防災性を確保できる制御を行うことができる。なお、SD7における「所定時間」は、特許請求の範囲における「第3所定時間」に対応する。
このような第2入力可制御処理により、入力可制御において、第2異常発生信号に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができる。また、実施の形態1では、入力可能状態でないと判定された場合や復旧信号の入力が受け付けられた場合には、第2入力可制御処理が中止されるものの、第1異常発生信号の入力が受け付けられた場合には、第2入力可制御処理が継続される。これにより、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる第1入力可制御処理よりも、建物の防災性を確保できる第2入力可制御処理を優先して行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能となる。
(開閉処理−入力不可制御処理)
続いて、図4のSA3の入力不可制御処理について説明する。入力不可制御処理は、判定部136aによって入力可能状態でないと判定された場合に入力不可制御を行うための処理である。
入力不可制御処理が起動されると、図8に示すように、SE1において制御装置130の判定部136aは、入力可能状態であるか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、入力可能状態でないと判定された場合(SE1、No)にはSE2へ移行し、入力可能状態であると判定された場合(SE1、Yes)には図4のSA2へ移行する。
図8に戻り、SE2において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2入力部132によって第2異常検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、第2異常検知信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SE2、No)にSE3へ移行し、第2異常検知信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SE2、Yes)にSE5へ移行する。
SE3において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第3入力部133によって電動閉鎖信号、電動開放信号、電動停止信号、上限検知信号、下限検知信号、非常信号、又は障害物検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、電動閉鎖信号等の入力が受け付けられたと判定された場合(SE3、Yes)にはSE4へ移行し、電動閉鎖信号等の入力が受け付けられていないと判定された場合(SE3、No)にはSE1へ移行する。
SE4において制御装置130の開閉移動制御部136bは、開閉機40によって、SE3において入力が受け付けられた電動閉鎖信号等に基づいて、シャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいは、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる。その後、制御装置130の制御部136は、SE1へ移行する。
SE5において制御装置130の開閉移動制御部136bは、自動閉鎖装置70によって、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させる。
SE6において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第3入力部133によって復旧信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、復旧信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SE6、No)にSE7へ移行し、復旧信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SE6、Yes)に図4のSA5へ移行する。
図8に戻り、SE7において制御装置130の開閉移動制御部136bは、第3入力部133によって障害物検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、障害物検知信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SE7、Yes)にSE8へ移行し、障害物検知信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SE7、No)にSE10へ移行する。
SE8において制御装置130の開閉移動制御部136bは、自動閉鎖装置70によって、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を停止させる。
SE9において制御装置130の開閉移動制御部136bは、SE7において受け付けられた障害物検知信号の入力が受け付けられなくなってから(すなわち、障害物がなくなってから)所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、この所定時間の設定方法については任意であるが、実施の形態1では、図6のSC9の所定時間よりも短い時間に設定しており、例えば1secに設定している(すなわち、SE8にてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止されてから(具体的には、障害物がなくなってから)SE5にて当該閉鎖移動が再開されるまでの時間をゼロにしない)。ただし、これに限られず、1secよりも短い時間(一例として、0sec等)に設定したり(すなわち、SE8にてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止されてから(具体的には、障害物がなくなってから)SE5にて当該閉鎖移動が再開されるまでの時間をゼロにする)、又は、1secよりも長い時間(一例として、3sec等)に設定してもよい。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、所定時間が経過したと判定されるまで待機し(SE9、No)、所定時間が経過したと判定された場合(SE9、Yes)には、SE5へ移行する(すなわち、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を再開させる)。このような処理により、入力可制御処理(第1入力可制御処理)の図6のSC9と、入力不可制御処理の図8のSE9とを異ならせることができる。よって、例えば、入力可制御処理において通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる制御を行うことができると共に、入力不可制御処理において建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、入力可制御処理と入力不可制御処理とが同じである場合に比べて、開閉制御システム60の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。特に、入力不可制御処理において障害物が検知された場合に、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を第1所定時間停止させた後にシャッターカーテン30の閉鎖移動を再開させる場合に比べて、当該再開を迅速に行うことができ、建物の防災性を確保できる制御を行うことができる。なお、SE7における「所定時間」は、特許請求の範囲における「第2所定時間」に対応する。
SE10において制御装置130の開閉移動制御部136bは、シャッターカーテン30の下端部の位置が全閉位置に達しているか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部136bは、全閉位置に達していないと判定されていない場合(SE10、No)にはSE6へ移行し、全閉位置に達していると判定された場合(SE10、Yes)には、SE11へ移行する。
SE11において制御装置130の開閉移動制御部136bは、自動閉鎖装置70によって、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を停止させ(いわゆる「タッチストップ動作」を行う)、その後入力不可制御処理を終了して、図4の開閉処理に戻る。
このような入力不可制御処理により、入力可能状態でない場合において、第2異常発生信号に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができると共に、シャッター側操作装置80を用いたシャッターカーテン30の開閉移動を行うことができるので、状況に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができる。また、特に、入力不可制御処理が行われている場合に、開閉移動制御部136bが、SE1において入力可能状態であると判定された場合には、入力不可制御処理に代えて入力可制御処理を行うことができる。よって、例えば、建物の防災性を確保できる入力不可制御処理よりも、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御処理(具体的には、第1入力可制御処理)を優先して行うことができ、開閉制御システム60の使用におけるユーザの安全性を向上させることが可能になる。
また、以上のような開閉処理により、入力可能状態であると判定された場合に入力可制御処理を行うことができると共に、入力可能状態でないと判定された場合に入力不可制御処理を行うことができる。よって、従来技術(第2異常発生信号の入力を受け付ける入力手段を備えていない技術)に比べて建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能になる。
(開閉処理−具体的な処理内容)
続いて、開閉処理が実行される具体的な状況及びその場合の処理内容について、以下で説明する。
(開閉処理−具体的な処理内容−1つ目の具体的な例)
最初に、1つ目の具体的な例について説明する。1つ目の具体的な例については、シャッターカーテン30の状態が全開状態であると共に、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が断線していない状態において、火災感知器51から第1異常発生信号が出力された後に、火災検知部110から第2異常発生信号が出力された場合には、以下に示す処理が行われる。
すなわち、まず、開閉処理では、図4のSA1において入力可能状態であると判定されると、入力可制御処理(SA2)が起動される。
次に、入力可制御処理では、図5のSB2において第1異常発生信号の入力が受け付けられると、第1入力可制御処理(SB6)が起動される。
次に、第1入力可制御処理では、まず、図6のSC1においてシャッターカーテン30が自重で閉鎖移動される。次いで、図6のSC5において障害物検知信号の入力が受け付けられると、図6のSC6においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止される。次に、図6のSC9において所定時間(第1所定時間)経過したと判定されると、図6のSC1においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が再開される。その後、図6のSC3において第2異常発生信号の入力が受け付けられると、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を継続しながら、図7のSD2(第2入力可制御処理)へ移行する。
次に、第2入力可制御処理では、まず、図7のSD2において入力可能状態であると判定された後に、図7のSD4において障害物検知信号の入力が受け付けられると、図7のSD5においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止される。次に、図7のSD7において所定時間(第3所定時間)経過したと判定されると、図7のSD1においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が再開される。そして、図7のSD8において全閉位置であると判定されると、図7のSD9においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止され、その後第2入力可制御処理が終了して、開閉処理に戻る。
続いて、開閉処理では、図4のSA4において復旧信号の入力が受け付けられた場合には、図4のSA5においてシャッターカーテン30の閉鎖移動の停止状態が維持される。
このような1つ目の具体的な例に対応する処理により、第1入力可制御処理において通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる制御を行うことができると共に、第2入力可制御処理において建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、第1入力可制御処理と第2入力可制御処理とが同じである場合に比べて、開閉制御システム60の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
(開閉処理−具体的な処理内容−2つ目の具体的な例)
次に、2つ目の具体的な例について説明する。2つ目の具体的な例については、シャッターカーテン30の状態が全開状態であると共に、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が断線していない状態において、火災感知器51から第1異常発生信号が出力された後に、この配線4が断線した場合には、以下に示す処理が行われる。
すなわち、まず、開閉処理では、図4のSA1において入力可能状態であると判定されると、入力可制御処理(SA2)が起動される。
次に、入力可制御処理では、図5のSB2において第1異常発生信号の入力が受け付けられると、第1入力可制御処理(SB6)が起動される。
次に、第1入力可制御処理では、まず、図6のSC1においてシャッターカーテン30が自重で閉鎖移動される。次いで、図6のSC5において障害物検知信号の入力が受け付けられると、図6のSC6においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止される。次に、図6のSC9において所定時間(第1所定時間)経過したと判定されると、図6のSC1においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が再開される。次に、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が断線したことにより、図6のSC2において入力可能状態でないと判定されると、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を継続しながら、図8のSE6(入力不可制御処理)へ移行する。
次に、入力不可制御処理では、まず、図8のSE6において復旧信号の入力が受け付けられないものの、図8のSE7において障害物検知信号の入力が受け付けられると、図8のSE8においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止される。次に、図8のSE9において所定時間(第2所定時間)経過したと判定されると、図8のSE5においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が再開される。そして、図8のSE10において全閉位置であると判定されると、図8のSE11においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止され、その後入力不可制御処理が終了して、開閉処理に戻る。
続いて、開閉処理では、図4のSA4において復旧信号の入力が受け付けられた場合には、図4のSA5においてシャッターカーテン30の閉鎖移動の停止状態が維持される。
このような2つ目の具体的な例に対応する処理により、入力可制御処理(第1入力可制御処理)が行われている場合に、入力可能状態でないと判定された場合には、入力可制御処理に代えて入力不可制御処理を行うことができる。よって、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御処理よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御処理を優先して行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能となる。
(開閉処理−具体的な処理内容−3つ目の具体的な例)
次に、3つ目の具体的な例について説明する。3つ目の具体的な例については、シャッターカーテン30の状態が全開状態であると共に、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が断線している状態において、火災検知部110から第2異常発生信号が出力された場合には、以下に示す処理が行われる。
すなわち、まず、開閉処理では、図4のSA1において入力可能状態でないと判定されると、入力不可制御処理(SA3)が起動される。
次に、入力不可制御処理では、図8のSE2において第2異常発生信号の入力が受け付けられると、図8のSE5においてシャッターカーテン30が自重で閉鎖移動される。そして、図8のSE10において全閉位置であると判定されると、図8のSE11においてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止され、その後入力不可制御処理が終了して、開閉処理に戻る。
続いて、開閉処理では、図4のSA4において復旧信号の入力が受け付けられた場合には、図4のSA5においてシャッターカーテン30の閉鎖移動の停止状態が維持される。
このような3つ目の具体的な例に対応する処理により、入力可能状態でない場合において、第2異常発生信号に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができる。
(開閉処理−具体的な処理内容−4つ目の具体的な例)
次に、4つ目の具体的な例について説明する。4つ目の具体的な例については、シャッターカーテン30の状態が全開状態であると共に、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が断線していない状態において、この配線4が断線した場合には、以下に示す処理が行われる。
すなわち、まず、開閉処理では、図4のSA1において入力可能状態であると判定されると、入力可制御処理(SA2)が起動される。
次に、入力可制御処理では、図5のSB4において電動閉鎖信号の入力が受け付けられると、図5のSB5においてシャッターカーテン30が電動で閉鎖移動される。次に、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が断線したことにより、図5のSB1において入力可能状態でないと判定されると、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を継続しながら、図4のSA3(入力不可制御処理)へ移行する。
次に、入力不可制御処理では、図8のSE3において下限検知信号の入力が受け付けられると、図8のSE4においてシャッターカーテン30の電動による閉鎖移動が停止される。その後、防災盤52と制御装置130とを接続する配線4が修繕されたことにより、図8のSE1において入力可能状態であると判定されると、図4のSA2(入力可制御処理)へ移行する。
このような4つ目の具体的な例に対応する処理により、入力可制御処理及び入力可制御処理において、入力された閉鎖信号に基づいてシャッターカーテン30を閉鎖移動したり、入力された下限検知信号に基づいてシャッターカーテン30の閉鎖移動を停止できるので、通常のシャッター装置と同様の制御を行うことが可能となる。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、第1異常発生信号の入力を受け付ける第1入力部131と、第2異常発生信号の入力を受け付ける第2入力部132と、入力可能状態であるか否かを判定する判定部136aと、入力可制御と、入力不可制御と、を行う開閉移動制御部136bと、を備えるので、入力可能状態であると判定された場合に入力可制御を行うことができると共に、入力可能状態でないと判定された場合に入力不可制御を行うことができる。よって、従来技術(第2異常発生信号の入力を受け付ける入力手段を備えていない技術)に比べて建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能になる。
また、開閉移動制御部136bが、入力可制御が行われている場合に、入力可能状態でないと判定された場合には、入力可制御に代えて入力不可制御を行うので、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
また、開閉移動制御部136bが、入力可制御と入力不可制御とを異ならせるので、例えば、入力可制御において通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる制御を行うことができると共に、入力不可制御において建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、入力可制御と入力不可制御とが同じである場合に比べて、開閉制御システム60の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
また、開閉移動制御部136bが、入力可制御においてシャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第1所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、入力不可制御においてシャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第2所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させるので、入力不可制御において障害物が検知された場合に、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を第1所定時間停止させた後にシャッターカーテン30の閉鎖移動を再開させる場合に比べて、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を迅速に行うことができ、建物の防災性を一層確保できる制御を行うことができる。
また、開閉移動制御部136bが、入力可制御が行われている場合において、第1入力可制御と第2入力可制御とを異ならせるので、例えば、第1入力可制御において通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる制御を行うことができると共に、第2入力可制御において建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、第1入力可制御と第2入力可制御とが同じである場合に比べて、開閉制御システム60の使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
また、開閉移動制御部136bが、第1入力可制御が行われている場合に、第2異常発生信号が入力された場合には、第1入力可制御に代えて第2入力可制御を行うので、よって、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる第1入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる第2入力可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
また、開閉移動制御部136bが、第2入力可制御が行われている場合に、第1異常発生信号が入力された場合には、第2入力可制御を継続させるので、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる第1入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる第2入力可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
また、開閉移動制御部136bが、第1入力可制御においてシャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第1所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、第2入力可制御においてシャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第3所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させるので、第2入力可制御において障害物が検知された場合に、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を第1所定時間停止させた後にシャッターカーテン30の閉鎖移動を再開させる場合に比べて、シャッターカーテン30の自重による閉鎖移動を迅速に行うことができ、建物の防災性を一層確保できる制御を行うことができる。
また、開口部2の近傍に設けられた火災検知部110であって、当該火災検知部110の熱変形に伴って第2異常発生信号を出力する火災検知部110を備えたので、公知の熱感知器又は煙感知器に比べて、簡易に構成することができると共に、開閉制御システム60の処理負荷を低減でき、火災検知部110の製造性を向上させることができると共に、開閉制御システム60の制御性が低下することを回避できる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る開閉制御システムについて説明する。この実施の形態2は、入力不可制御が行われている場合に、入力可能状態であると判定された場合には、入力不可制御を継続させる形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る開閉制御システムが適用されるシャッター装置の構成について説明する。実施の形態2に係るシャッター装置1は、実施の形態1に係るシャッター装置1とほぼ同様に構成されている。
(開閉処理)
次に、このように構成された開閉制御システム60によって実行される開閉処理について説明する。実施の形態2に係る開閉処理は、実施の形態1に係る開閉処理とほぼ同様に構成されている。ただし、入力不可制御処理の処理内容については、下記に示す工夫が施されている。
すなわち、実施の形態2に係る入力不可制御処理における図9のSE1からSE7は、実施の形態1に係る入力不可制御処理における図8のSE5からSE11とそれぞれ同様に処理される。このような第2入力可制御処理により、入力不可制御処理が行われている場合に、開閉移動制御部136bが、判定部136aによって入力可能状態であると判定された場合でも、入力不可制御処理を継続させることができる。よって、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御処理よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御処理を優先して行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能となる。
また、以上のような開閉処理により、図4のSA1において入力可能状態であると判定された場合には、実施の形態1と同様の入力可制御処理を行い(すなわち、第1異常発生信号又は第2異常発生信号が入力された場合に、シャッターカーテン30を開閉移動させる(具体的には、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させる)入力可制御を行い)、図4のSA1において入力可能状態でないと判定された場合には、第2異常発生信号の入力が受け付けられている場合及び第2異常発生信号の入力が受け付けられていない場合でも、図9のSE1においてシャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させるので(すなわち、第2異常発生信号の入力の有無に関わらず、シャッターカーテン30を開閉移動させる(具体的には、シャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させる)入力不可制御を行うので)、従来技術(第2異常発生信号の入力を受け付ける入力手段を備えていない技術)に比べて建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能になる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、開閉移動制御部136bが、入力不可制御が行われている場合に、入力可能状態であると判定された場合には、入力不可制御を継続させるので、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、制御装置130を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部136を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部137を設けてもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(異常報知システムについて)
上記実施の形態1、2では、防災盤52が、制御装置130と配線4を介して通信可能に接続されていると説明したが、これに限られず、例えば、無線にて通信可能に接続されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、異常報知システム50が、防災盤52を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、防災盤52を省略してもよい。この場合には、制御装置130が、火災感知器51から公知の通信方法(一例として、シリアル有線通信、シリアル無線通信、DC24の信号をフリッカさせる有線通信等)を用いて直接的に第1異常発生信号の入力を受け付けてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、異常報知システム50が、公知の火災報知システムを用いて構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、洪水を検出して報知する場合には、水位検知センサを含む公知の洪水報知システムを用いて構成されてもよい。
(開閉制御システムについて)
上記実施の形態1、2では、送信部121及び受信部122を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、送信部121及び受信部122を省略して、座板スイッチ110と制御装置130とを配線で接続することにより、座板スイッチ110と制御装置130とを有線通信可能に接続してもよい。この場合には、この配線の巻出し長さが常に適切な長さに維持されるように、配線の巻上げ又は巻出しを行うためのコードリールをシャッター収納部10の内部に設けてもよい。
(火災検知部について)
上記実施の形態1、2では、火災検知部110が、シャッター収納部10に収容されていると説明したが、これに限られず、例えば、シャッター収納部10の外部であって、開口部2の近傍に設けられてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、ばね部113aの付勢力によって可動側接点部112b及びガイド部113bが固定側接点部112aに向けて移動するように、可動側接点部112b及びガイド部113bが設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、図10、図11に示すように、ばね部113aの付勢力によってガイド部113bに対して連結部113fを介して取り付けられた可動側接点部112bのみが固定側接点部112aに向けて移動するように、可動側接点部112b及びガイド部113bが設けられてもよい。この場合には、ガイド部113bの一方の端部が第1支持部111bに対して接続されていると共に、ガイド部113bの他方の端部が第2支持部111cに対して接続されてもよい。また、図10に示すように、拘束部113cが、可動側接点部112b及びガイド部113bに対して接続されてもよい。あるいは、図11に示すように、拘束部113cの可動側接点部112b側の部分が、支持部111に対して接続されていると共に、拘束部113cの一方の端部が第2支持部111cに対して接続され、且つ拘束部113cの他方の端部が連結部に対して接続されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、火災検知部110が、支持部111、出力部112、及び作用部113を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、図12に示すように、火災検知部110は、固定側接点部112aと可動側接点部112bを有する出力部112と、出力部112を収容する収容部114を備え、この可動側接点部112bは、図12(b)に示すように、所定温度以上になると固定側接点部112aに向けて熱変形可能な材質(一例として、バイメタル等)にて形成されてもよい。あるいは、図13に示すように、火災検知部110は、固定側接点部112a及び可動側接点部112bを有する出力部112のみを備え、この可動側接点部112bは、図12の可動側接点部112bと同様に、所定温度以上になると固定側接点部112aに向けて熱変形可能な材質にて形成されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、出力部112が、固定側接点部112a及び可動側接点部112bを備えて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、公知のマイクロスイッチを用いて構成されてもよい。この場合には、図14に示すように、出力部112は、支持部111の上部(下面)に対して取り付けられている。また、作用部113は、インナレバー部113d、アウタレバー部113e、及び拘束部113cを備えている。このうち、インナレバー部113dは、出力部112のスイッチ部(図示省略)と当接しており(すなわち、出力部112の状態がオン状態である)、支持部111の側部に対して回動可能に取り付けられている。また、アウタレバー部113eは、インナレバー部113dを支持するものであり、インナレバー部113dよりも下方位置において、支持部111の側部に対して回動可能に取り付けられている。また、拘束部113cは、インナレバー部113dとアウタレバー部113eとを接続するものであり、例えば所定温度以上で溶融(熱変形)する公知のヒューズ材を用いて構成されている。このような構成された火災検知部110の具体的な動作については、例えば、火災の熱等によって開口部2の近傍の温度が所定温度以上になると、拘束部113cが溶融(熱変形)した場合には、アウタレバー部113eの回動に伴ってインナレバー部113dが回動することで、インナレバー部113dが出力部112のスイッチ部に当接されなくなる。これにより、出力部112の状態がオン状態からオフ状態に切り替えられることから、出力部112から第2異常発生信号が出力される。
また、上記実施の形態1、2では、火災検知部110が、固定側接点部112aと可動側接点部112bとが接触した場合にのみ信号(第2異常発生信号)を出力すると説明したが、これに限られない。例えば、火災検知部110が、公知のサーミスタ等の抵抗体を用いて構成された場合には、抵抗値を示す信号(以下、「抵抗信号」と称する)を連続的又は断続的に出力してもよい。この場合には、制御装置130は、火災検知部110から入力された抵抗信号の抵抗値が閾値を下回る場合には、第2異常発生信号の入力が受け付けられていないと判定し、この抵抗信号の抵抗値が閾値を上回る場合には、第2異常発生信号の入力が受け付けられたと判定してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、火災検知部110が、当該火災検知部110の熱変形に伴って第2異常発生信号を出力するように構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、公知の火災感知器(一例として、熱感知器、煙感知器)を用いて構成されてもよい。
(開閉処理について)
上記実施の形態1では、図6のSC9の所定時間(第1所定時間)と図8のSE9の所定時間(第2所定時間)とが異なるように設定することにより、入力可制御と入力不可制御とを異ならせると説明したが、これに限られない。例えば、図8のSE7からSE9を省略することにより、入力可制御と入力不可制御とを異ならせてもよい(すなわち、入力不可制御においてシャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させている場合に、座板スイッチ120によって障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を停止させることなく継続させてもよい。なお、上記実施の形態2についても同様とする。)。
また、上記実施の形態1では、入力可制御と入力不可制御とを異ならせるために、図6のSC9の所定時間と図8のSE9の所定時間とが異なるように設定していると説明したが、これに限られず、例えば、図6のSC9の所定時間と図8のSE9の所定時間とを同一時間に設定してもよい(なお、上記実施の形態2についても同様とする)。
また、上記実施の形態1、2では、判定部136aによって入力可能状態であると判定された場合に、少なくとも第1異常発生信号の入力の有無及び第2異常発生信号の入力の有無に基づいて入力可制御を行い、判定部136aによって入力可能状態でないと判定された場合に、少なくとも第2異常発生信号の入力の有無に基づいて入力不可制御を行うと説明したが、これに限られない。例えば、判定部136aによって入力可能状態であると判定された場合に、第2異常発生信号の入力の有無を無視して、少なくとも第1異常発生信号の入力の有無に基づいて入力可制御を行い、判定部136aによって入力可能状態でないと判定された場合に、少なくとも第2異常発生信号の入力の有無に基づいて入力不可制御を行ってもよい。この場合には、図5のSB3、SB7、図6のSC3、SC8を省略できる。
(入力可制御処理について)
上記実施の形態1、2では、図6のSC9の所定時間(第1所定時間)と図7のSD7の所定時間(第3所定時間)とが異なるように設定することにより、第1入力可制御と第2入力可制御とを異ならせると説明したが、これに限られない。例えば、図7のSD4からSD7を省略することにより、第1入力可制御と第2入力可制御とを異ならせてもよい(すなわち、第2入力可制御においてシャッターカーテン30を自重で閉鎖移動させている場合に、座板スイッチ120によって障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を停止させることなく継続させてもよい)。
また、上記実施の形態1、2では、第1入力可制御と第2入力可制御とを異ならせるために、図6のSC9の所定時間と図7のSD7の所定時間とが異なるように設定していると説明したが、これに限られず、例えば、図6のSC9の所定時間と図7のSD7の所定時間とを同一時間に設定してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、SD6の処理を行うと説明したが、これに限られず、例えば、SD6の処理を省略してもよい。この場合に、図7のSD7の所定時間が0secに設定されている場合には、SD5にてシャッターカーテン30の自重による閉鎖移動が停止されてから(具体的には、障害物がなくなってから)SD1にて当該閉鎖移動が再開されるまでの時間をゼロにすることができる。
(付記)
付記1の開閉制御システムは、建物の開口部を開閉するシャッターカーテンの開閉移動を制御するための開閉制御システムであって、前記建物又はその近傍で異常が発生している可能性がある旨を示す第1異常発生信号の入力を受け付ける第1入力手段と、前記開口部の近傍で異常が発生している可能性がある旨を示す第2異常発生信号の入力を受け付ける第2入力手段と、前記第1異常発生信号の入力が可能な入力可能状態であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記入力可能状態であると判定された場合に、少なくとも前記第1入力手段による前記第1異常発生信号の入力の有無に基づいて、前記シャッターカーテンの開閉移動を制御する入力可制御と、前記判定手段によって前記入力可能状態でないと判定された場合に、少なくとも前記第2入力手段による前記第2異常発生信号の入力の有無に基づいて、前記シャッターカーテンの開閉移動を制御する入力不可制御と、を行う開閉移動制御手段と、を備えた。
付記2の開閉制御システムは、付記1に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記入力可制御が行われている場合に、前記判定手段によって前記入力可能状態でないと判定された場合には、前記入力可制御に代えて前記入力不可制御を行う。
付記3の開閉制御システムは、付記1又は2に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記入力不可制御が行われている場合に、前記判定手段によって前記入力可能状態であると判定された場合には、前記入力不可制御を継続させる。
付記4の開閉制御システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記入力可制御と、前記入力不可制御とを異ならせる。
付記5の開閉制御システムは、付記4に記載の開閉制御システムにおいて、前記シャッターカーテンの閉鎖移動の障害になる障害物を検知する障害物検知手段を備え、前記開閉移動制御手段は、前記入力可制御において前記シャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、前記障害物検知手段によって前記障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第1所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、前記入力不可制御において前記シャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、前記障害物検知手段によって前記障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を前記第1所定時間よりも短い第2所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、又は当該閉鎖移動を停止させることなく継続させる。
付記6の開閉制御システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記入力可制御が行われている場合において、前記第1入力手段によって前記第1異常発生信号が入力された場合に、前記シャッターカーテンの開閉移動を制御する第1入力可制御と、前記第2入力手段によって前記第2異常発生信号が入力された場合に、前記シャッターカーテンの開閉移動を制御する第2入力可制御と、を異ならせる。
付記7の開閉制御システムは、付記6に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記第1入力可制御が行われている場合に、前記第2入力手段によって前記第2異常発生信号が入力された場合には、前記第1入力可制御に代えて前記第2入力可制御を行う。
付記8の開閉制御システムは、付記6又は7に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記第2入力可制御が行われている場合に、前記第1入力手段によって前記第1異常発生信号が入力された場合には、前記第2入力可制御を継続させる。
付記9の開閉制御システムは、付記6から8のいずれか一項に記載の開閉制御システムにおいて、前記シャッターカーテンの閉鎖移動の障害になる障害物を検知する障害物検知手段を備え、前記開閉移動制御手段は、前記第1入力可制御において前記シャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、前記障害物検知手段によって前記障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第1所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、前記第2入力可制御において前記シャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、前記障害物検知手段によって前記障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を前記第1所定時間よりも短い第3所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、又は当該閉鎖移動を停止させることなく継続させる。
付記10の開閉制御システムは、付記1から9のいずれか一項に記載の開閉制御システムにおいて、前記開口部の近傍に設けられた火災検知手段であって、当該火災検知手段の熱変形に伴って前記第2異常発生信号を出力する火災検知手段を備えた。
(付記の効果)
付記1に記載の開閉制御システムによれば、第1異常発生信号の入力を受け付ける第1入力手段と、第2異常発生信号の入力を受け付ける第2入力手段と、入力可能状態であるか否かを判定する判定手段と、入力可制御と、入力不可制御と、を行う開閉移動制御手段と、を備えるので、入力可能状態であると判定された場合に入力可制御を行うことができると共に、入力可能状態でないと判定された場合に入力不可制御を行うことができる。よって、従来技術(第2異常発生信号の入力を受け付ける入力手段を備えていない技術)に比べて建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、建物の防災性を向上させることが可能になる。
付記2に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、入力可制御が行われている場合に、入力可能状態でないと判定された場合には、入力可制御に代えて入力不可制御を行うので、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
付記3に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、入力不可制御が行われている場合に、入力可能状態であると判定された場合には、入力不可制御を継続させるので、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる入力不可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
付記4に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、入力可制御と入力不可制御とを異ならせるので、例えば、入力可制御において通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる制御を行うことができると共に、入力不可制御において建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、入力可制御と入力不可制御とが同じである場合に比べて、開閉制御システムの使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
付記5に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、入力可制御においてシャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第1所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、入力不可制御においてシャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第2所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、又は当該閉鎖移動を停止させることなく継続させるので、入力不可制御において障害物が検知された場合に、シャッターカーテンの自重による閉鎖移動を第1所定時間停止させた後にシャッターカーテンの閉鎖移動を再開させる場合に比べて、シャッターカーテンの自重による閉鎖移動を迅速に行うことができ、建物の防災性を一層確保できる制御を行うことができる。
付記6に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、入力可制御が行われている場合において、第1入力可制御と第2入力可制御とを異ならせるので、例えば、第1入力可制御において通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる制御を行うことができると共に、第2入力可制御において建物の防災性を確保できる制御を行うことができ、第1入力可制御と第2入力可制御とが同じである場合に比べて、開閉制御システムの使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
付記7に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、第1入力可制御が行われている場合に、第2異常発生信号が入力された場合には、第1入力可制御に代えて第2入力可制御を行うので、よって、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる第1入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる第2入力可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
付記8に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、第2入力可制御が行われている場合に、第1異常発生信号が入力された場合には、第2入力可制御を継続させるので、例えば、通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる第1入力可制御よりも、建物の防災性を確保できる第2入力可制御を優先して行うことができ、建物の防災性を一層向上させることが可能となる。
付記9に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、第1入力可制御においてシャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第1所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、第2入力可制御においてシャッターカーテンを自重で閉鎖移動させている場合に、障害物が検知された場合には、当該閉鎖移動を第3所定時間停止させた後に当該閉鎖移動を再開させ、又は当該閉鎖移動を停止させることなく継続させるので、第2入力可制御において障害物が検知された場合に、シャッターカーテンの自重による閉鎖移動を第1所定時間停止させた後にシャッターカーテンの閉鎖移動を再開させる場合に比べて、シャッターカーテンの自重による閉鎖移動を迅速に行うことができ、建物の防災性を一層確保できる制御を行うことができる。
付記10に記載の開閉制御システムによれば、開口部の近傍に設けられた火災検知手段であって、当該火災検知手段の熱変形に伴って第2異常発生信号を出力する火災検知手段を備えたので、公知の熱感知器又は煙感知器に比べて、簡易に構成することができると共に、開閉制御システムの処理負荷を低減でき、火災検知部の製造性を向上させることができると共に、開閉制御システムの制御性が低下することを回避できる。