以下に添付図面を参照して、この発明に係る開閉制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を上下方向に開閉するシャッターカーテンの開閉移動を制御するための開閉制御システムに関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、シャッターカーテンを備えるシャッター装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、グリルシャッター等のシャッターカーテンを電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置を含む概念である。また、シャッター装置の開閉方向については、例えば上下方向等が該当する。また「シャッターカーテンの状態」とは、例えば、シャッターカーテンによって開口部を全閉した「全閉状態」と、シャッターカーテンによって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて当該開口部の他の一部を閉じている「非全開閉半開状態」とを含む概念である。また、「非全開閉状態」は、開口部の一部を開いて停止している「半開停止状態」と、シャッターカーテンを開放移動させている「開放移動状態」と、シャッターカーテンを閉鎖移動させている「閉鎖移動状態」とを含む概念である。なお、実施の形態では、全閉状態におけるシャッターカーテンの位置を「全閉位置」と称し、全開状態におけるシャッターカーテンの位置を「全開位置」と称する。以下、実施の形態では、シャッター装置が、集合住宅の如き建物の駐車場の入出口に設けられた上下開閉式の電動グリルシャッターである場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る開閉制御システムが適用されるシャッター装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向をシャッター装置の左右方向又は幅方向(−X方向をシャッター装置の左方向、+X方向をシャッター装置の右方向)、図2(b)のY方向を前後方向(+Y方向をシャッター装置の前方向、−Y方向をシャッター装置の後方向、図1のZ方向をシャッター装置の上下方向(+Z方向をシャッター装置の上方向、−Z方向をシャッター装置の下方向)と称する。また、図2においては、後述する検知光L1〜L3や後述するレーザ光L4を2点鎖線で示す。
図1に示すように、このシャッター装置1は、概略的に、シャッター収納部10、ガイドレール20、シャッターカーテン30、開閉機40、巻取軸(図示省略)、シャッター側操作装置50、ユーザ側操作装置(図示省略)、第1巻込対象検知部70、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、座板スイッチ100、衝突対象検知部110、位置検知部120、及び制御装置130を備えて構成されている。ただし、シャッター装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、上述した「第1巻込対象検知部70」、「第2巻込対象検知部80」、及び「制御装置130」は、特許請求の範囲の「開閉制御システム」を構成する構成要素に対応する。
また、このシャッター装置1を構成する各装置の接続形態については、以下に示す通りに設定している。具体的には、制御装置130は、開閉機40、シャッター側操作装置50、第1巻込対象検知部70、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、衝突対象検知部110、及び位置検知部120の各々と配線3を介して電気的に接続されていると共に、ユーザ側操作装置と無線にて通信可能に接続されている。このような接続により、制御装置130と、開閉機40、シャッター側操作装置50、第1巻込対象検知部70、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、衝突対象検知部110、位置検知部120、又はユーザ側操作装置との相互間で通信又は電力供給を行うことができる。
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部10は、シャッター装置1の各部を収納するための中空体である。図1、図2に示すように、このシャッター収納部10は、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、このシャッター収納部10の内部には、開閉機40、巻取軸、位置検知部120、及び制御装置130が収容されていると共に、巻取軸にてシャッターカーテン30が巻上げられた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部も、シャッター収納部10の内部に収容される。また、このシャッター収納部10の具体的な構成については任意であるが、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成している。
(構成−ガイドレール)
ガイドレール20は、シャッターカーテン30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、シャッター装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
(構成−シャッターカーテン)
シャッターカーテン30は、巻取軸によって閉鎖移動又は開放移動されることで、シャッターカーテン30の状態を全開状態、全閉状態、あるいは、非全開閉状態(具体的には、半開停止状態、開放移動状態、閉鎖移動状態)とする遮蔽手段である。このシャッターカーテン30は、例えば公知のグリルシャッター用のシャッターカーテン30を用いて構成されており、図1、図2に示すように、開閉方向(上下方向)に沿って相互に間隔を隔てて配置された複数のパイプ部31と、複数のパイプ部31のうち隣接するパイプ部31同士を連結するリンク部32とを備えている。また、このシャッターカーテン30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、このシャッターカーテン30の下端部には、座板33が接続されている。この座板33は、シャッターカーテン30の状態が全閉状態である場合において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
(構成−開閉機)
図1に戻り、開閉機40は、巻き取り軸を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させる開閉移動手段であり、例えばシャッター用の開閉機等を用いて構成されている。
(構成−巻取軸)
巻取軸は、シャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させるための回動軸である。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸にはシャッターカーテン30の上端に連結された連結部(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結部を介してシャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させることができる。また、この巻取軸の左端部(又は右端部)がチェーン(図示省略)を介して開閉機40の出力軸に連結されているので、開閉機40の出力軸の回転に伴って巻取軸を回転させることができる。
(構成−シャッター側操作装置)
シャッター側操作装置50は、シャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段である。このシャッター側操作装置50は、図1に示すように、開口部2の近傍に設けられており、例えば公知の有線式操作装置等を用いて構成され、具体的には、シャッターカーテン30の開放移動を行う旨を指示する開放ボタン、シャッターカーテン30の閉鎖移動を行う旨を指示する閉鎖ボタン、及びシャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動を停止させる旨を指示する停止ボタンを備えている(いずれも図示省略)。これら開放ボタン、閉鎖ボタン、又は停止ボタンがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたボタンに応じた操作信号(すなわち、開放信号、閉鎖信号、停止信号)を制御装置130を介して開閉機40に出力することで、開閉機40によってシャッターカーテン30が電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいはシャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動を電動で停止させることができる。なお、実施の形態では、シャッター側操作装置50は、制御装置130と有線で通信するものとして説明するが、これに限られず、例えば、制御装置130と無線で通信するものであってもよい。あるいは、これら有線式及び無線式のシャッター側操作装置50の両方をシャッター装置1に設けてもよい。
(構成−ユーザ側操作装置)
ユーザ側操作装置は、ユーザ(例えば、車両に乗車しているユーザ等)によって所持されているユーザ側操作手段であって、シャッターカーテン30の開放移動に関する操作入力を受け付けるユーザ側操作手段である。このユーザ側操作装置は、例えば公知の無線式操作装置等を用いて構成され、具体的には、シャッターカーテン30の開放移動を行う旨を指示する起動ボタン(図示省略)を備えている。これら起動ボタンがユーザによって押圧された場合に、ユーザ側操作装置から送信される起動信号を制御装置130を介して開閉機40に出力することで、開閉機40によってシャッターカーテン30が電動で開放移動(具体的には、全開状態になるまで開放移動)させることができる。
(構成−第1巻込対象検知部)
第1巻込対象検知部70は、中間空間S2内に存在する巻込対象のみを検知する第1巻込対象検知手段である。ここで、「巻込対象」とは、シャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれる可能性がある対象を意味し、例えば、人、動物、物等を含む概念である。また、「中間空間S2」とは、開口部2又はその近傍の空間のうち当該空間の上方側に位置する空間S1(以下、「上方空間S1」と称する)と当該空間の下方側に位置する空間S3(以下、「下方空間S3」と称する)との相互間に位置する空間を意味する。ここで、「近傍の空間」とは、開口部2から前方又は後方に向けて所定距離(例えば、100mm等)離れた位置までの空間を意味する。また、これら「上方空間S1」、「下方空間S3」、及び「中間空間S2」の設定方法については任意であるが、実施の形態では、開口部2及びその近傍の空間を3等分した空間のうち、最も上方に位置する空間を「上方空間S1」と設定し、最も下方に位置する空間を「下方空間S3」と設定し、「上方空間S1」と「下方空間S3」との相互間に位置する空間を「中間空間S2」と設定する。ただし、これに限られず、例えば、「上方空間S1」、「下方空間S3」、及び「中間空間S2」が異なる大きさとなるように設定してもよく、一例として、「中間空間S2」を、「上方空間S1」又は「下方空間S3」よりも若干広い空間(又は若干狭い空間)となるように設定してもよい。
この第1巻込対象検知部70は、例えば、透過型の光電センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、図2の検知光L1を照射する送光部71と、送光部71から照射された検知光L1を受光する受光部72とを備えている(なお、第2巻込対象検知部80の構成、及び障害物検知部90の構成についても同様とする)。また、第1巻込対象検知部70の設置方法については任意であるが、例えば、開口部2の上端よりも下方の位置(図2(b)では、第1巻込対象検知部70の検知光L1の検知位置(以下、「第1検知位置」と称する)が開口部2の上端から下方に向けて距離H1(一例として、1050mm等)だけ離れた位置となる位置)であって、シャッターカーテン30よりも前方側の位置及び後方側の位置の各々に設けている。より詳細については、上記前方側及び後方側の各々に設けられた第1巻込対象検知部70の送光部71を一対のガイドレール20のいずれか一方(例えば、左側のガイドレール20)に取り付けており、上記前方側及び後方側の各々に設けられた第1巻込対象検知部70の受光部72を一対のガイドレール20のいずれか他方(例えば、右側のガイドレール20)に取り付けている。
また、第1巻込対象検知部70が透過型の光電センサである場合の検知動作については任意であるが、例えば、送光部71から照射された検知光L1が巻込対象に遮られることにより、この検知光L1が対応する受光部72によって受光されなかった場合には、当該受光部72は巻込対象が存在する旨を示す情報を含む信号(以下、「第1巻込対象検知信号」と称する)を出力する。一方、送光部71から照射された検知光L1が対応する受光部72によって受光されている場合には、当該受光部72は第1巻込対象検知信号を出力しない(なお、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90の検知動作についても同様とする)。
このような第1巻込対象検知部70により、当該第1巻込対象検知部70によって中間空間S2内に存在する巻込対象(一例として、人の胴体部等)を検知させることができ、上方空間S1内に存在する巻込対象(一例として、人の腕部等)のみを検知させる場合に比べて、巻込対象を迅速且つ確実に検知することが可能となる。
(構成−第2巻込対象検知部)
第2巻込対象検知部80は、上方空間S1内に存在する巻込対象を検知する第2巻込対象検知手段である。この第2巻込対象検知部80は、例えば、透過型の光電センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、第1巻込対象検知部70と略同様に、図2に示す検知光L2を照射する送光部81と、受光部82(具体的には、送光部81から照射された検知光L2が当該受光部82によって受光されなかった場合に巻込対象が存在する旨を示す情報を含む信号(以下、「第2巻込対象検知信号」と称する)を送信する)とを備えている。また、第2巻込対象検知部80の設置方法については任意であるが、例えば、図2に示すように、開口部2の上端よりも下方の位置であり、且つ第1巻込対象検知部70よりも上方の位置(図2(b)では、第2巻込対象検知部80の検知光L2の検知位置(以下、「第2検知位置」と称する)が開口部2の上端から下方に向けて距離H2(一例として、700mm等)だけ離れた位置となる位置)において、シャッターカーテン30よりも前方側の位置及び後方側の位置の各々に設けている。より詳細については、上記前方側及び後方側の各々に設けられた第2巻込対象検知部80の送光部81を一対のガイドレール20のいずれか一方(例えば、左側のガイドレール20)に取り付けており、上記前方側及び後方側の各々に設けられた第2巻込対象検知部80の受光部82を一対のガイドレール20のいずれか他方(例えば、右側のガイドレール20)に取り付けている。
(構成−障害物検知部)
障害物検知部90は、障害物を検知する障害物検知手段である。ここで、「障害物」とは、シャッターカーテン30の閉鎖移動の障害になる対象を意味し、例えば、人、動物、物等を含む概念である。この障害物検知部90は、例えば、透過型の光電センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、第1巻込対象検知部70と略同様に、図2に示す検知光L3を照射する送光部91と、受光部92(具体的には、送光部91から照射された検知光L3が当該受光部92によって受光されなかった場合に障害物が検知された旨を示す情報を含む信号(以下、「第1障害物検知信号」と称する)を送信する)とを備えている。また、障害物検知部90の設置方法については任意であるが、例えば、図2に示すように、開口部2の下端よりも上方の位置であり、且つ第1巻込対象検知部70よりも下方の位置(図2(b)では、障害物検知部90の検知光L3の検知位置が開口部2の下端から上方に向けて距離H3(一例として、500mm等)だけ離れた位置)において、シャッターカーテン30よりも前方側の位置及び後方側の位置の各々に設けている(以下では、距離H3に設けた障害物検知部90を「一対の障害物検知部90a」と称する)。また、開口部2の下端から上方に向けて距離H3とは異なる距離H4(一例として、150mm等)だけ離れた位置において、シャッターカーテン30よりも前方側の位置及び後方側の位置の各々に設けている(以下では、距離H4に設けた障害物検知部90を「一対の障害物検知部90b」と称する)。より詳細については、一対の障害物検知部90a、90bの各々の送光部91を一対のガイドレール20のいずれか一方(例えば、左側のガイドレール20)に取り付けており、一対の障害物検知部90a、90bの各々の受光部92を一対のガイドレール20のいずれか他方(例えば、右側のガイドレール20)に取り付けている。
(構成−座板スイッチ)
座板スイッチ100は、障害物を検知する障害物検知手段であり、例えばマイクロスイッチ等の公知の座板スイッチを用いて構成されており、座板33に取り付けられている。
また、座板スイッチ100がマイクロスイッチである場合の検知動作については任意であるが、例えば、シャッターカーテン30の閉鎖移動中にシャッターカーテン30の下端部が障害物に接触して当該シャッターカーテン30に対して相対的に上方に持ち上げられた場合に、その持ち上げられた変位がマイクロスイッチ等によって検知されることにより、障害物が検知された旨を示す情報を含む信号(以下、「第2障害物検知信号」と称する)を図示しない送信部を介して図示しない受信部に向けて出力する。一方、シャッターカーテン30の閉鎖移動中においてシャッターカーテン30の下端部が障害物に接触していないことで当該シャッターカーテン30に対して相対的に上方に持ち上げられていない場合には、第2障害物検知信号を出力しない。
(構成−衝突対象検知部)
衝突対象検知部110は、衝突対象を検知する衝突対象検知手段である。ここで、「衝突対象」とは、シャッターカーテン30に対して衝突する可能性がある対象を意味し、例えば、人、動物、物(一例として車両)等を含む概念である。この衝突対象検知部110は、例えばレーザスキャナセンサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、図2に示すように、障害物検知部90と略同一の位置(図2(b)では、開口部2の下端から上方に向けて距離H3だけ離れた位置)において、シャッターカーテン30よりも前方側の位置及び後方側の位置の各々に設けられており、一対のガイドレール20のいずれか一方(例えば、左側のガイドレール20)に対して固定具等により固定されている。
また、この衝突対象検知部110の検知範囲の設定方法については任意であるが、例えば、開口部2から離れた位置の範囲であって、当該位置の範囲に衝突対象が存在した場合に衝突対象がシャッターカーテン30に対して衝突する確率が高くなると推定される位置の範囲を検知範囲として設定しており、実施の形態では、図2に示すように、開口部2から前方に向けて所定距離(例えば、3m等)離れた位置までの範囲と、開口部2から後方に向けて所定距離(例えば、3m等)離れた位置までの範囲とを検知範囲として設定している。
また、この衝突対象検知部110がレーザスキャナセンサである場合の検知動作については任意であるが、例えば、衝突対象検知部110から送信された図2のレーザ光L4が衝突対象によって反射され、当該反射されたレーザ光L4が衝突対象検知部110によって受信された場合には、衝突対象が存在する旨を示す情報を含む信号(以下、「衝突対象検知信号」と称する)を出力する。一方、衝突対象検知部110によってレーザ光L4が受信された場合には、衝突対象検知信号を出力しない。なお、衝突対象検知信号の出力方法については任意であるが、衝突対象によって反射されたレーザ光L4が衝突対象検知部110によって受信されている状態が所定時間経過するまで継続されるものの、所定時間経過すると初期状態(すなわち、衝突対象検知信号を出力していない状態)に切り替えてもよい。
(構成−位置検知部)
位置検知部120は、シャッターカーテン30の下端部の位置を検知する位置検知手段であり、例えばポテンションメータ等の公知の位置検知センサを用いて構成されており、開閉機40の近傍位置に設けられている。
ここで、実施の形態では、シャッター装置1が設置された直後の状態において全開位置(上限位置)及び全閉位置(下限位置)が設定されていないので、後述する開閉処理を実行できるようにするためには、これら全開位置及び全閉位置を設定する必要がある。これら全開位置及び全閉位置を設定する方法については任意であるが、例えば、以下に示す通りに設定する。すなわち、まず、ユーザがシャッター側操作装置50を介して所定操作を行うことで、シャッター装置1の動作モードを通常モードから全開位置及び全閉位置を設定するモード(以下、「リミット設定モード」と称する)に切り替える。次に、リミット設定モードの状態で、シャッター側操作装置50の閉鎖ボタンを操作することで、全開状態からシャッターカーテン30を閉鎖移動させながら、位置検知部120から取得した位置信号に対応するシャッターカーテン30の位置を相互に関連付けて後述する制御装置130の記憶部135に記憶する。そして、シャッターカーテン30の状態が全閉状態になるまでシャッターカーテン30を閉鎖移動させて、当該閉鎖移動を停止させた後にシャッター側操作装置50を介して所定操作を行うことで、当該タイミングで位置検知部120から取得した位置信号に対応するシャッターカーテン30の位置を全閉位置として設定する。また、リミット設定モードの状態で、シャッター側操作装置50の開放ボタンを操作することで、全閉状態からシャッターカーテン30を開放移動させながら、位置検知部120から取得した位置信号に対応するシャッターカーテン30の位置を相互に関連付けて後述する制御装置130の記憶部135に記憶する。そして、シャッターカーテン30の状態が全開状態になるまでシャッターカーテン30を開放移動させて、当該開放移動を停止させた後にシャッター側操作装置50を介して所定操作を行うことで、当該タイミングで位置検知部120から取得した位置信号に対応するシャッターカーテン30の位置を全開位置として設定する。
(構成−制御装置)
制御装置130は、シャッター装置1の各部を相互に連動させる装置であり、入力部131、出力部132、電源部133、制御部134、及び記憶部135を備えている。
(構成−制御装置−入力部)
入力部131は、操作信号、起動信号、第1巻込対象検知信号、第2巻込対象検知信号、第1障害物検知信号、第2障害物検知信号、衝突対象検知信号、又は位置信号の入力をシャッター側操作装置50、ユーザ側操作装置、第1巻込対象検知部70、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、座板スイッチ100、衝突対象検知部110、又は位置検知部120から受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。
(構成−制御装置−出力部)
出力部132は、信号を開閉機40に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。
(構成−制御装置−電源部)
電源部133は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置130の各部に供給すると共に、シャッター側操作装置50、第1巻込対象検知部70、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、衝突対象検知部110、及び位置検知部120にも供給する電源手段である。
(構成−制御装置−制御部)
制御部134は、制御装置130の各部を制御する制御手段である。この制御部134は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
また、この制御部134は、図3に示すように、機能概念的に、開閉移動制御部134a、切り替え部134b、及び状態特定部134cを備えている。
開閉移動制御部134aは、第1巻込対象検知部70の検知結果に基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する開閉移動制御手段である。
切り替え部134bは、所定方法により、開閉移動制御部134aの制御モードを自動モードと手動モードとに切り替える切り替え手段である。ここで、「自動モード」とは、開口部2を通行対象(開口部2を通行する対象)が通行した後にシャッターカーテン30の閉鎖移動を自動で行うモードを意味する。また、「手動モード」とは、シャッター側操作装置50の手動操作によってシャッターカーテン30の開閉移動を行うモードである。また、各制御モード時におけるシャッター側操作装置50及びユーザ側操作装置の操作方法については任意であるが、実施の形態では、自動モード時においては、シャッター側操作装置50から受け付けられた操作信号やユーザ側操作装置から受け付けられた起動信号に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を行うことができることとする。また、手動モード時においては、シャッター側操作装置50から受け付けられた操作信号に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を行うことができるものの、ユーザ側操作装置から受け付けられた起動信号に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を行うことができないこととする。
状態特定部134cは、位置検知部120の検知結果に基づいて、シャッターカーテン30の状態を特定する状態特定手段である。なお、この制御部134によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−制御装置−記憶部)
記憶部135は、制御装置130の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。また、この記憶部135は、図4に示すように、自動モード処理テーブル135a及び手動モード処理テーブル135bを備えている。
(構成−制御装置−記憶部−自動モード処理テーブル)
図3の自動モード処理テーブル135aは、自動モード処理内容情報を格納する自動モード処理内容情報格納手段である。ここで、「自動モード処理内容情報」とは、自動モードで実行される処理の内容を示す情報である。
図4に示すように、自動モード処理テーブル135aは、項目「シャッターカーテンの状態」、項目「検知状態」、及び項目「自動モード処理内容」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。また、項目「検知状態」は、さらに、各種の検知部の検知状態に関する項目として、項目「第1巻込対象検知部」、項目「第2巻込対象検知部」、項目「障害物検知部等」、項目「衝突対象検知部」等を含んで構成されている。ここで、項目「シャッターカーテンの状態」に対応する情報は、シャッターカーテン30の状態を示すシャッターカーテン状態情報であり、例えば、図4に示すシャッターカーテン30の状態である「全閉状態」、「半開停止状態」、「全開状態」、「開放移動状態」、「閉鎖移動状態」等が該当する。また、項目「検知状態」に対応する情報は、各種の検知部の検知状態に関する検知状態情報である。このうち、項目「第1巻込対象検知部」に対応する情報は、第1巻込対象検知部70の検知状態を示す第1巻込対象検知状態情報であり、例えば、図4に示すように、巻込対象が検知されていることを示す「〇」、巻込対象が検知されていないことを示す「×」、シャッターカーテン30の下端部の位置が記憶部135にあらかじめ登録された第1検知位置よりも下方の位置である場合に巻込対象が検知されている場合には当該検知結果を有効とすることを示す「下〇」、シャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合に巻込対象が検知されている場合には当該検知結果を無効とすることを示す「上無」、巻込対象が検知されている場合には当該検知結果を無効とすることを示す「無」等が該当する(なお、項目「第2巻込対象検知部」に対応する情報についても同様とする)。項目「第2巻込対象検知部」に対応する情報は、第2巻込対象検知部80の検知状態を示す第2巻込対象検知状態情報である。項目「障害物検知部等」に対応する情報は、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態を示す障害物検知状態情報であり、例えば、図4に示すように、障害物が検知されていることを示す「〇」、障害物が検知されていないことを示す「×」等が該当する。項目「衝突対象検知部」に対応する情報は、衝突対象検知部110の検知状態を示す衝突対象検知状態情報であり、例えば、図4に示すように、衝突対象が検知されていることを示す「〇」、衝突対象が検知されていないことを示す「×」等が該当する。また、項目「自動モード処理内容」に対応する情報は、自動モード処理内容情報であり、例えば、図4に示すように、「開放可処理」、「開放不可処理」、「開放可閉鎖可処理」、「開放不可閉鎖可処理」、「開放可閉鎖不可処理」、「開放不可閉鎖不可処理」、「全開開放処理」、「開放継続処理」、「閉鎖可処理」、「閉鎖不可処理」、「閉鎖継続処理」、「閉鎖停止処理」、「第1回避処理」、「操作指示処理」等が該当する。
ここで、「開放可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの開放信号やユーザ側操作装置からの起動信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を開放移動させることができる処理を意味する。また、「開放不可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの開放信号やユーザ側操作装置からの起動信号の入力が受け付けられた場合に、シャッターカーテン30を開放移動させることができない処理を意味する。また、「開放可閉鎖可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの開放信号が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を開放移動させることができ、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの閉鎖信号が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができる処理を意味する。また、「開放不可閉鎖可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの開放信号やユーザ側操作装置からの起動信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を開放移動させることができないものの、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの閉鎖信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができる処理を意味する。また、「開放可閉鎖不可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの開放信号やユーザ側操作装置からの起動信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を開放移動させることができるものの、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの閉鎖信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができない処理を意味する。また、「開放不可閉鎖不可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの開放信号やユーザ側操作装置からの起動信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を開放移動させることができず、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの閉鎖信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができない処理を意味する。また、「全開開放処理」とは、シャッターカーテン30の状態が全開状態となるようにシャッターカーテン30を開放移動させる処理を意味する。また、「開放継続処理」とは、シャッターカーテン30の開放移動を継続させる処理を意味する。また、「閉鎖可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの閉鎖信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができる処理を意味する。また、「閉鎖不可処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの閉鎖信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができない処理を意味する。また、「閉鎖継続処理」とは、シャッターカーテン30の閉鎖移動を継続させる処理を意味する。また、「閉鎖停止処理」とは、シャッターカーテン30の閉鎖移動を停止させる処理を意味する。また、「第1回避処理」とは、自動モードで実行される回避処理であり、シャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻込対象が巻き込まれることを回避するための回避処理を意味する。また、「操作指示処理」とは、当該処理中においてシャッター側操作装置50からの操作信号やユーザ側操作装置からの起動信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30を開閉移動させることができる処理を意味する。なお、「開放可処理」、「開放不可処理」、「開放可閉鎖可処理」、「開放不可閉鎖可処理」、「開放可閉鎖不可処理」、「開放不可閉鎖不可処理」、「閉鎖可処理」、「閉鎖不可処理」、及び「操作指示処理」については、当該処理を開始してから所定時間経過しても操作信号又は起動信号の入力が受け付けられていない場合には、シャッターカーテン30の状態を維持しながら当該処理を終了する。また、「全開開放処理」、「開放継続処理」、及び「閉鎖継続処理」については、当該処理中にシャッター側操作装置50からの停止信号の入力が受け付けられた場合にシャッターカーテン30の開放移動又は閉鎖移動を停止させる。
(構成−制御装置−記憶部−手動モード処理テーブル)
図3の手動モード処理テーブル135bは、手動モード処理内容情報を格納する手動モード処理内容情報格納手段である。ここで、「手動モード処理内容情報」とは、手動モードで実行される処理の内容を示す情報である。
図5に示すように、手動モード処理テーブル135bは、項目「シャッターカーテンの状態」、項目「検知状態」、及び項目「手動モード処理内容」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。また、項目「検知状態」は、さらに、検知状態に関する項目として、項目「第1巻込対象検知部」、項目「第2巻込対象検知部」、項目「障害物検知部等」、項目「衝突対象検知部」等を含んで構成されている。ここで、項目「シャッターカーテンの状態」に対応する情報は、シャッターカーテン状態情報である。また、項目「検知状態」に対応する情報は、検知状態情報である。このうち、項目「第1巻込対象検知部」に対応する情報は、第1巻込対象検知状態情報であり、項目「第2巻込対象検知部」に対応する情報は、第2巻込対象検知状態情報であり、項目「障害物検知部等」に対応する情報は、障害物検知状態情報であり、項目「衝突対象検知部」に対応する情報は、衝突対象検知状態情報である。また、項目「手動モード処理内容」に対応する情報は、手動モード処理内容情報であり、例えば、図5に示すように、「開放可処理」、「開放不可処理」、「開放可閉鎖可処理」、「開放不可閉鎖可処理」、「開放可閉鎖不可処理」、「開放継続処理」、「閉鎖可処理」、「閉鎖不可処理」、「閉鎖継続処理」、「閉鎖停止処理」、「第2回避処理」、「操作指示処理」等が該当する。
ここで、「開放可処理」、「開放不可処理」、「開放可閉鎖可処理」、「開放不可閉鎖可処理」、「開放可閉鎖不可処理」、「開放継続処理」、「閉鎖可処理」、「閉鎖不可処理」、「閉鎖継続処理」、「閉鎖停止処理」、及び「操作指示処理」は、一部の処理が当該処理中においてシャッター側操作装置50からの操作信号が受け付けられた場合にのみ所定の処理を行うことを除いて、自動モード処理内容情報における同一名称の処理と同一とする。また、「第2回避処理」は、手動モードで実行される回避処理であり、シャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻込対象が巻き込まれることを回避するための回避処理を意味する。
(開閉処理)
次に、このように構成されたシャッター装置1によって実行される開閉処理について説明する。以下の説明では、図6に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。開閉処理は、シャッターカーテン30の開閉移動を制御するための処理である。この開閉処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、開閉機40、シャッター側操作装置50、ユーザ側操作装置、第1巻込対象検知部70、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、座板スイッチ100、衝突対象検知部110、位置検知部120、及び制御装置130の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
開閉処理が起動されると、図6に示すように、SA1において制御装置130の切り替え部134bは、開閉移動制御部134aの制御モードが自動モードに切り替えられているか否かを判定する。ここで、上記自動モードに切り替えられているか否かの判定方法については任意であるが、例えば、制御装置130(又はシャッター側操作装置50)に設けられた切り替えスイッチ(図示省略)を介して自動モードに関するユーザの切替操作が行われているか否かに基づいて判定する(なお、後述するSA2についても同様とする)。ここで、自動モードに関するユーザの切替操作が行われていない場合には、上記自動モードに切り替えられていないと判定し、自動モードに関するユーザの切替操作が行われている場合には、上記自動モードに切り替えられていると判定する。そして、制御装置130の切り替え部134bは、自動モードに切り替えられていないと判定された場合(SA1、No)にはSA2へ移行し、自動モードに切り替えられていると判定された場合(SA1、Yes)には、自動モード処理(SA3)を起動させる。
SA2において制御装置130の切り替え部134bは、開閉移動制御部134aの制御モードが手動モードに切り替えられているか否かを判定する。そして、制御装置130の切り替え部134bは、手動モードに切り替えられていないと判定された場合(SA2、No)にはSA1へ移行し、手動モードに切り替えられていると判定された場合(SA2、Yes)には、手動モード処理(SA4)を起動させる。
(開閉処理−自動モード処理)
次に、図6のSA3の自動モード処理について説明する。自動モード処理は、自動モード時においてシャッターカーテン30の開閉移動を制御するための処理である。
自動モード処理が起動されると、図7に示すように、SB1において制御装置130の状態特定部134cは、シャッターカーテン30の状態が全閉状態であるか否かを判定する。この全閉状態であるか否かの判定方法については任意であるが、例えば、位置検知部120から取得した位置信号に基づいてシャッターカーテン30の下端部の位置が全閉位置であるか否かに基づいて判定し、全閉位置である場合には全閉状態であると判定し、全閉位置でない場合には全閉状態でないと判定する(なお、後述するSB3、後述するSB5、後述するSB7、後述するSG11についても略同様とする)。そして、制御装置130の状態特定部134cは、全閉状態であると判定された場合(SB1、Yes)にはシャッターカーテン30の状態を全閉状態として特定すると共に自動全閉状態処理(SB2)を起動させ、全閉状態でないと判定された場合(SB1、No)にはSB3へ移行する。なお、制御装置130の制御部134は、SB2の処理後にSB1へ移行させる。
SB3において制御装置130の状態特定部134cは、シャッターカーテン30の状態が半開停止状態であるか否かを判定する。そして、制御装置130の状態特定部134cは、半開停止状態であると判定された場合(SB3、Yes)には、シャッターカーテン30の状態を半開停止状態として特定すると共に自動半開停止状態処理(SB4)を起動させ、半開停止状態でないと判定された場合(SB3、No)にはSB5へ移行する。なお、制御装置130の制御部134は、SB4の処理後にSB1へ移行させる。
SB5において制御装置130の状態特定部134cは、シャッターカーテン30の状態が全開状態であるか否かを判定する。そして、制御装置130の状態特定部134cは、全開状態であると判定された場合(SB5、Yes)にはシャッターカーテン30の状態を全開状態として特定すると共に自動全開状態処理(SB6)を起動させ、全開状態でないと判定された場合(SB5、No)にはSB7へ移行する。なお、制御装置130の制御部134は、SB6の処理後にSB1へ移行させる。
SB7において制御装置130の状態特定部134cは、シャッターカーテン30の状態が開放移動状態であるか否かを判定する。この開放移動状態であるか否かの判定方法については任意であるが、例えば、制御部134からシャッターカーテン30の開放移動を指示する信号が開閉機40に向けて出力されているか否かに基づいて判定し、当該信号が出力されている場合には開放移動状態であると判定し、当該信号が出力されていない場合には開放移動状態でないと判定する。そして、制御装置130の状態特定部134cは、開放移動状態であると判定された場合(SB7、Yes)にはシャッターカーテン30の状態を開放移動状態として特定すると共に自動開放移動状態処理(SB8)を起動させ、開放移動状態でないと判定された場合(SB7、No)にはシャッターカーテン30の状態を閉鎖移動状態として特定すると共に自動閉鎖移動状態処理(SB9)を起動させる。なお、制御装置130の制御部134は、SB8及びSB9の各々の処理後にSB1へ移行させ、以降同様に、SB1からSB9の処理を繰り返す。
(開閉処理−自動モード処理−自動全閉状態処理)
次に、図7のSB2の自動全閉状態処理について説明する。自動全閉状態処理は、自動モード処理のうちシャッターカーテン30の状態が全閉状態である場合に実行される処理である。
自動全閉状態処理が起動されると、図8に示すように、SC1において制御装置130の制御部134は、各種の検知部の検知状態を特定する。ここで、各種の検知部の検知状態を特定する方法については任意であるが、例えば、入力部131によって各種の検知部から出力される第1巻込対象検知信号、第2巻込対象検知信号、第1障害物検知信号、第2障害物検知信号、又は衝突対象検知信号の入力が受け付けられているか否かに基づいて特定する。一例として、第1巻込対象検知信号の入力が受け付けられているものの、第2巻込対象検知信号、第1障害物検知信号、第2障害物検知信号、及び衝突対象検知信号の入力が受け付けられていない場合には、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇(巻込対象が検知されていることを示す)、第2巻込対象検知部80の検知状態=×(巻込対象が検知されていないことを示す)、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×(障害物が検知されていないことを示す)、衝突対象検知部110の検知状態=×(衝突対象が検知されていないことを示す)が特定される。
SC2において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SC1にて特定された各種の検知部の検知状態に基づいて、当該検知状態に応じた処理を特定する。
ここで、この検知状態に応じた処理を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、自動モード処理の各種の処理を行う場合に、シャッターカーテン30の状態が閉鎖移動状態以外の状態である場合のみにおいて、第1巻込対象検知部70の検知結果を有効として当該シャッターカーテン30の開閉移動の制御を行い、シャッターカーテン30の状態が当該シャッターカーテン30の開閉移動を停止させている状態である場合のみにおいて、第2巻込対象検知部80の検知結果を有効として当該シャッターカーテン30の開閉移動の制御を行う処理を特定する。また、位置検知部120によって検知されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合には、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の検知結果に基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する制御(以下、「第1制御」と称する)と、位置検知部120によって検知されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合には、第1巻込対象検知部70の検知結果に関わらず、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する制御(以下、「第2制御」と称する)と、を行う処理を特定する。これらのことからすると、自動全閉状態処理においては、全閉状態に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができるように、自動モード処理テーブル135aに格納されている自動モード処理内容情報の中から、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を有効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第1制御を示す自動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した自動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。例えば、シャッターカーテン30の状態=全閉状態である場合に、SC1において第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×が特定された場合には、これら検知部の検知結果を有効として、図4に示すように、検知状態に応じた処理=開放不可処理が特定される。
SC3において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SC2にて特定された処理を実行し、その後自動全閉状態処理を終了して、図7の自動モード処理に戻る。また、この処理の実行の詳細については、以下に示す通りとなる。
すなわち、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SC2にて特定された開放不可処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の開放移動を行わせないようにでき、シャッターカーテン30の開放移動を許容する場合に比べて、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。
また、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知され、あるいは衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=〇、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SC2にて特定された開放可処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の開放移動を行わせることができ、シャッターカーテン30の開放移動を許容しない場合に比べて、衝突対象がシャッターカーテン30に対して衝突することを回避できる。
また、各種の検知部において何も検知されていない場合(すなわち、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SC2にて特定された操作指示処理が実行される。これにより、シャッター側操作装置50からの操作信号やユーザ側操作装置からの起動信号の入力に応じてシャッターカーテン30を開閉移動(具体的には、開放移動)させることができ、自動全閉状態処理時において通常のシャッターの制御と同様の制御を行うことができる(なお、自動半開停止状態処理、自動全開状態処理、及び自動閉鎖移動状態処理についても同様とする)。
(開閉処理−自動モード処理−自動半開停止状態処理)
次に、図7のSB4の自動半開停止状態処理について説明する。自動半開停止状態処理は、自動モード処理のうちシャッターカーテン30の状態が半開停止状態である場合に実行される処理である。なお、図9のSD5は、図8のSC1と同様であるので、説明を省略する。
まず、図9に示すように、SD1において制御装置130の制御部134は、通行対象が開口部2を通行したか否かを判定する。この通行対象が開口部2を通行したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、所定時間内に一対の障害物検知部90a(又は一対の障害物検知部90b)の各々から第1障害物検知信号の入力が入力部131によって受け付けられたか否かに基づいて判定する。ここで、上記第1障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には通行対象が開口部2を通行したと判定し、上記第1障害物検知信号の入力が受け付けられなかった場合には通行対象が開口部2を通行していないと判定する。そして、制御装置130の制御部134は、通行対象が開口部2を通行したと判定された場合(SD1、Yes)にはSD2へ移行し、通行対象が開口部2を通行していないと判定された場合(SD1、No)にはSD3へ移行する。
SD2において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SD1の処理が終了してから所定時間経過した後に、シャッターカーテン30の状態が全閉状態となるように当該シャッターカーテン30を閉鎖移動させる。ここで、「所定時間」の設定方法については任意であるが、実施の形態では、上記通行対象が開口部2を通行した後に他の通行対象が開口部2を通行することを制限できる時間(一例として、5秒から20秒等)に設定している。このような処理により、上記通行対象が開口部2を通行した後の建物のセキュリティを確保することができる。
SD3において制御装置130の制御部134は、図7のSB3にて半開停止状態と特定されてから所定時間継続しているか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、上記所定時間継続していると判定された場合(SD3、Yes)にはSD4へ移行し、上記所定時間継続していないと判定された場合(SD3、No)にはSD5へ移行する。
SD4において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SD3の処理が終了してから所定時間経過した後に、シャッターカーテン30の状態が全閉状態となるように当該シャッターカーテン30を閉鎖移動させる。ここで、「所定時間」の設定方法については任意であるが、実施の形態では、SD2よりも長い時間であって、上記通行対象が開口部2を通行する確率が高くなると推定される時間(一例として、10秒から60秒等)に設定している。このような処理により、SD2の所定時間と同一の時間が経過した後にシャッターカーテン30を閉鎖移動させる場合に比べて、通行対象の通行性を確保できる。
SD6において制御装置130の制御部134は、位置検知部120から取得した位置信号に基づいて、シャッターカーテン30の下端部の位置を特定する。
SD7において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SD5にて特定された各種の検知部の検知状態及びSD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置に基づいて、当該検知状態に応じた処理を特定する。
ここで、この検知状態に応じた処理を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、自動半開停止状態処理においては、半開停止状態に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができるように、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合には、自動モード処理テーブル135aに格納されている自動モード処理内容情報の中から、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を有効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第1制御を示す自動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した自動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。また、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合には、自動モード処理テーブル135aに格納されている自動モード処理内容情報の中から、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を無効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第2制御を示す自動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した自動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。例えば、シャッターカーテン30の状態=半開停止状態であり、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合に、SD5において第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×が特定された場合には、第1巻込対象検知部70の検知状態=下〇として取り扱われることで(すなわち、この取り扱いでは、第1巻込対象検知部70の検知結果を有効とする)、図4に示すように、検知状態に応じた処理=開放不可閉鎖可処理が特定される。一方で、シャッターカーテン30の状態=半開停止状態であり、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合に、SD5において第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×が特定された場合には、第1巻込対象検知部70の検知状態=上無として取り扱われることで(すなわち、この取り扱いでは、第1巻込対象検知部70の検知結果を無効とする)、図4に示すように、検知状態に応じた処理=開放可閉鎖可処理が特定される。
SD8において制御装置130の制御部134は、SD7にて特定された処理を実行し、その後自動半開停止状態処理を終了して、図7の自動モード処理に戻る。また、この処理の実行の詳細については、以下に示す通りとなる。
すなわち、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合に、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第1巻込対象検知部70(又は第2巻込対象検知部80)の検知状態=下〇として取り扱われることで、SD7にて特定された開放不可閉鎖可処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の閉鎖移動を許容しながら、シャッターカーテン30の開放移動を行わせないようにできる。よって、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。また、シャッター側操作装置50の操作者による巻込対象の監視によって巻込対象の安全性を確保しながら、シャッターカーテン30を閉鎖移動させることができ、シャッターカーテン30にぶら下がっている巻込対象が自力でシャッターカーテン30から降りやすくなり、又は巻込対象の救助が容易となる。
また、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合に、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第1巻込対象検知部70(又は第2巻込対象検知部80)の検知状態=上無として取り扱われることで、SD7にて特定された開放可閉鎖可処理が実行される。これにより、開放不可閉鎖可処理に比べて、シャッターカーテン30の開放移動を行わせることができ、通行対象の通行性を確保しやすくなる。
また、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=〇、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SD7にて特定された開放可閉鎖不可処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の開放移動を許容しながら、シャッターカーテン30の閉鎖移動を行わせないようにでき、シャッターカーテン30の閉鎖移動を許容する場合に比べて、シャッターカーテン30によって障害物に危害が加えられることを回避できる。
また、衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=〇である場合)には、SD7にて特定された全開開放処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の状態が全開状態となるように、シャッターカーテン30を開放移動させることができ、シャッターカーテン30の状態を半開停止状態に維持する場合に比べて、衝突対象がシャッターカーテン30に対して衝突することを回避しやすくなる。
また、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合に、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知され、且つ、衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=〇である場合)には、第1巻込対象検知部70(又は第2巻込対象検知部80)の検知状態=下〇として取り扱われることで、SD7にて特定された開放不可閉鎖不可処理が実行される。これにより、全開開放処理に比べて、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。
(開閉処理−自動モード処理−自動全開状態処理)
次に、図7のSB6の自動全開状態処理について説明する。自動全開状態処理は、自動モード処理のうちシャッターカーテン30の状態が全開状態である場合に実行される処理である。なお、図10のSE1、SE2、SE4、SE5は、図9のSD1、SD2、SD4、SD5と同様であるので、説明を省略する。
まず、図10に示すように、SE3において制御装置130の制御部134は、図7のSB5にて全開状態と特定されてから所定時間継続しているか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、上記所定時間継続していると判定された場合(SE3、Yes)にはSE4へ移行し、上記所定時間継続していないと判定された場合(SE3、No)にはSE5へ移行する。
SE6において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SE5にて特定された各種の検知部の検知状態に基づいて、当該検知状態に応じた処理を特定する。
ここで、この検知状態に応じた処理を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、シャッターカーテン30の状態が全開状態である場合に実行される自動全開状態処理においては、全開状態に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができるように、自動モード処理テーブル135aに格納されている自動モード処理内容情報の中から、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を無効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第2制御を示す自動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した自動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。例えば、シャッターカーテン30の状態=全開状態である場合に、SE5において第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×が特定された場合には、図4に示すように、第1巻込対象検知部70の検知状態=無として取り扱われることで(すなわち、この取り扱では、第1巻込対象検知部70の検知結果を無効とする)、検知状態に応じた処理=閉鎖可処理が特定される(なお、後述する自動閉鎖移動状態処理のSH2についても略同様とする)。
SE7において制御装置130の制御部134は、SE6にて特定された処理を実行し、その後自動全開状態処理を終了して、図7の自動モード処理に戻る。また、この処理の実行の詳細については、以下に示す通りとなる。
すなわち、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第1巻込対象検知部70(又は第2巻込対象検知部80)の検知状態=無として取り扱われることで、SE6にて特定された閉鎖可処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の閉鎖移動を行わせることができ、シャッターカーテン30にぶら下がっている巻込対象が自力でシャッターカーテン30から降りやすくなり、又は巻込対象の救助が容易となる。
また、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知され、あるいは衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=〇、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SE6にて特定された閉鎖不可処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の閉鎖移動を行わせないようにでき、シャッターカーテン30の閉鎖移動を許容する場合に比べて、シャッターカーテン30によって障害物に危害が加えられることを回避でき、又は衝突対象がシャッターカーテン30に対して衝突することを回避できる。
(開閉処理−自動モード処理−自動開放移動状態処理)
次に、図7のSB8の自動開放移動状態処理について説明する。自動開放移動状態処理は、自動モード処理のうちシャッターカーテン30の状態が開放移動状態である場合に実行される処理である。なお、図11のSF1からSF4は、図9のSD1、SD2、SD5、SD6と同様であるので、説明を省略する。
まず、図11に示すように、SF5において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SF3にて特定された各種の検知部の検知状態及びSF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置に基づいて、当該検知状態に応じた処理を特定する。
ここで、この検知状態に応じた処理を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、自動開放移動状態処理においては、開放移動状態に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができるように、SF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合には、自動モード処理テーブル135aに格納されている自動モード処理内容情報の中から、第1巻込対象検知部70の検知結果を有効、且つ第2巻込対象検知部80の検知結果を無効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第1制御を示す自動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した自動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。また、SF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合には、自動モード処理テーブル135aに格納されている自動モード処理内容情報の中から、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を無効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第2制御を示す自動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した自動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。例えば、シャッターカーテン30の状態=開放移動状態であり、SF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合に、SF3において第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×が特定された場合には、第1巻込対象検知部70の検知状態=下〇として取り扱われることで、図4に示すように、検知状態に応じた処理=第1回避処理が特定される。一方で、シャッターカーテン30の状態=開放移動状態であり、SF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合に、SF3において第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×が特定された場合には、第1巻込対象検知部70の検知状態=上無として取り扱われることで、図4に示すように、検知状態に応じた処理=開放継続処理が特定される。
SF6において制御装置130の制御部134は、SF5にて特定された処理が第1回避処理であるか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、第1回避処理であると判定された場合(SF6、Yes)には第1回避処理(SF7)を起動させ、第1回避処理でないと判定された場合(SF6、No)にはSF8へ移行する。なお、制御装置130の制御部134は、SF7の処理後に自動開放移動状態処理を終了して、図7の自動モード処理に戻る。
SF8において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SF5にて特定された処理のうち第1回避処理以外のその他の処理を実行し、その後自動全閉状態処理を終了して、図7の自動モード処理に戻る。また、その他の処理の実行の詳細については、以下に示す通りとなる。
すなわち、SF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合に、第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=〇、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第2巻込対象検知部80の検知状態=無として取り扱われることで、SF5にて特定された開放継続処理が実行される。また、SF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合に、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第1巻込対象検知部70(又は第2巻込対象検知部80)の検知状態=上無(又は無)として取り扱われることで、SF5にて特定された開放継続処理が実行される。これらにより、シャッターカーテン30の開放移動を継続させることができ、シャッターカーテン30の開放移動を停止させる場合に比べて、通行対象の通行性を確保しやすくなる。
また、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知され、あるいは衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=〇、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SF5にて特定された開放継続処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の開放移動を継続させることができ、シャッターカーテン30の開放移動を停止させる場合に比べて、衝突対象がシャッターカーテン30に対して衝突することを回避できる。
また、各種の検知部において何も検知されていない場合(すなわち、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SF5にて特定された開放継続処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の閉鎖移動を行わせないようにでき、通行対象の通行性を確保しやすくなる。
(開閉処理−自動モード処理−自動開放移動状態処理−第1回避処理)
次に、図11のSF7の第1回避処理について説明する。
第1回避処理が起動されると、図12に示すように、最初に、シャッターカーテン30を停止させるために、制御装置130の開閉移動制御部134aは、SG1、SG2の処理を行う。
まず、図12に示すように、SG1において制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30の開放移動を停止させる。
SG2において制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30が停止しているか否かを判定する。このシャッターカーテン30が停止しているか否かの判定方法については、例えば、シャッターカーテン30の開放移動を指示する信号又はシャッターカーテン30の閉鎖移動を指示する信号のいずれか一方が制御部134から開閉機40に向けて出力されているか否かに基づいて判定し、当該信号が出力されている場合にはシャッターカーテン30が停止していないと判定し、当該信号が出力されていない場合にはシャッターカーテン30が停止していると判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30が停止するまで待機し(SG2、No)、シャッターカーテン30が停止していると判定された場合(SG2、Yes)にはSG3へ移行する。なお、実施の形態では、SG2からSG3へ移行するまでの間に、開放信号、起動信号、第1障害物検知信号、第2障害物検知信号、衝突対象検知信号、定期開放信号、又は緊急開放信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の開閉移動制御部134aは、これら信号に基づいてシャッターカーテン30を開閉移動させないものとする。ここで、「定期開放信号」とは、所定のタイミングが到来した際に所定時間の間シャッターカーテン30の状態を全開状態又は半開停止状態に維持する旨を指示する信号であり、例えば、年間タイマ信号、強制待機信号等を含む概念である。また、「緊急開放信号」とは、災害が検知された際にシャッターカーテン30の状態を全開状態に維持する旨を指示する信号である。
次に、図12に示すように、シャッターカーテン30を停止させた状態を所定時間維持するために、制御装置130の開閉移動制御部134aは、SG3、SG4の処理を行う。
まず、図12に示すように、SG3において制御装置130の開閉移動制御部134aは、障害物が検知されたか否かを判定する。具体的には、制御装置130の開閉移動制御部134aは、障害物検知部90又は座板スイッチ100から第1障害物検知信号又は第2障害物検知信号の入力が入力部131によって受け付けられたか否かに基づいて判定し、第1障害物検知信号又は第2障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には障害物が検知されたと判定し、第1障害物検知信号又は第2障害物検知信号の入力が受け付けられなかった場合には障害物が検知されなかったと判定する(なお、後述するSG8、SG10の処理についても同様とする)。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、障害物が検知されなかったと判定されるまで待機し(SG3、Yes)、障害物が検知されなかったと判定された場合(SG3、No)にはSG4へ移行する。これにより、後述するSG5の処理を行うことを回避でき、シャッターカーテン30によって障害物に危害が加えられることを回避できる。
SG4において制御装置130の開閉移動制御部134aは、所定時間経過したか否かを判定する。ここで、「所定時間」の設定方法については任意であるが、実施の形態では、後述するSG5の処理を行う前に、通行対象等が開口部2から所定の位置まで退避することに要する時間(一例として、5秒等)に設定している。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、所定時間経過していないと判定された場合(SG4、No)にはSG3へ移行し、所定時間経過したと判定された場合(SG4、Yes)には、SG5へ移行する。なお、実施の形態では、SG3からSG5へ移行するまでの間に、後述するSG5の処理が行われる旨を通行対象等に対して報知するために、制御装置130の開閉移動制御部134aは、開口部2近傍に設けられた図示しない出力部(例えば、回転灯やブザー等)を介して当該旨を報知するための情報を出力する。また、SG3からSG5へ移行するまでの間に、開放信号、起動信号、衝突対象検知信号、定期開放信号、又は緊急開放信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の開閉移動制御部134aは、これら信号に基づいてシャッターカーテン30を開閉移動させないものとする。
次いで、図12に示すように、シャッターカーテン30の状態を全閉状態にするために、制御装置130の開閉移動制御部134aは、SG5からSG11の処理を行う。
まず、図12に示すように、SG5において制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30の状態が全閉状態になるようにシャッターカーテン30を閉鎖移動させる。
SG6において制御装置130の開閉移動制御部134aは、入力部131によって開放信号又は起動信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、開放信号又は起動信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SG6、Yes)にはSG7に移行し、開放信号又は起動信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SG6、No)にはSG8に移行する。なお、実施の形態では、SG6の処理中において第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合には、当該巻込対象が検知されなくなるまでSG7に移行させず、当該巻込対象が検知されなくなった後にSG7に移行させる。
SG7において制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30の状態が全開状態になるようにシャッターカーテン30を開放移動させ、その後第1回避処理を終了する。このような処理により、第1回避処理におけるシャッターカーテン30の閉鎖移動が行われている場合において、シャッター側操作装置50又はユーザ側操作装置の操作者による巻込対象の監視によって巻込対象の安全性を確保しながら、シャッターカーテン30を開放移動させることができる。よって、単にシャッターカーテン30の閉鎖移動を停止させる場合に比べて、通行対象の通行性が低下することを回避できる。なお、第1回避処理が終了後も自動開放移動状態処理(SB8)が実行されるので、例えばシャッターカーテン30の開放移動中に第1巻込対象検知部70によって巻込対象が存在すると検知された場合には、図11のSF7の第1回避処理を実行することができる。
SG8において制御装置130の開閉移動制御部134aは、障害物が検知されたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、障害物が検知されたと判定された場合(SG8、Yes)にはSG9へ移行し、障害物が検知されなかったと判定された場合(SG8、No)にはSG11へ移行する。
SG9において制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30の閉鎖移動を停止させる。このシャッターカーテン30の開閉移動の停止方法については任意であるが、例えば、開閉移動を一旦停止させた後、シャッターカーテン30の下端部の位置が現状の位置よりも上方位置となるように、シャッターカーテン30を開放移動させ、その後開放移動を停止させる(いわゆる「タッチアップ動作」を行う)。だたし、これに限られず、例えば、開閉移動を単に停止させるだけでもよい(いわゆる、「タッチストップ動作」を行う)。
SG10において制御装置130の開閉移動制御部134aは、障害物が検知されているか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、障害物が検知されなくなるまで待機し(SG10、Yes)、障害物が検知されなくなったと判定された場合(SG10、No)にはSG5へ移行する(すなわち、シャッターカーテン30の閉鎖移動を再開させる)。このようなSG8からSG10の処理により、第1回避処理におけるシャッターカーテン30の閉鎖移動が行われている場合において、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知結果を考慮して一時停止させながら当該シャッターカーテン30の閉鎖移動を行うことができ、巻込対象や障害物の安全性を確保することができる。
SG11において制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30の状態が全閉状態であるか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、全閉状態でないと判定された場合(SG11、No)にはSG6へ移行し、全閉状態であると判定された場合(SG11、Yes)にはSG12へ移行する。なお、SG5からSG11へ移行するまでの間に、衝突対象検知信号、定期開放信号、又は緊急開放信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の開閉移動制御部134aは、これら信号に基づいてシャッターカーテン30を開閉移動させないものとする(すなわち、これら信号の入力の有無に関わらず、シャッターカーテン30の閉鎖移動を継続させる)。このような処理により、例えば、第1回避処理におけるシャッターカーテン30の閉鎖移動が行われている場合において、衝突対象検知部110の検知結果に関わらず、シャッターカーテン30の閉鎖移動を継続させることができる。よって、衝突対象が検知された後にシャッターカーテン30を開放移動させる場合に比べて、シャッターカーテン30にぶら下がっている巻込対象が自力でシャッターカーテン30から降りやすくなり、又は当該巻込対象の救助が容易となる。
続いて、図12に示すように、全閉状態を所定時間維持するために、制御装置130の開閉移動制御部134aは、SG12からSG14の処理を行う。
SG12において制御装置130の開閉移動制御部134aは、入力部131によって開放信号、起動信号、定期開放信号、又は緊急開放信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、開放信号等の入力が受け付けられたと判定された場合(SG12、Yes)にはSG13に移行し、開放信号等の入力が受け付けられていないと判定された場合(SG12、No)にはSG14に移行する。
SG13において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SG12にて受け付けられた開放信号、起動信号、定期開放信号、又は緊急開放信号に基づいて、シャッターカーテン30を開放移動させて、第1回避処理を終了する。
SG14において制御装置130の開閉移動制御部134aは、所定時間経過したか否かを判定する。ここで、「所定時間」の設定方法については任意であるが、実施の形態では、SG11の処理が終了してから巻込対象がシャッターカーテン30から退避することに要する時間(一例として、10秒等)に設定している。そして、制御装置130の開閉移動制御部134aは、所定時間経過していないと判定された場合(SG14、No)にはSG12へ移行し、所定時間経過したと判定された場合(SG14、Yes)には、第1回避処理を終了する。
このような第1回避処理により、シャッターカーテン30の開放移動中に第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知された場合には、シャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に、シャッターカーテン30の状態が全閉状態となるようにシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができる。よって、例えば、シャッターカーテン30の開放移動を継続させる場合に比べて、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。また、巻込対象が検知された後に単にシャッターカーテン30の開放移動を停止させる場合に比べて、シャッターカーテン30にぶら下がっている巻込対象が自力でシャッターカーテン30から降りやすくなり、又は当該巻込対象の救助が容易となるので、巻込対象の安全性を確保しやすくなる。
(開閉処理−自動モード処理−自動閉鎖移動状態処理)
次に、図7のSB9の自動閉鎖移動状態処理について説明する。自動閉鎖移動状態処理は、自動モード処理のうちシャッターカーテン30の状態が閉鎖移動状態である場合に実行される処理である。なお、図13のSH1は、図8のSC1と同様であるので、説明を省略する。
まず、図13に示すように、SH2において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SH1にて特定された各種の検知部の検知状態に基づいて、当該検知状態に応じた処理を特定する。
ここで、この検知状態に応じた処理を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、自動閉鎖移動状態処理においては、自動モード処理テーブル135aに格納されている自動モード処理内容情報の中から、シャッターカーテン30の下端部の位置に関わらず、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を無効としてシャッターカーテン30の閉鎖移動を制御する第1制御又は第2制御を示す自動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した自動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。
SH3において制御装置130の制御部134は、SH2にて特定された処理を実行し、その後自動閉鎖移動状態処理を終了して、図7の自動モード処理に戻る。また、この処理の実行の詳細については、以下に示す通りとなる。
すなわち、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第1巻込対象検知部70(又は第2巻込対象検知部80)の検知状態=無として取り扱われることで、SH2にて特定された閉鎖継続処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の閉鎖移動を継続でき、シャッターカーテン30にぶら下がっている巻込対象が自力でシャッターカーテン30から降りやすくなり、又は巻込対象の救助が容易となる。
また、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知され、あるいは衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=〇、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SH2にて特定された全開開放処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30を開放移動させることができ、シャッターカーテン30の閉鎖移動を継続する場合に比べて、シャッターカーテン30によって障害物に危害が加えられることを回避できたり、又は衝突対象がシャッターカーテン30に対して衝突することを回避できる。
また、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知されると共に、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知され、あるいは衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=〇、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第1巻込対象検知部70(又は第2巻込対象検知部80)の検知状態=無として取り扱われることで、SH2にて特定された閉鎖停止処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の閉鎖移動を停止でき、全開開放処理に比べて、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。
以上のような自動モード処理により、自動モード時のシャッターカーテン30の状態に応じた処理を行うことができ、開閉制御システムの使用におけるユーザの安全性や利便性を向上させることが可能になる。
(開閉処理−手動モード処理)
次に、図6のSA4の手動モード処理について説明する。手動モード処理は、手動モード時においてシャッターカーテン30の開閉移動を制御するための処理である。なお、図14のSI2、SI3は、図9のSD5、SD6と同様であるので、説明を省略する。
手動モード処理が起動されると、図14に示すように、SI1において制御装置130の状態特定部134cは、位置検知部120から取得した位置信号に基づいて、シャッターカーテン30の状態を特定する。
SI4において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SI1にて特定されたシャッターカーテン30の状態、SI2にて特定された各種の検知部の検知状態、及びSI3にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置に基づいて、当該検知状態に応じた処理を特定する。また、この検知状態に応じた処理を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、手動モード処理においては、シャッターカーテン30の状態に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができるように、自動モード処理におけるシャッターカーテン30の状態に対応する処理と略同様の方法により、手動モード処理テーブル135bに格納されている手動モード処理内容情報の中から手動モード処理内容情報を抽出し、当該抽出した手動モード処理内容情報の処理を特定すべき処理として特定する。
SI5において制御装置130の開閉移動制御部134aは、SI4にて特定された処理を実行し、その後手動モード処理を終了して、図6の手動モード処理に戻る。また、この処理の実行の詳細については、自動モード処理におけるシャッターカーテン30の状態に対応する処理と略同様に実行されるが、一部の処理については以下に示す工夫が施されている。
すなわち、SI1にてシャッターカーテン30の状態=半開停止状態と特定された場合に、衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=〇である場合)には、SI4にて特定された開放可閉鎖可処理が実行される。これにより、シャッター側操作装置50の操作者による衝突対象の監視によって衝突対象の安全性を確保しながら、シャッターカーテン30を開放移動させることができる。よって、開放不可閉鎖不可処理に比べて、通行対象の通行性が低下することを回避できる。
また、SI1にてシャッターカーテン30の状態=全開状態と特定された場合に、衝突対象検知部110によって衝突対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=〇である場合)には、SI4にて特定された閉鎖可処理が実行される。これにより、シャッター側操作装置50の操作者による衝突対象の監視によって衝突対象の安全性を確保しながら、シャッターカーテン30を閉鎖移動させることができる。
また、SI1にてシャッターカーテン30の状態=開放移動状態であり、SI3にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合に、第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、第1巻込対象検知部70の検知状態=下〇として取り扱われることで、SI4にて特定された第2回避処理が実行される。この第2回避処理の具体的な処理内容については任意であるが、実施の形態では、制御装置130の開閉移動制御部134aは、シャッターカーテン30の開放移動を停止させる制御を行う。これにより、手動モード時にシャッターカーテン30の開放移動中に第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知された場合には、第1回避処理とは異なる第2回避処理を行うことができ、手動モードに応じた回避制御を行うことが可能となる。
ここで、第2回避処理においてシャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に行われる制御内容については任意であるが、例えば、以下に示す制御が行われてもよい。すなわち、シャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に、入力部131によって閉鎖信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の開閉移動制御部134aは、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、当該シャッターカーテン30を閉鎖移動させてもよい。これにより、シャッターカーテン30の開放移動の停止を継続させる場合に比べて、シャッターカーテン30にぶら下がっている巻込対象が自力でシャッターカーテン30から降りやすくなり、又は巻込対象の救助が容易となる。また、シャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知された場合には、制御装置130の開閉移動制御部134aは、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、当該シャッターカーテン30の開放移動の停止を継続させてもよい。これにより、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の検知結果によって障害物が検知された後にシャッターカーテン30の開放移動を再開させる場合に比べて、巻込対象や障害物の安全性を確保しやすくなる。
また、SI1にてシャッターカーテン30の状態=閉鎖移動状態と特定された場合に、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=〇、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SI4にて特定された閉鎖停止処理が実行される。これにより、シャッターカーテン30の閉鎖移動を停止でき、シャッターカーテン30の閉鎖移動を継続させる場合に比べて、シャッターカーテン30によって障害物に危害が加えられることを回避できる。
また、SI1にてシャッターカーテン30の状態=閉鎖移動状態と特定された場合に、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=×、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=〇である場合)には、SI4にて特定された閉鎖継続処理が実行される。これにより、シャッター側操作装置50の操作者による衝突対象の監視によって衝突対象の安全性を確保しながら、シャッターカーテン30を閉鎖移動させることができる。
このような手動モード処理により、手動モード時のシャッターカーテン30の状態に応じた処理を行うことができ、開閉制御システムの使用におけるユーザの安全性や利便性を向上させることが可能になる。
また、以上のような開閉処理により、第1巻込対象検知部70の検知結果に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を制御でき、巻込対象がシャッターカーテン30にぶら下がった状態でシャッターカーテン30を開放移動させた場合において、第1巻込対象検知部70によって中間空間S2内に存在する巻込対象(一例として、人の胴体部等)を検知させ、その検知結果に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を制御できる。よって、上方空間S1内に存在する巻込対象(一例として、人の腕部等)のみを検知させる場合に比べて、巻込対象を迅速且つ確実に検知することができ、巻込対象の安全性を確保しやすくなる。また、第1巻込対象検知部70の検知結果と、上方空間S1内に存在する巻込対象のみを検知する第2巻込対象検知部80の検知結果とに基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御でき、第1巻込対象検知部70のみを設けた場合に比べて、巻込対象を正確に検知できるので、巻込対象の安全性を一層確保できるシャッターカーテン30の開閉制御を行うことができる。また、第1制御において、第1検知位置よりも下方の位置である場合には、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の検知結果に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を制御し、第2制御において、シャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合には、第1巻込対象検知部70の検知結果に関わらず当該シャッターカーテン30の開閉移動を制御できる。これにより、第1巻込対象検知部70及び第2巻込対象検知部80を設けた場合でも、シャッターカーテン30の下端部の位置に応じてシャッターカーテン30の開閉移動の制御を異ならせることができる。よって、例えば、第1制御において、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の結果を考慮して巻込対象の安全性を確保できる制御を行うことができると共に、第2制御において、通行対象の通行性を確保できる制御を行うことができる。
(開閉処理−具体的な処理内容)
続いて、開閉処理が実行される具体的な状況及びその場合の処理内容について、以下で説明する。
(開閉処理−具体的な処理内容−1つ目の具体的な例)
最初に、1つ目の具体的な例について説明する。1つ目の具体的な例については、開閉移動制御部134aの制御モードが自動モードに切り替えられており、シャッターカーテン30の状態が全閉状態である場合において、障害物及び衝突対象が存在していないものの、シャッターカーテン30に巻込対象(例えば、子供等)がぶら下がっている場合に、巻込対象が上方に向けて移動した場合には、以下に示す開閉処理が行われる(なお、開閉移動制御部134aの制御モードが手動モードに切り替えられている場合についても略同様の処理が行われる)。
すなわち、まず、図7の自動モード処理のSB1においてシャッターカーテン30の状態が全閉状態であると判定されると、図7のSB2の自動全閉状態処理が起動される。次に、図7のSB2の自動全閉状態処理では、図8のSC1にて第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知されたと特定されるまで図8のSC2にて操作指示処理が特定されることから、図8のSC3にて操作指示処理が継続して実行される。そして、巻込対象が上方に移動することにより図8のSC1にて第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知されたと特定されることで図8のSC2にて開放不可処理が特定されると、図8のSC3にて開放不可処理が実行される。その後、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知されなくなるまで、開放不可処理が継続して実行される。
このような1つ目の具体的な例に対応する処理により、第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知された状態で開放信号又は起動信号の入力が受け付けられても、シャッターカーテン30の開放移動を行わせないようにでき、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。
(開閉処理−具体的な処理内容−2つ目の具体的な例)
次に、2つ目の具体的な例について説明する。2つ目の具体的な例については、開閉移動制御部134aの制御モードが自動モードに切り替えられており、シャッターカーテン30の状態が全閉状態である場合において、障害物及び衝突対象が存在していないものの、シャッターカーテン30に巻込対象がぶら下がっている場合に、起動信号の入力の受け付けに伴ってシャッターカーテン30を開放移動させると、以下に示す開閉処理が行われる。
すなわち、まず、図7の自動モード処理のSB7においてシャッターカーテン30の状態が開放移動状態であると判定されると、図7のSB8の自動開放移動状態処理が起動される。次に、図7のSB8の自動開放移動状態処理では、図11のSF3にて第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知されたと特定されるまで図11のSF5にて開放継続処理が特定されることから、図11のSF8にて開放継続処理が継続して実行される(すなわち、シャッターカーテン30の開放移動が継続される)。そして、シャッターカーテン30の開放移動が進むことにより、図11のSF3にて第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知されたと特定されると共に、図11のSF4にてシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置であると特定されることにより図11のSF5にて第1回避処理が特定されると、図11のSF7にて第1回避処理が実行される。ここで、図11のSF7の第1回避処理では、図12のSG1にてシャッターカーテン30の開放移動が停止され、その後図12のSG4にて所定時間経過するまで当該停止が継続される。次いで、図12のSG4にて所定時間経過したと判定された場合に図12のSG5にてシャッターカーテン30の閉鎖移動が行われ、図12のSG11にて全閉状態であると判定されるまでシャッターカーテン30の閉鎖移動が継続される。そして、図12のSG11にて全閉状態であると判定された場合にシャッターカーテン30の閉鎖移動が停止され、図12のSG14にて所定時間経過したと判定されると、自動開放移動状態処理の処理が終了する。
このような2つ目の具体的な例に対応する処理により、シャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置において開放移動状態において第1巻込対象検知部70によって巻込対象が存在すると検知された場合には、第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、第1回避処理を行うことができ、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。特に、第1回避処理では、シャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に全閉状態となるようにシャッターカーテン30を閉鎖移動させることができる。よって、例えば、開口部2の上下方向の長さが比較的長い場合において、巻込対象が検知された後に単にシャッターカーテン30の開放移動を停止させる場合に比べて、シャッターカーテン30にぶら下がっている巻込対象が自力でシャッターカーテン30から降りやすくなり、又は当該巻込対象の救助が容易となるので、巻込対象の安全性を確保しやすくなる。
(開閉処理−具体的な処理内容−3つ目の具体的な例)
次に、3つ目の具体的な例について説明する。3つ目の具体的な例については、開閉移動制御部134aの制御モードが自動モードに切り替えられており、シャッターカーテン30の状態が開放移動状態である場合において、巻込対象、障害物、及び衝突対象が存在していない場合に、通行対象が開口部2を通行しようとすると、以下に示す開閉処理が行われる(なお、開閉移動制御部134aの制御モードが手動モードに切り替えられている場合についても略同様の処理が行われる)。
すなわち、まず、図7の自動モード処理のSB7においてシャッターカーテン30の状態が開放移動状態であると判定されると、図7のSB8の自動開放移動状態処理が起動される。次に、図7のSB8の自動開放移動状態処理では、図11のSF3にて第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知されていないと特定されることにより図11のSF5にて開放継続処理が特定されることから、図11のSF8にて開放継続処理が実行される。その後、図11のSF4にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合に第1巻込対象検知部70によって通行対象が巻込対象として検知されたと特定されても図11のSF5にて開放継続処理が特定されるので、図11のSF8にて開放継続処理が継続して実行される。
このような3つ目の具体的な例に対応する処理により、第1巻込対象検知部70によって通行対象が巻込対象として検知された場合でも、シャッターカーテン30の開放移動を継続させることができる。よって、例えば、開口部2の上下方向の長さが比較的短い場合において、シャッターカーテン30の開放移動を停止させる場合に比べて、通行対象の通行性を確保しやすくなる。
(効果)
このように実施の形態によれば、中間空間S2内に存在する巻込対象のみを検知する第1巻込対象検知部70と、第1巻込対象検知部70の検知結果に基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御する開閉移動制御部134aとを備えるので、第1巻込対象検知部70の検知結果に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を制御でき、巻込対象がシャッターカーテン30にぶら下がった状態でシャッターカーテン30を開放移動させた場合において、第1巻込対象検知部70によって中間空間S2内に存在する巻込対象(一例として、人の胴体部等)を検知させ、その検知結果に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を制御できる。よって、上方空間S1内に存在する巻込対象(一例として、人の腕部等)のみを検知させる場合に比べて、巻込対象を迅速且つ確実に検知することができ、巻込対象の安全性を確保しやすくなる。
また、開閉移動制御部134aが、第1巻込対象検知部70の検知結果及び上方空間S1内に存在する巻込対象のみを検知する第2巻込対象検知部80の検知結果に基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御するので、第1巻込対象検知部70の検知結果と、上方空間S1内に存在する巻込対象のみを検知する第2巻込対象検知部80の検知結果とに基づいて、シャッターカーテン30の開閉移動を制御できる。よって、第1巻込対象検知部70のみを設けた場合に比べて、巻込対象を正確に検知できるので、巻込対象の安全性を一層確保できるシャッターカーテン30の開閉制御を行うことができる。
また、開閉移動制御部134aが、全閉状態である場合において、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合には、当該シャッターカーテン30の開放移動を行わせないので、全閉状態において第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合にシャッターカーテン30の開放移動を行わせないようにできる。よって、シャッターカーテン30の開放移動を許容する場合に比べて、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。
また、開閉移動制御部134aが、開放移動状態である場合において、第1巻込対象検知部70によって巻込対象が検知された場合には、第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、回避処理を行うので、開放移動状態において第1巻込対象検知部70によって巻込対象が存在すると検知された場合に、第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、回避処理を行うことができる。よって、例えば、第2巻込対象検知部80の検知結果を考慮してシャッターカーテン30の開放移動を継続させる場合に比べて、巻込対象がシャッターカーテン30の開放移動に伴って当該シャッターカーテン30に巻き込まれることを回避することができる。
また、開閉移動制御部134aが、シャッターカーテン30の状態が閉鎖移動状態以外の状態である場合のみにおいて、第1巻込対象検知部70の検知結果を有効として当該シャッターカーテン30の開閉移動の制御を行い、シャッターカーテン30の状態が当該シャッターカーテン30の開閉移動を停止させている状態である場合のみにおいて、第2巻込対象検知部80の検知結果を有効として当該シャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うので、シャッターカーテン30の状態に応じて第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80の検知結果を有効にしたり有効にしなかったりすることができ、シャッターカーテン30の状態に応じたシャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うことができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、制御装置130を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部134を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部135を設けてもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(各種の検知部について)
上記実施の形態では、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、座板スイッチ100、及び衝突対象検知部110が設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、第2巻込対象検知部80、障害物検知部90、座板スイッチ100、又は衝突対象検知部110の少なくともいずれか1つを省略してもよい。
また、上記実施の形態では、位置検知部120が、ポテンションメータを用いて構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、リミットスイッチ(具体的には、上限位置を検知する上限リミットスイッチ、下限位置を検知する下限リミットスイッチ、第1検知位置を検知するリミットスイッチ等)、タイマ(この場合には、第1検知位置を検知することに限られる)、又は音波センサを用いて構成されてもよい。
(制御装置について)
上記実施の形態では、制御装置130が、切り替え部134bを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、切り替え部134bを省略してよい。この場合には、開閉処理において、自動モード処理又は手動モード処理のいずれか一方のみを実行してもよい。
(開閉処理について)
上記実施の形態では、開閉移動制御部134aの制御モードの切り替えが開閉処理の起動直後に行われると説明したが、これに限られない。例えば、開閉処理の任意のタイミングで行われてもよく、一例として、図7のSB2の自動全閉状態処理の実行中に行われてもよい。
また、上記実施の形態では、開閉処理において、開放信号、起動信号、定期開放信号、緊急開放信号等が受け付けられ、且つ所定条件を満たす場合には、シャッターカーテン30を開放移動させると説明したが、これに限られない。例えば、シャッターカーテン30の開放移動を強制的に行う旨の指示を示す信号がシャッター側操作装置50を介して受け付けられた場合には、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、当該シャッターカーテン30を開放移動させてもよい。これにより、例えば、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80の故障により、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知されている状態が継続している場合や、正常に動作している第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知されている場合において、シャッター側操作装置50の操作者による巻込対象の監視によって巻込対象の安全性を確保しながら、シャッターカーテン30を開放移動させることができ、第1巻込対象検知部70等の故障時や災害時等に通行対象の通行性が低下することを回避できる。
(自動モード処理について)
上記実施の形態では、制御装置130の開閉移動制御部134aが、シャッターカーテン30の状態が閉鎖移動状態以外の状態である場合のみにおいて、第1巻込対象検知部70の検知結果を有効として当該シャッターカーテン30の開閉移動の制御を行い、シャッターカーテン30の状態が当該シャッターカーテン30の開閉移動を停止させている状態である場合のみにおいて、第2巻込対象検知部80の検知結果を有効として当該シャッターカーテン30の開閉移動の制御を行うと説明したが、これに限られない。例えば、シャッターカーテン30の状態が閉鎖移動状態である場合についても、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を有効として当該シャッターカーテン30の開閉移動の制御を行ってもよい(なお、手動モード処理についても同様とする)。
また、上記実施の形態では、制御装置130の開閉移動制御部134aが、第1制御において、制御装置130の開閉移動制御部134aが、シャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも下方の位置である場合には、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の検知結果に基づいて、当該シャッターカーテン30の開閉移動を制御し、第2制御において、シャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合には、第1巻込対象検知部70の検知結果に関わらず、当該シャッターカーテン30の開閉移動を制御すると説明したが、これに限られない。例えば、シャッターカーテン30の下端部の位置に関わらず、第1巻込対象検知部70の検知結果又は第2巻込対象検知部80の検知結果に基づいて、当該シャッターカーテン30の開閉移動を制御してもよい(なお、手動モード処理についても同様とする)。一例として、自動半開停止状態処理において、SD6にて特定されたシャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合に、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合(一例として、第1巻込対象検知部70の検知状態=〇、第2巻込対象検知部80の検知状態=×、障害物検知部90又は座板スイッチ100の検知状態=×、衝突対象検知部110の検知状態=×である場合)には、SD7にて特定された開放不可閉鎖可処理が実行されてもよい。
また、上記実施の形態では、自動半開停止状態処理において、シャッターカーテン30の下端部の位置が第1検知位置よりも上方の位置である場合には、制御装置130の開閉移動制御部134aが、第1巻込対象検知部70の検知結果及び第2巻込対象検知部80の検知結果を無効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第2制御を行うと説明したが、これに限られず、第1巻込対象検知部70の検知結果を無効とし、第2巻込対象検知部80の検知結果を有効としてシャッターカーテン30の開閉移動を制御する第2制御を行ってもよい(なお、手動モード処理についても同様とする)。ここで、「第2巻込対象検知部80の検知結果を有効として」とは、例えば、シャッターカーテン30の下端部の位置に関わらず常時有効とすることや、シャッターカーテン30の下端部の位置が第2検知位置よりも下方の位置では有効とし、第2検知位置よりも上方の位置では無効とすること等を含む概念である。
(第1回避処理について)
上記実施の形態では、第1回避処理において、シャッターカーテン30の開放移動中において第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合には、当該シャッターカーテン30の開放移動を停止させ、その後に第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、全閉状態となるようにシャッターカーテン30を閉鎖移動させると説明したが、これに限られない。例えば、シャッターカーテン30の開放移動中において第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80によって巻込対象が検知された場合に、単にシャッターカーテン30の開放移動を停止させるだけでもよい。
また、上記実施の形態では、第1回避処理において、シャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に当該シャッターカーテン30を閉鎖移動させている場合に、衝突対象検知部110の検知結果に関わらず、当該シャッターカーテン30の閉鎖移動を継続させると説明したが、これに限られず、例えば、当該シャッターカーテン30の閉鎖移動を停止させてもよい。
(第2回避処理について)
上記実施の形態では、第2回避処理において、シャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に入力部131によって閉鎖信号の入力が受け付けられた場合には、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、当該シャッターカーテン30を閉鎖移動させると説明したが、これに限られず、例えば、当該シャッターカーテン30の開放移動の停止を維持させてもよい。
また、上記実施の形態では、第2回避処理において、シャッターカーテン30の開放移動を停止させた後に入力部131によって閉鎖信号の入力が受け付けられた場合には、障害物検知部90又は座板スイッチ100によって障害物が検知された場合には、第1巻込対象検知部70又は第2巻込対象検知部80の検知結果に関わらず、当該シャッターカーテン30の開放移動の停止を継続させると説明したが、これに限られず、例えば、当該シャッターカーテン30の開放移動を再開させてもよい。
(付記)
付記1の開閉制御システムは、建物の開口部を上下方向に開閉するシャッターカーテンの開閉移動を制御するための開閉制御システムであって、前記開口部又はその近傍の空間のうち当該空間の上方側に位置する上方空間と当該空間の下方側に位置する下方空間との相互間に位置する中間空間内に存在する巻込対象であって、前記シャッターカーテンの開放移動に伴って当該シャッターカーテンに巻き込まれる可能性がある巻込対象のみを検知する第1巻込対象検知手段と、前記第1巻込対象検知手段の検知結果に基づいて、前記シャッターカーテンの開閉移動を制御する開閉移動制御手段と、を備えた。
付記2の開閉制御システムは、付記1に記載の開閉制御システムにおいて、前記上方空間内に存在する前記巻込対象のみを検知する第2巻込対象検知手段を備え、前記開閉移動制御手段は、前記第1巻込対象検知手段の検知結果及び前記第2巻込対象検知手段の検知結果に基づいて、前記シャッターカーテンの開閉移動を制御する。
付記3の開閉制御システムは、付記2に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記シャッターカーテンの状態が当該シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した全閉状態である場合において、前記第1巻込対象検知手段又は前記第2巻込対象検知手段によって前記巻込対象が検知された場合には、当該シャッターカーテンの開放移動を行わせない。
付記4の開閉制御システムは、付記2又は3に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記シャッターカーテンの状態が当該シャッターカーテンを開放移動させている開放移動状態である場合において、前記第1巻込対象検知手段によって前記巻込対象が検知された場合には、前記第2巻込対象検知手段の検知結果に関わらず、当該開放移動に伴って当該シャッターカーテンに当該巻込対象が巻き込まれることを回避するための回避処理を行う。
付記5の開閉制御システムは、付記2から4のいずれか一項に記載の開閉制御システムにおいて、前記開閉移動制御手段は、前記シャッターカーテンの状態が当該シャッターカーテンを閉鎖移動させている閉鎖移動状態以外の状態である場合のみにおいて、前記第1巻込対象検知手段の検知結果を有効として当該シャッターカーテンの開閉移動の制御を行い、前記シャッターカーテンの状態が当該シャッターカーテンの開閉移動を停止させている状態である場合のみにおいて、前記第2巻込対象検知手段の検知結果を有効として当該シャッターカーテンの開閉移動の制御を行う。
(付記の効果)
付記1に記載の開閉制御システムによれば、中間空間内に存在する巻込対象のみを検知する第1巻込対象検知手段と、第1巻込対象検知手段の検知結果に基づいて、シャッターカーテンの開閉移動を制御する開閉移動制御手段とを備えるので、第1巻込対象検知手段の検知結果に基づいてシャッターカーテンの開閉移動を制御でき、巻込対象がシャッターカーテンにぶら下がった状態でシャッターカーテンを開放移動させた場合において、第1巻込対象検知手段によって中間空間内に存在する巻込対象(一例として、人の胴体部等)を検知させ、その検知結果に基づいてシャッターカーテンの開閉移動を制御できる。よって、上方空間内に存在する巻込対象(一例として、人の腕部等)のみを検知させる場合に比べて、巻込対象を迅速且つ確実に検知することができ、巻込対象の安全性を確保しやすくなる。
付記2に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、第1巻込対象検知手段の検知結果及び上方空間内に存在する巻込対象のみを検知する第2巻込対象検知手段の検知結果に基づいて、シャッターカーテンの開閉移動を制御するので、第1巻込対象検知手段の検知結果と、上方空間内に存在する巻込対象のみを検知する第2巻込対象検知手段の検知結果とに基づいて、シャッターカーテンの開閉移動を制御できる。よって、第1巻込対象検知手段のみを設けた場合に比べて、巻込対象を正確に検知できるので、巻込対象の安全性を一層確保できるシャッターカーテンの開閉制御を行うことができる。
付記3に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、全閉状態である場合において、第1巻込対象検知手段又は第2巻込対象検知手段によって巻込対象が検知された場合には、当該シャッターカーテンの開放移動を行わせないので、全閉状態において第1巻込対象検知手段又は第2巻込対象検知手段によって巻込対象が検知された場合にシャッターカーテンの開放移動を行わせないようにできる。よって、シャッターカーテンの開放移動を許容する場合に比べて、巻込対象がシャッターカーテンの開放移動に伴って当該シャッターカーテンに巻き込まれることを回避することができる。
付記4に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、開放移動状態である場合において、第1巻込対象検知手段によって巻込対象が検知された場合には、第2巻込対象検知手段の検知結果に関わらず、回避処理を行うので、開放移動状態において第1巻込対象検知手段によって巻込対象が存在すると検知された場合に、第2巻込対象検知手段の検知結果に関わらず、回避処理を行うことができる。よって、例えば、第2巻込対象検知手段の検知結果を考慮してシャッターカーテンの開放移動を継続させる場合に比べて、巻込対象がシャッターカーテンの開放移動に伴って当該シャッターカーテンに巻き込まれることを回避することができる。
付記5に記載の開閉制御システムによれば、開閉移動制御手段が、シャッターカーテンの状態が閉鎖移動状態以外の状態である場合のみにおいて、第1巻込対象検知手段の検知結果を有効として当該シャッターカーテンの開閉移動の制御を行い、シャッターカーテンの状態が当該シャッターカーテンの開閉移動を停止させている状態である場合のみにおいて、第2巻込対象検知手段の検知結果を有効として当該シャッターカーテンの開閉移動の制御を行うので、シャッターカーテンの状態に応じて第1巻込対象検知手段又は第2巻込対象検知手段の検知結果を有効にしたり有効にしなかったりすることができ、シャッターカーテンの状態に応じたシャッターカーテンの開閉移動の制御を行うことができる。