JP6877648B2 - 固体電解質の製造方法 - Google Patents
固体電解質の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6877648B2 JP6877648B2 JP2020531314A JP2020531314A JP6877648B2 JP 6877648 B2 JP6877648 B2 JP 6877648B2 JP 2020531314 A JP2020531314 A JP 2020531314A JP 2020531314 A JP2020531314 A JP 2020531314A JP 6877648 B2 JP6877648 B2 JP 6877648B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solid electrolyte
- phosphorus
- lithium
- less
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B25/00—Phosphorus; Compounds thereof
- C01B25/14—Sulfur, selenium, or tellurium compounds of phosphorus
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/06—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/06—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
- H01B1/10—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances sulfides
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B13/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
- H01M10/0525—Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/056—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
- H01M10/0561—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of inorganic materials only
- H01M10/0562—Solid materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01P—INDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
- C01P2002/00—Crystal-structural characteristics
- C01P2002/70—Crystal-structural characteristics defined by measured X-ray, neutron or electron diffraction data
- C01P2002/72—Crystal-structural characteristics defined by measured X-ray, neutron or electron diffraction data by d-values or two theta-values, e.g. as X-ray diagram
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01P—INDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
- C01P2006/00—Physical properties of inorganic compounds
- C01P2006/40—Electric properties
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M2300/00—Electrolytes
- H01M2300/0017—Non-aqueous electrolytes
- H01M2300/0065—Solid electrolytes
- H01M2300/0068—Solid electrolytes inorganic
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M2300/00—Electrolytes
- H01M2300/0017—Non-aqueous electrolytes
- H01M2300/0065—Solid electrolytes
- H01M2300/0068—Solid electrolytes inorganic
- H01M2300/008—Halides
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Description
また、特許文献3のように、硫化リン以外のリンを供給する物質として単体リン(赤リン)を用いることも検討されているが、得られる固体電解質は、イオン伝導度の低い硫化物ガラスに限られている。
本実施形態の製造方法では、リン元素供給物質として黄リンを用いることを要する。黄リンを用いないと、安定して高いイオン伝導度を有する固体電解質は得られない。
黄リンは、分子式P4で表される分子により構成されるリンの同素体の一つであり、白リンとも称されるものである。黄リンとしては、リン酸カルシウムを主成分とするリン鉱石、赤リン等を原料として製造される、市販品として入手できるものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、その原料となるリン鉱石等に金属不純物として含まれるアンチモン、鉄、亜鉛、ヒ素等の金属元素を合計最大250質量ppm程度で含む粗黄リン、これより金属不純物を100質量ppm以下程度まで除去した高純度黄リン等が挙げられ、本実施形態では、いずれを用いてもよい。より安定して高いイオン伝導度を有する固体電解質を得る観点から、黄リンに含まれる金属不純物は少ないほど好ましく、精製黄リンを用いることが好ましい。
また、本実施形態において、三硫化二リン(P2S3)、五硫化二リン(P2S5)等の硫化リンを用いてもよいが、その使用量は極力少なく抑えることが好ましく、具体的には、黄リン100質量部に対して50質量部以下とすることが好ましく、30質量部以下とすることがより好ましく、15質量部以下とすることが更に好ましい。
このような状況下、発明者らは、リン元素供給物質としてあえて黄リンを用いたところ、高いイオン伝導度を有するRII固体電解質が容易に得られることを見出した。通常固体電解質の原料として適さないと考えられてきた黄リン、赤リン、その他単体リンの中でも、黄リンだけは、このように特異な性状を示すことが判明した。その理由は定かではないが、黄リンは、他の単体リンと比べて、RII型結晶構造の生成速度が速く、P2S6 4−構造の生成量が相対的に少なくなり、結果として高いイオン伝導度を有する固体電解質が得られているものと考えられる。
本実施形態の製造方法において、黄リンと反応させる物質として、リチウム元素、硫黄元素、及びハロゲン元素を含む化合物(以下、単に「化合物」と称することがある。)を用いる。これらの元素を含む化合物を用いることで、高いイオン伝導度を有するRII固体電解質が得られる。すなわち、本実施形態の製造方法において、黄リンと、上記の化合物と、を反応させて、リチウム元素、リン元素、硫黄元素及びハロゲン元素を含む固体電解質を製造する。
硫黄元素を含む化合物としては、より安定して高いイオン伝導度を有する固体電解質を得る観点から、硫黄単体、硫化アルカリ金属が好ましい。また、硫化アルカリ金属としては、上記リチウムを含む原料として例示した硫化リチウム(Li2S)もあり、イオン伝導度の向上の観点から分子量がより小さいアルカリ金属を用いることが好ましいことを考慮すると、硫化リチウム(Li2S)が好ましいことはいうまでもない。
ハロゲン元素を含む化合物としては、より安定して高いイオン伝導度を有する固体電解質を得る観点から、上記の中でもハロゲン化リン、チオハロゲン化リン、ハロゲン化リチウム、単体ハロゲンが好ましく、ハロゲン化リチウム、単体ハロゲンがより好ましく、ハロゲン化リチウムとしては臭化リチウム、ヨウ化リチウムが好ましく、また単体ハロゲンとしては臭素、ヨウ素が好ましい。
また、本実施形態において、硫黄元素と、リン元素と、のモル比(硫黄元素/リン元素)は、好ましくは3.5以上、より好ましくは3.7以上、更に好ましくは3.8以上であり、上限として好ましくは4.5以下、より好ましくは4.3以下、更に好ましくは4.2以下である。
また、ハロゲン元素と、リン元素と、のモル比(ハロゲン元素/リン元素)は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上であり、上限として好ましくは0.90以下、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.70以下である。リチウム元素とリン元素とのモル比、硫黄元素とリン元素とのモル比、及びハロゲン元素とリン元素とのモル比が上記範囲内であると、得られる固体電解質がRII型結晶構造を呈しやすくなり、より安定して高いイオン伝導度を有する固体電解質が得られる。これらの元素のモル比は、本実施形態の製造方法で得られる固体電解質に含まれる各元素のモル比と実質的に同じである。
本実施形態の製造方法では、既述のように、上記の黄リンと、化合物と、を含む原料を用いることにより、とりわけ黄リンを用いることにより、所定性状を有する固体電解質が得られる。本実施形態においては、所定性状を有する固体電解質が得られれば、その手段については特に制限はないが、例えばこれらの黄リンと化合物とを含む原料を反応させることにより固体電解質を得ることができる。
本実施形態の製造方法において、反応させることの手法については特に制限はないが、混合、撹拌、粉砕又はこれらを組み合わせた処理により行うことが好ましい。これらの処理を行うことで、反応速度を向上させて、より効率的に、固体電解質を製造することができるからである。
これらの粉砕機を用いる場合、黄リン及び上記化合物を含む原料等と、また粉砕メディアとを投入し、装置を起動させて、混合、撹拌、粉砕を行えばよい。ここで、黄リン及び上記化合物を含む原料等を、粉砕メディアを投入することになるが、投入する順序に制限はない。
また、混合、撹拌、粉砕の際の温度は、特に制限はないが、例えば、20〜80℃としておけばよい。
黄リンと上記化合物等とを含む原料等を混合し、撹拌する場合は、混合及び撹拌中並びに/若しくはその後に、更に黄リン、上記化合物を加えて混合し、混合及び撹拌してもよく、これを2回以上繰り返してもよい。例えば、黄リンと上記化合物とを含む原料等をボールミル、又はビーズミルの容器に投入して、混合及び撹拌を開始し、混合及び撹拌中に更に黄リン、上記化合物を該容器に投入してもよいし、混合及び撹拌後(混合及び撹拌を一旦停止した後)に黄リン、上記化合物を該容器に投入し、混合及び撹拌を再開してもよいし、また、混合及び撹拌中、並びにその後に黄リン、上記化合物を該容器に投入してもよい。
このように、黄リン、上記化合物を更に加えることで、必要に応じて行う溶媒の除去等の処理の回数を少なくすることができるので、より効率的に固体電解質を得ることができる。
溶媒を用いた場合は、溶媒の除去が必要となる。例えば、溶媒を含んだ固体電解質を容器に移し、固体電解質が沈殿した後に、上澄みとなる溶媒を除去するといった方法、また乾燥による溶媒の除去等の方法により行うことができる。乾燥による溶媒の除去は、乾燥する量に応じてホットプレート等の加熱器、その他乾燥機等の機器を選定し、50〜90℃で加熱し、溶媒を揮発させて行うことができる。また、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒を用いる場合は、90〜110℃程度の温度で、真空ポンプ等を用いて減圧乾燥を行ってもよい。
溶媒を用いる場合、溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の脂肪族炭化水素溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒等の各種炭化水素溶媒;二硫化炭素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等の炭素原子とヘテロ原子を含む溶媒、等の炭素元素を含む溶媒等が挙げられる。なお、溶媒として水を用いることは、固体電解質の性能を低下させるため、好ましくない。
本実施形態の製造方法において、反応させることは、黄リンと上記化合物とを反応させて非晶質の固体電解質を得ることを含む。反応させることを、上記の混合、攪拌、粉砕又はこれらを組み合わせた処理をすることで行う場合、本実施形態の製造方法は、上記黄リンと上記化合物とを含む原料を、混合、攪拌、粉砕又はこれらを組み合わせた処理をする非晶質の固体電解質を得ることを含む。
上記反応させることにより得られる非晶質の固体電解質は、少なくともリン元素を含み、またリン元素、リチウム元素、硫黄元素及びハロゲン元素を含む、固体電解質である。本明細書において、非晶質の固体電解質とは、X線回折測定においてX線回折パターンが実質的に材料由来のピーク以外のピークが観測されないハローパターンであるもののことであり、固体電解質の原料由来のピークの有無は問わないものであることを意味する。
本実施形態の固体電解質の製造方法において、反応させることは、上記の非晶質の固体電解質を熱処理して結晶質の固体電解質を得ることを含んでもよい。
熱処理による加熱温度は、非晶質の固体電解質の構造に応じて適宜選択することができ、例えば、非晶質の固体電解質を、示差熱分析装置(DTA装置)を用いて、10℃/分の昇温条件で示差熱分析(DTA)を行い、最も低温側で観測される発熱ピークのピークトップを起点に好ましくは±40℃以内、より好ましくは±30℃以内、さらに好ましくは±20℃以内の範囲とすればよい。より具体的には、加熱温度としては、150℃以上が好ましく、170℃以上がより好ましく、190℃以上が更に好ましい。一方、加熱温度の上限値は特に制限されるものではないが、300℃以下が好ましく、280℃以下がより好ましく、250℃以下が更に好ましい。
上記のように、非晶質の固体電解質を熱処理することで、結晶性の固体電解質が得られる。本明細書において、結晶性の固体電解質とは、X線回折測定においてX線回折パターンに、固体電解質由来のピークが観測される固体電解質であって、固体電解質の原料由来のピークの有無は問わない材料である。すなわち、結晶性の固体電解質は、固体電解質に由来する結晶構造を含み、その一部が該固体電解質に由来する結晶構造であっても、その全部が該固体電解質に由来する結晶構造であってもよい、ものである。そして、結晶性の固体電解質は、上記のようなX線回折パターンを有していれば、その一部に非晶質の固体電解質が含まれていてもよいものである。
結晶性の固体電解質の形状としては、特に制限はないが、例えば、粒子状を挙げることができる。粒子状の結晶性の硫化物系固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、0.01μm〜500μm、0.1〜200μmの範囲内を例示できる。
赤リン(純度:99.999%、株式会社高純度化学研究所製)1gを、片側を封じた石英管の中に入れて、内部をロータリーポンプにより真空排気して他方を封じた。赤リンの入っている側の石英管を環状炉にて430℃に加熱して、赤リンを昇華させて、室温に保った側に黄リンとして結露させた。十分冷却した後、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で蝋状の黄リンを回収した。
アンカー撹拌翼を装備した500mLセのパラブルフラスコに、不活性ガス下で乾燥した無水水酸化リチウム(本荘ケミカル(株)製、粒径範囲:0.1mm以上1.5mm以下、水分量:1質量%以下)を200g仕込んだ。100rpmで撹拌しながら、窒素気流下にて昇温し、オイルバスを用いて内部温度(粉体)を200℃に保持した。同時に、セパラブルフラスコ上部をリボンヒーターで130℃に保持した。窒素ガスを硫化水素(住友精化株式会社製)に切り替え、500N−mL/分の流量にし、アンカー翼で撹拌(回転数:100rpm)しながら、水酸化リチウム無水物と硫化水素との反応を、反応温度200℃で行った。なお、水酸化リチウム無水物の粒径範囲と水分量は、それぞれ上述の方法により測定した。
反応によって発生した水分はコンデンサーにより凝縮して回収した。反応を6時間行った時点で水が144ml回収された。更に硫化水素を500N−ml/分のまま保持して3時間反応を継続したが、水の発生は見られなかった。また、反応生成物等のセパラブルフラスコ等への付着等は見られなかった。
続いて、温度を200℃に保持した状態で、硫化水素を窒素ガスに切り替え、20分窒素ガスを通気し、フラスコ内の硫化水素を窒素ガスに置換した。窒素ガスを流通した状態で内温を下げ、生成物を回収した。
回収した生成物について、硫化リチウムの純度測定、硫化リチウム中の水酸化リチウム量の測定、硫化リチウムの水分量を測定したところ、各々98.5質量%、0.1質量%以下、0.01質量%以下であった。なお、水酸化リチウム量の「検出限界」は0.1質量%である。
アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で、製造例1で得られた黄リン0.148g、製造例2で得られた硫化リチウム0.329g、硫黄単体0.383g(純度:99%、富士フイルム和光純薬株式会社製)、臭化リチウム0.140gを秤量し、遊星型ボールミル機用の容器(45cc、ジルコニア製)に投入し、更にジルコニアボール(10mmφ)を10個入れて、容器を完全に密閉した。該容器をグローブボックスから取り出し、遊星型ボールミル機(商品名:クラシックラインP−7、フリッチュ社製)に取り付けて、台盤回転数370rpmで、40時間、混合、撹拌、粉砕を同時に行い、粉末状の固体電解質を作製した。
得られた粉末状の固体電解質について、示差熱分析装置(DTA装置)を用いて、10℃/分の昇温条件で示差熱分析(DTA)を行ったところ、結晶化ピークを214℃付近に有し、相転移ピークを260℃付近に有するものであることが確認された。また、X線回折(XRD)装置(卓上型X線回折装置、「D2 PHASER(型番)」、BRUKER社製)を用いて粉末X線解析(XRD)測定を行った。X線解析スペクトルを図1に示す。図1に示されるように、原料由来のピーク以外ピークがないため、非晶質の固体電解質であることがわかった。
得られた結晶性の固体電解質から、直径10mm(断面積S:0.785cm2)、高さ(L)0.1〜0.3cmの円形ペレットを成形して試料とした。その試料の上下から電極端子を取り、25℃において交流インピーダンス法により測定し(周波数範囲:5MHz〜0.5Hz、振幅:10mV)、Cole−Coleプロットを得た。高周波側領域に観測される円弧の右端付近で、−Z’’(Ω)が最小となる点での実数部Z’(Ω)を電解質のバルク抵抗R(Ω)とし、以下式に従い、イオン伝導度σ(S/cm)を計算した。
R=ρ(L/S)
σ=1/ρ
測定の結果、結晶性の固体電解質のイオン伝導度は、2.7×10−3(S/cm)であり、高いイオン伝導度を有していることが確認された。
実施例1において、黄リンにかえて赤リン(純度:99.999%、株式会社高純度化学研究所製)とした以外は、実施例1と同様にして粉末状の固体電解質を得た。得られた粉末状の固体電解質について、示差熱分析(DTA)を行ったところ、結晶化ピークと相転移ピークとが明確に分かれていないことが確認された。また、粉末X線解析(XRD)測定を行ったところ、原料由来のピーク以外ピークがないため、非晶質の固体電解質であることがわかった(図3参照)。図3に示されるように、得られた固体電解質は、硫化リチウムのピークが強く観測されており、赤リンを用いた場合は、反応が不十分であることが分かる。
このように、リン単体でも、黄リンを用いた場合はRII固体電解質が得られる一方、黄リン以外のリン単体(赤リン)ではRII固体電解質が得られず、高いイオン伝導度を有する固体電解質が得られないことが確認された。
Claims (10)
- 黄リンと、リチウム元素、硫黄元素、及びハロゲン元素を含む化合物と、を含む原料を用いる、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2±0.5°及び23.6±0.5°にピークを有し、リチウム元素、リン元素、硫黄元素及びハロゲン元素を含む固体電解質の製造方法。
- 前記原料を、混合、撹拌、粉砕又はこれらを組み合わせた処理をすることを含む請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記混合、撹拌、粉砕又はこれらを組み合わせた処理を、固体状態で行う請求項2に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記原料を、混合、撹拌、粉砕又はこれらを組み合わせた処理をして非晶質の固体電解質を得ること、及び該非晶質の固体電解質を熱処理して結晶質の固体電解質を得ることを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記リチウム元素、硫黄元素及びハロゲン元素を含む化合物が、硫化リチウム、単体硫黄、ハロゲン化リン、チオハロゲン化リン、ハロゲン化リチウム及び単体ハロゲンから選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
- リン元素と、リチウム元素と、硫黄元素と、ハロゲン元素と、のモル比が、0.8以上1.2以下:2.5以上4.5以下:3.0以上5.0以下:0.1以上1.0以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
- リチウム元素と、リン元素と、のモル比が、3.0超3.5以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
- 硫黄元素と、リン元素と、のモル比が、3.5以上4.5以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
- ハロゲン元素と、リン元素と、のモル比が0.10以上0.90以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
- 溶媒を使用しない、請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018134421 | 2018-07-17 | ||
JP2018134421 | 2018-07-17 | ||
PCT/JP2019/027932 WO2020017500A1 (ja) | 2018-07-17 | 2019-07-16 | 固体電解質の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6877648B2 true JP6877648B2 (ja) | 2021-05-26 |
JPWO2020017500A1 JPWO2020017500A1 (ja) | 2021-06-24 |
Family
ID=69163895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020531314A Active JP6877648B2 (ja) | 2018-07-17 | 2019-07-16 | 固体電解質の製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US11664530B2 (ja) |
JP (1) | JP6877648B2 (ja) |
CN (1) | CN112424886B (ja) |
WO (1) | WO2020017500A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115417390B (zh) * | 2022-10-18 | 2023-07-28 | 太原理工大学 | 一种单晶紫磷的制备方法 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003208919A (ja) | 2002-01-15 | 2003-07-25 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | リチウムイオン伝導性硫化物ガラス及びガラスセラミックスの製造方法並びに該ガラスセラミックスを用いた全固体型電池 |
JP4813767B2 (ja) | 2004-02-12 | 2011-11-09 | 出光興産株式会社 | リチウムイオン伝導性硫化物系結晶化ガラス及びその製造方法 |
AU2010358633B2 (en) | 2010-08-05 | 2014-08-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Sulfide solid electrolyte glass, lithium solid-state battery, and method for producing sulfide solid electrolyte glass |
JP5443445B2 (ja) | 2011-07-06 | 2014-03-19 | トヨタ自動車株式会社 | 硫化物固体電解質材料、リチウム固体電池、および、硫化物固体電解質材料の製造方法 |
CN103531847B (zh) * | 2012-07-06 | 2015-12-16 | 微宏动力系统(湖州)有限公司 | 锂离子固体电池及其合成方法和合成装置 |
JP6003376B2 (ja) | 2012-08-08 | 2016-10-05 | トヨタ自動車株式会社 | 硫化物固体電解質ガラス、リチウム固体電池および硫化物固体電解質ガラスの製造方法 |
JP6003831B2 (ja) | 2013-06-28 | 2016-10-05 | トヨタ自動車株式会社 | 硫化物固体電解質材料、硫化物ガラス、リチウム固体電池、および、硫化物固体電解質材料の製造方法 |
JP2016207354A (ja) | 2015-04-17 | 2016-12-08 | 出光興産株式会社 | 硫化物固体電解質の製造方法 |
JP6320983B2 (ja) * | 2015-12-01 | 2018-05-09 | 出光興産株式会社 | 硫化物ガラスセラミックスの製造方法 |
JP7071264B2 (ja) * | 2015-12-04 | 2022-05-18 | クアンタムスケイプ バテリー, インク. | リチウム、リン、硫黄、及びヨウ素含有電解質及びカソライト組成物、電気化学装置用の電解質膜、並びにこれらの電解質及びカソライトを製造するアニーリング方法 |
CN108780683B (zh) * | 2016-03-14 | 2021-02-12 | 出光兴产株式会社 | 固体电解质和固体电解质的制造方法 |
JP6712165B2 (ja) | 2016-03-31 | 2020-06-17 | 出光興産株式会社 | 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池 |
-
2019
- 2019-07-16 CN CN201980047365.0A patent/CN112424886B/zh active Active
- 2019-07-16 US US17/260,379 patent/US11664530B2/en active Active
- 2019-07-16 WO PCT/JP2019/027932 patent/WO2020017500A1/ja active Application Filing
- 2019-07-16 JP JP2020531314A patent/JP6877648B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2020017500A1 (ja) | 2020-01-23 |
US20210367266A1 (en) | 2021-11-25 |
CN112424886B (zh) | 2023-02-28 |
CN112424886A (zh) | 2021-02-26 |
US11664530B2 (en) | 2023-05-30 |
JPWO2020017500A1 (ja) | 2021-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6761024B2 (ja) | 固体電解質及び固体電解質の製造方法 | |
WO2019098245A1 (ja) | 金属元素含有硫化物系固体電解質及びその製造方法 | |
JP6763808B2 (ja) | 固体電解質の製造方法 | |
WO2017159666A1 (ja) | 固体電解質の製造方法 | |
JP6719037B1 (ja) | 固体電解質の製造方法及び電解質前駆体 | |
JP2013075816A (ja) | 硫化リチウム、その製造方法及び無機固体電解質の製造方法 | |
JP2007515762A5 (ja) | ||
JP6750836B2 (ja) | ハロゲン化アルカリ金属の製造方法、及び硫化物系固体電解質の製造方法 | |
TWI783321B (zh) | 硫化物固體電解質 | |
JP7329607B2 (ja) | 固体電解質の製造方法 | |
JP2022013895A (ja) | 硫化物固体電解質の製造方法 | |
JP6877648B2 (ja) | 固体電解質の製造方法 | |
US20240083748A1 (en) | Method for producing solid electrolyte | |
JP6875050B2 (ja) | 固体電解質の製造設備及び製造方法 | |
JP2023152966A (ja) | 硫化物固体電解質、その製造方法、電極合材及びリチウムイオン電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE Effective date: 20210305 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210305 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE Effective date: 20210305 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210305 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE Effective date: 20210326 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20210326 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE Effective date: 20210330 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210330 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE Effective date: 20210427 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210427 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6877648 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |