JP6875565B2 - 移動式クレーンおよび移動式クレーンの組立方法 - Google Patents
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Description
上部旋回体にブームを取り付ける方法として、補助クレーンでブームを吊り上げて組付ける方法があるが、この方法では、補助クレーンを配置するため、旋回フレームとブームとの分解組立時に広い占有スペースを必要とされる。
トレーラ等のブーム輸送用架台に多段式ブームを搭載する。ブーム輸送用架台には、多段式ブームの高さを調整するブームスライド部が設けられている。多段式ブームにブーム伸縮用の油圧を供給し、ブームを伸長することにより多段式ブームのベースブームを上部旋回体側に近付ける。ブーム輸送用架台の旋回およびブームスライド部の調整により上部旋回体のブーム取付部と多段式ブームのベースブームとの、上下、左右、高さの位置合わせを行う。そして、上部旋回体のブーム取付部と多段式ブームのベースブームの基端側とを、多段式ブームが上部旋回体に対して起伏可能となるように組付ける(例えば、特許文献1参照)。
図1は、本発明の一実施の形態を示す移動式クレーンの側面図であり、図2は、図1における多段式ブームが取り外された移動式クレーンの側面図である。
移動式クレーン10は、クレーン本体11と、クレーン本体11に対して上下方向に回動可能、換言すれば、起伏可能に取り付けられる多段式ブーム4とを備えている。
なお、以下の説明において、前後方向、上下方向および左右方向(図3等参照)は、図示の通りとする。
図3に示すように、ベースブーム41は、前面411、および前面411と直交する側面412とを有しており、略矩形形状の断面形状を呈する。また、ブーム4には、最も基端側に位置する内筒45をベースブーム41に対して伸縮させるための油圧シリンダ60や、隣接する内筒45同士を互いに伸縮させるための不図示の油圧シリンダが設けられている。これらの各油圧シリンダには、ブーム4を伸縮するためにクレーン本体11から不図示の油圧ホースを介して圧油が供給される。そのため、ベースブーム41の基端近傍には、油圧ホースの接続部61が設けられている。
ブーム4をクレーン本体11に組付ける際、後述するように、ブーム4は、ブーム輸送用架台201(図11等参照)上に載置される。このとき、ブーム4の最先端の内筒45に設けられたブームヘッド46は、ブームヘッド保持構造110により保持される。ブームヘッド保持構造110は、支持部材111および支持用ブラケット112により構成される。シーブ47は、図示はしないが、シーブ47を軸支する軸部材113の長手方向に沿って複数個、配置されている。軸部材113の先端は、ブームヘッド46の左右から突出している。支持部材111は、ブームヘッド46の左右に一対配置されている。支持部材111には、軸部材113が嵌合する凹部が設けられている。ブームヘッド46は、軸部材113のブームヘッド46の左右の突出部を支持部材111の凹部に嵌合し支持用ブラケット112で上から挟むことにより、支持部材111により保持される。
ブームスライド構造220は、下フレーム221と、上フレーム222と、スライドローラ223とを備えている。ブームスライド構造220は、ブーム支持台210上に搭載されている。ブーム支持台210は、車輪202を有する、例えば、トレーラのようなブーム輸送用架台201上に搭載されている。
ブーム支持台210には、前後方向に延在するガイドバー231が、出没可能に収容されている。ガイドバー231は、左右方向に一対設けられている。一対のガイドバー231は、左右方向に中心面に対して対称に配置されている。図5に図示されるように、一対のガイドバー231の対称面は、ベースブーム41およびブームスライド構造220の対称面と同一の位置となっている。
また、図11は、多段式ブームに設けられたレーザ光源と、上部旋回体との位置関係を示す側面図であり、図12は、図11を上方から観た図である。
クレーン本体11の左右方向における運転室82と建屋カバー84との間には、前フレーム51および側部フレーム52が配置されている。前フレーム51および側部フレーム52には、第1、第2の位置決め部171、172が設けられている。第1の位置決め部171は、図9(a)に図示されるように、前フレーム51に設けられた銘板171aと、側部フレーム52に設けられた銘板171bにより構成される。図9(b)に図示されるように、銘板171aには、縦線131aが印されている。図9(c)に図示されるように、銘板171bには、横線131bが印されている。横線131bの後方側の端部には、エンド線131cが印されている。第2の位置決め部172も同様であり、前フレーム51に設けられた銘板172aと、側部フレーム52に設けられた銘板172b(図示せず)を有する。銘板172aには、縦線132aが印されている。不図示の銘板172bには、横線132b(図示せず)およびエンド線132c(図示せず)が印されている。
また、第1、第2の位置決め部171、172も他のパターンを用いることができる。
図10(a)、(b)に示されるように、前フレーム51には、二重丸パターン271aを有する位置決め部271が設けられている。また、側部フレーム52には、銘板271bが設けられている。銘板271bの上下方向の中心線は、二重丸パターン271aの上下方向の中心線の位置に一致している。銘板271bには、エンド線271cが印されている。
ガイドバー231の端面を、エンド線271cに位置合わせをし、ガイドバー231の上下方向の中心軸を二重丸パターン271aの上下方向の中心に位置合わせをする。また、ガイドバー231の左右方向の中心軸を二重丸パターン271aの左右方向の中心線に位置合わせをする。このようにしても、図9に示す場合と同様な位置合わせを行うことができる。
トレーラ等のブーム輸送用架台201上に、ブーム4が搭載されている。ブーム4のブームヘッド46は、ブーム輸送用架台201上に搭載されたブームヘッド保持構造110により保持されている。また、ブーム4のベースブーム41の基端側は、ブーム輸送用架台201上に搭載されたブーム支持台210に設けられた複数のブームスライド構造220により支持されている。この状態で、ブーム輸送用架台201を、後方に走行し、クレーン本体11に接近させる。クレーン本体11は、ジャッキアップ22により固定されている。ジャッキアップ22は、図12に図示されるように、4つのジャッキ22aを備えており、ジャッキ22aの昇降操作により、上下方向、すなわち高さ位置の調整が可能となっている。この状態を図13に図示する。本一実施の形態における移動式クレーンの組立方法では、補助クレーンを使用しないため、組立に要する作業領域は、図12の点線Rで示すように、狭い面積とすることができる。
ブーム輸送用架台201は、ガイドバー231の後端面が、第1、第2の位置決め部171、172のエンド線131c、132c(図示せず)に一致するように行う。この位置合わせは、作業員の目視により行う。
なお、クレーン本体11のブーム取付部31とブーム4の基端部との前後方向の位置決めは、ブーム支持台210の各ガイドバー231の後端面が、前フレーム51に当接した位置で為されるようにしてもよい。
(1)クレーン本体11の前面に設けられた第1、第2の位置決め部171、172とブーム輸送用架台201の後方に設けられた一対のガイドバー231とを、高さ、左右、前後方向の位置を合わせる第1の位置決め工程と、クレーン本体11と多段式ブーム4の左右の傾きを合わせる第2の位置決め工程とを含んでいる。このため、ベースブーム41を伸長する前に、クレーン本体11のブーム取付部と、ブーム輸送用架台201に搭載されたブーム4との高さ、左右、前後を正確に位置決めすることができる。これにより、ベースブーム41をブーム取付部31まで伸長する際、ベースブーム41の基端部がクレーン本体11の他の部位に干渉する確率を低減することができる。この結果、ベースブーム41の伸張を繰り返して、ベースブーム41をブーム取付部31まで伸長する従来の組立方法に比し、作業能率を向上することができる。
(3)第3の位置決め部173への位置合わせは、レーザビームを用いて行う。第3の位置決め部173との位置合わせを、第1、第2の位置決め部171、172との位置合わせと同様に、ガイドバー231により行うと、ガイドバー231の引出す長さが長くなり、格納場所や保持構造等、ブーム輸送用架台201の構造が複雑になりその結果、作業能率が低下することになる。つまり、位置合わせ部材間の距離が長い場合の位置合わせをレーザビームにより行うので、作業時間をより短縮化することができる。
4 多段式ブーム
7 起伏ブームシリンダ
10 移動式クレーン
31 ブーム取付部
171 第1の位置決め部
172 第2の位置決め部
173 第3の位置決め部
201 ブーム輸送用架台
231 ガイドバー(位置決め部材)
240 レーザ光源
271 位置決め部
Claims (3)
- ブーム取付部と、前記ブーム取付部に、ブーム基端部が起伏可能に取付けられる多段式ブームとを有する上部旋回体を備え、
さらに、前記上部旋回体は、ブーム輸送用架台に載置された前記多段式ブームの前記ブーム基端部と、前記上部旋回体の前記ブーム取付部とが前後方向に所定の間隔だけ離間した状態で、前記ブーム取付部に対する前記ブーム基端部の左右方向の位置が予め定められた位置となるように、前記上部旋回体と前記ブーム輸送用架台とを位置合わせするための位置合わせ部を備える、移動式クレーン。 - 請求項1に記載の移動式クレーンにおいて、
前記位置合わせ部は、前記多段式ブーム側から前記上部旋回体に向けて引き出されるガイド部材に対面して、前記ガイド部材の先端の左右方向の位置を示す印であることを特徴とする移動式クレーン。 - 請求項1または2に記載の移動式クレーンにおいて、
前記上部旋回体は、
前記多段式ブームの延設方向と交差する向きに立設され、前記位置合わせ部を有する前フレームと、
前記前フレームの左右において、前記前フレームと交差する向きに立設された左右一対の側部フレームとを有し、
前記予め定められた位置とは、前記左右一対の側部フレームの間の位置であることを特徴とする移動式クレーン。
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