JP6874610B2 - ブラインドリベットおよび密閉型電池の製造方法 - Google Patents

ブラインドリベットおよび密閉型電池の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、ブラインドリベットおよび密閉型電池の製造方法に関する。
従来の密閉型電池において、電解液が注入される注液口を封止する技術が、たとえば特開2015−178837号公報(特許文献1)、特開2015−82495号公報(特許文献2)に開示されている。
特開2015−178837号公報 特開2015−82495号公報
筐体の内外を連通する注液口が形成された密閉型電池においては、電解液を注液後、筐体外部から内部への水分の浸入を防ぐため、注液口に封止栓をする。注液口を封止した状態で初充電を行なうと、筐体の内部で発生したガスにより筐体の内圧が上昇する場合がある。
筐体の内圧が高くなった状態でガス抜きをするために封止栓を取り外すと、筐体の内圧が解放されると同時に、電解液が筐体外部へ飛散する場合がある。飛散した電解液が注液口に付着した状態で、再度注液口の封止を行なったとしても、気密を保持できなくなる可能性がある。
本開示では、注液口が覆われた状態のまま密閉型電池の内圧上昇を抑制できる、ブラインドリベットおよび密閉型電池の製造方法が提供される。
本開示に係るブラインドリベットは、リベット本体と、マンドレルとを備える。リベット本体は、表面と裏面とを有する板状のフランジ部と、裏面から突出しフランジ部よりも小さい外径を有するスリーブ部と、を含む。リベット本体には、表面に開口しフランジ部とスリーブ部とに亘る有底穴が形成されている。スリーブ部は、肉厚部と、肉薄部と、底部とを有する。肉厚部は、裏面と連なって設けられている。肉薄部は、肉厚部と連なり肉厚部よりもフランジ部から離れて設けられている。底部は、肉薄部と連なり肉薄部よりもフランジ部から離れて設けられる。底部は、有底穴の底面を構成する。肉薄部の内部には、有底穴の一部を構成する第1の中空部が形成されている。第1の中空部の内壁の一部は、底部によって構成されている。肉厚部の内部には、有底穴の一部を構成し第1の中空部よりも小さい径を有する第2の中空部が形成されている。マンドレルは、有底穴の内部と外部とに亘って延びる。マンドレルは、頭部と、軸部と、を含む。頭部は、第2の中空部の径よりも大きい径を有し第1の中空部に収容されている。軸部は、頭部から突出し第2の中空部の径よりも小さい径を有する。軸部は、第1のノッチと、第2のノッチとを有する。第1のノッチは、軸部の第2の中空部に挿通している部分に設けられている。第2のノッチは、リベット本体の外部に設けられ第1のノッチよりも強度が小さい。
上記のブラインドリベットによると、注液口が覆われた状態のまま密閉型電池の内圧の上昇を抑制することができる。
本開示に係る密閉型電池の製造方法は、注液口から電解液を注入する工程と、注液口を塞ぐブラインドリベットを注液口に挿入する工程と、ブラインドリベットを加締める工程と、をこの順に備える。密閉型電池は、筐体と、筐体の開口を閉塞し電解液を注入する注液口が形成されている蓋部と、を有する。ブラインドリベットは、リベット本体と、マンドレルと、を含む。リベット本体は、表面と裏面とを有する板状のフランジ部と、裏面から突出しフランジ部よりも小さい外径を有するスリーブ部と、を有する。リベット本体には、表面に開口しフランジ部とスリーブ部とに亘る有底穴が形成されている。スリーブ部は、肉厚部と、肉薄部と、底部と、を有する。肉厚部は、裏面と連なって設けられている。肉薄部は、肉厚部と連なり肉厚部よりもフランジ部から離れて設けられている。底部は、肉薄部と連なり肉薄部よりもフランジ部から離れて設けられている。底部は、有底穴の底面を構成する。肉薄部の内部には、有底穴の一部を構成する第1の中空部が形成されている。第1の中空部の内壁の一部は、底部によって構成されている。肉厚部の内部には、有底穴の一部を構成し第1の中空部よりも小さい径を有する第2の中空部が形成されている。マンドレルは、有底穴の内部と外部とに亘って延びる。マンドレルは、頭部と、軸部と、を有する。頭部は、第2の中空部の径よりも大きい径を有し第1の中空部に収容されている。軸部は、頭部から突出し第2の中空部の径よりも小さい径を有する。軸部は、第1のノッチと、第2のノッチと、を有する。第1のノッチは、軸部の第2の中空部に挿通している部分に設けられている。第2のノッチは、リベット本体の外部に設けられ第1のノッチよりも強度が小さい。ブラインドリベットを加締める工程は、1次加締め工程と、2次加締め工程と、をこの順に含む。1次加締め工程では、フランジ部を蓋部に押し付けるように保持した状態でマンドレルを有底穴から抜き出す方向に引っ張ることで、スリーブ部の外径を拡張させ、第2のノッチを破断させる。2次加締め工程では、フランジ部を蓋部に押し付けるように保持した状態でマンドレルを有底穴から抜き出す方向に引っ張ることで、スリーブ部の外径をさらに拡張させ、第1のノッチを破断させる。
上記の製造方法によると、注液口が覆われた状態のまま内圧の上昇を抑制できる、密閉型電池を製造することができる。
本開示に従えば、注液口が覆われた状態のまま密閉型電池の内圧上昇を抑制できる、ブラインドリベットおよび密閉型電池の製造方法を実現することができる。
実施の形態1に従う製造方法が適用される密閉型電池を示す斜視図である。 図1に示す注液口に未変形のブラインドリベットを挿入した断面図である。 図2に示すブラインドリベットに1次加締めを行なった状態を示す断面図である。 図3に示すブラインドリベットに2次加締めを行なった状態を示す断面図である。 実施の形態1に従う密閉型電池の製造方法の工程の一部を示すフローチャートである。 図1に示す注液口に実施の形態2に従う未変形のブラインドリベットを挿入した断面図である。 図6に示すブラインドリベット1に1次加締めを行なった状態を示す断面図である。 図6に示すブラインドリベット1に2次加締めを行なった状態を示す断面図である。
以下、図面に基づいて、各実施の形態におけるブラインドリベットおよび密閉型電池の製造方法について説明する。以下に示す実施の形態において、同一または実質的に同一の構成については、同一の符号を付して、重複した説明は繰り返さない。以下で説明される実施の形態の各構成は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
(実施の形態1)
<密閉型電池100>
図1は、実施の形態1に従う製造方法が適用される密閉型電池100を示す斜視図である。密閉型電池100は、複数個が直列に組み合わされて組電池とされ、ハイブリッド自動車に搭載されている。その組電池は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関とともに、ハイブリッド自動車の動力源とされている。別の例として、密閉型電池100は、電気自動車または燃料電池自動車に搭載されている。
密閉型電池100は、筐体20、蓋部11、正極端子30、および負極端子31を有している。筐体20は、一方向に開口された略直方体のケース形状を有している。蓋部11は、略矩形の平面視を有する平板形状を有している。蓋部11は、筐体20の開口を閉塞するように設けられている。筐体20および蓋部11は、アルミニウムに代表される金属などの導電性材料により形成されている。筐体20および蓋部11は、密閉空間を区画形成している。
正極端子30および負極端子31は、蓋部11に取り付けられている。正極端子30および負極端子31は、筐体20の外部に配置されている。正極端子30および負極端子31は、密閉型電池100の外部端子を構成している。
筐体20の内部には、図示しない電池要素とともに電解液が収容されている。蓋部11には、注液口50が形成されている。注液口50は、筐体20の内部と外部とを連通する。注液口50を通じて、電解液が筐体20の内部に注入される。電解液を注入後、後述するブラインドリベット1を加締めることにより、注液口50は封止される。
<ブラインドリベット1>
(リベット本体2)
図2は、図1に示す注液口50に未変形のブラインドリベット1を挿入した断面図である。実施の形態1に従うブラインドリベット1は、注液口50を封止するために用いられる。
ブラインドリベット1は、リベット本体2と、マンドレル3とを備える。リベット本体2は、たとえばアルミニウム製である。リベット本体2は、表面4aと裏面4bとを有する板状のフランジ部4と、スリーブ部5とを含む。リベット本体2には、有底穴13が形成されている。リベット本体2は、穴底面14aを有する。穴底面14aは、有底穴13の底面を構成する。有底穴13は、表面4aに開口している。有底穴13は、フランジ部4とスリーブ部5とに亘って形成されている。
フランジ部4には表面4aから裏面4bまで貫通する貫通孔4cが形成されている。貫通孔4cは、有底穴13の一部を構成する。貫通孔4cの径は、注液口50の径よりも小さい。フランジ部4の外径は、注液口50の径よりも大きい。フランジ部4は、蓋部11と接触している。
蓋部11は、外面11aと内面11bとを有する。外面11aは、密閉型電池100の外表面の一部を構成している。外面11aは、フランジ部4の裏面4bと接触している。内面11bは、筐体20および蓋部11により形成される密閉空間の内壁の一部である。
スリーブ部5は、フランジ部4と一体に設けられている。スリーブ部5は、裏面4bから突出している。スリーブ部5は、フランジ部4よりも小さい外径を有する。スリーブ部5は、注液口50の径よりも小さい外径を有する。スリーブ部5は、注液口50に挿通されている。
スリーブ部5は、肉厚部8と、肉薄部12と、底部16とを有する。肉厚部8と、肉薄部12とは、同じ外径の筒状の形状を有する。肉厚部8は、裏面4bと連なって設けられている。肉厚部8の内部には、第2の中空部15が形成されている。第2の中空部15は、有底穴13の一部を構成する。第2の中空部15は、スリーブ部5が裏面4bから突出する方向に延びている。第2の中空部15は、貫通孔4cと連なっている。第2の中空部15は、貫通孔4cと同径である。
肉薄部12は、肉厚部8と連なっている。肉薄部12は、肉厚部8よりもフランジ部4から離れて設けられている。肉薄部12の内部には、第1の中空部14が形成されている。第1の中空部14は、有底穴13の一部を構成する。第1の中空部14は、第2の中空部15と連なっている。第1の中空部14は、第2の中空部15よりも大きい径を有する。肉薄部12の径方向における肉薄部12の厚みは、肉厚部8の径方向における肉厚部8の厚みよりも小さい。
肉薄部12と肉厚部8との境目には、係合部21が形成されている。係合部21は、後述する頭部7と係合することにより、頭部7のフランジ部4へ近づく方向への移動を妨げる。肉薄部12は、内壁面14bを有する。穴底面14a、内壁面14b、および係合部21は、第1の中空部14の内壁を構成している。第1の中空部14は、穴底面14a、内壁面14b、および係合部21により規定されている。第1の中空部14と、第2の中空部15と、貫通孔4cとが連なって、有底穴13を構成している。
底部16は、板状の形状を有する。底部16は、肉薄部12と連なっている。底部16は、有底穴13の底面を構成する。底部16は、肉薄部12よりもフランジ部4から離れて設けられている。底部16は、スリーブ部5が裏面4bから突出する方向におけるスリーブ部5の先端に設けられている。第1の中空部14の内壁の一部である穴底面14aは、底部16によって構成されている。
(マンドレル3)
マンドレル3は、全体としてほぼ棒状の形状を有する。マンドレル3の硬度は、リベット本体2の硬度よりも大きい。マンドレル3は、たとえばステンレススチール製である。マンドレル3は、有底穴13の内部と外部とに亘って延びる。マンドレル3は、頭部7と、棒状の軸部6とを含む。
頭部7は、マンドレル3の、有底穴13に挿通している側の先端に設けられている。頭部7は、第1の中空部14の径よりも小さい径を有する。頭部7は、第1の中空部14に収容されている。頭部7は、第2の中空部15の径よりも大きい径を有する。
軸部6は、頭部7からリベット本体2の外部に突出している。軸部6は、頭部7よりも小さい径を有する。軸部6は、第2の中空部15の径よりも小さい径を有する。軸部6は、頭部7から離れる方向に順に、残存部19、二次引張部18、および一次引張部17を有する。
軸部6には、第1のノッチ9および第2のノッチ10が形成されている。第1のノッチ9は、残存部19と2次引張部18との境界を形成している。第2のノッチ10は、2次引張部18と1次引張部17との境界を形成している。
残存部19、2次引張部18、および1次引張部17は同径の棒状の形状を有する。残存部19は、頭部7と連なって設けられている。2次引張部18は、第2の中空部15および貫通孔4cに挿通されている。2次引張部18は、有底穴13の内部と外部とに亘って延びている。1次引張部17は、リベット本体2の外部に設けられている。
第2のノッチ10は、第1のノッチ9よりも頭部7から離れた位置に設けられている。第2のノッチ10は、1次引張部17よりも小さい径を有する。第2のノッチ10は、リベット本体2の外部に設けられている。第2のノッチ10は、第1のノッチ9よりも強度が小さい。第2のノッチ10は、1次引張部17に引張荷重を加えることで破断するように構成されている。第2のノッチ10は、たとえば、0.7[kN]程度の引張荷重を負荷したときに破断するように設計されていてもよい。
第1のノッチ9は、二次引張部18よりも小さい径を有する。第1のノッチ9は、第2のノッチ10よりも大きい径を有する。第1のノッチ9は、軸部6の第2の中空部15に挿通している部分に設けられている。第1のノッチ9は、2次引張部18に引張荷重を加えることで破断するように構成されている。第1のノッチ9は、第2のノッチ10よりも破断荷重が大きい。第1のノッチ9は、たとえば、1.5[kN]程度の引張荷重を負荷したときに破断するように設計されていてもよい。
(1次加締め)
図3は、図2に示すブラインドリベット1に1次加締めを行なった状態を示す断面図である。図2および図3を参照して、ブラインドリベット1の1次加締めについて説明する。
1次加締めをするにあたっては、治具等でフランジ部4を蓋部11の外面11aに押し付けるように保持した状態で、図2に示すマンドレル3を有底穴13から抜き出す方向に1次引張部17を引っ張る。マンドレル3を有底穴13から抜き出す方向に引っ張ると、頭部7が係合部21に係合する。
マンドレル3を有底穴13から抜き出す方向に引っ張っても、係合部21が頭部7の移動を妨げるため、マンドレル3の全体が有底穴13から抜き出されることはない。
マンドレル3を有底穴13から抜き出す方向に1次引張部17をさらに引っ張ると、軸部6は、第2のノッチ10が設けられている部分で破断する。軸部6が第2のノッチ10で破断した時点で、図2に示す肉厚部8のうち、肉厚部8の軸方向における係合部21と蓋部11の内面11bとの間の部分(図2中の点線部)が、軸方向の長さを小さくするとともに拡径するように塑性変形している。そして、図3に示すように、肉厚部8よりも大きい外径を有する変形加締め部22が形成される。
軸部6が破断した後、2次引張部18の頭部7から離れる側の先端には、1次破断部10aが形成される。2次引張部18は、変形後のリベット本体2から突出したまま残存する。
変形加締め部22は、内面11bと接触している。変形加締め部22は、注液口50の内面11b側の周縁50aと接触している。スリーブ部5が大変形する一方で、フランジ部4の変形量は小さい。蓋部11は、フランジ部4と変形加締め部22との間に挟まれている。
このようにブラインドリベット1の1次加締めが行われ、注液口50にブラインドリベット1が取り付けられる。1次加締めにおいて、後述する2次加締めと比較して、フランジ部4と変形加締め部22とが蓋部11を把持する力が小さい。そのため、変形加締め部22と周縁50aとの間、およびフランジ部4と外面11aとの間には隙間が形成されており、注液口50は密封された状態とはならない。
(2次加締め)
図4は、図3に示すブラインドリベット1に2次加締めを行なった状態を示す断面図である。図3および図4を参照して、ブラインドリベット1の2次加締めについて説明する。
1次加締めの後、再度、治具等でフランジ部4を外面11aに押し付けるように保持した状態で、マンドレル3を有底穴13から抜き出す方向に2次引張部18を引っ張ることで、軸部6は、第1のノッチ9が設けられている部分で破断する。軸部6が第1のノッチ9で破断した時点で、変形加締め部22が、さらに肉厚部8の軸方向の長さを小さくするとともに拡径するように塑性変形している。
図4に示すように、軸部6が破断した後、残存部19の頭部7から離れる側の先端には、2次破断部9aが形成される。残存部19および頭部7は、変形後のリベット本体2内に残存する。
2次加締めにおける変形加締め部22は、1次加締めにおける変形加締め部22よりも大きい力で周縁50aに押し付けられる。2次加締めにおいても、スリーブ部5が大変形する一方で、フランジ部4の変形量は小さい。2次加締めにおける変形加締め部22が周縁50aに、より大きい力で押しつけられることにより、フランジ部4と変形加締め部22とがより大きい力で蓋部11を把持する。
このようにブラインドリベット1の2次加締めがなされ、注液口50が封止される。2次加締めにおいて、1次加締めと比較して、フランジ部4と変形加締め部22とが蓋部11をより大きい力で把持するため、変形加締め部22と周縁50aとの隙間、およびフランジ部4と外面11aとの隙間が封止される。これにより、注液口50は密封された状態となる。
<密閉型電池100の製造方法>
図5は、実施の形態1に従う密閉型電池100の製造方法の工程の一部を示すフローチャートである。実施の形態1に従う密閉型電池100の製造方法では、まず工程(S10)において、注液口50から電解液を注入する。
次に工程(S20)において、ブラインドリベット1を注液口50に挿入する。スリーブ部5を注液口50に挿通させることで、注液口50はフランジ部4により覆われる。
次に工程(S30)において、図3で説明した1次加締めを行なう。1次加締めを行なうことにより、注液口50がフランジ部4により覆われた状態で、ブラインドリベット1が蓋部11に取付けられる。これにより、密閉型電池100の外部から筐体20の内部への水分の浸入を抑制することができる。
次に工程(S40)において、密閉型電池100を充電する。初充電時において、筐体20の内部でガスが発生する。発生するガスは、たとえば、H、CO、C、CH、CO、およびC等である。
ブラインドリベット1が1次加締めを行われた状態(仮封止状態)において、注液口50は密封された状態になっていない。充電時および充電後に筐体20の内部で発生するガスは、密閉型電池100の内圧が一定以上になると、図3に示す変形加締め部22と周縁50aとの隙間、およびフランジ部4と外面11aとの隙間を通って、筐体20の外部へ抜けていく。
これにより、筐体20の内部のガス抜きを行なうことができる。ガス抜きをすることにより、密閉型電池100の内圧の上昇を抑制することができる。ガス抜き中に注液口50が仮封止されていることにより、筐体20の内部への水分の浸入、および電解液の飛散を抑制することができる。
次に工程(S50)において、図4で説明した2次加締めを行なう。ブラインドリベット1が2次加締めを行われた状態(本封止状態)において、注液口50は密封されている。
仮封止および本封止の機能を両方備える単純構造のブラインドリベット1を採用することによって、製造コストを抑制することができる。
本実施の形態に従う仮封止および本封止の機能を両方備えるブラインドリベット1を採用することによって、密閉型電池100を仮封止状態で運搬して、運搬後に本封止することが容易に可能になる。密閉型電池100の運搬中の温度変化による密閉型電池100の内圧の上昇を抑制することができる。したがって、運搬中の密閉型電池100の膨張を抑制することができる。
以上の工程(S10)〜(S50)を経ることにより、図1に示す密閉型電池100が製造される。
(実施の形態2)
図6は、図1に示す注液口50に実施の形態2に従う未変形のブラインドリベット1を挿入した断面図である。実施の形態2に従うブラインドリベット1では、フランジ部4と蓋部11との間にガスケット23が設けられている。ガスケット23は、たとえば、水分を透過しないPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等の材質で製造された、空孔率60%程度の分離膜である。
実施の形態2に従うブラインドリベット1を挿入する工程(S20)において、注液口50の周囲にガスケット23を設置してから、ブラインドリベット1が注液口50に挿入される。
図7は、図6に示すブラインドリベット1に1次加締めを行なった状態を示す断面図である。実施の形態2に従うブラインドリベット1に1次加締めを行なうことにより、1次加締め前のガスケット23の体積と比較して、1次加締め時におけるガスケット23の体積は、30%程度圧縮されている。
実施の形態2に従うガス抜き工程(S40)において、初充電時に発生したガスは、1次加締めにより圧縮されたガスケット23の空孔を通過することができる。そのため、筐体20の内部で発生したガスは、図7に示す変形加締め部22と周縁50aとの隙間、および圧縮されたガスケット23の空孔を通過して、筐体20の外部へ抜けていく。
これにより、筐体20の内部のガス抜きを行なうことができる。実施の形態2のブラインドリベット1においても実施の形態1のブラインドリベット1と同様に、筐体20の内部への水分の浸入、および電解液の飛散を抑制しながら、密閉型電池100の内圧の上昇を抑制する効果が得られる。
図8は、図6に示すブラインドリベット1に2次加締めを行なった状態を示す断面図である。実施の形態2に従うブラインドリベット1に2次加締めを行なうことにより、1次加締め前のガスケット23の体積と比較して、2次加締め時におけるガスケット23の体積は、80%程度圧縮されている。
実施の形態2に従う2次加締め工程(S50)において、ガスケット23は圧縮され、その空孔が潰れるため、筐体20の内部で発生したガスはガスケット23の空孔を通過できなくなる。これにより、注液口50を密封することができる。
なお、実施の形態1および実施の形態2において、軸部6には破断可能なノッチが2つ設けられていたが、変形例として、軸部6には、破断可能なノッチが3個以上設けられていてもよい。ノッチを3個以上設けた場合、頭部7から離れた位置に配置されたノッチほど、破断荷重が低くなるように設計される。基材の材質、ガスケットの材質、およびブラインドリベットの用途等に合わせ、最適な破断荷重が選定される。
実施の形態1および実施の形態2に従う充電/ガス抜き工程(S40)においては、密閉型電池100の外部を強制的に減圧することにより、より早くガス抜きをすることも可能である。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 ブラインドリベット、2 リベット本体、3 マンドレル、4 フランジ部、4a 表面、4b 裏面、4c 貫通孔、5 スリーブ部、6 軸部、7 頭部、8 肉厚部、9 第1のノッチ、10 第2のノッチ、11 蓋部、11a 外面、11b 内面、12 肉薄部、13 有底穴、14 第1の中空部、15 第2の中空部、16 底部、17 1次引張部、18 2次引張部、19 残存部、20 筐体、21 係合部、22 変形加締め部、23 ガスケット、50 注液口、100 電池。

Claims (2)

  1. 表面と裏面とを有する板状のフランジ部と、前記裏面から突出し前記フランジ部よりも小さい外径を有するスリーブ部と、を含み、前記表面に開口し前記フランジ部と前記スリーブ部とに亘る有底穴が形成されている、リベット本体と、
    前記有底穴の内部と外部とに亘って延びるマンドレルと、を備え、
    前記スリーブ部は、前記裏面と連なって設けられている肉厚部と、前記肉厚部と連なり前記肉厚部よりも前記フランジ部から離れて設けられている肉薄部と、前記肉薄部と連なり前記肉薄部よりも前記フランジ部から離れて設けられ、前記有底穴の底面を構成する底部と、を有し、
    前記肉薄部の内部には、前記有底穴の一部を構成する第1の中空部が形成されており、
    前記第1の中空部の内壁の一部は、前記底部によって構成されており、
    前記肉厚部の内部には、前記有底穴の一部を構成し前記第1の中空部よりも小さい径を有する第2の中空部が形成されており、
    前記マンドレルは、前記第2の中空部の径よりも大きい径を有し前記第1の中空部に収容されている頭部と、前記頭部から突出し前記第2の中空部の径よりも小さい径を有する軸部と、を含み、
    前記軸部は、前記軸部の前記第2の中空部に挿通している部分に設けられている第1のノッチと、前記リベット本体の外部に設けられ前記第1のノッチよりも強度が小さい第2のノッチと、を有し、前記第1のノッチは前記第2のノッチの破断荷重よりも大きい荷重を負荷したときに破断するように設計されている、ブラインドリベット。
  2. 筐体と、前記筐体の開口を閉塞し電解液を注入する注液口が形成されている蓋部と、を有する密閉型電池の製造方法であって、
    前記注液口から電解液を注入する工程と、
    前記注液口を塞ぐブラインドリベットを前記注液口に挿入する工程と、
    前記ブラインドリベットを加締める工程と、をこの順に備え、
    前記ブラインドリベットは、表面と裏面とを有する板状のフランジ部と、前記裏面から突出し前記フランジ部よりも小さい外径を有するスリーブ部と、を有し、前記表面に開口し前記フランジ部と前記スリーブ部とに亘る有底穴が形成されている、リベット本体と、前記有底穴の内部と外部とに亘って延びるマンドレルと、を含み、
    前記スリーブ部は、前記裏面と連なって設けられている肉厚部と、前記肉厚部と連なり前記肉厚部よりも前記フランジ部から離れて設けられている肉薄部と、前記肉薄部と連なり前記肉薄部よりも前記フランジ部から離れて設けられ、前記有底穴の底面を構成する底部と、を有し、
    前記肉薄部の内部には、前記有底穴の一部を構成する第1の中空部が形成されており、
    前記第1の中空部の内壁の一部は、前記底部によって構成されており、
    前記肉厚部の内部には、前記有底穴の一部を構成し前記第1の中空部よりも小さい径を有する第2の中空部が形成されており、
    前記マンドレルは、前記第2の中空部の径よりも大きい径を有し前記第1の中空部に収容されている頭部と、前記頭部から突出し前記第2の中空部の径よりも小さい径を有する軸部と、を有し、
    前記軸部は、前記軸部の前記第2の中空部に挿通している部分に設けられている第1のノッチと、前記リベット本体の外部に設けられ前記第1のノッチよりも強度が小さい第2のノッチと、を有し、
    前記ブラインドリベットを加締める工程は、前記フランジ部を前記蓋部に押し付けるように保持した状態で前記マンドレルを前記有底穴から抜き出す方向に引っ張ることで、前記スリーブ部の外径を拡張させて変形加締め部を形成し、前記第2のノッチを破断させる1次加締め工程と、前記筐体の内部で発生するガスを、前記変形加締め部と前記注液口の周縁との間の隙間、および前記フランジ部と前記表面との間の隙間を通して、前記筐体の外部へ抜く工程と、前記フランジ部を前記蓋部に押し付けるように保持した状態で前記マンドレルを前記有底穴から抜き出す方向に引っ張ることで、前記変形加締め部の外径をさらに拡張させ、前記第1のノッチを破断させる2次加締め工程と、をこの順に含む、密閉型電池の製造方法。
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