JP6874517B2 - 同期モータのベクトル制御を行うモータ制御装置 - Google Patents

同期モータのベクトル制御を行うモータ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、同期モータのベクトル制御を行うモータ制御装置に関する。
非特許文献1には、埋込磁石同期モータ(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)のベクトル制御におけるロバスト安定化制御が記載されている。この従来技術では、検出電流と等価抵抗ゲインの積を電圧指令値から差し引くことにより、等価的にモータの抵抗値を等価抵抗ゲインの分だけ大きくして、高速回転域におけるロバスト安定化を図っている。
加藤、他1名、「高速IPMSM駆動システムにおける電流制御系の等価抵抗ゲインによるロバスト安定化」、電気学会論文誌D(産業応用部門誌)、2017年、Vol.137、No.2、148−158頁
しかしながら、本願の発明者は、制御パラメータの誤差の程度によって、上記従来技術によるロバスト安定化を十分に達成できない場合があることを見出した。すなわち、一般に、モータのベクトル制御では、d軸電流とq軸電流に電気一次成分としての干渉成分が存在し、その電流フィードバックでは、これらの干渉成分を非干渉化する非干渉化制御が利用される。しかし、パラメータ誤差が大きい場合や演算性能に制約がある場合には、非干渉化制御による非干渉化が不十分となり、十分な安定性が得られない場合がある。そこで、ロバスト安定を更に高めることのできる技術が望まれる。このような課題は、埋込磁石同期モータに限らず、他の種類の同期モータにも共通する課題である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、多相の同期モータ(50)をベクトル制御するモータ制御装置(400a〜400c)が提供される。このモータ制御装置は、d軸とq軸の2軸の検出電流(Id,Iq)を用いた電流フィードバックを行うことによって、2軸の電圧指令(Vd2,Vq2)を決定する第1制御を実行する第1コントローラ(100a〜100c)と;予め設定された等価抵抗ゲイン(Kr)に相当する等価抵抗電圧成分を、前記2軸の電圧指令からそれぞれ減算するか、又は、前記2軸の電圧指令から変換された多相の電圧指令(Vu1,Vv1,Vw1)からそれぞれ減算することによって、2軸又は多相の修正電圧指令(Vd,Vq;Vu,Vv,Vw)を生成する第2制御を実行する第2コントローラ(200a〜200c)と、を備える。前記第2コントローラは、前記第1コントローラの前記第1制御の制御周期(T1)よりも短い制御周期(T2)で前記第2制御を実行する。
この形態のモータ制御装置によれば、等価抵抗電圧成分を電圧指令からそれぞれ減算することによって修正電圧指令を生成する第2制御を実行する第2コントローラが、電流フィードバックを行う第1コントローラの第1制御の制御周期よりも短い制御周期で第2制御を実行するので、ロバスト安定性を更に高めることができる。
第1実施形態のモータ制御システムの構成を示す制御ブロック図。 比較例のモータ制御システムの構成を示す制御ブロック図。 第1実施形態と比較例におけるq軸電流のステップ応答を示すグラフ。 第1実施形態と比較例におけるq軸電流の伝達関数周波数特性を示すグラフ。 第2実施形態のモータ制御システムの構成を示す制御ブロック図。 第3実施形態のモータ制御システムの構成を示す制御ブロック図。
A. 第1実施形態:
第1実施形態において使用する主なパラメータは以下の通りである。これらは、3相の永久磁石同期モータのベクトル制御において使用されるパラメータである。
Id,Iq:d,q軸の電流指令
Id,Iq:d,q軸の検出電流
Iu,Iv,Iw:u,v,w相の検出電流
Gd,Gq:d,q軸の電流制御器の伝達関数
Kpd,Kpq:d,q軸の電流制御器の比例ゲイン(設定値)
Kid,Kiq:d,q軸の電流制御器の積分ゲイン(設定値)
Kr:モータの等価抵抗ゲイン(設定値)
Ld,Lq:d,q軸のインダクタンス(既知値)
Ra:電機子巻線抵抗(既知値)
s:ラプラス演算子
Vd,Vq:d,q軸の電圧指令
Vu,Uv,Vw:u,v,w相の電圧指令
Vu,Uv,Vw:u,v,w相の印加電圧
θ:検出電気角
ω:検出電気角速度
Ψ:永久磁石による磁束鎖交数(既知値)
一般に、永久磁石同期モータのベクトル制御に関する電圧方程式は、以下の通りである。
Figure 0006874517
ここで、(1a)式の右辺第2項「−ωLqIq」と(1b)式の右辺第1項「ωLdIq」は、d軸とq軸の干渉を表している。また、(1b)式の右辺第3項「ωΨ」は、永久磁石による誘導起電力を表している。
図1に示すように、第1実施形態のモータ制御装置400aは、第1コントローラ100aと、第2コントローラ200aと、PWMインバータ300と、を有している。このモータ制御装置400aは、3相の永久磁石同期モータ50の制御を実行する。以下の説明では、永久磁石同期モータ50を単に「モータ50」とも呼ぶ。
永久磁石同期モータ50としては、埋込磁石同期モータや表面磁石同期モータを利用可能である。また、制御対象は、永久磁石同期モータに限らず、リラクタンスモータなどの他の種類の同期モータを制御対象としてもよい。但し、以下に説明する各実施形態では、埋込磁石同期モータを制御対象とする。なお、永久磁石を有する同期モータの場合には、1つの永久磁石のN極方向をd軸とし、これに直交する方向をq軸とするのが一般的である。また、永久磁石を有さない同期モータ(例えばシンクロナスリラクタンスモータ)の場合には、主たる磁束の方向をq軸とし、これに直交する方向をd軸とするのが一般的である。
第1実施形態において、モータ制御装置400aと第1コントローラ100aと第2コントローラ200aの符号の末尾に付されている「a」は、これらが第1実施形態の構成要素であることを示す符号である。他の実施形態では、「a」の代わりに「b」,「c」等を末尾の符号として使用する。但し、いずれの実施形態の構成要素であるかを区別する必要の無い場合には、これらの構成要素を「モータ制御装置400」、「第1コントローラ100」、及び「第2コントローラ200」と呼ぶ。
モータ50には、電流センサ52と、位置センサ54と、速度演算部56とが設けられている。電流センサ52は、uvw相の検出電流Iu,Iv,Iwを測定する。位置センサ54は、モータ50の検出電気角θを測定する。なお、検出電気角θを測定する代わりに、機械角を測定して検出電気角θに変換するようにしてもよい。あるいは、位置センサ54を省略し、モータ50の電流又は電圧から検出電気角θを算出する電気角算出部を設けるようにしてもよい。このような電気角算出部は、センサレス制御で利用されている。速度演算部56は、検出電気角θから検出電気角速度ωを決定する。なお、速度演算部56は、第1コントローラ100aの内部に設けるようにしてもよい。
第1コントローラ100aは、d軸とq軸の検出電流Id,Iqを用いた電流フィードバックを行うことによって、2軸の電圧指令Vd2,Vq2を決定する第1制御を実行する。第1コントローラ100aは、d軸の電流制御器110と、q軸の電流制御器120と、2つの非干渉化制御器141,142と、2つの減算器161,162と、2つの加算器171,172と、遅延器130とを有している。遅延器130は、第1コントローラ100aで行われる第1制御の制御周期T1に等しい遅延を表している。すなわち、第1コントローラ100aは、第2コントローラ200aから出力される2軸の検出電流Id,Iqを用いて、制御周期T1毎に電流フィードバック制御を実行する。なお、第1コントローラ100aの上流側に、モータ50の要求トルクや要求速度に応じて電流指令Id,Iqを生成する電流指令作成部を設けるようにしても良い。この電流指令作成部は、第1コントローラ100aの内部に設けても良い。
減算器161,162と電流制御器110,120は、2軸の検出電流Id,Iqを用いた電流フィードバックを行うことによって、2軸の電圧指令Vd1,Vq1を生成する。これらの電圧指令Vd1,Vq1は以下で与えられる。
Vd1=(Id−Id)Gd …(2a)
Vq1=(Iq−Iq)Gq …(2b)
伝達関数Gd,Gqは、PI制御を利用する場合には以下の通りである。
Gd=Kpd+Kid/s …(3a)
Gq=Kpq+Kiq/s …(3b)
非干渉化制御器141,142と加算器171,172は、上述した(1a)式と(1b)式の右辺に含まれているd軸とq軸の干渉成分の非干渉化を実行する。具体的には、非干渉化制御器141,142は、以下の式に従って非干渉化制御電圧Vd0,Vq0を算出する。
Vd0=−ωLqIq …(4a)
Vq0=ωΨ+ωLdId …(4b)
ここで、(4a)式の右辺は、上記(1a)式の右辺第2項に相当する。また、(4b)式の右辺第1項は、上記(1b)式の右辺第3項に相当し、(4b)式の右辺第2項は、上記(1b)式の右辺第1項に相当する。
加算器171,172は、電流制御器110,120の出力である電圧指令Vd1,Vq1に非干渉化制御電圧Vd0,Vq0を加算することによって、更新された電圧指令Vd2,Vq2を生成する。このように、非干渉化制御器141,142と加算器171,172を用いた非干渉化制御を利用することにより、電流制御器110,120における電流制御を線形化することが可能である。こうして得られた電圧指令Vd2,Vq2は、第1コントローラ100aから第2コントローラ200aに出力される。
第2コントローラ200aは、予め設定された等価抵抗ゲインKrに相当する等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを、2軸の電圧指令Vd2,Vq2からそれぞれ減算することによって、2軸の修正電圧指令Vd,Vqを生成する第2制御を実行する。第2コントローラ200aは、第1の座標変換器210と、第2の座標変換器220と、2つの安定化制御器241,242と、2つの減算器261,262と、遅延器230とを有している。遅延器230は、第2コントローラ200aで行われる第2制御の制御周期T2に等しい遅延を表している。すなわち、第2コントローラ200aは、制御周期T2毎に以下に説明する処理を実行する。第2コントローラ200aの制御周期T2は、第1コントローラ100aの制御周期T1よりも短く設定されている。この点については後述する。
第1の座標変換器210は、モータ50の3相の検出電流Iu,Iv,Iwを2軸の検出電流Id,Iqに変換する。この座標変換は、良く知られているように、検出電気角θに基づいて実行される。検出電気角θは、典型的には、d軸とu相コイル軸との成す角度である。
安定化制御器241,242は、2軸の検出電流Id,Iqに、予め設定された等価抵抗ゲインKrそれぞれを乗じることによって、2軸の等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを求める。減算器261,262は、2軸の等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを2軸の電圧指令Vd2,Vq2からそれぞれ減算することによって、2軸の修正電圧指令Vd,Vqを生成する。この結果、等価的にモータ50の抵抗値を等価抵抗ゲインKrだけ大きくすることが可能となり、温度変化や磁気飽和等による制御パラメータの変動があっても電流制御系の特性方程式の係数が負になり難くなるので、ロバスト安定性が向上する。
第2の座標変換器220は、2軸の修正電圧指令Vd,Vqを3相の修正電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する。この座標変換も、検出電気角θに基づいて実行される。こうして得られた3相の修正電圧指令Vu,Vv,Vwは、PWMインバータ300に供給される。
PWMインバータ300は、3相の修正電圧指令Vu,Vv,Vwに応じて3相インバータ回路(図示省略)のスイッチングを実行することによって、3相の印加電圧Vu,Vv,Vwを発生させる。これらの印加電圧Vu,Vv,Vwは、モータ50の3相コイルに供給される。
上述したように、第2コントローラ200aの制御周期T2は、第1コントローラ100aの制御周期T1よりも短く設定されている。すなわち、第1実施形態のモータ制御装置400aでは、第2コントローラ200aにおける第2制御(等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを2軸の電圧指令Vd2,Vq2からそれぞれ減算する制御)は、第1コントローラ100aにおける第1制御(電流フィードバック制御)の制御周期T1に比べて短い制御周期T2で実行される。従って、モータ50が非常に高速に回転した場合や、パラメータ誤差が大きくなった場合にも、第2コントローラ200aにおける第2制御を十分に短い制御周期T2で実行できるので、安定性を維持することが可能である。
なお、第2コントローラ200aにおける制御周期T2は、第1コントローラ100aにおける制御周期T1よりも短く設定されていれば良いが、制御周期T1の1/10以下に設定することが好ましい。こうすれば、ロバスト安定性を更に高めることが可能である。
図2に示すように、比較例のモータ制御装置400ceは、図1に示した2つのコントローラ100a,200aを1つのコントローラ100ceに合体し、1つの共通する制御周期T1で上述した第1制御と第2制御を行うようにしたものに相当する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
図3に示すように、q軸電流のステップ応答を比較すると、第1実施形態では比較例に比べて振動が大幅に低減しており、安定性が向上していることが理解できる。
図4に示すように、q軸電流指令とq軸検出電流の伝達関数周波数特性を比較すると、第1実施形態では比較例に比べて共振のピークが低下しており、この点からも安定性が向上していることが理解できる。なお、この共振のピークは、電気1次成分(d軸電流とq軸電流の干渉成分)の影響である。
以上のように、第1実施形態のモータ制御装置400aでは、第2コントローラ200aにおける第2制御を、第1コントローラ100aにおける第1制御の制御周期T1に比べて短い制御周期T2で実行するので、ロバスト安定性を高めることが可能である。
B. 第2実施形態:
図5に示すように、第2実施形態のモータ制御装置400bは、第1コントローラ100bと、第2コントローラ200bと、PWMインバータ300と、を有している。第2実施形態は、以下の3点において第1実施形態と相違しており、他の構成は同一である。
(1)第1の座標変換器210を第1コントローラ100bに移動した点。
(2)2つの安定化制御器241,242を1つの安定化制御器240に置き換えた点。
(3)2つの減算器261,262を3つの減算器261〜263とし、更に、それらの位置を変更した点。
なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。これは、後述する他の実施形態も同様である。
座標変換器220は、第1実施形態と同様に、第1コントローラ100bから出力された2軸の電圧指令Vd2*,Vq2を、3相の電圧指令Vu1,Vv1,Vw1に変換する。
安定化制御器240は、3相の検出電流Iu,Iv,Iwに等価抵抗ゲインKrをそれぞれ乗じて3相の等価抵抗電圧成分KrIu,KrIv,KrIwを求める。減算器261,262,263は、3相の等価抵抗電圧成分KrIu,KrIv,KrIwを、第2の座標変換器220で得られた3相の電圧指令Vu1,Vv1,Vw1からそれぞれ減算することによって、3相の修正電圧指令Vu,Vv,Vwを生成する。
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2コントローラ200bにおける第2制御を、第1コントローラ100bにおける第1制御の制御周期T1に比べて短い制御周期T2で実行するので、ロバスト安定性を高めることが可能である。
また、第2実施形態では、安定化制御器240は、3相の検出電流Iu,Iv,Iwから3相の等価抵抗電圧成分KrIu,KrIv,KrIwを求めるので、単純な演算でロバスト安定化を図ることが可能である。
C. 第3実施形態:
図6に示すように、第3実施形態のモータ制御装置400cは、第1コントローラ100cと、第2コントローラ200cと、PWMインバータ300と、を有している。第3実施形態は、以下の2点において第1実施形態と相違しており、他の構成は同一である。
(1)第1の座標変換器210を第1コントローラ100cに移動した点。
(2)2つの安定化制御器241,242を1つの安定化制御器245に置き換えた点。
安定化制御器245は、3相の検出電流Iu,Iv,Iwから、2軸の等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを求める。この安定化制御器245は、例えば、3相の検出電流Iu,Iv,Iwと検出電気角θとを入力とし、2軸の等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを出力するマップを含むものとして構成することが可能である。このようなマップの典型的な形態はルックアップテーブルである。あるいは、安定化制御器245を、3相の検出電流Iu,Iv,Iwと検出電気角θとを入力として、2軸の等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを算出する演算器として構成しても良い。減算器261,262は、第1実施形態と同様に、2軸の等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを2軸の電圧指令Vd2,Vq2からそれぞれ減算することによって、2軸の修正電圧指令Vd,Vqを生成する。
この第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2コントローラ200cにおける第2制御を、第1コントローラ100cにおける第1制御の制御周期T1に比べて短い制御周期T2で実行するので、ロバスト安定性を高めることが可能である。
また、第3実施形態において、安定化制御器245を、3相の検出電流Iu,Iv,Iwと検出電気角θとを入力とし2軸の等価抵抗電圧成分KrId,KrIqを出力するマップを含むものとして構成すれば、高速に動作する安定化制御器245を容易に実現することが可能である。
D. 変形例
本発明は上述した実施形態やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上述した各実施形態では埋込磁石同期モータを制御対象としていたが、表面磁石同期モータ等の他の永久磁石同期モータを制御対象とすることも可能である。また、シンクロナスリラクタンスモータ等の他の同期モータを制御対象とすることも可能である。
(2)上述した各実施形態では3相モータを制御対象としていたが、3相モータに限らず、6相モータなどの他の多相モータを制御対象とすることも可能である。一般に、N相(Nは3以上の整数)のモータを制御対象とすることが可能である。3相以外の多相モータを制御対象とする場合には、座標変換器210,220の変換処理の内容や、安定化制御器240,241,242,245の数などが、そのモータの相数に応じて適宜変更される。
(3)第1コントローラ100と第2コントローラ200は、マイクロプロセッサや、マイクロプロセッサ以外のハードウェア回路(例えば特定用途向け集積回路(ASIC))で実現することが可能である。第1コントローラ100と第2コントローラ200をマイクロプロセッサで実現する場合には、上述した各種の実施形態における第1コントローラ100と第2コントローラ200の構成要素の機能は、プログラム命令によって実現される。
第1コントローラ100と第2コントローラ200は、それらの機能を含む1つの回路として構成しても良いが、第1コントローラ100と第2コントローラ200を別個の回路として構成することが好ましい。特に、第1コントローラ100をマイクロプロセッサとして構成し、第2コントローラ200をマイクロプロセッサでないハードウェア回路として構成することが好ましい。通常は、専用のハードウェア回路の方がマイクロプロセッサよりも処理速度が速いので、第2コントローラ200をハードウェア回路で構成すれば、その制御周期T2を、第1コントローラ100の制御周期T1よりも短くすることが容易である。
50…同期モータ、52…電流センサ、54…位置センサ、56…速度演算部、100a〜100c…第1コントローラ、110…電流制御器、120…電流制御器、130…遅延器、141,142…非干渉化制御器、161,162…減算器、171,172…加算器、200a〜200c…第2コントローラ、210…第1の座標変換器、220…第2の座標変換器、230…遅延器、240,241,242,245…安定化制御器、261〜263…減算器、300…PWMインバータ、400a〜400c…モータ制御装置

Claims (9)

  1. 多相の同期モータ(50)をベクトル制御するモータ制御装置(400a〜400c)であって、
    d軸とq軸の2軸の検出電流(Id,Iq)を用いた電流フィードバックを行うことによって、2軸の電圧指令(Vd2,Vq2)を決定する第1制御を実行する第1コントローラ(100a〜100c)と、
    予め設定された等価抵抗ゲイン(Kr)に相当する等価抵抗電圧成分を、前記2軸の電圧指令からそれぞれ減算するか、又は、前記2軸の電圧指令から変換された多相の電圧指令(Vu1,Vv1,Vw1)からそれぞれ減算することによって、2軸又は多相の修正電圧指令(Vd,Vq;Vu,Vv,Vw)を生成する第2制御を実行する第2コントローラ(200a〜200c)と、
    を備え、
    前記第2コントローラは、前記第1コントローラの前記第1制御の制御周期(T1)よりも短い制御周期(T2)で前記第2制御を実行する、モータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置(400a)において、
    前記第2コントローラ(200a)は、
    前記同期モータの多相の検出電流(Iu,Iv,Iw)を前記2軸の検出電流に変換する第1の座標変換器(210)と、
    前記2軸の検出電流に前記等価抵抗ゲインそれぞれを乗じて2軸の等価抵抗電圧成分を求める安定化制御器(241,242)と、
    前記2軸の等価抵抗電圧成分を前記2軸の電圧指令からそれぞれ減算することによって、前記2軸の修正電圧指令を生成する減算器(261,262)と、
    前記2軸の修正電圧指令を前記多相の修正電圧指令に変換する第2の座標変換器(220)と、
    を有する、モータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータ制御装置(400b)において、
    前記第2コントローラ(200b)は、
    前記第1コントローラから出力された前記2軸の電圧指令を前記同期モータの多相の電圧指令(Vu1,Vv1,Vw1)に変換する座標変換器(220)と、
    前記同期モータの多相の検出電流(Iu,Iv,Iw)に前記等価抵抗ゲインをそれぞれ乗じて多相の等価抵抗電圧成分を求める安定化制御器(240)と、
    前記多相の等価抵抗電圧成分を前記多相の電圧指令からそれぞれ減算することによって、前記多相の修正電圧指令を生成する減算器(261,262,263)と、
    を有する、モータ制御装置。
  4. 請求項1に記載のモータ制御装置(400c)において、
    前記第2コントローラ(200c)は、
    前記同期モータの多相の検出電流(Iu,Iv,Iw)と前記同期モータの検出電気角(θ)から、d軸とq軸の検出電流に前記等価抵抗ゲインをそれぞれ乗じた値に相当する2軸の等価抵抗電圧成分を求める安定化制御器(245)と、
    前記2軸の等価抵抗電圧成分を、前記第1コントローラから出力された前記2軸の電圧指令からそれぞれ減算することによって、前記2軸の修正電圧指令を生成する減算器(261,262)と、
    前記2軸の修正電圧指令を前記多相の修正電圧指令に変換する座標変換器(220)と、
    を有する、モータ制御装置。
  5. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記安定化制御器は、前記多相の検出電流と前記同期モータの検出電気角とを入力とし、前記2軸の等価抵抗電圧成分を出力とするマップを含む、モータ制御装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、
    前記第1コントローラはマイクロプロセッサであり、前記第2コントローラはマイクロプロセッサでないハードウェア回路である、モータ制御装置。
  7. 請求項1に記載のモータ制御装置(400a)において、
    前記第2コントローラ(200a)は、マイクロプロセッサと、プログラム命令とを含み、
    前記プログラム命令は、
    前記同期モータの多相の検出電流(Iu,Iv,Iw)を前記2軸の検出電流に変換するプログラム命令(210)と、
    前記2軸の検出電流に前記等価抵抗ゲインそれぞれを乗じて2軸の等価抵抗電圧成分を求めるプログラム命令(241,242)と、
    前記2軸の等価抵抗電圧成分を前記2軸の電圧指令からそれぞれ減算することによって、前記2軸の修正電圧指令を生成するプログラム命令(261,262)と、
    前記2軸の修正電圧指令を前記多相の修正電圧指令に変換するプログラム命令(220)と、
    を有する、モータ制御装置。
  8. 請求項1に記載のモータ制御装置(400b)において、
    前記第2コントローラ(200b)は、マイクロプロセッサと、プログラム命令とを含み、
    前記プログラム命令は、
    前記第1コントローラから出力された前記2軸の電圧指令を前記同期モータの多相の電圧指令(Vu1,Vv1,Vw1)に変換するプログラム命令(220)と、
    前記同期モータの多相の検出電流(Iu,Iv,Iw)に前記等価抵抗ゲインをそれぞれ乗じて多相の等価抵抗電圧成分を求めるプログラム命令(240)と、
    前記多相の等価抵抗電圧成分を前記多相の電圧指令からそれぞれ減算することによって、前記多相の修正電圧指令を生成するプログラム命令(261,262,263)と、
    を有する、モータ制御装置。
  9. 請求項1に記載のモータ制御装置(400c)において、
    前記第2コントローラ(200c)は、マイクロプロセッサと、プログラム命令とを含み、
    前記プログラム命令は、
    前記同期モータの多相の検出電流(Iu,Iv,Iw)と前記同期モータの検出電気角(θ)から、d軸とq軸の検出電流に前記等価抵抗ゲインをそれぞれ乗じた値に相当する2軸の等価抵抗電圧成分を求めるプログラム命令(245)と、
    前記2軸の等価抵抗電圧成分を、前記第1コントローラから出力された前記2軸の電圧指令からそれぞれ減算することによって、前記2軸の修正電圧指令を生成するプログラム命令(261,262)と、
    前記2軸の修正電圧指令を前記多相の修正電圧指令に変換するプログラム命令(220)と、
    を有する、モータ制御装置。
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