定義
「例えば」及び「等」という用語及びその文法的等価物に関しては、特に明記されない限り、「これらに限定されない」という語句が後に続くように理解される。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、実験誤差による変動を説明することを意図している。本明細書に報告されるすべての測定値は、特に明示的に規定されない限り、用語が明示的に用いられるか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されると理解される。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈により特に明確に示されない限り、複数形の指示対象を含む。
本明細書で使用される場合、破線及び太字の結合(すなわち、
)で示された1つ以上の立体中心を含む化学構造は、化学構造中に存在する立体中心(複数を含む)の絶対立体化学を示すことを意図している。本明細書で使用される場合、単純な線で表される結合は、立体選択性を示さない。特に反対の記載がない限り、絶対または相対立体化学を示すことなく本明細書に例示される1つ以上の立体中心を含む化学構造は、化合物(例えば、ジアステレオ異性体、鏡像異性体)のすべての可能な立体異性体形態及びその混合物を包含する。単太字または破線、及び少なくとも1つのさらなる単純な線を含む構造は、すべての可能なジアステレオ異性体の一連の単一鏡像異性体を包含する。
化合物のラセミ混合物の分割は、当該技術分野で既知の多くの方法のいずれかによって行われ得る。例示的な方法には、光学活性な塩を形成する有機酸であるキラル分割用酸を用いた分別再結晶を含む。分別再結晶法に適当な分割剤は、例えば、光学活性な酸、例えば、D型及びL型の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、または様々な光学活性な樟脳スルホン酸、例えば、カンファースルホン酸である。分別再結晶法に適当な他の分割剤には、立体異性的に純粋な型のメチルベンジルアミン(例えば、S型及びR型、またはジアステレオ異性的に純粋な型)、2−フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N−メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等が含まれる。
ラセミ混合物の分割はまた、光学活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムで溶出することにより行うこともできる。適当な溶出溶媒組成物は、当業者によって決定することができる。
本明細書に提供される化合物はまた、中間体または最終化合物に生じる原子のすべての同位体を含むことができる。同位体は、同じ原子番号で異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体は、水素、トリチウム、及び重水素を含む。
「化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、表示した構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及び同位体を含むことを意図している。ある特定の互変異性体として名称または構造によって特定される本明細書の化合物は、特に記述されない限り、他の互変異性体を含むことが意図される。
すべての化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、水及び溶媒等の他の物質(例えば、水和物及び溶媒和物)と共に見出され得る。
「Cx−yアルキル」という用語は、鎖中にx〜y個の炭素を含有する直鎖アルキル及び分枝鎖アルキル基を含む、置換または非置換の飽和炭化水素基を指す。例えば、C1−7アルキルは、全範囲(すなわち、1〜7個の炭素原子)、ならびにすべての亜群(例えば、1〜6、2〜7、1〜5、3〜6、1、2、3、4、5、6、及び7個の炭素原子)を包含する多くの炭素原子を有するアルキル基を指す。「C2−yアルケニル」及び「C2−yアルキニル」という用語は、上述のアルキルに長さ及び可能な置換が類似であるが、それぞれ少なくとも1つの二重または三重結合を含有する置換または非置換の不飽和脂肪族基を指す。
「アルコキシ」という用語は、そこに結合される酸素を有するアルキル基を指す。代表的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシ等が含まれる。「エーテル」は、酸素によって共有結合される2個の炭化水素である。したがって、アルキルをエーテルにするアルキルの置換基は、アルコキシであるか、またはアルコキシに似ている。
「Cx−yアルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換される、既に定義される、Cx−yアルキル基を指す。例えば、「C1−6アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換され、それによりエーテルを形成する、C1−6アルキル基を指す。
「Cx−yアラルキル」という用語は、アリール基で置換される、既に定義される、Cx−yアルキル基を指す。例えば、「C1−6アラルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、アリール基で置換されるC1−6アルキル基を指す。
「アミン」及び「アミノ」という用語は、当該技術分野において認識されており、非置換及び置換アミンの両方、ならびにそれらの塩、例えば、一般式、
によって表すことができる部分を指し、式中、各R基は独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH
2)
b−T、またはR基のうちの2つを表し、それらが結合するN原子と一緒になって環構造中に4〜8個の原子を有するヘテロシクリルを形成し、Tは、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはポリシクリルを表し、bはゼロであるか、または1〜8の整数である。ある特定の実施形態において、アミノ基は塩基性であり、そのプロトン化形態は7.00を超えるpKaを有することを意味する。いくつかの実施形態において、「アミン」及び「アミノ」という用語は、非置換または置換の窒素原子と共有結合する部分を指す。
「アミド(amide)」及び「アミド(amido)」という用語は、アミノ置換カルボニルとして当該技術分野において認識されており、一般式、
で表され得る部分を含む。いくつかの実施形態において、アミドは、不安定であり得るイミドは含まない。
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である5員、6員、及び7員の置換または非置換の単環芳香族基を含む。「アリール」という用語はまた、2個以上の炭素が2つの隣接環に共通である2つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、その環のうちの少なくとも1つが芳香族であり、例えば、他の環式環が、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであり得る。アリール基は、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリン等を含む。いくつかの実施形態において、アリール環は、フッ素等のハロゲンで置換され得る。
「炭素環」及び「カルボシクリル」という用語は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である3〜7員の非芳香族置換または非置換環を指す。この環は、完全に飽和され得るか、またはこの環が非芳香族の状態であるように1つ以上の非飽和結合を有し得る。「炭素環」及び「カルボシクリル」という用語はまた、1個以上の炭素が2つの隣接する環に共通である2つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、環の少なくとも1つが炭素環であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであり得る。カルボシクリルには、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、及び4−メチルシクロヘキシルが含まれる。多環式カルボシクリルの例には、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、スピロ[2.4]ヘプタニル、ノルボルニル、及びアダマンチルが含まれる。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である3〜7員の飽和の置換または非置換環を指す。「シクロアルキル」という用語はまた、2つ以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、1個以上の炭素原子が2つの隣接する環に共通しており、環のうちの少なくとも1つはシクロアルキルである。
「シクロアルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である3〜7員の置換または非置換環を指す。当該環が非芳香族性を保有するように、1つ以上の不飽和結合を有する。「シクロアルケニル」という用語はまた、2つ以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、1個以上の炭素原子が2つの隣接する環に共通しており、環のうちの少なくとも1つはシクロアルケニルである。
「カルボニル」という用語は、当該技術分野において認識されており、例えば、一般式、
によって表されるもの等のC=O基を含有する部分を含み、式中、Xは結合であるか、または酸素もしくは硫黄を表し、Rは、水素、アルキル、アルケニル、−(CH
2)
b−T、または薬学的に許容される塩を表し、R’は、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH
2)
b−Tを表し、m及びTは、上で定義された通りである。Xが酸素であり、RまたはR’が水素でない場合、式は、「エステル」を表す。Xが酸素であり、Rが水素である場合、式は、「カルボン酸」を表す。
[Cx−yヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換される、既に定義される、Cx−yアルキル基を指す。例えば、「C1−6ヘテロアラルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、ヘテロアリール基で置換される、C1−6アルキル基を指す。
「ヘテロアリール」という用語は、その環構造が1〜4個のヘテロ原子を含む、置換または非置換の芳香族5〜7員環構造、例えば、5〜6員環を含む。「ヘテロアリール」という用語はまた、2個以上の炭素が2つの隣接環に共通である2つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、その環のうちの少なくとも1つがヘテロ芳香族であり、例えば、他の環式環が、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロアリール基には、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、及びピリミジン等が含まれる。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール環は、フッ素等のハロゲンで置換され得る。
「ヘテロ原子」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素または水素以外の任意の要素の原子を意味する。例えば、ヘテロ原子には、窒素、酸素、リン、及び硫黄が挙げられる。
「ヘテロシクリル」または「複素環式基」という用語は、その環構造が1〜4個のヘテロ原子を含む、置換または非置換の非芳香族3〜10員環構造、例えば、3〜7員環を指す。この環は、完全に飽和され得る(例えばヘテロシクロアルキル)か、またはこの環が非芳香族性を保有するように1つ以上の不飽和結合を有し得る(例えばヘテロシクロアルケニル)。「ヘテロシクリル」または「複素環式基」という用語はまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共通である1つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、環の少なくとも1つが複素環であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基には、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム等が含まれる。
「Cx−yヒドロキシアルキル」という用語は、ヒドロキシ基で置換される、既に定義される、Cx−yアルキル基を指す。例えば、「C1−6ヒドロキシアルキル」という用語は、ヒドロキシ基で置換されるC1−6アルキル基を指す。
「チオエーテル」という用語は、そこに結合される硫黄部分を有する、上で定義されるアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、「チオエーテル」は、−S−アルキルで表される。代表的なチオエーテル基には、メチルチオ、エチルチオ等が含まれる。
「置換された」という用語は、分子の1個以上の非水素原子上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換された」とは、そのような置換が、置換された原子及びその置換基の許容される原子価に従い、ならびにその置換が、例えば、再編成、環化、排除等によって自発的に転換しない、安定的な化合物をもたらすという暗黙の条件を含むことが理解されるだろう。本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容置換基を含むことが企図される。幅広い態様において、許容される置換基は、非環式及び環式、分岐及び非分岐、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族の、有機化合物の置換基を含む。許容される置換基は、適切な有機化合物に対して1つ以上であってもよく、同じまたは異なってもよい。本開示の目的において、窒素等のヘテロ原子は、水素置換基及び/またはヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載される有機化合物の任意の許容置換基を有し得る。置換基には、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、エステル、チオエステル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル等)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルマート等)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィン酸塩、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、硫酸塩、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、カルボシクリル(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、ヘテロシクリル(例えば、ヘテロシクロアルキル)、アラルキル、ヘテロアラルキル、または芳香族(すなわち、アリール)もしくはヘテロ芳香族(すなわち、ヘテロアリール)部分が含まれ得る。当業者には、炭化水素鎖上で置換された部分が、適切な場合はそれ自体置換され得ることが理解されるだろう。いくつかの実施形態において、置換基は、フッ素等のハロゲンである。化学官能基が1つを超える置換基を含むとき、置換基は、同じ炭素原子または2個以上の異なる炭素原子に結合することができる。置換された化学官能基は、それ自体、1つ以上の置換基を含むことができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物またはその塩は、実質的に単離または精製される。「実質的に単離された」とは、当該化合物が少なくとも部分的または実質的にそれが形成または検出された環境から分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、本明細書に提供される化合物が濃縮された組成物を含むことができる。実質的な分離は、当該化合物またはその塩を、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%含有する組成物を含むことができる。化合物及びそれらの塩を単離するための方法は、当該技術分野では日常のことである。
「予防的または治療的」治療という用語は、当該技術分野において認識されており、主題の組成物のうちの1つ以上の宿主への投与を含む。主題の組成物が好ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患もしくは他の好ましくない状態)の臨床所見の前に投与される場合、その治療は予防的であり(すなわち、宿主が好ましくない状態を発達するのを防ぐ)、一方、主題の組成物が好ましくない状態の所見後に投与される場合、その治療は治療的である(すなわち、現存する好ましくない状態もしくはその副作用を減少させるか、寛解させるか、または安定化させることを意図する)。
「プロテアソーム」という用語は、本明細書で使用される場合、免疫及び構成的プロテアソームを含むことを意図している。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、免疫プロテアソームを優先的に阻害する。
「i20S」という用語は、本明細書で使用される場合、20Sの免疫プロテアソームを指す。
「c20S」という用語は、本明細書で使用される場合、構成的な20Sのプロテアソームを指す。
本明細書で使用される場合、「阻害剤」という用語は、酵素もしくは酵素系、受容体、または他の薬理学的標的の活性を妨げるか、または減少させる化合物(例えば、スクシニル−Leu−Leu−Val−Tyr−AMC、Boc−Leu−Leu−Arg−AMC、及びZ−Leu−Leu−Glu−AMC等の標準の蛍光発生ペプチド基質のタンパク質分解切断の阻害、20Sプロテアソームの種々の触媒活性の阻害)を説明することを意図している。阻害剤は、競合的、不競合的、または非競合的阻害により作用し得る。阻害剤は、可逆的または不可逆的に結合することができ、したがって、この用語は、酵素の自殺基質である化合物を含む。阻害剤は、酵素の活性部位上またはその近くの1つ以上の部位を修飾することができるか、または、酵素上の他の箇所において立体配座変化をもたらすことができる。阻害剤という用語は、作動薬、拮抗薬、刺激物質、補助因子等の薬理学的または治療的に有用な薬剤の他の分類も包含するように、本明細書においては科学文献よりもより広範に使用される。
主題の治療方法に関して化合物の「治療有効量」は、所望の投薬レジメンの一部として(患者に、例えばヒトに)投与される際に、例えば、任意の薬物治療に適用可能な合理的な利益/リスク比で治療される障害もしくは状態または美容目的のための臨床的に容認される規格に従って、症状を軽減するか、状態を寛解させるか、または疾患状態の開始を緩徐にさせる調製物中の化合物(複数を含む)の量を指す。
本明細書で使用される場合、「治療すること」または「治療」という用語は、患者の状態を改善するか、または安定化させる方法で、状態の症状、臨床徴候、及び根底にある病態を好転させる、減少させる、または停止させることを含む。
化合物
一態様において、本開示は、式(X)の構造を有する化合物であって、
、
式中、
pが、0または1であり、
qが、0、1、または2であり、
Jが、C
1−6アルキレンR
5、C
2−6アルケニレンR
5、OC
1−6アルキレンR
5、CF
3、C
0−6アルキレンN(R
6)
2、アリール、ヘテロアリール、ポリエーテルCH
3、及びC
3−6シクロアルケニルからなる群から選択され、Jが、C
1−6アルキル、ハロ、CF
3、OR
6、SR
6 、N(R
6)
2、及び3〜7員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
R
1が、H、C
1−2アルキレンR
7、C
3−6シクロアルキル、及び3〜6員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R
1が、ハロ、OR
6、SR
6、及びN(R
6)
2からなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
R
2がC
1−2アルキレン−Gであり、式中、Gが、C
3−7シクロアルケニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択されるが、但し、R
2がCH
2フェニルであるとき、当該フェニルが、OR
6、ハロ、C
1−3アルキル、及びSO
2R
6からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるものとし、
R
3が、C
3−7シクロアルキル、C
3−7シクロアルケニル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルケニル、及びアリールからなる群から選択され、R
3が、OR
6及びC
1−6アルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
R
4が、HまたはC
1−3アルキルであり、
R
5が、H、CF
3、OR
6、C
1−6アルコキシル、及びアリールからなる群から選択され、
各R
6が独立して、HまたはC
1−6アルキルであり、
R
7が、H、OR
6、COOR
6、CN、及び3〜6員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、化合物、またはその薬学的塩を提供する。
いくつかの実施形態において、pは0である。他の実施形態において、pは1である。
いくつかの実施形態において、qは0である。他の実施形態において、qは1である。様々な実施形態において、qは2である。
いくつかの実施形態において、Jは、C1−6アルキレンR5、C2−6アルケニレンR5、OC1−6アルキレンR5、ポリエーテルCH3、CF3、またはN(R6)2である。例示的な実施形態において、Jは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、ヒドロキシメチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシエチル、MeOCH2OCH2CH2−、MeOCH2CH2OCH2−、メトキシエチル、エトキシメチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルブチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−トリフルオロプロピル、1−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシエチル、NH2、NH(CH3)、NH(CH2CH3)、N(CH3)2、及びC(CH3)2NH2からなる群から選択される。
他の実施形態において、Jは、フェニルまたはインデニル等のアリールである。これらの実施形態のいくつかにおいて、アリールは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、及びアミノからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される。例えば、Jは、
を含むことができる。
いくつかの実施形態において、Jは、ヘテロアリールである。例えば、Jは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンズイミダゾリル(benimidazolyl)、ピリジル、イミダゾリル、インダゾリル、テトラヒドロインダゾリル、ピロリル、またはピラジニルを含むことができる。任意に、ヘテロアリールは、メチル、エチル、アミノ、ジメチルアミノ、アゼチジニル、及びピロリジニルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの例示的な実施形態において、Jは、
からなる群から選択される。
様々な実施形態において、Jは、シクロヘキセニルまたはシクロペンテニル等のC3−6シクロアルケニルである。
いくつかの実施形態において、R1はメチルである。他の実施形態において、R1はヒドロキシメチルである。さらに他の実施形態において、R1はCH2CO2R6である。様々な実施形態において、R1は、H、CH2モルホリニル、オキセタニル、または1−ヒドロキシル−シクロプロピルである。様々な実施形態において、R1が結合している炭素は、(S)配置にある。
いくつかの実施形態において、R2はCH2−Gである。他の実施形態において、R2はCH2CH2−Gである。様々な実施形態において、Gはアリールである。他の実施形態において、GはC3−7シクロアルケニルである。さらなる他の実施形態において、Gはヘテロアリールである。実施形態において、Gは、4−メトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェンチル、インドリル、及び4−メチルスルホニルフェニルからなる群から選択される。いくつかの例示的な実施形態において、Gは、4−メトキシフェニルを含む。他の例示的な実施形態において、Gは3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルである。さらに他の例示的な実施形態において、Gはインドリルである。実施形態において、Gは、4−メチルスルホニルフェニルを含むことができる。
いくつかの実施形態において、R3はC3−7シクロアルキルである。他の実施形態において、R3はC3−7シクロアルケニルである。さらに他の実施形態において、R3は、3〜7員のヘテロシクロアルキルである。様々な実施形態において、R3は、3〜7員のヘテロシクロアルケニルである。実施形態において、R3はアリールである。いくつかの例示的な実施形態において、R3は、フェニル、シクロペンチル、4−メチルフェニル、及びシクロペンテニルからなる群から選択される。
実施形態において、qは1であり、R3はC3−7シクロアルキルである。他の実施形態において、qは1であり、R3はC3−7シクロアルケニルである。様々な実施形態において、qは1であり、R3は、3〜7員のヘテロシクロアルキルである。さらなる他の実施形態において、qは1であり、R3は、3〜7員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態において、qは1であり、R3はアリールである。いくつかの例示的な実施形態において、qは1であり、R3は、フェニル、シクロペンチル、4−メチルフェニル、及びシクロペンテニルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R4は、メチルまたはエチル等のC1−3アルキルである。様々な実施形態において、R4はHである。場合によっては、R4はメチルである。
いくつかの実施形態において、qは1であり、R1は、H、メチル、またはヒドロキシメチルであり、R2は、CH2−(4−メトキシフェニル)、CH2−インドリル、CH2−(4−メチルスルホニルフェニル)、及びCH2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)からなる群から選択され、R3は、フェニル、シクロペンチル、4−メチルフェニル、及びシクロペンテニルからなる群から選択され、R4はメチルである。
具体的には、段落[0047]〜[0050]に記載されるJ、段落[0051]に記載されるR1、段落[0052]に記載されるR2、段落[0053]に記載されるR3、及び段落[0054]に記載されるR4を含む、式Xの化合物が企図される。
いくつかの実施形態において、式(X)の化合物は、
から選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの例示的な実施形態において、式(X)の化合物は、
からなる群から選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
別の態様において、式(I)の構造を有する化合物であって、
式中、
Bは、不在であるか、またはN(R
9)R
10であり、
Lは、不在であるか、またはC=O、C=S、及びSO
2から選択され、
Qは、不在であるか、またはO、NH、及びN−C
1−6アルキルから選択され、
Xは、O、S、NH、及びN−C
1−6アルキルから選択され、
Mは、不在であるか、またはC
1−12アルキルであり、
R
1、R
2、及びR
3の各々は独立して、水素、−C
1−6アルキル−B、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルM−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルM−、アリール、C
1−6アラルキル、ヘテロアリール、及びC
1−6ヘテロアラルキルから選択され、
R
4は、N(R
5)L−Q−R
6であり、
R
5は、水素、OH、C
1−6アラルキル、及びC
1−6アルキルから選択され、
R
6は、水素及びC
1−6アルキルから選択され、
R
7及びR
8は独立して、水素、C
1−6アルキル、及びC
1−6アラルキルから選択され、
R
9は、水素、OH、及びC
1−6アルキルから選択され、
R
10は、N末端保護基であり、
R
15は、水素、C
1−6アルキル、C
1−6ヒドロキシアルキル、C
1−6アルコキシ、−C(O)OC
1−6アルキル、−C(O)NHC
1−6アルキル、及びC
1−6アラルキルから選択される、化合物、またはその薬学的に許容される塩が、本明細書に提供される。
いくつかの実施形態において、R7及びR8は独立して、水素及びC1−6アルキルから選択される。例えば、R7及びR8は両方とも水素であり得る。
いくつかの実施形態において、R15は、水素、C1−6アルキル及びC1−6ヒドロキシアルキルから選択される。例えば、R15は、水素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、及び2−ヒドロキシエチルから選択される。
いくつかの実施形態において、R5は水素である。
いくつかの実施形態において、R
2は、C
1−6アラルキル及びC
1−6ヘテロアラルキルから選択される。例えば、R
2は、C
1−6アルキル−フェニル、C
1−6アルキル−インドリル、C
1−6アルキル−チエニル、C
1−6アルキル−チアゾリル、及びC
1−6アルキル−イソチアゾリルから選択され得る。いくつかの実施形態において、R
2は、
から選択され、
式中、Dは、水素、メトキシ、t−ブトキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、及びC
1−4アルキルから選択され、
Rは、水素または好適な保護基である。
いくつかの実施形態において、R
3は、カルボシクリルM−、C
1−6アラルキル、及びC
1−6ヘテロアラルキルから選択される。例えば、R
3は、C
1−6アルキル−シクロペンチル、C
1−6アルキル−シクロペンテニル、C
1−6アルキル−フェニル、及びC
1−6アルキル−インドリルから選択され得る。いくつかの実施形態において、R
3は、
、から選択され、式中、Dは、水素、メトキシ、t−ブトキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、及びC
1−4アルキルから選択され、Rは、水素または好適な保護基である。
いくつかの実施形態において、R6はC1−6アルキルである。いくつかの実施形態において、R1は、フッ素等の1つ以上のハロゲンで置換される。
いくつかの実施形態において、R1は、水素、−C1−6アルキル−B、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール、及びC1−6アラルキルから選択される。例えば、R1は、−C1−6アルキルB及びC1−6アラルキルから選択され得る。R1の非限定的な例には、メチル、エチル、イソプロピル、カルボキシメチル、及びベンジルが挙げられる。いくつかの実施形態において、R1は、フッ素等の1つ以上のハロゲンで置換される。
いくつかの実施形態において、LはC=Oであり、Qは不在であり、R6は−C1−6アルキルである。いくつかの実施形態において、R6は、フッ素等の1つ以上のハロゲンで置換される。他の実施形態において、LはC=Oであり、Qは不在であり、R6は水素である。
式(II)の化合物であって、
Lは、不在であるか、またはC=O、C=S、及びSO
2から選択され、
Mは、不在であるか、またはC
1−12アルキルであり、
Qは、不在であるか、またはO、NH、及びN−C
1−6アルキルから選択され、
Xは、O、S、NH、及びN−C
1−6アルキルから選択され、
各Zは独立して、O、S、NH、及びN−C
1−6アルキルから選択されるか、または
Zは、任意に、Aの出現に隣接するとき、共有結合であり、
R
2及びR
3は各々独立して、アリール、C
1−6アラルキル、ヘテロアリール、及びC
1−6ヘテロアラルキルから選択され、
R
4は、N(R
5)L−Q−R
6であり、
R
5は、水素、OH、C
1−6アラルキル、及びC
1−6アルキルから選択され、
R
6は、C
1−6アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C
1−6ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルM−、カルボシクリルMから選択され、
R
8は、水素、C
1−6アルキル、及びC
1−6アラルキルから選択される、化合物、またはその薬学的に許容される塩もまた、本明細書に提供される。
いくつかの実施形態において、R8は、水素及びC1−6アルキルから選択される。例えば、R8は水素であり得る。
いくつかの実施形態において、R5は水素である。
いくつかの実施形態において、R
2は、C
1−6アラルキル及びC
1−6ヘテロアラルキルから選択される。例えば、R
2は、C
1−6アルキル−フェニル、C
1−6アルキル−インドリル、C
1−6アルキル−チエニル、C
1−6アルキル−チアゾリル、及びC
1−6アルキル−イソチアゾリルから選択され得る。いくつかの実施形態において、R
2は、
から選択され、
式中、Dは、水素、メトキシ、t−ブトキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、及びC
1−4アルキルから選択され、
Rは、水素または好適な保護基である。
いくつかの実施形態において、R
3は、C
1−6アラルキル及びC
1−6ヘテロアラルキルから選択される。例えば、R
3は、C
1−6アルキル−フェニル及びC
1−6アルキル−インドリルから選択され得る。いくつかの実施形態において、R
3は、
及び
から選択され、
式中、Dは、水素、メトキシ、t−ブトキシ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、及びC
1−4アルキルから選択され、
Rは、水素または好適な保護基である。
いくつかの実施形態において、R6は、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルM−から選択される。
いくつかの実施形態において、LはC=Oであり、Qは不在であり、R6はヘテロシクリルである。他の実施形態において、LはC=Oであり、Qは不在であり、R6はヘテロアリールである。ある特定の実施形態において、LはC=Oであり、Qは不在であり、R6はヘテロシクリルM−である。
式(II)の化合物の非限定的な例には、
が含まれるか、またはその薬学的に許容される塩が含まれる。
例えば、式(II)の化合物は、
からなる群から選択され得るか、またはその薬学的に許容される塩であり得る。
本明細書に提供される化合物は、容易に入手可能な出発物質を用い、従来の技術を用いて合成され得る。一般に、本明細書に提供される化合物は、標準的な有機化学合成法によって適宜得られる。例えば、本明細書に提供される化合物は、本明細書に記載される方法を用いるか、または米国特許第7,232,818号、同第7,417,042号、同第7,687,456号、同第7,691,852号、及び同第8,088,741号(当該特許の各々は、参照によりその全体が組み込まれる)に記載される合成法を用いて調製され得る。
使用方法
本明細書に開示される化合物は、免疫プロテアソーム(iP)を阻害するために使用され得る。場合によっては、本明細書に開示される化合物は、iPのLMP2を阻害する。LMP2は、様々な腫瘍の細胞増殖を調節することに関与し、前立腺癌に関与し得る。Wehenkel et al.,Brit.J.Cancer,107:53−62(2012)及びHo et al.,Chem.&Biol.,14:419−430(2007)を参照のこと。
プロテアソーム阻害の生物学的影響は、数多くある。プロテアソーム阻害は、増殖性疾患、神経毒性/変性疾患、アルツハイマー病、虚血状態、炎症、自己免疫疾患、HIV、癌、臓器移植片拒絶反応、敗血ショック、抗原提示阻害、ウイルス遺伝子発現の低下、寄生虫感染、アシドーシスに関連した状態、黄斑変性、肺疾患、筋肉消耗疾患、線維性疾患、骨及び毛髪成長疾患を含むが、これらに限定されない、数多くの疾患の予防及び/または治療として提案されている。したがって、エポキシケトンクラスの分子等のプロテアソーム特異的化合物のための薬学的製剤は、薬物を患者に投与し、これらの状態を治療する手段を提供する。
細胞レベルにおいて、様々なプロテアソーム阻害剤による細胞の処理後に、ポリユビキチン化されたタンパク質の蓄積、細胞形態変化、及びアポトーシスが報告されている。プロテアソーム阻害はまた、可能な抗腫瘍治療戦略として提案されている。抗腫瘍化合物に対するスクリーニングにおいてエポキソマイシンが最初に特定されたという事実は、プロテアソームを抗腫瘍化学療法標的として実証するものである。したがって、これらの組成物は、癌の治療に対して有用である。
インビトロモデル及びインビボモデルの両方において、悪性細胞が一般にプロテアソーム阻害の影響を受けやすいことが示されている。実際に、プロテアソーム阻害は、多発性骨髄腫の処置のための治療戦略としてすでに実証されている。これは、非常に増殖性が高い悪性細胞の、速やかにタンパク質を除去するプロテアソーム系への依存性に部分的に起因し得る(Rolfe et al.,J.Mol.Med.(1997)75:5−17、Adams,Nature(2004)4:349−360)。したがって、癌を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に提供される化合物または組成物を投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
本明細書で使用される場合、「癌」という用語は、血液由来の腫瘍及び固形腫瘍を含むが、これらに限定されない。癌は、膀胱、血液、骨、脳、乳房、子宮頚部、胸部、大腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、口、首、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎性、皮膚、胃、精巣、咽頭、及び子宮の癌を含むが、これらに限定されない、血液、骨、臓器、皮膚組織、及び血管系の疾患を指す。具体的な癌として、白血病(急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性(lyelogenous)白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、有毛細胞性白血病)、成熟B細胞腫瘍(小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストローム大グロブリン血症等)、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、モノクローナル免疫グロブリン沈着症、重鎖症、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、縦隔(胸腺)大型B細胞リンパ腫、血管内大型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、及びバーキットリンパ腫/白血病)、成熟T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞腫瘍(T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、侵襲性NK細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、芽球型NK細胞リンパ腫、菌状息肉症(セザリー症候群)、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、不特定の末梢性T細胞リンパ腫、及び未分化大細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫(結節硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球欠失型またはリンパ球否欠失型、結節性リンパ球優位型)、骨髄腫(多発性骨髄腫、緩慢性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫)、慢性骨髄増殖性疾患、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、免疫不全関連リンパ球増殖性障害、組織球性及び樹状細胞新生物、肥満細胞症、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、線維肉腫、悪性巨細胞腫、骨髄腫骨疾患、骨肉腫、乳癌(ホルモン依存型、ホルモン非依存型)、婦人科系の癌(頚部、子宮内膜、卵管、妊娠性栄養膜疾患、卵巣、腹腔、子宮、膣及び外陰部)、基底細胞癌腫(BCC)、扁平細胞癌腫(SCC)、悪性黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌腫、カポジ肉腫、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、胎生期奇形性神経上皮腫瘍、乏突起膠腫、上衣細胞腫、多形性グリア芽細胞腫、混合膠腫、乏星状細胞腫、髄芽腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞種、胚細胞腫、奇形腫、悪性中皮腫(腹腔内中皮腫、心臓周囲中皮腫、胸膜中皮腫)、胃−腸管−膵臓または胃腸膵臓の神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド、膵臓内分泌腺腫瘍(PET)、膵臓腺癌、結腸直腸腺癌、結腸直腸癌腫、進行性神経内分泌腺腫瘍、平滑筋肉腫粘液性腺癌、印環細胞腺癌、肝細胞癌腫、胆管癌、肝芽腫、血管腫、肝細胞腺腫、限局性結節性過形成(結節性再生性過形成、過誤腫)、非小細胞肺癌(NSCLC)(扁平細胞肺癌、腺癌、大細胞肺癌)、小細胞肺癌腫、肺癌、甲状腺癌、前立腺癌(ホルモン不応性、アンドロゲン非依存性、アンドロゲン依存性、ホルモン非感受性)、及び軟部組織肉腫(線維肉腫、悪性線維性ヒスチオサイトーマ、皮膚線維肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫平滑筋肉腫、血管内皮腫、滑膜肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍/神経線維肉腫、骨格外骨肉腫)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物、またはそれを含む薬学的組成物は、患者における多発性骨髄腫を治療するために投与され得る。例えば、多発性骨髄腫は、再発性及び/または難治性多発性骨髄腫を含み得る。
造血及びリンパ系組織の多くの腫瘍は、細胞増殖、または特定の型の細胞の増加を特徴とする。慢性骨髄増殖性疾患(CMPD)は、末梢血における顆粒球、赤血球、及び/または血小板の数の増加をもたらす、骨髄細胞系列のうちの1つ以上の骨髄における増殖により特徴付けられるクローン造血性幹細胞障害である。したがって、そのような疾患の治療のための本明細書に提供される化合物の使用は魅力的であり、試験されている(Cilloni et al.,Haematologica(2007)92:1124−1229)。CMPDは、慢性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、真性赤血球増加症、慢性特発性骨髄線維症、本態性血小板血症、及び分類不可能な慢性骨髄増殖性疾患を含み得る。CMPDを治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
慢性骨髄単球性白血病、非定型慢性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、及び分類不可能な骨髄異形成/骨髄増殖性疾患等の骨髄異形成/骨髄増殖性疾患は、骨髄細胞系列のうちの1つ以上における増殖に起因する骨髄の細胞過多を特徴とする。本明細書に記載される組成物によるプロテアソームの阻害は、そのような治療が必要な患者に治療有効量の組成物を提供することにより、これらの骨髄異形成/骨髄増殖性疾患を治療するために役立てることができる。
骨髄異形成症候群(MDS)は、主な骨髄細胞株のうちの1つ以上における異形成及び非効果的な造血を特徴とする造血幹細胞障害の群を指す。これらの血液悪性腫瘍におけるプロテアソーム阻害剤によるNF−kBの標的化は、アポトーシスを誘発し、それにより悪性細胞を死滅させる(Braun et al.Cell Death and Differentiation(2006)13:748−758)。MDSを治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む、方法が本明細書にさらに提供される。MDSは、難治性貧血、環状鉄芽球を伴う難治性貧血、多分化異形成を伴う難治性血球減少、過剰芽細胞を伴う難治性貧血、分類不可能な骨髄異形成症候群、及び単離された欠失(5q)染色体異常に伴う骨髄異形成症候群を含む。
肥満細胞症は、脂肪細胞の増殖、及び1つ以上の器官系における脂肪細胞のその後の蓄積である。肥満細胞症としては、皮膚肥満細胞症、無痛性全身性肥満細胞症(ISM)、関連したクローン性血液学的非肥満細胞系統疾患を伴う全身性肥満細胞症(SM−AHNMD)、進行性全身性肥満細胞症(ASM)、肥満細胞性白血病(MCL)、肥満細胞肉腫(MCS)、及び皮膚外肥満細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。肥満細胞症を治療するための方法であって、有効量の本明細書に開示される化合物を肥満細胞症であると診断された患者に投与することを含む、方法が本明細書にさらに提供される。
プロテアソームは、NF−κBを調節し、ひいては免疫及び炎症反応に関与する遺伝子を調節する。例えば、NF−κBは、免疫グロブリン軽鎖κ遺伝子、IL−2受容体α鎖遺伝子、クラスI主要組織適合遺伝子複合体遺伝子、ならびに例えば、IL−2、IL−6、顆粒球コロニー刺激因子、及びIFN−βをコードするいくつかのサイトカイン遺伝子の発現に必要とされる(Palombella et al.,Cell(1994)78:773−785)。したがって、IL−2、MHC−I、IL−6、TNFα、IFN−β、または他の既に述べたタンパク質のうちのいずれかの発現のレベルに影響する方法が本明細書に提供され、各方法は、患者に、治療有効量の、本明細書に開示される化合物または組成物を投与することを含む。
患者における自己免疫疾患を治療する方法であって、治療有効量の本明細書に記載される化合物を投与することを含む、方法もまた、本明細書に提供される。本明細書で使用される場合、「自己免疫疾患」は、個体自身の組織から生じ、かつそれに対して反応する疾患または障害である。自己免疫疾患の例には、乾癬及び皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎)を含む炎症性皮膚疾患等の炎症反応;全身性強皮症及び硬化症;炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎等)に関連した反応;呼吸促迫症候群(成人呼吸促迫症候群(ARDS)を含む);皮膚炎;髄膜炎;脳炎;ブドウ膜炎;大腸炎;糸球体腎炎;湿疹及び喘息のアレルギー状態、ならびにT細胞の浸潤及び慢性の炎症反応を含む他の状態;アテローム性動脈硬化症;白血球接着不全症;リウマチ性関節炎;全身性エリテマトーデス(SLE);真性糖尿病(例えば、I型真性糖尿病もしくはインスリン依存性真性糖尿病);多発性硬化症;レイノー症候群;自己免疫性甲状腺炎;アレルギー性脳脊髄炎;シェーグレン症候群;若年型糖尿病;ならびに結核、サルコイドーシス、多発性筋炎、肉芽腫症、及び血管炎で典型的に見られるサイトカイン及びTリンパ球によって媒介される急性及び遅延型過敏症に関連する免疫応答;悪性貧血(アジソン病);白血球漏出を伴う疾患;中枢神経系(CNS)炎症性障害;多臓器損傷症候群;溶血性貧血(低温グロビン血症もしくはクームス陽性貧血を含むが、これらに限定されない);重症筋無力症;抗原−抗体複合体媒介性疾患;抗糸球体基底膜疾患;抗リン脂質抗体症候群;アレルギー性神経炎;グレーブス病;ランバート−イートン筋無力症症候群;水疱性類天疱瘡;天疱瘡;自己免疫多発性内分泌症;ライター病;スティフマン症候群;ベヘート病;巨細胞性動脈炎;免疫複合体性腎炎;IgA腎症;IgM多発性神経障害;免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)または自己免疫性血小板減少症が含まれるが、これらに限定されない。
免疫系は、ウイルス感染している、発癌性形質転換を生じ
ている、またはその表面によく分からないペプチドを提示している自己細胞をスクリーニングする。細胞内のタンパク質分解は、Tリンパ球への提示のための小ペプチドを生成し、MHCクラスI媒介性免疫応答を誘発する。したがって、本明細書に記載される化合物に細胞を曝露する(または対象に投与する)ことを含む、細胞における抗原提示を阻害または変化させるための免疫調節薬として、本明細書に提供される化合物または組成物を使用する方法が、本明細書に提供される。具体的な実施形態は、治療有効量の本明細書に記載される化合物を投与することを含む、患者における移植片対宿主疾患または宿主対移植片疾患等の移植片または移植関連疾患を治療する方法を含む。「移植片」という用語は、本明細書で使用される場合、受容者への移植のための、ドナーから得られた生物由来物質を指す。移植片は、例えば、膵島細胞等の単離細胞、新生児の羊膜、骨髄、造血性前駆体細胞、及び眼球組織、例えば角膜組織等の組織、ならびに皮膚、心臓、肝臓、脾臓、膵臓、甲状腺葉、肺、腎臓、管状臓器(例えば、腸管、血管、または食道)等の器官等の多様な材料を含む。管状臓器は、食道、血管、または胆管の損傷した部分を置き換えるために使用され得る。皮膚移植片は、火傷だけでなく、損傷した腸への被覆材として、または横隔膜ヘルニア等のある特定の欠陥を閉じるために使用され得る。移植片は、死体からであるか生きた提供者からであるかを問わず、ヒトを含む任意の哺乳動物源から得られる。場合によっては、ドナー及びレシピエントは、同じ患者である。いくつかの実施形態において、移植片は、骨髄または器官、例えば心臓であり、移植片のドナー及び宿主は、HLAクラスII抗原について一致させられる。
組織球性細胞及び樹状細胞新生物は、リンパ球への抗原の処理及び提示において大きな役割を担う食細胞及び補助細胞から生じる。樹状細胞におけるプロテアソーム含量の枯渇は、それらの抗原誘導応答を変化させることが示されている(Chapatte et al.Cancer Res.(2006)66:5461−5468)。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される組成物は、組織球性または樹状細胞新生物を有する患者に投与され得る。組織球性または樹状細胞新生物には、組織球性肉腫、ランゲルハンス細胞組織球症、ランゲルハンス細胞肉腫、指状嵌入樹状細胞肉腫/腫瘍、濾胞性樹状細胞肉腫/腫瘍、及び非特定の樹状細胞肉腫が挙げられる。
プロテアソームの阻害は、細胞型が増殖する疾患及び免疫障害の治療に有益であることが示されており、これにより、いくつかの実施形態において、治療有効量の、開示される化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、原発性免疫不全障害(PID)に関連したリンパ増殖性疾患(LPD)の治療が提供される。B細胞及びT細胞新生物ならびにリンパ腫を含む、リンパ球増殖性疾患の発生率上昇に関連した免疫不全の最も一般的な臨床背景は、原発性免疫不全症候群及び他の原発性免疫障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染、固形臓器または骨髄同種移植を受けた患者における医原性免疫抑制、ならびにメトトレキサート処置に関連した医原性免疫抑制である実質臓器または骨髄の同種移植片を受けた患者における医原性免疫抑制、ならびにメトトレキサート治療に関連した医原性免疫抑制である。LPDに一般的に関連した他のPIDは、毛細血管拡張性運動失調症(AT)、ウィスコット−アルドリッチ症候群(WAS)、分類不能型免疫不全症(CVID)、重症複合型免疫不全症(SCID)、X連鎖リンパ増殖性疾患(XLP)、ナイミーヘン染色体不安定症候群(NBS)、高IgM症候群、及び自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)であるが、これらに限定されない。
プロテアソーム阻害はまた、NF−κB活性化の阻害及びp53レベルの安定化に関連している。したがって、本明細書において提供される組成物はまた、NF−κB活性化を阻害し、細胞培養物中のp53レベルを安定化するために使用され得る。NF−κBは、炎症の主要調節因子であるため、抗炎症治療的介入のための魅力的な標的である。このため、本明細書に提供される組成物は、COPD、乾癬、喘息、気管支炎、肺気腫、及び嚢胞性線維症を含むが、これらに限定されない炎症を伴う状態の治療に有用であり得る。
開示される組成物は、筋消耗等のプロテアソームのタンパク質分解機能によって直接的に媒介される状態、またはNF−κB等のプロテアソームによって処理されるタンパク質を介して間接的に媒介される状態を治療するために使用され得る。プロテアソームは、細胞制御(例えば、細胞周期、遺伝子転写、及び代謝経路)、細胞間情報伝達、及び免疫応答(例えば、抗原提示)に関与するタンパク質(例えば、酵素)の急速な排除ならびに翻訳後プロセシングに関与する。以下で考察される具体例は、β−アミロイドタンパク質及び調節タンパク質、例えばサイクリン及び転写因子NF−κBを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される組成物は、脳卒中、神経系への虚血性損傷、神経外傷(例えば、衝撃性脳損傷、脊髄損傷、及び神経系への外傷性損傷)、多発性硬化症及び他の免疫介在性神経障害(例えば、ギランバレー症候群及びその変異形、急性運動軸索型神経障害、急性炎症性脱髄性多発性神経障害、ならびにフィッシャー症候群)、HIV/AIDS認知症、アクソノミー(axonomy)、糖尿病性神経障害、パーキンソン病、ハンチントン病、細菌性、寄生性、真菌性、及びウイルス性髄膜炎、脳炎、血管性認知症、多発梗塞性認知症、レビー小体認知症、ピック病等の前頭葉認知症、皮質下認知症(ハンチントンもしくは進行性核上性麻痺等)、局所的皮膚萎縮症候群(原発性失語症等)、代謝毒性認知症(慢性甲状腺機能低下症もしくはB12欠乏症等)、ならびに感染(梅毒もしくは慢性髄膜炎等)によって引き起こされる認知症を含むが、これらに限定されない、神経変性疾患及び状態の治療に有用である。
アルツハイマー病は、老人斑及び脳血管におけるβ−アミロイドタンパク質(β−AP)の細胞外への沈着物によって特徴付けられる。β−APは、アミロイドタンパク質前駆体(APP)から得られる39から42アミノ酸のペプチド断片である。APPの少なくとも3つのアイソフォームが知られている(695、751、及び770アミノ酸)。mRNAの選択的スプライシングがアイソフォームを生成し、正常処理はβ−AP配列の部分に影響し、それによりβ−APの生成を防止する。プロテアソームによる異常タンパク質処理は、アルツハイマー脳における多量のβ−APに寄与すると考えられている。ラットにおけるAPP処理酵素は、約10種類の異なるサブユニット(22kDa〜32kDa)を含有する。25kDaのサブユニットは、X−Gln−Asn−Pro−Met−X−Thr−Gly−Thr−SerのN末端配列を有し、それは、ヒトマクロパインのβ−サブユニットと同一である(Kojima,S.et al.,Fed.Eur.Biochem.Soc.,(1992)304:57−60)。APP処理酵素は、Gln15−−Lys16結合で切断し、酵素はまた、カルシウムイオンの存在下において、Met−1−−Asp1結合及びAsp1−−Ala2結合で切断して、β−APの細胞外ドメインを放出する。
したがって、1つの実施形態は、治療有効量の本明細書に提供される組成物を患者に投与することを含む、アルツハイマー病を治療する方法である。そのような治療は、β−APプロセシングの速度を減少させることと、β−APプラーク形成の速度を減少させることと、β−AP生成の速度を減少させることと、アルツハイマー病の臨床徴候を減少させることと、を含む。
悪液質及び筋消耗疾患を治療する方法もまた、本明細書に提供される。プロテアソームは、網状赤血球の成熟化及び線維芽細胞の増殖において、多くのタンパク質を分解する。インスリンまたは血清が欠乏した細胞において、タンパク質分解の速度はほぼ倍増する。プロテアソームの阻害は、タンパク質分解を低減し、それにより、筋肉タンパク質損失及び腎臓または肝臓への窒素負荷の両方を低減する。ペプチドプロテアソーム阻害剤(例えば、本明細書に提供される化合物または組成物)は、癌、慢性感染性疾患、発熱、筋肉廃用(萎縮症)及び除神経、神経損傷、空腹、アシドーシスに関連する腎不全、腎疾患ならびに肝不全等の状態を治療するのに有用である。例えば、Goldbergの米国特許第5,340,736号を参照されたい。治療方法は、細胞における筋肉タンパク質分解の速度を低減することと、細胞内タンパク質分解の速度を低減することと、細胞内のp53タンパク質の分解の速度を低減することと、p53関連癌の成長を阻害することと、を含む。これらの方法はそれぞれ、細胞(インビボまたはインビトロ、例えば、患者における筋肉)を、有効量の本明細書に開示される薬学的組成物と接触させて、細胞における筋肉タンパク質分解の速度を低減することと、細胞における細胞内タンパク質分解の速度を低減することと、及び/または細胞内のp53タンパク質の分解の速度を低減することと、を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、治療有効量の本明細書に開示される薬学的組成物を患者に投与することを含む。
線維症は、線維芽細胞の過剰増殖性の成長から生じる瘢痕組織の過剰及び持続性の形成であり、TGF−βシグナル伝達経路の活性化に関連する。線維症は、細胞外基質の広範囲の堆積が関与し、事実上任意の組織内で、またはいくつかの異なる組織にわたって生じ得る。通常、TGF−β刺激後に標的遺伝子の転写を活性化する細胞内シグナル伝達タンパク質(Smad)のレベルは、プロテアソーム活性により調節される。しかしながら、TGF−βシグナル伝達成分の分解の促進が、癌及び他の過剰増殖状態において観察されている。このため、ある特定の実施形態において、糖尿病性網膜症、黄斑変性、糖尿病性ネフロパシー、糸球体硬化症、IgAネフロパシー、肝硬変、胆道閉鎖症、鬱血性心不全、強皮症、放射線誘導線維症、ならびに肺線維症(特発性肺線維症、膠原血管病、サルコイドーシス、間質性肺疾患、及び外因性肺障害)等の過剰増殖性状態を治療するための方法が、提供される。火傷被害者の治療は、しばしば線維症によって妨害され、このため、いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物は、火傷を治療するために局所的または全身性投与により投与され得る。手術後の創縫合は、多くの場合、外観を損なう瘢痕を伴うが、これは線維症の阻害によって予防され得る。このため、ある特定の実施形態において、瘢痕の予防または減少のための方法が、本明細書に提供される。
プロテアソームにより処理される別のタンパク質は、Relタンパク質ファミリーのメンバーであるNF−κBである。転写活性化因子タンパク質のRelファミリーは、2つの群に分けることができる。第1の群は、タンパク質分解処理を必要とし、p50(NF−κB1、105kDa)及びp52(NF−κ2、100kDa)を含む。第2の群は、タンパク質分解処理を必要とせず、p65(RelA、Rel(c−Rel)、及びRelB)を含む。ホモ二量体及びヘテロ二量体の両方が、Relファミリーメンバーにより形成され得、例えば、NF−κBは、p50〜p65ヘテロ二量体である。IκB及びp105のリン酸化及びユビキチン化の後、2つのタンパク質がそれぞれ分解及び処理され、細胞質から核に移行する活性NF−κBを生成する。また、ユビキチン化p105は、精製プロテアソームにより処理される(Palombella et al.,Cell(1994)78:773−785)。活性NF−κBは、他の転写活性化因子、例えば、HMGI(Y)と立体特異性エンハンサー複合体を形成し、特定の遺伝子の選択的発現を誘発する。
NF−κBは、免疫及び炎症反応、ならびに有糸分裂事象に関与する遺伝子を調節する。例えば、NF−κBは、免疫グロブリン軽鎖κ遺伝子、IL−2受容体α鎖遺伝子、クラスI主要組織適合遺伝子複合体遺伝子、ならびに例えば、IL−2、IL−6、顆粒球コロニー刺激因子、及びIFN−βをコードするいくつかのサイトカイン遺伝子の発現に必要とされる(Palombella et al.,Cell(1994)78:773−785)。いくつかの実施形態は、IL−2、MHC−I、IL−6、TNFα、IFN−β、または他の既に述べたタンパク質のうちのいずれかの発現のレベルに影響する方法を含み、各方法は、治療有効量の本明細書に開示される組成物を患者に投与することを含む。p50を含む複合体は、急性炎症及び免疫反応の急速な調節因子である(Thanos,D.and Maniatis,T.,Cell(1995)80:529−532)。
NF−κBはまた、E−セレクチン、P−セレクチン、ICAM、及びVCAM−1をコードする細胞接着遺伝子の発現にも関与する(Collins,T.,Lab.Invest.(1993)68:499−508)。いくつかの実施形態において、細胞を有効量の本明細書に開示される薬学的組成物と接触させることを含む、細胞接着(例えば、E−セレクチン、P−セレクチン、ICAM、またはVCAM−1によって媒介される細胞接着)を阻害するための方法が提供される。いくつかの実施形態において、治療有効量の本明細書に開示される薬学的組成物を患者に投与することを含む、細胞接着(例えば、E−セレクチン、P−セレクチン、ICAM、またはVCAM−1によって媒介される細胞接着)を阻害するための方法が提供される。
虚血及び再灌流傷害は、体の組織に到達する酸素が欠乏した状態である低酸素症をもたらす。この状態は、Iκ−Bαの分解の増加を引き起こし、それによりNF−κBの活性化をもたらす。低酸素症をもたらす損傷の重症度は、プロテアソーム阻害剤の投与により低減され得ることが示されている。したがって、虚血状態または再灌流傷害を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の本明細書に提供される化合物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。そのような状態及び傷害の例には、急性冠症候群(不安定プラーク)、動脈閉塞性疾患(心臓性、大脳性、末梢動脈、及び血管閉塞)、アテローム性動脈硬化症(冠状硬化症、冠動脈疾患)、梗塞、心不全、膵臓炎、心筋肥大、狭窄、ならびに再狭窄が含まれるが、これらに限定されない。
NF−κBはまた、HIVエンハンサー/プロモーターに特異的に結合する。mac239のNefと比較すると、pbj14のHIV調節タンパク質Nefは、タンパク質キナーゼ結合を制御する領域において、2つのアミノ酸だけ異なる。タンパク質キナーゼは、IκBのリン酸化をシグナル伝達し、ユビキチン−プロテアソーム経路を通してIκB分解を誘発すると考えられている。分解後、NF−κBは、核中に放出され、このため、HIVの転写を強化する(Cohen,J.,Science,(1995)267:960)。患者におけるHIV感染を阻害するか、または減少させるための方法、ならびにウイルス性遺伝子発現のレベルを低下させるための方法が本明細書に提供され、各方法は、治療有効量の本明細書に開示される組成物を患者に投与することを含む。
ウイルス感染は、多くの疾患の病理に寄与する。持続的な心筋炎及び拡張型心筋症等の心臓状態は、コクサッキーウイルスB3に関連付けられている。感染したマウスの心臓の相対的全ゲノムマイクロアレイ分析において、特定のプロテアソームサブユニットが、慢性心筋炎に罹患しているマウスの心臓において均一に上方制御されていた(Szalay et al,Am J Pathol 168:1542−52,2006)。いくつかのウイルスは、ウイルスがエンドソームからサイトゾル内に放出されるウイルス侵入ステップにおいて、ユビキチン−プロテアソーム系を利用した。マウス肝炎ウイルス(MHV)は、コロナウイルス科に属し、これはまた、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロンウイルスを含む。Yu及びLai(J Virol 79:644−648,2005)は、MHVに感染した細胞のプロテアソーム阻害剤による処置が、ウイルス複製の減少をもたらし、未処置細胞のものと比較したウイルス価の低減に関連することを示した。ヘパドナウイルス科のメンバーであるヒトB型肝炎ウイルス(HBV)は、同様に、伝播するためにウイルスにコードされたエンベロープタンパク質を必要とする。プロテアソーム分解経路の阻害は、分泌されるエンベロープタンパク質の量の大幅な低減をもたらす(Simsek et al,J Virol 79:12914−12920,2005)。HBVに加えて、他の肝炎ウイルス(A、C、D、及びE)もまた、分泌、形態形成、及び発病にユビキチン−プロテアソーム分解経路を利用し得る。したがって、ある特定の実施形態において、細胞を、有効量の本明細書に開示される化合物と接触させることを含む、SARSまたはA、B、C、D、及びE型肝炎等のウイルス性感染を治療するための方法が提供される。いくつかの実施形態において、治療有効量の本明細書に開示される化合物を患者に投与することを含む、SARSまたはA、B、C、D、及びE型肝炎等のウイルス性感染を治療するための方法が提供される。
TNFα等のリポ多糖体(LPS)誘導性サイトカインの過剰産生は、敗血症性ショックに関連したプロセスの中心となると考えられている。さらに、LPSによる細胞の活性化における第1のステップは、特定の膜受容体へのLPSの結合であることが、一般に認められている。20Sプロテアソーム複合体のα−及びβ−サブユニットは、LPS結合タンパク質として特定されており、これは、LPS誘導性シグナル伝達が、敗血症の治療または予防における重要な治療標的であり得ることを示唆している(Qureshi,N.et al.,J.Immun.(2003)171:1515−1525)。したがって、ある特定の実施形態において、本明細書に提供される組成物は、敗血症性ショックを予防する、及び/または治療するために、TNFαの阻害のために使用され得る。
細胞内タンパク質分解は、Tリンパ球への提示のための小ペプチドを生成し、MHCクラスI媒介免疫応答を誘発する。免疫系は、ウイルス感染している、または発癌性形質転換を生じている自己細胞をスクリーニングする。1つの実施形態は、細胞中の抗原提示を阻害するための方法であり、細胞を本明細書に記載される組成物に曝露することを含む。いくつかの実施形態において、細胞を、有効量の本明細書に提供される化合物または組成物と接触させて、細胞中の抗原提示を阻害する。さらなる実施形態は、患者の免疫系を抑制する(例えば、移植拒絶反応、アレルギー、喘息を阻害する)ための方法であり、治療有効量の本明細書に記載される組成物を患者に投与することを含む。本明細書に提供される組成物を使用して、ループス、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、ならびに潰瘍性大腸炎及びクローン病等の炎症性腸疾患等の自己免疫疾患を治療することもできる。
別の実施形態は、プロテアソームまたは多触媒性活性を有する他のNtnにより産生される抗原ペプチドのレパートリーを改変するための方法である。例えば、20SプロテアソームのPGPH活性が選択的に阻害される場合、いかなる酵素阻害もなしに、または、例えば、プロテアソームのキモトリプシン様活性の選択的阻害と共に産生及び提示されるものとは異なるセットの抗原ペプチドが、プロテアソームにより産生され、細胞の表面上のMHC分子において提示される。
ある特定のプロテアソーム阻害剤は、インビトロ及びインビボでのユビキチン化NF−κBの分解及び処理の両方をブロックする。プロテアソーム阻害剤はまた、IκB−α分解及びNF−κB活性化をブロックする(Palombella,et al.Cell(1994)78:773−785及びTraenckner,et al.,EMBO J.(1994)13:5433−5441)。いくつかの実施形態において、細胞を、本明細書に記載される組成物と接触させることを含む、IκB−α分解を阻害するための方法が提供される。いくつかの実施形態において、細胞を、有効量の組成物と接触させて、IκB−α分解を阻害する。さらなる実施形態は、細胞、筋肉、臓器、または患者においてNF−κBの細胞内含量を減少させるための方法であり、細胞、筋肉、臓器、または患者を本明細書に記載される組成物と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、細胞を、有効量の組成物と接触させて、細胞中のNF−κBの細胞内含量を減少させる。
タンパク質分解処理を必要とする他の真核生物転写因子は、基本転写因子TFIIA、単純ヘルペスウイルスVP16付属タンパク質(宿主細胞因子)、ウイルス誘導性IFN調節因子2タンパク質、及び膜結合ステロール調節要素結合タンパク質1を含む。
サイクリン依存性真核細胞周期に影響を及ぼすための方法が本明細書にさらに提供され、細胞を(インビトロまたはインビボにおいて)、本明細書において開示される組成物に曝露することを含む。サイクリンは、細胞周期制御に関与するタンパク質である。プロテアソームは、サイクリンの分解に関与する。サイクリンの例には、有糸分裂サイクリン、G1サイクリン、及びサイクリンBが挙げられる。サイクリンの分解は、細胞が、ある細胞周期段階(例えば、有糸分裂)から出て、別の細胞周期段階(例えば、分裂)に入ることを可能にする。すべてのサイクリンは、p34cdc2タンパク質キナーゼまたは関連キナーゼに関連していると考えられている。タンパク質分解標的化シグナルは、アミノ酸42−RAALGNISEN−50(破壊ボックス)に限局される。サイクリンは、ユビキチンリガーゼの影響を受けやすい形態に変換されること、またはサイクリン特異的リガーゼは、有糸分裂の間に活性化されることが証明されている(Ciechanover,A.,Cell,(1994)79:13−21)。プロテアソームの阻害は、サイクリン分解を阻害し、したがって、例えばサイクリン関連癌における細胞増殖を阻害する(Kumatori et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:7071−7075)。患者における増殖性疾患(例えば、癌、乾癬、または再狭窄)を治療するための方法が本明細書に提供され、患者に、治療有効量の本明細書に開示される組成物を投与することを含む。患者におけるサイクリン関連炎症を治療するための方法もまた本明細書に提供され、患者に本明細書に記載される組成物の治療有効量を投与することを含む。
さらなる実施形態は、癌タンパク質のプロテアソーム依存性制御に影響を及ぼすための方法、ならびに癌成長を治療または阻害する方法を含み、各方法は、本明細書に開示される組成物に、細胞を(インビボで、例えば患者において、またはインビトロにおいて)曝露することを含む。HPV−16及びHPV−18誘導E6タンパク質は、ATP及びユビキチン依存的複合体化、ならびに粗網状赤血球溶血液中のp53の分解を刺激する。劣性癌遺伝子p53は、突然変異熱不安定性E1を有する細胞株において、非許容温度で蓄積することが示されている。p53のレベルの上昇は、アポトーシスをもたらし得る。ユビキチン系により分解されるプロト腫瘍性タンパク質は、c−Mos、c−Fos、及びc−Junを含む。1つの実施形態は、p53関連アポトーシスを処置するための方法であり、治療有効量の本明細書に開示される化合物を患者に投与することを含む。
別の実施形態において、開示される組成物は、寄生性原虫に起因する感染等の寄生虫感染の治療に有用である。これらの寄生虫のプロテアソームは、主として、細胞分化及び複製活性に関与すると見なされている(Paugam et al.,Trends Parasitol.2003,19(2):55−59)。さらに、エントアメーバ種は、プロテアソーム阻害剤に曝露されると、被嚢形成能力を失うことが示されている(Gonzales,et al.,Arch.Med.Res.1997,28,Spec No:139−140)。ある特定のそのような実施形態において、開示される組成物は、プラスモジウム属(マラリアを引き起こす熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、及び卵形マラリア原虫を含む)、トリパノソーマ属(シャーガス病を引き起こすクルーズトリパノソーマ、及びアフリカ睡眠病を引き起こすブルーストリパノソーマを含む)、リーシュマニア属(アマゾンリーシュマニア、ドノバンリーシュマニア、幼児リーシュマニア、メキシコリーシュマニア等を含む)、ニューモシスチスカリニ(AIDS及び他の免疫抑制患者において肺炎を引き起こすことが知られている原性動物)、トキソプラズマ原虫、赤痢アメーバ、エントアメーバインバデンス、及びランブル鞭毛虫から選択される寄生性原虫によって引き起こされる、ヒトにおける寄生性感染の治療に有用である。ある特定の実施形態において、開示される組成物は、プラスモジウムヘルマニ、クリプトスポリジウム属、単包条虫、アイメリアテネラ、ザルコシスティスニューローナ、及びアカパンカビから選択される寄生性原虫によって引き起こされる、動物及び家畜における寄生性感染の処置に有用である。寄生虫疾患の治療におけるプロテアソーム阻害剤として有用な他の化合物は、国際公開第WO98/10779号に記載されており、これは、本明細書にその全体が組み込まれる。
ある特定の実施形態において、開示される組成物は、寄生虫においてプロテアソーム活性を不可逆的に阻害する。そのような不可逆的阻害は、赤血球及び白血球において回復することなく、酵素活性の停止を誘導することが示されている。ある特定のそのような実施形態において、血球の長い半減期は、寄生虫への反復的曝露に対する治療に関して、長期的な保護を提供し得る。ある特定の実施形態において、血球の長い半減期は、将来の感染に対する化学的予防に関して、長期的な保護を提供し得る。
原核生物は、真核生物20Sプロテアソーム粒子と同等のものを有する。原核生物20S粒子のサブユニット組成は、真核生物のサブユニット組成よりも単純であるにもかかわらず、同様の様式でペプチド結合を加水分解する能力を有する。例えば、ペプチド結合への求核性攻撃は、β−サブユニットのN末端上のスレオニン残基を介して生じる。いくつかの実施形態において、治療有効量の本明細書に提供される化合物または組成物を患者に投与することを含む、原核性感染を治療する方法が提供される。原核生物感染は、マイコバクテリア(例えば、結核、ハンセン病、もしくはブルーリ潰瘍)または古細菌によりもたらされる疾患を含み得る。
また、20Sプロテアソームに結合する阻害剤は、骨組織培養における骨形成を刺激することが示されている。さらに、そのような阻害剤がマウスに全身投与された場合、ある特定のプロテアソーム阻害剤は、骨量及び骨形成速度を70%超増加させた(Garrett,I.R.et al.,J.Clin.Invest.(2003)111:1771−1782)ことから、ユビキチン−プロテアソーム機構が骨芽細胞分化及び骨形成を調節することが示唆されている。したがって、開示される組成物は、骨粗鬆症等の骨喪失を伴う疾患の治療及び/または予防において有用であり得る。
本明細書において提供される化合物を投与することを含む、癌、自己免疫疾患、移植片もしくは移植関連状態、神経変性疾患、線維症関連状態、虚血関連状態、感染(ウイルス、寄生虫、もしくは原核生物)、及び骨喪失を伴う疾患から選択される疾患または状態を治療するための方法が本明細書に提供される。
骨組織は、骨細胞を刺激するための能力を有する因子の優れた源である。したがって、ウシ骨組織の抽出物は、骨の構造的完全性の維持を担う構造タンパク質だけでなく、骨細胞を刺激して増殖させることができる生物学活性な骨成長因子も含有する。これらの後者の因子には、最近記載された骨形成タンパク質(BMP)と呼ばれるタンパク質のファミリーがある。これらの成長因子は全て、他の種類の細胞、及び骨細胞に対する効果を有し、Hardy,M.H.,et al.,Trans Genet(1992)8:55−61は、骨形態形成タンパク質(BMP)が、発達の間、毛包内に差次的に発現するという証拠を記載している。Harris,S.E.,et al.,J Bone Miner Res(1994)9:855−863は、BMP−2及び骨細胞内の他の物質の発現に対するTGF−βの効果について記載している。成熟毛包内のBMP−2発現は、成熟化の間、及び細胞増殖期間後にも生じる(Hardy,et al.(1992、上記参照)。したがって、本明細書に提供される化合物は、毛包成長刺激にも有用であり得る。
また、リソソーム蓄積障害を治療するための方法も本明細書に提供される。リソソーム蓄積障害は、スフィンゴ糖脂質、グリコーゲン、ムコ多糖体、及び糖タンパク質を含む、様々な物質の異常代謝によって引き起こされる一群の疾患である。外因性及び内因性の高分子量の化合物の代謝は、通常、リソソーム内に生じ、このプロセスは、通常、分解酵素による段階プロセスにおいて調節される。したがって、ある特定の酵素の活性の欠損は、プロセスを低下させ、特定の基質の蓄積を引き起こし得る。プロテアソームの阻害は、リソソーム蓄積障害を患っている患者におけるある特定の基質の機能を向上させ得ることを示している(Y.Shimada et al.Biochem.Biophys.Res.Commun.(2011)415(2):274−8)。これらの疾患の大部分は、i)幼児期発症、ii)若年発症、またはiii)後期発症の亜型に臨床的に分類され得る。幼児期発症型は、多くの場合、通常、残存酵素活性がなく、最も重度である。後期発症型は、多くの場合、低いが、検出可能な残留酵素活性を有することが多く、軽度である。若年発症型の重症度は、幼児期発症型と後期発症型の間にある。そのような障害の非限定的な例には、ポンペ病、ゴーシェ病、ファブリー病、GM1ガングリオシドーシス、テイサックス病、サンドホッフ病、ニーマンピック病、クラッベ病、ファーバー病、異染性白質萎縮症、ハーラーシャイエ病、ハンター病、サンフィリッポ病A型、サンフィリッポ病B型、サンフィリッポ病C型、サンフィリッポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトーラミー症候群、スライ病、α−マンノシドーシス、β−マンノシドーシス、フコシドーシス、シアリドーシス、及びシンドラー/神崎病が含まれる。したがって、1つの実施形態は、治療有効量の本明細書に提供される組成物を患者に投与することを含む、ポンペ病を治療する方法である。
開示される組成物はまた、プロテアソームを含むNtnヒドロラーゼによって処理されるタンパク質(例えば、酵素、転写因子)をスクリーニングするための、(例えば、診断用キット中の、または臨床検査室において使用するための)診断剤としても有用である。開示される組成物はまた、X/MB1サブユニットまたはα鎖を特異的に結合させ、それに関連したタンパク質分解活性を阻害するための研究試薬としても有用である。例えば、プロテアソームの他のサブユニットの活性(及びその特異的阻害剤)が決定され得る。
ほとんどの細胞タンパク質は、成熟または活性化の間に、タンパク質分解プロセシングに供される。本明細書に開示される酵素阻害剤は、細胞の発達プロセスもしくは生理的プロセスまたは出力が、特定のNtnヒドロラーゼのタンパク質分解活性により調節されるかどうかを判定するために使用され得る。そのような方法の1つは、生物、無傷の細胞調製物、または細胞抽出物を入手することと、その生物、細胞調製物、または細胞抽出物を、本明細書に開示される組成物に曝露することと、この化合物を曝露された生物、細胞調製物、または細胞抽出物をシグナルに曝露することと、このプロセスまたは出力をモニタリングすることと、を含む。本明細書に開示される化合物の高い選択性は、所与の細胞の発育的もしくは生理的プロセスにおけるNtn(例えば、20Sプロテアソーム)を迅速かつ正確に排除するか、または関連付けることができる。
薬学的組成物及び投与
本明細書に提供される方法には、本明細書に提供される化合物のうちの1つ以上を含む、薬学的組成物の製造及びその使用が含まれる。また、薬学的組成物自体も含まれる。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物は、米国特許第7,737,112号及び米国特許出願第13/614,829号(これらの各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるように製剤化され得る。薬学的組成物は、典型的に、薬学的に許容される担体を含む。
「薬学的に許容される」という語句は、正常な医学的判断の範囲内でヒト及び動物の組織と接触する使用に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、合理的な利益/リスク比に見合う、リガンド、材料、組成物、及び/または剤形を指すために、本明細書において用いられる。
「薬学的に許容される担体」という語句は、本明細書で使用される場合、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化材料等の薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを意味する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、薬学的投与と適合する緩衝液、注射用滅菌水、溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含む。各担体は、製剤の他の成分と適合し、患者に対して有害ではないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例には、(1)ラクトース、グルコース、及びスクロース等の糖、(2)トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及び置換及び非置換βシクロデキストリン等のデンプン、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース等のセルロース、ならびにその誘導体、(4)粉末状トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)滑石、(8)カカオ油脂及び坐剤ロウ等の賦形剤、(9)落花生油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油等の油、(10)プロピレングリコール等のグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール等のポリオール、(12)オレイン酸エチル及びラウリル酸エチル等のエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)発熱物質非含有水、(17)等張性生理食塩水、(18)リンゲル溶液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、ならびに(21)薬学的製剤に用いられる他の無毒性の適合性物質が挙げられる。ある特定の実施形態において、本明細書に提供される薬学的組成物は、非発熱性である、すなわち、患者に投与した場合に著しい温度上昇を起こさない。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に提供される化合物の比較的非毒性の無機及び有機酸付加塩を指す。これらの塩は、本明細書に提供される化合物の最終単離または精製中にその場で、あるいは化合物をその遊離塩基形態で好適な有機酸または無機酸と別々に反応させ、次いで、形成された塩を単離することによって調製することができる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、及びアミノ酸塩等が挙げられる。(例えば、Berge et al.(1977)“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66:1−19を参照のこと)
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物は、1つ以上の酸性官能基を含んでいてもよく、したがって、薬学的に許容される塩基と薬学的に許容される塩を形成することが可能である。「薬学的に許容される塩」という用語は、これらの例においては、本明細書に提供される化合物の比較的非毒性の無機及び有機塩基付加塩を指す。これらの塩も同様に、化合物の最終単離及び精製中にその場で、または精製された化合物をその遊離酸形態で、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物塩、炭酸塩もしくは重炭酸塩等の適切な塩基と、アンモニアと、または薬学的に許容される有機1級、2級、もしくは3級アミンと別々に反応させることによって調製することができる。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類塩には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びアルミニウム塩等が挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンには、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等が挙げられる(例えば、Bergeらの上記を参照のこと)。
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム等の湿潤剤、乳化剤、及び滑沢剤、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、及び芳香剤、保存剤ならびに抗酸化剤もまた、本組成物中に存在し得る。
薬学的に許容される抗酸化剤の例には、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性抗酸化剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール等の油溶性抗酸化剤、ならびに(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤等が挙げられる。
薬学的組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤等のアジュバントを含有し得る。微生物の作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等の種々の抗菌剤及び抗真菌剤の含有によって確実にされ得る。糖及び同等物等の張度調整剤を組成物中に含むこともまた望ましくあり得る。さらに、注射可能な薬学的形態の長期的吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる薬剤の含有によってもたらされ得る。
場合によっては、本明細書に提供される1つ以上の化合物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅らせることが望ましい。例えば、非経口投与された化合物の遅延吸収は、その化合物を油状ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成され得る。
本明細書に記載されるように調製される組成物は、当該技術分野で周知の通り、治療される障害、ならびに患者の年齢、状態、及び体重に応じて、種々の形態で投与され得る。例えば、組成物が経口投与される場合、これらは、錠剤、カプセル、顆粒、散剤、またはシロップ剤として製剤化され得るか、あるいは、非経口投与については、これらは、(静脈内、筋肉内、もしくは皮下)注射物、点滴注入調製物、または坐剤として製剤化され得る。眼粘膜経路による適用については、これらは、点眼剤または眼軟膏剤として製剤化され得る。これらの製剤は、本明細書に記載される方法と併せて従来の手段によって調製され得、所望の場合、活性成分は、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、可溶化剤、懸濁助剤、乳化剤、もしくはコーティング剤等の任意の従来の添加剤または賦形剤と混合され得る。
経口投与に適している製剤は、活性成分として所定量の本明細書に提供される化合物をそれぞれ含有する、カプセル(例えば、ゼラチンカプセル)、カシェ剤、丸剤、錠剤、のど飴(風味のある基剤、通常スクロース及びアカシアもしくはトラガカントを使用する)、散剤、トローチ、顆粒の形態であってもよく、または水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型の液体エマルションとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、またはトローチ剤(ゼラチン及びグリセリンもしくはスクロース及びアカシア等の不活性マトリクスを使用する)、ならびに/または口腔洗浄薬等としてであってもよい。組成物はまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与されてもよい。経口組成物は、概して、不活性希釈剤または食用担体を含む。
薬学的に適合する結合薬剤及び/またはアジュバント材料が、経口組成物の一部として含まれ得る。経口投与のための固形剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒等)において、活性成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム等の1つ以上の薬学的に許容される担体、ならびに/または以下のうちのいずれかと混合され得る:(1)デンプン、シクロデキストリン、ラクトース、スクロース、サッカリン、グルコース、マンニトール、及び/もしくはケイ酸等の充填剤または増量剤、(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/もしくはアカシア等の結合剤、(3)グリセロール等の保湿剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、プリモゲル、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(5)パラフィン等の溶解遅延剤、(6)4級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、(7)例えば、アセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート等の湿潤剤、(8)カオリン及びベントナイト粘土等の吸収剤、(9)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステロート、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物等の滑沢剤、(10)コロイド状二酸化ケイ素等の流動促進剤、(11)着色剤、ならびに(12)ペパーミント、メチルサリチル酸、またはオレンジ香等の香味剤。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合、薬学的組成物はまた、緩衝剤を含み得る。類似の型の固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用して、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルにおいて、充填剤としても用いられ得る。
錠剤は、任意に1つ以上の補助成分を用いて、圧縮または成形によって作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは架橋結合カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤、または分散剤を用いて調製され得る。成形錠剤は、好適な機械において、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を成形することにより作製され得る。
錠剤、ならびに糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒等の他の固形剤形は、任意に刻み目が付けられてもよく、または腸溶コーティング及び製薬処方分野で周知の他のコーティング等のコーティング及び殻とともに調製されてもよい。それらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを提供するための種々の比率でのヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、リポソーム、ミクロスフェア、及び/またはナノ粒子を用いて、その内部の活性成分の遅延放出または制御放出を提供するように製剤化され得る。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用直前に滅菌水もしくは一部の他の滅菌注射媒体中に溶解することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌してもよい。これらの組成物はまた、任意に、不透明化剤を含有してもよく、任意に遅延した様式で、胃腸管のある特定の部分に活性成分(複数を含む)のみを、または活性成分を優先的に放出する組成物であり得る。用いられ得る包埋組成物の例には、ポリマー物質及びロウが挙げられる。活性成分はまた、適切な場合、上記の賦形剤のうちの1つ以上を用いて、マイクロカプセル化された形態であり得る。
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒等の当該技術分野で通常用いられる不活性希釈剤、可溶化剤、ならびにエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚種油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル等の乳化剤、ならびにそれらの混合物を含有し得る。
不活性希釈剤以外に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、及び懸濁剤等のアジュバント、甘味料、香味剤、着色剤、芳香剤、及び保存剤を含み得る。
懸濁液は、活性化合物(複数を含む)に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、ならびにこれらの混合物を含有し得る。
非経口投与に適している薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される滅菌水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、あるいは使用直前に滅菌注射可能液もしくは分散液中に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて、本明細書に提供される1つ以上の化合物を含むことができ、これは、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含有し得る。
本明細書に提供される薬学的組成物において用いられ得る好適な水性及び非水性担体の例には、注射用水(例えば、注射用滅菌水)、静菌水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール)、滅菌緩衝液(クエン酸緩衝液等)、及びこれらの好適な混合物、オリーブ油等の植物油、ならびにオレイン酸エチル及び等の注射可能な有機エステル、及びCremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,NJ)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、滅菌されていなければならず、容易な注射可能性が存在する程度まで流体的であるべきである。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材料の使用によって、分散液の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持され得る。
組成物は、製造及び貯蔵の条件下で安定的であるべきであり、細菌及び真菌等の微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって達成され得る。多くの場合において、等張剤、例えば、糖、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、及び塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射可能な組成物の長期的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、アルミニウムモノステアレート及びゼラチンを組成物中に含むことによってもたらされ得る。
滅菌された注射可能な溶液は、必要に応じて、上で列挙された成分のうちの1つまたはその組み合わせとともに、適切な溶媒中に必要な量の活性化合物を組み込み、濾過滅菌を行うことにより調製され得る。概して、分散液は、活性化合物を、塩基性分散媒及び上で列挙されたものから必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に組み込むことによって調製される。滅菌された注射可能な溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分に加えて、事前に滅菌濾過したその溶液から任意のさらなる所望の成分の粉末を生じるフリーズドライ(凍結乾燥)である。
注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中に本明細書に提供される化合物のマイクロエンカプセルまたはナノエンカプセルマトリクスを形成することによって作製され得る。薬物対ポリマー比、及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポー製剤はまた、薬物を身体組織に適合するリポソーム、マイクロエマルション、またはナノエマルション中に封入することによっても調製される。
吸引による投与のため、化合物は、好適な噴霧剤、例えば、二酸化炭素等の気体を含有する加圧容器もしくはディスペンサー、または噴霧器からのエアロゾルスプレー剤の形態で送達され得る。そのような方法には、米国特許第6,468,798号に記載される方法を含み、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、とりわけ、Hamajima et al.,Clin.Immunol.Immunopathol.,88(2),205−10(1998)に記載されるように、鼻腔内送達が達成され得る。リポソーム(例えば、米国特許第6,472,375号(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される)、マイクロカプセル化、及びナノカプセル化もまた使用され得る。生分解性の標的可能な微粒子送達系または生分解性の標的可能なナノ粒子送達系もまた、使用され得る(例えば、米国特許第6,471,996号(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される通りである)。
本明細書に記載される治療化合物の全身性投与はまた、経粘膜的または経皮的な方法によるものであり得る。本明細書に提供される化合物の局所投与または経皮投与のための剤形には、散剤、スプレー剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、液剤、パッチ、及び吸入剤が挙げられる。活性成分は、薬学的に許容される担体、及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴霧剤と、滅菌条件下で混合され得る。経粘膜的または経皮的投与のために、透過されるべき障壁に適切な浸透剤が、製剤に使用される。そのような浸透剤は、概して、当該技術分野で既知であり、例えば、経粘膜投与に対して、洗浄剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、経鼻スプレー剤または坐剤の使用を通して達成され得る。経皮投与のために、活性化合物は、概して当該技術分野で既知の、軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化される。
軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルは、1つ以上の本明細書に提供される化合物に加えて、動物性及び植物性脂肪、油、ロウ、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、滑石、ならびに酸化亜鉛、またはこれらの混合物等の賦形剤を含有し得る。
散剤及びスプレー剤は、本明細書に提供される化合物に加えて、ラクトース、滑石、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物等の賦形剤を含有し得る。スプレー剤は、慣習的な噴霧剤、例えばクロロフルオロ炭化水素、ならびに揮発性の非置換炭化水素、例えば、ブタン及びプロパンをさらに含有し得る。
本明細書に提供される化合物は、エアロゾルによって投与され得る。これは、本明細書に提供される化合物または組成物を含む、水性エアロゾル、リポソーム調製物、または固体粒子を調製することによって達成される。非水性(例えば、フルオロカーボン噴霧剤)懸濁液が使用され得る。いくつかの実施形態では、化合物の分解を生じ得る剪断への薬剤の曝露を最小限にするため、超音波噴霧器が好ましい。
通常、水性エアロゾルは、薬剤の水溶液または水性懸濁液を従来の薬学的に許容される担体及び安定剤と一緒に製剤化することによって作製され得る。その担体及び安定剤は、特定の組成物の要件によって変動するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(TWEEN(登録商標)(ポリソルベート)、PLURONIC(登録商標)(ポロキサマー)、ソルビタンエステル、レシチン、CREMOPHOR(登録商標)(ポリエトキシレート))、ポリエチレングリコール等の薬学的に許容される共溶媒、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシン等のアミノ酸、緩衝液、塩、糖、または糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは、一般的に、等張性溶液から調製される。
経皮パッチは、身体に対して本明細書に提供される化合物の制御送達を提供するという付加的な利点を有する。このような剤形は、薬剤を適切な媒体中に溶解または分散させることによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚にわたる化合物の流動を増加させるために使用され得る。このような流動の速度は、速度制御膜を提供するか、または化合物をポリマーマトリクスもしくはゲル中に分散させるかのいずれかによって制御され得る。
薬学的組成物はまた、坐剤または直腸及び/または膣内送達のための保持浣腸剤の形態で調製され得る。坐剤として提示される製剤は、本明細書に提供される1つ以上の化合物を、例えば、カカオ油脂、グリセリド、ポリエチレングリコール、坐剤ロウ、またはサチリレートを含む、1つ以上の好適な非刺激性の賦形剤または担体と混合することによって調製され得、これは室温で固体であるが体温では液体であり、ゆえに直腸または膣腔内で融解し、活性剤を放出する。膣投与に適している製剤にはまた、適切であることが当該技術分野で既知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡剤、またはスプレー製剤が挙げられる。
1つの実施形態において、治療化合物は、移植組織及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤等の、体からの急速な排除から治療化合物を保護するであろう担体を用いて調製される。エチレンビニル酢酸塩、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸等の生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。そのような製剤は、標準的な技術を使用して調製され得るか、または例えば、Alza Corporation and Nova Pharmaceuticals,Incから商業的に得られ得る。リポソームの懸濁液(細胞性抗原に対するモノクローナル抗体を有する選択された細胞に標的化されるリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載される、当業者に既知の方法に従って調製され得る。
上述のように、本明細書に提供される1つ以上の化合物の調製物は、経口的に、非経口的に、局所的に、または直腸に与えられ得る。それらは、当然のことながら、各々の投与経路に適した形態で与えられる。例えば、それらは、錠剤またはカプセル形態で、注射、吸入、点眼薬、軟膏、坐剤、注入によって、ローションまたは軟膏によって局所的に、及び坐剤によって直腸的に投与される。いくつかの実施形態において、投与は経口である。
「非経口投与」及び「非経口的に投与される」という語句は、本明細書で使用される場合、経腸投与及び局所投与以外の投与様式、通常は、注射による投与を意味し、静脈内注射、筋肉内注射、動脈内注射、髄腔内注射、嚢内注射、眼窩内注射、心臓内注射、皮内注射、腹腔内注射、経気管注射、皮下注射、表皮下注射、関節内注射、被膜下注射、くも膜下注射、脊髄内注射、及び胸骨内注射、ならびに注入が挙げられるが、これらに限定されない。
「全身投与」、「全身的に投与される」、「末梢投与」、及び「末梢的に投与される」という語句は、本明細書で使用される場合、リガンド、薬物、または他の材料を、それが患者の系に入り、次いで代謝及び他の同様のプロセスに供されるように、中枢神経系内への直接投与以外で投与すること、例えば、皮下投与を意味する。
本明細書に提供される化合物は、治療のために、ヒト及び他の動物に、経口投与、例えば、スプレーによる経鼻投与、直腸投与、膣内投与、非経口投与、大槽内投与、ならびに頬側投与及び舌下投与を含む散剤、軟膏、またはドロップによる局所投与を含む任意の好適な投与経路によって投与され得る。選択される投与経路に関わらず、好適な水和形態で使用され得る本明細書に提供される化合物及び/または本明細書に提供される薬学的組成物は、当業者に既知の従来の方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化される。別の実施形態において、薬学的組成物は、経口液剤または非経口液剤である。別の実施形態は、投与の前に再構成され得るフリーズドライの調製物である。固体として、この製剤はまた、錠剤、カプセル、または散剤を含み得る。
本明細書に提供される薬学的組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者、組成物、及び投与方法において、患者への毒性がなく、所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量が得られるように変化させ得る。
薬学的に許容される混合物中の本明細書に提供される化合物の濃度は、投与されるべき化合物の投薬量、用いられる化合物(複数を含む)の薬物動態性特徴、及び投与経路を含む、いくつかの要因によって異なるであろう。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される組成物は、非経口投与のための他の材料の中でも特に、約0.1〜10%w/vの本明細書に開示される化合物を含有する水溶液中に提供され得る。典型的な用量範囲は、1〜4回の分割用量で与えられる1日当たり約0.01〜約50mg/kg(体重)を含み得る。各分割用量は、同じか、または異なる化合物を含有し得る。この投薬量は、患者の全体的な健康、ならびに選択された化合物(複数を含む)の製剤及び投与経路を含む、いくつかの要因に応じて異なる治療有効量であるだろう。
0.005%〜100%の範囲内で本明細書に記載される化合物を含有し、残部が非毒性担体からなる剤形または組成物が、調製され得る。これらの組成物の調製のための方法は、当業者に既知である。企図される組成物は、0.001%〜100%の、1つの実施形態において0.1〜95%の、別の実施形態において75〜85%の活性成分を含有し得る。投薬量は、患者の症状、年齢、及び体重、治療または予防されるべき障害の性質及び重症度、薬物の投与経路ならびに形態に応じて異なるが、一般に、化合物の0.01〜2000mgの1日投薬量が成人患者に推奨され、これは、単回用量でまたは分割用量で投与され得る。単一の剤形を生成するための担体材料と組み合わされ得る活性成分の量は、概して、治療効果を生じる化合物の量であるだろう。
薬学的組成物は、一度に投与されてもよく、または時間の間隔で投与されるべきいくつかのより小さい用量に分割されてもよい。正確な投薬量及び治療期間は治療される疾患の関数であり、既知の試験プロトコルを使用して、またはインビボもしくはインビトロの試験データからの推定によって、経験的に決定され得ることが理解される。濃度及び投薬の値も軽減されるべき状態の重症度によって変化し得ることに留意されたい。任意の特定の患者において、特異的な投薬レジメンが個体の必要性及び組成物の投与を行う、または監督する人物の専門的な判断に従って経時的に調整されるべきであり、ならびに本明細書に示される濃度範囲は、ただの例示であり、特許請求される組成物の範囲または実践を制限するとは意図されないことをさらに理解されたい。
所与の患者における治療効果の観点から最も有効な結果を生じるであろう組成物の正確な投与時間及び/または量は、特定の化合物の活性、薬物動態性、及びバイオアベイラビリティー、患者の生理学的状態(年齢、性別、疾患の型及び病期、全般的身体状態、所定の投薬量に対する応答性、及び薬の種類を含む)、投与経路等に応じて異なるだろう。しかしながら、上記のガイドラインは、患者をモニタリングすること、ならびに投薬量及び/またはタイミングを調整することからなる、慣用実験にすぎないものを必要とする、例えば、最適な投与時期及び/または投与量を決定するような、治療を微調整するための基本として用いられ得る。
薬学的組成物は、投与のための指示書と一緒に、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。
1つ以上の他の治療薬が、本明細書に記載される化合物、または本明細書に記載される化合物を含む薬学的組成物と共に投与される共同(conjoint)療法もまた、本明細書に提供される。そのような共同治療は、治療の個々の成分の同時投薬、連続投薬、または分離投薬によって達成され得る。共同療法の非限定的な例は、国際出願第WO2010/048298号に提供されるものを含む。
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される組成物は、1つ以上の他のプロテアソーム阻害剤(複数を含む)と共に共同投与される(例えば、米国特許第7,232,818号及び同第8,088,741号を参照されたく、当該特許の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。プロテアソーム阻害剤のさらなる例には、ボルテゾミブ、MLN9708、マリゾミブ、カーフィルゾミブが挙げられる(例えば、米国特許第7,417,042号を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、及び米国特許第7,687,456号及び米国特許第7,691,852号(当該特許の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される化合物が挙げられる。
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される組成物は、化学療法薬と共に共同投与される。好適な化学療法薬には、天然生成物、例えばビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビンオレルビン)、パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン、及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシン、酵素(例えば、全身的にL−アスパラギンを代謝し、自身のアスパラギンを合成する能力を有さない細胞を枯渇させる、L−アスパラギナーゼ)、抗血小板剤、抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤、例えば窒素マスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、及び類似体、メルファラン、及びクロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、CDK阻害剤(例えば、セリシクリブ、UCN−01、P1446A−05、PD−0332991、ジナシクリブ、P27−00、AT−7519、RGB286638、及びSCH727965)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン(BCNU)及び類似体、及びストレプトゾシン)、トラゼン−デカルバジニン(DTIC)、抗増殖/抗有糸分裂抗代謝剤、例えば葉酸類似体(例えばメトトレキサート)、ピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、及びシタラビン)、プリン類似体及び関連する阻害剤(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及び2−クロロデオキシアデノシン)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、及びレトロゾール)、ならびに白金配位複合体(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤(例えば、トリコスタチン、酪酸ナトリウム、アピシダン、ヒドロキサミン(hydroamic)酸サブエロイルアニリド、ボリノスタット、LBH589、ロミデプシン、ACY−1215、及びパノビノスタット)、mTor阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、及びシロリムス)、KSP(Eg5)阻害剤(例えばArray520)、DNA結合剤(例えばZalypsis)、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、GS−1101及びTGR−1202)、PI3Kデルタ及びガンマ阻害剤(例えばCAL−130)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、TG02及びソラフェニブ)、ホルモン(例えばエストロゲン)及びホルモン作動薬、例えば黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)作動薬(例えば、ゴセレリン、ロイプロリド、及びトリプトレリン)、BAFF中和抗体(例えばLY2127399)、IKK阻害剤、p38MAPK阻害剤、抗IL−6(例えばCNTO328)、テロメラーゼ阻害剤(例えばGRN 163L)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えばMLN8237)、細胞表面モノクローナル抗体(例えば、抗CD38(HUMAX−CD38)、抗CS1(例えばエロツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、17 AAG及びKOS 953)、P13K/Akt阻害剤(例えば、ペリホシン)、Akt阻害剤(例えばGSK−2141795)、PKC阻害剤(例えばエンザスタウリン)、FTI(例えばZarnestra(商標))、抗CD138(例えばBT062)、Torc1/2特異的キナーゼ阻害剤(例えばINK128)、キナーゼ阻害剤(例えばGS−1101)、ER/UPRを標的とする薬剤(例えばMKC−3946)、cFMS阻害剤(例えばARRY−382)、JAK1/2阻害剤(例えばCYT387)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ及びベリパリブ(ABT−888))、BCL−2拮抗薬を含み得る。他の化学療法剤は、メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、ナベルビン、ソラフェニブ、または前述の任意の類似体もしくは誘導体変異体を含み得る。
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される薬学的組成物は、サイトカインと共に共同投与される。サイトカインには、インターフェロン−γ、−α、及び−β、インターロイキン1〜8、10、及び12、顆粒球単球コロニー刺激因子(GM−CSF)、TNF−α及び−β、ならびにTGF−βが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される薬学的組成物は、ステロイドと共に共同投与される。好適なステロイドには、21−アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフプレドナート(difuprednate)、エノキソロン、フルアザコート(fluazacort)、フルクロロナイド(flucloronide)、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン酢酸塩、フルプレドニデン酢酸塩、フルプレドニゾロン、フルランドレノロン、フルチカゾンプロピオン酸塩、ホルモコータル、ハルシノニド、ハロベタゾールプロピオン酸塩、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボン酸塩、マジプレドン(mazipredone)、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾンフロ酸塩、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25−ジエチルアミノ酢酸塩、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル(prednival)、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトナイド(benetonide)、トリアムシノロンヘキサセトニド、ならびにこれらの塩及び/または誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される薬学的組成物は、免疫療法剤と共に共同投与される。好適な免疫療法剤には、MDRモジュレーター(例えば、ベラパミル、バルスポルダル(valspordar)、ビリコダル(biricodar)、タリクイダル(tariquidar)、ラニクイダル(laniquidar))、シクロスポリン、サリドマイド、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標))、ポマリドミド、及びモノクローナル抗体が挙げられ得るが、これらに限定されない。モノクローナル抗体は、そのまま(naked)の抗体であるか、または複合体化された抗体であって、例えば、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、エプラツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、ゲムツヅマブオゾガマイシン、ベバシズマブ、セツキシマブ、エルロチニブ、及びトラスツズマブ等の抗体のいずれかであり得る。
一般的な実験方法
1Hの核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、400MHzで記録した。化学シフト(δ)は、内部標準テトラメチルシランからの低磁場側にppmで表し、結合定数(J値)をヘルツ(Hz)で表した。質量分析(MS)は、荷電分子または分子断片を作製するために化合物をイオン化し、それらの質量対電荷比(m/z)を測定することによって、化合物の質量を確認するために使用された。イオン化法として、EI(電子衝撃)イオン化を使用した。
合成手順−ジペプチド及びトリペプチドエポキシケトン化合物
実施例1(タイプA)
(R)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−メチル−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド(C−3010)の調製:
4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)を用いたBoc−(S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミドの調製
DMTMM(8.65g、31.3mmol)及びN−メチルモルホリン(4.0mg、39mmol)を、塩化メチレン(100mL)及びジメチルホルムアミド(DMF、10mL)中のBoc−L−4−MeO−フェニルアラニン(4.6g、15.7mmol)及び(S)−2−アミノ−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン(トリフルオロ酢酸(TFA)塩、5.0g、15.7mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。懸濁液を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=20:1)によって精製して、Boc−(S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(6.9g、収率91%)を得た。
1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)を用いたBoc−(S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミドの調製
Boc−L−4−MeO−フェニルアラニン(3.1g、10.3mmol)、(S)−2−アミノ−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン(TFA塩、3.0g、9.4mmol)及びHATU(3.2g、10.3mmol)を充填したフラスコに、ジクロロメタン(DCM、20mL)を添加した。混合物を0℃まで冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)でpH=8に塩基性化した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、水(30mL)で反応停止させた。得られた混合物をメチル第三級ブチルエーテル(MTBE;30mL×3)で抽出した。有機物を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1〜4:1)によって精製して、白色固体としてBoc−(S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(4.5g、収率88%)を得た。
TFA(2mL)を、CH2Cl2(5mL)中のBoc−(S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(800mg、1.66mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、乾燥するまで濃縮した。残渣をEtOAc(5mL×3)で3回共沸し、残りのTFAを除去し、そのTFA塩として(S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(1.66mmol)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。DMTMM(916mg、3.3mmol)及びN−メチルモルホリン(500mg、5mmol)を、CH2Cl2(20mL)及びDMF(5mL)中の(S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(1.66mmol)及び(R)−2−メチル−5−オキソピロリジン−2−カルボン酸(500mg、4mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。懸濁液を室温で1時間撹拌し、EtOAc(100mL)及び水(100mL)を添加した。得られた2相を分離し、水相をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=20:1)によって精製して、黄色固体として(R)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−メチル−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド(150mg、収率17%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.20〜7.30(m,4H),7.15(d,J=8.7Hz,2H),6.95〜7.10(m,3H),6.85(d,J=8.7Hz,2H),6.65(m,1H),6.25(m,1H),4.75(m,1H),4.45(m,1H),3.80(s,3H),3.25(d,J=4.8Hz,1H),3.10(m,1H),2.80〜2.99(m,3H),2.70(m,1H),2.10〜2.35(m,3H),1.95(m,1H),1.49(s,3H),1.40(s,3H)。C28H33N3O6に対するMS(EI)、実測値506.1[M−H]−。
以下の化合物を同様の様式で合成した。
(S)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−メチル−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド(C−3011):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.20〜7.30(m,4H),7.10〜7.20(m,5H),6.85(d,J=8.7Hz,2H),6.80(m,1H),6.50(m,1H),4.75(m,1H),4.56(m,1H),3.80(s,3H),3.28(d,J=4.8Hz,1H),3.10(m,1H),2.80〜2.99(m,3H),2.70(m,1H),2.00〜2.30(m,3H),1.90(m,1H),1.47(s,3H),1.41(s,3H)。C28H33N3O6に対するMS(EI)、実測値508.1[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−オキソアゼチジン−2−カルボキサミド(C−3002):1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.26〜7.21(m,2H),7.10(d,J=8.8Hz,2H),7.03〜7.01(m,2H),6.83〜6.78(m,3H),6.22〜6.18(m,2H),4.73〜4.70(m,1H),4.56(q,J=8.0Hz,1H),3.99〜3.97(m,1H),3.78(s,3H),3.27〜3.21(m,2H),3.12〜3.08(m,1H),2.94〜2.92(m,3H),2.71〜2.61(M,2H),1.50(s,3H)。C26H29N3O6に対するMS(EI)、実測値480.2[M+H]+。
(R)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−オキソアゼチジン−2−カルボキサミド(C−3003):1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.26〜7.20(m,3H),7.09(d,J=6.8Hz,2H),7.02〜7.01(m,2H),6.93(d,J=7.6Hz,1H),6.81(d,J=8.8Hz,2H),6.38(s,1H),6.33(d,J=6.8,1H),4.71〜4.69(m,1H),4.55(q,J=7.6Hz,1H),3.98(q,J=2.8Hz,1H),3.78(s,3H),3.26〜3.20(m,2H),3.08(dd,J=12.0,4.8Hz,1H),2.95〜2.91(m,3H),2.81〜2.77(m,1H),2.62(dd,J=13.8,8.6Hz,1H),1.72(s,1H),1.48(s,3H)。C26H29N3O6に対するMS(EI)、実測値480.2[M+H]+
メチル((S)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(C−2009):1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.41(d,J=7.2Hz,1H),7.75(d,J=8.0,1H),7.31〜7.19(m,6H),4.61〜4.55(m,1H),4.45〜4.35(m,1H),3.97〜3.86(m,1H0,3.70(s,3H),3.50(s,3H),3.20〜3.14(m,1H),2.98〜2.80(m,3H),2.75〜2.6(m,2H),1.35(s,3H),1.14(d,J=8.4Hz,1H0,1.08〜1.05(m,3H)。C27H33N3O7に対するLC−MS、実測値512.38[M+H]+。
メチル((R)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(C−2010):1H NMR(400MHz,DMSO〜d6):δ8.42(d,J=7.2Hz,1H),7.95(d,J=8.8Hz,1H),7.31〜7.21(m,5H),7.07(d,J=8.4Hz,2H),6.767(d,J=8.8Hz,2H),4.60〜4.44(m,2H),3.98〜3.94(m,1H),3.69(s,3H),3.50(s,3H),3.22(d,J=5.6Hz,1H),3.00〜2.89(m,3H),2.76〜2.70(m,1H),2.61〜2.55(1H),1.35(s,3H),0.93(s,3H)。C27H33N3O7に対するMS(EI)、実測値512.3[M+H]+。
(S)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−2−((S)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド(C−2011):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ9.43(d,J=7.6Hz,1H),8.45(d,J=7.2Hz,1H),8.06(d,J=8.4Hz,1H),7.34〜7.15(m,5H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.76(d,J=8.4Hz,2H),4.70〜4.50(m,1H),4.48〜4.40(m,1H),4.36〜4.31(m,1H),3.70(s,3H),3.18〜3.16(m,1H),2.99〜2.85(m,3H0,2.73〜2.68(m,2H),1.35(s,3H0,1.23〜1.05(m,3H)。C26H29N5O5に対するMS(EI)、実測値492.48[M+H]+。
(S)−2−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)アセトアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(C−3004):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.61(d,J=7.2Hz,1H),8.42(d,J=8.0Hz,1H),8.36(s,1H),7.91(s,1H),7.34〜7.22(m,5H),7.09(d,J=8.4Hz,2H),6.80(d,J=8.4Hz),4.88〜4.78(m,2H),3.72(s,3H),3.20〜3.19(m,1H),3.00〜2.87(m,3H),2.72〜2.62(m,3H),1.36(s,3H)。C27H30F3N3O6に対するMS(EI)、実測値550.51[M+H]+。
2−アミノ−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−メチルプロパンアミド(C−3006):1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.97(d,J=8.1Hz,1H),7.26〜7.19(m,3H),7.13(d,J=8.7Hz,2H),6.98(dd,J=7.5,1.8Hz,2H),6.85〜6.79(m,2H),6.36(d,J=7.2Hz,1H),4.74(td,J=7.6,5.1Hz,1H),4.50〜4.39(m,1H),3.78(s,3H),3.27(d,J=4.9Hz,1H),3.05(dd,J=14.0,5.0Hz,1H),2.97(dd,J=6.9,2.0Hz,2H),2.90(d,J=4.9Hz,1H),2.71(dd,J=14.0,7.8Hz,1H),1.22(d,J=13.6Hz,6H)。C26H33N3O5に対するMS(EI)、実測値468.3[M+H]+。
(R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−メチルプロパンアミド(C−3007):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.23(dd,J=5.1,2.0Hz,3H),7.15(d,J=8.6Hz,2H),6.94(dd,J=7.1,2.3Hz,2H),6.84(d,J=8.6Hz,2H),5.80(d,J=7.0Hz,1H),4.72〜4.62(m,1H),4.55〜4.46(m,1H),4.11(s,1H),3.80(s,3H),3.24(d,J=4.9Hz,1H),3.06(td,J=14.4,5.3Hz,2H),2.96(s,2H),2.95〜2.81(m,2H),2.60(dd,J=13.9,8.2Hz,1H),1.51(s,3H),1.47(s,3H)。C26H29F3N2O6に対するMS(EI)、実測値523.0[M+H]+。
N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキサミド(C−3008):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ11.13(s,0H),8.76(s,1H),8.17(s,1H),7.74(s,1H),7.44(s,1H),7.33〜7.11(m,7H),7.02(s,2H),6.84〜6.72(m,4H),4.72(s,1H),4.62(ddd,J=9.3,7.6,4.4Hz,1H),3.68(s,3H),3.17(d,J=5.0Hz,2H),3.06〜2.91(m,4H),2.86〜2.76(m,2H),2.75〜2.65(m,7H),1.38(s,3H)。C28H29N3O6に対するMS(EI)、実測値504.0[M+H]+。
(R)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソピペリジン−2−カルボキサミド(C−3009):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.26〜7.20(m,3H),7.15〜7.11(m,2H),6.99(dd,J=7.6,1.8Hz,2H),6.89〜6.80(m,2H),6.55(d,J=7.6Hz,1H),6.08〜5.97(m,2H),4.74〜4.65(m,1H),4.49(q,J=7.4Hz,1H),3.89(td,J=7.2,6.1,2.4Hz,1H),3.80(s,3H),3.24(d,J=4.9Hz,1H),3.08(dd,J=14.0,4.8Hz,1H),3.02〜2.86(m,3H),2.62(dd,J=14.0,8.3Hz,1H),2.33(td,J=6.4,2.1Hz,2H),1.99〜1.90(m,1H),1.79〜1.64(m,3H),1.59(s,3H),1.50(s,3H)。C28H33N3O6に対するMS(EI)、実測値508.0[M+H]+。
(R)−tert−ブチル3−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−4−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタノエート(C−2016):1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.44〜7.32(m,5H),7.23〜7.10(m,4H),7.09〜6.96(m,6H),6.78〜6.68(m,4H),6.38(d,J=7.3Hz,1H),3.09〜2.92(m,4H),2.89(d,J=5.0Hz,1H),2.84(dd,J=14.0,6.6Hz,1H),2.65(dd,J=13.8,8.9Hz,1H),2.55(dd,J=17.3,5.7Hz,1H),1.62(s,2H),1.45(s,3H),1.42(s,8H)。C38H45N3O9に対するMS(EI)、実測値688.0[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキサミド(C−3014):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.61(d,J=6.6Hz,1H),7.50(dd,J=9.0,6.9Hz,1H),7.18(d,J=8.7Hz,2H),6.87〜6.79(m,5H),6.75(d,J=9.1Hz,1H),6.21〜6.09(m,1H),4.77(q,J=7.0,6.5Hz,1H),4.51〜4.43(m,1H),3.78(s,3H),3.22(d,J=4.7Hz,1H),3.15(dd,J=13.9,6.1Hz,1H),3.03(dd,J=13.9,7.5Hz,1H),2.90(d,J=5.0Hz,1H),1.78〜1.30(m,12H),1.19〜0.89(m,2H)。C27H33N3O6に対するLC−MS、実測値496.0[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキサミド(C−3015):1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.50(dd,J=9.2,6.8Hz,1H),7.23(d,J=8.4Hz,2H),6.87〜6.76(m,4H),5.85(d,J=6.4Hz,1H),5.25(app s,1H),4.72〜4.69(m,1H),4.52〜4.48(m,1H),3.79(s 3H),3.26(d,J=4.8Hz,1H),3.15(dd,J=13.6,5.2Hz,1H),2.99(dd,J=13.6,8.4Hz,1H),2.91(d,J=5.2Hz,1H),2.55〜2.45(m,1H),2.19〜2.11(m,6H),1.82〜1.76(m,4H),1.52(s,3H),1.49〜1.42(m,1H)。C27H33N3O6に対するMS(EI)、実測値494.2[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキサミド(C−3016):1H NMR(400MHz,DMSO〜d6):δ11.19(br s,1H),8.62(br s,1H),8.32(br s,1H),7.75(br s,1H),7.29〜7.17(m,8H),6.78(br s,1H),4.58〜4.74(m,2H),3.22(d,J=5.2Hz,1H),3.03(d,J=5.2Hz,1H),2.96(dd,J=14.4,4.0Hz,1H),2.69〜2.63(m,1H),1.38(s,3H),1.26(d,6.8Hz,3H)。C21H23N3O5に対するMS(EI)、実測値398.0[M+H]+。
N−((S)−3−ヒドロキシ−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキサミド(C−3017):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ11.23(s,1H),8.58〜8.56(m,1H),8.31〜8.29(m,1H),7.79(br s,1H),7.50(br s,1H),7.27〜7.16(m,5H),6.84(br s,1H),5.10〜4.90(m,1H),4.65〜4.60(m,1H),4.53〜4.48(m,1H),3.63〜3.61(m,2H),3.20(d,J=5.2Hz,1H),3.00(d,J=5.2Hz,1H),2.93(dd,J=14.0,4.8Hz,1H),2.70(dd,J=14.0,9.6Hz,1H),1.36(s,3H)。C21H23N3O6に対するMS(EI)、実測値414.0[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキサミド(C−3018):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ11.19(s,1H),8.51〜8.20(m,2H),7.80〜7.25(m,2H),6.83(br s,1H),4.60〜4.55(m,1H),4.34〜4.28(m,1H),3.18(d,J=5.2Hz,1H),3.02(d,J=5.2Hz,1H),1.82〜1.41(m,12H),1.29(d,J=7.2Hz,3H),1.39〜1.10(m,2H)。C20H27N3O5に対するMS(EI)、実測値390.0[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキサミド(C−3019):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ11.25(s,1H),8.45〜8.25(m,2H),8.80(br s,1H),8.50(br s,1H),7.80(br s,1H),5.00〜4.97(m,1H),4.58〜4.53(m,1H),4.38〜4.35(m,1H),3.66〜6.63(m,2H),3.18(d,J=4.8Hz,1H),3.01(d,J=4.8Hz,1H),1.90〜1.40(m,11H),1.15〜1.05(m,4H)。C20H27N3O6に対するMS(EI)、実測値406.0[M+H]+。
(R)−3−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−4−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸(C−2017):1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.54(d,J=7.1Hz,1H),8.47(d,J=7.6Hz,1H),7.44〜7.09(m,15H),7.04(d,J=8.6Hz,2H),6.71(d,J=8.5Hz,2H),5.01(s,2H),4.54(ddd,J=8.9,7.1,4.9Hz,1H),4.38(td,J=9.2,4.0Hz,1H),4.13(q,J=6.4Hz,1H),3.67(s,3H),3.44〜3.19(m,3H),2.87(ddt,J=33.0,22.8,7.1Hz,6H),2.61(dd,J=13.8,9.5Hz,1H),2.25(dd,J=16.0,5.6Hz,1H),2.14(dd,J=16.0,6.5Hz,1H),1.34(s,3H)。C34H37N3O9に対するMS(EI)、実測値630.2[M−H]−。
ベンジル((S)−1−(1−ヒドロキシシクロプロピル)−2−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−2−オキソエチル)カルバメート(C−2046):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.45(d,J=6.9Hz,1H),7.75(d,J=8.4Hz,1H),7.20〜7.60(m,9H),7.00〜7.15(m,3H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),5.48(s,1H),5.03(s,2H),4.65(m,1H),4.55(m,1H),3.95(d,J=9.0Hz,1H),3.70(s,3H),3.18(m,1H),2.85〜3.00(m,3H),2.65〜2.80(m,1H),1.34(s,3H),0.50〜0.80(m,4H)。C35H39N3O8に対するLC−MS、実測値630.3[M+H]+。
(S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−(1−((トリエチルシリル)オキシ)シクロプロピル)酢酸を最終カップリングにおいて使用し、続いて、標準的なTBAFで脱保護した。1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.45(d,J=6.9Hz,1H),7.75(d,J=8.4Hz,1H),7.20〜7.60(m,9H),7.00〜7.15(m,3H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),5.48(s,1H),5.03(s,2H),4.65(m,1H),4.55(m,1H),3.95(d,J=9.0Hz,1H),3.70(s,3H),3.18(m,1H),2.85〜3.00(m,3H),2.65〜2.80(m,1H),1.34(s,3H),0.50〜0.80(m,4H)。C35H39N3O8に対するLC−MS、実測値630.3[M+H]+。
実施例2(タイプA2)
ベンジル((S)−2−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−(オキセタン−3−イル)−2−オキソエチル)カルバメート(C−2035)の調製
メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イリデン)酢酸塩
1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU;16.25g、95mmol)を、塩化メチレン(200mL)中のN−ベンジルオキシカルボニル−(ホスホノグリシントリメチルエステル)(23.0g、70mmol)及びオキセタン−3−オン(5.0g、70mmol)の溶液に、N2下、室温で滴加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をEtOAc(500mL)中に溶解した。得られた溶液を、それぞれ、5%水性KHSO4(300mL×2)、飽和水性NaHCO3(300mL×3)、及びブライン(200mL×1)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=5:1)によって精製して、メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イリデン)酢酸塩(13.5g、収率69%)を得た。
メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イル)酢酸塩
Pd/C(10%、5.0g)を、MeOH(100mL)中の化合物メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イリデン)酢酸塩(10.0g、36mmol)の溶液に添加した。懸濁液を、水素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。触媒を濾過して除き、MeOH(100mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、続いて、Cbz−OSu(10.0g、40mmol)及びトリエチルアミン(15.2mL、108mmol)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=5:1)によって精製して、黄色固体としてメチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イル)酢酸塩(4.3g、収率41%)を得た。
(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イル)アセトアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩
水(10mL)中のLiOH(650mg、27mmol)の溶液を、THF(50mL)中のメチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イル)酢酸塩(2.5g、9.0mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を12時間撹拌し、次いで、2N水性HClでpH=3に酸性化した。溶媒の大部分を除去し、残留する混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、対応する酸(2.0g)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
DMTMM(4.4g、16mmol)及びN−メチルモルホリン(3.2g、32mmol)を、塩化メチレン(100mL)中の酸(2.0g、8.0mmol)及びL−4−メトキシルフェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(2.0g、8.2mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。懸濁液を室温で1時間撹拌し、次いで、これを、それぞれ、5%水性KHSO4(100mL×2)、飽和水性NaHCO3(100mL×3)、及びブライン(50mL×1)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3:1)によって精製して、2つのジアステレオマーの混合物(2.5g)を得、これをキラル分取HPLCによってさらに分離して、白色固体として(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イル)アセトアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(1.1g、収率26%)を得た。
ベンジル((S)−2−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−(オキセタン−3−イル)−2−オキソエチル)カルバメート。
水(10mL)中のLiOH(70mg、2.8mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(THF、50mL)中の(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(オキセタン−3−イル)アセトアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(0.50g、0.94mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を3時間撹拌し、次いで、2N水性HClでpH=3に酸性化した。溶媒の大部分を除去し、残留する混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、対応する酸(0.50g)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。HATU(380mg、1.0mmol)及びDIPEA(0.62mL、3.6mmol)を、DMF(20mL)中の酸(0.5g、0.9mmol)及び(S)−2−アミノ−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン(TFA塩、290mg、0.9mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。懸濁液を室温で1時間撹拌し、次いで、EtOAc(100mL)で希釈した。得られた混合物を、それぞれ、5%水性KHSO4(50mL×3)、飽和水性NaHCO3(50mL×3)、及びブライン(50mL×1)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3:1)によって精製して、白色固体としてベンジル((S)−2−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−(オキセタン−3−イル)−2−オキソエチル)カルバメート(200mg、収率35%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.30〜7.50(m,5H),7.20〜7.30(m,2H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.95〜7.05(m,2H),6.80(d,J=8.4Hz,2H),6.70(m,1H),6.15(m,1H),5.40(m,1H),5.15(2d,2H),4.60〜4.80(m,3H),4.30〜4.50(m,4H),3.78(s,3H),3.28(m,2H),3.10(m,1H),2.90〜3.00(m,2H),2.70(m,1H),1.60〜1.70(m,4H),1.51(s,3H)。C35H39N3O8に対するLC−MS、実測値630.4[M+H]+。
実施例3(タイプA3)
(R)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド
(S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−5−オキソピロリジン−2−カルボキシアミド)プロパン酸塩
DMF(10mL)中の(S)−ベンジル2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(1.0g、2.26mmol)の溶液に、HBTU(1.02g、2.7mmol)及びHOBt(457mg、3.39mmol)を0℃で添加した。混合物を5分間撹拌し、D−ピログルタミン酸(321mg、2.5mmol)及びDIPEA(1.58mL、9.04mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、飽和水性重炭酸ナトリウム(50mL)を添加した。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン対ヘプタン/EtOAc=2:3)によって精製して、白色固体として(S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−5−オキソピロリジン−2−カルボキシアミド)プロパン酸塩(800mg、収率89%)を得た。
(R)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド
THF(10mL)中の(S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−5−オキソピロリジン−2−カルボキシアミド)プロパン酸塩(800mg、2.02mmol)の溶液に、Pd/C(10%、500mg)を添加した。懸濁液を、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。触媒を濾過して除き、MeOH(5mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、乾燥するまで濃縮して、対応する酸(700mg、定量)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
DMF(7mL)中の酸(700mg、2.29mmol)の溶液に、HBTU(1.3g、3.44mmol)を0℃で添加した。混合物を5分間撹拌し、化合物(S)−2−アミノ−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン(469mg、2.29mmol)及びDIPEA(1.59mL、9.16mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、飽和水性重炭酸ナトリウム(50mL)を添加した。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50:1〜10:1)によって精製して、白色固体として(R)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド(220mg、2つの工程にわたって収率22%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.28〜7.23(m,5H),7.19〜7.08(m,5H),7.05(q,J=3.7Hz,2H),7.00(dd,J=7.4,2.0Hz,2H),6.81(d,J=8.4Hz,1H),6.70(br s,1H),6.55(d,J=7.2Hz,1H),4.74(m,1H),4.65〜4.62(m,1H),4.03(m,1H),3.79(s,3H),3.27(d,J=4.8Hz,1H),3.11(d,J=4.5Hz,1H),3.07(d,J=4.8Hz,1H),2.98(m,2H),2.68(dd,J=13.8,8.1Hz,1H),2.30(m,1H),2.22(m,2H),2.20(m,3H),1.48(s,3H)。C27H31N3O6に対するMS(EI)、実測値494.2[M+H]+。
以下の化合物を同様の様式で合成した。
(S)−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド(C−3013):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.28〜7.23(m,5H),7.19〜7.08(m,5H),7.07(m,2H),7.00(dd,J=7.4,2.0Hz,2H),6.82(d,J=8.4Hz,1H),6.70(br s,1H),6.55(d,J=7.2Hz,1H),4.74(m,1H),4.65〜4.62(m,1H),4.03(m,1H),3.79(s,3H),3.27(d,J=4.8Hz,1H),3.11(d,J=4.5Hz,1H),3.07(d,J=4.8Hz,1H),2.98(m,2H),2.68(dd,J=13.8,8.1Hz,1H),2.30(m,1H),2.22(m,2H),2.20(m,3H),1.48(s,3H)。C27H31N3O6に対するMS(EI)、実測値494.1[M+H]+。
実施例4(タイプD)
(S)−2−((S)−2−(2−(2−アミノチアゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(C−2066)の調製
HATU(635mg、1.68mmol)及びDIPEA(0.78mL、4.48mmol)を、DMF(10mL)中の(S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(TFA塩、600mg、1.11mmol)及び2−(2−アミノチアゾール−5−イル)酢酸(175mg、1.11mmol)の溶液に、0℃で添加した。反応混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=50:1)によって精製して、白色固体として表題化合物(150mg、収率23%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.31(d,J=7.2Hz,1H),8.11(d,J=7.5Hz,1H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),7.09(d,J=8.4Hz,1H),6.79〜6.64(m,5H),5.39(br s,2H),4.49(m,2H),4.42(m,1H),3.70(s,3H),3.42(m,2H),3.17(d,J=4.8Hz,1H),2.98(d,J=4.8Hz,1H),2.86(m,1H),2.66(m,1H),2.41(m,1H),2.23(m,5H),1.81(m,2H),1.37(s,3H),1.11(d,J=4.8Hz,3H)。C29H37N5O6Sに対するLC−MS、実測値584.91[M+H]+。
以下の化合物を同様の様式で合成した。
(S)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−((S)−2−(2−(2−(ジメチルアミノ)チアゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(C−2067):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.23(d,J=7.2Hz,1H),8.18(d,J=6.9Hz,1H),7.93(d,J=7.8Hz,1H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.85(s,1H),6.78(d,J=8.4Hz,2H),5.38(s,1H),4.40〜4.60(m,2H),4.20(m,1H),3.69(s,3H),3.48(m,2H),3.18(m,1H),2.80〜3.10(m,8H),2.65(m,1H),2.40(m,1H),2.10〜2.30(m,5H),1.70〜1.90(m,2H),1.37(s,3H),1.12(d,J=6.9Hz,3H)。C31H41N5O6Sに対するLC−MS、実測値610.33[M−H]−。
(S)−2−((S)−2−(2−(2−(アゼチジン−1−イル)チアゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(C−2068):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.25(d,J=6.6Hz,1H),8.18(d,J=6.9Hz,1H),7.93(d,J=7.5Hz,1H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.84(s,1H),6.78(d,J=8.4Hz,2H),5.38(m,1H),4.40〜4.60(m,2H),4.20(m,1H),3.95(m,4H),3.69(s,3H),3.48(m,2H),3.18(m,1H),3.00(m,1H),2.90(m,1H),2.50〜2.80(m,2H),2.30〜2.50(m,4H),2.10〜2.30(m,5H),1.70〜1.90(m,2H),1.37(s,3H),1.12(d,J=6.9Hz,3H)。C32H41N5O6Sに対するLC−MS、実測値623.72[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((S)−2−(2−(2−(ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド(C−2069):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.25(d,J=6.9Hz,1H),8.15(d,J=7.2Hz,1H),7.93(d,J=7.2Hz,1H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.84(s,1H),6.78(d,J=8.4Hz,2H),5.38(s,1H),4.40〜4.60(m,2H),4.20(m,1H),3.69(s,3H),3.50(m,2H),3.30(m,4H),3.18(m,1H),3.00(m,1H),2.90(m,1H),2.65(m,1H),2.40(m,1H),2.10〜2.30(m,5H),1.90〜2.00(m,4H),1.85(m,2H),1.37(s,3H),1.12(d,J=6.9Hz,3H)。C33H43N5O6Sに対するLC−MS、実測値638.64[M+H]+。
(S)−2−((S)−2−(2−(2−アミノオキサゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(C−2070):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.29(d,J=7.2Hz,1H),8.11(d,J=7.5Hz,1H),7.98(d,J=8.4Hz,1H),7.11(d,J=8.4Hz,2H),6.79(d,J=8.4Hz,2H),6.38(m,3H),5.39(br s,1H),4.49(m,2H),4.42(m,1H),3.70(s,3H),3.17(d,J=7.6Hz,1H),2.98(d,J=5.1Hz,1H),2.86(m,1H),2.66(m,1H),2.37(m,1H),2.21(m,5H),1.81(m,2H),1.37(s,3H),1.11(d,J=4.8Hz,3H)。C29H37N5O7に対するLC−MS、実測値568.76[M+H]+。
(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミド及び対応する活性化酸を用いた(S)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミド(C−2007):1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.43(d,J=8.2Hz,1H),7.14(d,J=8.4Hz,1H),7.07(d,J=8.7Hz,2H),6.86(d,J=8.6Hz,2H),6.78(d,J=8.7Hz,2H),6.70(d,J=8.6Hz,2H),6.57(d,J=7.7Hz,1H),6.22(d,J=7.6Hz,1H),6.11(s,1H),4.69(td,J=8.1,4.7Hz,1H),4.48(q,J=7.2Hz,1H),4.38(p,J=6.9Hz,1H),3.77(s,3H),3.73〜3.65(m,5H),3.22(d,J=4.9Hz,1H),3.09〜2.79(m,8H),2.58(dd,J=14.1,8.3Hz,1H),2.53〜2.39(m,4H),1.63(s,3H),1.51(s,3H),1.30(s,3H)。C27H33N3O7に対するMS(EI)、実測値512.3[M+H]+。
(S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド及び対応する活性化酸を用いた(S)−2−((S)−2−(3−ヒドロキシプロパンアミド)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(C−2012):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.34(d,J=7.2Hz,1H),7.96(d,J=7.2Hz,1H),7.78(d,J=8.4Hz,1H),7.31〜7.22(m,5H),7.06(d,J=8.4Hz,1H),6.77(d,J=8.4Hz,1H),4.64〜4.57(m,2H),4.39〜4.38(m,1H),4.21〜4.19(m,1H),3.70(s,3H),3.58〜3.56(m,2H),3.17(d,J=4.8Hz,1H),2.98〜2.91(m,3H),2.74〜2.64(m,2H),2.25〜2.22(m,2H),1.34(s,3H),1.07(d,J=7.2Hz,3H)。C28H35N3O7に対するMS(EI)、実測値526.3[M+H]+。
(S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド及び対応する活性化酸を用いた(S)−2−((S)−2−(3−(メトキシメトキシ)プロパンアミド)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(C−2013):1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.38(d,J=7.2Hz,1H),7.98(d,J=7.2Hz,1H),7.78(d,8.0Hz,1H),7.31〜7.20(m,5H),7.06(d,J=8.4Hz,2H),6.77(d,J=8.4Hz,2H),4.58〜4.57(m,1H),4.48(s,2H),4.41〜4.40(m,2H),4.23〜4.19(m,1H),3.70(s,3H),3.63〜3.58(m,2H),3.19〜3.16(m,4H),2.98〜2.86(m,3H),2.74〜2.65(m,2H),2.37〜2.30(m,2H),1.45(s,3H),1.07(d,J=6.8Hz,3H)。C30H39N3O8に対するMS(EI)、実測値570.57[M+H]+。
(S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド及び対応する活性化酸を用いたN−((S)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチル−1H−インデン−2−カルボキサミド(C−2049):1H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.49(t,J=5.7,5.7Hz,2H),7.44〜7.28(m,2H),7.28〜7.09(m,5H),7.03(d,J=8.6Hz,2H),6.65(d,J=8.6Hz,2H),4.75(dd,J=9.1,4.6Hz,1H),4.54(d,J=14.0Hz,1H),4.48(d,J=24.2Hz,1H),3.66〜3.47(m,5H),3.21(d,J=5.0Hz,1H),3.06(d,J=14.0Hz,1H),2.98(dd,J=13.9,5.8Hz,1H),2.91(d,J=5.0Hz,1H),2.81(dd,J=13.9,8.2Hz,1H),2.72(dd,J=13.8,9.2Hz,1H),2.43(t,J=2.2,2.2Hz,3H),1.41(s,3H),1.33(d,J=7.1Hz,3H)。C32H39N5O6に対するLC−MS、実測値610.0[M+H]+。
(S)−2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド及び対応する活性化酸を用いた3−ヒドロキシ−N−((R)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルブタンアミド(C−2056):1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.41(d,J=7.3Hz,1H),8.07(d,J=8.7Hz,1H),7.95(d,J=7.4Hz,1H),7.34〜7.17(m,5H),7.09(d,J=8.7Hz,2H),6.78(d,J=8.8Hz,2H),4.76(s,1H),4.58(ddd,J=9.2,7.6,4.6Hz,1H),4.50〜4.40(m,1H),4.22(p,J=7.4Hz,1H),3.69(s,3H),3.67〜3.57(m,1H),3.22(d,J=5.1Hz,1H),3.18〜3.10(m,1H),3.01〜2.89(m,3H),2.79〜2.67(m,1H),2.61〜2.53(m,1H),2.19(s,1H),2.07(s,1H),1.34(s,3H),1.28〜1.19(m,6H),1.11(d,J=4.7Hz,5H),0.94(d,J=7.0Hz,3H)。C30H39N3O7に対するLC−MS、実測値554.2[M+H]+
(S)−2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド及び対応する活性化酸を用いたN−((R)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1H−インデン−2−カルボキサミド(C−2057):1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.44(d,J=7.3Hz,1H),8.15(d,J=7.2Hz,1H),8.03(d,J=8.7Hz,1H),7.95(s,1H),7.63(s,0H),7.57〜7.49(m,1H),7.37〜7.25(m,6H),7.24〜7.16(m,1H),7.07(d,J=8.7Hz,2H),6.72(d,J=8.7Hz,2H),4.65〜4.52(m,1H),4.51〜4.41(m,1H),4.40〜4.30(m,1H),3.63(s,3H),3.22(d,J=5.3Hz,1H),3.00〜2.90(m,3H),2.89(s,2H),2.78(dd,J=13.9,9.3Hz,1H),2.73(s,1H),2.61(dd,J=13.8,10.1Hz,1H),1.34(s,3H),1.09(d,J=7.2Hz,3H)。C30H39N3O7に対するLC−MS、実測値594.2[M−H]−
(S)−2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド及び対応する活性化酸を用いたN−((R)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)シクロペンタ−1−エンカルボキサミド(C−2058):
1H NMR(400MHz)δ8.40(d,J=7.3Hz,1H),8.28〜8.03(m,2H),7.99(d,J=8.7Hz,1H),7.95(s,1H),7.71(d,J=7.2Hz,1H),7.33〜7.24(m,3H),7.24〜7.17(m,1H),7.07(d,J=8.7Hz,2H),6.76(d,J=8.7Hz,2H),6.53(t,J=1.9Hz,1H),4.58(ddd,J=9.2,7.3,4.6Hz,2H),4.42(td,J=10.1,4.0Hz,1H),4.24(t,J=7.2Hz,1H),3.69(s,3H),3.62(pd,J=6.6,4.0Hz,3H),3.22(d,J=5.4Hz,1H),3.14(qd,J=7.4,4.3Hz,4H),3.02〜2.90(m,3H),2.89(s,3H),2.73(s,3H),2.69(s,4H),2.58(dd,J=13.7,10.2Hz,1H),2.47〜2.37(m,4H),1.85(p,J=7.7Hz,2H),1.35(s,3H),1.31〜1.19(m,31H),1.02(d,J=7.1Hz,3H)。C
32H
39N
5O
6に対するLC−MS、実測値548.0[M+H]
+。
実施例5(タイプE)
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(C−2059)の調製
(R)−ベンジル2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパン酸塩
DIPEA(8.9mL、77mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中の3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(2.2g、18.6mmol)、(R)−ベンジル2−アミノプロパン酸塩酸塩(3.7g、17.1mmol)及びHATU(7.2g、18.9mmol)の混合物に0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。水(100mL)を添加し、2層を分離した。水層をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1〜3:1)によって精製して、(R)−ベンジル2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパン酸塩(4.7g、収率98%)を得た。
(S)−メチル3−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩
(R)−ベンジル2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパン酸塩(4.7g、16.8mmol)を、メタノール(20mL)中のPd/C(0.5g)の存在下、室温で1時間水素化した。Pd/Cを濾過して除き、濾液を濃縮して、オフホワイト色の固体として対応する酸(3.0g)を得た。
酸(1.5g、7.9mmol)をジクロロメタン(30mL)中に溶解し、(S)−メチル2−アミノ−3−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(TFA塩、3.4g、7.9mmol)及びHATU(3.3g、8.7mmol)を添加した。次いで、N−メチルモルホリン(2.4g、23.7mmol)を得られた溶液に0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、水(100mL)を添加した。2層を分離し、水層をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=200:1〜100:1)によって精製して、(S)−メチル3−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩(1.5g、収率39%)を得た。
N−((R)−1−((S)−3−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)−1−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド
(S)−メチル3−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩(1.5g、3.1mmol)を、水/THF(10mL/4mL)中の水酸化リチウム−H2O(0.26g、6.2mmol)の溶液で30分間処理した。THFを除去し、水相を10%水性KHSO4でpH=3〜4に酸性化した。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、黄色固体として対応する酸(1.2g)を得た。酸(0.63g、1.3mmol)をジクロロメタン(30mL)中に溶解し、(S)−2−アミノ−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)プロパン−1−オン(TFA塩、0.4g、1.3mmol)及びHATU(0.56g、1.4mmol)を添加した。N−メチルモルホリン(0.33g、3.2mmol)を得られた溶液に0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、水(100mL)を添加した。2層を分離し、水層をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=200:1〜100:1)によって精製して、N−((R)−1−((S)−3−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)−1−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(0.3g、収率35%)を得た。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド
N−((R)−1−((S)−3−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)−1−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(0.3g、0.46mmol)を、メタノール(20mL)中のPd/C(0.1g)の存在下、0℃で2時間水素化した。Pd/Cを濾過して除き、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1〜50:1)によって精製して、白色固体としてN−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(162mg、収率62%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.70(s,1H),8.21(d,J=7.2Hz,1H),8.11(d,J=8.7Hz,1H),7.99(d,J=7.2Hz,1H),6.76(d,J=8.4Hz,1H),6.65(d,J=1.8Hz,1H),6.59(dd,J=1.8,8.4Hz,1H),4.77(s,1H),4.31(m,1H),4.26(m,2H),3.72(s,3H),3.23(d,J=5.4Hz,1H),3.01(d,J=5.4Hz,1H),2.86(m,1H),2.50(m,1H),2.20(s,2H),1.41〜1.93(m,11H),1.41(s,3H),1.12(s,6H),0.98(d,J=6.9Hz,3H)。C29H43N3O8に対するLC−MS、実測値562.3[M+H]+。
以下の化合物を同様の様式で合成した。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−オキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(C−2055):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.39(d,J=6.9Hz,1H),8.34(d,J=8.7Hz,1H),8.03(d,J=6.6Hz,1H),7.84(d,J=8.1Hz,2H),7.50(d,J=8.1Hz,2H),4.65(m,1H),4.30(m,1H),4.25(m,1H),3.70(s,1H),3.20(m,1H),3.17(s,3H),3.05(m,1H),2.80〜2.90(m,2H),2.20(s,2H),1.40〜1.90(m,10H),1.00〜1.30(m,8H),0.94(d,J=7.2Hz,3H)。C28H41N3O8Sに対するLC−MS、実測値580.3[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(C−2050):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.32(d,J=7.2Hz,1H),8.22(d,J=9.0Hz,1H),8.00(d,J=6.9Hz,1H),7.81(d,J=8.4Hz,2H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),4.65(m,1H),4.30(m,1H),4.25(m,1H),3.20(m,2H),3.17(s,3H),3.10(m,1H),3.00(m,1H),2.80(m,1H),1.40〜1.90(m,13H),1.40(s,3H),1.00〜1.30(m,9H),0.94(d,J=6.9Hz,3H)。C29H43N3O8Sに対するLC−MS、実測値594.3[M+H]+
最終カップリング及びベンジル酸の脱保護の順序を入れ替えた、N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(C−2060):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.71(s,1H),8.25(d,J=7.5Hz,1H),8.09(d,J=8.4Hz,1H),7.97(d,J=6.6Hz,1H),6.75(d,J=8.1Hz,1H),6.66(m,1H),6.58(d,J=7.8Hz,1H),5.41(s,1H),4.78(s,1H),4.51(m,2H),4.27(m,1H),3.71(s,3H),3.23(d,J=4.2Hz,1H),2.99(d,J=4.8Hz,1H),2.84(m,1H),2.40(m,1H),2.24(m,6H),1.81(m,2H),1.38(s,3H),1.12(s,6H),0.90(d,J=6.9Hz,3H)。C29H41N3O8に対するLC−MS、実測値582.4[M+Na]+。
実施例6(タイプF)
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(C−2054)の調製
(2R)−ベンジル2−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパン酸塩
N−メチルモルホリン(1.17g、11.6mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中の4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(1.0g、5.8mmol)、(R)−ベンジル2−アミノプロパン酸塩酸塩(1.25g、5.8mmol)及びHATU(2.42g、6.4mmol)の混合物に0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、水(50mL)を添加した。得られた混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせて、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1〜5:1)によって精製して、(2R)−ベンジル2−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパン酸塩(1.4g、収率72%)を得た。
(2S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((2R)−2−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩
(2R)−ベンジル2−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパン酸塩(0.63g、1.8mmol)を、メタノール(20mL)中のPd/C(0.1g)の存在下、室温で1時間水素化した。触媒を濾過して除き、濾液を濃縮した。残渣をジクロロメタン(30mL)中に溶解し、続いて、L−4−MeOPhe−OBn(HCl塩、0.67g、2.0mmol)及びHATU(0.79g、2.0mmol)を添加した。N−メチルモルホリン(1.1g、10.8mmol)をこの溶液に0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、水(30mL)を添加した。得られた混合物をジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせて、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1〜1:1)によって精製して、化合物(2S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((2R)−2−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩(0.7g、収率76%)を得た。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド
(2S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((2R)−2−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩(0.7g、1.3mmol)を、メタノール(20mL)中のPd/C(0.1g)の存在下、室温で1時間水素化した。触媒を濾過して除き、濾液を濃縮した。残渣をジクロロメタン(30mL)中に溶解し、続いて、(S)−2−アミノ−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)プロパン−1−オン(0.44g、1.3mmol)及びHATU(0.53g、1.3mmol)を添加した。N−メチルモルホリン(0.8g、7.9mmol)をこの溶液に0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いて、水(30mL)を添加した。得られた混合物をジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせて、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1〜1:1)によって精製して、N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド異性体の混合物(140mg、収率18%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.27(m,1H),8.17(m,2H),7.13(d,J=7.8Hz,2H),6.80(d,J=8.4Hz,2H),6.27(m,1H),4.51(m,1H),4.29(m,2H),3.71(s,3H),3.22(d,J=4.5Hz,1H),3.02(d,J=5.1Hz,1H),2.95(m,1H),2.21〜2.65(m,3H),1.42(s,3H),1.28(m,3H),1.07〜1.93(m,11H),0.96(d,J=6.6Hz,3H)。C30H45N3O7に対するLC−MS、実測値600.2[M+H]+
MeOH:H2Oが2:1の混合物中の1.2当量のLiOHを用いてベンジルエステルを脱保護し、続いて、pH3になるまで酸性化し、濾過することを除いて、同様の様式で以下の化合物を合成した。
N−(2−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−3−メチル−1H−インデン−2−カルボキサミド(C−2039):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ7.49(m,2H),7.39(m,2H),7.11(d,J=8.7Hz,2H),6.80(m,1H),6.72(d,J=8.7Hz,2H),6.70(m,1H),6.52(m,1H),6.49(m,3H),4.66(m,1H),4.52(m,1H),4.05(d,J=5.7Hz,1H),3.62(s,3H),3.59(m,2H),3.27(d,J=5.1Hz,1H),3.10(m,1H),3.06(m,1H),2.88(d,J=4.8Hz,1H),2.53(s,3H),2.06〜1.83(m,2H),1.71〜1.70(m,3H),1.68(m,3H),1.48(s,3H),1.28(m,1H),1.11(m,1H),1.06(m,1H),0.90(m,1H)。C34H41N3O6に対するLC−MS、実測値588.8[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチル−1H−インデン−2−カルボキサミド(C−2047):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ10.81(br s,1H),8.25(d,J=6.9Hz,1H),8.11(d,J=8.4Hz,1H),7.76(d,J=6.9Hz,1H),7.58(d,J=8.1Hz,1H),7.47(m,2H),7.29(m,3H),7.11〜6.94(m,3H),4.39(m,1H),4.37(m,2H),3.65(m,2H),3.15(m,3H),3.01(m,2H),2.96(m,2H),2.51(s,3H),1.98(m,1H),1.70(m,5H),1.42(s,3H),1.40(m,6H),1.24(d,J=6.9Hz,3H),0.80(m,2H)。C36H42N4O5に対するLC−MS、実測値611.3[M+H]+
N−((R)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチル−1H−インデン−2−カルボキサミド(C−2048):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.44(d,J=8.4Hz,1H),8.04(d,J=8.7Hz,1H),7.74(d,J=6.9Hz,1H),7.50(d,J=6.9Hz,2H),7.36〜7.23(m,7H),7.10(d,J=8.1Hz,2H),6.72(d,J=8.4Hz,2H),4.61(m,1H),4.50(m,1H),4.37(m,1H),3.71(m,2H),3.61(s,3H),3.23(m,1H),3.01(m,2H),2.80〜2.52(m,4H),2.40(s,3H),1.42(s,3H),1.10(d,J=6.9Hz,3H)。C36H39N3O6に対するLC−MS、実測値610.3[M+H]+
実施例7(タイプH)
(R)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボキサミド(C−2064)及び(S)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボキサミド(C−2065)の調製
エチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩
DMF−DMA(275mL)中のエチル4−オキソシクロヘキサンカルボン酸塩(50g、0.29mol)の溶液を、110℃で12時間加熱した。混合物を濃縮し、所望の中間体を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
エタノール(1000mL)中の中間体(66.1g、0.29mol)及びヒドラジン水和物(73.5g、1.47mol)の混合物を還流下で一晩加熱した。エタノールの大部分を除去し、残留する混合物を水(400mL)で処理した。得られた混合物をEtOAc(400mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(400mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、白色固体として粗物エチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩(18g)を得た。
メチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩
メタノール(10mL)中のエチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩(3.0g、15.5mmol)の溶液に、水(10mL)及び水酸化リチウム水和物(780mg,5.9mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、濃縮し、メタノールの大部分を除去した。残りの混合物を希釈水性HClでpH=4に酸性化し、次いで、濃縮した。残渣を真空下で乾燥させて、白色固体として対応する酸(1.7g、収率66%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。メタノール(20mL)中の酸(1.7g、10mmol)及びSOCl2(2.5g、21mmol)の混合物を還流下で2時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、薄黄色固体として化合物10(1.0g、収率55%)を得、これをキラル分取HPLCによってさらに分離して、それぞれ、(S)−メチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩(0.2g)及び(R)−メチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩(0.2g)を得た。
(S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸
メタノール(20mL)中の(S)−メチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩(500mg、2.8mmol)の溶液に、水(10mL)及び水酸化リチウム水和物(234mg、5.57mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、濃縮し、メタノールの大部分を除去した。残りの混合物を希釈水性HClでpH=4に酸性化し、次いで、濃縮した。残渣を真空下で乾燥させて、白色固体として(S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(380mg、収率81%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
(R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸
(S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸と同じ手順に従って、(R)−メチル4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸塩から調製した。
(S)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−((S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボキシアミド)プロパンアミド)プロパン酸
DCM(6mL)中の(S)−ベンジル2−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(1.0g、2.2mmol)の溶液に、TFA(6mL)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌し、次いで、乾燥するまで濃縮して、そのTFA塩として(S)−ベンジル2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩を得た。
DMF(20mL)中の(S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(300mg、1.81mmol)の溶液に、HATU(826mg、2.17mmol)を0℃で添加した。混合物を5分間撹拌し、続いて、(S)−ベンジル2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(TFA塩、819mg、1.81mmol)及びDIPEA(1.26mL、7.24mmol)を添加した。反応混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。飽和水性重炭酸ナトリウム(50mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、白色固体として(S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボキシアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩(970mg、収率94%)を得た。メタノール(10mL)中の(S)−ベンジル3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボキシアミド)プロパンアミド)プロパン酸塩(300mg、0.6mol)の溶液に、Pd/C(100mg、10%)を添加した。混合物を、水素雰囲気下(1atm)、室温で一晩撹拌し、次いで、セライトパッドを通して濾過した。濾液を乾燥するまで濃縮して、白色固体として(S)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸(250mg、定量)を得た。
(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド
DMF(10mL)中の(S)−2−アミノ−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)プロパン−1−オン(TFA塩、180mg、0.61mmol)、(S)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸(250mg、0.61mmol)、及びHATU(278mg、0.73mmol)の混合物を0℃まで冷却し、DIPEA(0.43mL、2.44mmol)を添加した。反応混合物を室温まで加温し、15分間撹拌した。飽和水性重炭酸ナトリウム(50mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50:1〜20:1)によって精製して、白色固体として(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド(103mg、収率28%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ12.27(br s,1H),8.25(d,J=6.0Hz,1H),8.05(d,J=8.1Hz,1H),8.00(d,J=6.6Hz,1H),7.11(d,J=8.1Hz,2H),6.80(d,J=7.8Hz,2H),4.45(m,1H),4.23(m,2H),3.69(s,3H),3.22(m,2H),3.01(m,2H),2.77(m,2H),2.09(m,2H),1.90(m,3H),1.69〜1.67(m,6H),1.50(s,3H),1.28(m,1H),1.04(d,J=6.3Hz,3H),0.96(d,J=7.2Hz,3H)。C32H43N5O6に対するLC−MS、実測値594.31[M+H]+。
(S)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボキサミド
(S)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボキサミドを、(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミドと同じ手順に従って、(R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸から調製した。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ12.28(br s,1H),8.26(d,J=7.2Hz,1H),8.08(d,J=7.5Hz,1H),8.05(d,J=6.6Hz,1H),7.12(d,J=8.7Hz,2H),6.80(d,J=8.1Hz,2H),4.45(m,1H),4.23(m,2H),3.70(s,3H),3.22(m,1H),3.01(m,2H),2.65(m,2H),2.09(m,2H),1.90(m,3H),1.69〜1.67(m,6H),1.50(s,3H),1.28(m,1H),1.04(d,J=6.3Hz,3H),0.97(d,J=7.2Hz,3H)。C32H43N5O6に対するLC−MS、実測値594.31[M+H]+。
以下の化合物を同様の様式で合成した。
3−ヒドロキシ−N−((R)−1−(((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−オキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−(p−トリル)プロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルブタンアミド(C−2053):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.46(d,J=6.3Hz,1H),8.20(d,J=8.7Hz,1H),8.00(d,J=7.2Hz,1H),7.10〜7.30(m,6H),6.80(d,J=8.4Hz,2H),4.78(s,1H),4.40〜4.60(m,2H),4.25(m,1H),3.75(s,3H),3.70(m,1H),3.45(m,1H),2.70〜3.10(m,5H),2.60(m,1H),2.25(s,3H),2.18(m,2H),1.10(s,6H),0.98(d,J=6.9Hz,3H)。C30H39N3O7に対するLC−MS、実測値552.2[M−H]−
実施例8(タイプH2)
(S)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミド(C−2051)の調製
TFA(4mL)を、CH2Cl2中の0.1M tert−ブチル((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメートの溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、乾燥するまで濃縮した。残渣をEtOAc(各分量に対して5mL)で3回共沸し、残りのTFAを除去した。粗生成物及び(S)−3−ヒドロキシ−3−メチルペンタン酸(1.3当量)を、出発物質中で0.05MになるまでDMF中に溶解し、HATU(1.8当量)及びDIPEAを0℃で撹拌しながら添加した。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌した。EtOAc(100mL)及び水(100mL)を添加した。2層を分離し、水相をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、(S)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミドを得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.25(d,J=7.5Hz,1H),8.11(d,J=8.7Hz,1H),8.02(d,J=7.2Hz,2H),7.12(d,J=8.4Hz,2H),6.79(d,J=8.4Hz,2H),4.67(s,1H),4.60(m,1H),4.20〜4.40(m,2H),3.71(s,3H),3.22(d,J=5.4Hz,1H),2.90〜3.10(m,2H),2.65(m,1H),2.15(s,2H),1.50〜2.00(m,8H),1.42(s,3H),1.10〜1.30(m,4H),1.10(s,3H),0.96(d,J=6.6Hz,3H),0.80(t,J=7.5Hz,3H)。C30H45N3O7に対するLC−MS、実測値558.4[M−H]−
以下の化合物を同様の様式で合成した。
(R)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミド(C−2052):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.24(d,J=7.2Hz,1H),8.11(d,J=8.1Hz,1H),8.00(d,J=7.2Hz,2H),7.12(d,J=8.4Hz,2H),6.79(d,J=8.4Hz,2H),4.67(s,1H),4.50(m,1H),4.20〜4.40(m,2H),3.71(s,3H),3.22(d,J=5.4Hz,1H),2.90〜3.10(m,2H),2.65(m,1H),2.15(2d,2H),1.90(m,1H),1.50〜1.85(m,8H),1.45(s,3H),1.10〜1.40(m,3H),1.10(s,3H),0.96(d,J=6.6Hz,3H),0.80(t,J=7.5Hz,3H)。C30H45N3O7に対するLC−MS、実測値558.2[M−H]−
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1H−インダゾール−5−カルボキサミド(C−2061):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ13.29(s,1H),8.48(d,J=6.6Hz,1H),8.38(s,1H),8.27(d,J=6.9Hz,1H),8.21(s,1H),8.09(d,J=8.4Hz,1H),7.87(d,J=8.7Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.10(d,J=8.4Hz,2H),6.70(d,J=8.4Hz,2H),4.40〜4.60(m,2H),4.30(m,1H),3.64(s,3H),3.22(m,1H),2.90〜3.10(m,2H),2.70(m,1H),1.95(m,1H),1.40〜1.80(m,6H),1.41(s,3H),1.16(d,J=6.9Hz,3H)。C32H39N5O6に対するLC−MS、実測値590.24[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボキサミド(C−2062):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ12.53(br s,1H),8.30〜8.40(m,3H),8.10(m,1H),7.94(d,J=6.6Hz,1H),7.60〜7.90(m,3H),7.06(d,J=8.4Hz,2H),6.68(d,J=8.4Hz,2H),4.30〜4.60(m,3H),3.64(s,3H),3.22(m,1H),2.90〜3.10(m,2H),2.75(m,1H),1.95(m,1H),1.40〜1.80(m,6H),1.41(s,3H),1.16(d,J=6.9Hz,3H)。C32H39N5O6に対するLC−MS、実測値590.18[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド(C−2063):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ13.39(s,1H),8.61(d,J=7.2Hz,1H),8.27(d,J=6.9Hz,1H),8.10〜8.20(m,3H),7.82(d,J=7.2Hz,1H),7.62(d,J=8.4Hz,1H),7.10(d,J=8.4Hz,2H),6.70(d,J=8.4Hz,2H),4.40〜4.60(m,2H),4.30(m,1H),3.64(s,3H),3.22(m,1H),2.90〜3.10(m,2H),2.70(m,1H),1.95(m,1H),1.40〜1.80(m,6H),1.41(s,3H),1.16(d,J=6.9Hz,3H)。C32H39N5O6に対するLC−MS、実測値590.24[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(C−2026):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.64(d,J=7.2Hz,1H),8.28(s,1H),8.26(d,J=6.6Hz,1H),8.18(d,J=9.0Hz,1H),7.12(d,J=8.7Hz,2H),6.75(d,J=8.9Hz,2H),4.60(m,1H),4.25〜4.50(m,2H),3.69(s,3H),3.50(s,3H),3.22(d,J=5.4Hz,1H),3.02(d,J=5.4Hz,1H),2.70(s,3H),2.65(m,1H),1.95(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C29H38N4O6Sに対するMS(EI)、実測値571.7[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド(C−2030):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.63(d,J=7.2Hz,1H),7.06(d,J=8.7Hz,2H),6.99(d,J=7.8Hz,1H),6.81(s,1H),6.73(d,J=8.7Hz,2H),6.54(d,J=7.8Hz,1H),4.66(m,3H),4.12(m,1H),3.76(s,3H),3.75(m,1H),3.26(d,J=4.8Hz,1H),3.08(m,1H),3.00(m,1H),2.90(d,J=4.8Hz,1H),2.47(s,3H),1.50(s,3H),1.27〜1.71(m,11H)。C29H38N4O8に対するLC−MS、実測値571.4[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−モルホリノ−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド(C−2044):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.75(d,J=8.4Hz,1H),8.52(d,J=8.4Hz,1H),8.35(d,J=6.9Hz,1H),7.10(d,J=8.4Hz,2H),6.99(s,1H),6.77(d,J=8.4Hz,2H),4.57(m,2H),4.33(m,1H),3.70(s,3H),3.44(m 4H),3.20(d,J=4.8Hz,1H),3.03(d,J=5.4Hz,1H),2.94(m,1H),2.67(m,1H),2.30〜2.45(m,5H),2.31(m,4H),1.42(s,3H),1.03〜1.93(m,11H)。C33H45N5O8に対するLC−MS、実測値639.9[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−モルホリノ−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド(C−2045):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.73(d,J=8.1Hz,1H),8.39(d,J=8.1Hz,1H),8.33(d,J=7.5Hz,1H),7.08(d,J=8.7Hz,2H),6.98(s,1H),6.75(d,J=8.7Hz,2H),4.56(m,2H),4.35(m,1H),3.68(s,3H),3.43(m 4H),3.16(d,J=5.7Hz,1H),3.02(d,J=5.1Hz,1H),2.91(m,1H),2.68(m,1H),2.36(m,4H),2.31(s,3H),1.42(s,3H),1.07〜1.93(m,11H)。C33H45N5O8に対するLC−MS、実測値640.7[M+H]+。
実施例9(タイプH3)
N−((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド(C−2022)の調製
(S)−ベンジル2−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩
HATU(19.3g、51mmol)及びDIPEA(29.6mL、170mmol)を、DMF(200mL)中のBoc−L−アラニン(7.7g、40.7mmol)及びL−4−MeO−フェニルアラニンベンジルエステルp−トルエンスルホン酸塩(15.0g、34mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を室温まで加温し、12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3:1)によって精製して、(S)−ベンジル2−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(13.7g、収率88%)を得た。
(S)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((S)−2−(3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキシアミド)プロパンアミド)プロパン酸
TFA(10mL)を、CH2Cl2(20mL)中の(S)−ベンジル2−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(1.02g、2.2mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、乾燥するまで濃縮した。残渣をEtOAc(各分量に対して5mL)で3回共沸し、残りのTFAを除去した。粗生成物及び3−メチルイソオキサゾール−5−カルボン酸(280mg、2.2mmol)を、DMF(10mL)中に溶解し、この溶液を0℃まで冷却した。HATU(1.25g、3.3mmol)及びNMM(0.72mL、6.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2:1)によって精製して、3aのベンジルエステル(0.81g、2つの工程にわたって収率78%)を得た。ベンジルエステル(650mg、1.4mmol)をMeOH(20mL)中に溶解し、水(10mL)中のLiOH(400mg、9.6mmol)の溶液を0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を3時間撹拌し、次いで、2N水性HClでpH=3に酸性化した。揮発物の除去により、化合物3a(0.61g、定量)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
N−((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド
HATU(604mg、1.6mmol)及びDIPEA(0.89mL、6.0mmol)を、DMF(30mL)中の化合物(S)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((S)−2−(3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキシアミド)プロパンアミド)プロパン酸(375mg、1.1mmol)及び(S)−2−アミノ−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)プロパン−1−オン(TFA塩、314mg、1.1mmol)の溶液に、0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/CH2Cl2/MeOH=1:2:0.01)によって精製して、N−((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド(150mg、収率25%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.85(d,J=7.5Hz,1H),8.22(d,J=7.2Hz,1H),7.97(d,J=8.7Hz,1H),7.10(d,J=8.7Hz,2H),6.98(s,1H),6.75(d,J=8.1Hz,2H),4.30〜4.60(m,3H),3.68(s,3H),3.17(d,J=5.4Hz,1H),3.02(d,J=5.4Hz,1H),2.96(m,1H),2.70(m,1H),2.30(s,3H),1.90(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C29H38N4O7に対するMS(EI)、実測値555.2[M+H]+。
以下の化合物を同様の様式で合成した。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ピコリンアミド(C−2031):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.60〜8.70(m,1H),8.30〜8.40(m,2H),7.95〜8.10(m,2H),7.65(m,1H),7.13(d,J=8.4Hz,2H),6.77(d,J=8.4Hz,2H),4.50〜4.60(m,2H),4.30(m,1H),3.69(s,3H),3.20(d,J=5.1Hz,1H),2.95〜3.05(m,2H),2.65(m,1H),1.95(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C30H38N4O6に対するLC−MS、実測値551.4[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ニコチンアミド(C−2032):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ9.02(s,1H),8.70〜8.80(m,2H),8.10〜8.30(m,3H),7.53(m,1H),7.13(d,J=8.4Hz,2H),6.77(d,J=8.4Hz,2H),4.30〜4.60(m,2H),4.30(m,1H),3.69(s,3H),3.20(d,J=5.1Hz,1H),2.95〜3.05(m,2H),2.65(m,1H),1.95(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C30H38N4O6に対するLC−MS、実測値551.7[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(3−メトキシプロパンアミド)プロパンアミド)プロパンアミド(C−2018):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.12(d,J=8.4Hz,2H),6.83(d,J=8.7Hz,2H),6.72(m,2H),6.55(d,J=8.1Hz,1H),4.60(m,1H),4.53(m,1H),4.37(m,1H),3.79(s,3H),3.65(m,2H),3.38(s,3H),3.30(d,J=4.8Hz,1H),3.03(m,2H),2.89(d,J=4.8Hz,1H),2.49(t,J=5.7Hz,2H),1.50(s,3H),1.31(d,J=6.9Hz,3H),0.85〜1.83(m,11H)。C28H41N3O7に対するMS(EI)、実測値532.9[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−((S)−2−(2−エトキシアセトアミド)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(C−2020):1H NMR(CDCl3,300MHz):□7.12(d,J=8.4Hz,2H),6.83(d,J=7.2Hz,1H),6.78(d,J=8.4Hz,2H),6.77(d,J=7.2Hz,1H),6.36(d,J=7.2Hz,1H),4.47〜4.61(m,3H),3.92(d,J=15.3Hz,1H),3.80(d,J=15.3Hz,1H),3.79(s,3H),3.56(q,J=6.9Hz,2H),3.27(d,J=4.8Hz,1H),2.99〜3.04(m,2H),2.90(d,J=4.8Hz,1H),1.53〜1.90(m,9H),1.52(s,3H),1.39(d,J=7.2Hz,3H),1.26(t,J=6.9Hz,3H),1.10〜1.20(m,2H)。C28H41N3O7に対するLC−MS、実測値532.1[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−((R)−2−(2−エトキシアセトアミド)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(C−2021):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.13(d,J=8.4Hz,2H),7.04(d,J=7.2Hz,1H),6.82(d,J=8.7Hz,2H),6.68(d,J=8.1Hz,1H),6.47(d,J=8.1Hz,1H),4.62(m,1H),4.50(m,1H),4.39(m,1H),3.94(s,2H),3.79(s,3H),3.57(m,2H),3.29(d,J=5.1Hz,1H),3.03(m,2H),2.89(d,J=4.8Hz,1H),2.83(s,3H),2.49(t,J=5.7Hz,2H),1.51(s,3H),1.34(d,J=6.9Hz,3H),1.27(t,J=3.5Hz,3H),0.95〜1.78(m,6H)。C28H41N3O7に対するMS(EI)、実測値532.2[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((R)−2−(2−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド(C−2015):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.35(d,J=7.5Hz,1H),8.28(d,J=6.9Hz,1H),8.18(d,J=9.0Hz,1H),7.12(d,J=8.7Hz,2H),6.75(d,J=8.7Hz,2H),4.55(m,1H),4.25〜4.40(m,2H),3.70(s,3H),3.65(s,2H),3.22(d,J=5.4Hz,1H),3.02(d,J=5.4Hz,1H),2.70(m,1H),2.15(s,3H),1.95(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C30H40N4O7に対するMS(EI)、実測値569.7[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(C−2025):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.65(d,J=7.8Hz,1H),8.29(s,1H),8.20(d,J=7.5Hz,1H),7.90(d,J=8.1Hz,1H),7.12(d,J=8.7Hz,2H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),4.25〜4.50(m,3H),3.69(s,3H),3.50(s,3H),3.22(d,J=5.4Hz,1H),3.02(d,J=5.4Hz,1H),2.70(s,3H),2.65(m,1H),1.95(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C29H38N4O6Sに対するMS(EI)、実測値571.2[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド(C−2023):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.82(d,J=7.5Hz,1H),8.32(d,J=7.2Hz,1H),8.16(d,J=8.7Hz,1H),7.10(d,J=8.7Hz,2H),6.96(s,1H),6.75(d,J=8.1Hz,2H),4.30〜4.60(m,3H),3.69(s,3H),3.22(d,J=5.4Hz,1H),3.02(d,J=5.4Hz,1H),2.96(m,1H),2.70(m,1H),2.30(s,3H),1.90(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C29H38N4O7に対するMS(EI)、実測値555.2[M+H]+。
N−((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(C−2027):1H NMR(CDCl3,300MHz):7.10(d,J=8.4Hz,2H),6.91〜7.00(m,1H),6.81(d,J=8.4Hz,2H),6.38〜6.52(m,2H),4.60〜4.67(m,1H),4.47〜4.53(m,3H),3.79(s,3H),3.21(d,J=4.8Hz,1H),2.92〜3.01(m,2H),2.90(d,J=4.8Hz,1H),2.36(d,J=5.4Hz,2H),1.53〜1.90(m,9H),1.52(s,3H),1.39(d,J=7.5Hz,3H),1.30(s,6H),1.03〜1.16(m,2H)。C29H43N3O7に対するLC−MS、実測値546.4[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド(C−2028):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.11(d,J=8.7Hz,2H),6.88(d,J=7.8Hz,1H),6.83(d,J=8.7Hz,2H),6.69(d,J=7.5Hz,1H),6.48(d,J=8.1Hz,1H),4.62(m,1H),4.47(m,2H),3.79(s,3H),3.25(d,J=4.8Hz,1H),3.01(m,2H),2.89(d,J=4.8Hz,1H),2.37(m,2H),1.55(s,3H),1.02〜1.78(m,20H)。C29H43N3O7に対するLC−MS、実測値546.4[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−カルボキサミド(C−2029):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.27(br s,1H),8.15(br s,1H),7.67(br s,2H),7.36〜7.40(m,2H),7.12(d,J=8.4Hz,2H),6.78(br s,1H),6.70(d,J=8.4Hz,2H),5.12〜5.22(m,1H),4.82〜4.88(m,1H),4.48〜4.56(m,1H),3.56(s,3H),3.18(d,J=5.1Hz,1H),3.07(d,J=6.9Hz,1H),2.82(d,J=5.1Hz,1H),1.54〜1.67(m,4H),1.54(s,3H),1.51(d,J=6.3Hz,3H),1.26〜1.51(m,4H),0.95〜1.06(m,3H)。C32H39N5O6に対するLC−MS、実測値590.5[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((S)−2−(3−メトキシプロパンアミド)プロパンアミド)プロパンアミド(C−2019):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.17(d,J=7.2Hz,1H),8.03(d,J=7.2Hz,1H),7.78(d,J=8.1Hz,1H),7.11(d,J=8.4Hz,2H),6.80(d,J=8.4Hz,2H),4.55(m,1H),4.30(m,1H),4.20(m,1H),3.72(s,3H),3.50(m,2H),3.15〜3.30(m,4H),3.05(m,1H),2.95(m,1H),2.70(m,1H),2.30(m,2H),1.50〜1.95(m,8H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.14(d,J=6.6Hz,3H)。C28H41N3O7に対するLC−MS、実測値532.5[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチル−1H−インデン−2−カルボキサミド(C−2040):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.50(m,2H),7.48(m,2H),7.39(m,2H),7.15(m,2H),6.80(d,J=8.4Hz,1H),4.58(m,3H),3.74(s,3H),3.62(m,2H),3.26(d,J=4.8Hz,1H),3.04(m,2H),2.87(d,J=5.1Hz,1H),2.54(s,3H),1.73〜1.64(m,10H),1.42(d,J=6.9Hz,3H),1.41〜0.91(m,3H)。C35H43N3O6に対するLC−MS、実測値602.5[M+H]+。
(S)−N−((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−((S)−2−(2−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)アセトアミド)プロパンアミド)プロパンアミド(C−2014):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.11(d,J=8.6Hz,2H),6.81(d,J=8.6Hz,2H),6.53(d,J=7.8Hz,1H),6.32(d,J=7.1Hz,1H),6.19(d,J=7.9Hz,1H),6.07(s,1H),4.63〜4.36(m,5H),3.78(s,4H),3.65(s,3H),3.22(d,J=5.0Hz,1H),2.98(qd,J=14.1,6.9Hz,3H),2.89(d,J=5.0Hz,1H),2.80(s,1H),2.29(s,4H),1.81〜1.42(m,10H),1.33(d,J=7.0Hz,4H),1.22〜0.94(m,1H)。C30H40N4O7に対するMS(EI)、実測値569.0[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)イソニコチンアミド(C−2033):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.28〜7.23(m,5H),7.19〜7.08(m,5H),7.05(q,J=3.7Hz,2H),7.00(dd,J=7.4,2.0Hz,2H),6.81(d,J=8.4Hz,1H),6.70(br s,1H),6.55(d,J=7.2Hz,1H),4.74(m,1H),4.65〜4.62(m,1H),4.03(m,1H),3.79(s,3H),3.27(d,J=4.8Hz,1H),3.11(d,J=4.5Hz,1H),3.07(d,J=4.8Hz,1H),2.98(m,2H),2.68(dd,J=13.8,8.1Hz,1H),2.30(m,1H),2.22(m,2H),2.20(m,3H),1.48(s,3H)。C30H38N4O6に対するLC−MS、実測値551.6[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド(C−2034):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.00〜8.28(br s,2H),7.20(s,2H),7.11(d,J=8.4Hz,2H),6.73(d,J=8.4Hz,2H),4.90〜5.00(m,1H),4.75〜4.83(m,1H),4.45〜4.52(m,1H),3.75(s,3H),3.20(d,J=5.1Hz,1H),3.10(d,J=6.3Hz,1H),2.88(d,J=5.1Hz,1H),1.58〜1.69(m,4H),1.51(s,3H),1.41(d,J=6.6Hz,3H),1.26〜1.51(m,5H),0.95〜1.06(m,2H)。C28H37N5O6に対するLC−MS、実測値540.6[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1H−インデン−2−カルボキサミド(C−2036):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.30(d,J=6.9Hz,1H),8.20(d,J=6.9Hz,1H),8.10(d,J=6.9Hz,1H),7.64(s,1H),7.55(d,J=4.8Hz,2H),7.33(d,J=4.8Hz,2H),7.12(m,2H),6.75(m,2H),4.38(m,1H),4.32(m,2H),3.66(s,3H),3.23(m,1H),3.03(m,2H),2.72(m,1H),1.90(m,1H),1.72(m,2H),1.54(m,6H),1.26(s,3H),1.24(m,1H),1.13(d,J=6.9Hz,3H)。C34H41N3O6に対するLC−MS、実測値588.8[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)シクロペンタ−1−エンカルボキサミド(C−2037):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.12(d,J=8.7Hz,2H),6.83(d,J=8.4Hz,3H),6.76(d,J=8.4Hz,2H),6.57(m,1H),4.62(m,1H),4.27(m,2H),3.79(s,3H),3.30(m,2H),2.87(m,1H),2.54(m,4H),2.06(m,2H),1.61(m,4H),1.54(m,3H),1.51(m,6H),1.37(d,J=6.9Hz,3H),1.32(m,2H),1.28(m,1H)。C30H41N3O6に対するLC−MS、実測値540.4[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−メチルイソオキサゾール−5−カルボキサミド(C−2024):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ9.02(s,1H),8.65〜8.80(m,2H),8.10〜8.30(m,3H),7.55(m,1H),7.12(d,J=8.4Hz,2H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),4.30〜4.60(m,3H),3.69(s,3H),3.23(d,J=5.1Hz,1H),2.95〜3.05(m,2H),2.65(m,1H),1.95(m,1H),1.50〜1.85(m,10H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C29H38N4O7に対するLC−MS、実測値555.4[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−カルボキサミド(C−2038):1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.12(d,J=6.6Hz,1H),7.80(d,J=6.9Hz,2H),7.38〜7.47(m,3H),7.11(d,J=8.7Hz,2H),6.70(d,J=8.7Hz,2H),6.68(d,J=6.6Hz,1H),6.44(d,J=6.6Hz,1H),4.50〜4.70(m,3H),4.20(s,3H),3.66(s,3H),3.27(d,J=5.1Hz,1H),2.98〜3.15(m,2H),2.88(d,J=5.1Hz,1H),1.50〜2.00(m,8H),1.51(d,J=7.2Hz,3H),1.49(s,3H),1.06〜1.16(m,3H)。C33H41N5O6に対するLC−MS、実測値604.5[M+H]+。
N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド(C−2041):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.90(d,J=7.5Hz,1H),8.75(s,1H),8.30(d,J=6.9Hz,1H),8.19(d,J=8.4Hz,1H),7.13(s,1H),7.12(d,J=8.7Hz,2H),6.75(d,J=8.7Hz,2H),4.50(m,1H),4.40(m,1H),4.30(m,1H),3.69(s,3H),3.23(d,J=5.4Hz,1H),3.02(d,J=5.4Hz,1H),2.95(m,1H),2.65(m,1H),1.95(m,1H),1.50〜1.85(m,7H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,2H),1.26(d,J=6.6Hz,3H)。C28H36N4O7に対するLC−MS、実測値541.4[M+H]+。
(R)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシブタンアミド(C−2042):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.26(d,J=6.3Hz,1H),8.06(d,J=8.4Hz,1H),7.97(d,J=6.6Hz,1H),7.12(d,J=8.4Hz,2H),6.80(d,J=8.1Hz,2H),4.66(d,J=4.8Hz,1H),4.30(m,1H),4.21(m,1H),4.08(m,1H),3.96(m,1H),3.71(s,3H),3.22(d,J=5.1Hz,1H),3.02(d,J=5.1Hz,1H),2.94(m,2H),2.52(m,1H),2.18〜2.12(m,2H),1.83(m,2H),1.59〜1.42(m,6H),1.42(s,3H),1.18(m,2H),1.04(d,J=6.0Hz,3H),0.96(d,J=7.2Hz,3H)。C28H41N3O7に対するLC−MS、実測値532.4[M+H]+。
(S)−N−((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−ヒドロキシブタンアミド(C−2043):1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.23(d,J=6.9Hz,1H),8.05(d,J=8.1Hz,1H),7.95(d,J=7.8Hz,1H),7.11(d,J=8.4Hz,2H),6.80(d,J=8.7Hz,2H),4.61(d,J=4.8Hz,1H),4.30(m,1H),4.20(m,1H),4.08(m,1H),3.96(m,1H),3.71(s,3H),3.23(d,J=5.1Hz,1H),3.00(m,2H),2.52(m,1H),2.18〜2.12(m,2H),1.83(m,2H),1.59〜1.42(m,6H),1.39(s,3H),1.18(m,2H),1.04(d,J=6.3Hz,3H),0.96(d,J=7.2Hz,3H)。C28H41N3O7に対するLC−MS、実測値532.6[M+H]+。
厳選した中間体の合成
実施例10
(R)−2−メチル−5−オキソピロリジン−2−カルボン酸(C−3010の構成要素)の調製
(7aR)−3−(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−1(3H)−オン
無水MgSO4(105g、0.88mol)を、クロロホルム(800mL)中のD−プロリン(50g、0.43mol)及び抱水クロラール(108g、0.66mol)の溶液に添加した。懸濁液を還流下で6時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。混合物を水(300mL×3)で洗浄し、水相をクロロホルム(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(500mL×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をEtOHから再結晶して、オフホワイト色の固体として化合物(7aR)−3−(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−1(3H)−オン(42g、収率40%)を得た。
(7aR)−7a−メチル−3−(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−1(3H)−オン
LDA(2M、68mL、0.136mol)を、THF(150mL)中の化合物(7aR)−3−(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−1(3H)−オン(22.2g、91mmol)の溶液に、−78℃で撹拌しながら滴加した。混合物を1時間撹拌し、ヨードメタン(38.7g、0.272mol)を−78℃で滴加した。反応混合物を−78℃で0.5時間撹拌し、次いで、室温まで加温し、一晩撹拌した。反応物を水(200mL)で反応停止させ、得られた混合物をCH2Cl2(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(500mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=4:1)によって精製して、化合物(7aR)−7a−メチル−3−(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−1(3H)−オン(17.8g、収率75%)を得た。
(R)−N−Boc−2−メチルプロリンメチルエステル
SOCl2(10mL、138mmol)を、MeOH(200mL)中の化合物(7aR)−7a−メチル−3−(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2−c]オキサゾール−1(3H)−オン(17.8g、69mmol)の溶液に0℃で撹拌しながら滴加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、室温まで加温し、0.5時間撹拌した。混合物を還流下で、さらに5時間加熱した。混合物を室温まで冷却した後、それを乾燥するまで濃縮した。残渣をCH2Cl2(200mL)中に溶解し、Boc2O(18.1g、83mmol)及びトリエチルアミン(48mL、345mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、それぞれ、5%水性KHSO4(100mL×3)、飽和水性NaHCO3(100mL×3)、及びブライン(100mL×1)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=4:1)によって精製して、化合物(R)−N−Boc−2−メチルプロリンメチルエステル(12.1g、収率72%)を得た。
(R)−N−Boc−2−メチルピログルタミン酸メチルエステル
水(40mL)中のNaIO4(8.2g、38mmol)及びRuCl3(20mg)の溶液を、EtOH(40mL)中の化合物(R)−N−Boc−2−メチルプロリンメチルエステル(2.3g、9.6mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。2層を分離し、水相をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=4:1)によって精製して、淡黄色固体として化合物(R)−N−Boc−2−メチルピログルタミン酸メチルエステル(1.5g、収率61%)を得た。
(R)−2−メチルピログルタミン酸
TFA(10mL)を、CH2Cl2(20mL)中の化合物(R)−N−Boc−2−メチルピログルタミン酸メチルエステル(2.0g、7.8mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら添加した。混合物をさらに1時間撹拌し、乾燥するまで濃縮した。そして、残渣をEtOAc(5mL×3)で3回共沸し、残りのTFAを除去した。粗物をMeOH(20mL)中に溶解し、水(10mL)中のLiOH(1.3g、31mmol)の溶液を0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を3時間撹拌した後、それを2N水性HClでpH=3に酸性化した。得られた混合物を濃縮して、粗物(R)−2−メチルピログルタミン酸(収率約100%)を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
(S)−2−メチルピログルタミン酸
(R)−2−メチルピログルタミン酸と同じ手順に従って、7つの工程で、L−プロリンから(S)−2−メチルピログルタミン酸を調製した。
実施例11
(S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−(1−((トリエチルシリル)オキシ)シクロプロピル)酢酸(C−2046の構成要素)の調製
(R)−メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸塩(4)
塩化アセチル(40mL、0.57mol)を、MeOH(300mL)中のD−セリン(50.0g、0.47mol)の懸濁液に、0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を12時間撹拌し、次いで、乾燥するまで濃縮した。残渣をMeOH(200mL)中に溶解し、続いて、トリエチルアミン(50mL)を添加した。Cbz−OSU(93.0g、0.4mol)を0℃で添加し、反応混合物を12時間撹拌した。混合物を乾燥するまで濃縮し、残渣を塩化メチレン(500mL)中に溶解した。得られた溶液をブライン(200mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、油として粗化合物(R)−メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸塩(68.0g、収率57%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
(R)−3−ベンジル4−メチル2,2−ジメチルオキサゾリジン−3,4−ジカルボン酸塩
化合物(R)−メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸塩(43.0g、0.17mol)、2,2−ジメトキシプロパン(200mL、1.7mol)、及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(5mL)の混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、還流下で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、次いで、濃縮した。残渣を水(200mL)及びEtOAc(200mL)の混合物中に注ぎ入れた。2相を分離し、水相をEtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和水性NaHCO3(500mL×3)及びブライン(200mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3:1)によって精製して、化合物(R)−3−ベンジル4−メチル2,2−ジメチルオキサゾリジン−3,4−ジカルボン酸塩(38.2g、収率77%)を得た。
(R)−ベンジル4−(1−ヒドロキシシクロプロピル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボン酸塩
チタン(IV)イソプロポキシド(1.45g、5.1mmol)を、THF(100mL)中の化合物(R)−3−ベンジル4−メチル2,2−ジメチルオキサゾリジン−3,4−ジカルボン酸塩(5.0g、17.1mmol)の溶液に0℃で添加し、次いで、EtMgBr(42.7mmol、Et2O中の溶液)を30分間にわたって滴加した。濃暗色溶液を室温で18時間撹拌した。水(20mL)をゆっくり添加することにより反応物を反応停止させ、得られた混合物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和水性NaHCO3(100mL×3)及びブライン(100mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2:1)によって精製して、化合物(R)−ベンジル4−(1−ヒドロキシシクロプロピル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボン酸塩(2.8g、収率56%)を得た。
(R)−ベンジル2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチルカルバメート
ピリジニウムp−トルエンスルホン酸塩(10.0g、40mmol)を、MeOH(100mL)中の化合物(R)−ベンジル4−(1−ヒドロキシシクロプロピル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボン酸塩(9.0g、3.1mmol)の溶液に0℃で添加した。混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を水(200mL)中に溶解し、得られた溶液をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和水性NaHCO3(100mL×3)及びブライン(100mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1:1)によって精製して、化合物(R)−ベンジル2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチルカルバメート(3.8g、収率48%)を得た。
(R)−ベンジル1−(1−(トリエチルシリルオキシ)シクロプロピル)−2−ヒドロキシエチルカルバメート
トリエチルシリルトリフラート(3.2mL、12mmol)を、TEA(10mL)を含有するジクロロメタン(10mL)中の化合物(R)−ベンジル2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチルカルバメート(1.2g、4.8mmol)の溶液に、−78℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を室温まで加温し、12時間撹拌した。反応物を飽和水性NaHCO3(50mL)で反応停止させ、得られた混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和水性NaHCO3(50mL×3)及びブライン(30mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、乾燥するまで濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=10:1)によって精製して、化合物ジ−TESで保護した(R)−ベンジル(2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチル)カルバメート(780mg)を得た。ジ−TESで保護した(R)−ベンジル(2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチル)カルバメート(5.0g、10.4mmol)を、AcOH/THF/H2O(26mL、4:8:1)の混合物に0℃で添加した。反応混合物を2時間撹拌し、次いで、NaHCO3を添加した。混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和水性NaHCO3(50mL×3)及びブライン(30mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、化合物(R)−ベンジル1−(1−(トリエチルシリルオキシ)シクロプロピル)−2−ヒドロキシエチルカルバメート(4.8g、収率43%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(1−(トリエチルシリルオキシ)シクロプロピル)酢酸
デス−マーチンペルヨージナン(3.2g、7.5mmol)を、ジクロロメタン(30mL)中の化合物(R)−ベンジル1−(1−(トリエチルシリルオキシ)シクロプロピル)−2−ヒドロキシエチルカルバメート(2.1g、5.8mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで、それぞれ、水性水酸化ナトリウム(1N、50mL×3)、水性チオ硫酸ナトリウム(1N、50mL×3)、飽和水性NaHCO3(50mL×3)、及びブライン(30mL×1)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、対応するアルデヒドを得た。
粗アルデヒドをtert−ブチルアルコール(20mL)及びTHF(20mL)中に溶解し、水(20mL)中の亜塩素酸ナトリウム(80%、2.5g、22mmol)及びりん酸二水素ナトリウム一水和物(7.9g、66mmol)の溶液を室温で1時間にわたって滴加した。反応混合物を3時間撹拌し、次いで、塩酸(0.1N、100mL)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(50mL×1)で抽出した。合わせた有機層を5%水性KHSO4(100mL×3)及びブライン(100mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、乾燥するまで濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2:1)によって精製して、化合物(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(1−(トリエチルシリルオキシ)シクロプロピル)酢酸(1.3g、収率59%)を得た。
実施例12
tert−ブチル((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−オキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(方法1;C−2053及びC−2055のための中間体)の調製
丸底フラスコ中のメタノール(450mL)を0℃まで冷却し、塩化アセチル(55mL、0.77mol)を滴加した。添加が完了した後、混合物を周囲温度で10分間撹拌し、H−Ser−OH(30g、0.29mol)を3回に分けて添加した。反応混合物を80℃で2時間加熱し、次いで、濃縮した。残渣を真空下で乾燥させて、無色固体として(S)−メチル2−アミノ−3−ヒドロキシプロパン酸塩酸塩(定量)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
粗物(S)−メチル2−アミノ−3−ヒドロキシプロパン酸塩酸塩(0.29mol)をDCM(200mL)中に懸濁させ、この混合物に、トリエチルアミン(79mL、0.57mol)及びBoc2O(68g、0.31mol)を0℃で添加した。冷却槽から取り出し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次いで、MTBE(300mL)で希釈した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色油として(S)−メチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸塩(60g、収率94%)を得た。
DCM(600mL)中のトリフェニルホスフィン(131g、0.500mol)及びイミダゾール(34g、0.50mol)の混合物を0℃まで冷却し、ヨウ化物(127g、0.50mol)を0.5時間にわたって少量ずつ添加した。冷却槽から取り出し、混合物を0.5時間撹拌した。混合物を0℃まで再冷却し、DCM(300mL)中の(S)−メチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸塩(73g、0.33mol)の溶液を滴加した。添加後、冷却槽から取り出し、混合物を周囲温度まで加温し、1.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、溶媒の大部分を除去した。MTBE(400mL)を残渣に添加し、混合物を濾過し、トリフェニルホスフィンオキシドを除去した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色固体として(R)−メチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヨードプロパン酸塩(74.0g、収率68%)を得た。
DCM(1.3L)中のシクロペンタノン(55g、0.66mol)の溶液に、Na2CO3(104g、0.98mol)を添加し、混合物を−20℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(121mL、0.72mol)を滴加した。添加後、冷却槽から取り出し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。GC−MS分析は、反応が完了しなかったことを示し、さらにトリフルオロメタンスルホン酸無水物(33mL、0.20mol)を添加した。反応混合物をさらに4時間撹拌し、次いで、水(800mL)で反応停止させた。得られた2相を分離し、水相をDCM(300mL)で抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗浄し、濃縮して、粘性油としてシクロペンタ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸塩(104g、収率73%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
DMF(500mL)中の亜鉛(123g、1.90mol)の懸濁液に、TMSCl(46mL)を滴加した。混合物を周囲温度で45分間撹拌した。上部の透明な液体を排出させ、残渣をDMF(2×200mL)で洗浄した。得られた固体をDMF(200mL)中に再懸濁させ、混合物を0℃まで冷却した。DMF(300mL)中の(R)−メチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヨードプロパン酸塩(104g、0.32mol)の溶液を添加した。混合物を、窒素下、0℃で20分間撹拌した。上部の透明な液体を排出させ、DMF(500mL)中のシクロペンタ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸塩(90g、0.37mol)及びPd(dppf)Cl2(3.9g、4.7mmol)の溶液に滴加した。添加後、反応混合物を、窒素下、50℃で一晩撹拌し、次いで、周囲温度まで冷却した。ブライン(500mL)を添加し、得られた混合物をMTBE(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:1〜40:1)によって精製して、粘性油として(S)−メチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)プロパン酸塩(62g、収率72%)を得た。
水/メタノール(900mL、2:1)中の(S)−メチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)プロパン酸塩(62g、0.23mol)の溶液に、水酸化リチウム水和物(19.3g、0.46mol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次いで、濃縮し、メタノールの大部分を除去した。残渣をDCM(400mL)で洗浄し、水相を希釈HClでpH=3〜4に酸性化した。得られた混合物をDCM(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮して、粘性油として(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)プロパン酸(56g、収率95%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
メタノール(500mL)中の(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)プロパン酸(56g、0.22mol)の溶液に、Pd/C(23g、0.022mol、10%)を添加した。混合物を、水素雰囲気下(1atm)、周囲温度で一晩撹拌し、次いで、セライトパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粘性油として(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−シクロペンチルプロパン酸(55g、収率97%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
化合物(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−シクロペンチルプロパン酸(55g、214mmol)で充填したフラスコに、THF/DCM(800mL、1:1)を添加した。溶液を0℃まで冷却し、クロロぎ酸エチル(24.5mL、257mmol)及びNMM(28.4mL、257mmol)を連続して滴加した。添加後、混合物を、窒素下、0℃で1時間撹拌した。N,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(25g、257mmol)で充填した別のフラスコに、DCM(400mL)を添加した。混合物を0℃まで冷却し、TEA(38.7mL、278mmol)を添加した。得られた混合物を元の反応フラスコに移した。反応混合物を周囲温度まで加温し、一晩撹拌した。次いで、この反応物を水(500mL)で反応停止させ、2相を分離した。有機相を水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、無色油として(S)−tert−ブチル(3−シクロペンチル−1−(メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(60g、収率93%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
THF(35mL)中の(S)−tert−ブチル(3−シクロペンチル−1−(メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(2.5g、8.3mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(16.7mL、33.3mol)を0℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、飽和水性塩化アンモニウム(30mL)で反応停止させた。得られた混合物をEtOAc(2×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:1)によって精製して、黄色油として(S)−tert−ブチル(1−シクロペンチル−3−オキソペンタ−4−エン−2−イル)カルバミン酸塩(854mg、収率38%)を得た。
DMF(70mL)中の(S)−tert−ブチル(1−シクロペンチル−3−オキソペンタ−4−エン−2−イル)カルバミン酸塩(854mg、3.2mmol)の溶液を−20℃まで冷却し、漂白溶液(9.5mL、12.8mmol、10% 活性香辛料)を窒素下で滴加した。反応混合物を0℃まで加温し、1.5時間撹拌した。水(70mL)を添加し、混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=80:1)によって精製して、黄色油として粘性油としてtert−ブチル((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−オキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(390mg、いくつかの不純物により汚染、収率43%)を得た。
実施例13
tert−ブチル((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(C−3001、C−2060、C−2066、C−2067、C−2068、C−2069、及びC−2070のための中間体)の調製
DCM(1.3L)中のシクロペンタノン(55g、0.66mol)の溶液に、Na2CO3(104g、0.980mol)を添加し、混合物を−20℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(121mL、0.720mol)を滴加した。添加後、冷却槽から取り出し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。GC−MS分析は、反応が完了しなかったことを示し、さらなるトリフルオロメタンスルホン酸無水物(33mL、0.20mol)を添加した。反応混合物をさらに4時間撹拌し、次いで、水(800mL)で反応停止させた。水相をDCM(300mL)で抽出した。有機物を合わせて、ブラインで洗浄し、濃縮して、粘性油としてシクロペンテニルトリフルオロメタンスルホン酸塩(104g、収率73%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
DMF(500mL)中の亜鉛(123g、1.90mol)の懸濁液に、TMSCl(46mL)を滴加した。混合物を周囲温度で45分間撹拌した。上部の透明な液体を取り除き、残渣をDMF(200mL×2)で洗浄した。得られた固体をDMF(200mL)中に再懸濁させ、混合物を0℃まで冷却した。DMF(300mL)中の(R)−メチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヨードプロパン酸塩(104g、0.320mol)の溶液を添加した。混合物を、窒素下、0℃で20分間撹拌した。上部の透明な液体を取り除き、DMF(500mL)中のシクロペンタ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸塩(90g、0.37mol)及びPd(dppf)Cl2(3.9g、4.7mmol)の溶液に滴加した。添加後、反応混合物を、窒素下、50℃で一晩撹拌し、次いで、周囲温度まで冷却した。ブライン(500mL)を添加し、得られた混合物をMTBE(300mL×3)で抽出した。有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:1〜40:1)によって精製して、粘性油として(S)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−シクロペンテニルプロパン酸塩(62g、収率72%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ□5.48(br s,1H),4.97(d,J=6.6Hz,1H),4.40〜4.43(m,1H),3.74(s,3H),2.46〜2.63(m,2H),2.23〜2.34(m,4H),1.82〜1.93(m,2H),1.45(s,9H)。
水/メタノール(900mL、2:1)中の(S)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−シクロペンテニルプロパン酸塩(62g、0.23mol)の溶液に、水酸化リチウム水和物(19.3g、0.460mol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次いで、濃縮し、メタノールの大部分を除去した。残渣をDCM(400mL)で洗浄し、水相を希釈HClでpH=3〜4に酸性化した。得られた混合物をDCM(300mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮し、粘性油として(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−シクロペンテニルプロパン酸(56g、収率95%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ□10.47(br.s,1H),5.52(br.s,1H),4.98(d,J=8.1Hz,1H),4.40〜4.44(m,1H),2.50〜2.70(m,2H),2.25〜2.34(m,4H),1.79〜1.93(m,2H),1.45(s,9H)。
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−シクロペンテニルプロパン酸(55.0g、214mmol)で充填したフラスコに、THF/DCM(800mL、1:1)を添加した。溶液を0℃まで冷却し、クロロぎ酸エチル(24.5mL、257mmol)及びNMM(28.4mL、257mmol)を連続して滴加した。添加後、混合物を、窒素下、0℃で1時間撹拌した。N,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(25g、257mmol)で充填した別のフラスコに、DCM(400mL)を添加した。混合物を0℃まで冷却し、TEA(38.7mL、278mmol)を添加した。得られた混合物を元の反応フラスコに移した。反応混合物を周囲温度まで加温し、一晩撹拌した。混合物を水(500mL)で反応停止させ、有機相を水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、無色油として(S)−tert−ブチル(3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−(メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(60g、収率93%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
THF(600mL)中の(S)−tert−ブチル(3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−(メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(81g、0.27mol)の溶液に、新たに調製したプロパ−1−エン−2−イルマグネシウムブロミド(96.0mL、1.08mol)を0℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、飽和水性塩化アンモニウム(0mL)で反応停止させた。得られた混合物をEtOAc(400mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:1)によって精製して、無色油として(S)−tert−ブチル(1−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−4−メチル−3−オキソペンタ−4−エン−2−イル)カルバミン酸塩(39.3g、収率52%)を得た。
DMF(180mL)中の(S)−tert−ブチル(1−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−4−メチル−3−オキソペンタ−4−エン−2−イル)カルバミン酸塩(10.0g、35.6mmol)の溶液を−20℃まで冷却し、漂白剤(54.0mL、71.2mmol、10%)を窒素下で滴加した。反応混合物を0℃まで加温し、1.5時間撹拌した。水(200mL)を添加し、混合物をEtOAc(200mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(200mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、粘性油としてtert−ブチル((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(5.6g、収率53%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ4.62(s,1H),4.91(d,J=7.5Hz,1H),4.44〜4.37(m,1H),3.29(d,J=4.8Hz,1H),2.89(d,J=4.8Hz,1H),2.56〜2.52(m,1H),2.29〜2.26(m,5H),1.92〜1.82(m,2H),1.51(s,3H),1.41(s,9H)。
実施例14
tert−ブチル((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(方法2)(C−3014、C−3018、C−3019、C−2014、C−2015、C−2018、C−2019、C−2020、C−2021、C−2022、C−2023、C−2025、C−2026、C−2027、C−2028、C−2029、C−2030、C−2031、C−2032、C−2033、C−2034、C−2036、C−2037、C−2038、C−2039、C−2040、C−2041、C−2042、C−2043、C−2044、C−2045、C−2047、C−2050、C−2051、C−2052、C−2054、C−2059、C−2061、C−2062、C−2063、C−2064、及びC−2065のための中間体)の調製
メタノール(500mL)中の(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−シクロペンテニルプロパン酸(56g、0.22mol)の溶液に、Pd/C(23g、0.022mol、10%)を添加した。混合物を、水素雰囲気下(1atm)、周囲温度で一晩撹拌し、次いで、セライトパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、粘性油として(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−シクロペンチルプロパン酸(55g、収率97%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
tert−ブチル((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩の合成と同様の様式で、tert−ブチル((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩の合成の残りの部分を行った。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ4.90(m,1H),4.30(m,1H),3.30(d,J=5.0Hz,1H),2.90(d,J=5.0Hz,1H),1.57(s,3H),1.51(s,9H),1.95〜1.20(m,11H)。
実施例15
2−(2−アミノチアゾール−5−イル)酢酸(C−2066のための中間体)の調製
ベンジル4−ヒドロキシブタノエート
エタノール(200mL)中のジヒドロフラン−2(3H)−オン(20.0g、23.3mmol)の溶液に、水(100mL)及び水酸化ナトリウム(9.3g、233mmol)を添加した。反応混合物を還流下で一晩加熱した。混合物を濃縮し、残渣をTHF/EtOH(1:1、100mL)で洗浄し、白色固体としてナトリウム4−ヒドロキシブタノエート(26.1g、収率89%)を得た。
DMF(500mL)中のナトリウム4−ヒドロキシブタノエート(26.1g、20.7mmol)及び臭化ベンジル(42.5g、24.9mmol)の混合物を室温で1.5時間撹拌した。水(300mL)を添加し、得られた混合物をEtOAc(300mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(300mL)及びブライン(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜2:1)によって精製して、油として化合物ベンジル4−ヒドロキシブタノエート(8.0g、収率19%)を得た。
ベンジル4−オキソブタノエート
火力乾燥させたフラスコをDCM(26mL)で充填し、次いで、ドライアイス/アセトン槽により−78℃まで冷却した。塩化オキサリル(2.62g、20.6mmol)を添加し、続いて、DMSO(2.41g、30.9mmol)を添加した。混合物を−78℃で15分間維持し、DCM(10mL)中の化合物16(2.0g、10.3mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、トリエチルアミン(7mL、51mmol)を添加した。混合物を30分間にわたって室温まで加温し、次いで、氷冷1N水性HCl(100mL)中に注ぎ入れた。得られた混合物を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1)によって精製して、黄色油として化合物ベンジル4−オキソブタノエート(1.78g、収率89%)を得た。
ベンジル3−ブロモ−4−オキソブタノエート
臭素(1.46g、9.13mmol)を、ジエチルエーテル(8mL)及びジオキサン(0.1mL)中の化合物17(1.75g、9.13mmol)の溶液に滴加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン(10mL)中に注ぎ入れた。炭酸カルシウム(2.28g、22.8mmol)及び重炭酸ナトリウム(0.76g、10mmol)を添加し、混合物を室温で12時間撹拌した。無機固体を濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮し、赤色油として化合物ベンジル3−ブロモ−4−オキソブタノエート(2.44g、プロトンNMR分析により17のうちの30%を含有)を得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
ベンジル2−(2−アミノチアゾール−5−イル)酢酸塩
メタノール(10mL)中の化合物18(粗物、2.4g、8.86mmol)及びチオ尿素(0.64g、8.42mmol)の懸濁液を還流下で4時間加熱した。溶媒を蒸着し、残渣を酢酸エチル(30mL)で希釈した。固体を濾過により収集し、10%水性NaHCO3(30mL)で処理した。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を石油エーテル/EtOAc(2:1、30mL)中に懸濁し、黄色固体を濾過により収集し、化合物ベンジル2−(2−アミノチアゾール−5−イル)酢酸塩(0.93g、収率42%)を得た。
2−(2−アミノチアゾール−5−イル)酢酸
メタノール(12mL)中の化合物19(930mg、3.75mmol)の混合物に、水(6mL)及び水酸化リチウム(236mg、5.6mmol)を添加した。反応混合物を室温で0.5時間撹拌し、次いで、水(50mL)で希釈した。得られた混合物を酢酸エチル(25mL)で洗浄した。水相を2N水性HCl(20mL)でpH=4になるように調節し、沈殿物を濾過により収集し、乾燥させて、黄色固体として化合物2−(2−アミノチアゾール−5−イル)酢酸(330mg、収率55%)を得た。
チオ尿素の代わりに尿素を用いる同様の方法で、2−(2−アミノオキサゾール−5−イル)酢酸を合成した。
実施例16
(S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(C−2066、C−2067、C−2068,、C−2069、及びC−2070のための中間体)の調製
DMF(10mL)中の(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸(2.00g、6.78mmol)及び(S)−2−アミノ−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)プロパン−1−オン(1.98g、6.78mmol)に、HATU(3.00g、8.36mmol)を0℃で添加し、続いて、DIEA(5.90mL、33.9mmol)を添加し、混合物を15分間撹拌し、次いで、NaHCO3(飽和水性)で反応停止させ、EtOAc(2×)で抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン/EtOAc)による精製により、無色油としてtert−ブチル((S)−1−(((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(2.62g、82%)を得た。C26H36N2O6に対するMS(EI)、実測値473.3(MH)+。
tert−ブチル((S)−1−(((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(0.99g、2.1mmol)に、DCM(5mL)及びTFA(5mL)を添加した。混合物を周囲温度で30分間静置させ、次いで、それを濃縮して、粗物(S)−2−アミノ−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(定量)を得、これをさらに精製することなく次の処理を行った。C21H28N2O4に対するMS(EI)、実測値373.2(MH)+。
DMF(10mL)中の(S)−2−アミノ−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(TFA塩、2.00g、4.26mmol)及び(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(805mg、4.26mmol)に、HATU(1.94g、5.11mmol)を0℃で添加し、続いて、DIEA(4.37mL、25.6mmol)を添加し、混合物を15分間撹拌し、次いで、NaHCO3(飽和水性)で反応停止させ、EtOAc(2×)で抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン/EtOAc)による精製により、無色油としてtert−ブチル((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(1.94g、84%)を得た。C29H41N3O7に対するMS(EI)、実測値544.3(MH)+。
tert−ブチル((S)−1−(((S)−1−(((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸塩(1.94g、2.18mmol)に、DCM(10mL)及びTFA(10mL)を添加した。混合物を周囲温度で30分間静置させ、次いで、それを濃縮して、(S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−N−((S)−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(定量)を得、これをさらに精製することなく次の処理を行った。C24H33N3O5に対するMS(EI)、実測値444.2(MH)+。
(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−((S)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)プロパンアミド(C−2007のための中間体)、(S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミド(C−2012、C−2013、C−2049のための中間体)、及び(S)−2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)−N−((S)−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)プロパンアミドを同様の様式で合成した。
実施例17
2−(2−(アゼチジン−1−イル)チアゾール−5−イル)酢酸(C−2068のための中間体)の調製
エチル3−ブロモ−4−オキソブタノエート
Pd/C(10%、4g)を、THF(250mL)中の3−カルボメトキシプロピオニルクロリド(18.0g、0.11mol)及び2,6−ジメチルピリジン(12.5g、0.11mol)の溶液に添加した。懸濁液を、水素雰囲気下、室温で10時間撹拌した。Pd/Cを濾過して除き、THF(50mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせて、乾燥するまで濃縮した。残渣をEt2O(200mL)中に溶解し、得られた溶液を、それぞれ、水性HCl(1N、100mL×3)、飽和水性NaHCO3(100mL×3)、及びブライン(100mL×1)で洗浄した。有機溶液を無水Na2SO4上で乾燥させ、乾燥するまで濃縮した。
残渣をEt2O(50mL)及び1,4−ジオキサン(50mL)中に溶解し、臭素(18.0g、0.11mmol)を0.5時間にわたって添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をCH2Cl2(150mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム(20.0g、0.24mol)を添加した。得られた混合物を一晩撹拌した。固体を濾過して除き、濾液を濃縮して、粗化合物エチル3−ブロモ−4−オキソブタノエート(23g、収率約100%)を得た。
アゼチジン−1−カルボチオアミド
ジオキサン(4N、5.3mL、21mmol)中のHClの溶液を、THF(10mL)中のアゼチジン塩酸塩(1.9g、21mmol)の溶液に添加し、続いて、チオシアン酸カリウム(2.0g、21mmol)を添加した。反応混合物を還流下で4時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。混合物を濾過し、濾液を乾燥するまで濃縮して、粗物アゼチジン−1−カルボチオアミド(2.0g、収率約100%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
2−(2−(アゼチジン−1−イル)チアゾール−5−イル)酢酸
EtOH(20mL)中の化合物5(2.0g、粗物)及び6(2.0g、粗物)の溶液を還流下で4時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。溶媒を除去し、残渣をEtOAc(100mL)中に溶解し、続いて、水性アンモニア(10%、100mL)を添加した。有機相を分離し、ブライン(50mL×1)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=5:1)によって精製して、2−(2−(アゼチジン−1−イル)チアゾール−5−イル)酢酸−エチルエステル(300mg、収率約6%)を得た。
化合物2−(2−(アゼチジン−1−イル)チアゾール−5−イル)酢酸−エチルエステル(300mg、1.2mmol)を、水/THF(10mL/4mL)中の水酸化リチウム−H2O(360mg、8.6mmol)の溶液で1時間処理した。THFを除去し、水相を1N HClでpH=3〜4に酸性化した。混合物を乾燥するまで濃縮し、粗物2−(2−(アゼチジン−1−イル)チアゾール−5−イル)酢酸(収率約100%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
2−(2−(ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−イル)酢酸(C−2069のための中間体)及び2−(2−(ジメチルアミノ)チアゾール−5−イル)酢酸(C−2067のための中間体)を同様の様式で合成した。
実施例18
tert−ブチル((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(C−2051、C−2052、C−2061、C−2062、C−2063、C−2026、C−2030、C−2044、及びC−2045のための中間体)の調製
(S)−2−((R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸
Pd/C(10%、10g)を、MeOH(200mL)中の(S)−ベンジル2−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸塩(4.6g、10mmol)の溶液に添加した。懸濁液を、水素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。Pd/Cを濾過して除き、MeOH(50mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、乾燥するまで濃縮して、白色固体として(S)−2−((R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸(4.1g、収率約100%)を得た。
tert−ブチル((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート
HATU(3.0g、8mmol)及びDIPEA(4.45mL、30mmol)を、DMF(50mL)中の(S)−2−((R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸(2.1g、5.5mmol)及び粗物(S)−2−アミノ−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)プロパン−1−オン(TFA塩、1.5g、5.5mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:5)によって精製して、化合物tert−ブチル((R)−1−(((S)−1−(((S)−3−シクロペンチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(2.3g、収率88%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.20(m,1H),7.93(m,1H),7.09(m,2H),6.80(m,2H),4.49(m,1H),4.33(m,1H),3.90(m,1H),3.71(s,3H),3.20(m,1H),2.90〜3.10(m,2H),1.70(m,1H),1.50〜2.00(m,8H),1.40(s,3H),1.00〜1.20(m,4H),0.95(d,J=6.6Hz,3H)。C29H43N3O7に対するLC−MS、実測値544.24[M−H]−。
アッセイ
実施例19−プロテアソームサブユニットアッセイ
Parlati,et al.Blood(2009)114:3439−3447において前述される、ELISAに基づく技術であるプロテアソーム構成型/免疫プロテアソームサブユニット酵素結合免疫吸着(ProCISE)アッセイが、サブユニットに特異的な活性の定量的評価のために使用された。このアッセイを用いて、LMP2、LMP7、MECL1、β1、β2、及びβ5の各々に対する阻害活性を評価した。簡潔に言えば、試験化合物が、DMSO中で100倍の濃度で、次いで、水性低張溶解緩衝液中で10倍まで段階的に希釈された。ヒト急性リンパ性白血病細胞株MOLT−4からの溶解物は、化合物の最終濃度が1倍となるように25℃で1時間処理した。次いで、処理した細胞溶解物を、ビオチン化したプロテアソーム活性部位結合プローブで、25℃で2時間インキュベートした。この後、溶解物を塩酸グアニジン中で変性させ、プローブに結合したサブユニットをストレプトアビジン複合型セファロースビーズで単離した。個々のサブユニットをサブユニットに特異的な一次抗体でプローブし、続いて、HRP複合型二次抗体でプローブした。化学発光基質を使用して、HRPの結合に伴うシグナルを生成し、これをプレートリーダー上で検出した。発光シグナルをタンパク質含有量に正規化し、次いで、DMSOで処理された対照と比較してパーセント活性を計算し、IC
50曲線を作成した。
本明細書に提供される選択された化合物の結果を以下の表に示す。
実施例20−20Sプロテアソームアッセイ
本明細書に提供される様々な化合物に対するプロテアソームキモトリプシン様活性、カスパーゼ様活性、及びトリプシン様活性は、それぞれ、スクシニル−Leu−Leu−Val−Tyr−AMC(10Amol/L)、Z−Leu−Leu−Glu−AMC(10Amol/L)、及びBoc−Leu−Arg−Arg−AMC(50Amol/L)を用いて、精製したヒト20Sプロテアソーム(それぞれ、2、4、及び8.0nmol/L)またはHT−29細胞溶解物(それぞれ、0.125、0.25、及び0.25Agタンパク質/mL)で決定された。アッセイ緩衝液は、0.03% SDSを含む(20S)または0.03% SDSを含まない(細胞溶解物)、TE緩衝液[20mmol/L Tris(pH8.0)、0.5mmol/L EDTA]から構成された。酵素または溶解物の付加により反応を開始し、プレートベースの分光蛍光光度計(spectofluorometer)(Tecan)を用いて、27jCでAMC生成物形成についてモニタリングした。60〜75分の間に測定された反応速度に基づいて、IC50値を決定した。Demo,S.D.et al.,Cancer Res.2007,67,6383−6391も参照されたい。
本明細書に提供される選択された化合物の結果を以下の表に示す。
他の実施形態
本開示はその詳細な説明と併せて理解されるが、前述の説明は、例示することを意図しており、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を制限しないことが理解される。他の態様、利点、及び修正は、以下の特許請求の範囲内である。