JP6869815B2 - 検査方法および検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検査方法および検査装置に関する。
近年、フォトリソグラフィに用いるマスクに形成されたパターンの欠陥の検査においては、従前の検査においてウェハへの転写によって初めて確認することができたパターンの欠陥を事前に検出できるようにするため、ウェハへの欠陥の転写条件を考慮した欠陥転写性考慮検査が採用されるようになった。
欠陥転写性考慮検査では、先ず、マスクを撮像した光学画像と、マスクの設計データに基づいて生成された参照画像とを比較し、光学画像と参照画像との差が欠陥判定用の所定の閾値以上となる箇所を欠陥として検出する第1の検査を行う。欠陥の検出精度を上げるため、第1の検査では、閾値を低い値に設定して、意図的に過剰な個数の欠陥を検出する。第1の検査に続いて、欠陥転写性考慮検査では、第1の検査で検出された欠陥の中から、ウェハへの欠陥の転写条件を考慮した所定のアルゴリズムにしたがって真の欠陥を検出する第2の検査を行う。
第1の検査では、例えば、マスク全面において100万個もの大量の欠陥が検出されることがある。第1の検査で検出される欠陥の中には、真の欠陥も数多く含まれ得る。しかるに、D−DB(Die to Database)検査では、マスクの設計データに基づいて参照画像を生成するところ、参照画像の生成過程において参照化け等の検査装置のエラーに起因する参照画像の異常が発生することがある。参照画像の異常が発生することで、第1の検査で検出される欠陥の中には、参照画像の異常による欠陥も多発することがある。また、検査装置のエラーに起因する欠陥としては、参照画像の異常による欠陥以外にも、マスクのアライメントずれや、マスクの光学画像を検出するための光源の光量変動等による欠陥も多発することがある。これらの検査装置のエラーに起因する欠陥すなわち疑似欠陥は、真の欠陥ではないため、欠陥として看過されることを防止することが求められる。
ここで、欠陥転写性考慮検査を採用する以前の検査では、マスク全面で数個〜数十個程度の比較的少数の欠陥を検出していたため、欠陥の発生数が過剰となったことに基づいて検査装置のエラーに起因する欠陥を検出し、検査をエラー停止させることが可能であった。
特開昭60−245222号公報
しかしながら、欠陥転写性考慮検査では、第1の検査において100万個もの過剰な個数の欠陥を検出することがあるため、検出された欠陥の中に検査装置のエラーに起因する欠陥が含まれていたとしても、これを第1の検査中において欠陥の発生数のみに基づいて検出して、第1の検査をエラー停止させることは困難であった。このため、欠陥転写性考慮検査においては、マスク全面について第1の検査が完了した後に、第1の検査で検出された欠陥が真の欠陥であるか、または、検査装置のエラーに起因する欠陥であるかを確認する作業を要していた。
したがって、従来は、多数の欠陥の検出をともなう検査において、検査装置のエラーに起因する欠陥を迅速に検出して検査を停止させることが困難であるといった問題があった。
本発明の目的は、多数の欠陥の検出をともなう検査において、検査装置のエラーに起因する欠陥を迅速に検出して検査を停止させることができる検査方法および検査装置を提供することにある。
本発明の一態様である検査方法は、試料に設けられたパターンの欠陥を検査する検査装置を用いて前記パターンの欠陥を検査する検査方法であって、試料の検査領域に光を走査し、光の走査の進行に応じて、前記走査された光を結像した光学画像を取得し、光学画像の取得の進行に応じて、取得された光学画像の参照となる参照画像を作成し、光学画像の取得の進行に応じて、取得された光学画像と当該光学画像の参照画像とを比較してパターンの第1の欠陥を検出し、第1の欠陥の検出の進行中に、取得された光学画像と参照画像との差の分布に基づいて、検査装置の誤動作に起因するパターンの第2の欠陥を検出し、第2の欠陥が検出された場合に、検査を停止し、第2の欠陥の検出は、光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、光学画像と参照画像との差に応じた欠陥判定用の反応値が最大値となった画素またはフレームが、画素またはフレームの連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、連続的に分布する画素またはフレームを第2の欠陥として検出すること、および/または、光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、反応値が最大値となった画素またはフレームが、画素またはフレームの飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、周期的または離散的に分布する画素またはフレームを第2の欠陥として検出することを含む。
本発明の一態様である検査装置は、試料に設けられたパターンの欠陥を検査する検査装置であって、試料の検査領域に光を走査する光走査部と、光走査部の走査の進行に応じて、走査された光を結像した光学画像を取得する光学画像取得部と、光学画像取得部の光学画像の取得の進行に応じて、取得された光学画像の参照となる参照画像を作成する参照画像作成部と、光学画像取得部の光学画像の取得の進行に応じて、取得された光学画像と参照画像作成部が作成する当該光学画像の参照画像とを比較してパターンの第1の欠陥を検出する第1検出部と、第1の欠陥の検出の進行中に、取得された光学画像と参照画像との差の分布に基づいて、検査装置の誤動作に起因するパターンの第2の欠陥を検出する第2検出部と、第2の欠陥が検出された場合に、検査を停止させる検査停止部と、を備え、第2の欠陥の検出は、光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、光学画像と参照画像との差に応じた欠陥判定用の反応値が最大値となった画素またはフレームが、画素またはフレームの連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、連続的に分布する画素またはフレームを第2の欠陥として検出すること、および/または、光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、反応値が最大値となった画素またはフレームが、画素またはフレームの飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、周期的または離散的に分布する画素またはフレームを第2の欠陥として検出することを含む。
本発明によれば、多数の欠陥の検出をともなう検査において、検査装置のエラーに起因する欠陥を迅速に検出して検査を停止させることができる。
第1の実施形態によるパターン検査装置を示す図である。 第1の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態によるパターン検査方法を示す斜視図である。 第1の実施形態によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。 図5(a)は、第1の実施形態によるパターン検査方法において、正常な参照画像を示す平面図であり、図5(b)は、参照画像の異常の一例を示す平面図であり、図5(c)は、参照画像の異常の他の一例を示す平面図である。 第1の実施形態の変形例によるパターン検査方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態の変形例によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。 第2の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。 第2の実施形態の変形例によるパターン検査方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態の変形例によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。 第3の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。 図13(a)は、第3の実施形態によるパターン検査方法において、光学画像の一例を示す平面図であり、図13(b)は、参照画像の一例を示す平面図である。 図14(a)は、第3の実施形態によるパターン検査方法において、光学画像の他の一例を示す平面図であり、図14(b)は、参照画像の他の一例を示す平面図である。 第4の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。 第4の実施形態によるパターン検査方法において、欠陥反応値の一例を示す平面図である。 第4の実施形態によるパターン検査方法において、欠陥反応値の他の一例を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。また、実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る検査装置の一例として、第1の実施形態によるパターン検査装置1を示す図である。図1のパターン検査装置1は、例えば、D−DB検査によって試料の一例であるマスク2に形成されたパターンの欠陥を検査するために用いることができる。
図1に示すように、パターン検査装置1は、光の進行方向順に、光源3と、偏光ビームスプリッタ4と、照明光学系5と、XYθテーブル6と、拡大光学系7と、光学画像取得部の一例であるフォトダイオードアレイ8とを備える。なお、偏光ビームスプリッタ4とXYθテーブル6との間に、光の偏光方向を変化させる波長板を設けてもよい。
光源3は、偏光ビームスプリッタ4に向けてレーザ光を出射する。偏光ビームスプリッタ4は、光源3からの光を照明光学系5に向けて反射する。照明光学系5は、偏光ビームスプリッタ4で反射された光をXYθテーブル6に向けて照射する。XYθテーブル6に載置されたマスク2は、照明光学系5から照射された光を反射する。このマスク2の反射光によって、マスク2が照明される。マスク2の反射光は、照明光学系5および偏向ビームスプリッタ4を透過した後、拡大光学系7に入射する。拡大光学系7は、入射したマスク2の反射光を、マスク2の光学画像としてフォトダイオードアレイ8に結像させる。フォトダイオードアレイ8は、マスク2の光学画像を光電変換する。光電変換されたマスク2の光学画像に基づいて、マスク2に形成されたパターンの欠陥が検査される。
また、図1に示すように、パターン検査装置1は、オートローダ9と、X軸モータ10A、Y軸モータ10Bおよびθ軸モータ10Cと、レーザ測長システム11と、Zセンサ12と、フォーカス機構13と、を備える。
オートローダ9は、XYθテーブル6上にマスク2を自動搬送する。X軸モータ10A、Y軸モータ10Bおよびθ軸モータ10Cは、それぞれ、XYθテーブル6をX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。XYθテーブル6を移動させることで、XYθテーブル6上のマスク2に対して光源3の光がスキャンされる。レーザ測長システム11は、XYθテーブル6のX方向およびY方向の位置を検出する。
Zセンサ12は、パターン側のマスク2の表面であるマスク面の高さすなわちZ方向の位置を検出する。Zセンサ12は、例えば、マスク面に光を照射する投光器と、照射された光を受光する受光器とを備えていてもよい。
フォーカス機構13は、照明光学系5の焦点をマスク面に合わせるフォーカス合わせを行う。フォーカス合わせは、例えば、Zセンサ12で検出されたマスク面の高さに応じた移動量でXYθテーブル6をZ方向に移動させることで行う。
また、図1に示すように、パターン検査装置1は、バス14に接続された各種の回路を備える。具体的には、パターン検査装置1は、オートローダ制御回路15と、光走査部の一例であるテーブル制御回路17と、オートフォーカス制御回路18とを備える。また、パターン検査装置1は、位置回路22と、展開回路23と、参照画像作成部の一例である参照回路24と、第1検出部および第2検出部の一例である比較回路25と、検査停止部の一例であるエラー停止判断回路26とを備える。また、パターン検査装置1は、センサ回路19を備えており、このセンサ回路19は、フォトダイオードアレイ8と比較回路25との間に接続されている。
オートローダ制御回路15は、オートローダ9を制御することで、XYθテーブル6上にマスク2を自動搬送する。
テーブル制御回路17は、パターンの欠陥を検査すべきマスク2の検査領域201(図3参照)を複数の短冊状に仮想的に分割したストライプ202に沿って検査領域201に光源3からの光をスキャンする制御を行う。具体的には、テーブル制御回路17は、ストライプ202に沿って検査領域201に光源3からの光がスキャンされるように、モータ10A〜10Cを駆動制御してXYθテーブル6を移動させる。ストライプ202に沿った光のスキャンの進行に応じて、フォトダイオードアレイ8によるストライプ202毎のマスク2の光学画像の取得が進行する。なお、ストライプ202毎のマスク2の光学画像は、ストライプ202の延伸方向すなわちスキャンの進行方向に対応するX方向に所定画素(例えば、512画素)、ストライプ202の幅方向に対応するY方向に所定画素(例えば、512画素)の画素の集合であるフレームで構成される。
オートフォーカス制御回路18は、Zセンサ12で検出されたマスク面の高さに応じてフォーカス機構13を制御することで、光源3の光を自動的にマスク面に合焦させる。
センサ回路19は、フォトダイオードアレイ8で光電変換された光学画像を取り込み、取り込まれた光学画像をA/D変換する。そして、センサ回路19は、A/D変換した光学画像を参照回路24および比較回路25に出力する。センサ回路19は、例えば、TDI(Time Delay Integration)センサの回路であってもよい。TDIセンサを用いることで、パターンを高精度に撮像できる。
レーザ測長システム11は、XYθテーブル6の移動位置を検出し、検出された移動位置を位置回路22に出力する。位置回路22は、レーザ測長システム11から入力された移動位置に基づいて、XYθテーブル6上でのマスク2の位置を検出する。そして、位置回路22は、検出されたマスク2の位置を比較回路25に出力する。
展開回路23は、後述する磁気ディスク装置31に収集された設計データを、磁気ディスク装置31から読み出し、読み出された設計データを2値または多値の画像データに変換する。そして、展開回路23は、変換された画像データを参照回路24に出力する。
参照回路24は、展開回路23から入力された画像データに適切なフィルタ処理を行うことで、マスク2の欠陥検査に用いる参照画像を生成する。すなわち、参照回路24は、生成された参照画像を比較回路25に出力する。
比較回路25は、センサ回路19から入力されたマスク2の光学画像と、参照回路24から入力された参照画像との比較に基づいて、マスク2に形成されたパターンの欠陥を検査する。
具体的には、比較回路25は、欠陥の有無を判定するための閾値を低く設定して過剰に欠陥を検出する第1の検査と、第1の検査で検出された欠陥の中から真の欠陥を検出する第2の検査とによる欠陥転写性考慮検査を行う。
第1の検査において、テーブル制御回路17は、モータ10A〜Cの駆動制御によってXYθテーブル6を移動させることで、ストライプ202に沿ってマスク2の検査領域201に光源3からの光をスキャンさせる。フォトダイオードアレイ8は、ストライプ202に沿った光のスキャンの進行に応じて、スキャンされた光のマスク2からの反射光を結像したストライプ202毎の光学画像を取得する。
参照回路24は、光学画像の取得の進行に応じて、マスク2の設計データに基づいて参照画像を生成する。
比較回路25は、光学画像の取得の進行に応じて、取得された光学画像と、当該光学画像の参照となる参照画像とを比較してパターンの第1の欠陥を検出する。欠陥の検出精度を高くするため、比較回路25は、第1の欠陥の検出において、第1の欠陥の有無を判定するための閾値として、例えば100万個程度の大量の第1の欠陥を検出し得るように抑制された低い閾値を用いる。この閾値は、後述する第2の検査において第1の欠陥の中から真の欠陥を検出するために用いる閾値より低い値であってもよい。比較回路25は、光学画像と参照画像との間でパターンの線幅や階調値を比較し、線幅や階調値の差が閾値以上となるパターンの箇所を第1の欠陥として検出してもよい。
また、第1の検査においては、設計パターンと転写パターンとを一致させることを意図してパターンに設けられたOPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)による微小な補正箇所を適切に反映した光学画像を得るため、開口率の高い拡大光学系7を通して光学画像を結像してもよい。この場合、パターンの補正箇所が反映されることで、フォトダイオードアレイ8で検出される光学画像としては、設計データに基づく参照画像との差が大きくなる。これにより、閾値との比較によって検出される第1の欠陥の個数が多くなり易くなり、第1の欠陥の検出精度を確保し易くなる。
比較回路25は、第1の欠陥の検出の進行中に、取得された光学画像と参照画像との差の分布に基づいて、パターン検査装置1の誤動作すなわちエラーに起因する第2の欠陥を検出する。すなわち、比較回路25は、光学画像と参照画像との差の分布を判断基準として第2の欠陥の有無を判断することで、第2の欠陥を検出する。パターン検査装置1の誤動作は、例えば、参照化け、マスク2のアライメントずれ、および光源3の光量変動などである。
第2の欠陥の検出において、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内の1つのフレーム毎に、光学画像と参照画像との差の一例である画素の階調値差の総和と、当該階調値差の総和についての閾値である第1の閾値とを比較する。ここで、1つのフレーム毎の光学画像と参照画像との画素の階調値差の総和は、言い換えれば、光学画像内の1つのフレームと、このフレームに対応する参照画像内の1つのフレームとの間における対応する画素同士の階調値の差を合計した値である。比較回路25は、階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレームが、当該フレームの連続数についての閾値である第2の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、連続的に分布するフレームを第2の欠陥として判断し、判断された第2の欠陥を検出する。以下、第2の欠陥の有無の判断について特に言及はしないが、第2の欠陥の検出は、第2の欠陥の有無の判断において第2の欠陥が有ると判断されたことを前提としているものとする。
もし、単に欠陥の発生数が多いことのみを以て第2の欠陥を検出する場合、多数の欠陥の検出を前提とした第1の検査中に第2の欠陥を検出することは困難である。これに対して、第1の実施形態では、パターン検査装置1の誤動作に起因する第2の欠陥が局所的に多発するといった第2の欠陥の局所性を考慮し、光学画像と参照画像との差の分布に基づいて第2の欠陥を検出する。具体的には、階調値差の総和が第1の閾値以上であり、連続数が第2の閾値以上である連続的に分布するフレームを第2の欠陥として検出する。このような第2の欠陥の局所性に適合した第2の欠陥の検出を行うことで、第1の検査で検出される第1の欠陥の個数が多い場合にも、第2の欠陥を適切に検出して第1の検査をエラー停止させることができる。
エラー停止判断回路26は、第2の欠陥の検出の有無に基づいて第1の検査をエラー停止させるべきか否かを判断する。第2の欠陥が検出された場合、エラー停止判断回路26は、第1の検査をエラー停止させるべきと判断し、第1の検査をエラー停止する制御を行う。第1の検査をエラー停止する制御は、例えば、比較回路25による光学画像と参照画像との比較を停止させる制御や、テーブル制御回路17にXYθテーブル6の移動を停止させる制御や、光源3による光の出射を停止させる制御などであってもよい。
第1の検査がエラー停止されずに最終ストライプまで完了した場合に、比較回路25は、第2の検査を行う。第2の検査において、比較回路25は、第1の検査で検出された第1の欠陥の中から真の欠陥を検出する。第2の検査は、例えば、線幅の差や階調値差などの光学画像と参照画像との差を閾値と比較することで行ってもよい。第2の検査における閾値は、第1の欠陥を検出するための閾値より高い値であってもよい。また、第2の検査においては、OPCによるパターンの補正箇所の影響を抑制してより転写パターンに近い光学画像を得るため、絞りの調整等によって開口率が低減された拡大光学系7を通して光学画像を結像してもよい。この場合、OPCによるパターンの補正箇所が反映され難いことで、フォトダイオードアレイ8で検出される光学画像としては、参照画像との差が小さくなる。これにより、閾値との比較によって検出される欠陥を、真の欠陥へと絞り込むことができる。
上記構成以外にも、図1に示すように、パターン検査装置1は、制御計算機30と、磁気ディスク装置31と、磁気テープ装置32と、フロッピーディスク(登録商標)33と、CRT34と、プリンタ35とを備える。これらの構成部30〜35は、いずれもバス14に接続されている。制御計算機30は、バス14に接続された各構成部に対して、欠陥検査に関連する各種の制御や処理を実行する。磁気ディスク装置31は、マスク2の設計データを記憶する。磁気テープ装置32およびフロッピーディスク33は、欠陥検査に関連する各種の情報を記憶する。CRT34は、欠陥検査に関連する各種の画像を表示する。プリンタ35は、欠陥検査に関連する各種の情報を印刷する。
第1の実施形態のパターン検査装置1によれば、第1の欠陥の検出の進行中に第2の欠陥を検出することで、第1の検査中にパターン検査装置1の誤動作に起因する第2の欠陥を迅速に検出して第1の検査をすみやかにエラー停止させることができる。これにより、第2の欠陥が検出されたストライプ以降のストライプについて無駄な第1の検査が続行されることを防止することができるので、検査効率の向上およびコストの削減を図ることも可能となる。
(パターン検査方法)
次に、図1のパターン検査装置1を適用した第1の実施形態のパターン検査方法について説明する。図2は、第1の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。図3は、第1の実施形態によるパターン検査方法を示す斜視図である。図3に示すように、マスク2上の検査領域201は、短冊状の複数のストライプ202に仮想的に分割されている。フォトダイオードアレイ8は、XYθテーブル6の移動にともなって、マスク2をストライプ202毎に撮像する。このとき、図3の破線矢印に示す方向に各ストライプ202が連続的にスキャンされるように、テーブル制御回路17はXYθテーブル6の動作を制御する。XYθテーブル6を移動させながら、フォトダイオードアレイ8で撮像された光学画像に基づいてストライプ202上のパターンの欠陥を検査する。
具体的には、先ず、図2に示すように、比較回路25は、光学画像と参照画像とを比較してパターンの第1の欠陥を検出する第1の検査を開始する(ステップS1)。第1の検査において、比較回路25は、光学画像と参照画像との間でパターンの線幅や階調値を比較し、線幅や階調値の差が閾値以上となるパターンの箇所を第1の欠陥として検出する。閾値は意図的に低い値に設定されているため、第1の検査では、例えば100万個にも及ぶ多数の第1の欠陥が検出され得る。
第1の検査を開始した後、比較回路25は、パターン検査装置1の誤動作に起因するパターンの第2の欠陥を検出する。第2の欠陥の検出において、比較回路25は、第2の欠陥の局所性を考慮し、光学画像と参照画像との差の分布に基づいて第2の欠陥を検出する。
具体的には、図2に示すように、比較回路25は、光学画像と参照画像との間で階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレームが、第2の閾値以上の連続数で連続して発生すなわち分布したか否かを判定する(ステップS2)。
階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレームが第2の閾値以上の連続数で連続して発生した場合(ステップS2:Yes)、比較回路25は、発生した連続するフレームを第2の欠陥として検出し、エラー停止判断回路26は、第2の欠陥の検出に応じて第1の検査をエラー停止させる(ステップS3)。
図4は、第1の実施形態によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。図4には、1つのストライプ202に対応する光学画像として、ストライプ202の幅方向に対応するY方向に整列された第1〜第7フレームf1〜f7が示されている。なお、ストライプ202との対応関係が分かり易いように、図4では、第1〜第7フレームf1〜f7をストライプ202上に重ねて図示している。
第1〜第7フレームf1〜f7のそれぞれは、例えば、X方向に512画素×Y方向に512画素のピクセルpで構成されている。図4の例において、第1〜第5フレームf1〜f5は、光学画像と参照画像との間における階調値差の総和ΣDgv_f1〜ΣDgv_f5が、第1の閾値Th1以上である。一方、第6および第7フレームf6、f7は、光学画像と参照画像との間における階調値差の総和ΣDgv_f6、ΣDgv_f7が、第1の閾値Th1未満である。
図4の例において、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上であるフレームの連続数NΣDgv_f≧Th1についての第2の閾値Th2を、“4”とする。この場合、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上である第1〜第5フレームf1〜f5の連続数NΣDgv_f≧Th1は“5”であるため、連続数NΣDgv_f≧Th1は、第2の閾値Th2以上(ステップS2:Yes)となる。したがって、図4の例においては、連続する第1〜第5フレームf1〜f5が第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。なお、図4の例においては、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上であるフレームf1〜f5が、Y方向において第2の閾値Th2以上連続している。これ以外にも、例えば、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上であるフレームがX方向において単調に又はX方向の連続とY方向の連続とを混合した状態で第2の閾値Th2以上連続する場合にも、連続するフレームが第2の欠陥として検出されてもよい。
図5(a)は、第1の実施形態によるパターン検査方法において、正常な参照画像を示す平面図である。図5(b)は、参照画像の異常の一例を示す平面図である。図5(c)は、参照画像の異常の他の一例を示す平面図である。光学画像と参照画像との階調値差が大きいフレームが連続的に分布している場合(ステップS2:Yes)、例えば、図5(a)に示すような正常な参照画像に対して、図5(b)に示すような参照画像のパターンの欠落や、図5(c)に示すような全く異なるパターンの参照画像が発生しているとみなすことができる。この場合は、比較回路25は、該当するフレームを第2の欠陥であると判断して、第1の検査をエラー停止する。
一方、図2に示すように、階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレームが第2の閾値以上の連続数で連続して発生しなかった場合(ステップS2:No)、比較回路25は、検査領域201の全域についての第1の検査の完了後に、第2の検査を実施する(ステップS4)。
以上述べたように、第1の実施形態によれば、第1の検査の進行中に第2の欠陥を検出し、第2の欠陥が検出された場合に第1の検査をエラー停止させることができる。これにより、多数の欠陥を検出する第1の検査において、第2の欠陥の検出によるエラー停止を迅速に行うことができる。また、階調値差の総和が大きいフレームの連続数に基づくことで、局所的に多発する傾向を有する第2の欠陥を適切に検出することができる。
(変形例)
次に、第2の欠陥の検出において第1の閾値に対する階調値差の総和の比較の単位をフレーム群とする第1の実施形態の変形例について説明する。図6は、第1の実施形態の変形例によるパターン検査方法を示すフローチャートである。
図2の例では、第2の欠陥の検出において、第1の閾値に対する階調値差の総和の比較の単位を1つのフレームとし、階調値差の総和が第1の閾値以上となる1つのフレームが第2の閾値以上の連続数で連続して発生した場合(ステップS2:Yes)、発生した連続するフレームを第2の欠陥としていた。
これに対して、変形例では、第2の欠陥の検出において、第1の閾値に対する階調値差の総和の比較の単位を、連続する複数のフレーム(以下、フレーム群とも呼ぶ)とする。
具体的には、比較回路25は、第2の欠陥の検出において、ストライプ202毎の光学画像内のフレーム群毎に、画素の階調値差の総和と第1の閾値とを比較する。ここで、フレーム群毎の光学画像と参照画像との画素の階調値差の総和は、言い換えれば、光学画像内のフレーム群と、このフレーム群に対応する参照画像内のフレーム群との間における対応する画素同士の階調値の差を合計した値である。比較回路25は、階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレーム群が、当該フレーム群の連続数についての閾値である第2の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、連続的に分布するフレーム群を第2の欠陥として検出する。
すなわち、図6に示すように、比較回路25は、階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレーム群が第2の閾値以上の連続数で連続して発生したか否かを判定する(ステップS21)。そして、階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレーム群が第2の閾値以上の連続数で連続して発生した場合(ステップS21:Yes)、比較回路25は、発生した連続するフレーム群を第2の欠陥として検出し、エラー停止判断回路26は、第2の欠陥の検出に応じて第1の検査をエラー停止させる(ステップS3)。
図7は、第1の実施形態の変形例によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。図7には、1つのストライプ202に対応する光学画像として、ストライプ202の幅方向に対応するY方向に整列された第1〜第3フレーム群fg1〜fg3が示されている。
第1〜第3フレーム群fg1〜fg3は、X方向に2フレーム×Y方向に2フレームの連続する4つのフレームfで構成されている。図7の例において、第1および第2フレーム群fg1、fg2は、光学画像と参照画像との間における階調値差の総和ΣDgv_fg1、ΣDgv_fg2が、第1の閾値Th1以上である。一方、第3フレーム群fg3は、光学画像と参照画像との間における階調値差の総和ΣDgv_fg3が第1の閾値Th1未満である。
図7の例において、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上であるフレーム群の連続数NΣDgv_fg≧Th1についての第2の閾値Th2を、“2”とする。この場合、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上である第1および第2フレーム群fg1、fg2の連続数NΣDgv_fg≧Th1は“2”であるため、連続数NΣDgv_fg≧Th1は第2の閾値Th2以上(ステップS21:Yes)となる。したがって、図7の例においては、連続する第1、第2フレーム群fg1、fg2が第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。なお、図7の例においては、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上であるフレーム群fg1、fg2が、Y方向において第2の閾値Th2以上連続している。これ以外にも、例えば、階調値差の総和が第1の閾値Th1以上であるフレーム群がX方向において単調に又はX方向の連続とY方向の連続とを混合した状態で第2の閾値Th2以上連続する場合にも、連続するフレーム群が第2の欠陥として検出されてもよい。
変形例においても、階調値差の総和が大きいフレーム群の連続数に基づくことで、局所的に多発する傾向を有する第2の欠陥を迅速に検出して第1の検査をエラー停止させることができる。
(第2の実施形態)
次に、位置ずれ量の差の総和に基づいて第2の欠陥を検出する第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。
第1の実施形態では、階調値差の総和についての第1の閾値と、階調値差の総和が第1の閾値以上となるフレームの連続数についての第2の閾値とに基づいて、第2の欠陥を検出していた。これに対して、第2の実施形態では、光学画像と参照画像との画素の位置ずれ量の総和についての第1の閾値と、位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となるフレームの連続数についての第2の閾値とに基づいて、第2の欠陥を検出する。
具体的には、比較回路25は、第2の欠陥の検出において、ストライプ202毎の光学画像内のフレーム毎に、画素の位置ずれ量の総和と第1の閾値とを比較する。ここで、フレーム毎の光学画像と参照画像との画素の位置ずれ量の総和は、言い換えれば、光学画像内のフレームと、このフレームに対応する参照画像内のフレームとの間における対応する画素同士の位置ずれ量を合計した値である。比較回路25は、位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となるフレームが、当該フレームの連続数についての閾値である第2の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、連続的に分布するフレームを第2の欠陥として検出する。
すなわち、図8に示すように、比較回路25は、位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となるフレームが第2の閾値以上の連続数で連続して発生したか否かを判定する(ステップS22)。位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となるフレームが第2の閾値以上の連続数で連続して発生した場合(ステップS22:Yes)、比較回路25は、発生した連続するフレームを第2の欠陥として検出し、エラー停止判断回路26は、第2の欠陥の検出に応じて第1の検査をエラー停止させる(ステップS3)。
図9は、第2の実施形態によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。図9には、ストライプ202の幅方向に対応するY方向に整列された第1〜第7フレームfg1〜fg7が示されている。
図9の例において、第1〜第5フレームf1〜f5は、光学画像と参照画像との間におけるパターンの位置ずれ量の総和ΣDp_f1〜ΣDp_f5が、第1の閾値Th1以上である。一方、第6および第7フレームf6、f7は、光学画像と参照画像との間におけるパターンの位置ずれ量の総和ΣDp_f6、ΣDp_f7が、第1の閾値Th1未満である。なお、位置ずれ量は、例えば、参照画像を固定し、参照画像のパターンの対象画素に光学画像のパターンの対応する画素が重なるまで光学画像を移動したときの移動量を、位置ずれ量として算出してもよい。位置ずれ量は、例えば、画素数を単位としてもよいが、これに限定されない。また、位置ずれ量の総和は、例えば、フレームに含まれる参照画像のパターンの全画素を対象画素として算出された対象画素毎の位置ずれ量を合計した値であってもよいが、これに限定されない。
図9の例において、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上であるフレームの連続数NΣDp_f≧Th1についての第2の閾値Th2を、“4”とする。この場合、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上である第1〜第5フレームf1〜f5の連続数NΣDp≧Th1は“5”であるため、連続数NΣDp_f≧Th1は第2の閾値Th2以上(ステップS22:Yes)となる。したがって、図9の例においては、連続する第1〜第5フレームf1〜f5が第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。なお、図9の例においては、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上であるフレームf1〜f5が、Y方向において第2の閾値Th2以上連続している。これ以外にも、例えば、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上であるフレームがX方向において単調に又はX方向の連続とY方向の連続とを混合した状態で第2の閾値Th2以上連続する場合にも、連続するフレームが第2の欠陥として検出されてもよい。
第2の実施形態においても、位置ずれ量の総和が大きいフレームの連続数に基づくことで、局所的に多発する傾向を有する第2の欠陥を迅速に検出して第1の検査をエラー停止させることができる。
(変形例)
次に、第2の欠陥の検出において第1の閾値に対する位置ずれ量の総和の比較の単位をフレーム群とする第2の実施形態の変形例について説明する。図10は、第2の実施形態の変形例によるパターン検査方法を示すフローチャートである。
図8の例では、第2の欠陥の検出において、第1の閾値に対する位置ずれ量の総和の比較の単位を1つのフレームとし、位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となる1つのフレームが第2の閾値以上の連続数で連続して発生した場合(ステップS22:Yes)、発生した連続するフレームを第2の欠陥としていた。
これに対して、変形例では、第2の欠陥の検出において、第1の閾値に対する位置ずれ量の総和の比較の単位を、連続する複数のフレーム(以下、フレーム群とも呼ぶ)とする。
具体的には、比較回路25は、第2の欠陥の検出において、ストライプ202毎の光学画像内のフレーム群毎に、画素の位置ずれ量の総和と第1の閾値とを比較する。ここで、フレーム群毎の光学画像と参照画像との画素の位置ずれ量の総和は、言い換えれば、光学画像内のフレーム群と、このフレーム群に対応する参照画像内のフレーム群との間における対応する画素同士の位置ずれ量を合計した値である。比較回路25は、位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となるフレーム群が、当該フレーム群の連続数についての閾値である第2の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、連続的に分布するフレーム群を第2の欠陥として検出する。
すなわち、図10に示すように、比較回路25は、位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となるフレーム群が第2の閾値以上の連続数で連続して発生したか否かを判定する(ステップS23)。位置ずれ量の総和が第1の閾値以上となるフレーム群が第2の閾値以上の連続数で連続して発生した場合(ステップS23:Yes)、比較回路25は、発生した連続するフレーム群を第2の欠陥として検出し、エラー停止判断回路26は、第2の欠陥の検出に応じて第1の検査をエラー停止させる(ステップS3)。
図11は、第2の実施形態の変形例によるパターン検査方法において、第2の欠陥の検出工程を説明するための説明図である。図11には、ストライプ202の幅方向に対応するY方向に整列された第1〜第3フレーム群fg1〜fg3が示されている。
第1〜第3フレーム群fg1〜fg3は、X方向に2フレーム×Y方向に2フレームの連続する4つのフレームfで構成されている。図11の例において、第1および第2フレーム群fg1、fg2は、光学画像と参照画像との間における位置ずれ量の総和ΣDp_fg1、ΣDp_fg2が第1の閾値Th1以上である。一方、第3フレーム群fg3は、光学画像と参照画像との間における位置ずれ量の総和ΣDp_fg3が第1の閾値Th1未満である。
図11の例において、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上であるフレーム群の連続数NΣDp_fg≧Th1についての第2の閾値Th2を、“2”とする。この場合、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上である第1および第2フレーム群fg1、fg2の連続数NΣDp_fg≧Th1は“2”であるため、連続数NΣDp_fg≧Th1は第2の閾値Th2以上(ステップS23:Yes)となる。したがって、図11の例においては、連続する第1および第2フレーム群fg1、fg2が第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。なお、図11の例においては、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上であるフレーム群fg1、fg2が、Y方向において第2の閾値Th2以上連続している。これ以外にも、例えば、位置ずれ量の総和が第1の閾値Th1以上であるフレーム群がX方向において単調に又はX方向の連続とY方向の連続とを混合した状態で第2の閾値Th2以上連続する場合にも、連続するフレーム群が第2の欠陥として検出されてもよい。
変形例においても、位置ずれ量の総和が大きいフレーム群の連続数に基づくことで、局所的に多発する傾向を有する第2の欠陥を迅速に検出して第1の検査をエラー停止させることができる。
(第3の実施形態)
次に、光学画像と参照画像との間における白黒パターンの反転状態に基づいて第2の欠陥を検出する第3の実施形態について説明する。図12は、第3の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。
第3の実施形態において、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転した画素が、当該画素の連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、当該連続的に分布する画素を第2の欠陥として検出する。
また、第3の実施形態において、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転した画素が、当該画素の飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、当該周期的または離散的に分布する画素を第2の欠陥として検出する。なお、周期的とは、例えば、白色と黒色が反転した画素の飛び数が一定のことである。また、離散的とは、例えば、白色と黒色が反転した画素の飛び数が不規則であることである。
すなわち、第3の実施形態において、比較回路25は、図12に示すように、同一ストライプ202に対応する光学画像内において、第3の閾値以上の連続数で連続して、または第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に白黒パターンが反転したか否かを判定する(ステップS24)。第3の閾値以上の連続数で連続して、または第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に白黒パターンが反転した場合(ステップS24:Yes)、比較回路25は、白黒パターンが反転した画素を第2の欠陥として検出し、エラー停止判断回路26は、第1の検査をエラー停止させる(ステップS3)。
図13(a)は、第3の実施形態によるパターン検査方法において、光学画像の一例を示す平面図である。図13(b)は、参照画像の一例を示す平面図である。図13(a)の例においては、光学画像のフレームf内において、黒色の画素P_bが8画素分連続して分布している。図13(b)の例においては、図13(a)の光学画像のフレームfに対応する参照画像のフレームf内において、図13(a)の黒色の画素P_bに対応する連続する8画素が、いずれも白色の画素P_wに反転している。図13(a)および図13(b)の例において、白黒パターンの反転の連続数についての第3の閾値を“5”とする。この場合、図13(b)の参照画像に対する図13(a)の光学画像の白黒パターンの反転の連続数は“8”であるため、反転の連続数は第3の閾値以上となる。したがって、図13(a)および図13(b)の例においては、連続する8画素の黒色の画素P_bが第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。
図14(a)は、第3の実施形態によるパターン検査方法において、光学画像の他の一例を示す平面図である。図14(b)は、参照画像の他の一例を示す平面図である。図14(a)の例においては、光学画像のフレームf内において、黒色の画素P_bが2つ飛びで周期的に分布している。図14(b)の例においては、図14(a)の光学画像のフレームfに対応する参照画像のフレームf内において、図14(a)の黒色の画素P_bに対応する画素が、いずれも反転して白色の画素P_wになっている。図14(a)および図14(b)の例において、白黒パターンの反転の飛び数についての第4の閾値を“4”とする。この場合、図14(b)の参照画像に対する図14(a)の光学画像の白黒パターンの反転の飛び数は“2”であるため、反転の飛び数は第4の閾値以下となる。したがって、図14(a)および図14(b)の例においては、2つ飛びで分布している黒色の画素P_bが第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。
なお、比較回路25は、第2の欠陥の検出において、第3の閾値との比較の単位を画素の替わりにフレームとしてもよい。すなわち、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転したフレームが、当該フレームの連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、当該連続的に分布するフレームを第2の欠陥として検出してもよい。
また、比較回路25は、第2の欠陥の検出において、第4の閾値との比較の単位を画素の替わりにフレームとしてもよい。すなわち、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、光学画像と参照画像との間において白色と黒色が反転したフレームが、当該フレームの飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、当該周期的または離散的に分布するフレームを第2の欠陥として検出してもよい。
第3の実施形態においても、白黒パターンが反転した画素の連続数に基づくことで、局所的に多発する傾向を有する第2の欠陥を迅速に検出して第1の検査をエラー停止させることができる。
(第4の実施形態)
次に、欠陥反応値に基づいて第2の欠陥を検出する第4の実施形態について説明する。図15は、第4の実施形態によるパターン検査方法を示すフローチャートである。
第4の実施形態において、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、光学画像と参照画像との差に応じた欠陥判定用の反応値(以下、欠陥反応値とも呼ぶ)が最大値となった画素が、当該画素の連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、当該連続的に分布する画素を第2の欠陥として検出する。ここで、欠陥反応値は、光学画像と参照画像との差を欠陥の有無の判定に用いるために変換した値である。例えば、欠陥反応値は、光学画像と参照画像との間のパターンの対応する画素同士の階調値差また位置ずれ量を変換した256段階の値すなわち0〜255である。
また、第4の実施形態において、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、欠陥反応値が最大値となった画素が、当該画素の飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、当該周期的または離散的に分布する画素を第2の欠陥として検出する。
すなわち、図15に示すように、比較回路25は、同一ストライプに対応する光学画像内において、第3の閾値以上の連続数で連続して、または第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に欠陥反応値が最大値となったか否かを判定する(ステップS25)。第3の閾値以上の連続数で連続して、または第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に欠陥反応値が最大値となった場合(ステップS25:Yes)、比較回路25は、欠陥反応値が最大値となった画素を第2の欠陥として検出し、エラー停止判断回路26は、第1の検査をエラー停止させる(ステップS3)。
図16は、第4の実施形態によるパターン検査方法において、欠陥反応値の一例を示す平面図である。図16の例においては、光学画像内において、欠陥反応値が最大値255となる画素pが、8画素連続している。図16の例において、欠陥反応値が最大値となる画素の連続数についての第3の閾値を“5”とする。この場合、欠陥反応値が最大値となる画素pの連続数は“8”であるため、連続数は第3の閾値以上となる。したがって、図16の例においては、連続する8画素pが第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。
図17は、第4の実施形態によるパターン検査方法において、欠陥反応値の他の例を示す平面図である。図17の例においては、光学画像内において、欠陥反応値が最大値255となる画素pが、2つ飛びで周期的に分布している。図17の例において、欠陥反応値が最大値となる画素の飛び数についての第4の閾値を“4”とする。この場合、欠陥反応値が最大値となる画素の飛び数は“2”であるため、飛び数は第4の閾値以下となる。したがって、図17の例においては、2つ飛びで分布している欠陥反応値が最大値となる画素pが第2の欠陥として検出され、第1の検査がエラー停止される。
なお、比較回路25は、第2の欠陥の検出において、第3の閾値との比較の単位を画素の替わりにフレームとしてもよい。すなわち、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、欠陥反応値が最大値となったフレームが、当該フレームの連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、当該連続的に分布するフレームを第2の欠陥として検出してもよい。
ここで、フレームの欠陥反応値は、フレームに含まれる画素毎の欠陥反応値の平均値であってもよいが、これに限定されない。
また、比較回路25は、第2の欠陥の検出において、第4の閾値との比較の単位を画素の替わりにフレームとしてもよい。すなわち、比較回路25は、ストライプ202毎の光学画像内に、欠陥反応値が最大値となったフレームが、当該フレームの飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、当該周期的または離散的に分布するフレームを第2の欠陥として検出してもよい。
第4の実施形態においても、欠陥反応値が最大値となる画素の連続数に基づくことで、局所的に多発する傾向を有する第2の欠陥を迅速に検出して第1の検査をエラー停止させることができる。
また、欠陥転写性考慮検査と異なる多数の欠陥の検出をともなう検査のために上記各実施形態を適用することもできる。
パターン検査装置1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、パターン検査装置1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
上述の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 パターン検査装置
2 マスク
201 検査領域
202 ストライプ
8 フォトダイオードアレイ
17 テーブル制御回路
24 参照回路
25 比較回路

Claims (2)

  1. 試料に設けられたパターンの欠陥を検査する検査装置を用いて前記パターンの欠陥を検査する検査方法であって、
    前記試料の検査領域に光を走査し、
    前記光の走査の進行に応じて、前記走査された光を結像した光学画像を取得し、
    前記光学画像の取得の進行に応じて、前記取得された光学画像の参照となる参照画像を作成し、
    前記光学画像の取得の進行に応じて、前記取得された光学画像と当該光学画像の前記参照画像とを比較して前記パターンの第1の欠陥を検出し、
    前記第1の欠陥の検出の進行中に、前記取得された光学画像と前記参照画像との差の分布に基づいて、前記検査装置の誤動作に起因する前記パターンの第2の欠陥を検出し、
    前記第2の欠陥が検出された場合に、前記検査を停止
    前記第2の欠陥の検出は、
    前記光学画像内に、前記光学画像と前記参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、前記光学画像と前記参照画像との差に応じた欠陥判定用の反応値が最大値となった画素またはフレームが、前記画素またはフレームの連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、当該連続的に分布する画素またはフレームを前記第2の欠陥として検出すること、および/または、
    前記光学画像内に、前記光学画像と前記参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、前記反応値が最大値となった画素またはフレームが、前記画素またはフレームの飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、当該周期的または離散的に分布する画素またはフレームを前記第2の欠陥として検出することを含む、検査方法。
  2. 試料に設けられたパターンの欠陥を検査する検査装置であって、
    前記試料の検査領域に光を走査する光走査部と、
    前記光走査部の走査の進行に応じて、前記走査された光を結像した光学画像を取得する光学画像取得部と、
    前記光学画像取得部の光学画像の取得の進行に応じて、前記取得された光学画像の参照となる参照画像を作成する参照画像作成部と、
    前記光学画像取得部の光学画像の取得の進行に応じて、前記取得された光学画像と前記参照画像作成部が作成する当該光学画像の前記参照画像とを比較して前記パターンの第1の欠陥を検出する第1検出部と、
    前記第1の欠陥の検出の進行中に、前記取得された光学画像と前記参照画像との差の分布に基づいて、前記検査装置の誤動作に起因する前記パターンの第2の欠陥を検出する第2検出部と、
    前記第2の欠陥が検出された場合に、前記検査を停止させる検査停止部と、
    を備え
    前記第2の欠陥の検出は、
    前記光学画像内に、前記光学画像と前記参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、前記光学画像と前記参照画像との差に応じた欠陥判定用の反応値が最大値となった画素またはフレームが、前記画素またはフレームの連続数についての閾値である第3の閾値以上の連続数で連続的に分布する場合に、当該連続的に分布する画素またはフレームを前記第2の欠陥として検出すること、および/または、
    前記光学画像内に、前記光学画像と前記参照画像との間において白色と黒色が反転した画素またはフレーム、もしくは、前記反応値が最大値となった画素またはフレームが、前記画素またはフレームの飛び数についての閾値である第4の閾値以下の飛び数で周期的または離散的に分布する場合に、当該周期的または離散的に分布する画素またはフレームを前記第2の欠陥として検出することを含む、検査装置。
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