JP6868443B2 - 内燃機関用の点火装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関用の点火装置に関する。
内燃機関用の点火装置として、点火に先立って高周波電圧を点火プラグに印加して発生された低温プラズマ放電を利用して燃料ガスと空気との混合気に点火するものがある。例えば、特許文献1には、予混合圧縮着火式の内燃機関において、点火時期前において、アーク放電に移行せずに低温プラズマ放電が維持されるように高周波電圧を印加する構成が開示されている。これにより、燃焼速度を内燃機関の運転条件に合わせて制御しやすくしている。
特開20007−309160号公報
しかしながら、低温プラズマ放電の態様は内燃機関における筒内圧力に応じて変化するが、特許文献1に開示の構成では筒内圧力の変化を考慮していないため、筒内圧力が時々刻々と変化する圧縮工程において低温プラズマ放電を維持するには十分ではない。さらに、特許文献1に開示の構成では、アーク放電に移行しないように制御しているため、混合気への着火の安定性が低くなっている。特に、A/F(空燃比)を上昇させたりEGR(排気再循環)濃度を高めたりしたリーン環境下における希薄燃焼では、着火の安定性の低下が顕著となる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、混合気への着火の安定性が向上された、低温プラズマ放電を利用する内燃機関用の点火装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、高周波電圧により内燃機関(100)のシリンダ(101)内の混合気に点火する内燃機関用の点火装置(1)であって、
上記高周波電圧を出力する電源部(10)と、
該電源部から出力された上記高周波電圧が印加される点火プラグ(20)と、
上記シリンダにおける筒内圧力を取得する筒内圧力取得部(30)と、
上記内燃機関の各点火サイクルにおいて、上記筒内圧力取得部が取得した筒内圧力に基づいて上記点火プラグに低温プラズマ放電を点火時期前の所定期間継続して発生させるとともに、該所定期間の後に上記点火プラグにアーク放電を発生させるように上記電源部の出力を制御する出力制御部(40)と、
を備え
上記点火プラグは、中心電極(21)と、該中心電極を内側に保持する筒状の外部導体(23)と、上記中心電極と上記外部導体との間に位置する筒状の誘電体(22)とを備えており、上記中心電極は上記誘電体の内側に位置するとともに上記中心電極と上記誘電体との間に上記低温プラズマ放電及び上記アーク放電を生じさせる空間部が設けられている、内燃機関用の点火装置にある。
上記内燃機関用の点火装置においては、出力制御部は筒内圧力取得部が取得した筒内圧力に基づいて点火プラグに低温プラズマ放電を点火時期前の所定期間継続して発生させるように電源部の出力を制御する。これにより、当該所定期間において低温プラズマ放電が継続して発生し、十分な活性種付与が行われる。そして、出力制御部は当該所定期間の後に点火プラグにアーク放電を発生させるように電源部の出力を制御する。これにより、十分な活性種付与がなされた状態でアーク放電を発生されるため、混合気への着火の安定性が向上されることとなる。
以上のごとく、本発明によれば、低温プラズマ放電を利用する内燃機関用の点火装置であって、混合気への着火の安定性が高い内燃機関用の点火装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、内燃機関用の点火装置の構成を示す概念図。 実施形態1における、点火プラグの断面模式図。 実施形態1における、筒内圧力と移行電圧との関係を示す概念図。 実施形態1における、内燃機関用の点火装置の制御態様を示すフロー図。 図5(a)は実施形態1における筒内圧力の変化を示す概念図、図5(b)は実施形態1における印加電圧の変化を示す概念図。 図6(a)は実施形態1における筒内圧力の変化を示す他の概念図、図6(b)は実施形態1における印加電圧の変化を示す他の概念図。 図7(a)は変形形態1における筒内圧力の変化を示す概念図、図7(b)は印加電圧の変化を示す他の概念図。 変形形態2における、内燃機関用の点火装置の構成を示す概念図。
(実施形態1)
上記内燃機関用の点火装置の実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用の点火装置1は、図1に示すように、高周波電圧により内燃機関100のシリンダ101内の混合気に点火する内燃機関用の点火装置1である。そして、内燃機関用の点火装置1は、電源部10、点火プラグ20、筒内圧力取得部30及び出力制御部40を備える。
電源部10は、高周波電圧を出力する。
点火プラグ20は、電源部10から出力された高周波電圧が印加される。
筒内圧力取得部30は、シリンダ101における筒内圧力を取得する。
出力制御部40は、内燃機関100の各点火サイクルにおいて、筒内圧力取得部30が取得した筒内圧力に基づいて点火プラグ20に低温プラズマ放電を点火時期前の所定期間継続して発生させるように電源部10の出力を制御する。これとともに、出力制御部40は、当該所定期間の後に点火プラグ20にアーク放電を発生させるように電源部10の出力を制御する。
以下、本実施形態の内燃機関用の点火装置1について、詳述する。
図1に示すように、点火装置1に備えられる点火プラグ20は、内燃機関100のシリンダヘッド105に取り付けられて、点火プラグ20の先端がシリンダ101内の燃焼室102に露出している。図2に示すように、点火プラグ20は、棒状の中心電極21と中心電極21を内側に保持する筒状の外部導体23と、中心電極21と外部導体23との間に位置する筒状の誘電体22を備える。中心電極21、誘電体22及び外部導体23はいずれも同軸状に配置されている。図1に示すように、中心電極21の基端212は電源部10に接続されている。図2に示すように、外部導体23は、最外周を形成するとともにシリンダヘッド105に螺合するためのネジ溝が形成された第1外部導体231と第1外部導体231の内側に位置する筒状の第2外部導体232からなる。誘電体22の先端221は、中心電極21の先端211及び外部導体23の先端233よりも先端側Y1に突出している。後述するように電源部10から高周波電圧が中心電極21に印加されて、中心電極21の先端211と誘電体22との間に低温プラズマ放電及びアーク放電を生じさせるように構成されている。
点火プラグ20に高周波電圧を印加すると低温プラズマ放電が発生する。そして、印加電圧値を徐々に上昇させると、所定の電力値においてアーク放電に移行する。アーク放電に移行する電力値、すなわち低温プラズマ放電を発生させる高周波電圧の上限電圧値を移行電圧という。移行電圧は筒内圧力に応じて変化するものであって、例えば、図3に示すように、筒内圧力が高いほど移行電圧も高くなる。従って、印加する高周波電圧の電圧値を上昇させると、筒内圧力が低い場合は筒内圧力が高い場合に比べて、より早期に移行電圧に到達してアーク放電に移行することとなる。
図1に示すように、シリンダ101にはシリンダ101内の燃焼室102の圧力である筒内圧力を取得する筒内圧力取得部30が設けられている。本実施形態では、筒内圧力取得部30は燃焼室102の圧力を検出する圧力センサからなる。筒内圧力取得部30が取得した圧力値は出力制御部40に入力されるように構成されている。また、内燃機関100には、クランク角を取得する回転角取得部60が備えられている。本実施形態では、回転角取得部60はクランク角を検出する回転角センサからなる。
電源部10は、高周波電圧を出力するように構成されている。電源部10は、図1に示すように、発振器11、増幅器12を備える。発振器11は周波数制御器13を有している。増幅器12は発振器11の出力電圧値を所定の電圧値まで増幅するように構成されている。周波数制御器13は、後述する出力制御部40により設定された周波数となるように発振器11の出力周波数を変更するように構成されている。
本実施形態では、点火装置1は、電源部10から出力された高周波電圧の電圧値を取得する電圧値取得部50を有する。電圧値取得部50は電圧センサからなり、高周波電圧の電圧値を検出して、検出結果を出力制御部40に入力するように構成されている。
出力制御部40は、電源部10の出力を制御するように構成されている。本実施形態では、出力制御部40は、継続期間設定部41、関係情報記憶部42、移行電圧算出部43、電圧値比較部44及び電圧制御部45を備える。
継続期間設定部41は、内燃機関100の運転条件に応じて必要とされる低温プラズマ量に応じて、低温プラズマ継続期間Sを設定する。低温プラズマ継続期間Sは、図5(b)、図6(b)に示すように、移行電圧未満の高周波電圧が点火プラグ20に印加された時間である電圧印加期間Pの積算時間である低温プラズマ放電積算時間と、印加中断期間Rとを合わせたものである。低温プラズマ放電積算時間は、例えば、A/FやEGR濃度などのシリンダ101内の混合気体状態に基づいて設定することができる。例えば、シリンダ101内の混合気体状態が燃焼しにくい状態である場合には、低温プラズマ放電時間をより長く設定することができる。低温プラズマ放電積算時間は最大で吸気行程の始期から点火時期までの時間とすることができる。印加中断期間Rは、直前の電圧印加期間Pに次回の電圧印加期間Pが連続して点火プラグ20への印加電圧が後述する移行電圧を超えることを防止するために、直前の電圧印加期間Pと次回の電圧印加期間Pとが所定の間隔をおいて到来するように設定することができる。
関係情報記憶部42は書き換え不能な不揮発性メモリからなり、筒内圧力と移行電圧との関係情報が予め記憶されている。当該関係情報は、実測値を基に作成した筒内圧力と移行電圧との関係を示す関係式やマップの形態としたり、これらから導き出した近似式の形態としたり、理論モデルから導き出した理論式の形態としたりすることができる。
移行電圧算出部43は、筒内圧力取得部30により取得された筒内圧力と関係情報記憶部42に記憶された上記関係情報から比較対象となる移行電圧を算出する。
電圧値比較部44は、移行電圧算出部43により算出された移行電圧と、電圧値取得部50により取得された高周波電圧の電圧値とを比較する。
電圧制御部45は、電圧値比較部44の比較結果に基づいて、電源部10が出力する高周波電圧の電圧値を変更または維持し、あるいは電源部10の出力を停止する。電圧制御部45は、電源部10における発振器11の出力電圧である一次電圧を制御するようにしてもよいし、増幅器12における出力電圧である二次電圧を制御するようにしてもよい。
次に、本実施形態の内燃機関用の点火装置1における制御態様を図4に示すフロー図を用いて説明する。
図4に示すように、まず、ステップS1において、出力制御部40により、内燃機関の運転条件を取得し、活性種としての低温プラズマが必要であるか否かを判定する。ステップS1において低温プラズマが必要でないと判定された場合は、ステップS1のNoに進み、この制御を終了する。ステップS1において、低温プラズマであると判定された場合は、ステップS1のYesに進む。そして、ステップS2において、継続期間設定部41により、内燃機関100の運転条件に基づいて、図5(b)及び図6(b)に示す電圧印加期間Pの積算時間である低温プラズマ放電時間を算出し、図5(b)及び図6(b)に示す低温プラズマ継続期間Sの継続時間を設定する。
その後、ステップS3において、筒内圧力取得部30によりシリンダ101における筒内圧力を取得する。なお、筒内圧力取得部30による筒内圧力の取得は常時行うこととしてもよい。
そして、ステップS4に進み、移行電圧算出部43により、移行電圧の算出を行う。移行電圧の算出は、筒内圧力取得部30により取得された筒内圧力と、関係情報記憶部42に予め記憶された筒内圧力と移行電圧との関係を示す関係情報とに基づいて算出する。内燃機関100の点火サイクルにおける吸気行程では、図5(a)に示すように、シリンダ101の筒内圧力の変化量が小さいため、移行電圧の変化量も小さく、一定に近い状態となっている。一方、圧縮工程では、図6(a)に示すように、シリンダ101の筒内圧力は徐々に上昇しており、これに伴って移行電圧も徐々に上昇することとなる。
その後、図4に示すステップS5に進み、電源部10から高周波電圧を出力して、点火プラグ20に高周波電圧を印加する。次いで、ステップS6において、低温プラズマ放電の維持を行う。ステップS6では、まず、電圧値取得部50により、電源部10が出力している高周波電圧の電圧値を取得する。そして、図5(b)及び図6(b)に示すように、電圧制御部45により、電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を上昇させて、電圧値比較部44において、電圧値取得部50が取得した電圧値と、電圧基準値とを比較する。本実施形態では、移行電圧算出部43により算出された移行電圧を電圧基準値とする。
電圧値比較部44の比較結果が、電圧値取得部50が取得した電圧値が移行電圧よりも低い場合は、電圧制御部45により、電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を上昇させて、再度電圧値比較部44による上記比較を実行する。これにより、電圧値比較部44の比較結果が電源部10から出力された高周波電圧の電圧値が電圧基準値である移行電圧よりも低いことを示すとき、高周波電圧の電圧値が電圧基準値に近づくように電源部10の出力を制御することとなる。
一方、電圧値比較部44の比較結果が、電圧値取得部50が取得した電圧値が移行電圧に到達する直前の値であることを示す場合は、電圧制御部45により、電源部10の出力を所定の期間である印加中断期間Rにおいて中断させる。印加中断期間Rが終了すると電圧制御部45により再度電源部10から高周波電圧を出力させて点火プラグ20に印加し、当該高周波電圧の電圧値を上昇させて、再度電圧値比較部44による上記比較を実行する。
以上のようにステップS6では、図5(b)及び図6(b)に示すように、電圧印加期間Pにおいて点火プラグ20に高周波電圧が印加された後、印加中断期間Rにおいて印加が中断される。そして、電圧印加期間Pと印加中断期間Rとを交互に繰り返される。これにより、低温プラズマ継続期間Sにおいて、低温プラズマ放電がアーク放電に移行せずに維持される。
例えば、吸気行程では、図5(b)に示すように、移行電圧も一定に近い状態となっているため、低温プラズマ継続期間Sにおいて、電圧印加期間P及び印加中断期間Rは所定の長さのまま繰り返され、低温プラズマ放電がアーク放電に移行しないように維持されている。一方、圧縮行程では、図6(b)に示すように、上述の通り、移行電圧は徐々に上昇するため、電圧印加期間Pは筒内圧力が高まるにつれて長くなっている。なお、印加中断期間Rは所定の長さのまま維持されている。
次に、図4に示すように、ステップS7において、出力制御部40により、低温プラズマ継続期間Sが終了したか否か判定する。低温プラズマ継続期間Sが終了していないと判定された場合は、ステップS7のNoに進み、再度ステップS6を実施する。一方、低温プラズマ継続期間Sが終了していると判定された場合は、ステップS7のYesに進み、ステップS8において、点火時期に到達したか否かを判定する。ステップS8では、回転角取得部60により取得されたクラン角度に基づいて点火時期の判定を行う。ステップS8において、点火時期に到達していないと判定された場合は、再度ステップS8を実施する。
一方、ステップS8において、点火時期に到達していると判定された場合は、ステップS8のYesに進み、ステップS9において、アーク放電への移行を行う。本実施形態では、低温プラズマ継続期間Sの終了時を点火時期と一致させている。そのため、点火時期まで低温プラズマ放電を継続した後、当該点火時期にアーク放電を発生させるようにしている。ステップS9では、図6(b)において、アーク放電期間Qにおいて、電圧制御部45が電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を、移行電圧以上に上昇させてこの制御を終了する。本実施形態では、低温プラズマ継続期間Sに連続してアーク放電期間Qを到来させるようにしている。
以下に、本実施形態の内燃機関用の点火装置1の作用効果について詳述する。
本実施形態の内燃機関用の点火装置1によれば、出力制御部40は筒内圧力取得部30が取得した筒内圧力に基づいて点火プラグ20に低温プラズマ放電を点火時期前の所定期間継続して発生させるように電源部10の出力を制御する。これにより、当該所定期間において低温プラズマ放電が継続して発生し、十分な活性種付与が行われる。そして、出力制御部40は当該所定期間の後に点火プラグにアーク放電を発生させるように電源部10の出力を制御する。これにより、十分な活性種付与がなされた状態でアーク放電を発生されるため、混合気への着火の安定性が向上されることとなる。
また、本実施形態では、出力制御部40は、電源部10の出力を中断する印加中断期間Rを設けることにより、低温プラズマ放電の発生を所定期間である低温プラズマ継続期間Sの間、継続するように電源部10の出力を制御する。これにより、低温プラズマ継続期間Sにおいて、アーク放電に移行することなく低温プラズマを断続的に発生させることができる。
また、本実施形態では、出力制御部40は、電源部10の出力の中断を解除して該出力を継続することにより、アーク放電を発生させるように電源部10の出力を制御する。これにより、低温プラズマ継続期間Sの終了後、即座にアーク放電に移行させることができる。
また、本実施形態では、出力制御部40は、低温プラズマ放電を所定期間である低温プラズマ継続期間Sの間、継続して発生させた後、低温プラズマ継続期間Sに連続してアーク放電を発生させるための高周波電圧の印加を行うように電源部10の出力を制御する。これにより、低温プラズマ継続期間Sに発生させた活性種としての低温プラズマを使用してアーク放電による着火性をより安定化させることができる。
また、本実施形態では、出力制御部40は、点火時期まで点火プラグ20に低温プラズマ放電を継続して発生させた後、点火時期にアーク放電を発生させるように電源部10の出力を制御する。これにより、低温プラズマ継続期間Sに発生させた活性種としての低温プラズマをより有効に活用してアーク放電による着火性を一層安定化させることができる。
また、本実施形態では、出力制御部40は、電源部10から出力された高周波電圧の電圧値と、筒内圧力に応じて予め設定された電圧基準値である移行電圧とを比較する電圧値比較部44を備え、電圧値比較部44の比較結果に基づいて、電源部10の出力を制御する。これにより、圧縮行程のように筒内圧力が刻々と変化する場合でも、低温プラズマ継続期間Sにおいて確実にアーク放電に移行しないようにすることができる。
また、本実施形態では、出力制御部40は、電圧値比較部44の比較結果が電源部10から出力された高周波電圧の電圧値が電圧基準値である移行電圧よりも低いことを示すとき、高周波電圧の電圧値が上記電圧基準値に近づくように電源部10の出力を制御する。これにより、低温プラズマ継続期間Sにおいて、電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を、移行電圧未満でできるだけ大きくすることができる。その結果、低温プラズマ継続期間Sにおける低温プラズマの発生量をより多くすることができ、混合気への着火の安定性を一層向上することができる。
なお、本実施形態では、上記電圧基準値として移行電圧を採用したが、これに替えて、移行電圧よりも低い所定の電圧値を電圧基準値としてもよい。この場合は、筒内圧力取得部30や電圧値取得部50における検出誤差が大きい場合でも低温プラズマ継続期間Sを維持することができ、混合気への着火の安定性が向上できる。
なお、本実施形態では、図4に示すように、低温プラズマ継続期間Sが終了した後に点火時期に到達することとしたが、これに替えて、低温プラズマ継続期間Sの進行中に点火時期に到達したときには、ステップS7の前にステップS8及びステップS9を実施して、低温プラズマ継続期間Sの終了を待たずに、アーク放電への移行を行うようにすることができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、混合気への着火の安定性が向上された、低温プラズマ放電を利用する内燃機関用の点火装置1を提供することができる。
本実施形態では、上記ステップS6における低温プラズマ放電の維持のために、図5(b)及び図6(b)に示すように、低温プラズマ継続期間Sにおいて印加中断期間Rを設けることとしたが、これに替えて、図7(a)及び図7(b)に示すように、印加中断期間Rを設けずに、低温プラズマ継続期間Sにおいて電源部10から出力される高周波電圧の電圧値が移行電圧を超えないように、電圧制御部45により電源部10の出力を制御してもよい。この場合は、図4に示すステップS6において、電圧値比較部44の比較結果が、電圧値取得部50が取得した電圧値が移行電圧に到達する直前の値であることを示す場合は、電圧制御部45により、電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を維持させて、移行電圧を超えないように制御する。そして、点火時期に到達した場合は、ステップS9において、電圧制御部45により電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を上昇させることにより、アーク放電を発生させるように電源部10の出力を制御する。
変形形態1においても実施形態1の場合と同等の作用効果を奏する。そして、変形形態1では、電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を上昇させることにより、アーク放電を発生させるように電源部10の出力を制御するため、実施形態1と同様に、低温プラズマ継続期間Sの終了後、即座にアーク放電に移行させることができる。
なお、本実施形態では、出力制御部40に備えられた電圧制御部45により電源部10における一次電圧及び二次電圧の少なくとも一方を直接制御するようにしたが、これに替えて、以下の変形形態2のようにしてもよい。図8に示すように、変形形態2では、出力制御部40は、図1における電圧制御部45に加えて、周波数制御部46を備えており、その他の構成は実施形態1の同様である。
周波数制御部46は、電圧値比較部44の比較結果に基づいて、電源部10が出力する高周波電圧の周波数を変更または維持する。そして、変形形態2では、図4に示すステップS6において、電源部10から出力される高周波電圧の周波数を変更することにより、低温プラズマ放電の発生を所定期間継続するように電源部10の出力を制御する。具体的には、ステップS6において、電圧値比較部44の比較結果が、電圧値取得部50が取得した電圧値が移行電圧に到達する直前の値であることを示す場合は、周波数制御部46により、電源部10から出力される高周波電圧の周波数を点火装置1の共振周波数よりも大きく又は小さくして共振周波数から離れた値にする。これにより、電源部10から出力される高周波電圧の電圧値が上昇しないようにする。これにより、図7(a)及び図7(b)に示す変形形態1の場合と同様に、電源部10から出力される高周波電圧の電圧値を維持させて、移行電圧を超えないように制御する。
そして、点火時期に到達した場合は、ステップS9において、周波数制御部46により、電源部10が出力する高周波電圧の周波数を点火装置1の共振周波数に近づけることにより、アーク放電を発生させるように電源部10の出力を制御する。高周波電圧の周波数を点火装置1の共振周波数に近づけると、電源部10において共振が増加して高周波電圧の電圧値が大きくなるため、これにより、高周波電圧の電圧値を移行電圧以上にすることで、アーク放電を発生させることができる。当該変形形態2においても実施形態1と同様に、低温プラズマ継続期間Sの終了後、即座にアーク放電に移行させることができる。
なお、点火装置1の共振周波数は、点火装置1における高周波電圧の伝送路を構成する要素により定まる値である。本変形形態2では、点火装置1の共振周波数は600KHzとなっており、周波数制御部46は点火装置1の共振周波数を基準にして±50KHzの範囲で電源部10が出力する高周波電圧の周波数を変更できるようになっている。当該変形形態2においても実施形態1及び変形形態1と同等の作用効果を奏する。
本発明は上記実施形態及び各変形形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、実施形態1における電圧制御部45による印加中断期間Rの設定と、変形形態1における電圧制御部45による電圧値の制御と、変形形態2における周波数制御部46による周波数の制御のうちの複数を任意に組み合わせて、低温プラズマ継続期間Sにおいて低温プラズマ放電を継続させるようにしてもよい。
1 内燃機関用の点火装置
10 電源部
20 点火プラグ
30 筒内圧力取得部
40 出力制御部
44 電圧値比較部
45 電圧制御部
46 周波数制御部
50 電圧値取得部
100 内燃機関
101 シリンダ

Claims (8)

  1. 高周波電圧により内燃機関(100)のシリンダ(101)内の混合気に点火する内燃機関用の点火装置(1)であって、
    上記高周波電圧を出力する電源部(10)と、
    該電源部から出力された上記高周波電圧が印加される点火プラグ(20)と、
    上記シリンダにおける筒内圧力を取得する筒内圧力取得部(30)と、
    上記内燃機関の各点火サイクルにおいて、上記筒内圧力取得部が取得した筒内圧力に基づいて上記点火プラグに低温プラズマ放電を点火時期前の所定期間継続して発生させるとともに、該所定期間の後に上記点火プラグにアーク放電を発生させるように上記電源部の出力を制御する出力制御部(40)と、
    を備え
    上記点火プラグは、中心電極(21)と、該中心電極を内側に保持する筒状の外部導体(23)と、上記中心電極と上記外部導体との間に位置する筒状の誘電体(22)とを備えており、上記中心電極は上記誘電体の内側に位置するとともに上記中心電極と上記誘電体との間に上記低温プラズマ放電及び上記アーク放電を生じさせる空間部が設けられている、内燃機関用の点火装置。
  2. 上記出力制御部は、上記高周波電圧の電圧値を変更すること、上記高周波電圧の周波数を変更すること、及び上記電源部の出力を中断する印加中断期間を設けることのうちの少なくとも一つにより、上記低温プラズマ放電の発生を上記所定期間継続するように上記電源部の出力を制御する、請求項1に記載の内燃機関用の点火装置。
  3. 上記出力制御部は、上記高周波電圧の電圧値を上昇させること、上記高周波電圧の周波数を上記内燃機関用の点火装置における共振周波数に近づけること、及び上記出力の中断を解除して該出力を継続することのうちの少なくとも一つにより、上記アーク放電を発生させるように上記電源部の出力を制御する、請求項2に記載の内燃機関用の点火装置。
  4. 上記出力制御部は、上記低温プラズマ放電を上記所定期間継続して発生させた後、該所定期間に連続してアーク放電を発生させるための上記高周波電圧の印加を行うように上記電源部の出力を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
  5. 上記出力制御部は、点火時期まで上記点火プラグに上記低温プラズマ放電を継続して発生させた後、該点火時期に上記アーク放電を発生させるように上記電源部の出力を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
  6. 上記出力制御部は、上記高周波電圧の電圧値と、上記筒内圧力に応じて予め設定された電圧基準値とを比較する電圧値比較部(44)を備え、該電圧値比較部の比較結果に基づいて、上記電源部の出力を制御する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
  7. 上記出力制御部は、上記電圧値比較部の比較結果が上記高周波電圧の電圧値が上記電圧基準値よりも低いことを示すとき、上記高周波電圧の電圧値が上記電圧基準値に近づくように上記電源部の出力を制御する、請求項6に記載の内燃機関用の点火装置。
  8. 上記電圧基準値は、上記筒内圧力に応じて設定された上記低温プラズマ放電から上記アーク放電への移行電圧である、請求項6又は7に記載の内燃機関用の点火装置。
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