JP5257168B2 - 内燃機関の着火制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の着火制御装置に関する。
従来の内燃機関として、圧縮行程中に燃料を筒内に直接燃料を噴射して成層化された混合気を形成するときに、同じ圧縮行程で、成層化される混合気場に対してオゾンを直接噴射するものがある。(例えば、特許文献1参照)。従来の内燃機関は、これにより成層混合気の自己着火性を向上させていた。
特開2002−309941号公報
しかしながら、前述した従来の内燃機関では、混合気層の内部で選択的にオゾンを生成するものではないので、燃焼室内に直接噴射したオゾンが空気層にも存在することになる。そうすると、空気層に存在するオゾンは自己着火性の向上にはほとんど寄与しないので、供給したオゾンが無駄になり効率が悪いという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、成層混合気の着火性を効率的に向上させることを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明は、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室内に設けられ、燃焼室内のガス成分のラジカルを生成するラジカル生成装置と、を備える内燃機関の着火制御装置であって、燃料噴射弁から噴射された燃料によって、燃焼室内に、周囲に形成される空気層又は混合気層よりも濃い空燃比の成層混合気を形成する成層混合気形成手段と、成層混合気内において、成層混合気のラジカルを生成するよう、ラジカル生成装置を制御する制御手段と、ラジカルが生成された成層混合気を着火させる着火手段とを含み、制御手段は、筒内ガス温度及び筒内ガス圧力に基づいて、前記ラジカルの生成終了時期を決定することを特徴とする。
本発明によれば、着火前に選択的に混合気層の内部にラジカルを生成することができる。そのため、燃焼に寄与しない空気層でのラジカル生成を抑制して無駄なラジカルの生成を抑えつつ、着火前にラジカルと混合気とを反応させることができるので、成層混合気の着火性を効率的に向上させることができる。
第1実施形態によるエンジンの概略構成図である。 第1実施形態による混合気の着火制御について説明するフローチャートである。 成層自己着火燃焼モード時の処理について説明するフローチャートである。 アクセルペダル踏み込み量に基づいて目標トルクを算出するテーブルである。 目標燃空比を算出するためのマップである。 燃焼モードを決定するためのマップである。 混合気内にラジカルが存在することによる混合気の着火促進効果について説明する図である。 成層自己着火燃焼モードのときの燃料噴射時期と非平衡プラズマ放電の実施時期とを示した図である。 成層自己着火燃焼モードのときの筒内の様子を説明する図である。 第2実施形態による成層自己着火燃焼モードのときの燃料噴射時期と非平衡プラズマ放電の実施時期とを示した時である。 第3実施形態によるエンジンの概略構成図である。 第4実施形態によるエンジンの概略構成図である。 第5実施形態によるエンジンの概略構成図である。 第6実施形態によるエンジンの概略構成図である。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるエンジン100の概略構成図である。
エンジン100は、シリンダブロック1と、シリンダヘッド2と、コントローラ3と、を備える。
シリンダブロック1には、複数のシリンダ11が形成される。シリンダ11の内部には、燃焼圧力を受けてシリンダ11の内部を往復動するピストン12が収められる。これらシリンダブロック1とシリンダヘッド2とピストン12とによって、ペントルーフ形の燃焼室13が区画形成される。
シリンダヘッド2は、吸気ポート21と、排気ポート22と、吸気弁23と、排気弁24と、放電装置25と、燃料噴射弁26と、を備える。
吸気ポート21は、シリンダ11に吸入される空気が流れる流路であり、燃焼室頂壁の一方の傾斜面に開口する。
排気ポート22は、シリンダ11から排出される排気が流れる流路であり、燃焼室頂壁の他方の傾斜面に開口する。
吸気弁23は、ピストン12の上下動に応じて燃焼室13と吸気ポート21との開口を開閉する。
排気弁24は、ピストン12の上下動に応じて燃焼室13と排気ポート22との開口を開閉する。
放電装置25は、電極251と、電圧発生器252と、を備える。
電極251は導電体からなり、誘電体(絶縁体)253を軸方向に貫通して先端側の一部が燃焼室13に突出している。ピストン冠面に形成されたキャビティ12aがこの電極251の接地電極を兼ねる。
電圧発生器252は、電極251に接続されて電極251に電圧を印加する。
放電装置25は上記のように構成されて、電圧発生器252によってパルス幅の短い高電圧が印加されたときに、平衡プラズマ放電(アーク放電ともいう)に遷移する前の過渡的な放電形態である非平衡プラズマ放電を起こす。これにより、燃焼室13の内部にガス成分のラジカルを生成し、このとき放電装置25はラジカル生成装置として機能する。
一方で、電圧発生器252によってパルス幅の長い高電圧が印加されたときに、平衡プラズマ放電を起こす。このとき放電装置25はは点火装置として機能する。
燃料噴射弁26は、圧縮行程中の所定の燃料噴射時期にキャビティ12aへ向けて直接燃料を噴射する。キャビティ12aによって、燃料噴射弁26から噴射された燃料が電極251の近傍に案内される。
コントローラ3は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ3には、アクセルストロークセンサ31やクランク角センサ32、エアーフローセンサ33などのエンジン100の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。コントローラ3は、運転状態に応じて最適な燃焼モードを選択し、混合気を着火させる。そして、燃焼モードに応じて電圧発生器252を制御し、電極251に印加する電圧値(以下「印加電圧」という)及び印加波数(繰り返し周波数×放電時間)を制御する。以下では、この混合気の着火制御について説明する。
図2は、本実施形態による着火制御について説明するフローチャートである。コントローラ3は、本ルーチンをエンジン100の運転中に所定の演算周期(例えば10ms)で実行する。
ステップS1において、コントローラ3は、アクセルストロークセンサ31によって検出したアクセルペダル踏み込み量と、クランク角センサ32によって検出したエンジン100回転速度と、エアーフローセンサ33によって検出した吸入空気量と、を読み込む。
ステップS2において、コントローラ3は、後述する図4のテーブルを参照し、アクセルペダル踏み込み量に基づいて目標トルクを算出する。
ステップS3において、コントローラ3は、後述する図5のマップを参照し、エンジン回転速度と目標トルクとに基づいて目標燃空比を算出する。ここで燃空比とは空気過剰率の逆数のことをいう。
ステップS4において、コントローラ3は、目標燃料噴射量を算出する。具体的には、まず、吸入空気量とエンジン回転速度とに基づいて基本燃料噴射量を算出する。次に、この基本燃料噴射量に各種補正を実施して目標燃料噴射量とする。
ステップS5において、コントローラ3は、後述する図6のマップを参照し、エンジン100が自己着火燃焼モード領域で運転しているか否かを判定する。コントローラ3は、自己着火燃焼モード領域で運転していればステップS6に処理を移行し、そうでなければステップS9に処理を移行する。
ステップS6において、コントローラ3は、再び後述する図6のマップを参照し、エンジン100が成層自己着火燃焼モード領域で運転しているか否かを判定する。コントローラ3は、成層自己着火燃焼モード領域で運転していればステップS7に処理を移行し、そうでなければステップS8に処理を移行する。
ステップS7において、コントローラ3は、成層自己着火燃焼モードに移行する。成層自己着火燃焼モードのときは、圧縮行程中に燃料を噴射して成層混合気を形成するとともに、燃料噴射と同時に非平衡プラズマ放電を実施して成層混合気の内部に着火性を高めるラジカルを生成する。その後、ラジカルによって着火性を高めた成層混合気を自己着火によって燃焼させる。成層自己着火燃焼モード時の処理については、図3を参照して後述する。
ステップS8において、コントローラ3は、均質自己着火燃焼モードに移行する。均質自己着火燃焼モードのときは、吸気行程中に噴射した燃料で均質混合気を形成し、その均質混合気を自己着火燃焼させる。
ステップS9において、コントローラ3は、火炎伝播燃焼モードに移行する。火炎伝播燃焼モードのときは、吸気行程中に噴射した燃料で均質混合気を形成し、その均質混合気を平衡プラズマ放電によって点火して燃焼させる。
図3は、成層自己着火燃焼モード時の処理について説明するフローチャートである。
ステップS71において、コントローラ3は、燃料噴射開始時期を設定する。具体的には、エンジン回転速度と目標トルクとに基づいて、予め実験等で定められたマップを参照して設定する。ここでの燃料噴射開始時期は、成層混合気を形成するために圧縮行程中に設定される。なお、本実施形態によるマップは、エンジン回転速度が高いときほど燃料噴射開始時期が進角するマップとなっている。
ステップS72において、コントローラ3は、非平衡プラズマ放電開始時期を設定する。ここでの非平衡プラズマ放電開始時期は、燃焼噴射開始時期と同じに設定されるが、燃料噴射開始時期よりも遅角側に設定しても良い。
ステップS73において、コントローラ3は、シリンダ内部のガス温度(以下「筒内温度」という)に応じて非平衡プラズマ放電終了時期を設定する。具体的な設定方法については、図7を参照して後述する。
ステップS74において、着火手段に相当する上死点付近における燃焼室13の圧縮は、ラジカルによって着火性を高めた成層混合気を自己着火させ、燃焼させる。
図4は、アクセルペダル踏み込み量に基づいて目標トルクを算出するテーブルである。このテーブルは予め実験等によって定められ、コントローラ3に格納される。
図4に示すように、アクセルペダル踏み込み量が大きいときほど目標トルクは大きくなる。
図5は、目標燃空比を算出するためのマップである。このマップは予め実験等によって定められ、コントローラ3に格納される。
図5に示すように、エンジン回転速度が高いときほど、また、目標トルクが大きいときほど目標燃空比は大きくなる。
図6は、燃焼モードを決定するためのマップである。このマップは予め実験等によって定められ、コントローラ3に格納される。
図6に示すように、燃焼モードには大きく分けて火炎伝播燃焼モードと自己着火燃焼モードの2つがあり、自己着火燃焼モードはさらに均質自己着火燃焼モードと成層自己着火燃焼モードとに分かれている。
コントローラ3は、エンジン100が高回転又は高負荷で運転しているときは火炎伝播燃焼モードを選択する。一方で、低回転から中回転、かつ、低負荷から中負荷で運転しているときは自己着火燃焼モードを選択する。
そして自己着火燃焼モードを選択した場合は、その中で相対的に高負荷のときは均質自己着火燃焼モードを選択し、相対的に低負荷のときは成層自己着火燃焼モードを選択する。
図7は、混合気内にラジカルが存在することによる混合気の着火促進効果について説明する図である。
図7に示すように、発明者らの鋭意研究によって、混合気内にラジカルが存在することによる混合気の着火促進効果は、主に筒内温度に依存し、筒内温度が低いときほど大きくなることがわかった。つまり、筒内温度が高くなるにつれて混合気内にラジカルが存在することによる混合気の着火促進効果は小さくなり、筒内温度が1000[K]以上になると着火促進効果は略ゼロとなる。
そこで本実施形態では、混合気内にラジカルが存在することによって混合気の着火が効果的に促進する筒内温度の限界値(以下「限界温度」という)を予め設定し、筒内温度がその限界温度となるクランク角を非平衡プラズマ放電終了時期とする。本実施形態では限界温度を800[K]に設定しているが、エンジン仕様ごとに適宜変更すれば良い。
また、混合気内にラジカルが存在することによる混合気の着火促進効果は、シリンダ内部のガス圧力(以下「筒内圧力」という)によっても若干の影響を受け、筒内圧力が高いときほど大きくなる。したがって、筒内圧力も考慮して非平衡プラズマ放電終了時期を設定しても良い。
図8は、成層自己着火燃焼モードのときの燃料噴射時期と非平衡プラズマ放電の実施時期とを示した図である。
図8に示すように、成層自己着火燃焼モードのときは、成層混合気を形成するために圧縮行程中に燃料噴射が開始される。そして、本実施形態では燃料噴射開始と同時に非平衡プラズマ放電が開始される。非平衡プラズマ放電は、燃料噴射が終了した後も、筒内温度が限界温度に達するまで実施される。
図9は、成層自己着火燃焼モードのときの筒内の様子を説明する図である。
図9(A)は、燃料噴射と非平衡プラズマ放電とが両方実施されているときのシリンダ内の様子を表す図である。
図9(A)に示すように、圧縮行程中にキャビティ12aに向けて燃料噴射が開始されると、噴射された燃料は周辺の空気を巻き込みながらキャビティ12aの内部で成層混合気を形成する。以下では、この成層混合気のうち、キャビティ12aの内部に形成されて、周囲に形成される空気層(又は空燃比が薄い混合気層)よりも空燃比が相対的に濃い部分を混合気層といい、それ以外の燃料が拡散していない部分を空気層という。本実施例の混合気層は、ストイキよりも薄い(リーンな)空燃比の混合気とする。
そして、燃料噴射と同時に非平衡プラズマ放電が開始されると、電極251からキャビティ12aの内壁に向かって複数のストリーマが生じる。
このように、混合気層の内部で非平衡プラズマ放電が実施されると、非平衡プラズマによって生成される高エネルギ電子が混合気層の内部の分子と衝突して分子解離を誘発する。これにより、混合気層の内部に選択的にラジカル(化学活性種)44を生成することができる。すなわち、自己着火性の向上にはほとんど寄与しない空気層でのラジカル生成を避けることができる。このときに生成されるラジカルは、主に酸素ラジカル、水素ラジカル及び炭化水素ラジカルである。
混合気の内部にラジカルが存在していると、存在していない場合と比べて低い温度のときから混合気の低温酸化反応が促進され、種々の中間生成物を発生させつつ、最終的に混合気の着火性が向上する。
しかも、図9に示すように、放電装置25によるラジカルの生成範囲を、成層混合気の形成範囲に略一致させれば、自己着火性の向上にはほとんど寄与しない空気層でのラジカル生成を避け、ラジカル生成による自己着火性の向上を効率的に図ることができる。また、例えば従来例にあるように、オゾンを噴射するようなものでは、噴射されたオゾンによって混合気層が吹飛ばされて混合気形成に影響を与えるという課題がある。また、混合気層内部への浸透が不十分となって活性化(着火性の向上)への寄与度が低下するという課題がある。これに対して本実施形態のように、成層混合気内において成層混合気のラジカルを生成させればそのような課題も生じない。
図9(B)は、燃料噴射が終了した後に、非平衡プラズマ放電だけが実施されているときのシリンダ内の様子を表す図である。
図9(B)に示すように、燃料噴射が終了して成層混合気が形成された後も、混合気層の内部で継続して非平衡プラズマ放電を実施し、引き続き混合気層の内部にラジカルを生成する。
図9(C)は、非平衡プラズマ放電を終了し、自己着火よる燃焼が起こる前のシリンダ内の様子を表す図である。
図9(C)に示すように、ピストン12が上昇してきて筒内温度が限界温度よりも高くなると、非平衡プラズマ放電を終了する。これは、前述したように筒内温度が限界温度よりも高くなると、混合気層にラジカルが存在することによる混合気の着火促進効果が大幅に減少するためである。
以上説明した本実施形態によれば、成層自己着火燃焼モードのときは、キャビティ12aの内部に理論空燃比よりリッチな混合気層を形成し、混合気層の内部で非平衡プラズマ放電を実施した後で、混合気層と空気層からなる成層混合気を自己着火燃焼させることにした。
これにより、着火前に選択的に混合気層の内部にラジカルを生成することができる。そのため、燃焼に寄与しない空気層でのラジカル生成を抑制して無駄なラジカルの生成を抑えつつ、着火前にラジカルと混合気とを反応させることができるので、成層混合気の着火性を効率的に向上させることができる。
また、従来例のようにオゾンを燃焼室13に直接噴射するものではないので、燃料噴霧流が乱れることもなく、成層混合気の形成が乱されることもない。また、燃焼室13が比較的高圧になる圧縮行程中に燃焼室13にオゾンを供給しようとすると、燃焼室13の外部で生成したオゾンを昇圧する必要があり、本実施形態と比べてシステムが複雑となってしまう。オゾンは熱分解や壁面沈着、消滅を起こすため、このような不安定なオゾンを複雑なシステムを経て燃焼室13に供給しようとすると、燃焼室13に供給する前にオゾンの量が大幅に減少してしまうおそれもある。
また本実施形態によれば、非平衡プラズマ放電の終了時期を、筒内温度に応じて設定することとした。具体的には、混合気内にラジカルが存在することによる混合気の着火促進効果は、筒内温度が高くなるにつれて小さくなるので、着火促進効果が大幅に減少し始める限界温度に筒内温度が達したときに、非平衡プラズマ放電を終了することとした。
これにより、混合気の着火促進効果が少ない時期にラジカルを生成することを抑制でき、無駄な非平衡プラズマ放電を抑制できる。結果として電圧発生器252への電力供給量を減少させることができるので、燃費を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、圧縮行程中に燃料を2回に分けて噴射する点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、以下の各実施形態では上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図10は、本実施形態による成層自己着火燃焼モードのときの燃料噴射時期と非平衡プラズマ放電の実施時期とを示した時である。
図10に示すように、本実施形態では圧縮行程中に2回に分けて燃料が噴射され、1回目の噴射と同時に非平衡プラズマ放電が開始される。これにより、着火前の比較的長い期間、混合気とラジカルとを反応させることができるので、成層混合気の着火性を向上させることができる。2回目の燃料噴射は非平衡プラズマ放電の終了後に実施しているが、非平衡プラズマ放電の実施中でも良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、放電装置25の構成が第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図11は、本発明の第3実施形態によるエンジン100の概略構成図である。
第1実施形態では、ラジカルの生成手段として、多重の高電圧パルス波を印加し、アーク放電に遷移する前に電界を遮断して複数のストリーマを生じさせ、ラジカルを生成していた。
しかしながら、図11に示すように、燃焼室13に突出した電極251の表面を誘電体253で覆い、電極251に高電圧高周波を印加して非平衡プラズマ放電を起こし、キャビティ12aの内壁に向かって複数ストリーマを生じさせ、ラジカルを生成しても良い。原理的に電極251と接地電極(キャビティ12aの表面)との間に誘電体253があることでアーク放電に遷移することが抑制され、誘電体253の表面と接地電極との間の広い空間に複数のストリーマが生じる。
本実施形態のような構成にしても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、放電装置25の構成が第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図12は、本発明の第4実施形態によるエンジン100の概略構成図である。
第3実施形態では、電極251の表面を誘電体253で覆ったが、図12に示すように、キャビティ12aの表面を誘電体253で覆って複数のストリーマを生じさせても良い。
本実施形態のような構成にしても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、キャビティ12aの形状及び燃料噴射弁26の設置位置が第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図13は、本発明の第5実施形態によるエンジン100の概略構成図である。
第1実施形態では、燃料噴射弁26を燃焼室頂壁の中央近傍に設け、それに対応するようにピストン冠面の中央にキャビティ12aを形成したが、図13に示すように、燃料噴射弁26を燃焼室13の側壁近傍に設けてもよい。この場合は、噴射された燃料がキャビティ12aの内壁に沿うようにして電極251の周りで混合気層を形成するように、キャビティ12aの形状を変更すれば良い。
本実施形態のような構成にしても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、ピストン12にキャビティ12aを形成しない点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図14は、本発明の第6実施形態によるエンジン100の概略構成図である。
上記各実施形態では、マルチホールタイプの燃料噴射弁26を用いたが、本実施形態では外開きのアウトワードタイプの燃料噴射弁126を用いて噴射量を制御し、図14に示すように、キャビティ12aを設けずに成層混合気を形成しても良い。また、電極251には高電圧ラジオ波を印加する。この場合もピストン冠面が接地電極となり、複数のストリーマが生じる。
本実施形態のような構成にしても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、非平衡プラズマを形成できる電極と電源の仕様であれば、ここで記載しなかった他の非平衡プラズマ形成手段であってもよい。例えば、マイクロ波等を利用して非平衡プラズマを形成する方法でもよい
12 ピストン(接地電極)
13 燃焼室
26 燃料噴射弁
100 エンジン(内燃機関)
251 電極
252 電圧発生器
S71 成層混合気形成手段
S72 制御手段
S73 制御手段
S74 着火手段

Claims (8)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃焼室内に設けられ、燃焼室内のガス成分のラジカルを生成するラジカル生成装置と、
    を備える内燃機関の着火制御装置であって、
    前記燃料噴射弁から噴射された燃料によって、燃焼室内に、周囲に形成される空気層又は混合気層よりも濃い空燃比の成層混合気を形成する成層混合気形成手段と、
    前記成層混合気内において、成層混合気のラジカルを生成するよう、前記ラジカル生成装置を制御する制御手段と、
    ラジカルが生成された前記成層混合気を着火させる着火手段と、
    を含み、
    前記制御手段は、
    筒内ガス温度が所定温度よりも高くなったときに、前記ラジカルの生成を終了する、
    ことを特徴とする内燃機関の着火制御装置。
  2. 燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃焼室内に設けられ、燃焼室内のガス成分のラジカルを生成するラジカル生成装置と、
    を備える内燃機関の着火制御装置であって、
    前記燃料噴射弁から噴射された燃料によって、燃焼室内に、周囲に形成される空気層又は混合気層よりも濃い空燃比の成層混合気を形成する成層混合気形成手段と、
    前記成層混合気内において、成層混合気のラジカルを生成するよう、前記ラジカル生成装置を制御する制御手段と、
    ラジカルが生成された前記成層混合気を着火させる着火手段と、
    を含み、
    前記制御手段は、
    筒内ガス温度及び筒内ガス圧力に基づいて、前記ラジカルの生成終了時期を決定する、
    ことを特徴とする内燃機関の着火制御装置。
  3. 前記ラジカル生成装置によるラジカルの生成範囲が、前記成層混合気の形成範囲に略一致していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の着火制御装置。
  4. 前記ラジカル生成装置は、
    前記燃焼室内に設けられた電極と、
    前記電極と対向するように前記燃焼室内に設けられた接地電極と、
    前記電極に電圧を印加する電圧発生器と、
    を備え、
    前記成層混合気形成手段は、
    前記燃料噴射弁から噴射された燃料によって、前記電極と前記接地電極との間に、周囲に形成される空気層又は混合気層よりも濃い空燃比の成層混合気を形成し、
    前記制御手段は、
    前記電圧発生器によって前記電極に電圧を印加し、前記電極と前記接地電極との間に非平衡プラズマ放電を起こして前記成層混合気の内部にラジカルを生成する
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1つに記載の内燃機関の着火制御装置。
  5. 前記制御手段は、
    燃料噴射と同時に、又は燃料噴射より後に、前記ラジカルの生成を開始する
    ことを特徴とする請求項1からまでのいずれか1つに記載の内燃機関の着火制御装置。
  6. 前記成層混合気形成手段は、
    圧縮行程中に燃料を噴射して、前記電極と前記接地電極との間に前記成層混合気を形成する
    ことを特徴とする請求項1からまでのいずれか1つに記載の内燃機関の着火制御装置。
  7. 前記成層混合気形成手段は、複数回に分けて燃料を噴射して前記電極と前記接地電極との間に前記成層混合気を形成し、
    前記ラジカル生成装置は、最初の燃料噴射によって形成された前記成層混合気の内部で前記ラジカルを生成する
    ことを特徴とする請求項1からまでのいずれか1つに記載の内燃機関の着火制御装置。
  8. 前記着火手段は、
    前記成層混合気を圧縮させて自己着火させる
    ことを特徴とする請求項1からまでのいずれか1つに記載の内燃機関の着火制御装置。
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