JP6866282B2 - 接合構造及び接合方法 - Google Patents

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本発明は、プレキャスト床版同士が接合された接合構造及び接合方法に関する。
従来から、プレキャスト床版同士が接合された接合構造及び接合方法としては種々のものが知られている。特許文献1には、複数のコンクリート床版同士が接合された接合構造が記載されている。この接合構造は、第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版との間に平坦な接合面が形成されており、平坦な接合面を介して第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版が互いに密着している。
この接合構造は、第1のプレキャストコンクリート版の内部から接合面を経由して第2のプレキャストコンクリート版の内部において湾曲して延びる第1の緊張材と、第2のプレキャストコンクリート版の内部から接合面を介して第1のプレキャストコンクリート版の内部において湾曲して延びる第2の緊張材とを備える。第1の緊張材及び第2の緊張材が引っ張られることにより、第1のプレキャストコンクリート版及び第2のプレキャストコンクリート版に緊張力が付与される。
特開2016−211202号公報
しかしながら、前述した接合構造では、第1のプレキャストコンクリート版と第2のプレキャストコンクリート版との接合面が平坦状とされている。よって、接合面に対する緊張材の湾曲度合を大きくしないと第1のプレキャストコンクリート版及び第2のプレキャストコンクリート版に十分な緊張力を付与できないという問題がある。また、緊張材の湾曲度合が大きい場合、挿通孔の内面に対する緊張材の摩擦力が大きくなると共に、緊張材を挿通する作業の作業性がよくないという問題が発生しうる。
本発明は、緊張力を十分に付与することができると共に、緊張材の摩擦力を低減して作業性を向上させることができるプレキャスト床版の接合構造及び接合方法を提供することを目的とする。
本発明に係る接合構造は、橋軸方向、橋軸方向に直交する橋軸直角方向、及び、橋軸方向と橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向、延びる第1のプレキャスト床版と第2のプレキャスト床版とが互いに接合される接合構造であって、第1のプレキャスト床版、及び第2のプレキャスト床版は、共に、橋軸直角方向及び高さ方向に延びる端面と、橋軸直角方向に沿って曲線状に延びる緊張材が挿通される挿通孔と、を有し、端面及び挿通孔には、高さ方向から見たときに橋軸直角方向に沿って延びる凹凸が形成されており、高さ方向から見たときに、挿通孔の凹凸の凹部は、端面の凹凸の凸部の位置に形成される。
この接合構造では、第1のプレキャスト床版、及び第2のプレキャスト床版が共に橋軸直角方向及び高さ方向に延びる端面を有し、端面同士が密着することによって接合構造が構築される。第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版のそれぞれの端面には、橋軸直角方向に沿って延びる凹凸が形成されている。従って、第1のプレキャスト床版の凹凸と第2のプレキャスト床版の凹凸とを噛み合わせて接合が行われることにより、端面が平坦状である場合と比較して接合部分の剛性を高めることができる。また、高さ方向から見たときに、挿通孔の凹部は端面の凸部の位置に形成されている。このように、挿通孔及び端面に凹凸が設けられることにより、挿通孔に挿通される緊張材の湾曲度合、すなわち、挿通孔の湾曲度合が小さくても、第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版に十分に緊張力を付与することができる。従って、緊張材の湾曲度合を小さくすることができるので、挿通孔の内面に対する緊張材の摩擦力を小さくすることができると共に、挿通孔に緊張材を挿通する作業の作業性を向上させることができる。
また、接合構造は、挿通孔の内面から突出すると共に緊張材に接触する突起を備えてもよい。この場合、緊張材は挿通孔の内面から突出する突起に接触する。従って、挿通孔の湾曲度合がより小さく、緊張材が突起に接触することによって、第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版に十分な緊張力を付与することができる。そして、緊張材の湾曲度合を小さくすることができるので、緊張材の摩擦力をより低減させることができる。
また、挿通孔は、端面に向かって拡幅する拡幅部を有してもよい。この場合、挿通孔が端面に向かって拡幅する拡幅部を有することにより、挿通孔に緊張材を挿入しやすくすることができる。従って、作業性が更に向上する。具体的には、第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版を互いに接触させる前に緊張材を挿通孔に挿通することができると共に、第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版を互いに接触させても挿通孔の位置がずれないようにすることができる。従って、挿通孔への緊張材の挿入作業を一層効率よく行うことができる。
また、挿通孔は、橋軸方向及び高さ方向の双方に傾斜して蛇行していてもよい。この場合、挿通孔に緊張材を挿通させて緊張材を引っ張るときに、橋軸方向及び高さ方向の双方に第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版を締め付けることができる。よって、緊張材を挿通させて緊張材を引っ張ることにより、第1のプレキャスト床版の高さに第2のプレキャスト床版の高さを合わせることができ、高さ方向への位置決めを行うことができる。従って、緊張材を引っ張ることによって橋軸方向及び高さ方向の双方向への締め付けを自動的に行うことができるので、第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版の接合作業を効率よく行うことができる。
本発明に係る接合方法は、橋軸方向、橋軸方向に直交する橋軸直角方向、及び、橋軸方向と橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向に延びる既設の第1のプレキャスト床版に第2のプレキャスト床版を接合させる接合方法であって、第1のプレキャスト床版、及び第2のプレキャスト床版は、共に、橋軸直角方向及び高さ方向に延びる端面と、橋軸直角方向に沿って曲線状に延びる挿通孔と、を有し、端面には、橋軸直角方向に沿って延びる凹凸が形成されており、挿通孔は、端面の凹凸の凸部で窪む凹部を有すると共に、第1のプレキャスト床版の側面に開口しており、第1のプレキャスト床版の端面に第2のプレキャスト床版の端面を対向させる工程と、開口に緊張材を挿入して挿通孔に緊張材を通す工程と、緊張材を引っ張って第1のプレキャスト床版に第2のプレキャスト床版を引き寄せる工程と、を備える。
この接合方法では、第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版の端面同士が互いに密着することによって接合構造を構築する。第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版のそれぞれの端面には、橋軸直角方向に沿って延びる凹凸が形成されている。従って、第1のプレキャスト床版の凹凸と第2のプレキャスト床版の凹凸とを噛み合わせて接合を行うことにより、端面が平坦状である場合と比較して接合部分の剛性を高めることができる。また、高さ方向から見たときに、緊張材を挿通する挿通孔の凹部は端面の凸部の位置に形成されている。このように、挿通孔及び端面の双方に凹凸が設けられることにより、挿通孔に挿通される緊張材の湾曲度合、すなわち、挿通孔の湾曲度合が小さくても、第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版に十分に緊張力を付与することができる。従って、緊張材の湾曲度合を小さくすることができるので、挿通孔の内面に対する緊張材の摩擦力を小さくすることができると共に、挿通孔に緊張材を挿通する作業の作業性を向上させることができる。更に、この接合方法では、既設の第1のプレキャスト床版の側面に挿通孔が開口しており、第1のプレキャスト床版の側面の開口から緊張材を挿通させる。従って、緊張材の緊張によって既設の第1のプレキャスト床版に新設の第2のプレキャスト床版を引き寄せることができるので、プレキャスト床版の接合の作業を更に効率よく行うことができる。
本発明によれば、緊張力を十分に付与することができると共に、緊張材の摩擦力を低減して作業性を向上させることができる。
(a)は、第1実施形態に係る接合構造を示す平面図である。(b)は、緊張材の断面の一例を示す図である。 第1実施形態に係る接合方法を概念的に示す図である。 第2実施形態に係る接合構造を示す平面図である。 第3実施形態に係る接合構造を示す平面図である。 第4実施形態に係る接合構造を示す縦断面図である。 (a)は、第5実施形態に係る接合構造を示す側面図である。(b)は、第5実施形態に係る接合構造を示す平面図である。 (a)は、第6実施形態に係る接合構造を構築する状態を示す平面図である。(b)は、第5実施形態に係る接合構造を示す平面図である。 (a)は、第7実施形態に係る接合構造を示す平面図である。(b)は、図8(a)のB−B線断面図である。(c)は、図8(a)のC−C線断面図である。 第8実施形態に係る接合構造を示す平面図である。 第9実施形態に係る接合構造を示す平面図である。 (a)は、第10実施形態に係る接合構造の接合方法を示す平面図である。(b)は、一方のプレキャスト床版を他方のプレキャスト床版に降ろす状態を示す斜視図である。(c)は、一方のプレキャスト床版の緊張材を他方のプレキャスト床版の溝に載せる状態を示す斜視図である。(d)は、一方のプレキャスト床版の緊張材を他方のプレキャスト床版の溝に収容した状態を示す斜視図である。
以下では、図面を参照しながら、本発明に係るプレキャスト床版の接合構造及び接合方法の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解を容易にするため一部を簡略化又は誇張して描いており、寸法等は図面に記載のものに限定されない。
(第1実施形態)
図1(a)は、第1のプレキャスト床版10、及び第2のプレキャスト床版20を備えたプレキャスト床版の接合構造1を示す平面図である。図1(b)は、接合構造1に挿通される緊張材30の例を示す断面図である。図1(a)及び図1(b)に示されるように、接合構造1は、第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20を備えると共に緊張材30が挿通され、緊張材30によって第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20に緊張力が付与される。
例えば、第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20は、道路橋を成すプレキャスト床版である。道路橋において、複数のプレキャスト床版P(図2参照)は、橋軸方向D1に沿って配置されており、複数のプレキャスト床版Pの一部を第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20としている。第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20は、工場で予め製造される。予め製造された第1のプレキャスト床版10、第2のプレキャスト床版20及び緊張材30が現場に搬送される。第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20が互いに連結する方向は、橋軸方向D1と一致する。
図2は、第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20を連結する状態を模式的に示す側面図である。図1(a)及び図2に示されるように、例えば、第1のプレキャスト床版10は既設のプレキャスト床版であり、第2のプレキャスト床版20は新設のプレキャスト床版である。従って、接合構造1は、既設の第1のプレキャスト床版10に新設の第2のプレキャスト床版20が接合されることによって構築される。第1のプレキャスト床版10は、直方体状を成すプレキャストブロック11と、橋軸方向D1に延びる複数の補強筋12とを備える。第2のプレキャスト床版20は、プレキャストブロック11及び補強筋12と同様のプレキャストブロック21及び補強筋22を備える。
プレキャストブロック11及びプレキャストブロック21は、例えば、橋軸方向D1及び橋軸直角方向D2に延びる路面部位を構成する。すなわち、プレキャストブロック11の上面11a、及びプレキャストブロック21の上面21aは、共に路面を構成する。プレキャストブロック11及びプレキャストブロック21は、高さ方向D3に厚みを有する。高さ方向D3は、橋軸方向D1及び橋軸直角方向D2の双方に直交する方向であり、橋軸方向D1及び橋軸直角方向D2も互いに直交する。
プレキャストブロック11及びプレキャストブロック21は、例えば、道路橋を成す部位であるため、車両等の荷重を受ける。プレキャストブロック11の橋軸方向D1の一端に位置する端面11bと、プレキャストブロック21の橋軸方向D1の一端に位置する端面21bとが連結することによって接合構造1が構築される。端面11bは、端面21bに橋軸方向D1に対向する面である。
端面11bには凹凸11cが形成されており、端面21bには凹凸11cに噛み合う凹凸21cが形成されている。凹凸11c,21cの高さ方向(窪む方向及び突出する方向)は橋軸方向D1に一致する。すなわち、凹凸11c及び凹凸21cは、共に、橋軸方向D1に曲がるように蛇行しながら橋軸直角方向D2に延びている。凹凸11cは、台形状を成す凹部11d及び凸部11eを含んでおり、高さ方向D3から見たときに、凹部11d及び凸部11eは橋軸直角方向D2に沿って交互に並んでいる。凹凸21cも同様の凹部21d及び凸部21eを含む。凹凸11c及び凹凸21cは、共に、高さ方向D3の全体にわたって延びている。
プレキャストブロック11には緊張材30が挿通される挿通孔11fが形成されており、プレキャストブロック21にも緊張材30が挿通される挿通孔21fが形成されている。挿通孔11fは端面11bに開口し、挿通孔21fは端面21bに開口している。また、挿通孔11fは、橋軸直角方向D2の端部に位置する第1のプレキャスト床版10の側面11gにも開口している。挿通孔11f及び挿通孔21fのそれぞれは、例えば、曲線状のシース管が埋設されることによって形成されている。このシース管は、例えば、セラミック、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)、ステンレス、又は防錆処理が施された金属等、防錆材料によって構成されていてもよい。このシース管の内面には、緊張材30との摩擦を低減させるため、フッ素樹脂等の低摩擦素材が塗布されていてもよい。
挿通孔11f及び挿通孔21fは、例えば、第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20における高さ方向D3の中央付近に形成される。第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20が互いに接合されるときに、挿通孔11f及び挿通孔21fは互いに連通し、挿通孔11f及び挿通孔21fの内部に緊張材30が通される。
挿通孔11f及び挿通孔21fは、共に、橋軸直角方向D2に沿って曲線状に延びている。挿通孔11fには、高さ方向D3から見たときに橋軸方向D1に窪む凹部11hが形成されている。同様に、挿通孔21fにも、凹部21hが形成されている。凹部11h及び凹部21hは橋軸直角方向D2に延びる凹凸2を構成し、凹凸2の高さ方向(窪む方向及び突出する方向)は橋軸方向D1に一致する。すなわち、挿通孔11f,21fの凹凸2は、橋軸方向D1に曲がるように蛇行しながら橋軸直角方向D2に延びている。
高さ方向D3から見たときに、挿通孔11fの凹部11hは端面11bの凸部11eの位置に形成され、挿通孔21fの凹部21hは端面21bの凸部21eの位置に形成される。挿通孔11f,21fの凹凸2と、端面11b,21bの凹凸11c,21cとは互いに逆位相の関係となっている。すなわち、曲線状とされた挿通孔11f,21fの窪んだ部分で凹凸11c,21cが突出している。
緊張材30は、アンボンドPC鋼材であってもよい。この場合、緊張材30は、複数の鋼素線が撚られたPC鋼線30aと、PC鋼線30aを包囲するグリース30bと、PC鋼線30a及びグリース30bを収容するシース30cとを備える。一例として、シース30cはポリエチレン製の外被である。但し、緊張材30は、アンボンドPC鋼材以外の鋼材であってもよい。緊張材30は、アラミド繊維製、又は炭素繊維製であってもよいし、時間の経過に伴って硬化するアフターボンドPC鋼材であってもよい。また、緊張材30の表面が鋼製である場合には、緊張材30を挿通孔11f,21fに挿通させた後に防錆用のグラウトを挿通孔11f,21fに充填させる必要がある。しかしながら、緊張材30の表面が鋼製でない場合には、前述したグラウトの充填を不要とすることが可能である。
次に、第1のプレキャスト床版10と第2のプレキャスト床版20とを接合する接合方法について説明する。まず、図2に示されるように、既設の第1のプレキャスト床版10が他のプレキャスト床版Pと既に接合されている状態において、新設の第2のプレキャスト床版20及び緊張材30を準備する(第2のプレキャスト床版及び緊張材を準備する工程)。このとき、第2のプレキャスト床版20及び緊張材30は現場に搬送されている。
次に、吊り上げ及び吊り降ろしを行うことにより、第2のプレキャスト床版20の端面21bを第1のプレキャスト床版10の端面11bに対向させる(端面を対向させる工程)。このとき、端面11b及び端面21bの少なくともいずれかに接着剤又は止水材を塗布してもよい。接着剤又は止水材は、樹脂製であってもよいし、セメントペーストであってもよい。この場合、端面11b及び端面21bの不陸の修正が可能となる。
そして、第1のプレキャスト床版10の端面11bに第2のプレキャスト床版20の端面21bを突き合わせる(突き合わせる工程)。このとき、端面11bの凹凸11cと端面21bの凹凸21cとを互いに密着させる。端面11bに端面21bを突き合わせた後には、プレキャストブロック11の挿通孔11f及びプレキャストブロック21の挿通孔21fに緊張材30を挿通させる(緊張材を通す工程)。
具体例として、ワンパス継手を介して緊張材30が連結されたメッセンジャーケーブルを導入用ロープとし、第1のプレキャスト床版10の側面11gに開口する挿通孔11fに導入用ロープを導入する。導入用ロープは、第1のプレキャスト床版10の橋軸直角方向D2の一方側の開口から挿通孔11fに導入されて挿通孔11f,21fに通され、橋軸直角方向D2の他方側の開口から導出される。
そして、橋軸直角方向D2の他方側から導入用ロープを引っ張ることによって、挿通孔11f,21fに緊張材30を導入し、挿通孔11f,21fに沿って橋軸直角方向D2に緊張材30を通す。その後、緊張材30を引っ張って第1のプレキャスト床版10に第2のプレキャスト床版20を引き寄せる(引き寄せる工程)。このように、緊張材30を引っ張って第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20に緊張力を付与した後に、接合構造1が完成する。
次に、本実施形態に係る接合構造1及び接合方法の作用効果について詳細に説明する。接合構造1では、第1のプレキャスト床版10、及び第2のプレキャスト床版20が共に橋軸直角方向D2及び高さ方向D3に延びる端面11b,21bを有し、端面11b,21b同士が密着することによって接合構造1が構築される。第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20のそれぞれの端面11b,21bには、橋軸直角方向D2に沿って延びる凹凸11c,21cが形成されている。従って、第1のプレキャスト床版10の凹凸11cと第2のプレキャスト床版20の凹凸21cとを噛み合わせて接合が行われることにより、端面が平坦状である場合と比較して接合部分の剛性を高めることができる。
また、高さ方向D3から見たときに、挿通孔11fの凹部11hは端面11bの凸部11eの位置に形成されており、挿通孔21fの凹部21hは端面21bの凸部21eの位置に形成されている。このように、挿通孔11f,21f及び端面11b,21bの双方に凹凸11c,21c,2が設けられることにより、挿通孔11f,21fに挿通される緊張材30の湾曲度合、すなわち、挿通孔11f,21fの湾曲度合が小さくても、第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20を十分に締め付けることができる。従って、緊張材30の湾曲度合を小さくすることができるので、挿通孔11f,21fの内面に対する緊張材30の摩擦力を小さくすることができると共に、挿通孔11f,21fに緊張材30を挿通する作業の作業性を向上させることができる。
本実施形態に係る接合方法では、第1のプレキャスト床版10及び第2のプレキャスト床版20の端面11b,21b同士が互いに密着することによって接合構造1を構築する。接合構造1では、既設の第1のプレキャスト床版10の側面11gに挿通孔11fが開口しており、第1のプレキャスト床版10の側面11gの開口から緊張材30を挿通孔11f,21fに挿通させる。従って、緊張材30の引っ張りによって既設の第1のプレキャスト床版10に新設の第2のプレキャスト床版20を引き寄せることができるので、プレキャスト床版の接合の作業を更に効率よく行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る接合構造31について図3を参照しながら説明する。第2実施形態に係る接合構造31は、第1のプレキャスト床版40及び第2のプレキャスト床版50の凹凸の形状が第1実施形態の凹凸11c及び凹凸21cのそれぞれと異なっている。以降の説明では、第1実施形態と重複する説明を適宜省略する。
図3に示されるように、第1のプレキャスト床版40の端面41bには凹凸41cが形成されており、第2のプレキャスト床版50の端面51bには凹凸41cに噛み合う凹凸51cが形成されている。凹凸41c及び凹凸51cは、第1実施形態と同様、台形状であるが、斜辺の傾斜角度θが第1実施形態と異なっている。具体的には、台形状を成す凹凸41c,51cの斜辺41d,51dの橋軸直角方向D2に対する傾斜角度θは、第1実施形態では45°程度であったのに対し、第2実施形態では45°以上且つ90°未満である。このように、第2実施形態では、橋軸直角方向D2に対する斜辺41d,51dの傾斜角度θが、第1実施形態よりも急となっている。
第2実施形態に係る接合構造31では、挿通孔11fの凹部11hは端面41bの凸部41eの位置に形成されており、挿通孔21fの凹部21hは端面51bの凸部51eの位置に形成されている。更に、凹凸41c,51cの斜辺41d,51dの橋軸直角方向D2に対する傾斜角度θは、45°以上且つ90°未満であり、例えば第1実施形態の傾斜角度θよりも大きい。このように斜辺41d,51dの傾斜角度を急にすることにより挿通孔11f,21fの湾曲度合を更に小さくすることができる。従って、挿通孔11f,21fの内面に対する緊張材30の摩擦力を更に小さくすることができると共に、緊張材30を挿通孔11f,21fに挿通させる作業の作業性をより高めることができる。
また、傾斜角度θを45°以上且つ90°未満として斜辺41d,51dの傾斜角度を急にした場合、補強筋12,22の本数を増やすことができるので、接合構造31の強度をより高めることができる。なお、傾斜角度θが45°程度である第1実施形態の場合には、第2実施形態と比較して、第1のプレキャスト床版10に第2のプレキャスト床版20を引き寄せる力を強めることができる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る接合構造61について図4を参照しながら説明する。第3実施形態に係る接合構造61は、第1のプレキャスト床版70及び第2のプレキャスト床版80の凹凸の形状が前述した各実施形態と異なっている。第1のプレキャスト床版70の端面71bには正弦波状の凹凸71cが形成されており、第2のプレキャスト床版80の端面81bには凹凸71cに噛み合う凹凸81cが形成されている。また、挿通孔11fの凹部11hは端面71bの凸部71eの位置に形成されており、挿通孔21fの凹部21hは端面81bの凸部81eの位置に形成されている。
以上、第3実施形態に係る接合構造61では、前述の各実施形態と同様、挿通孔11f,21fに挿通される緊張材30の湾曲度合、すなわち、挿通孔11f,21fの湾曲度合が小さくても、第1のプレキャスト床版70及び第2のプレキャスト床版80に十分に緊張力を付与することができる。従って、緊張材30の湾曲度合を小さくすることができるので、挿通孔11f,21fの内面に対する緊張材30の摩擦力を小さくすることができると共に、挿通孔11f,21fに緊張材30を挿通する作業性を向上させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る接合構造91について図5を参照しながら説明する。接合構造91は、第1のプレキャスト床版100及び第2のプレキャスト床版110の形状が前述の各実施形態と異なっている。接合構造91は、第1のプレキャスト床版100に対する第2のプレキャスト床版110の高さを合わせる高さ合わせ部95を備える。高さ合わせ部95は、第1のプレキャスト床版100の端面101bから窪む凹部101cと、第2のプレキャスト床版110の端面111bから突出すると共に凹部101cに嵌合する凸部111cとを備える。凹部101c及び凸部111cは、例えば、台形状とされているが、矩形状又は半球状等、台形状以外の形状であってもよい。また、凹部101c及び凸部111cの配置は逆であってもよく、第1のプレキャスト床版100が凸部を備え、第2のプレキャスト床版110が凹部を備えていてもよい。
以上、第4実施形態に係る接合構造91は、第1のプレキャスト床版100に対する第2のプレキャスト床版110の高さを合わせる高さ合わせ部95を備える。端面101b,111bに高さ合わせ部95が設けられることにより、第1のプレキャスト床版100の端面101bに第2のプレキャスト床版110の端面111bを当接させたときに、第1のプレキャスト床版100に対する第2のプレキャスト床版110の高さを自動的に合わせることができる。
従って、従来面倒であったプレキャスト床版の高さ合わせを自動的に行うことができ、高さ合わせをスムーズに行うことができるため、作業性をより高めることができる。なお、高さ合わせ部95は、橋軸直角方向D2の全体に延びていてもよいし、橋軸直角方向D2の一部に形成されていてもよい。また、高さ合わせ部95の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態に係る接合構造121について図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。接合構造121の第1のプレキャスト床版130及び第2のプレキャスト床版140では、挿通孔131f及び挿通孔141fの配置が前述の各実施形態と異なっている。例えば、第1実施形態では、凹凸2が橋軸方向D1に曲がるように蛇行しながら橋軸直角方向D2に延びる挿通孔11f,21fについて説明したが、第5実施形態では、挿通孔131f,141fが橋軸方向D1及び高さ方向D3の双方に傾斜して曲がるように蛇行しながら橋軸直角方向D2に延びている。すなわち、挿通孔131f,141fは、橋軸方向D1及び高さ方向D3の双方に対して傾斜して蛇行している。
以上、第5実施形態に係る接合構造121において、挿通孔131f,141fは、橋軸方向D1及び高さ方向D3の双方に傾斜して蛇行している。従って、挿通孔131f,141fに緊張材30を挿通させて緊張材30を引っ張るときに、第1のプレキャスト床版130に対して第2のプレキャスト床版140を橋軸方向D1及び高さ方向D3の双方に引き寄せて締め付けを行うことができる。
よって、緊張材30を挿通させて緊張材30を引っ張ることにより、第1のプレキャスト床版130の高さに第2のプレキャスト床版140の高さを自動的に合わせることができ、高さ方向D3への位置決めを自動的に行うことができる。従って、緊張材30を引っ張ることによって橋軸方向D1及び高さ方向D3の双方向への締め付けを自動的に行うことができるので、第1のプレキャスト床版130及び第2のプレキャスト床版140の接合作業を更に効率よく行うことができる。また、凹凸から成る高さ合わせ部95のような構造を用いなくても第4実施形態と同様の効果が得られるため、第1のプレキャスト床版130及び第2のプレキャスト床版140の形状を第4実施形態よりも簡易にすることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る接合構造151について図7(a)及び図7(b)を参照しながら説明する。接合構造151の第1のプレキャスト床版160及び第2のプレキャスト床版170では、挿通孔161f及び挿通孔171fの形状が前述の各実施形態と異なっている。挿通孔161fは、第1のプレキャスト床版160の端面161bに向かって拡幅する拡幅部161gを有する。例えば、拡幅部161gは、端面161bの凸部161eの先端側(突出側、第2のプレキャスト床版170側)に拡幅している。挿通孔171fも拡幅部161gと同様の拡幅部171gを有する。拡幅部161g,171gは、例えば、挿通孔161f,171fの口元部に一体化されたラッパ管であり、可撓性管(フレキシブルホース)であってもよい。
図7(a)に示されるように、拡幅部161g,171gが設けられる場合には、第1のプレキャスト床版160及び第2のプレキャスト床版170の間に隙間Kが形成されている状態から挿通孔161f,171fを連通させることができる。従って、第1のプレキャスト床版160及び第2のプレキャスト床版170が互いに接合される前から挿通孔161f,171fに緊張材30を挿入することができる。そして、図7(b)に示されるように、第1のプレキャスト床版160及び第2のプレキャスト床版170が互いに接合されたときにも挿通孔161f,171fは互いに連通している。
以上、第6実施形態に係る接合構造151において、挿通孔161f,171fは、端面161b,171bに向かって拡幅する拡幅部161g,171gを有する。よって、挿通孔161f,171fが端面161b,171bに向かって拡幅する拡幅部161g,171gを有することにより、挿通孔161f,171fに緊張材30を挿入しやすくすることができる。従って、緊張材30を挿通する作業の作業性が更に向上する。
具体的には、第1のプレキャスト床版160及び第2のプレキャスト床版170を互いに接触させる前に緊張材30を挿通孔161f,171fに挿通することができると共に、第1のプレキャスト床版160及び第2のプレキャスト床版170を互いに接触させても挿通孔161f,171fの位置がずれないように、連通状態を維持することができる。従って、挿通孔161f,171fへの緊張材30の挿入作業を一層効率よく行うことができる。
(第7実施形態)
続いて、第7実施形態に係る接合構造181について図8(a)及び図8(b)を参照しながら説明する。図8(a)は接合構造181の第1のプレキャスト床版190及び第2のプレキャスト床版200を示す平面図である。図8(b)は、図8(a)のB−B線断面図である。図8(c)は、図8(a)のC−C線断面図である。第1のプレキャスト床版190は挿通孔191fの内面から突出する突起191gを有し、第2のプレキャスト床版200は挿通孔201fの内面から突出する突起201gを有する。
突起191g,201gは、例えば、挿通孔191f,201fを構成する扁平パイプの内面に突起を設けたものが埋め殺されることによって形成される。この場合、外側から潰されて内側に突出する突起が形成された扁平パイプが埋め殺されて突起191g,201gが形成される。突起191g,201gの形状は、例えば、半円状であるが、台形状又は三角形状であってもよく、適宜変更可能である。
挿通孔191f,201fは、共に、橋軸方向D1に延びる長円状とされている。挿通孔191fの突起191gに対向する部分は、突起191gに対して窪む凹部191hとされている。凹部191hは、第1のプレキャスト床版190の端面191bの凸部191eの位置に形成される。同様に、挿通孔201fも凹部201hを有し、凹部201hは、第2のプレキャスト床版200の端面201bの凸部201eの位置に形成される。
図8(b)及び図8(c)に示されるように、第1のプレキャスト床版190の突起191gは挿通孔191fの内面から橋軸方向D1の一方側に突出し、第2のプレキャスト床版200の突起201gは挿通孔201fの内面から橋軸方向D1の他方側に突出している。従って、挿通孔191f,201fに挿通された緊張材30は、突起191g,201gに接触すると共に橋軸方向D1に曲がりながら蛇行する。緊張材30は、挿通孔191f,201fの突起191g,201g以外の箇所では、橋軸直角方向D2に沿って直線状に通される。
以上、第7実施形態に係る接合構造181は、挿通孔191f,201fの内面から突出すると共に緊張材30に接触する突起191g,201gを備える。その結果、緊張材30は挿通孔191f,201fの内面から突出する突起191g,201gに接触する。従って、挿通孔191f,201fの湾曲度合がより小さく、挿通孔191f,201fが実質的に橋軸直角方向D2に沿って直線状に延びる場合であっても、第1のプレキャスト床版190及び第2のプレキャスト床版200に十分な緊張力を付与することができる。そして、緊張材30の摩擦力をより低減させることができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態に係る接合構造211について図9を参照しながら説明する。図9に示されるように、接合構造211の第1のプレキャスト床版220及び第2のプレキャスト床版230では、挿通孔221fの内面から突出する突起221gの形状、挿通孔231fの内面から突出する突起231gの形状が第7実施形態と異なっている。
挿通孔221fの突起221gに対向する部分は、突起221gに対して窪む凹部221hとされており、凹部221hは、端面221bの凸部221eの位置に形成される。同様に、挿通孔231fも凹部231hを有し、凹部231hは、端面231bの凸部231eの位置に形成される。挿通孔221fにおいて、突起221gは、橋軸直角方向D2に沿って直線状に延びている。挿通孔231fにおいても、同様に、突起231gは、橋軸直角方向D2に沿って直線状に延びている。
以上、第8実施形態に係る接合構造211では、挿通孔221f,231fの内面から突出すると共に緊張材30に接触する突起221g,231gを備える。よって、第7実施形態と同様、挿通孔221f,231fが実質的に橋軸直角方向D2に沿って直線状に延びる場合であっても、第1のプレキャスト床版220及び第2のプレキャスト床版230に十分な緊張力を付与することができる。従って、緊張材30の摩擦力を低減しつつ確実に緊張力を付与することができる。
(第9実施形態)
続いて、第9実施形態に係る接合構造241について図10を参照しながら説明する。図10に示されるように、接合構造241の第1のプレキャスト床版250及び第2のプレキャスト床版260では、挿通孔251fの内面から突出する突起251gの形状、挿通孔261fの内面から突出する突起261gの形状が第8実施形態と異なっている。前述したように、第8実施形態では突起221g,231gが直線状に延びていたが、第9実施形態では、突起251g,261gは、挿通孔251f,261fにおいて間欠的に設けられている。
具体的には、突起251gは、挿通孔251fの凹部251hに対向する位置であって、第1のプレキャスト床版250の端面251bの内側に一対に設けられている。換言すれば、突起251gは、第1のプレキャスト床版250の各挿通孔251fの両端それぞれに一対に設けられている。突起261gは、突起251gと同様、凹部261hの対向位置であって第2のプレキャスト床版260の端面261bの内側に一対に設けられており、各挿通孔261fの両端それぞれに一対に設けられている。
第9実施形態では、例えば、風船状を成すエアバッグ型枠を用いて、突起251gを有する挿通孔251f、及び突起261gを有する挿通孔261fを形成する。具体的には、エアバッグ型枠を膨らませて2つの突起251g,261gの間の挿通孔251f,261fの形状を構築し、コンクリート打設後脱型時にエアバッグ型枠の空気を抜き、突起251g,261gによって狭くなった部分からエアバッグ型枠を抜き出す。このように、エアバッグ型枠を用いて挿通孔251f,261fを形成することにより、一対の突起251g,261gを有する挿通孔251f,261fを容易に形成することができる。
また、第9実施形態では、挿通孔251f,261fに突起251g,261gが形成されているため、第7及び第8実施形態と同様、挿通孔251f,261fが実質的に橋軸直角方向D2に沿って直線状に延びる場合であっても、第1のプレキャスト床版250及び第2のプレキャスト床版260に十分な緊張力を付与することができる。従って、緊張材30の摩擦力を低減しつつ確実に緊張力を付与することができる。
(第10実施形態)
そして、第10実施形態に係る接続構造及び接続方法について図11(a)〜図11(d)を参照しながら説明する。第10実施形態に係る接続構造は、互いに接続される前に、第2のプレキャスト床版280は緊張材30が挿通される挿通孔281fを有し、第1のプレキャスト床版270は緊張材30が挿通される溝271fを有する。溝271fには橋軸方向D1に窪む凹部271gが形成されている。溝271fの凹部271gは、第1のプレキャスト床版270の端面271bの凸部271eの位置に形成される。
次に、第10実施形態に係る接続方法について説明する。まず、第2のプレキャスト床版280の挿通孔281fに緊張材30を通しておき、図11(b)に示されるように、第2のプレキャスト床版280を吊降ろす。このとき、図11(c)及び図11(d)に示されるように、第2のプレキャスト床版280の2つの凸部281eの間で露出した緊張材30をそれぞれ第1のプレキャスト床版270の溝271fに上から挿入する。その後、溝271f及び緊張材30をコンクリート等で埋めることにより第1のプレキャスト床版270及び第2のプレキャスト床版280の接合が完了する。
以上、第10実施形態に係る接続方法では、第1のプレキャスト床版270の溝271fに上から第2のプレキャスト床版280の緊張材30を挿入し、その後、溝271f及び緊張材30をコンクリート等で埋めることにより、接合作業を完了させることができる。従って、第1のプレキャスト床版270に第2のプレキャスト床版280を接合させる作業を容易に行うことができる。なお、第2のプレキャスト床版280が溝を有し、第1のプレキャスト床版270が挿通孔及び緊張材30を有していてもよい。
以上、本発明に係るプレキャスト床版の接合構造及び接合方法の各実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形してもよい。すなわち、接合構造の各部の形状、大きさ、材料及び配置態様、並びに、接合方法の各工程の内容及び順序は適宜変更可能である。また、本発明に係る接合構造及び接合方法は、第1〜第10実施形態の第1のプレキャスト床版及び第2のプレキャスト床版のうち、複数の態様を組み合わせたものであってもよい。
1,31,61,91,121,151,181,211,241…接合構造、10,40,70,100,130,160,190,220,250,270…第1のプレキャスト床版、11,21…プレキャストブロック、11a,21a…上面、11b,21b,41b,51b,71b,81b,101b,111b,161b,171b,191b,201b,221b,251b,261b,271b…端面、2,11c,21c,41c,51c,71c,81c…凹凸、11d,21d…凹部、11e,21e,41e,51e,71e,81e,161e,191e,201e,221e,271e,281e…凸部、11f,21f,131f,141f,161f,171f,191f,201f,201f,221f,231f,251f,261f,281f…挿通孔、11g…側面、11h,21h…凹部、12,22…補強筋、20,50,80,110,140,170,200,230,260,280…第2のプレキャスト床版、30…緊張材、30a…PC鋼線、30b…グリース、30c…シース、31…接合構造、41d,51d…斜辺、95…高さ合わせ部、161g,171g…拡幅部、191g,201g,221g,231g,251g,261g…突起、191h,201h,221h,231h,251h,261h…凹部、271f…溝、271g…凹部、D1…橋軸方向、D2…橋軸直角方向、D3…高さ方向、K…隙間、θ…傾斜角度。

Claims (5)

  1. 橋軸方向、前記橋軸方向に直交する橋軸直角方向、及び、前記橋軸方向と前記橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向に延びる第1のプレキャスト床版と第2のプレキャスト床版とが互いに接合される接合構造であって、
    前記第1のプレキャスト床版、及び前記第2のプレキャスト床版は、共に、前記橋軸直角方向及び前記高さ方向に延びる端面と、前記橋軸直角方向に沿って曲線状に延びる緊張材が挿通される挿通孔と、を有し、
    前記端面及び前記挿通孔には、前記高さ方向から見たときに前記橋軸直角方向に沿って延びる凹凸が形成されており、
    前記高さ方向から見たときに、前記挿通孔の前記凹凸の凹部は、前記端面の前記凹凸の凸部の位置に形成される、
    接合構造。
  2. 前記挿通孔の内面から突出すると共に前記緊張材に接触する突起を備える、
    請求項1に記載の接合構造。
  3. 前記挿通孔は、前記端面に向かって拡幅する拡幅部を有する、
    請求項1又は2に記載の接合構造。
  4. 前記挿通孔は、前記橋軸方向及び前記高さ方向の双方に傾斜して蛇行している、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の接合構造。
  5. 橋軸方向、前記橋軸方向に直交する橋軸直角方向、及び、前記橋軸方向と前記橋軸直角方向の双方に直交する高さ方向に延びる既設の第1のプレキャスト床版に第2のプレキャスト床版を接合させる接合方法であって、
    前記第1のプレキャスト床版、及び前記第2のプレキャスト床版は、共に、前記橋軸直角方向及び前記高さ方向に延びる端面と、前記橋軸直角方向に沿って曲線状に延びる挿通孔と、を有し、
    前記端面には、前記橋軸直角方向に沿って延びる凹凸が形成されており、
    前記挿通孔は、前記端面の前記凹凸の凸部で窪む凹部を有すると共に、前記第1のプレキャスト床版の側面に開口しており、
    前記第1のプレキャスト床版の前記端面に前記第2のプレキャスト床版の前記端面を対向させる工程と、
    前記開口に緊張材を挿入して前記挿通孔に前記緊張材を通す工程と、
    前記緊張材を引っ張って前記第1のプレキャスト床版に前記第2のプレキャスト床版を引き寄せる工程と、
    を備える接合方法。
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