JP6866193B2 - 紫外線照射装置及び紫外線照射方法 - Google Patents

紫外線照射装置及び紫外線照射方法 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線照射装置及び紫外線照射方法に関する。
液晶ディスプレイ等の表示パネルを構成するガラス基板上には、配線パターン及び電極パターン等の微細なパターンが形成されている。例えばこのようなパターンは、フォトリソグラフィ法等の方法によって形成される。フォトリソグラフィ法は、レジスト膜をガラス基板に塗布する工程、レジスト膜を露光する工程、露光後のレジスト膜を現像する工程及び現像後のレジスト膜に対して紫外線等の光を照射する工程(キュア工程)を含む。
上述のキュア工程は、基板に対して紫外線を照射する紫外線照射装置によって行われる。例えば、特許文献1には、照射窓を介して紫外線を照射する紫外線照射装置が開示されている。
特許第4859660号公報
ところで、上記従来構成において照射窓を大きくする場合、照射窓を枠部材で保持する必要が生じる。このような枠部材を用いると、枠部材によって紫外線が遮られることで基板に対して紫外線を効率良く照射できないおそれがあった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、紫外線を効率良く照射できる紫外線照射装置及び紫外線照射方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、基板を密閉空間で収容可能な基板収容部と、所定の波長域の紫外線を前記基板に照射する照射部と、前記基板収容部に設けられ、前記照射部から照射された前記紫外線を透過させる透光性部材と、前記透光性部材を前記基板収容部に保持する保持部材と、前記基板収容部と前記照射部とを相対移動させる駆動装置と、を備え、前記保持部材と前記透光性部材とが平面的に重なる割合は、前記透光性基板における面積の10%以下である紫外線照射装置が提供される。
第1態様に係る紫外線照射装置によれば、透光性部材の撓みを防止した状態で保持するとともに、照射部から照射された紫外線の遮蔽量を抑えることができる。よって、基板上に紫外線を効率良く照射できる。
上記第1態様において、前記透光性部材の材料は石英であってもよい。さらに前記照射部は、前記紫外線として200nm〜450nmの波長域の光を照射するのが好ましい。
このようにすれば、200nm〜450nmの波長域の光を基板上に効率良く照射することができる。
上記第1態様において、前記透光性部材は複数の透光性基板から構成されている構成としてもよい。
この構成によれば、透光性部材として1枚の大型透光性基板を用いる場合に比べて、透光性部材のコストを低減できる。
上記第1態様において、前記保持部材は、前記基板収容部及び前記照射部が相対移動する第1方向に延びる第1の部位と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第2の部位と、を含む構成としてもよい。
この構成によれば、第1の部位及び第2の部位を含む保持部材によって透光性部材を撓みを低減した状態で保持できる。
上記第1態様において、前記第1の部位の前記第2方向における幅は15mm以下であり、前記第2の部材の前記第1方向における幅は15mm以下である構成としてもよい。
この構成によれば、保持部材による紫外線の遮蔽量を低減できる。
上記第1態様において、前記第1の部位の幅は、前記第1方向において変化しており、前記第2の部位の幅は、前記第2方向において変化している構成としてもよい。
この構成によれば、第1の部位及び第2の部位の幅を変化させることで基板上に紫外線を効率良く照射できる。
上記第1態様において、前記第1の部位の幅は、少なくとも一方の端部において相対的に狭くなっている構成としてもよい。
この構成によれば、第1の部位による紫外線の遮蔽量を減らすことで基板の第1方向の端部の紫外線照射量を確保できる。よって、基板上の第1方向における紫外線の照度分布をより均一化できる。
上記第1態様において、前記第2の部位の幅は、少なくとも一方の端部において相対的に狭くなっている構成としてもよい。
この構成によれば、照射部から照射される紫外線量が相対的に少ない基板の第2方向端部の紫外線照射量を確保できる。よって、基板上の第2方向における紫外線の照度分布をより均一化できる。
上記第1態様において、前記第1の部位及び前記第2の部位は互いに交差するように設けられており、前記第1の部位及び前記第2の部位の少なくともの交差部及び前記交差部に隣接する部分の幅は、相対的に狭くなっている構成としてもよい。
この構成によれば、第1の部位及び第2の部位の交差部による紫外線の遮蔽量を減らすことで基板上における紫外線の照度分布をより均一化できる。
上記第1態様において、前記第1の部位及び前記第2の部位において、連続的に幅が変化している構成としてもよい。
この構成によれば、幅を連続的に変化させることで保持部材の機械的な強度を向上させることができる。よって、透光性部材に撓みを生じさせること無く確実に保持することができる。
上記第1態様において、前記保持部材は、一方向に沿って延び、前記透光性基板の表面を保持する線状部材と、前記複数の透光性基板の側端部を枠状に保持する支持部材とを含み、前記支持部材は、前記透光性基板の端面同士を当接させるように、前記複数の透光性基板に付勢力を付与してもよい。
この構成によれば、線状部材を用いて透光性基板の表面を保持するため、照射部から照射された紫外線の遮蔽量を抑えることができる。よって、基板上に紫外線を効率良く照射できる。また、線状部材を引っ張る事により撓みを低減した状態で透光性部材を保持できる。また、支持部材の付勢力を解除することで各透光性基板を容易に取り外しできるため、透光性部材の清掃が容易となる。
本発明の第2態様に従えば、所定の波長域の紫外線を照射する照射部と基板とを相対移動させながら、前記紫外線を基板に照射する照射ステップを含み、前記照射ステップでは、保持部材により保持された透光性部材を介して前記紫外線を前記基板に照射しており、前記保持部材と前記透光性部材とが平面的に重なる割合は、前記透光性基板における一方面の面積の10%以下である紫外線照射方法が提供される。
第2態様に係る紫外線照射方法によれば、透光性部材の撓みを防止した状態で保持するとともに、照射部から照射された紫外線の遮蔽量を抑えることができる。よって、基板上に紫外線を効率良く照射できる。
上記第2態様において、前記照射ステップにおいて、前記紫外線として200nm〜450nmの波長域の光を照射するのが好ましい。
このようにすれば、200nm〜450nmの波長域の光が基板上に効率良く照射されるようになる。
本発明によれば、紫外線を効率良く照射することができる。
実施形態に係る紫外線照射装置の斜視図である。 実施形態に係る紫外線照射装置の上面図である。 図2のIII−III断面図を含む、実施形態に係る紫外線照射装置の側面図である。 保持部材の要部構成を示す断面図。 保持部材の平面構成を示す図。 実験に用いた透光性基板を示す平面図。 実験に用いた透光性基板を示す平面図。 実験に用いた透光性基板を示す平面図。 実施形態に係る排気部の斜視図である。 実施形態に係る排気部の上面図である。 図10のVI−VI断面を含む、実施形態に係る排気部の側面図である。 図10のVII−VII断面図である。 図11のVIII−VIII断面図である。 第1変形例に係る保持部材の要部断面図。 第2変形例に係る保持部材の要部断面図。 第3変形例に係る保持部材の平面。 図16のA−A線矢視による保持部材の要部断面図。 第4変形例に係る保持部材に保持される透光性部材の周辺構成を示す平面図。 図18のB−B線矢視による要部断面図。 第5変形例に係る排気部を示す側面図である。 第6変形例に係る排気部を示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX方向、水平面内においてX方向と直交する方向をY方向、X方向及びY方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ方向とする。
(紫外線照射装置)
図1は、実施形態に係る紫外線照射装置1の斜視図である。図2は、実施形態に係る紫外線照射装置1の上面図である。図3は、図2のIII−III断面図を含む、実施形態に係る紫外線照射装置の側面図である。
図1〜図3に示すように、紫外線照射装置1は、基板10に対して紫外線の照射を行う装置である。紫外線照射装置1は、チャンバ2(基板収容部)、ステージ3、照射ユニット(照射部)4、搬送機構(駆動装置)5、排気部6、ガス供給部7及び制御部8を備える。制御部8は、紫外線照射装置1の構成要素を統括制御する。
(照射ユニット)
照射ユニット4は、チャンバ2の外部に設けられる。照射ユニット4は、照射部40及び集光部材41を備える。
照射部40は、基板10に所定の波長域の紫外線を照射する。本実施形態において、「所定の波長域の紫外線」とは、例えば、200nmから450nmの光を意味する。
例えば、照射部40は、メタルハライドランプを用いる。
なお、照射部40は、これに限らず、高圧水銀ランプ、LEDランプ及び低圧水銀ランプを用いてもよい。
また、照射部40は、これらのランプを複数組み合わせてもよい。
例えば、照射部40の下面には、波長が300nmよりも低い成分をカットするフィルタが設けられてもよい。これにより、フィルタを介して射出される紫外線の波長は300nm以上となるため、紫外線の照射によって基板10の過度の温度上昇を抑制することができる。
集光部材41は、照射部40から射出される紫外線を基板10上に集光する。基板10上に紫外線を集光させることで、照射部40から射出される紫外線が基板10の外部に拡散することを抑制することができるため、照度を向上することができる。
(チャンバ)
チャンバ2は、紫外線の照射処理が行われる基板10を収容する。チャンバ2は、上面視で矩形をなす箱状に形成される。具体的に、チャンバ2は、基板10の上方を覆う矩形板状の天板20と、基板10の側方を囲むように覆う矩形枠状の周壁21と、基板10の下方を覆う底板22とによって形成される。周壁21の−Y方向側には、チャンバ2に対して基板10の搬入及び搬出をするための基板搬出入口21aが設けられる。
例えば、天板20、周壁21及び底板22は、紫外線を遮光する遮光部材によって形成される。これにより、チャンバ2の内部の基板10に対して紫外線を照射する際に、紫外線がチャンバ2の外部に漏れることを回避することができる。
チャンバ2は、基板10を密閉空間で収容可能に構成される。例えば、天板20、周壁21及び底板22の各接続部を溶接等で隙間なく結合することで、チャンバ2内の気密性を向上することができる。例えば、チャンバ2には、ポンプ機構等の減圧機構(不図示)が設けられる。これにより、チャンバ2内を減圧させた状態で基板10を収容することができる。
図3に示すように、チャンバ2内には、基板10を加熱する加熱機構11が設けられる。加熱機構11は、基板10と略同じ平面視サイズの矩形板状を有し、基板10を下方から支持するように配置される。加熱機構11は、ステージ3に取り付けられる。加熱機構11は、ヒータ等(不図示)を含む。
図2に示すように、チャンバ2の天板20には、紫外線を通過可能な透光性部材23が設けられる。透光性部材23は、天板20の一部を構成する。透光性部材23は、上面視で天板20よりも小さい矩形板状に形成される。透光性部材23は、天板20を厚み方向に開口する矩形の開口部20hに取り付けられている。本実施形態において、透光性部材23は、所定の波長域の紫外線を透過させる材料から構成される。透光性部材23の材料としては、例えば、石英、耐熱ガラス、樹脂シート、樹脂フィルム等を用いることができる。本実施形態では、石英からなる透光性部材23を用いた。
透光性部材23のサイズは、基板10よりも大きいサイズに設定される。これにより、基板10に対して紫外線を照射する際に、紫外線が天板20の遮光部(透光性部材23以外の部分)によって遮光されることを回避し、基板10の上面全体に均一に紫外線を照射するようにしている。
なお、開口部20hのサイズは、基板10を出し入れ可能なサイズに設定されてもよい。また、透光性部材23は、開口部20hに着脱自在に嵌め込まれてもよい。これにより、透光性部材23を開口部20hに嵌め込んだときはチャンバ2内を密閉空間とすることができ、透光性部材23を開口部20hから脱離したときはチャンバ2内に基板10を出し入れすることができる。
近年、基板10のサイズの大型化に伴って、透光性部材23のサイズも大型化している。透光性部材23として大型のものを用いると、該透光性部材23に生じる撓み量が大きくなり、透光性部材23が破損するおそれもある。
本実施形態の透光性部材23は、複数(4枚)の透光性基板23aから構成されている。これにより、透光性部材23として1枚の大型透光性基板を用いる場合に比べて、透光性部材23のコストを低減できる。
本実施形態では、保持部材26を介して透光性部材23を天板20の開口部20hに取り付けている。保持部材26は、チャンバ2内の密閉空間を保持するように複数の透光性基板23aを一体に保持する。
図4は保持部材26の要部構成を示す断面図であり、図5は保持部材26の平面構成を示す図である。図4に示すように、保持部材26は、透光性基板23aを保持する本体部26aと、該本体部26aに取り付けられた一対のシール部材26bとを含む。シール部材26bは、本体部26aと透光性基板23aとの間に生じる隙間を無くすものである。これにより、保持部材26は、透光性基板23a同士の接合部に隙間を生じさせることなく、これら透光性基板23aを一体に保持する。よって、保持部材26によって一体に保持された複数の透光性基板23aからなる透光性部材23は、チャンバ2内の内部空間と外部空間とを隔てる天板20の一部として機能する。
ところで、保持部材26は、照射ユニット4と基板10との間に配置される。そのため、保持部材26は、照射ユニット4から照射される紫外線の一部を遮る。以下、保持部材26により光が遮られることを遮蔽と呼ぶ。
本発明者は鋭意研究の結果、保持部材26と透光性部材23とが平面的に重なる割合を透光性部材23における面積の10%以下にすれば、照射ユニット4から照射された紫外線の保持部材26による遮蔽量を低減できるとの知見を得た。ここで、保持部材26と透光性部材23とが平面的に重なるとは、天板20を上方(+Z方向)から平面視した場合における透光性部材23と保持部材26との重なり度合いを意味する。
すなわち、保持部材26及び透光性部材23の平面的に重なる割合とは、天板20を上方(+Z方向)から平面視した場合の透光性部材23の表面積と、天板20を上方(+Z方向)から平面視した場合の保持部材26の表面積との割合を意味する。
本実施形態の保持部材26は、透光性部材23に対する平面的な重なり量を透光性部材23における面積の10%以下にする形状からなる。本実施形態の保持部材26は、透光性部材23の撓みを防止した状態で保持するとともに、照射ユニット4から照射された紫外線の遮蔽量を抑えることができる。
以下、本実施形態における保持部材26の具体的な形状について説明する。
図5に示すように、保持部材26は、照射ユニット4の走査方向であるX方向(第1方向)に延びる第1の部位27と、X方向に交差する(直交する)Y方向(第2方向)に延びる第2の部位28とを含む。第1の部位27及び第2の部位28は互いに交差するように設けられている。なお、本実施形態において、保持部材26は1760mm×1560mmの透光性部材23を保持するものである。
第1の部位27及び第2の部位28の幅は、それぞれ同一であっても良いし、異なっていても良い。第1の部位27の幅H1とは、該第1の部位27の延在方向(X方向)と直交するY方向における幅である。また、第2の部位28の幅H2とは、該第2の部位28の延在方向(Y方向)と直交するX方向における幅である。
ここで、保持部材26による紫外線の遮蔽量をできるだけ小さくするためには、第1の部位27及び第2の部位28の各幅H1,H2を小さくすればよい。
以下、保持部材26(第1の部位27及び第2の部位28)の幅H1,H2と紫外線の遮蔽量との関係について説明する。本発明者は、後述の実験により、紫外線の遮蔽量と保持部材26の幅との間に成立する関係を見出した。
本実験では、遮光性を有するテープを保持部材とみなし、該テープを貼った透光性基板(ガラス板)を介して紫外線を照射した基板上の所定位置の積算光量を算出する。この実験によって、透光性基板を保持する保持部材による紫外線照射量への影響を求め、保持部材の幅と紫外線の遮蔽量との関係を求めた。
図6は本実験に用いた透光性基板24を示す平面図である。図6に示すように、本実験では、遮光性を有するテープ29を十字状に貼り付けた透光性基板24を用いた。そして、透光性基板24を介して照射ユニット(不図示)から紫外線を照射し、基板上における紫外線の積算光量を求める。図6に示すように、テープ29の十字部分の直下に位置するポイントMの積算光量と、テープ29の十字部分近傍の直下に位置するポイントA,B,C,Dにおける積算光量とを求めた。
下記の表1は、照射ユニットと基板とを相対移動させた状態での各ポイントの積算光量とテープ幅との関係を示すものである。なお、表1では、テープの無い部分(照射部から照射した光が基板上に直接照射される部分)に位置するポイントSの積算光量を100とした場合の各ポイントA,B,C,D,Mにおける積算光量の値(相対値)を示す。
Figure 0006866193
表1に示されるように、テープ29の十字部分の直下に位置するポイントMの積算光量は、テープ幅に比例して低下することが分かる。これはテープ29の幅に応じて遮蔽量が増加したことによるものと考えられる。
同様に、テープ29の十字部分の近傍に位置するポイントA〜Dの積算光量は、テープ幅に比例して低下することが分かる。ポイントA〜Dは、照射ユニットとテープ29との位置関係によって紫外線の一部が遮光される。そのため、ポイントA〜Dの積算光量は、ポイントSに比べて低くなる。
また、図7に示すように遮光性を有するテープ30を貼り付けた透光性基板24Aを複数種類用意した。各透光性基板24Aは、テープ30の延在方向と照射ユニット(不図示)の走査方向とが一致している。各透光性基板24Aは5mm〜40mmのテープ幅を有し、各透光性基板24Aのテープ幅はそれぞれ5mmずつ異なる。
透光性基板24Aを介して照射ユニット(不図示)から紫外線を照射し、基板上における紫外線の積算光量を求めた。図7に示すように、テープ30の両端部分の直下に位置する各ポイントEの積算光量の平均値と、テープ30の近傍の直下に位置するポイントBにおける積算光量と、テープ30の影響を受けない位置の直下に位置するポイントSの積算光量とを求めた。また、各テープ幅に対応する基板上における照度ムラ(照度均一性)について判定した。なお、基板上における照度ムラは、例えば、基板上に塗布したレジスト膜の効果状態を目視判断することで行われる。
下記の表2は、照射ユニットと基板とを相対移動させた状態での各ポイントの積算光量とテープ幅(照射ユニットの走査方向と交差する方向のテープ幅)との関係を示すものである。なお、表2では、ポイントSの積算光量を100とした場合の各ポイントB,Dの積算光量の値(相対値)を示す。表2において、照度ムラの影響が小さい状態を○、照度ムラの影響が大きい状態を△で示す。
Figure 0006866193
表2に示されるように、テープ30の両端部の直下に位置するポイントEの積算光量は、テープ幅に比例して低下することが分かる。これはテープ幅に応じて遮蔽量が増加したためである。
同様に、テープ30の近傍に位置するポイントBの積算光量もテープ幅に比例して低下することが分かる。ポイントBは、照射ユニットとテープ30との位置関係に応じて入射する紫外線の一部が遮光される。そのため、ポイントBの積算光量はポイントSに比べて低くなる。
また、表2に示されるように、テープ幅を15mm以下にすることで照度ムラを低減できる。すなわち、透光性部材を保持する保持部材(テープ)として15mm以下の幅を採用すると、保持部材による紫外線の遮光を抑制しつつ、基板上に紫外線を均一性の高い状態で照射可能となる。
また、図8に示すように遮光性を有するテープ32を貼り付けた透光性基板24Bを複数種類用意した。各透光性基板24Bは、テープ32の延在方向と照射ユニット(不図示)の走査方向とが直交(交差)している。各透光性基板24Bは5mm〜20mmのテープ幅を有し、各透光性基板24Bのテープ幅はそれぞれ5mmずつ異なる。
透光性基板24Bを介して照射ユニット(不図示)から紫外線を照射し、基板上における紫外線の積算光量を求めた。図8に示すように、テープ32の両端部分の直下に位置する各ポイントFの積算光量の平均値と、テープ32の近傍の直下に位置するポイントBにおける積算光量と、テープ32の影響を受けない位置の直下に位置するポイントSの積算光量とを求めた。また、各テープ幅に対応する基板上における照度ムラ(照度均一性)について判定した。なお、基板上における照度ムラは、例えば、基板上に塗布したレジスト膜の効果状態を目視判断することで行われる。
下記の表3は、照射ユニットと基板とを相対移動させた状態での各ポイントの積算光量とテープ幅(照射ユニットの走査方向のテープ幅)との関係を示すものである。なお、表3では、ポイントSの積算光量を100とした場合の各ポイントB,Fの積算光量の値(相対値)を示す。表3において、照度ムラの影響が小さい状態を○、照度ムラの影響が大きい状態を△で示す。
Figure 0006866193
表3に示されるように、テープ32の両端部の直下に位置するポイントFの積算光量は、テープ幅に比例して低下することが分かる。これはテープ幅に応じて遮蔽量が増加したためである。
同様に、テープ32の近傍に位置するポイントBの積算光量もテープ幅に比例して低下することが分かる。ポイントBは、照射ユニットとテープ32との位置関係に応じて入射する紫外線の一部が遮光される。そのため、ポイントBの積算光量はポイントSに比べて低くなる。
また、表3に示されるように、テープ幅を15mm以下にすることで照度ムラを低減できる。すなわち、透光性部材を保持する保持部材(テープ)として15mm以下の幅を採用すると、保持部材による紫外線の遮光を抑制しつつ、基板上に紫外線を均一性の高い状態で照射可能となる。
以上の実験結果に基づき、本発明者は保持部材の幅を15mm以下に抑えることで基板上に紫外線を均一性の高い状態で照射できるとの知見を得た。そして、この知見に基づき、本実施形態の保持部材26を構成した。すなわち、本実施形態の保持部材26において、第1の部位27の幅H1及び第2の部位28の幅H2が15mm以下に設定されている。具体的に、第1の部位27の幅H1が15mm、第2の部位28の幅H2が10mmに設定されている。
なお、本実験結果は照射ユニットと基板を相対移動させた場合の結果であり、照射ユニットを固定した場合は、幅5mm以上の保持部材があると照射ムラが発生する。
このことから、照射ユニットと基板を相対移動させた場合に効果があることがわかる。
このような構成に基づき、本実施形態の保持部材26によれば、透光性部材23の撓みを防止した状態で保持するとともに、照射ユニット4から照射された紫外線を基板10上に効率良く導くことができる。
(ステージ)
ステージ3は、チャンバ2及び搬送機構5を上面で支持する。ステージ3は、Z方向に厚みを有する板状をなす。
ステージ3は、架台31によって下方から支持される。
架台31は、複数の鋼材等の角柱を格子状に組み合わせて形成される。
なお、架台31の下端部には、複数の車輪31aが回転自在に取り付けられる。これにより、架台31をXY平面内で自在に移動させることができる。
(昇降機構)
図3に示したように、チャンバ2の下方には、基板10をZ方向に移動可能とする昇降機構25が設けられる。昇降機構25には、複数のリフトピン25aが設けられる。複数のリフトピン25aの先端(+Z側の端)は、XY平面に平行な同一面内に配置される。
複数のリフトピン25aの先端は、ステージ3、底板22及び加熱機構11を挿通可能とされる。
具体的に、ステージ3には、ステージ3を厚み方向に開口する複数の挿通孔3aが形成される。底板22には、各挿通孔3aに平面視で重なる位置で底板22を厚み方向に開口する複数の挿通孔22aが形成される。加熱機構11には、各挿通孔22aに平面視で重なる位置で加熱機構11を厚み方向に開口する複数の挿通孔11aが形成される。複数のリフトピン25aの先端は、各挿通孔3a,22a,11aを介して基板10の下面に当接及び離反可能とされる。そのため、複数のリフトピン25aの先端によって、基板10がXY平面に平行に支持されるようになっている。
昇降機構25は、チャンバ2内に収容される基板10を支持しつつチャンバ2内のZ方向に移動するようになっている。図3においては、複数のリフトピン25aの先端が各挿通孔3a,22a,11aを介して基板10の下面に当接すると共に上昇することによって、基板10を加熱機構11から離反した状態を示している。
なお、昇降機構25において、複数のリフトピン25aを昇降させる駆動源25bは、チャンバ2の外部に配置される。そのため、仮に駆動源25bの駆動に伴いパーティクルが発生したとしても、チャンバ2を密閉空間とすることによって、チャンバ2内へのパーティクルの侵入を回避することができる。
(搬送機構)
図1及び図2に示したように、搬送機構5は、チャンバ2の外部に設けられる。搬送機構5は、チャンバ2の外部からチャンバ2の内部に収容されている基板10に紫外線が照射されるように照射ユニット4をチャンバ2の外部で移動させる。搬送機構5は、ガイド部50、土台53及び門型フレーム54を備える。搬送機構5は、照射部40と、排気部6の配管60とを同期させて移動可能に構成されている。
ガイド部50は、一対のレール51と、スライダ52とを備える。例えば、ガイド部50は、リニアモータアクチュエータを用いる。ガイド部50は、照射部40と、排気部6の配管60とを同期させて移動可能とする共通の駆動源である。ガイド部50は、請求項に記載の「駆動源」に相当する。
一対のレール51は、チャンバ2を−Y方向側及び+Y方向側から挟むように照射ユニット4の移動方向(照射部40の移動方向)であるX方向に延びる。
スライダ52は、一対のレール51に沿って摺動可能に構成される。
土台53は、ステージ3の四隅に複数(例えば本実施形態では四隅に一つずつ計四つ)設けられる。各土台53は、一対のレール51におけるX方向両端部を支持する。
門型フレーム54は、チャンバ2をY方向に跨ぐように門型に形成されると共に、一対のレール51に沿って移動可能とされる。門型フレーム54は、Z方向に延びる一対の門柱部54aと、一対の門柱部54aの間を連結するようにY方向に延びる連結部54bとを備える。門型フレーム54における各門柱部54aの下端部には、スライダ52が取り付けられる。
図3に示すように、門型フレーム54における連結部54bの内部には、照射ユニット4を保持する保持部54cが設けられる。保持部54cは、門型フレーム54におけるY方向中間部の下面から上方に窪む凹部を形成する。照射ユニット4のうち照射面4a(下面)を除く部分は、保持部54cの凹部に囲まれ、門型フレーム54の壁部によって覆われる。例えば、門型フレーム54は、紫外線を遮光する遮光部材によって形成される。これにより、照射ユニット4から紫外線を照射する際に、紫外線が門型フレーム54の側方に拡散することを回避することができ、紫外線を下方(チャンバ2内の基板10)に向けて照射することができる。
図2に示すように、X方向において、各レール51の長さL1は、チャンバ2の長さL2よりも長い(L1)L2)。本実施形態では、X方向において、各レール51の長さL1は、チャンバ2の長さL2と、門型フレーム54二つ分の長さ(2×L3)とを足し合わせた長さ(L2+2×L3)よりも長くする。これにより、上面視において、チャンバ2の−X方向端を超える領域からチャンバ2の+X方向端を超える領域まで照射ユニット4を移動させることができる。
(ガス供給部)
チャンバ2には、チャンバ2の内部雰囲気の状態を調整可能なガス供給部7が設けられる。ガス供給部7は、乾燥ガスとして、空気又は窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、酸素(O)等の不活性ガスを供給する。
ガス供給部7により、チャンバ2の内部雰囲気の露点を調整することができ、チャンバ2内の水分濃度を調整することができる。
例えば、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気の露点を−80℃(水分濃度0.54ppm質量基準)以上且つ−5℃(水分濃度4000ppm質量基準)以下とするように乾燥ガスの供給を調整する。
例えば、レジスト膜の露光後のプレパターンを硬化するときの雰囲気において、このように露点を好ましい上限以下とすることにより、パターンの硬化を進行しやすくすることができる。一方、好ましい下限以上とすることにより、装置を運用する上での作業性等を向上することができる。
また、ガス供給部7により、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を調整することもできる。チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度(質量基準)は、低いほど好ましい。具体的には、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を、1000ppm以下とすることが好ましく、500ppm以下とすることがより好ましい。
例えば、レジスト膜の露光後のプレパターンを硬化するときの雰囲気において、このように酸素濃度を好ましい上限以下とすることにより、パターンの硬化を進行しやすくすることができる。
(排気部)
図9は、実施形態に係る排気部6の斜視図である。図10は、実施形態に係る排気部6の上面図である。図11は、図10のVI−VI断面を含む、実施形態に係る排気部6の側面図である。図12は、図10のVII−VII断面図である。図13は、図11のVIII−VIII断面図である。なお、図10及び図13においては、便宜上、シート70の図示を省略している。
図1に示したように、排気部6は、チャンバ2の外部に設けられる。排気部6は、ステージ3の+Y方向側に配置されている。排気部6は、照射ユニット4(照射部40)の熱を排出可能な配管60と、配管60を移動可能に接続する排気ボックス61とを備える。
図示はしないが、チャンバ2の外部には、照射ユニット4を冷却可能な冷却部が設けられる。例えば、冷却部は、門型フレーム54の側壁部(門柱部54a)に取り付けられる。例えば、冷却部は、ブロワを用いる。これにより、排気部6(具体的には、配管60及び排気ボックス61)を介して、照射ユニット4によって生じた熱気を外部に排気することができる。
(配管)
図1及び図4に示すように、配管60は、門型フレーム54の+Y方向側の側壁部(門柱部54a)と後述する可動部65との間をわたすように延びる筒状の部材である。配管60は、L字状に屈曲している。配管60の一端部60a(−Y方向側の端部)は、門型フレーム54の+Y方向側の側壁部(門柱部54a)に固定されている。配管60の他端部60b(−Z方向側の端部)は、後述する可動部65に固定されている。これにより、配管60は、照射部40と共にチャンバ2の外部でX方向に移動可能になっている。
なお、配管60の一端部60aは、門型フレーム54の+Y方向側の側壁部に着脱可能に接続されている。これにより、配管60の一端部60aのメンテナンス性を向上することができる。
(排気ボックス)
図2及び図4に示すように、排気ボックス61は、照射ユニット4の移動方向(照射部40の移動方向)であるX方向に延びている。排気ボックス61は、配管60からの熱を外部に排出可能な排気口63hを有する。X方向において、排気ボックス61の長さL4は、各レール51の長さL1と実質的に同じ長さである(L4≒L1)。
図10〜図12に示すように、排気ボックス61は、第一底壁61a、第二底壁61b、一対の側壁61c、一対のガイド壁61d、第一隔壁61e及び第二隔壁61fを備える。
第一底壁61aは、Z方向に厚みを有するとともにX方向に延びる。
第二底壁61bは、第一底壁61aよりも−Z方向側に配置されるとともに、第一底壁61aと実質的に同一の形状を有する。
一対の側壁61cは、Y方向に厚みを有するとともにX方向に延び、かつ、第二底壁61bのY方向両端部から+Z方向に起立して第一底壁61aと第二底壁61bとのY方向端部間を繋いだ後に更に+Z方向に延びる。
一対のガイド壁61dは、Z方向に厚みを有するとともにX方向に延び、かつ、一対の側壁61cの上端部のY方向間の内側に突出する。
第一隔壁61eは、X方向に厚みを有するとともに、第一底壁61a及び一対の側壁61cの+X方向側の端部間をわたすように配置される。すなわち、第一隔壁61eは、排気ボックス61の内部空間61sを+X方向側から閉塞する。
第二隔壁61fは、X方向において排気ボックス61の長さL4(図2参照)程度の間隔を空けて第一隔壁61eと対向する。第二隔壁61fは、第一隔壁61eと実質的に同一の形状を有し、かつ、第一底壁61a及び一対の側壁61cの−X方向側の端部間をわたすように配置される。すなわち、第二隔壁61fは、排気ボックス61の内部空間61sを−X方向側から閉塞する。
なお、排気ボックス61の内部空間61sは、第一底壁61a、一対の側壁61c、第一隔壁61e、第二隔壁61f及び後述する案内板64によって囲まれる空間である。
図11及び図12に示すように、第一底壁61aと第二底壁61bとの間には、シート70がX方向に移動可能な底壁側空間61tが形成されている。底壁側空間61tのZ方向の間隔は、シート70の厚みよりも大きい。すなわち、底壁側空間61tのZ方向の間隔は、シート70が第一底壁61aと第二底壁61bとの間をスムーズに移動可能な大きさに設定されている。
図10及び図11に示すように、一対のガイド壁61dは、配管60を支持する可動部65をスライド可能に支持している。一対のガイド壁61dのY方向間の間隔は、後述する案内板64に形成された通過孔64hの形成領域のY方向の長さよりも大きい。
一対の側壁61cのうち+Y方向側の壁部には、排気口63hを形成する円筒状の排気管63が固定されている。排気管63は、排気ボックス61の内部空間61sに連通している。
図9に示すように、排気ボックス61の下部には、ケーブル支持部材62が設けられている。例えば、ケーブル支持部材62は、ケーブルベア(登録商標)である。ケーブル支持部材62には、不図示の電源線等のケーブルが引き回されている。これにより、ケーブルを屈曲した状態で、排気部6を駆動させることができる。
(シート)
図9及び図11に示すように、排気部6は、排気ボックス61の内部空間61sを覆うシート70を更に備える。シート70は、照射ユニット4の移動方向(照射部40の移動方向)であるX方向に沿うように延びている。シート70は、配管60の移動に従って移動可能に構成されている。
具体的に、シート70は、照射ユニット4の移動方向(照射部40の移動方向)であるX方向に沿うように、配管60と排気ボックス61との接続部である可動部65から一方側(−X方向側)と他方側(+X方向側)とに延びるとともに、環状に繋がるように同一の部材により一体に形成されている。シート70は、内部空間61sを囲むように排気ボックス61の外周に沿うように配置されている。例えば、シート70は、樹脂シートである。
図10及び図11に示すように、排気部6は、シート70を巻き掛ける複数(例えば本実施形態では六つ)のローラ(具体的には、第一ローラ71、第二ローラ72、第三ローラ73、第四ローラ74、第五ローラ75及び第六ローラ76)を備える。シート70は、排気ボックス61の+X方向側において二つのローラ(具体的には、第一ローラ71及び第二ローラ72)に巻き掛けられている。シート70は、排気ボックス61の−X方向側において四つのローラ(具体的には、第三ローラ73、第四ローラ74、第五ローラ75及び第六ローラ76)に巻き掛けられている。
排気部6は、第一カバー77及び第二カバー78を更に備える。
第一カバー77は、第一ローラ71及び第二ローラ72を覆うとともに、第一ローラ71及び第二ローラ72を回動自在に支持する。第一カバー77は、−X方向側に開口する箱状をなすとともに、排気ボックス61の各壁(具体的には、第二底壁61b、一対の側壁61c及び一対のガイド壁61d)の+X方向側の端部に着脱可能に取り付けられている。これにより、第一カバー77の内部(例えば、第一ローラ71及び第二ローラ72)のメンテナンス性を向上することができる。
第二カバー78は、第三ローラ73、第四ローラ74、第五ローラ75及び第六ローラ76を覆うとともに、第三ローラ73、第四ローラ74、第五ローラ75及び第六ローラ76を回動自在に支持する。第二カバー78は、+X方向側に開口する箱状をなすとともに、排気ボックス61の各壁(具体的には、第二底壁61b、一対の側壁61c及び一対のガイド壁61d)の−X方向側の端部に着脱可能に取り付けられている。これにより、第二カバー78の内部(例えば、第三ローラ73、第四ローラ74、第五ローラ75及び第六ローラ76)のメンテナンス性を向上することができる。
(テンショナー)
排気部6は、シート70の張りを調整可能なテンショナー79を更に備える。テンショナー79は、第二カバー78のY方向両側部に配置されている。テンショナー79は、X方向に間隔を空けて並ぶ第四ローラ74及び第六ローラ76に対して、第四ローラ74と第六ローラ76との間に位置する第五ローラ75を近接及び離反可能とする。例えば、第四ローラ74及び第六ローラ76に対して第五ローラ75を近接させた場合には、シート70の張りを弱めることができる。一方、第四ローラ74及び第六ローラ76に対して第五ローラ75を離反させた場合には、シート70の張りを強めることができる。
(可動部)
図10及び図11に示すように、可動部65は、ベース部65a、本体部65b、接続部65c及び一対のガイド片65dを備える。
図11に示すように、ベース部65aは、後述する案内板64と、ガイド壁61dとの間に配置される。ベース部65aは、Z方向に厚みを有するとともに、上面視で矩形枠状をなす。すなわち、ベース部65aには、配管60からの熱が通過可能な貫通孔65hがZ方向に開口して形成されている。貫通孔65hは、案内板64の通過孔64hを介して排気ボックス61の内部空間61sに連通している。
本体部65bは、ベース部65aにおける貫通孔65hの周辺部に接続される。本体部65bは、図11の断面視で、+Z方向側ほど開口面積が小さくなるようにZ方向に延びる筒状をなす。
接続部65cは、本体部65bから+Z方向に延びる円筒状をなす。接続部65cには、配管60の他端部60b(図9参照)が着脱可能に接続される。これにより、配管60の他端部60b及び接続部65cのメンテナンス性を向上することができる。
一対のガイド片65dは、本体部65bからY方向両側に延びるとともに、ガイド壁61dに沿うようにX方向に延びる。一対のガイド片65dは、ベース部65aのY方向両端部との間で、ガイド壁61dを挟むように配置される。
ベース部65aの+X方向側の端部には、シート70の一端部70aを着脱可能に係止する第一係止部66が設けられる。ベース部65aの−X方向側の端部には、シート70の他端部70bを着脱可能に係止する第二係止部67が設けられる。
以下、シート70の配置方法の一例を説明する。先ず、シート70の一端部70aを、第一係止部66を介してベース部65aの+X方向側の端部に係止する。その後、シート70を、第一ローラ71及び第二ローラ72に掛け回す。その後、シート70を、他端部70bの側から底壁側空間61tに通した後、第三ローラ73、第四ローラ74、第五ローラ75及び第六ローラ76に掛け回す。その後、シート70の他端部70bを、第二係止部67を介してベース部65aの−X方向の端部に係止する。そして、シート70の張りをテンショナー79によって調整する。このようにして、シート70は、可動部65を介して環状に繋がるとともに、内部空間61sを囲むように配置される。
(案内板)
図11に示すように、排気部6は、シート70を案内する案内板64を更に備える。案内板64は、Z方向に厚みを有するとともに、照射ユニット4の移動方向(照射部40の移動方向)であるX方向に延びる。案内板64には、配管60からの熱が通過可能な通過孔64hが形成されている。
図10に示すように、上面視において、通過孔64hは円形をなしている。通過孔64hは、照射ユニット4の移動方向(照射部40の移動方向)であるX方向とY方向とに、案内板64に規則的に複数配置されている。例えば、案内板64は、パンチングメタルである。
図11及び図13に示すように、案内板64のうち配管60と排気ボックス61との接続部(すなわち可動部65)における通過孔64hの開口面積S2は、排気口63hの面積S1以上である。ここで、通過孔64hの開口面積S2とは、案内板64全体に形成されている通過孔64hのうち、上面視で貫通孔65hから露出している通過孔64hのみの開口面積を意味する。排気口63hの面積S1とは、排気管63の開口面積を意味する。
なお、図13においては、便宜上、一対のガイド片65d等の図示を省略している。
(流量調整部)
図9に示すように、排気部6は、照射部40(図1参照)の温度に基づいて、配管60の少なくとも一部を通過する気体の流量を調整可能な流量調整部68を更に備える。流量調整部68は、配管60に設けられている。例えば、流量調整部68は、流量調整弁である。
(紫外線照射方法)
次に、本実施形態に係る紫外線照射方法を説明する。本実施形態では、上記の紫外線照射装置1を用いて基板10に紫外線を照射する。紫外線照射装置1の各部で行われる動作は、制御部8によって制御される。
本実施形態に係る紫外線照射方法は、収容ステップ、照射ステップを含む。
収容ステップにおいて、チャンバ2は、基板10を密閉空間で収容する。例えば、基板搬出入口21aを介してチャンバ2内に基板10を搬送した後、基板搬出入口21aを閉塞してチャンバ2を密閉する。
照射ステップにおいて、照射ユニット4は、基板10に紫外線を照射する。
照射ステップにおいて、搬送機構5は、チャンバ2の外部からチャンバ2の内部に収容されている基板10に紫外線が照射されるように照射ユニット4をチャンバ2の外部で移動させる。以下、照射ステップ内において、照射ユニット4と基板10とを相対移動させるステップを移動ステップと呼ぶことにする。
移動ステップにおいて、照射ユニット4及び配管60を同期させて移動させる。移動ステップにおいて、透光性部材23を介してチャンバ2の内部の基板10に紫外線が照射されるように照射ユニット4をチャンバ2の外部で移動させる。上述の通り、透光性部材23は、保持部材26によりチャンバ2に保持されている。本実施形態の紫外線照射装置1において、保持部材26と透光性部材23が平面的に重なる割合は、透光性部材23における面積の10%以下となっている。そのため、保持部材26は、透光性部材23の撓みを防止した状態で保持するとともに、照射ユニット4から照射された紫外線の遮蔽量を抑える。
また、上述の通り、門型フレーム54の+Y方向側の側壁部には配管60が取り付けられているため、移動ステップにおいて、照射ユニット4と共に配管60をチャンバ2の外部で移動させる。
移動ステップにおいて、一対のレール51の−X方向端(一端)と+X方向端(他端)との間で照射ユニット4を往復移動させる。例えば、図3の上面視において、チャンバ2の−X方向端を超える領域からチャンバ2の+X方向端を超える領域まで照射ユニット4を往復移動させる。
本実施形態に係る紫外線照射方法は、流量調整ステップを更に含む。
流量調整ステップにおいて、流量調整部68は、照射部40の温度に基づいて、配管60の少なくとも一部を通過する気体の流量を調整する。
なお、本実施形態に係る紫外線照射方法は、ガス供給ステップを更に含む。
ガス供給ステップにおいて、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気の露点を調整する。また、ガス供給ステップにおいて、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を調整する。
以上のように、本実施形態の紫外線照射方法によれば、チャンバ2の上方に配置される透光性部材23の撓みを防止するとともに、チャンバ2内の基板10に対して紫外線を良好に照射することができる。
また、本実施形態によれば、照射部及び配管60を同期させて移動することができるため、配管60が照射部40の移動に追従するように引っ張られることはない。
すなわち、照射部40を移動させた場合であっても、配管60に過度の負荷がかかることを抑制することができる。したがって、配管60の寿命を向上することができる。
また、排気部6が、配管60を移動可能に接続するともに照射部40の移動方向に沿うように延び、かつ、配管60からの熱を排出可能な排気口63hを有する排気ボックス61を更に含むことで、照射部40の移動方向に沿うように延びる排気ボックス61の長手方向に沿って配管60を移動させつつ、配管60からの熱を排気口63hから排出することができる。したがって、配管60の移動を安定して行うとともに、配管60から排気口63hまでの熱の排気経路を確保することができる。
また、排気部6が、照射部40の移動方向に沿うように延びるとともに排気ボックス61の内部空間61sを覆い、かつ、配管60の移動に従って移動可能なシート70を更に含むことで、排気ボックス61の内部空間61sが配管60の移動に従って移動するシート70によって覆われるため、配管60からの熱が外部に漏れることを抑制することができる。したがって、シート70を用いた簡単な構成で、配管60からの熱の排出効率を維持することができる。
また、シート70が、照射部40の移動方向に沿うように、配管60と排気ボックス61との接続部である可動部65から一方側と他方側とに延びるとともに、環状に繋がるように同一の部材により一体に形成されていることで、環状に形成されたシート70をその周方向に回動させることができる。そのため、シート70が可動部65から一方側と他方側とに直線状に延びるように形成された場合と比較して、配管60の移動に従って移動するシート70の移動軌跡を小さくすることができる。したがって、装置を小型化することができる。
また、シート70が内部空間61sを囲むように排気ボックス61の外周に沿うように配置されていることで、配管60の移動に従って移動するシート70の移動軌跡を可及的に小さくすることができるため、装置を効果的に小型化することができる。
また、シート70が樹脂製であることで、以下の効果を奏する。シート70が金属製である場合と比較して、軽量化することができるため、配管60の移動に従ってシート70をスムーズに移動させることができる。また、耐酸化性を発揮することができるため、部品劣化を抑制することができ、シート70の寿命を向上することができる。
また、排気部6が、シート70の張りを調整可能なテンショナー79を更に含むことで、シート70が配管60の移動に従って移動する際に、シート70が過度に引っ張られたり過度に撓んだりすることを抑制することができる。したがって、配管60の移動をより一層安定して行うことができる。
また、排気部6が、照射部40の移動方向に沿うように延びるとともにシート70を案内し、かつ、配管60からの熱が通過可能な通過孔64hが形成された案内板64を更に含むことで、シート70が配管60の移動に従って移動する際にシート70を案内しつつ、案内板64の通過孔64hを介して配管60からの熱を排気口63hから排出することができる。したがって、配管60の移動をより一層安定して行うとともに、配管60から排気口63hまでの熱の排気経路を確保することができる。
また、案内板64のうち配管60と排気ボックス61との接続部である可動部65における通過孔64hの開口面積S2が排気口63hの面積S1以上であることで、配管60からの熱(排気)が通過孔64hを通る前後で排気の流量を一定に維持することができるため、照射部40の温度を一定に維持することができる。したがって、照射部40から照射される紫外線の照度分布を均一化することができる。
また、通過孔64hが、照射部40の移動方向に沿うように案内板64に規則的に複数配置されていることで、照射部40及び配管60を同期させて移動させている間、配管60と排気ボックス61との接続部である可動部65における通過孔64hの開口面積S2を常時一定に維持することができる。これにより、照射部40及び配管60を同期させて移動させている間、排気の流量を一定に維持することができるため、照射部40の温度を一定に維持することができる。したがって、照射部40から照射される紫外線の照度分布を常時均一化することができる。
また、排気部6が、照射部40の温度に基づいて、配管60の少なくとも一部を通過する気体の流量を調整可能な流量調整部68を更に含むことで、照射部40の温度に適合するように排気の流量を調整することができるため、照射部40から照射される紫外線の照度分布をより一層均一化することができる。
また、搬送機構5が、照射部40及び配管60を同期させて移動可能とする共通の駆動源であるガイド部50を含むことで、照射部40及び配管60をまとめて一括して移動させることができるため、照射部40及び配管60を別個独立に移動させる場合と比較して、装置構成の簡素化を図ることができる。
また、紫外線照射装置1が、基板10を密閉空間で収容可能なチャンバ2を更に備え、照射部40、排気部6及び搬送機構5は、チャンバ2の外部に設けられ、搬送機構5は、照射部40及び配管60を同期させてチャンバ2の外部で移動させることで、以下の効果を奏する。
密閉空間を有するチャンバ2の内部で基板10を静止させた状態で、チャンバ2の外部で照射部40及び配管60を移動させつつチャンバ2の内部の基板10に紫外線を照射することができるため、基板10の移動に伴うパーティクルの発生を考慮する必要がない。
また、照射部40及び配管60の移動はチャンバ2の外部で行われるため、仮に照射部40及び配管60の移動に伴いパーティクルが発生したとしても、チャンバ2を密閉空間とすることによって、チャンバ2内へのパーティクルの侵入を回避することができる。従って、チャンバ2内のパーティクルの発生を抑制することができ、基板10を清浄に保つことができる。
また、基板10を静止させた状態で照射部40及び配管60を移動させることによって、照射部40及び配管60よりも平面視サイズの大きい基板10を用いても、照射部40及び配管60を静止させた状態で基板10を移動させる場合と比較して、基板10に紫外線を照射する際に必要なスペースを節約することができ、フットプリントを小さくすることができる。
また、チャンバ2内で基板10を静止させた状態とすることによって、チャンバ2内は基板10の収容スペースを確保するだけで済むため、チャンバ2内で基板10を移動させる場合と比較して、チャンバ2の容積を小さくすることができ、チャンバ2内の酸素濃度及び露点の管理をしやすくなる。また、チャンバ2内の酸素濃度を調整する際に使用する窒素の消費量を削減することができる。
また、搬送機構5は、チャンバ2を挟むように照射ユニット4の移動方向に延びる一対のレール51(ガイド部50)と、チャンバ2を跨ぐように門型に形成されると共に、一対のレール51に沿って移動可能とされる門型フレーム54と、を含み、門型フレーム54には、照射ユニット4を保持する保持部54cが設けられることで、一般的なレールに沿って照射ユニット4を移動させる場合と比較して、高い剛性を有する門型フレーム54によって照射ユニット4を一対のレール51に沿って移動させることができるため、照射ユニット4の移動を安定して行うことができる。
また、チャンバ2の外部には、照射ユニット4を冷却可能な冷却部(不図示)が設けられることで、照射ユニット4を冷却することができるため、紫外線を基板10に連続照射するとき等に照射ユニット4を連続駆動する場合であっても、照射ユニット4が過熱することを抑制することができる。
また、チャンバ2には、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度及び露点を調整可能なガス供給部7が設けられることで、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を所定の濃度に調整することができるため、所定の酸素濃度の条件下で紫外線を基板10に照射することができる。また、チャンバ2の内部雰囲気の露点を所定の露点に調整することができるため、所定の露点の条件下で紫外線を基板10に照射することができる。
また、移動ステップにおいて、一対のレール51の−X方向端(一端)と+X方向端(他端)との間で照射ユニット4を往復移動させることで、一対のレール51の一端と他端との間で照射ユニット4を一方向にのみ移動させる場合と比較して、紫外線を基板10に繰り返し照射するときであっても、スムーズに効率良く照射することができる。また、一つの照射ユニット4を設ければ足りるため、装置構成の簡素化を図ることができる。
(第1変形例)
続いて、上記実施形態の第1変形例について、図面を参照しながら説明する。なお、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、構成に関する詳細な説明は省略する。
図14は、第1変形例に係る保持部材を示す平面図である。図14に示すように、本変形例の保持部材126は、照射ユニット4の走査方向であるX方向(第1方向)に延びる第1の部位127と、X方向に交差する(直交する)Y方向(第2方向)に延びる第2の部位128とを含み、第1の部位127及び第2の部位128は互いに交差している。なお、本変形例の保持部材126は、1760mm×1560mmの透光性部材23を保持するものである。
本変形例において、第1の部位127の幅はX方向において変化しており、第2の部位128の幅はY方向において変化している。
例えば、第1の部位127において、両端部の幅H1a,H1bはそれぞれ5mmに設定され、第2の部位128との交差部126A及び該交差部126Aに隣接する部分の幅H1cは5mmに設定され、それ以外の部分の幅は15mmに設定されている。
すなわち、第1の部位127の幅は両端部において相対的に狭くなっている。また、第1の部位127の交差部126Aに隣接する部分の幅H1cは相対的に狭くなっている。
図1に示したように、透光性部材23は、チャンバ2の天板20の全域に設けられていない。そのため、照射ユニット4が−X方向に移動することでチャンバ2の上方に移動する際、透光性部材23の+X方向に位置する天板20により照射ユニット4から照射された紫外線の一部が遮光される。また、同様に、照射ユニット4が−X方向に移動することでチャンバ2の上方から退避する際、透光性部材23の−X方向に位置する天板20により照射ユニット4から照射された紫外線の一部が遮光される。したがって、基板10のX方向の両端部における紫外線照射量は、基板中央部における紫外線照射量に比べて少なくなるおそれがある。
これに対し、本変形例の構成によれば、第1の部位127における両端部の幅H1a,H1bを相対的に狭めている。これにより、第1の部位127による紫外線の遮蔽量を減らすことで基板10のX方向両端部の紫外線照射量を確保することができる。よって、基板10上のX方向における紫外線の照度分布をより均一化できる。
さらに、基板10における紫外線照射量は、保持部材126の影響を最も受けやすい第1の部位127及び第2の部位128の交差部分の直下で最も小さくなる。これに対し、本変形例の構成によれば、第1の部位127及び第2の部位128の交差部126A及び該交差部126Aに隣接する部分の幅H1cを相対的に狭めている。これにより、第1の部位127及び第2の部位128の交差部126Aによる紫外線の遮蔽量を減らすことで基板10上における紫外線の照度分布をより均一化できる。
また、第2の部位128において、両端部の幅H2a,H2bはそれぞれ5mmに設定され、第1の部位127との交差部126A及び該交差部126Aに隣接する部分の幅H2cは5mmに設定され、それ以外の部分の幅は10mmに設定されている。
すなわち、第2の部位128の幅は両端部において相対的に狭くなっている。また、第2の部位128の交差部126Aに隣接する部分の幅H2cは相対的に狭くなっている。
ここで、照射ユニット4はY方向に長尺状の形状を有する。このような長尺形状からなる照射ユニット4は、その構造上、両端部における紫外線照度が相対的に低くなってしまう。そのため、基板10のY方向の両端部における紫外線照射量は、基板中央部における紫外線照射量に比べて少なくなるおそれがある。
これに対し、本変形例の構成によれば、第2の部位128における両端部の幅H2a,H2bを相対的に狭めている。これにより、保持部材126における紫外線の遮蔽量を減らすことで照射ユニット4から照射される紫外線量が相対的に少ない基板10のY方向両端部の紫外線照射量を確保することができる。よって、基板10上のY方向における紫外線の照度分布をより均一化できる。
なお、本変形例では、第1の部位127の両端部の幅H1a,H1bを相対的に狭める構成としたが、一方の端部の幅のみを狭める構成としても良い。また、第2の部位128の両端部の幅H2a,H2bを相対的に狭める構成としたが、一方の端部の幅のみを狭める構成としても良い。また、第1の部位127及び第2の部位128の交差部に隣接する部分において、第1の部位127及び第2の部位128の両方の幅を相対的に狭める構成としたが、第1の部位127及び第2の部位128のいずれか一方における交差部に隣接する部分のみを狭める構成としても良い。
(第2変形例)
続いて、上記実施形態の第2変形例について、図面を参照しながら説明する。
図15は、第2変形例に係る保持部材を示す平面図である。図15に示すように、本変形例の保持部材226は、照射ユニット4の走査方向であるX方向(第1方向)に延びる第1の部位227と、X方向に交差する(直交する)Y方向(第2方向)に延びる第2の部位228とを含み、第1の部位227及び第2の部位228は互いに交差している。
本変形例において、第1の部位227の幅はX方向において変化しており、第2の部位228の幅はY方向において変化している。第1の部位227及び第2の部位228において、連続的に幅が変化している。
例えば、第1の部位227は、幅の最大値が15mmであり、幅の最小値が5mmである。具体的に、第1の部位227は、両端部の幅H1a,H1bの最小値がそれぞれ5mmに設定され、第2の部位228との交差部226Aの幅H1cの最小値が5mmに設定される。第1の部位227は、交差部226Aと両端部との間にそれぞれ幅の最大値(15mm)となる一定幅部分227aを有する。第1の部位227は、一定幅部分227aと交差部226Aとの間において幅が連続的に変化している。
本変形例に係る構成によれば、上記第1変形例と同様の効果に加え、幅を連続的に変化させることで保持部材226の機械的な強度を向上させることができる。よって、本変形例の保持部材226によれば、透光性部材23に撓みを生じさせること無く、確実に保持できる。
(第3変形例)
続いて、上記実施形態の第3変形例について、図面を参照しながら説明する。
図16は、第3変形例に係る保持部材326を示す平面図であり、図17は図16のA−A線矢視による保持部材326の要部断面構成を示す図である。
図16に示すように、本変形例の保持部材326は、照射ユニット4の走査方向であるX方向(第1方向)に延びる第1の部位327と、X方向に交差する(直交する)Y方向(第2方向)に延びる第2の部位328とを含み、第1の部位327及び第2の部位328は互いに交差している。
なお、本変形例においても、保持部材326と透光性部材23とが平面的に重なる割合を透光性部材23における面積の10%以下にしている。これにより、照射ユニット4から照射された紫外線の保持部材326による遮蔽量を低減している。
図17に示すように、第1の部位327は、複数の支持部329を有している。各支持部329の断面形状は略L字状であり、第一支持部329a及び第二支持部329bを含む。本変形例において、第1の部位327は、第2の部位328との交差部326Aを基準として点対称の関係を満たすように複数の支持部329が形成されている。
第一支持部329aは、XY平面と平行に配置されることで透光性部材23の下面を支持する。第一支持部329aと透光性基板23aとの間にはシール部材330が設けられている。シール部材330は、第一支持部329aと透光性基板23aとの間に生じる隙間を無くすものである。第二支持部329bは、透光性基板23aの端面の位置を規制するためのものであり、透光性基板23aに接触しても良いし、接触しなくても良い。
複数の支持部329はX方向に沿って配置されている。隣り合う支持部329同士は第二支持部329bで接続されており、Z方向から平面した際、第二支持部329bに対する第一支持部329aのY方向の位置が逆向きとなっている。
第2の部位328は、第1の部位327と同一構成からなり、複数の支持部331を有している。各支持部331の断面形状は略L字状であり、第一支持部331a及び第二支持部331bを含む。本変形例において、第2の部位328は、第1の部位327との交差部326Aを基準として点対称の関係を満たすように複数の支持部331が形成されている。
第一支持部331aは、XY平面と平行に配置されることで透光性部材23の下面を支持する。第一支持部331aと透光性基板23aとの間にはシール部材(不図示)が設けられている。
複数の支持部331はY方向に沿って配置されている。隣り合う支持部331同士は第二支持部331bで接続されており、Z方向から平面した際、第二支持部331bに対する第一支持部331aのX方向の位置が逆向きとなっている。
本変形例において、第1の部位327及び第2の部位328は交差している。具体的に、第1の部位327及び第2の部位328は、第二支持部329b及び第二支持部331bにおいて交差する。これにより、照射ユニット4からの紫外線の遮蔽量を低減している。また、第1の部位327及び第2の部位328は、交差部326Aを基準として点対称の関係を満たすように形成されるため、交差部326Aの近傍における紫外線の遮蔽量を同程度とすることができる。
本変形例の保持部材326によれば、透光性部材23の撓みを防止した状態で保持するとともに、照射ユニット4から照射された紫外線の遮蔽量を抑えることができる。
(第4変形例)
続いて、上記実施形態の第4変形例について、図面を参照しながら説明する。
図18は、第4変形例に係る保持部材426により保持される透光性部材23の周辺構成を示す平面図であり、図19は図18のB−B線矢視による要部断面構成を示す図である。
図18に示すように、本変形例の保持部材426は、4本のワイヤー(線状部材)427と、枠状の支持部材428とを有する。ワイヤー427は、例えば、SUS等の金属製からなる1φ〜10φ、好ましくは1φ〜5φの太さを有する。ワイヤー427は、所定の張力で引っ張られることで透光性基板23aの下面を支持する。
ワイヤー427の表面に例えばテフロン(登録商標)コートなどのコーティングを施しても良い。このようにすれば、後述のようにワイヤー427が透光性基板23aに接触する場合でも、透光性基板23aの表面に傷等のダメージを与えることが無い。
本変形例において、ワイヤー427は、Y方向(所定方向)に延びる第1ワイヤー427a及び第2ワイヤー427bと、X方向に延びる第3ワイヤー427c及び第4ワイヤー427dを含む。ワイヤー427a、427bは、透光性部材23を構成する4枚の透光性基板23aのうち、Y方向において隣り合う一対(2枚)の透光性基板23aの下面を保持する。ワイヤー427aは、ワイヤー427bに対して+X側に配置されている。
ワイヤー427aは透光性基板23aの−X側寄りの下面を保持し、ワイヤー427bは透光性基板23aの+X側寄りの下面を保持する。すなわち、ワイヤー427a,427bは、4つの透光性基板23aからなる透光性部材23の中央部の近傍を保持している。
また、ワイヤー427c、427dは、透光性部材23を構成する4枚の透光性基板23aのうち、X方向において隣り合う一対(2枚)の透光性基板23aの下面側を保持する。ワイヤー427cは、ワイヤー427dに対して+Y側に配置されている。
本変形例において、ワイヤー427c,427dは、ワイヤー427a,427bに対して下方(−Z側)に配置されている。すなわち、ワイヤー427c,427dは、ワイヤー427a,427bを介して透光性基板23aの下面を保持する。
ワイヤー427cは透光性基板23aの−Y側寄りの下面を保持し、ワイヤー427dは透光性基板23aの+Y側寄りの下面を保持する。すなわち、ワイヤー427c,427dは、4つの透光性基板23aからなる透光性部材23の中央部の近傍を保持している。
支持部材428は、4つの透光性基板23aの側端部を枠状に支持する。図19に示すように、支持部材428は、フレーム部428a及び付勢部材428bを含む。フレーム部428aは、透光性基板23aの側端部23a1に対向する板状の部材からなり、付勢部材428bを支持する。付勢部材428bは、透光性基板23aの側端部23a1に対して付勢力を付与する部材からなる。本変形例において、付勢部材428bは、例えば、板バネから構成される。なお、付勢部材428bは、透光性基板23aの側端部23a1における全周に亘って設けられる必要は無く、各透光性基板23aの側端部23a1を少なくとも異なる2方向から付勢するように設けられていればよい。
これにより、対向する透光性基板23aの端面23a2同士は当接した状態となる。なお、付勢部材428bによる付勢力を調整すると、透光性基板23aの端面23a2間の密着度を調整することができる。これにより、透光性基板23aの端面23a2間の隙間量を制御することで、透光性部材23によるチャンバ2(図1参照)の密閉度を制御することができる。すなわち、チャンバ2内を所望の露点に維持することができる。また、本変形例に係る構成において、チャンバ2の密閉度を高めるには、透光性基板23aの端面にゴム等のシール部材を配置すればよい。
ところで、透光性部材23は紫外線の熱によって熱伸びが発生する。本変形例によれば、付勢部材428bとしての板バネを用いるため、熱伸びが発生した場合でも熱伸びによる変位を板バネで吸収することで透光性基板23aを安定して保持することができる。
また、付勢部材428b(板バネ)で透光性基板23aを抑える構造を採用するため、透光性基板23aの取り外し或いは清掃といったメンテナンス作業を容易に行うことができる。
ここで、透光性部材23は、各透光性基板23aの当接部分、すなわち中央部に撓みが生じ易くなる。これに対し、本変形例の保持部材426によれば、ワイヤー427を引っ張ることで透光性部材23を良好に保持することができる。具体的に、透光性部材23の中央部の近傍を4本のワイヤー427a〜427dで保持することで、透光性部材23の撓みを低減することができる。
また、本変形例の保持部材426によれば、透光性基板23aをワイヤー427で保持するので、照射ユニット4から照射された紫外線の遮蔽量を抑えることができる。また、ワイヤー427は一定の太さのため、紫外線の遮蔽量にバラツキが生じ難いため、基板上に紫外線を均一性の高い状態で照射できる。特に、本変形例では、照射ユニット4の走査方向であるX方向に交差するY方向に沿ってワイヤー427が延びるため、X方向にワイヤー427が延びる場合に比べて、照射ユニット4の直下に常にワイヤー427が位置しない。よって、上述のように紫外線の遮蔽量を低減できる。
なお、本変形例において、保持部材426は、4本のワイヤー427を有する場合を例に挙げたが、ワイヤー427の数はこれに限定されず、例えば、2本、6本、8本としても良い。
(第5変形例)
次に、実施形態の第5変形例について、図20を用いて説明する。
図20は、実施形態に係る排気部の第5変形例を示す側面図である。なお、図20においては、排気ボックス61の各壁、案内板64等の図示を省略している。
図20に示すように、本変形例では、実施形態に対して、シート170が第一シート170A及び第二シート170Bを備える点で特に異なる。図20において、実施形態と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図20に示すように、第一シート170Aは、照射部40の移動方向に沿うように、配管60と排気ボックス61との接続部である可動部65から一方側(+X方向側)に延びる。第一シート170Aの一端部の側は、第一駆動ローラ171に巻回されている。第一シート170Aの他端部は、第一係止部66を介して、ベース部65aの+X方向側の端部に係止されている。
第二シート170Bは、照射部40の移動方向に沿うように、可動部65から他方側(−X方向側)に延びる。第二シート170Bは、第一シート170Aに同期して移動可能に構成されている。第二シート170Bの一端部の側は、第二駆動ローラ172に巻回されている。第二シート170Bの他端部は、第二係止部67を介して、ベース部65aの−X方向側の端部に係止されている。
第一駆動ローラ171は、Y方向に延びる第一駆動軸171aの回りに回動可能に構成されている。第二駆動ローラ172は。Y方向に延びる第二駆動軸172aの回りに回動可能に構成されている。図20においては、第一駆動ローラ171が矢印J1の方向に回動し且つ第二駆動ローラ172が矢印J2の方向に回動することによって、第一シート170A及び第二シート170Bが−X方向(矢印Kの方向)に同期して移動している状態を示している。
本変形例によれば、第一シート170Aに同期して第二シート170Bを移動させることができるため、配管60(図1参照)の移動をより一層安定して行うことができる。
(第6変形例)
図21は、第6変形例に係る排気部を示す側面図である。なお、図21においては、排気ボックス61の各壁などの図示を省略している。
図21に示すように、本変形例では、実施形態に対して、シート70が、一対の搬送ローラ180に掛け回された状態で、照射部40の移動方向に沿うように移動可能に構成されている点で特に異なる。図21において、実施形態と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
一対の搬送ローラ180は、X方向に間隔を空けた状態で、X方向に移動可能に構成されている。一対の搬送ローラ180、シート70及び案内板64によって囲まれた部分には、配管60からの熱が通過可能な空間である通過部180hが形成されている。通過部180hは、案内板64の通過孔64hを介して排気ボックス61の内部空間61s(図11参照)に連通している。
例えば、一対の搬送ローラ180が常時一定の間隔を空けることによって、通過部180hを通過する気体の流量を一定に維持することができる。一方、一対の搬送ローラ180の間隔を増減することによって、通過部180hを通過する気体の流量を調整することができる。
なお、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態において、透光性部材23は複数の透光性基板23aから構成される場合を例に挙げたが、透光性部材23は大型の透光性基板を1枚用いて構成しても良い。この場合においても、保持部材26を用いてチャンバ2に保持することで大型基板からなる透光性部材23に生じる撓みを抑えることができる。
また、上記実施形態においては、チャンバ2を一つ設けたが、これに限らず、チャンバ2を二つ以上の複数設けても構わない。
また、上記実施形態においては、案内板64の通過孔64hの上面視形状が円形である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、案内板64の通過孔64hの上面視形状は、楕円形であってもよく、三角形、四角形等の多角形であってもよい。また、案内板64はパンチングメタルである例を挙げて説明したが、これに限らず、上面視で梯子状をなす部材であってもよい。すなわち、案内板64の形状は、設計仕様に応じて種々の形状を採用することができる。
また、上記実施形態においては、流量調整部68が、配管60の少なくとも一部を通過する気体の流量を調整可能に構成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、流量調整部68は、排気ボックス61の少なくとも一部を通過する気体の流量を調整可能に構成されていてもよい。すなわち、流量調整部68は、配管60及び排気ボックス61の少なくとも一部を通過する気体の流量を調整可能に構成されていればよい。
なお、上記において実施形態又はその変形例として記載した各構成要素は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができるし、また、組み合わされた複数の構成要素のうち一部の構成要素を適宜用いないようにすることもできる。
1…紫外線照射装置、10…基板、2…チャンバ(収容部)、5…搬送機構(移動部)、6…排気部、40…照射部、50…ガイド部(駆動源)、60…配管、61…排気ボックス、61s…内部空間、63h…排気口、64…案内板、64h…通過孔、65…可動部(接続部)、68…流量調整部、70…シート、79…テンショナー、170A…第一シート、170B…第二シート、S1…排気口の面積、S2…通過孔の開口面積。

Claims (16)

  1. 基板を密閉空間で収容可能な基板収容部と、
    所定の波長域の紫外線を前記基板に照射する照射部と、
    前記基板収容部に設けられ、前記照射部から照射された前記紫外線を透過させる透光性部材と、
    前記透光性部材を前記基板収容部に保持する保持部材と、
    前記基板収容部と前記照射部とを相対移動させる駆動装置と、を備え、
    前記保持部材と前記透光性部材とが平面的に重なる割合は、前記透光性部材における面積の10%以下であり、
    前記透光性部材は複数の透光性基板から構成されている
    紫外線照射装置。
  2. 基板を密閉空間で収容可能な基板収容部と、
    所定の波長域の紫外線を前記基板に照射する照射部と、
    前記基板収容部に設けられ、前記照射部から照射された前記紫外線を透過させる透光性部材と、
    前記透光性部材を前記基板収容部に保持する保持部材と、
    前記基板収容部と前記照射部とを相対移動させる駆動装置と、を備え、
    前記保持部材と前記透光性部材とが平面的に重なる割合は、前記透光性部材における面積の10%以下であり、
    前記保持部材は、前記基板収容部及び前記照射部が相対移動する第1方向に延びる第1の部位と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第2の部位と、を含み、
    前記保持部材は、一方向に沿って延び、前記透光性部材の表面を保持する線状部材を含む
    紫外線照射装置。
  3. 前記透光性部材の材料は石英である
    請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
  4. 前記照射部は、前記紫外線として200nm〜450nmの波長域の光を照射する
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
  5. 前記透光性部材は複数の透光性基板から構成されている
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
  6. 前記保持部材は、前記基板収容部及び前記照射部が相対移動する第1方向に延びる第1の部位と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第2の部位と、を含む
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
  7. 前記第1の部位の前記第2方向における幅は15mm以下であり、
    前記第2の部位の前記第1方向における幅は15mm以下である
    請求項6に記載の紫外線照射装置。
  8. 前記第1の部位の幅は、前記第1方向において変化しており、
    前記第2の部位の幅は、前記第2方向において変化している
    請求項6又は7に記載の紫外線照射装置。
  9. 前記第1の部位の幅は、少なくとも一方の端部において相対的に狭くなっている
    請求項8に記載の紫外線照射装置。
  10. 前記第2の部位の幅は、少なくとも一方の端部において相対的に狭くなっている
    請求項8又は9に記載の紫外線照射装置。
  11. 前記第1の部位及び前記第2の部位は互いに交差するように設けられており、
    前記第1の部位及び前記第2の部位の少なくともの交差部及び前記交差部に隣接する部分の幅は、相対的に狭くなっている
    請求項8乃至10のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
  12. 前記第1の部位及び前記第2の部位において、連続的に幅が変化している
    請求項8乃至11のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
  13. 前記保持部材は、一方向に沿って延び、前記透光性基板の表面を保持する線状部材と、前記複数の透光性基板の側端部を枠状に保持する支持部材とを含み、
    前記支持部材は、対向する前記透光性基板の端面同士を当接させるように、前記複数の透光性基板に付勢力を付与する
    請求項1又は5に記載の紫外線照射装置。
  14. 所定の波長域の紫外線を照射する照射部と基板とを相対移動させながら、前記紫外線を基板に照射する照射ステップを含み、
    前記照射ステップでは、保持部材により保持された透光性部材を介して前記紫外線を前記基板に照射しており、
    前記保持部材と前記透光性部材とが平面的に重なる割合は、前記透光性部材における面積の10%以下であり、
    前記透光性部材は複数の透光性基板から構成されている
    紫外線照射方法。
  15. 所定の波長域の紫外線を照射する照射部と基板とを相対移動させながら、前記紫外線を基板に照射する照射ステップを含み、
    前記照射ステップでは、前記基板を密閉空間で収容可能な基板収容部に設けられるとともに保持部材により保持された透光性部材を介して前記紫外線を前記基板に照射しており、
    前記保持部材と前記透光性部材とが平面的に重なる割合は、前記透光性部材における面積の10%以下であり、
    前記保持部材は、前記基板収容部と前記照射部とが相対移動する第1方向に延びる第1の部位と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第2の部位と、を含み、
    前記保持部材は、一方向に沿って延び、前記透光性部材の表面を保持する線状部材を含む
    紫外線照射方法。
  16. 前記照射ステップにおいて、前記紫外線として200nm〜450nmの波長域の光を照射する
    請求項14又は15に記載の紫外線照射方法。
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