JP6864211B2 - 杭の杭孔施工方法、杭孔施工システム及び掘削ロッド - Google Patents
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Description
杭の仕様を設計する際に用いられる地質情報を取得するために地質調査業者によって掘削されるボーリングにて地質を把握するとともに、標準貫入試験により強度を把握している。
標準貫入試験とは、重さ63.5kgのハンマーを高さ75cmから自由落下させ、標準貫入試験用サンプラーを30cm打ち込むのに要する打撃回数をN値として表す試験法である。この標準貫入試験により得られた所定深度間隔毎のN値をプロットして標準貫入試験グラフ(ボーリング柱状図)を作成すれば、該標準貫入試験グラフを参照することにより支持層の深度を推測することができ、また、支持力を算定して杭の数や配置を決定することができる(例えば、特許文献1参照)。
一方、杭の施工時には、地盤調査として、施工現場で杭孔を掘削し、ドリルを駆動する電動モータの電流値等により地盤の強度を判断し、加えてドリルに付着した土砂を採取して地質を把握している。
特許文献1が開示する標準貫入試験では、杭打機のような重機を用いていないので一箇所の試験に長時間を要する。このため、全ての杭設置予定箇所で標準貫入試験を行うのは手間及び時間がかかるため調査期間が長くなる。
また、杭設置予定箇所に杭孔と同径の孔を試掘用や地盤調査用として掘削した場合、一旦当該孔を埋め戻す必要がある。しかし、杭孔の直径は標準貫入試験の孔径よりも大きいので、当該孔を埋め戻したとしても、地盤が緩む可能性がある。このため、杭設置予定箇所で杭孔と同径の孔を試掘用や地質調査用として掘削し、土砂を採取することは一般的に行われていない。
しかしながら、ドリルで杭孔を掘削しているとき、ドリルには杭孔の壁面との摩擦や掘削された土砂の質量が作用するため、電動モータの電流値は、必ずしも地盤の硬さを正確に表してはいない。このため、電流値に基づいて地盤の硬さを正確に判断することは容易ではなく、ある程度の経験や熟練が必要であるという問題がある。
なお、本明細書中において、調査孔とは、杭孔を掘削する前に杭施工業者によって施工予定現場の地質を判別するために掘削される試掘孔、及び杭の仕様を設計する際に用いられる地質情報を取得するために地質調査業者によって掘削されるボーリング孔を含む。
また、本明細書中において重機とは、土木・建設工事等に使用される杭打機等を含む動力機械をいう。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、前記調査孔用掘削ロッドは、円筒形状の平滑な外周面を有するストレートロッドと、前記ストレートロッドに接続されるドリルと、前記ドリルと前記ストレートロッドとの間に設けられ、前記ドリルと同径以上であって前記ストレートロッドよりも小径の環状のフリクションカット部と、
を含み、前記フリクションカット部によって前記ストレートロッドと地盤の摩擦を低減する。
上記(2)の方法によれば、ストレートロッドが円筒形状の平滑な外周面を有するので、調査孔を掘削する際の掘削抵抗を抑制することができる。また、調査孔用掘削ロッドがドリルと同径以上であって前記ストレートロッドよりも小径の環状のフリクションカット部を有するので、フリクションカット部よりもストレートロッド側の摩擦を低減することができる。これにより、調査孔を掘削しながら重機に作用する地盤からの抵抗に対応する指標を正確に計測することができる。
従来、ドリルに付着した土砂を採取して地質を確認していたが、ドリルに付着した土砂から所望の深さの土砂を見つけ出すことは困難である。この点、上記(3)の方法によれば、所望の深度位置で調査孔用掘削ロッドの前記ドリルよりも上方に設けられた土砂採取室に土砂を採取するので、所望の深さの土砂を容易に入手することができる。
上記(4)の方法によれば、調査孔を掘削しながら調査孔用掘削ロッドのフリクションカット部よりも上方に掘削液が供給される。これにより、調査孔用掘削ロッドと掘削した地盤との間に掘削液が供給され、これらの間に生じる摩擦を低減することができる。このように摩擦が低減されることで、重機のドリル駆動モータに作用する調査孔先端地盤からの抵抗に対応する指標のみを正確に計測することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れか一つの方法において、前記指標は、前記回転駆動部の電流値である。
上記(5)の方法によれば、駆動部の電流値を計測することで、抵抗に対応する指標を計測することができる。
上記(6)の方法によれば、杭孔を掘削する予定位置に調査孔を掘削する。これにより、杭孔を掘削する予定位置において、地盤の緩みを防止し、地盤の深さ方向での地質に関する情報を短時間で取得可能である。また、杭を設置する予定位置の地質情報を正確に把握することができる。
上記(7)の方法によれば、調査孔にセメントミルクが充填され、硬化することで、調査孔が塞がれ、調査孔に地下水が流入することが防止される。この結果として、調査孔周辺の地盤の緩みを防止できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れか一つの方法において、前記調査工程で前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられる重機は杭打機である。
上記(8)の方法によれば、調査孔用掘削ロッドが取り付けられた重機としての杭打機を用いて杭孔よりも小径の調査孔を掘削するので、地盤をほとんど緩めることなく、地盤の深さ方向での地質に関する情報を短時間で取得することができる。また、重機としての杭打機を使用する事で一箇所の調査孔を掘削するために必要な時間が短時間で済むために、他の作業と並行して複数の調査孔を設けることが容易となる。これにより、地盤の水平方向での地質に関する情報を取得することができる。即ち、施工現場の地盤の局所的な地層の傾斜や断層を確実に把握することができる。
を備え、
前記調査孔用掘削ロッドが前記回転駆動部に取り付けられた前記重機を用いて前記調査孔を掘削し、
前記調査孔を掘削した後に、前記杭孔用掘削ロッドが前記回転駆動部に取り付けられた前記重機を用いて前記杭孔を掘削し、
前記調査孔を掘削しながら前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられた前記重機に作用する地盤からの抵抗に対応する指標を計測する。
を含み、前記フリクションカット部によって前記ストレートロッドと地盤の摩擦を低減する。
上記(10)の構成によれば、ストレートロッドが円筒形状の平滑な外周面を有するので、調査孔を掘削する際の掘削抵抗を抑制することができる。また、調査孔用掘削ロッドがドリルと同径以上であって前記ストレートロッドよりも小径の環状のフリクションカット部を有するので、フリクションカット部よりもストレートロッド側の摩擦を低減することができる。これにより、調査孔を掘削しながら重機に作用する地盤からの抵抗に対応する指標を正確に計測することができる。
上記(11)の構成によれば、外筒と内筒の相対変位に応じて、採取口を開くことで、ドリルによって掘削された所望の深さの土砂を土砂採取室に確実に採取することができる。一方、外筒と内筒の相対変位に応じて、採取口を閉じることで、不所望の深さの土砂が土砂採取室に浸入することを防止することができる。
上記(12)の構成によれば、採取口は、螺旋状の溝の延長線上又は螺旋状の羽根の軸線方向に隣り合う部分の中間線の延長線上に位置しているので、ドリルで掘削され、螺旋状の溝又は螺旋状の羽根に沿って上方へ移動された土砂は採取口を通り、土砂採取室に採取される。これにより、所望の深さの土砂を土砂採取室に確実に採取することができる。
上記(13)の構成によれば、吐出口から吐出された掘削液が調査孔用掘削ロッドと調査孔の壁面との間に供給され、調査孔の掘削の際に調査孔用掘削ロッドと調査孔との間に生じる摩擦を低減することができる。これにより、調査孔を掘削しながら重機に作用する地盤からの抵抗に対応する指標を正確に計測することができる。
また、吐出口から吐出された掘削液は地上側へ移動してドリル側へ移動しないので、採取前の土砂を掘削液で乱すことがない。このため、所望の深さ位置の地質を正確に反映した土砂を採取することができる。
一方、吐出口からセメントミルクを吐出すれば、調査孔から調査孔用掘削ロッドを抜く際、調査孔にセメントミルクを充填することができる。
上記(14)の構成によれば、環状のフリクションカット部を有するので、フリクションカット部よりもストレートロッド側の摩擦を低減することができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記(9)乃至(14)の何れか一つの構成において、前記指標は、前記回転駆動部の電流値である。
上記(15)の構成によれば、抵抗に対応する指標としての電流値を正確に計測することができる。
(16)幾つかの実施形態では、上記(9)乃至(15)の何れか一つの構成において、前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられる重機は杭打機である。
上記(16)の構成によれば、重機としての杭打機の回転駆動部に調査孔用掘削ロッドが取り付けられ、該調査孔用掘削ロッドで杭孔よりも小径の調査孔を掘削するので、地盤をほとんど緩めることなく、地盤の深さ方向での地質に関する情報を短時間で取得することができる。
上記(17)の構成によれば、地盤の深さ方向での地質に関する情報を短時間で取得可能であって、地質に及ぼす影響が小さい杭孔施工システムに適用可能な調査孔用掘削ロッドが提供される。
また、一箇所の調査孔THを掘削するために必要な時間が短時間で済むために、複数の調査孔THを設けることが容易となる。これにより、地盤Bの水平方向での地質に関する情報を取得することができる。即ち、地盤Bの局所的な地層の傾斜や断層を確実に把握することができる。
上述した既製杭の杭施工方法において、掘削ロッド4が取り付けられる杭打機は、掘削ロッド3が取り付けられる杭打機と同一のものであってもよいし、掘削ロッド3が取り付けられる杭打機と異なる重機であってもよい。
図4に示すように、幾つかの実施形態に係る杭孔施工システム1は、杭打機2、掘削ロッド3(図5参照)、掘削ロッド4、及び指標計測装置5を備えている。
上記構成によれば、ストレートロッド41が円筒形状の平滑な外周面を有するので、調査孔THを掘削する際の掘削抵抗を抑制することができる。これにより、調査孔THを掘削しながら杭打機2に作用する地盤Bからの抵抗に対応する指標を正確に計測することができる。
なお、ストレートロッド41は、ストレートロッド41同士を連結するために、両端部が中間部よりも大径に形成されていてもよい。
上記構成によれば、ドリル42,62,72は、先細り形状を有しているので、地質によらず確実に掘削を行うことができる。また、ドリル42,62,72は、外周に螺旋状の溝422又は羽根622,722を有するので、ドリル42,62,72の先端で掘削された土砂を螺旋状の溝422又は羽根622,722に沿って排出することができる。
図6に示すように、幾つかの実施形態では、ドリル42は、外周に複数の螺旋状の溝422を有し、一の螺旋状の溝422aと該一の螺旋状の溝422aと隣り合う他の螺旋状の溝422bとの間に螺旋状の稜線424を有する。
上記構成よれば、ドリル42の外周に円錐面(ランド部)がほとんど形成されないので、ドリル42の先端421で掘削された土砂を螺旋状の溝422に沿って効率的に排出することができる。
上記構成によれば、ドリル42は、スウェーデン式サウンディング試験に用いられるスクリューポイントと相似形であるので、調査孔THの掘削によって得られた地盤Bの抵抗に関する指標が高い信頼性を有する。
上記構成によれば、螺旋状の羽根622,722の先端に掘削刃622a,722aを有しているので、螺旋状の羽根622,722の先端に有する掘削刃622a,722aで掘削された土砂を螺旋状の羽根622,722によって掻き上げることができる。
図14及び図15に示す実施形態では、螺旋状の羽根622,722が複数設けられているが、螺旋状の羽根622,722の枚数は図示する数に限られるものではなく、螺旋状の羽根622,722が一枚であってもよいし、図示する枚数よりも多くてもよい。
従来は、掘削後にドリルを杭孔等から引き上げて、実際にドリルに付着した土砂を採取して地質を確認していたが、ドリルに付着した土砂から所望の深さの土砂を見つけ出すことは困難である。この点、上記方法によれば、掘削ロッド4の先端側に設けられた土砂採取室に土砂を採取するので、所望の深さの土砂を容易に入手することができる。
図7及び図14に示すように、幾つかの実施形態では、掘削ロッド4は、ストレートロッド41とドリル42(62)との間にアダプタ43を更に含む。図8に示すように、アダプタ43は、ストレートロッド41に接続可能な外筒431と、ドリル42(62)に接続可能であって、外筒431と摺動可能に嵌合された内筒432と、ストレートロッド41の周方向にて、外筒431に対する内筒432の可動範囲の両側で、外筒431と内筒432とを係合可能な周方向係合部45とを有する。また、内筒432の内部には土砂採取室436が区画され、内筒432には、土砂採取室436と外部とを連通可能であって外筒431によって開閉可能な採取口437が形成され、外筒431と内筒432の相対変位に応じて、採取口437が開かれるように構成されている。
上記構成によれば、軸方向係合部46による係合を解除することで、内筒432に対し外筒431を軸方向に相対変位させ、採取口437を開閉することができる。一方、軸方向係合部46がストレートロッド41の軸方向にて外筒431と内筒432とを係合させることで、外筒431と内筒432との相対変位を規制することができ、採取口437が開いたままの状態、又は、採取口437が閉じたままの状態で、掘削ロッド4を回転させることができる。このように、採取口437が開いたままの状態で掘削ロッド4を回転させることで、土砂採取室436に土砂を確実に採取可能である。
なお、以下の説明では、軸方向溝481の一側(下側)に設けられた周方向溝482を第1の周方向溝482とも称し、軸方向溝481の他側(上側)に設けられた周方向溝483を第2の周方向溝483とも称する。
上記構成によれば、螺旋状の羽根622,722の先端の掘削刃622a,722aで掘削された土砂は螺旋状の羽根622,722に沿って掻き上げることができ、さらに、掻き上げられた土砂を螺旋状の羽根63,73で沿って更に掻き上げることができる。
上記構成によれば、採取口437は、螺旋状の溝422の延長線上又は螺旋状の羽根622の螺旋軸の軸線方向に隣り合う部分の中間線CLの延長線上に位置しているので、ドリル42,62で掘削され、螺旋状の溝422又は螺旋状の羽根622の羽根に沿って排出された土砂は採取口437を通り、土砂採取室436に採取される。これにより、所望の深さの土砂を土砂採取室436に確実に採取することができる。
また、ピン47が軸方向溝481の上端に到達すると、掘削方向R1にてピン47が第2の周方向溝483に沿って移動可能となる。
ドリル側フランジ921及びロッド側フランジ922は環状であって、ドリル側フランジ921は、ドリル72とドリル72よりも上方の掘削ロッド4の部分との間の境界を成している。外筒92と内筒91との間には周方向係合部93が設けられる。
上記構成によれば、内筒91の外周面から突出する突起931が外筒92のロッド側フランジ922のストレートロッド41側の面に設けられる溝932に嵌合される。そして、突起931が溝932の両端に当接することによって、ストレートロッド41の周方向にて内筒91と外筒92とが係合する。一方、突起931は溝932に沿って移動可能であり、溝932の長さに応じて、ストレートロッド41の周方向での外筒92と内筒91との相対変位が許容される。
上記構成によれば、ストレートロッド41の周方向での内筒91と外筒92との相対変位に応じて、内筒91の採取口912と外筒92の外窓913が重なると、採取口912が開かれる。一方、外筒92の外窓913が内筒91の採取口912から外れると、採取口912が閉じられる。この結果として、簡単な構成にて、採取口912を開閉することができる。
上記構成によれば、外窓913は、螺旋状の羽根73と羽根73の中間線CL2上に位置しているので、ドリル72で掘削され、螺旋状の羽根73に沿って掻き上げられた土砂は外窓913及び採取口912を通り土砂採取室911に採取される。これにより、所望の深さの土砂を土砂採取室911に確実に採取することができる。
そして、内筒91と外筒92の相対変位が許容される範囲の他側で、突起931が溝932の端に当接する。この状態で採取口912と外窓913とが重なり、採取口912が開放される。
そして、内筒91と外筒92の相対変位が許容される範囲の一側で、突起931が溝932の端に当接する。この状態で採取口912が外筒92で閉鎖され、採取口912が閉鎖される。
また、ストレートロッド41をドリル72の掘削方向R1に回転させることにより、採取口912が確実に閉鎖され、不所望の深さの土砂が土砂採取室911に進入することを防止することができる。
上記方法によれば、調査孔THを掘削しながら掘削ロッド4の先端側から調査孔THの壁面に向けて掘削液DFが吐出される。これにより、掘削ロッド4と地盤Bとの間に掘削液が供給され、これらの間に生じる摩擦を低減することができる。このように摩擦が低減されることで、杭打機2に作用する地盤Bからの抵抗に対応する指標を正確に計測することができる。
また、採取口437よりも上方で掘削液DFを吐出するので掘削液DFは上方へ流れる。このように掘削液DFが上方に流れることで、採取土砂に含まれることが無い。さらに、掘削中の場(ドリル42の周囲)を乱さない。
図11に示すように、幾つかの実施形態では、アダプタ43は、外筒431の外周面に開口する吐出口433と、アダプタ43の軸線に沿ってアダプタ43の内部に設けられ、吐出口433を通じてアダプタ43の外側と連通可能な内部流路434と、吐出口433を開閉可能であり、内部流路を通り吐出口433に供給された液体の吐出圧で吐出口433を開くように構成された弁体44とを有している。
図11に示す実施形態では、弁体44は、例えば、ゴム等の可撓性材料で作成され、吐出口433の周りに設けられた座(不図示)にボルト441で固定されている。
上記構成によれば、環状のフリクションカット部435を有するので、フリクションカット部435よりもストレートロッド41側の摩擦を低減することができる。
上記方法によれば、杭孔PHを掘削する予定位置P1に調査孔TH1を掘削する。これにより、杭孔PHを掘削する予定位置P1において、地盤Bが緩むことなく地盤Bの深さ方向での地質に関する情報を短時間で取得可能である。
好ましくは、杭孔PHを掘削する全ての予定位置P1において、調査孔TH1を掘削する。一箇所の調査孔TH1を掘削するために必要な時間が短時間で済むために、複数の調査孔TH1を設けることが容易となる。これにより、地盤Bの水平方向での地質に関する情報を取得することができる。即ち、地盤Bの局所的な地層の傾斜や断層を確実に把握することができる。
なお、本実施形態においては、杭孔PHを掘削する予定位置P1内に調査孔TH1を掘削する場合について説明したが、この位置に限定されるものではない。例えば、杭孔PH以外の箇所であって、杭孔PHと当該杭孔PHに隣接する杭孔PHとの間の調査孔TH2や最外殻の杭孔PHと敷地の外周縁との間の調査孔TH3を設けても良い。要は杭の施工現場の敷地内であれば何処でも良く、施主や設計事務所等と相談して決定される位置である。
なお、図12において、符号PCは、建て込まれた既製杭の杭頭に設置されるパイルキャップであり、符号BEは、パイルキャップPCとパイルキャップPCとの間に設置される梁である。
上記方法によれば、調査孔TH1の直径が約150mm以上約250mm以下であり、杭孔PHに対して調査孔TH1が十分に小さいので、杭孔PHを掘削する予定位置P1において、地質に与える影響を十分に小さくでき、地質の低下を招かずに済む。
上記方法によれば、調査孔TH1にセメントミルクCMが充填され、硬化することで、調査孔が塞がれ、調査孔TH1に地下水が流入することが防止される。この結果として、調査孔周辺の地盤Bが緩むことを防止できる。
上記方法によれば、杭孔PHを掘削する予定位置P1に調査孔TH1を掘削し、その後、該調査孔TH1にセメントミルクCMが充填され、硬化することで、調査孔TH1が塞がれ、調査孔TH1に地下水が流入することが防止される。この結果として、杭孔PHを掘削する予定位置P1に調査孔TH1を掘削しても、杭孔PHを掘削する予定位置(調査孔周辺)の地盤Bが緩むことを防止できる。
すなわち、吐出口433からセメントミルクCMを吐出すれば、調査孔THから掘削ロッドを抜く際、調査孔THにセメントミルクCMを充填することができる。
2 杭打機
26 回転駆動部
3 掘削ロッド
31 オーガヘッド
32 スクリューロッド
4 掘削ロッド
41 ストレートロッド
42 ドリル
421 先端
422,422a,422b 螺旋状の溝
423 掘削刃
424 螺旋状の稜線
43 アダプタ
431 外筒
431a 嵌合筒部
432 内筒
432a 嵌合軸部
433 吐出口
434 内部流路
435 フリクションカット部
436 土砂採取室
437 採取口
44 弁体
441 ボルト
45 周方向係合部
46 軸方向係合部
47 ピン
48 溝
481 軸方向溝
482 第1の周方向溝
483 第2の周方向溝
5 施工管理装置
62 ドリル
622 羽根
622a 掘削刃
63 羽根
72 ドリル
722 羽根
73 羽根
722a 掘削刃
9 アダプタ
91 内筒
912 採取口
913 外窓
92 外筒
921 ドリル側フランジ
922 ロッド側フランジ
93 周方向係合部
931 突起
932 溝
B 地盤
PH 杭孔
P1 予定位置
TH1〜3 調査孔
DF 掘削液
CM セメントミルク
S10 調査工程
S11 指標計測工程
S20 土砂採取工程
S30 セメントミルク吐出工程
S40 掘削工程
Claims (17)
- 回転駆動部を有する掘削機を用いる杭の杭孔施工方法において、
地盤調査用の調査孔を掘削するための調査孔用掘削ロッドが前記回転駆動部に取り付けられた前記重機を用いて前記調査孔を掘削する調査工程と、
前記調査工程の後に、前記調査孔用掘削ロッドとは別体の杭孔用掘削ロッドが前記回転駆動部に取り付けられた前記重機を用いて杭を建て込むための前記調査孔よりも大径の杭孔を掘削する掘削工程と、
を備え、
前記調査工程は、前記調査孔を掘削しながら前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられた前記重機に作用する地盤からの抵抗に対応する指標を計測する指標計測工程を含むことを特徴とする杭の杭孔施工方法。 - 前記調査孔用掘削ロッドは、
円筒形状の平滑な外周面を有するストレートロッドと、
前記ストレートロッドに接続されるドリルと、
前記ドリルと前記ストレートロッドとの間に設けられ、前記ドリルと同径以上であって前記ストレートロッドよりも小径の環状のフリクションカット部と、
を含み、
前記フリクションカット部によって前記ストレートロッドと地盤の摩擦を低減することを特徴とする請求項1に記載の杭の杭孔施工方法。 - 前記調査孔用掘削ロッドで掘削された土砂を所望の深度位置で前記調査孔用掘削ロッドの前記ドリルよりも上方に設けた土砂採取室に採取する土砂採取工程を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の杭の杭孔施工方法。
- 前記調査工程において、前記調査孔を掘削しながら前記調査孔用掘削ロッドの前記フリクションカット部よりも上方に掘削液を供給し、前記フリクションカット部が前記ドリル側に前記掘削液が流れることを防止することを特徴とする請求項2又は3に記載の杭の杭孔施工方法。
- 前記指標は、前記回転駆動部の電流値であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の杭の杭孔施工方法。
- 前記調査工程において、前記杭孔を掘削する予定位置に前記調査孔を掘削することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の杭の杭孔施工方法。
- 前記調査工程の後に、前記調査孔用掘削ロッドの先端側から前記調査孔にセメントミルクを吐出させるセメントミルク吐出工程を更に備え、
前記杭孔を掘削する掘削工程前に前記セメントミルクを硬化させる
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の杭の杭孔施工方法。 - 前記調査工程で前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられる重機は杭打機であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の杭の杭孔施工方法。
- 回転駆動部を有する重機と、
前記重機の前記回転駆動部に取り付けて地盤調査用の調査孔を掘削するための調査孔用掘削ロッドと、
前記調査孔用掘削ロッドとは別体であって、前記重機の前記回転駆動部に取り付けて杭を建て込むための前記調査孔よりも大径の杭孔を掘削可能な杭孔用掘削ロッドと、
前記調査孔を掘削しながら前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられた前記重機に作用する地盤からの抵抗に対応する指標を計測可能な指標計測装置と
を備え、
前記調査孔用掘削ロッドが前記回転駆動部に取り付けられた前記重機を用いて前記調査孔を掘削し、
前記調査孔を掘削した後に、前記杭孔用掘削ロッドが前記回転駆動部に取り付けられた前記重機を用いて前記杭孔を掘削し、
前記調査孔を掘削しながら前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられた前記重機に作用する地盤からの抵抗に対応する指標を計測する
ことを特徴とする杭孔施工システム。 - 前記調査孔用掘削ロッドは、
円筒形状の平滑な外周面を有するストレートロッドと、
前記ストレートロッドに接続されるドリルと、
前記ドリルと前記ストレートロッドとの間に設けられ、前記ドリルと同径以上であって前記ストレートロッドよりも小径の環状のフリクションカット部と、
を含み、
前記フリクションカット部によって前記ストレートロッドと地盤の摩擦を低減することを特徴とする請求項9に記載の杭孔施工システム。 - 前記調査孔用掘削ロッドは、前記ストレートロッドと前記ドリルとの間にアダプタを更に含み、
前記アダプタは、
前記ストレートロッド又は前記ドリルの何れか一方に接続可能な外筒と、
前記ストレートロッド又は前記ドリルの何れか他方に接続可能であって、前記外筒と摺動可能に嵌合された内筒と、
前記ストレートロッドの周方向にて、前記外筒に対する前記内筒の可動範囲の両側で、前記外筒と前記内筒とを係合可能な周方向係合部と
を有し、
前記内筒の内部には土砂採取室が区画され、
前記内筒には、前記土砂採取室と外部とを連通可能であって前記外筒によって開閉可能な採取口が形成され、
前記外筒と前記内筒の相対変位に応じて、前記採取口が開かれるように構成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の杭孔施工システム。 - 前記ドリルは、先細り形状で外周に螺旋状の溝又は羽根を有し、
前記採取口は、前記螺旋状の溝の延長線上又は前記螺旋状の羽根の軸線方向に隣り合う部分の中間線の延長線上に位置していることを特徴とする請求項11に記載の杭孔施工システム。 - 前記アダプタは、
前記外筒の外周面に開口する吐出口と、
前記アダプタの軸線に沿って前記アダプタの内部に設けられ、前記吐出口を通じて前記アダプタの外側と連通可能な内部流路と、
前記吐出口を開閉可能であり、前記内部流路を通り前記吐出口に供給された液体の吐出圧で前記吐出口を開くように構成された弁体と
を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の杭孔施工システム。 - 前記フリクションカット部は、前記アダプタと一体に設けられて前記アダプタよりも大径であって、前記ドリルと前記吐出口との間に位置して前記ドリル側に前記掘削液が流れることを防止することを特徴とする請求項13に記載の杭孔施工システム。
- 前記指標は、前記回転駆動部の電流値であることを特徴とする請求項9乃至14の何れか一項に記載の杭の杭孔施工システム。
- 前記調査孔用掘削ロッドが取り付けられる重機は杭打機であることを特徴とする請求項9乃至15の何れか一項に記載の杭孔施工システム。
- 請求項9乃至16の何れか一項に記載の杭孔施工システムに用いられる前記調査孔用掘削ロッド。
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