JP7106437B2 - 切羽安定性評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネルの切羽の安定性を評価する方法、及びトンネルを掘進する方法に関する。
トンネルを掘進する場合において、トンネルの切羽前方に湧水帯があると、地下水の圧力が切羽前方における未掘削の地山に作用する。未掘削の地山の強度は、トンネルの掘進により切羽が湧水帯に近づくにつれ低下するため、トンネル掘進中に切羽が地下水の圧力により破壊され、工事が中断するおそれがある。このような事態を避けるため、切羽前方における湧水帯を探査し、湧水帯がある場合には、水抜き穴を削孔し湧水帯から水抜き穴を通じて地下水を抜く等の対策工を施工し、湧水帯の圧力を低下させつつトンネルを掘進する。特許文献1には、トンネルの掘進方向にボーリング穴を削孔して切羽前方における湧水帯を探査すると共に、湧水帯からボーリング穴に流入する地下水の圧力を計測することが開示されている。
特開2018-21315号公報
水抜き穴の削孔にはコストがかかる。そのため、切羽前方に湧水帯があったとしても、湧水帯の圧力が切羽の破壊を招かない程度に低く切羽が安定している場合には、水抜き穴を削孔することなくトンネルを掘進することが好ましい。また、水抜き穴を削孔する場合においても、水抜き穴の本数を必要最小限とすることが好ましい。このような理由から、例えば特許文献1に記載の方法により計測した地下水の圧力に基づいて切羽の安定性を評価し、評価した安定性に基づいて水抜き穴の要否を判断すると共に水抜き穴の本数を決定することが求められている。
しかしながら、切羽の安定性を評価する方法は確立されておらず、計測した湧水帯の圧力に基づいて現場の作業員が水抜き穴の要否を判断したり水抜き穴の本数を決定したりしているのが現状である。そのため、水抜き穴が不要であるにも関わらず水抜き穴を削孔したり、水抜き穴を必要以上の本数削孔したりすることがあり、コストが増加するおそれがある。そのため、作業員に頼らずに切羽の安定性を正確に評価することが求められている。
本発明は、切羽の安定性をより正確に評価することを目的とする。
本発明は、トンネルの掘進時における切羽の破壊に対する安定性を評価する切羽安定性評価方法であって、切羽前方における湧水帯の地下水圧力を含む地下水情報と、切羽と湧水帯との間の距離情報及び地山強度を取得する情報取得ステップと、情報取得ステップにて取得した地下水圧力、距離情報及び地山強度に基づいて、切羽の破壊に対する安定性を評価する安定性評価ステップと、を備え、安定性評価ステップにおいて、切羽と湧水帯との間の未掘削の地山を土塊として、湧水帯の地下水により土塊にかかる力を地下水圧力を用いて算出し、距離情報、切羽の周囲長、及び地山強度に基づいて土塊の抵抗力を算出し、土塊にかかる力と土塊の抵抗力の比較により、切羽の破壊に対する安定性を評価する
本発明によれば、切羽の安定性をより正確に評価することができる。
(a)は、本発明の実施形態に係るトンネル掘進方法により掘進中のトンネルを鉛直に切断したときの断面図であり、(b)は、(a)に示すIB-IB線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係る切羽安定性評価方法及びトンネル掘進方法のフローチャートである。 情報取得ステップを説明するための模式図である。 安定性評価ステップにて未掘削地山の抵抗力を算出する際に用いる地山のモデルを説明するための図である。 安定性評価ステップにて湧水帯の状態を予測する際に用いる地山のモデルを説明するための図である。 湧水帯における地下水の実測圧力と予測圧力の一例を示すグラフである。 湧水帯から流出する地下水の流量と湧水帯における水位との関係の一例を示すグラフである。 対策工仕様決定ステップのフローチャートである。 掘進ステップ及び再情報取得ステップにおけるトンネルを水平に切断したときの断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る切羽安定性評価方法及びトンネル掘進方法について説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、トンネル1の切羽2の前方に湧水帯3がある場合、湧水帯3における地下水の圧力が切羽2と湧水帯3との間における未掘削の地山(以下において、「未掘削地山UEG」と称する)に作用する。未掘削地山UEGの強度は、トンネル1の掘進により切羽2が湧水帯3に近づくにつれ低下するため、トンネル1の掘進中に切羽2が地下水の圧力により破壊されるおそれがある。地下水の圧力による切羽2の破壊を防ぐ方法として、水抜き穴5を削孔し湧水帯3から水抜き穴5を通じて地下水を抜く等の対策工を施工し、湧水帯3の地下水の圧力を低下させる方法がある。
水抜き穴5の削孔にはコストがかかる。そのため、切羽2の安定性を評価し、評価した安定性に基づいて水抜き穴5の要否を判断すると共に水抜き穴5の本数を決定することが求められている。
本実施形態に係る切羽安定性評価方法は、図1及び図2に示すように、湧水帯3の地下水情報を取得すると共に、切羽2と湧水帯3との間の距離情報及び地山強度情報を取得する情報取得ステップS201と、取得した地下水情報、距離情報及び地山強度情報に基づいて、切羽2の安定性を評価する安定性評価ステップS202と、を備える。評価結果は、地下水情報、距離情報及び地山強度情報に応じて変化する。したがって、切羽2の安定性をより正確に評価することができる。
また、本実施形態に係るトンネル掘進方法は、切羽安定性評価方法により評価した切羽2の安定性に基づいて、湧水帯3に対する対策工の仕様としての水抜き穴5の本数を決定する対策工仕様決定ステップS203を含む。そのため、水抜き穴5の要否を適切に決定することができると共に水抜き穴5の本数を適切に決定することができる。したがって、切羽2の破壊を防止しつつコストが増加するのを抑制することができる。
また、本実施形態に係るトンネル掘進方法は、対策工仕様決定ステップS203にて決定した本数の水抜き穴5を削孔すると共にトンネル1を掘進する掘進ステップS204と、掘進ステップS204の後、湧水帯3の地下水情報を再度取得する再情報取得ステップS205と、を含む。したがって、水抜き穴5を通じて湧水帯3から地下水を抜く対策工の効果を確認することができ、湧水帯3の近傍における地山を掘削する際に切羽2の破壊をより確実に防止することができる。
以下、切羽安定性評価方法の情報取得ステップS201及び安定性評価ステップS202、並びにトンネル掘進方法の対策工仕様決定ステップS203、掘進ステップS204及び再情報取得ステップS205について詳述する。
<情報取得ステップ>
まず、情報取得ステップS201について、図1及び図3を参照して説明する。情報取得ステップS201では、図1に示すように、地山に第1ボーリング穴6を削孔し、第1ボーリング穴6を利用して、湧水帯3における地下水の圧力及び湧水帯3から流出する地下水の流量を計測する。また、第1ボーリング穴6の削孔時に、切羽2と湧水帯3との間の距離Lを取得すると共に、切羽2の前方における地山強度としての地山の抵抗係数を取得する。
第1ボーリング穴6を利用して地下水の圧力及び流量を計測する手順、並びに距離L及び地山の抵抗係数を取得する手順について、図3を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、削孔ロッド10を用いて、トンネル1の掘進方向に第1ボーリング穴6を削孔する。削孔ロッド10は、円筒状の管体11と、管体11の一端に着脱可能に装着された削孔ビット12と、を備える。削孔ビット12は、第1ボーリング穴6を削孔する際には管体11に装着された状態で使用され、後述するように第1ボーリング穴6に取水管20を挿入する際には管体11から取り外される。
削孔ビット12は、地山に押し付けられた状態で回転することにより第1ボーリング穴6を削孔する。以下において、第1ボーリング穴6の削孔に伴って管体11及び削孔ビット12が移動する方向を「前方」とし、その逆方向を「後方」とする。
削孔ビット12は、管体11に装着された状態では、管体11に対して回転不能であり、管体11と共に回転する。管体11は、不図示の削孔機によって支持される。削孔機は、管体11を前方に押圧すると共に管体11を回転させる。これにより、削孔ビット12が地山に押し付けられた状態で回転し、第1ボーリング穴6が削孔される。
第1ボーリング穴6は、管体11の外径よりも大きい内径で削孔される。第1ボーリング穴6の内周面6sと管体11の外周面との間に形成される隙間は、削孔により生じる掘削ズリを排出するための通路として用いられる。具体的には、第1ボーリング穴6の削孔時には、排泥用の水が管体11の後端から削孔ビット12の後端に供給され、削孔ビット12に形成された孔13を通じて削孔ビット12の前方に噴出される。削孔により生じる掘削ズリは、削孔ビット12から噴出された水と共に、第1ボーリング穴6の内周面6sと管体11の外周面との隙間を通じて第1ボーリング穴6の口元から排出される。
第1ボーリング穴6の削孔時には、地山の抵抗係数を取得する。具体的には、削孔速度及び削孔トルク等の削孔データを計測し、計測した削孔データを用いて、地山の抵抗係数を算出する。削孔速度及び削孔トルク等は、地山の抵抗係数に応じて変化するので、削孔速度及び削孔トルク等と地山の抵抗係数との関係を予め実験により求めておき、実験により予め求めた関係と、第1ボーリング穴6の削孔時に計測した削孔速度及び削孔トルク等と、を用いることにより、地山の抵抗係数を算出することができる。
なお、地山強度は、地山の抵抗係数に限られず、一軸圧縮強度又は三軸圧縮強度であってもよい。一軸圧縮強度及び三軸圧縮強度は、第1ボーリング穴6の削孔時に発生する掘削ズリの一部を試料として採取し、試料に対して一軸圧縮強度試験又は三軸圧縮強度試験を実施することにより取得することができる。
また、第1ボーリング穴6の削孔時には、第1ボーリング穴6の削孔長を計測し、図3(b)に示すように、第1ボーリング穴6が湧水帯3に達したときの削孔長に基づいて、切羽2と湧水帯3との間の距離Lを算出する。第1ボーリング穴6が湧水帯3に達したか否かは、例えば、第1ボーリング穴6の口元から流出する水の流量に基づいて判断する。
具体的には、第1ボーリング穴6が湧水帯3に達していない状態では、湧水帯3から第1ボーリング穴6に地下水が流入しないため、第1ボーリング穴6の口元から排出される泥水には地下水がほとんど含まれない。一方で、第1ボーリング穴6が湧水帯3に達すると、湧水帯3における地下水が第1ボーリング穴6に流入する。そのため、削孔ビット12から噴出される排泥用の水に地下水が加えられる。そのため、第1ボーリング穴6の口元から排出される泥水中の水分が増加する。
このように、第1ボーリング穴6が湧水帯3に達したときには、第1ボーリング穴6が湧水帯3に達していないときと比較して、第1ボーリング穴6の口元から排出される水の流量が多くなる。換言すれば、第1ボーリング穴6の口元から流出する水の流量が多くなったときに第1ボーリング穴6が湧水帯3に達したと判断することができる。
なお、予め湧水帯3の位置がわかっている場合には、切羽2の位置に基づいて切羽2と湧水帯3との間の距離Lを算出してもよい。
第1ボーリング穴6が湧水帯3に達したところで第1ボーリング穴6の削孔を終了する。次に、図3(c)に示すように、削孔ロッド10を後退させ、削孔ビット12を湧水帯3から手前に移動させる。これにより、第1ボーリング穴6の前端と削孔ビット12との間に空間が形成される。
次に、図3(d)に示すように、削孔ロッド10の管体11内に取水管20を挿入する。取水管20の前端を削孔ビット12の後端に当接させた状態で取水管20を押し込むことにより、削孔ビット12を管体11から取り外すと共に、取水管20の前端近傍の外周に設けられたパッカ24を管体11から出す。その後、湧水帯3の位置よりもトンネル1の切羽2側においてパッカ24を拡張し、取水管20の外周面と第1ボーリング穴6の内周面6sとの間を閉塞する。これにより、湧水帯3における地下水を削孔ビット12の孔13を通じて取水管20に取り込むことができる。
取水管20の後端付近に圧力計21を取付けると共に、取水管20の後端に流量計22を取付けることにより、取水管20における地下水の圧力及び流量の測定が可能になる。以上により、取水管20等の設置が完了する。
取水管20は、湧水帯3と第1ボーリング穴6の口元との間に渡って設置される。そのため、湧水帯3から取水管20に流入した地下水は、取水管20を通じて第1ボーリング穴6の口元まで導かれる。したがって、第1ボーリング穴6の内周面6sから流入する地下水が取水管40の先端から流入したり、湧水帯3の地下水が第1ボーリング穴6の内周面6sから地山に浸透したりすることを防止することができ、地下水の情報である流量及び圧力をより高い精度で計測することができる。
取水管20の外周面と第1ボーリング穴6の内周面6sとの間は、パッカ24によって閉塞される。したがって、湧水帯3における地下水が取水管20の外周面と第1ボーリング穴6との間を通じて第1ボーリング穴6の口元から排出されるのを防ぐことができ、地下水の流量及び圧力をより高い精度で計測することができる。
また、削孔ロッド10の管体11は、第1ボーリング穴6内に残される。そのため、第1ボーリング穴6が崩れるのを管体11によって防止することができる。したがって、取水管20を容易に第1ボーリング穴6に挿入することができる。
なお、取水管20の設置後には、管体11を第1ボーリング穴6から抜き出してもよい。また、地山が安定しており第1ボーリング穴6が崩れるおそれがない場合には、管体11を第1ボーリング穴6から完全に抜いた後に取水管20を第1ボーリング穴6に挿入してもよい。
圧力計21及び流量計22を用いて計測した圧力及び流量は、切羽2の安定性を評価する安定性評価手段としてのマイクロコンピュータ30に地下水情報として取り込まれる。マイクロコンピュータ30には、地下水情報に加え、算出した距離L及び地山の抵抗係数がそれぞれ距離情報及び地山強度情報として取り込まれる。
以上により、情報取得ステップS201が完了する。
<安定性評価ステップ>
次に、安定性評価ステップS202について、図4から図7を参照して説明する。安定性評価ステップS202は、マイクロコンピュータ30によって実行される。
マイクロコンピュータ30は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、CPUにより実行される制御プログラム等を記憶するROM(Read-Only Memory)と、CPUの演算結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)と、を含む。マイクロコンピュータ30は、1つであってもよいし複数であってもよい。
マイクロコンピュータ30は、取得した地下水情報、距離情報及び地山強度情報に基づいて、圧力計21によって計測が行われた時点での切羽2の安定性を評価すると共に、圧力計21によって計測が行われた以降での切羽2の安定性を評価する。ここでは、図4に示すように、切羽2を円形とし、切羽2の前方における未掘削地山UEGを円柱状の土塊(「バルクヘッド」とも呼ばれる)と見なし、地下水により土塊にかかる力Fwと土塊の抵抗力Fgの関係から切羽2の安定性を評価する。また、未掘削地山UEGの中心軸は水平に延びているとし、未掘削地山UEGの中心軸を通る水平面を基準面DLとする。
地下水により土塊にかかる力Fwは、湧水帯3における基準面DL上の地下水の圧力である湧水帯の地下水圧力Pと、切羽2の直径Rと、を用いて、
Fw=P×π(R/2)^2 ・・・(1)
と表される。
また、土塊の抵抗力Fgは、土塊の外周面が、土塊の外周面に接する地山の内周面から受ける力に相当すると仮定して、距離L、切羽2の直径R、地山の抵抗係数Cを用いて、
Fg=L×πR×C ・・・(2)
と表される。
式(1)と式(2)から、土塊にかかる力Fwと土塊の抵抗力Fgとが一致するときの湧水帯の地下水圧力Piは、
Pi=4CL/R ・・・(3)
と表される。
切羽2は、式(3)で表される湧水帯の地下水圧力Piよりもある程度高い圧力を受けても安定状態を維持することが分かっている。換言すれば、切羽2の安定状態を維持可能な安定水圧Psは、式(3)で表される湧水帯の地下水圧力Piに予め定められる所定の圧力Pcを加えた圧力とすることができ、
Ps=4CL/R+Pc ・・・(4)
と表される。
式(4)において、切羽2の直径Rはトンネル1の仕様によって決まる値であり、所定の圧力Pcは予め定められる値であり、地山の抵抗係数C及び距離Lは情報取得ステップS201にて取得される値である。したがって、式(4)を用いることによって、安定水圧Psを算出することができる。
マイクロコンピュータ30は、湧水帯の地下水圧力Pと、安定水圧Psと、を比較することにより、切羽2の安定性を評価する。具体的には、湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Ps以下である場合には、切羽2は安定していると評価する。湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Psを越えている場合には、切羽2は不安定であると評価する。
湧水帯の地下水圧力Pは、情報取得ステップS201にて取得した圧力情報に基づいて算出することができる。具体的には、図5に示すように、取水管20の後端を閉塞し、取水管20における地下水の流れを止める。この状態では取水管20内における摩擦損失が生じない。そのため、湧水帯の地下水圧力Pは、圧力計21を用いて計測した計測圧力Pmと、圧力測定点Ppと基準面DLとの鉛直方向の間隔Hcと、地下水の密度ρと、重力加速度gと、を用いて
P=Pm-ρgHc ・・・(5)
と表される。
式(5)において、間隔Hcは取水管20の設置によって定まる値であり、密度ρ及び重力加速度gは既知の値であり、計測圧力Pmは情報取得ステップS201にて取得される値である。したがって、式(5)を用いることによって、湧水帯の地下水圧力Pを算出することができる。
このように、マイクロコンピュータ30は、安定水圧Psを算出すると共に湧水帯の地下水圧力Pを算出し、安定水圧Psと湧水帯の地下水圧力Pとを比較することによって、圧力計21によって計測が行われた時点での切羽2の安定性を評価する。
ところで、情報取得ステップS201にて設置された取水管20は、水抜き穴としても機能する。そのため、取水管20の後端を開放した状態では、湧水帯3における地下水は取水管20から流出する。地下水の流出に伴って、湧水帯3における水位は時間の経過と共に低下し、湧水帯の地下水圧力Pは低下する。つまり、湧水帯3の状態は時間の経過と共に変化する。
また、切羽2と湧水帯3との間の距離Lは、トンネル1の掘進に伴って短くなる。そのため、安定水圧Ps(式(4)参照)は、トンネル1の掘進に伴って低下する。
マイクロコンピュータ30は、圧力計21によって計測が行われた以降における湧水帯の地下水圧力P及び距離Lを予測し、予測した湧水帯の地下水圧力P及び距離Lに基づいて切羽2の安定性を評価する。湧水帯の地下水圧力P及び距離Lを予測する方法について詳述する。
ここでは、図5に示すように、湧水帯3は、水平断面積Sが鉛直位置に関わらず一定の立体であると仮定すると共に、湧水帯3における地下水は取水管20を通じてのみ流出すると仮定する。また、基準面DLから地下水の水面までの距離を、湧水帯3における水位Hとする。
まず、水平断面積Sを算出する。湧水帯3から流出する地下水の量Vは、水位Hの低下量ΔH及び水平断面積Sを用いて
V=ΔH×S ・・・(6)
と表される。
流出する地下水の量Vは、流量計22を用いて計測した流量Qmに基づいて算出することができ、水位Hの低下量ΔHは、圧力計21を用いて計測した圧力Pmに基づいて算出することができる。具体的には、図6に示すように、時間T0から時間T1までの期間、取水管20の後端を閉塞し湧水帯3から流出する地下水の流量Qmを0(零)にし、時間T1にて取水管20の後端を開放し湧水帯3から取水管20を通じて地下水を流出させる。その後、時間T2にて取水管20の後端を再度閉塞し、湧水帯3から流出する地下水の流量Qmを0(零)する。時間T1から時間T2までの期間に渡って計測した流量Qmを用いることによって、湧水帯3から流出する地下水の量Vを算出することができる。また、時間T1以前と時間T2以降に測定した圧力Pmを用いて圧力差を算出することによって、水位Hの低下量ΔHを算出することができる。算出した地下水の量V及び水位Hの低下量ΔHと、式(6)と、を用いることによって、水平断面積Sを算出することができる。
次に、算出した水平断面積Sを用いて、時間Tでの水位H及び湧水帯の地下水圧力Pを予測する。ここでは、時間T3にて取水管20の後端を開放すると仮定し、時間T3以降における水位H及び湧水帯の地下水圧力Pを予測する。以下において、時間T3から所定期間経過後の時間を「時間T」とする。
時間T3から時間Tまでの期間に湧水帯3から流出する地下水の量Vは、時間T3における水位H3、時間Tにおける水位H、及び水平断面積Sを用いて
V=(H3-H)×S ・・・(7)
と表される。
また、流出する地下水の量Vは、取水管20に流入する地下水の流量Qを時間T3から時間Tまで積分した値に等しいため、
Figure 0007106437000001
と表される。式(7)及び(8)から、次の式(9)が得られる。
Figure 0007106437000002
取水管20に流入する地下水の流量Qは、水位Hの低下に伴って減少する。流量Qと水位Hとの関係は、例えばマニング(Manning)公式を用いることによって求めることができる。図7は、マニング公式を用いて求めた流量Qと水位Hとの関係を示すグラフの一例である。
流量Qと水位Hとの関係は、取水管20の内径及び取水管20の内壁面の粗度係数に応じて変化することがわかっている。図7では、内径を同じにして粗度係数を変えて求めた流量Qと水位Hとの関係を示しており、点線は、粗度係数をRC1として求めた関係であり、一点鎖線は、粗度係数をRC2(ただし、RC2>RC1であり、粗度係数がRC1である内壁面よりも粗い)として求めた関係である。
時間T1,T2における水位H1,H2及び流量Q1,Q2は、時間T1,T2に圧力計21及び流量計22を用いて計測した圧力Pm及びQmを用いて算出可能である。そのため、マニング(Manning)公式と、水位H1,H2及び流量Q1,Q2と、を用いることにより、取水管20における内壁面の粗度係数を算出することができ、流量Qと水位Hとの関係(図7において実線で示した関係)を取得することができる。
式(9)と、図7に示す流量Qと水位Hとの関係と、を用いることにより、時間Tにおける水位Hを予測することができ、時間Tにおける湧水帯の地下水圧力Pを予測することができる。
以上により、時間T3以降における湧水帯3の状態としての湧水帯の地下水圧力Pを予測する。
次に、時間Tでの安定水圧Psを予測する。ここでは、トンネル1が一定の速度で掘進されると仮定する。時間Tにおける切羽2と湧水帯3までの距離Lは、時間T3における距離L3及びトンネル1の掘進速度Vtを用いて、
L=L3-Vt×(T-T3) ・・・(10)
と表される。式(4)及び式(10)から、時間Tにおける安定水圧Psは、
Ps=4C{L3-Vt×(T-T3)}/R+Pc ・・・(11)
と表される。図6に、時間T3以降における安定水圧Psを併記する。
湧水帯の地下水圧力P及び安定水圧Psは、トンネル1が湧水帯3に達すると予測される時間T6まで予測される。時間T6は、時間T3における距離L3と掘進速度Vtとに基づいて算出することができる。
次に、予測した安定水圧Psと、予測した湧水帯の地下水圧力Pと、を比較することによって、安定性を評価する。図6に示す例(水抜き穴0本の実線参照)では、時間T3から時間T5における期間では、予測した湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Psよりも低い。そのため、時間T5までは切羽2は安定している。一方で、時間T5以降では、予測した湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Psよりも高い。そのため、時間T5以降、切羽2は不安定になる。このような場合、マイクロコンピュータ30は、切羽2が不安定になる期間がある、と評価する。
なお、図示を省略するが、時間T3から時間T6における期間において、予測した湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Psよりも低い場合には、マイクロコンピュータ30は、切羽2は安定している、と評価する。
以上により、安定性評価ステップS202が終了する。
以上の切羽安定性評価方法では、取得した地下水情報、距離情報及び地山強度情報に基づいて、切羽2の安定性が評価される。そのため、安定性の評価は、取得した地下水情報、距離情報及び地山強度情報に応じて変化する。したがって、切羽2の安定性をより正確に評価することができる。
また、安定性評価ステップS202では、時間T3以降における湧水帯の地下水圧力Pを予測し、予測した湧水帯の地下水圧力Pに基づいて切羽2の安定性を評価する。そのため、安定性の評価は、時間T3以降における湧水帯の地下水圧力Pの予測値に応じて変化する。したがって、時間T3以降における切羽2の安定性をより正確に事前に評価することができる。
また、安定性評価ステップS202では、時間T3以降における切羽2と湧水帯3との間の距離Lを予測し、予測した距離L、予測した湧水帯の地下水圧力P及び取得した地山強度情報に基づいて切羽2の安定性を評価する。そのため、安定性の評価は、時間T3以降における距離L及び湧水帯の地下水圧力Pの予測値に応じて変化する。したがって、時間T3以降における切羽2の安定性をより正確に事前に評価することができる。
<対策工仕様決定ステップ>
次に、トンネル掘進方法の対策工仕様決定ステップS203について、図8を参照して説明する。対策工仕様決定ステップS203は、安定性評価ステップS202と同様に、マイクロコンピュータ30によって実行される。なお、対策工仕様決定ステップS203は、安定性評価ステップS202を実行するマイクロコンピュータ30とは別のマイクロコンピュータによって実行されてもよい。
図8に示すように、ステップS801では、水抜き穴5の最適な本数を示す変数Nを「0(零)」に設定する。ステップS802では、安定性評価ステップS202における評価結果を取得する。ステップS803では、取得した評価結果が、切羽2は不安定になる期間がある、との評価であるか否かを判断する。
ステップS803にて、切羽2は不安定になる期間がある、との評価でないと判断した場合には、ステップS804に進む。ステップS803にて、切羽2は不安定になる期間がある、との評価であると判断した場合には、ステップS805に進む。
ステップS805では、変数Nに「1」を加算する。ステップS806では、水抜き穴5をN本削孔した場合における切羽2の安定性を評価する。具体的には、水抜き穴5をN本削孔した場合における湧水帯の地下水圧力Pを、安定性評価ステップS202にて湧水帯の地下水圧力Pを予測した方法と同じ方法により予測し、予測した湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Psを超えるか否かを判断する。
図6に、水抜き穴5を1本削孔した場合と2本削孔した場合の湧水帯の地下水圧力Pの予測結果を併記する。図6では、時間T4にて水抜き穴5の削孔が完了する例を示している。図6に示す例では、水抜き穴5が1本である場合には、予測した湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Psを超える期間がある一方で、水抜き穴5が2本である場合には、予測した湧水帯の地下水圧力Pが安定水圧Psを超えない。つまり、マイクロコンピュータ30は、水抜き穴5が1本である場合には、切羽2が不安定になる期間がある、と評価し、水抜き穴5が2本である場合には、切羽2は安定している、と評価する。
ステップS806にて切羽2の安定性を評価した後、ステップS803に戻る。
ステップS804では、水抜き穴5の最適本数はN本であると決定する。図6に示す例では、マイクロコンピュータ30は、水抜き穴5の最適本数は2本であると決定する。なお、水抜き穴5の最適本数が0本であると決定することは、対策工が不要であると決定することと同義である。
以上により、対策工仕様決定ステップS203を終了する。
以上のトンネル掘進方法では、切羽安定性評価方法により評価した切羽2の安定性に基づいて、湧水帯3に対する対策工の仕様としての水抜き穴5の本数を決定する。そのため、水抜き穴5の要否を適切に決定することができると共に水抜き穴5の本数を適切に決定することができる。したがって、切羽2の破壊を防止しつつコストが増加するのを抑制することができる。
<掘進ステップ>
次に、トンネル掘進方法の掘進ステップS204について、図9を参照して説明する。掘進ステップS204では、対策工仕様決定ステップS203にて決定した本数の水抜き穴5を削孔して水抜き穴5を通じて湧水帯3から地下水を抜く対策工を施工すると共に、トンネル1を掘進する。湧水帯3に対する対策工の施工と、トンネル1の掘進と、を並行して行うことにより、切羽2の破壊を防ぎつつトンネル1の工事期間を短縮することができる。
なお、対策工仕様決定ステップS203にて水抜き穴5の最適本数が0本であるとマイクロコンピュータ30が決定した場合には、水抜き穴5は削孔されず、トンネル1の掘進のみが行われる。
<再情報取得ステップ>
次に、トンネル掘進方法の再情報取得ステップS205について、図9を参照して説明する。再情報取得ステップS205は、湧水帯3における地下水の圧力及び湧水帯3から流出する地下水の流量を再計測することにより、対策工の効果を判断するために行われる。
図9に示すように、再情報取得ステップS205では、切羽2の近傍からトンネル1の掘進方向に第2ボーリング穴7を削孔し、第2ボーリング穴7を利用して湧水帯3の地下水情報を取得する。第2ボーリング穴7を削孔する手順及び地下水情報を取得する手順は、第1ボーリング穴6の削孔手順及び地下水情報の取得手順と略同じであるため、ここではその説明を省略する。
第2ボーリング穴7は、トンネル1の掘進後、削孔される。そのため、第2ボーリング穴7の削孔開始地点を、第1ボーリング穴6の削孔開始地点よりも湧水帯3に近づけることができ、第2ボーリング穴7の削孔長を第1ボーリング穴6の削孔長よりも短くすることができる。したがって、湧水帯3から第2ボーリング穴7に流入する地下水の圧力及び流量をより正確に計測することができる。これにより、対策工の効果をより正確に判断することができ、湧水帯3の近傍における地山を掘削する際に切羽2の破壊をより確実に防ぐことができる。
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
本実施形態に係る切羽安定評価方法では、取得した地下水情報、距離情報及び地山強度情報に基づいて、切羽2の安定性を評価する。そのため、安定性の評価は、取得した地下水情報、距離情報及び地山強度情報に応じて変化する。したがって、切羽2の安定性をより正確に評価することができる。
また、切羽安定性評価方法では、取得した地下水情報に基づいて、所定期間経過後における湧水帯の地下水圧力Pを予測し、予測した湧水帯の地下水圧力Pに基づいて切羽2の安定性を評価する。そのため、安定性の評価は、所定期間経過後における湧水帯の地下水圧力Pの予測値に応じて変化する。したがって、切羽2の安定性をより正確に事前に評価することができる。
また、切羽安定性評価方法では、取得した距離情報、及びトンネル1の掘進速度Vtに基づいて、所定期間経過後における切羽2と湧水帯3との間の距離Lを予測し、予測した距離L、予測した湧水帯の地下水圧力P、及び取得した地山強度情報に基づいて切羽2の安定性を評価する。そのため、安定性の評価は、所定期間経過後の距離L及び湧水帯の地下水圧力Pの予測値に応じて変化する。したがって、切羽2の安定性をより正確に事前に評価することができる。
また、切羽安定性評価方法では、トンネル1の掘進方向に第1ボーリング穴6を削孔し、第1ボーリング穴6を利用して湧水帯の地下水圧力P及び湧水帯3から流出する地下水の流量Qを取得する。そのため、第1ボーリング穴6には、湧水帯3における地下水が流入し、取得した湧水帯の地下水圧力P及び流量Qは、湧水帯3の状態に応じて変化する。したがって、湧水帯3における地下水の情報を精度よく取得することができ、切羽2の安定性をより正確に評価することができる。
本実施形態に係るトンネル掘進方法では、切羽安定性評価方法により評価した切羽2の安定性に基づいて、湧水帯3に対する対策工の仕様としての水抜き穴5の本数を決定する。そのため、水抜き穴5の要否を適切に決定することができると共に水抜き穴5の本数を適切に決定することができる。したがって、切羽2の破壊を防止しつつコストが増加するのを抑制することができる。
また、トンネル掘進方法では、決定した対策工を施工すると共にトンネル1を掘進した後、トンネル1の掘進方向に第2ボーリング穴7を削孔し、第2ボーリング穴7を利用して湧水帯3の地下水情報を取得する。そのため、第2ボーリング穴7の削孔開始地点を、第1ボーリング穴6の削孔開始地点よりも湧水帯3に近づけることができ、第2ボーリング穴7の削孔長を第1ボーリング穴6の削孔長よりも短くすることができる。したがって、湧水帯3から第2ボーリング穴7に流入する地下水の圧力及び流量をより正確に計測することができる。これにより、対策工の効果をより正確に判断してトンネル1を掘進することができ、切羽2の破壊をより確実に防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
切羽2の安定性評価後においても第1ボーリング穴6を利用して湧水帯の地下水圧力P及び流量Qを継続して取得してもよく、この場合には、予測した湧水帯の地下水圧力P及び流量Qが取得した湧水帯の地下水圧力P及び流量Qと一致するかを確認することが好ましい。予測した湧水帯の地下水圧力P及び流量Qが取得した湧水帯の地下水圧力P及び流量Qと一致しない場合には、湧水帯の地下水圧力P及び流量Qを予測しなおし、切羽2の安定性を評価しなおすのが好ましい。
上記実施形態では、時間T3以降における湧水帯の地下水圧力Pと距離Lとの両方を予測して切羽2の安定性を評価しているが、湧水帯の地下水圧力P又は距離Lの一方のみを予測する形態であってもよい。この場合には、湧水帯の地下水圧力P又は距離Lの他方として、取得した時間T3での湧水帯の地下水圧力P又は距離Lを用いればよい。
また、上記実施形態では、第1ボーリング穴6を利用して、湧水帯3における地下水の圧力及び湧水帯3から流出する地下水の流量を計測しているが、圧力又は流量の一方のみを第1ボーリング穴6を利用して取得する形態であってもよい。この場合には、圧力又は流量の他方は、第1ボーリング穴6とは別に削孔したボーリング穴を利用して計測すればよい。
また、上記実施形態では、未掘削地山UEGを土塊と見なして安定水圧Psを算出しているが、流体流動を考慮した岩盤の崩壊現象を評価可能な解析手法である個別要素法(Distinct Element Method:DEM)を用いて安定水圧Psを算出してもよい。この場合は、水圧破砕による切羽2の崩壊が生じる破壊水圧に基づいて安定水圧Psを算出することができ、切羽2の安定性をより正確に評価することができる。
また、上記実施形態では、流量Qと水位H(または地下水圧)との関係は、トンネル周辺の水抜き孔の配置を考慮できる理論解析や湧水帯の形状、周辺の地質構造などを考慮できる有限要素法(FEM)による浸透流解析法などとマニング公式を用いて算出することができ、より正確に評価することができる。
また、上記実施形態では、図7に示す流量Qと水位Hとの関係を、計測した圧力Pm及び流量Qmに基づいて算出しているが、取水管20の内周面における粗度係数RCが予め判明している場合には、判明している粗度係数RCとマニング公式とを用いて流量Qと水位Hとの関係を算出してもよい。
また、上記実施形態では、地山強度としての抵抗係数を、第1ボーリング穴6を削孔する際に取得しているが、第1ボーリング穴6の削孔とは別に取得してもよい。例えば、トンネル1の側壁を掘削して試料を採取し、採取した試料を利用して地山強度としての抵抗係数、一軸圧縮強度又は三軸圧縮強度を取得してもよい。また、地山全体に渡って地山強度が略一定であると見なして、地表を掘削して試料を採取し、採取した試料を利用して地山強度としての抵抗係数、一軸圧縮強度又は三軸圧縮強度を取得してもよい。また、一軸圧縮強度及び三軸圧縮強度に相当する指標として用いられているものを利用することもできる。
また、上記実施形態では、トンネル1の掘進速度Vtを一定値としているが、トンネル1の掘進速度Vtが一定でないことが予め判明している場合には、判明している掘進速度Vtを用いて距離Lを予測すればよい。
1・・・トンネル
2・・・切羽
3・・・湧水帯
5・・・水抜き穴
6・・・第1ボーリング穴
7・・・第2ボーリング穴
C・・・抵抗係数(地山強度情報)
P・・・湧水帯の地下水圧力(地下水情報)
Q・・・流量(地下水情報)
L・・・切羽と湧水帯との距離

Claims (7)

  1. トンネルの掘進時における切羽の破壊に対する安定性を評価する切羽安定性評価方法であって、
    前記切羽の前方における湧水帯の地下水圧力を含む地下水情報と、前記切羽と前記湧水帯との間の距離情報及び地山強度を取得する情報取得ステップと、
    前記情報取得ステップにて取得した前記地下水圧力、前記距離情報及び前記地山強度に基づいて、前記切羽の破壊に対する安定性を評価する安定性評価ステップと、を備え
    前記安定性評価ステップにおいて、
    前記切羽と前記湧水帯との間の未掘削の地山を土塊として、前記湧水帯の地下水により前記土塊にかかる力を前記地下水圧力を用いて算出し、
    前記距離情報、前記切羽の周囲長、及び前記地山強度に基づいて前記土塊の抵抗力を算出し、
    前記土塊にかかる力と前記土塊の抵抗力の比較により、前記切羽の破壊に対する安定性を評価する
    切羽安定性評価方法。
  2. 前記地山強度は、地山の抵抗係数を含む、
    請求項1に記載の切羽安定性評価方法。
  3. 前記地山の抵抗係数は、地山の削孔時に計測した削孔データにより算出される、
    請求項2に記載の切羽安定性評価方法。
  4. 前記地山強度は、地山の一軸圧縮強度又は三軸圧縮強度を含む、
    請求項1に記載の切羽安定性評価方法。
  5. 前記安定性評価ステップでは、前記情報取得ステップにて取得した前記地下水圧力に基づいて、所定期間経過後における前記湧水帯の地下水圧力を予測し、予測した前記湧水帯の地下水圧力に基づいて前記切羽の破壊に対する安定性を評価する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の切羽安定性評価方法。
  6. 前記安定性評価ステップでは、前記情報取得ステップにて取得した前記距離情報、及び前記トンネルの掘進速度に基づいて、前記所定期間経過後における前記切羽と前記湧水帯との間の距離を予測し、予測した前記距離、予測した前記湧水帯の地下水圧力、及び前記情報取得ステップにて取得した前記地山強度に基づいて前記切羽の破壊に対する安定性を評価する、
    請求項に記載の切羽安定性評価方法。
  7. 前記情報取得ステップでは、前記トンネルの掘進方向に第1ボーリング穴を削孔し、前記第1ボーリング穴を利用して前記地下水圧力を取得する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の切羽安定性評価方法。
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