JP3943430B2 - 切羽前方地山性状予測方法および地山掘削方法 - Google Patents

切羽前方地山性状予測方法および地山掘削方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネルボーリングマシンにより地山を掘削する際の切羽前方地山性状予測方法および地山掘削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネルボーリングマシン(以下、TBMという)は、ディスクカッタを回転させながらグリッパを坑壁に押しつけ固定し、これに反力をとり、スラストジャッキを伸ばして機体を前進させて地山を掘削する。このTBMを用いて地山を掘削すると急速施工が期待できる反面、断層破砕帯等の脆弱な地層に遭遇すると切羽の崩壊などにより掘削不能となる場合がある。このような事態を避けるためには、切羽前方の地山性状を正確に予測し、切羽前方に脆弱層が存在すると予測した場合には適切な先受け工法を実施し、地山の崩壊を防止することが極めて重要となる。
【0003】
しかしながら、TBMは全断面トンネル掘進機ともいわれるように切羽がTBM機体で塞がれており、切羽の地山の様子を直接観察することができない。このため、切羽前方の地山性状を予測する方法として、例えば、特開2002−013381号公報に開示されるように、TBMに搭載された油圧式削岩機により穿孔する際に要する穿孔エネルギに基づいて切羽前方の地山性状を予測することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開2002−013381号公報に開示された技術をTBMで地山を掘削する際に適用した場合、通常、1断面あたり1カ所の削孔を実施する場合が多い。しかしながら、地山脆弱部が切羽前方の未掘削地山に不規則な形状で分布する場合、脆弱層を回避した状態で削孔される可能性もあり、脆弱層の存在を正確に把握できない場合があった。一方、1断面あたり複数箇所を穿孔し切羽前方の地質探査を行うものとすると、手間がかかるばかりか、TBMの施工サイクルに影響を与え、TBMの急速施工という利点を犠牲にする恐れがあった。
【0005】
一方、掘削時に得られるカッタトルクやスラスト推力等のTBMの掘削データは、切羽の地山性状を均した面的なデータとなり、既往の研究により比較的広範な地山性状と高い相関があることが知られている。しかし、これらのデータはTBM周辺の既掘削区間における地質性状を評価するために利用されることが多く、切羽前方の地質探査への適用は十分になされていない。
本発明の課題は、TBMの掘削データを利用して切羽前方の地山性状を正確に予測し、TBMが脆弱層に進入し掘削不能となる事態を回避することのできるトンネルボーリングマシンの切羽前方地山性状予測方法および地山掘削方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、 トンネルボーリングマシン1で地山を掘削する際に、切羽前方の地山性状を予測する切羽前方地山性状予測方法であって、切羽の所定距離前方に脆弱層が存在する可能性を示唆する地山性状を示す値として第一のしきい値Aを予め設定するとともに、切羽が脆弱層に近接している可能性を示唆する地山性状を示す値として前記第一のしきい値よりも低い第二のしきい値Bを予め設定しておき、トンネルボーリングマシン1を掘進させ、このトンネルボーリングマシン1の掘進中の切羽において地山を掘削する際に要するカッタトルク、スラスト推力、カッタ回転数、カッタ貫入量のうち少なくとも一つを掘削データとして収集し、収集された前記掘削データから掘削中の切羽における地山性状を示す値(推定岩盤強度)を推定し、この推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値を前記第一のしきい値及び前記第二のしきい値と比較し、トンネルボーリングマシン1が予め設定された所定の第一の距離(例えば、1st:1.5m)を掘進する間、前記推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値が前記第一のしきい値Aを継続して下回る場合、又は、トンネルボーリングマシンが予め設定されて前記第一の距離よりも短い所定の第二の距離(例えば、10cm)を掘進する間、前記推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値が前記第第二のしきい値Bを継続して下回る場合、切羽前方に脆弱層が存在する可能性があると予測することを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、トンネルボーリングマシンを掘進させる際に、掘削中の切羽において地山を掘削する際に要する掘削データを収集し、この掘削データから掘削中の切羽における地山性状を示す値を推定している。そして、この推定された切羽における地山性状を示す値と、予め設定されたしきい値とを比較し、トンネルボーリングマシンが予め設定された所定の距離を掘進する間、推定された切羽における地山性状を示す値が継続して前記しきい値を下回ると、切羽前方に脆弱層が存在すると予測している。収集される掘削中の切羽における前記掘削データは、直径が4,5mに達する切羽全面から得られるものであるため、従来のように直径が65mm程度のボーリング孔から切羽前方の地山性状を評価する場合と比して、地山の性状を均した面的なデータから切羽前方の地山性状を評価することになる。このため、切羽の前方に脆弱層が不均一な形状で存在する場合であっても、面的なデータから脆弱層の存在を正確に把握することができ、従来の様にボーリング孔を穿設した位置が脆弱層を捉えていなかったために、トンネルボーリングマシンが脆弱層の存在に気が付かず、脆弱層に遭遇し掘進が不能となる事態に陥ることがない。
【0008】
また、トンネルボーリングマシンの掘進とともに掘削データを収集し、しきい値と前記推定された切羽の地山性状を示す値とを比較しているので、切羽前方の脆弱層存在の可能性の有無をトンネルボーリングマシンの掘進とともに予測することができる。また、地山の性状が安定している時には、切羽前方の地山性状を予測するために掘進を停止してボーリング孔を穿設して切羽前方探査を行う必要がなく、トンネルボーリングマシンの急速施工を保つことができる。
【0009】
また、地山性状が急激に変化する場合であっても、第二の距離は第一の距離よりも短く、かつ第二のしきい値と掘削データから推定される掘削中の切羽における地山性状を示す値との比較により、切羽が脆弱層に近接している可能性をいち早く予測することができる。このため、トンネルボーリングマシンが地山の急激な変化を予測することができずに、脆弱層に遭遇し掘削が不能となる事態を避けることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の切羽前方地山性状予測方法において、トンネルボーリングマシンの1ストローク分の推進距離を前記第一の距離とする。
【0011】
請求項3記載の発明の地山掘削方法は、例えば、図1、図2および図4に示すように、請求項1または2に記載の切羽前方地山性状予測方法を用いて切羽前方の地山性状を予測しながら、トンネルボーリングマシン1で地山を掘削し、切羽前方に脆弱層が存在すると予測されると、トンネルボーリングマシンの掘進を停止することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、予め設定されたしきい値と、掘削データから推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値との比較により、切羽前方の地山性状を予測し、切羽前方に脆弱層が存在する可能性があると予測した場合に停止するものとしている。したがって、トンネルボーリングマシンの掘進を停止すべきか否かについての判断を客観的に行うことができる。このため、判断する人の経験等によってトンネルボーリングマシンの掘進を停止するか否かの判断が左右されることがない。
また、トンネルボーリングマシンを停止すれば、チャンバー内からトンネルボーリングマシンのカッタヘッドに設けられたスクレーパ等の隙間から切羽の地山の性状を目視にて直接観察することができる。したがって、目視にて観察した上で、先受けを行うか、あるいはボーリング孔を複数穿設してさらに詳細に切羽前方の地質探査を行うか等を判断することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の地山掘削方法において、例えば図2または図4に示すように、切羽の前方に脆弱層が存在すると予測された場合には、切羽前方の地山にボーリング孔を複数箇所穿設して切羽前方の地質探査を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、トンネルボーリングマシンの掘削データから推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値と予め設定されたしきい値との比較により、切羽の前方に脆弱層が存在する可能性があると予測された場合には、ボーリング孔を切羽前方に向けて複数箇所穿設して切羽前方の地質探査を行うので、脆弱層の存在する位置や規模等をより詳細に把握することができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の地山掘削方法において、例えば図2または図4に示すように、前記切羽前方の地質探査の結果に応じて地山の掘削に先行して切羽前方の地山を補強する先受けを行うことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、切羽前方に複数のボーリング孔を穿設して切羽前方の地質探査を行い、その結果に応じて地山の掘削に先行して切羽前方の地山を補強する先受けを行うものとしている。このため、切羽前方の地山を改良して地山の崩落を防ぎ、トンネルボーリングマシンが脆弱層に捉えられて掘進不能となることなく、地山の掘削を継続することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る切羽前方地山性状予測方法及び地山掘削方法の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
まず、地山を掘削する際に用いるトンネルボーリングマシン1(以下、TBM1という。)の構成について図1を参照して説明する。
TBM1は、複数のディスクカッタ11aを備え、回転可能に設けられたカッタヘッド11と、カッタヘッド11の回転中心に接続され伸縮自在に設けられたスラストジャッキ12と、このスラストジャッキ12を伸ばして掘進する際の反力をとるためのグリッパ13等が設けられている。
【0019】
TBM1で地山を掘削するには、以下の手順に従う。
まず、TBM1を掘削する位置に設置し、グリッパ13を地山の壁面に押しつけて反力を取る。そして、カッタヘッド11及びディスクカッタ11aをそれぞれ回転させながらスラストジャッキ12を伸ばしてTBM1本体を推進する。そして、スラストジャッキ12を収縮状態から伸長可能な範囲まで伸長させると、1ストローク(以下、ストロークをstとして示す。)の掘削が完了する。
【0020】
掘削が1st完了すると、グリッパ13の地山への押しつけを解除し、スラストジャッキ12を収縮させる。そして、グリッパ13を地山の壁面に新たに押しつけ、カッタヘッド11及びディスクカッタ11aをそれぞれ回転させながらスラストジャッキ12を伸ばして掘削を進める。これを繰り返し行うことにより、地山を掘削し、例えば全長3,000mに及ぶトンネル等の地下構造物を構築することができる。
【0021】
次に、本実施の形態にかかる切羽前方地山性状評価方法と、地山掘削方法について図2を参照して説明する。本実施の形態にかかる切羽前方地山性状評価方法は、トンネルを構築すべくTBM1を掘進させる時に、TBM1が地山を掘削する時に要するカッタトルク、スラスト推力、カッタ回転数、カッタ貫入量、掘進速度を掘削データとして収集し、収集された掘削データから掘削中の切羽における岩盤強度(地山性状を示す値)を推定し、この推定された掘削中の切羽の岩盤強度と、予め設定されたしきい値との比較により切羽前方の未掘削区間の地山性状を予測するものである。また、地山掘削方法は、上述した切羽前方地山性状予測方法を利用して切羽前方の地山性状を予測しながら地山の掘削を進めるものである。
【0022】
まず、しきい値の設定について説明する。
TBM1の掘進を開始する前に予めしきい値を設定する。しきい値としては、第一のしきい値Aと第二のしきい値Bとの二つを設定する。第一のしきい値Aは、切羽の所定距離前方に脆弱層が存在する可能性を示唆する岩盤強度の値であり、本実施の形態においては18MPaと設定している。第二のしきい値Bは、切羽が脆弱層に近接している可能性を示唆する岩盤強度の値であり、本実施の形態においては10MPaと設定されている。これらの18MPa、10MPaという値の設定については、過去の掘削事例を分析するなどして適宜設定することができる。
【0023】
ここで、「切羽の所定距離前方に脆弱層が存在する可能性を示唆する岩盤強度の値」とは、現時点の切羽の岩盤強度はTBM1の掘削に必要な反力をとるに十分な値であり、目視においても地山は硬質であり比較的安定した地質であると確認することができるが、TBM1が1st(第1の距離)程度を掘進する間継続して切羽の岩盤強度がこの第一のしきい値Aよりも下回ると、切羽前方において徐々に岩盤強度が低下していき、いずれTBM1が脆弱層に遭遇する可能性があることを示す値である。また本実施の形態において、切羽の所定距離前方とは、切羽の8〜10m前方を指す。
【0024】
また、「切羽が脆弱層に近接している可能性を示唆する岩盤強度の値」とは、現時点の切羽の岩盤強度はTBM1の掘削に必要な反力をとるに足る値ではあるが、切羽の岩盤強度がこの第二のしきい値Bを下回る地点が例えば10cm(第二の距離)以上続くと、切羽の極近傍において地山の脆弱化が著しくなることが示唆する値として設定されている。また、「切羽が脆弱層に近接」とは、切羽の1m〜3m前方に脆弱層が存在、あるいは切羽の一部が脆弱層に遭遇していることを指す。
【0025】
また、トンネルを構築すべくTBM1の掘進を開始する前に、掘削対象となる地山の地質調査を予め行うことが望ましい。そして、事前の地質調査から脆弱層の存在の有無の可能性や、脆弱層が表出する場合に脆弱層の形状は面状である可能が高いか、不均一である可能性が高いか等を把握しておくとよい。
さらに、トンネルの構築にあたっては、TBM1が例えば50m程度の所定の距離を掘進する毎に、切羽前方に向けてボーリング孔を少なくとも1つ穿設し、切羽前方の地質探査を行うものとすると好ましい。このように、TBM1が所定の距離を掘進する毎に穿孔探査を行うことにより、以下に説明する切羽前方地山性状予測の一助とすることができる。
【0026】
また、前記掘削データから、この掘削データが収集された切羽の岩盤強度を推定するには、以下に示す式(1)に従って求めることができる。また、以下において掘削データから推定した切羽の岩盤強度を推定岩盤強度σcといい、スラスト推力とカッタ貫入量から求めたものを推定岩盤強度σc(FN)と表すものとし、カッタトルクとカッタ貫入量から求めたものを推定岩盤強度σc(TR)と表すものとする。
【数1】
σc=FN/(C1・P)
=TR/(C2・P1.5) (1)
ここで、σc:推定岩盤強度(MPa)、FN:スラスト推力(kN)、TR:カッタトルク(kN・m)、P:カッタ貫入量(mm/rev)、C1、C2:定数)である。なお、カッタ貫入量は、TBM1の掘進速度をカッタヘッドの回転速度で除すことにより求めることができる。
【0027】
実際に、本実施の形態における切羽前方地山性状予測方法を用いて、切羽前方の地山性状を予測し、さらに地山性状を予測しながら地山を掘削するには以下の手順に従う。
【0028】
まず、トンネルを構築すべくTBM1の掘進を開始する(ステップS1)。
この時、TBM1が約2cmを掘進する毎に、掘削中の切羽においてTBM1が地山を掘削する際に要した掘削データを収集し、収集された掘削データから推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)を求める。すなわち、TBM1が約2cm掘進する毎に、推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)を求める。
【0029】
ここで、掘削データから推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)を求める際には、制御部、演算部、表示部等を備えたパーソナルコンピューター等を用いて処理を行うようにするとよい。また、このようにパーソナルコンピューター等を用いて掘削データから推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)を求める場合には、処理結果として表示部等に、例えば図3に示すように、x軸を掘削距離とし、y軸を推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)として、既掘削区間における推定岩盤強度σcの推移を図示化して表示するとよい。また、この時、図2に示すように、図示化された推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)の推移とともに、第一のしきい値Aと第二のしきい値Bを表示すると好ましい。
【0030】
次にステップS2に進み、2cm毎に求められた推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値が、TBM1が10cmの区間を掘進する間、継続して第二のしきい値B(10MPa)よりも下回るか否かを判断する。
ここで、2cm毎に求められた推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値が、10cmの区間において継続して第二のしきい値Bより下回っている(S2:Y)と判断されると、切羽が脆弱層に近接している可能性があると判断してステップS4に進む。
ここで、否(S2:N)と判断されると、切羽が脆弱層に近接している可能性はないと判断してステップS3に進む。
【0031】
次に、ステップS3では、2cm毎に求められた推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値がTBM1が1st掘進する間継続して第一のしきい値Aよりも下回っているか否かが判断される。
ここで、推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値がTBM1が1st掘進する間継続して第一のしきい値Aよりも下回っていると判断された場合(S3:Y)には、切羽の前方に脆弱層が存在している可能性が高いと判断してステップS4に進む。
ここで否(S3:N)と判断されると、切羽の前方に脆弱層が存在する可能性は低いと判断しステップS1に戻り、TBM1の掘進を続ける。
【0032】
次に、上記したようにステップS2において切羽が脆弱層に近接している可能性があると予測された場合、あるいはステップS3において切羽の所定の距離前方に脆弱層が存在する可能性があると予測された場合には、ステップS4に進む。
そして、ステップS4では、TBM1の掘進が停止される。
【0033】
そして、次に、ステップS5に進み、チャンバー内においてカッタヘッド11に設けられたスクレーパ11bの隙間等から、ライト等で照らすなどして切羽の地山性状を直接観察する。
この時、地山に大きな空洞等がないか、地山が崩落していないか、湧水等がないか、等を目視にて確認する。そして、目視にて地山が比較的硬質で安定していると判断した場合(S5:Y)には、切羽における地山性状は良好であると判断し、次にステップS6に進む。
ここで、否と判断した場合(S5:Y)には、ステップS10に進む。
【0034】
ステップS6では、予め実施した地質調査により脆弱層が表出する場合にはその形状は面状であるか否かが判断される。
そして、事前の地質調査により脆弱層が表出する場合、その形状が面状であると判断された場合(S6:Y)には、ステップS7に進む。
ここで、否と判断された場合(S6:N)には、ステップS8に進む。
【0035】
ステップS7では、TBM1が50mを掘進する毎に1カ所程度ボーリング孔を穿設して実施される穿孔探査で脆弱層が存在することが想定されているか否かが判断される。
ここで、この穿孔探査で脆弱層が存在することが想定されていると判断された場合(S7:Y)には、ステップS10に進む。
ここで、否と判断された場合(S7:N)にはステップS8に進む。
【0036】
次に、ステップS8では、切羽前方の地山に約20mのボーリング孔を複数穿設して切羽前方の地質探査を行う。この時、ボーリング孔をTBM1の両側方及び天端の部分から切羽前方に向けて少なくとも1つずつ穿設すると好ましい。
【0037】
前記地質探査については、例えば、ボーリング孔を穿設する際に要した穿孔エネルギー量と地山性状とを相関させて、穿孔区間の地質を探査することができる。
また、他の方法として、地山への打撃に対する地山からの打撃反力を受け止め吸収するダンピング機能を有する油圧式削岩機を用いて穿孔を行う際に、油圧削岩機を作動させる各種油圧シリンダ装置と、打撃反力を受け止め吸収する油圧シリンダ装置の油圧(ダンピング圧)データを油圧センサを介して収集し、ダンピング圧データと地山の性状とを対応させて、穿孔区間の地質を探査するものとしてもよい。
さらに、切羽面とボーリング孔内のそれぞれとに複数の比抵抗測定用電極を設置して、これらの電極から得られた比抵抗値に基づいて、切羽前方の地山性状を予測するものとしてもよいし、地質探査の方法は特に限定されるものではない。
【0038】
そして、ステップS8において、切羽前方探査が終了すると、ステップS9に進み、この切羽前方探査により切羽前方に脆弱層の存在が確認されたか否かについて判断される。
そして、ステップS9で、切羽前方に脆弱層の存在が確認された場合(S9:Y)には、ステップS10に進む。ステップS9で、切羽前方に脆弱層の存在が確認されなかった場合(S9:N)には、ステップS1に戻り、TBM1の掘進が継続される。
【0039】
ステップS10では、ステップS8における切羽前方の地質探査の結果に応じて、TBM1による地山の掘削に先行して切羽前方の地山を補強する先受けを行う。
【0040】
先受けとしては、例えば、フォアポーリングをあげることができる。
フォアポーリングは、切羽面においてトンネルの外周に沿って所定間隔毎に、約10度〜30度仰角に削孔し、補強部材を孔部に挿入して補強効果を得るといった施工方法である。具体的には、削孔後にモルタルを充填して直径約25mm程度の棒鋼(補強部材)を挿入し、モルタルの硬化を待って地山の補強効果を得るモルタル式フォアポーリングや、削孔後に鋼管製注入管を設置して2液性のウレタンを高圧で注入してウレタンを硬化させ、このウレタンを補強部材として地山の補強効果を得るウレタン式フォアポーリングや、10m〜15m程度の鋼管(AGF鋼管)と注入材を用いたAGF(All Ground Fasten)工法などがある。
【0041】
そして、ステップS10において、先受けが必要となる区間の先受けが完了するまで、再びステップS1に戻り、TBM1による掘進が継続される。
【0042】
次に、図3を参照して、前記した地山性状予測方法と、この地山性状予測方法を用いて切羽前方の地山性状を予測しながら地山を掘削する地山掘削方法についてさらに詳細に説明する。
【0043】
図3において、TBM1は矢印aで示す位置において既に2095mを掘進しているものとする。そして、上記したステップS1、ステップS2、ステップS3を繰り返し行いながら、矢印bに示す区間までTBM1の掘進を続ける。矢印bで示す区間においては推定岩盤強度σc(FN)の値が数回第一のしきい値Aよりも下回っているが、TBM1が1stを掘進する間継続して推定岩盤強度σc(FN)の値が第一のしきい値Aよりも下回るものではないため、ステップS3により否と判断されて再びステップS1に戻り、TBM1の掘進が続けられる。
そして、矢印c、矢印dに示す地点においても同様に、推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値が第一のしきい値Aよりも下回っているが、TBM1が1stを掘進する間継続して推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値が第一のしきい値Aよりも下回っているものではないため、ステップS3により否と判断されて再びステップS1に戻り、TBM1の掘進が続けられる。
【0044】
そして、TBM1が矢印eで示す地点まで掘進すると、推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)の値が第一のしきい値Aよりも下回る。そして、矢印eで示す地点から矢印fで示す地点まで約1.5mの区間、すなわちTBM1が1st掘進する間、継続して第一のしきい値Aよりも推定岩盤強度σc(TR)の値が下回っている。したがって、上記したステップS3により、推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値がTBM1が1st掘進する間、継続して第一のしきい値Aを下回っていると判断されて、切羽の前方に脆弱層が存在すると予測される。
そして、矢印fで示す地点において、TBM1の掘進が停止される(ステップS4)。
【0045】
次に、矢印fで示す地点においてチャンバー内から切羽の地山の性状を目視にて観察する。この時、地山は花崗斑岩から主としてなり、見掛け上は比較的硬質で安定していることが確認される(S5:Y)。
【0046】
そして、切羽における地山性状を直接目視で確認すると、次に上記したステップS6に進む。本実施の形態においては事前の地質調査により、脆弱層は不規則な形状で出現する可能性が高いと把握されているので(S6:N)、ステップS8に進む。
【0047】
そして、ステップS8において、切羽前方の地山に約20mのボーリング孔を3つ穿設して切羽前方の地質探査を行う。この時、ボーリング孔はそれぞれTBM1の両側方及び天端の部分から切羽前方に向けて少なくとも1つずつ穿設する。
【0048】
次に、ステップS9に進み、ステップS8の地質探査の結果では、矢印fに示す地点から約5m前方より地山の脆弱化が著しくなり、点線で示すように、矢印fに示す地点から約8m前方(矢印gで示す地点)においてTBM1の掘進が不能となりうると判断され、脆弱層の規模等についても把握される。
【0049】
上記のステップS8の結果から、矢印fに示す地点において先受けを実施し、地山の掘削に先行して切羽前方の地山を補強する。先受けが完了したら、再びステップS1に戻りTBM1の掘進を続ける。
なお、図3には、矢印fで示す地点より前方において点線で推定岩盤強度の推移を示しているが、これは矢印fに示す地点で先受け等を実施せず、TBM1が脆弱層が存在する可能性を予測できずに掘進を続けた場合には、そのように推移するであろうという値を示したものである。本実施の形態では、上記したように切羽前方地山予測方法によりTBM1が脆弱層が存在する約8m手前で脆弱層の存在を予測し、先受けを実施するため、図3に示すように、推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の矢印gで示す地点のように0MPaに近い値となり、TBM1が脆弱層に遭遇し、TBM1の掘進が不能となることはない。
【0050】
本実施の形態によれば、トンネルを構築すべくTBM1を掘進させ、TBM1の掘進に連動してTBM1が2cm掘進する毎に掘削データを収集して推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)を求めている。そして、推定岩盤強度σc(FN)又は推定岩盤強度σc(TR)の値がTBM1が10cmの区間を掘進する間継続して第2のしきい値Bを下回るか否か(ステップS2)、あるいはTBM1が1stの区間を掘進する間継続して第1のしきい値Aを下回るか否か(ステップS3)によって、切羽が脆弱層に近接している可能性の有無、および切羽の所定距離前方に脆弱層が存在する可能性の有無を判断している。掘削データは直径が4,5mに達する切羽全面から得られるものであるため、従来のように直径が65mm程度のボーリング孔から切羽前方の地山性状を評価する場合と比して、地山の性状を均した面的なデータから切羽前方の地山性状を評価することになる。このため、切羽の前方に脆弱層が不均一な形状で存在する場合であっても、面的なデータから脆弱層の存在を正確に把握することができ、従来の様にボーリング孔を穿設した位置が脆弱層を捉えていなかったために、トンネルボーリングマシンが脆弱層の存在に気が付かず、脆弱層に遭遇し掘進が不能となる事態に陥ることがない。
【0051】
また、TBM1の掘進を継続しながら切羽前方の脆弱層の存在の有無を判定しているので、TBM1の掘進とともに切羽前方の脆弱層存在の可能性の有無をいち早く察知することができる。
【0052】
また、しきい値は第1のしきい値Aと第2のしきい値Bとがあるので、ステップS2で第二のしきい値Bにより切羽が脆弱層に近接している可能性があると予測された場合にも、ステップS3で第一のしきい値Aにより切羽の所定距離前方に脆弱層が存在する可能性があると判断された場合にも、ステップS4に進み、TBM1の掘進を停止している。すなわち、地山の性状が急激に変化し切羽の極近傍に脆弱層が存在している場合にも、地山の性状が緩やかに変化し切羽の所定距離前方に脆弱層が存在している場合にも、推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)とこれらのしきい値A,Bとを比較することにより脆弱層の存在をいち早く察知して、TBM1を停止する。このため、TBM1が脆弱層に捉えられて掘削不能となる事態を回避することができる。また、TBM1の掘進を停止するための判断を客観的に行うことができ、判断する人の経験等に左右されない。
【0053】
また、TBM1の掘進を停止するので、ステップS5において、切羽における地山の性状を直接確認することができ、切羽における地山の性状が良好でない場合には直ちに、ステップS10に進んで先受け工法を実施することができる。
【0054】
さらに、ステップS8において、ボーリング孔を切羽前方に向けて複数箇所穿設して切羽前方の地質探査を行うものとしているので、推定岩盤強度σc(FN)および推定岩盤強度σc(TR)としきい値A、Bとの比較により切羽前方の脆弱層存在の有無を確認し、複数箇所において行う切羽前方の地質探査によって、脆弱層の存在する位置や規模等をより詳細に把握することができる。
【0055】
そして、ステップS5、ステップS7、ステップS9のいずれかにおいて、Yesと判断された場合には、ステップS10に進み、地山の掘削に先行して切羽前方の地山を補強する先受けを行うものとしている。このため、切羽前方の地山を改良して地山の崩落を防ぎ、TBM1が脆弱層に捉えられて掘進不能となることなく、地山の掘削を継続することができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態においては、ステップS6において、脆弱層の形状は面状か否かを判断するものとし、ステップS7において連続適用穿孔探査で脆弱層の存在が想定されているか否かを判断するものとしている。
しかし、これらのステップS6およびステップS7を必ずしも行わなければならないものではなく、例えば、図4に示すように、ステップS5から直接ステップS8に進むものとしてもよい。
【0057】
また、しきい値は、第一のしきい値Aと第二のしきい値Bとの2つを設定するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第一のしきい値Aのみを設定するものとしてもよいし、第二のしきい値Bのみを設定するものとしてもよい。しかしながら、本実施の形態のように、切羽の所定距離前方に脆弱層が存在する可能性を示唆する岩盤強度の値として第一のしきい値Aを設定し、切羽が脆弱層に近接している可能性を示唆する岩盤強度の値として第二のしきい値Bを設定することにより、緩やかに地山性状が変化する場合にも急激に地山性状が変化する場合にも、切羽前方の脆弱層存在の有無をいち早く察知することができる。
【0058】
また、第一のしきい値Aとして18MPa、第二のしきい値Bとして10MPaと設定したが、この数値については特に限定されるものではなく、掘削対象となる地山性状により適宜変更すればよい。
【0059】
また、同様に、ステップS3において、切羽の推定岩盤強度が1stの区間継続して第一のしきい値Aを下回るか否か、あるいはステップS2において切羽の推定岩盤強度が10cmの区間継続して第二のしきい値Bを下回るか否かを判断するものとしたが、これらの1st、10cmという距離は特に限定されるものではなく、第一のしきい値Aおよび第二のしきい値Bとして設定された値と、地山性状に応じて適宜変更してもよいものである。
【0060】
また、掘削データから式(1)に従って推定岩盤強度を求めるものとし、第一のしきい値および第二のしきい値を岩盤強度の値として設定するものとしたが、これに限定されるものではない。
掘削データと地山性状とを相関させて掘削データから地山性状を評価することができれば、岩盤強度として設定しなくてもよいものである。例えば、地山の掘削に要するカッタトルクの値と、カッタトルクの値に対応するしきい値を設定して切羽前方の地山性状を判断するものとしてもよい。要は掘削中の切羽における地山性状を掘削データから推定し、この推定された地山性状を示す値と比較可能にしきい値を設定し、しきい値と掘削データから推定される地山性状を示す値の比較から切羽前方の地山性状を判断することができればそれでよいものである。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、トンネルボーリングマシンの掘進中の切羽における掘削データを収集し、この掘削データから掘削中の切羽における地山性状を示す値を推定し、推定された切羽における地山性状を示す値としきい値とを比較し、トンネルボーリングマシンが所定の距離を掘進する間、掘削データが継続して前記しきい値を下回ると、切羽前方に脆弱層存在の可能性があると予測している。収集される掘削中の切羽における掘削データは、直径が4,5mに達する切羽全面から収集されるものであるため、従来のように直径が65mm程度のボーリング孔から切羽前方の地山性状を評価する場合と比して、地山の性状を均した面的なデータから切羽前方の地山性状を評価することになる。このため、切羽の前方に脆弱層が不均一な形状で存在する場合であっても、面的なデータから脆弱層の存在を正確に把握することができる。
【0062】
また、トンネルボーリングマシンの掘進とともに掘削データを収集し、しきい値と前記推定された切羽の地山性状を示す値とを比較しているので、切羽前方の脆弱層存在の可能性の有無をトンネルボーリングマシンの掘進とともに予測することができる。また、地山の性状が安定している時には、切羽前方の地山性状を予測するために掘進を停止してボーリング孔を穿設して切羽前方探査を行う必要がなく、トンネルボーリングマシンの急速施工を保つことができる。
【0063】
また、しきい値は第一のしきい値と第二のしきい値とを備えることにより、地山の性状が徐々に変化する場合については第一のしきい値と掘削データから推定される掘削中の切羽における地山性状を示す値を比較して予測し、地山の性状が急変するような箇所については第二のしきい値と掘削データから推定される掘削中の切羽における地山性状を示す値とを比較して予測することができる。また、第一のしきい値と第二のしきい値とを予め設定することにより、脆弱層が切羽の所定距離前方にあるのか、あるいは切羽が脆弱層に近接しているのかを予測することができる。そして、このように脆弱層が存在する位置を大まかに把握することができるので、脆弱層の存在すると考えられる位置に応じて、トンネルボーリングマシンが脆弱層に遭遇し、掘進不能となる事態を回避することができる。
【0064】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2と同様の効果が得られるのは勿論のこと、予め設定したしきい値と、掘削中の切羽において収集された掘削データから推定された切羽の地山性状を示す値とを比較することにより、切羽前方の地山性状を予測している。そして、切羽前方に脆弱層が存在する可能性があると予測した場合には、トンネルボーリングマシンの掘進を停止するものとしている。したがって、トンネルボーリングマシンの掘進を停止すべきか否かについての判断を客観的に行うことができる。
また、トンネルボーリングマシンを停止すれば、チャンバー内からトンネルボーリングマシンのカッタヘッドに設けられたスクレーパ等の隙間から切羽の地山の性状を目視にて直接観察することができる。したがって、目視にて観察した上で、先受けを行うか、あるいはボーリング孔を複数穿設してさらに詳細に切羽前方の地質探査を行うか等を判断することができる。
【0065】
請求項4記載の発明によれば、請求項3と同様の効果が得られるのは勿論のこと、切羽の前方に脆弱層が存在する可能性があると予測された場合には、ボーリング孔を切羽前方に向けて複数箇所穿設して切羽前方の地質探査を行うものとしている。従って、掘削データとしきい値との比較により切羽前方に脆弱層存在の有無を確認し、複数箇所において行う切羽前方の地質探査によって、脆弱層の存在する位置や規模等をより詳細に把握することができる。
【0066】
請求項5記載の発明によれば、請求項4と同様の効果が得られるのは勿論のこと、切羽前方に複数のボーリング孔を穿設して切羽前方の地質探査を行い、その結果に応じて地山の掘削に先行して切羽前方の地山を補強する先受けを行うものとしている。このため、切羽前方の地山を改良して地山の崩落を防ぎ、トンネルボーリングマシンが脆弱層に捉えられて掘進不能となることなく、地山の掘削を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のトンネルボーリングマシンの切羽前方地山性状予測方法および地山掘削方法で使用されるトンネルボーリングマシンの側面図である。
【図2】本発明の一例の切羽前方地山性状予測方法および地山掘削方法の手順を示したフローチャートである。
【図3】本発明の一例の切羽前方地山性状予測方法及び地山掘削方法において、掘削データと地山性状を相関させて、掘削中の掘削データの推移を切羽における地山性状を評価する値の推移として示したものである。
【図4】本発明の他の例の切羽前方地山性状予測方法および地山掘削方法の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 トンネルボーリングマシン(TBM)
A 第一のしきい値
B 第二のしきい値

Claims (5)

  1. トンネルボーリングマシンで地山を掘削する際に、切羽前方の地山性状を予測する切羽前方地山性状予測方法であって、
    切羽の所定距離前方に脆弱層が存在する可能性を示唆する地山性状を示す値として第一のしきい値を予め設定するとともに、切羽が脆弱層に近接している可能性を示唆する地山性状を示す値として前記第一のしきい値よりも低い第二のしきい値を予め設定しておき、
    トンネルボーリングマシンを掘進させ、
    このトンネルボーリングマシンの掘進中の切羽において地山を掘削する際に要するカッタトルク、スラスト推力、カッタ回転数、カッタ貫入量のうち少なくとも一つを掘削データとして収集し、
    収集された前記掘削データから掘削中の切羽における地山性状を示す値を推定し、
    この推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値を前記第一のしきい値及び前記第二のしきい値と比較し、
    トンネルボーリングマシンが予め設定された所定の第一の距離を掘進する間、前記推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値が前記第一のしきい値を継続して下回る場合、又は、トンネルボーリングマシンが予め設定されて前記第一の距離よりも短い所定の第二の距離を掘進する間、前記推定された掘削中の切羽における地山性状を示す値が前記第二のしきい値を継続して下回る場合、切羽前方に脆弱層が存在する可能性があると予測することを特徴とする切羽前方地山性状予測方法。
  2. 請求項1に記載の切羽前方地山性状予測方法において、
    トンネルボーリングマシンの1ストローク分の推進距離を前記第一の距離とすることを特徴とする切羽前方地山性状予測方法。
  3. 請求項1又は2に記載の切羽前方地山性状予測方法を用いて切羽前方の地山性状を予測しながら、トンネルボーリングマシンで地山を掘削し、
    切羽前方に脆弱層が存在すると予測されると、トンネルボーリングマシンの掘進を停止することを特徴とする地山掘削方法。
  4. 請求項3に記載の地山掘削方法において、
    切羽の前方に脆弱層が存在する可能性があると予測された場合には、切羽前方の地山にボーリング孔を複数箇所穿設して切羽前方の地質探査を行うことを特徴とする地山掘削方法。
  5. 請求項4記載の地山掘削方法において、
    前記切羽前方の地質探査の結果に応じて地山の掘削に先行して切羽前方の地山を補強する先受けを行うことを特徴とする地山掘削方法。
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