JP3772872B2 - 原位置地盤の鉛直方向透水試験装置 - Google Patents

原位置地盤の鉛直方向透水試験装置 Download PDF

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この発明は、原位置地盤の鉛直方向の透水係数を不攪乱試料により測定する透水試験装置の技術分野に属し、更に言えば、先の特願2002−129708号の発明に係る地盤の透水異方性の測定方法を実施するのに好適な鉛直方向透水試験装置に関する。
地盤の透水係数の測定は、例えば薬液注入工法を実施する事前の調査として、或いは地中構造物の建設において、環境への影響予測、施工時の地盤の安定性確保、または湧水処理等を適切に行うために必要とされる。
従来の技術として、下記の特許文献1に開示された透水試験用掘削部材および透水試験方法の発明は、不攪乱試料の取り込み(採取)機能と透水試験機能とを合わせ持つ技術として注目される。但し、この発明は、地盤中に形成した裸孔空間における主として水平方向の透水性が卓越した透水係数を求めることを目的としており、真正な鉛直方向の透水係数を試験することはできない。
特許文献2には、土、岩石、コンクリートなどの自然材料又は人工材料の透水係数の異方性や分布を室内試験として行う透水試験装置及び水みち探査方法の発明が開示されている。しかし、室内試験であるが故に、攪乱試料による試験しか行えない。
また、特許文献3及び4には、原位置地盤に掘削したボーリング孔の試験区間の上下をパッカーにより仕切り、主として地盤の水平方向の透水性を試験する透水試験装置及び試験方法の発明が開示されている。
なお、本出願人による先の特願2002−129708号は、掘削したボーリング孔へケーシングパイプを建て込み、その後、内周面にパッカーを備えた中空管を孔底から押し込んで不攪乱試料を採取し、パッカーを膨脹させて水みちを塞いだ後に、ケーシングパイプ内の地下水を揚水ポンプで揚水して鉛直方向の透水係数を測定し、更に、前記試料を引き抜いて裸孔を形成し、水平方向の透水係数をも測定する透水異方性の測定方法を開示している。
特許第3388144号公報 特許第3350197号公報 特開平5−239818号公報 特許第2796748号公報
既に説明したが、上記特許文献1に開示された発明は、地盤中に形成した裸孔空間における主として水平方向の透水性が卓越した透水係数を求める技術に係り、真正な鉛直方向の透水係数を試験することはできない。
特許文献2に開示された発明は、室内試験に関する技術であり、原位置の不攪乱試料による透水性試験を行うものではない。
特許文献3、4に開示された発明は、主として地盤の水平方向の透水性を試験する透水試験装置及び試験方法でしかない。
上述した特願2002−129708号に開示した発明は、鉛直方向の透水係数を測定し、更に前記試料を引き抜いた跡の裸孔を利用して水平方向の透水係数をも測定する方法の技術的思想である点を注目できる。
本発明の目的は、端的に言えば、先の特願2002−129708号に開示した透水異方性の測定方法を実施するのに好適な透水試験装置を提供することである。即ち、原位置地盤の不攪乱試料を採取する掘削手段その他を実用化した透水試験装置を提供することである。
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る原位置地盤の鉛直方向透水試験装置は、
地盤を掘削するために回転される外管1と、前記外管1を支持し回転力を伝達する管状の外管ロッド2と、前記外管1の内部に非回転状態に収納され不攪乱試料Sを取り込む中管3と、前記中管3を非回転状態に支持する管状の中管ロッド4と、前記中管3の内周面に沿って設置され中管3に取り込んだ不攪乱試料Sと中管3との間の水みちを塞ぐべく膨脹され又は収縮が自在な内管5とで構成され、
前記中管ロッド4の内部に設置された揚水ポンプ6、及び前記中管3の上下の位置に設置された圧力センサー7a、7b(水圧計)を備え、
更に前記内管5を膨脹させる手段、及びデータ処理手段12、13を含むことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置において、
外管1と中管3との間、及び管状の外管ロッド2と中管ロッド4との間にそれぞれ掘削流体を通す通水隙間19が形成され、外管3による地盤の回転掘削は、外管1と中管3の隙間先端から掘削流体を吐出させる泥水掘り掘削又は清水掘り掘削により行われることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置において、
外管1の外周面にスパイラル状の掘削排土刃40が形成され、外管1による地盤の回転掘削は、掘削流体を使用しない無水掘り掘削により行われることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置において、
中管3内の上端部近傍の位置に不攪乱試料Sの取り込み長さを所望の長さに規制する通水構造のスペーサ50が設置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置において、
内管5を膨脹させる給圧ホース等と、揚水ポンプ6の揚水ホース6a及び動力線並びに制御線と、圧力センサー7a、7bの信号線等々はそれぞれ、管状の中管ロッド4の内部を通じて地上に導かれていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1又は5に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置において、
管状の外管ロッド2及び管状の中管ロッド4は、それぞれネジの向きが逆向きのネジ継手を備えた複数のユニット管31から成り、予め各ユニット管31へ順に所定長さの給圧ホース等と、揚水ポンプ6の揚水ホース6a及び動力線並びに制御線と、圧力センサー7a、7bの信号線等々を通した上で、各ユニット管31同士を相互にネジ接合して組み立てられていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置において、
外管1を支持し回転力を伝達する管状の外管ロッド2は地上のボーリング機械14と連結され掘削用の回転が付与されること、
前記外管1の内部に非回転状態に収納された中管3を支持する管状の中管ロッド4の上部は前記外管ロッド2の上端から上方へ必要な長さ突き出され、該中管ロッド4の突き出し部分が外管ロッド2と共回りしないように支持されること、
該外管ロッド2の上端部分に二重管用のウオータースイベル16が設置されていること、
前記二重管用ウオータースイベル16は、外管ロッド2の上端部へ接合されたスピンドル21と、前記スピンドル21の外周部へベアリング23を介して回転自在な関係に組み付けられた給水口部材22と、前記スピンドル21の上端と中管ロッド4の間を止水する止水パッキング24を備えた蓋体25と、前記給水口部材22の給水口22aへ接続された給水管18とから成り、給水口部材22の給水口22aとスピンドル21の中空部内とが通水可能に連通されていること、
前記給水管18を通じて掘削用流体が供給され、外管1と中管3の隙間先端から掘削流体を吐出させて泥水掘り掘削又は清水掘り掘削が行われることを特徴とする。
本発明に係る原位置地盤の鉛直方向透水試験装置によれば、原位置地盤の試験区間における不攪乱試料Sを取り込んで(採取して)、そのまま真正な鉛直方向の透水試験を確実に精度良く短期間で行うことができる。自立性のない地層についても乱れのない(又は少ない)鉛直方向透水試験を確実に精度良く短期間で行うことができる。
不攪乱試料Sの取り込みに関しても、請求項2の発明では泥水掘り掘削又は清水掘り掘削により行うので、硬い地盤でも実施が容易である。のみならず、請求項3の発明のように掘削流体を使用しない無水掘り掘削を行うと、汚染された地盤であっても、その汚染を拡散させることなく不攪乱試料Sの取り込みを行って、鉛直方向透水試験を実施することができるのである。
地盤を掘削するために回転される外管1及び外管ロッド2の内部に、不攪乱試料Sを取り込む中管3と該中管3を非回転状態に支持する管状の中管ロッド4を収納させた構成であるから、請求項5の発明の通り、内管5を膨脹させる給圧ホース等と、揚水ポンプ6の揚水ホース6a及び動力線並びに制御線と、圧力センサー7a、7bの信号線等々はそれぞれ管状の中管ロッド4の内部を通じて地上に導き出すことができ、外管ロッド2をボーリング機械14(又はロータリ式地盤掘削機械)と連結して回転し不攪乱試料Sを採取する機構を容易に支障なく実現できる。勿論、請求項6の発明のように、管状の外管ロッド2及び管状の中管ロッド4は、それぞれネジ継手を備えた複数のユニット管31から成るものとして、予め各ユニット管31へ順に所定長さの給圧ホース等と、揚水ポンプ6の揚水ホース6aや動力線および制御線と、圧力センサー7a、7bの信号線等々を通した上で、各ユニット管31同士を相互にネジ接合して組み立てる方式の実施が容易に可能となる。こうして必要なセンサー類、計器類を装備させることにより、不攪乱試料Sの取り込み作業の状況をセンサー、その他の計器類によってリアルタイムに計測、確認して確実に精度良く実行することが可能である。
請求項7の発明のように、地盤を掘削する外管1を支持し回転力を伝達する管状の外管ロッド2を地上のボーリング機械14と連結して回転し、一方、前記外管1の内部に非回転状態に収納されて不攪乱試料Sを取り込む中管3を支持する管状の中管ロッド4はその上部を前記外管ロッド2の上端から上方へ必要な長さ突き出させ、前記中管ロッド4の突き出し部分を外管ロッド2と共回りしないように支持させると共に、前記外管ロッド2の上端部分に二重管用のウオータースイベル16が設置されているので、掘削流体を必要なだけ供給することが可能である。よって前記ウオータースイベル16を通じて供給した掘削用流体を、外管1と中管3の隙間先端から吐出させて泥水掘り掘削又は清水掘り掘削を行うことが可能であり、硬い地盤でも鉛直方向透水試験の実施が容易である。
地盤を掘削するために回転される外管1と、前記外管1を支持し回転力を伝達する管状の外管ロッド2と、前記外管1の内部に非回転状態に収納されて不攪乱試料Sを取り込む中管3と、前記中管3を非回転状態に支持する管状の中管ロッド4と、前記中管3の内周面に沿って設置され中管3に取り込んだ不攪乱試料Sと中管3との間の水みちを塞ぐべく膨脹され又は収縮が自在な内管5とで構成する。
そして、前記中管ロッド4の内部に設置された揚水ポンプ6、及び前記中管3の上下の位置に設置された圧力センサー7a、7b(水圧計)を備えるものとし、更に前記内管5を膨脹させる手段、及びデータ処理手段を含む構成で実施する。
図1は、本発明に係る原位置地盤の鉛直方向透水試験装置の構成と実施概要を示す。現地の地盤中に試験対象の直上深さまで掘削したボーリング孔10の孔底10aへ到達する位置まで鉛直方向透水試験装置の主部11が挿入された段階を示している。
前記主部11は、図2に示す構成とされている。
即ち、前記ボーリング孔10の孔底10aの直下地盤を掘削するために回転される外管1と、前記外管1の上端を一体的に支持して回転力を伝達する管状の外管ロッド2と、前記外管1の内部に非回転状態に収納されて不攪乱試料Sを取り込む中管3と、前記中管3を非回転状態に支持する管状の中管ロッド4と、前記中管3の内周面に沿って設置され中管3に取り込んだ不攪乱試料Sと中管3との間の水みちを塞ぐべく膨脹され又は収縮が自在な内管5とで、いわば三重管式構造に構成されている。外管1の先端には、明瞭に図示することは省略したが、地盤掘削用として公知の掘削ビット(クラウンカッター)が環状に設けられている。内管5としては、具体的には公知のパッカーなどが好適に使用される。
原位置地盤の鉛直方向透水試験装置としては更に、前記中管ロッド4の内部に設置された揚水ポンプ6、及び前記中管3の上下の位置に設置された圧力センサー7a、7b(水圧計)を備えている。また、前記内管5を膨脹させる手段、及び揚水量や水圧などのデータ処理手段を含む構成とされている。内管5(パッカー)を膨脹させる手段としては、具体的な図示は省略したが、ガスボンベからガスホースで供給される高圧の不活性ガス、或いはポンプから水圧ホースで圧送される液圧などが好適に使用される。データ処理手段としては、例えば前記揚水ポンプ6で揚水し揚水ホース6aで導いた揚水量を計測する揚水量計器12、及び前記圧力センサー7a、7bの計測信号(水圧データ)を受け取るパーソナルコンピュータ13などである。
地上に据え付けたボーリング機械14(又はロータリ式地盤掘削機)の回転ヘッド15と前記外管ロッド2とが連結され、外管1へ地盤掘削用の回転と推力が付与される。外管1の内部に非回転状態に収納された中管3を支持する管状の中管ロッド4の上部は、地上において前記外管ロッド2の上端から上方へ必要な長さ突き出され、前記中管ロッド4の突き出し部分が外管ロッド2と共回りしないように支持体17で支持される。そして、前記外管ロッド2の上端部分に二重管用ウオータースイベル16が設置され、給水管18を通じて供給される掘削流体(泥水又は清水)が外管1による地盤の泥水掘り掘削又は清水掘り掘削用として供給される。
そのため外管1と中管3及び管状の外管ロッド2と中管ロッド4は各々同心円状の配置とされ、各々の間にはそれぞれ、例えば図2に示したように、掘削流体を通す通水隙間19が一連に形成されている。外管1による地盤の回転掘削に対して、外管1と中管3の隙間先端から掘削流体を吐出させて泥水掘り掘削又は清水掘り掘削を実現して硬い地盤でもその掘削を容易にすると共に、外管1の先端部の高温化と焼き付きを防止し、掘削土の排出を順調に行わしめて掘削効率を高める。
以上要するに、本発明に係る原位置地盤の鉛直方向透水試験装置は、図1の状態からボーリング機械14を駆動し、また、給水管18を通じてウオータースイベル16へ掘削流体を供給することにより、掘削用回転と推力を付与された外管1が図3のように泥水掘り掘削又は清水掘り掘削として地盤を掘進してゆき、これに付随して進む中管3の中へ不攪乱試料Sが進入し取り込まれる(図3、図4参照)。
上記のようにして中管3の中へ原位置地盤の不攪乱試料Sが進入するのに対し、同中管3の中へ滞留している地下水の水圧が抵抗圧力として作用する不具合が予想される。そこでこの抵抗圧力を軽減して、なるべく乱さない試料を効率よく採取するために、中管3及び中管ロッド4内の地下水を揚水ポンプ6で揚水し、その揚水ホース6aを通じて地上へ排出する。揚水ポンプ6による揚水は、地盤の鉛直方向透水試験の際には、不攪乱試料Sの上端の水圧を低下させることにも役立つ。
前記の泥水掘り掘削又は清水掘り掘削によれば、N値が50程度の硬質砂層についても、不攪乱試料Sを取り込むことができ、鉛直方向透水試験を実施することができる。
中管3は、少なくとも原位置地盤に予定した試験区間L(約1m)と等しい有効長さに形成されている。通常は図4のように中管3の有効長さの限度まで掘進させ、もって試験区間L相当長さの不攪乱試料Sの取り込みが行われる。
上記のようにして中管3で予定した試験区間L相当長さの不攪乱試料Sの取り込みが行われると、そのままの状態で地盤の鉛直方向透水試験が行われる。それにはまず、内管5に対して地上からガス圧或いは液圧を送り、内管5を適度に膨脹させて不攪乱試料Sに密着させることにより、不攪乱試料Sと内管5との境界部の緩みに起因する水みちを閉塞させる。しかる後に、揚水ポンプ6を駆動して不攪乱試料Sより上方の中管3及び中管ロッド4の内部に滞留する地下水を揚水して水圧を低下させる。このときの水圧の大きさ及び変化は上下の圧力センサー7aと7bによってリアルタイムに測定され、地上のパーソナルコンピュータ13に記録、表示される。
かくして採取した不攪乱試料Sの上端と下端との間に水頭差(水圧差)を発生させることにより、外周を内管5及び中管3で完全に仕切られた不攪乱試料Sの内部に鉛直方向上向きの浸透流が発生する。そこで、揚水ポンプ6の揚水量を地上の揚水量計器12で測定し、同時に不攪乱試料Sの上端および下端位置の水圧を圧力センサー7a、7bで計測し、既知量である不攪乱試料Sの直径及び長さLとの関係を演算することにより、原位置地盤の真正な鉛直方向透水係数を求めることができるのである。
図5には、上記二重管用ウオータースイベル16の簡易な原理図を示し、図6は詳細な設計図を示している。
外管1の内部に非回転状態に収納された中管3を支持する管状の中管ロッド4の上部が前記外管ロッド2の上端から上方へ必要な長さ突き出され、該中管ロッド4の突き出し部分が外管ロッド2と共回りしないように支持されること、及び前記外管ロッド2の上端部分に二重管用ウオータースイベル16が設置されることは、既に説明した。図6中の符号17aは支持体17のクランプを指す。
図示した二重管用ウオータースイベル16は、外管ロッド2の上端部へネジ継手20で接合されたスピンドル21と、前記スピンドル21の外周へ上下二つのベアリング23、23を介して両端支持の形式で回転自在な関係に組み付けられた給水口部材22と、前記スピンドル21の上端と中管ロッド4との間を止水する止水パッキング24を備えた蓋体25と、前記給水口部材22の給水口22aへ接続された給水管18とから成る。給水口部材22の給水口22aとスピンドル21の中空部内とは連通孔26によって通水可能に連通されている。給水口部材22の上下のベアリング23、23は、その内側に配置されたパッキング28により止水処理がなされている。前記の蓋体25は、ベアリング27を介して中管ロッド4と共に非回転状体に設置されている。給水口部材22は静止系に属する吸水管18と共に非回転状態を保ち、スピンドル21のみが外管ロッド2と一体的に回転する。
したがって、中管3を支持する管状の中管ロッド4の上部を支持体17により非回転状態に支持することが可能な構成であり、前記給水管18を通じて供給された掘削用流体は、上記構成の二重管用ウオータースイベル16を介して、外管ロッド2と中管ロッド4との間、及び外管1と中管3との間の通水隙間19へ供給され、更には外管1と中管3との隙間先端から吐出させる泥水掘り掘削又は清水掘り掘削が行われる(以上、請求項7に記載した発明)。
上記したように、常時非回転の静止状態に保たれる中管3およびこれを支持する管状の中管ロッド4に関しては、その内部空間が、内管5を膨脹させる給圧ホース等と、揚水ポンプ6の揚水ホース6aや駆動モータの動力線および制御線と、更には圧力センサー7a、7bの信号線等々を地上に導き出すシャフトスペースに活用される(以上、請求項5に記載した発明)。
上記の考えを具体的に実施する手段として、上述した管状の外管ロッド2及び管状の中管ロッド4は、これらを試験に必要な長さの1本の長尺物として構成し実施する場合のほか、図7に示したように、試験対象の原位置地盤の深度が大小様々であることに対処可能とするため、管状の外管ロッド2及び管状の中管ロッド4はそれぞれ複数のユニット管31の組み立て物として構成し実施するのが好ましい。各ユニット管31は、外管ロッド2と中管ロッド4を例えばネジの向きが逆向きのネジ継手で接合する構成とされる。
図7は、上述した給圧ホース等と、揚水ポンプ6の揚水ホース6aや動力線および制御線と、圧力センサー7a、7bの信号線等々を合一に束ねた集合束32に作成し、これを上記構成の各ユニット管31へ順に通しておく。そして、図7Aに示すようにボーリング孔10を掘削した後、先ずは図7Bに示すように鉛直方向透水試験装置の主部11を先頭にボーリング孔10の中への挿入を開始する。つづいて図7C、Dのように各ユニット管31同士を相互にネジ接合して組み立てを進めつつ挿入を続行する方法で試験装置の設置を効率的に行う実施例を示している(以上、請求項6記載の発明)。
上記の実施例は、外管1による地盤の掘削を、掘削流体を用いた泥水掘り掘削又は清水掘り掘削で行うことを前提としているので、外管1の外周面は単純な円筒形状とされている(例えば図2を参照)が、この限りではない。地盤の状況によっては、いわゆる無水掘りにより不攪乱試料の取り込みを行うこともできる。その手段としては、図8に例示したように、外管1の外周面にスパイラル状の掘削排土刃40が形成される。この外管1を回転し推進させると、掘削流体を使用しなくても、スパイラル状の掘削排土刃40による掘削、排土が確実に行われ、内管5に不攪乱試料Sを取り込むことができ、原位置で鉛直方向透水試験を行うことができる。この無水掘り掘削方式によれば、汚染された地盤であっても、その汚染を拡大、拡散することなく試料の取り込みと鉛直方向透水試験を実施することが可能となるので、好ましい(以上、請求項3に記載した発明)。
次に図9は、中管3の上端部近傍の位置に不攪乱試料Sの取り込み長さを所望の長さに規制する通水構造のスペーサ50が設置された実施例を示している(請求項4に記載した発明)。
既に説明したように、中管3は、通例は所定の試験区間L(約1m)と等しい有効長さLに形成され、図4のように、中管3の有効長さLの限度まで掘進させて、ほぼ同じ長さの不攪乱試料Sの取り込みが行われる。しかしながら、地層の厚さによっては、試料の取り込み長さを任意所望の長さに設定したい場合がある。しかし、中管3の有効長さLの範囲内でそれよりも短い試料を採取するときは、試料の上端が緩んだ状態になり、そのままでは透水試験時に試料上端が乱されて正確な透水試験を行えないおそれがある。前記の問題に対処するために、中管3の有効長さLに対して、試料に望む必要長さLとの差寸Lに相当する長さに製作したスペーサー50を着脱可能なネジ止め等の手段で中管3の奥端に固定しておくのである。かくすれば、スペーサー50を任意所望の長さのものに交換することで、試料に必要な取り込み長さLを任意所望の長さに正確に規制でき、地盤の鉛直方向透水試験を必要に応じて正確に実施することができる。
本発明に係る原位置地盤の鉛直方向透水試験装置の構成概要を示した立面図である。 試験装置の主要部分の構成を示す半分断面の立面図である。 試料採取の途中段階を示す半分断面の立面図である。 試料の採取を完了した段階を示す半分断面の立面図である。 二重管用ウオータースイベルの簡単化した構成原理図である。 二重管用ウオータースイベルの製作図である。 A〜Dはユニット管方式による実施例の実施要領図である。 無水掘り用の主要部分を示した半分断面の立面図である。 スペーサを使用する場合の主要部構造を示す半分断面の立面図である。
符号の説明
1 外管
2 外管ロッド
3 中管
4 中管ロッド
5 内管
S 不攪乱試料
6 揚水ポンプ
7a、7b圧力センサー(水圧計)
12 揚水量計器
13 パーソナルコンピュータ
19 通水間隙
40 スパイラル状の掘削排土刃
50 スペーサ
6a 揚水ホース
31 ユニット管
14 ボーリング機械
17 支持体
16 ウオータースイベル
21 スピンドル
23 ベアリング
22 給水口部材
24 止水パッキング
25 蓋体
18 給水管

Claims (7)

  1. 地盤を掘削するために回転される外管と、前記外管を支持し回転力を伝達する管状の外管ロッドと、前記外管の内部に非回転状態に収納され不攪乱試料を取り込む中管と、前記中管を非回転状態に支持する管状の中管ロッドと、前記中管の内周面に沿って設置され中管に取り込んだ不攪乱試料と中管との間の水みちを塞ぐべく膨脹され又は収縮が自在な内管とで構成され、
    前記中管ロッドの内部に設置された揚水ポンプ、及び前記中管の上下の位置に設置された圧力センサーを備え、
    更に前記内管を膨脹させる手段、及びデータ処理手段を含むことを特徴とする、原位置地盤の鉛直方向透水試験装置。
  2. 外管と中管との間、及び管状の外管ロッドと中管ロッドとの間にそれぞれ掘削流体を通す通水隙間が形成され、外管による地盤の回転掘削は、外管と中管の隙間先端から掘削流体を吐出させる泥水掘り掘削又は清水掘り掘削により行われることを特徴とする、請求項1に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置。
  3. 外管の外周面にスパイラル状の掘削排土刃が形成され、外管による地盤の回転掘削は、掘削流体を使用しない無水掘り掘削により行われることを特徴とする、請求項1に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置。
  4. 中管内の上端部近傍の位置に不攪乱試料の取り込み長さを所望の長さに規制する通水構造のスペーサが設置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置。
  5. 内管を膨脹させる給圧ホース等と、揚水ポンプの揚水ホース及び動力線並びに制御線と、圧力センサーの信号線等々はそれぞれ、管状の中管ロッドの内部を通じて地上に導かれていることを特徴とする、請求項1に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置。
  6. 管状の外管ロッド及び管状の中管ロッドは、それぞれネジの向きが逆向きのネジ継手を備えた複数のユニット管から成り、予め各ユニット管へ順に所定長さの給圧ホース等と、揚水ポンプの揚水ホース及び動力線並びに制御線と、圧力センサーの信号線等々を通した上で、各ユニット管同士を相互にネジ接合して組み立てられていることを特徴とする、請求項1又は5に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置。
  7. 外管を支持し回転力を伝達する管状の外管ロッドは地上のボーリング機械と連結され掘削用の回転が付与されること、
    前記外管の内部に非回転状態に収納された中管を支持する管状の中管ロッドの上部は前記外管ロッドの上端から上方へ必要な長さ突き出され、該中管ロッドの突き出し部分が外管ロッドと共回りしないように支持されること、
    前記外管ロッドの上端部分に二重管用ウオータースイベルが設置されていること、
    前記二重管用ウオータースイベルは、外管ロッドの上端部へ接合されたスピンドルと、前記スピンドルの外周部へベアリングを介して回転自在な関係に組み付けられた給水口部材と、前記スピンドルの上端と中管ロッドの間を止水する止水パッキングを備えた蓋体と、前記給水口部材の給水口へ接続された給水管とから成り、給水口部材の給水口とスピンドルの中空部内とが通水可能に連通されていること、
    前記給水管を通じて掘削用流体が供給され、外管と中管の隙間先端から掘削流体を吐出させて泥水掘り掘削又は清水掘り掘削が行われることを特徴とする、請求項2に記載した原位置地盤の鉛直方向透水試験装置。
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