<本発明の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本実施形態は、使用者が説明文の内容に従って任意のボタンを押圧することにより、その情報を無線通信により送信する情報記録カード(情報記録装置)1であって、図1はその外観図である。図1の情報記録装置1は、折り畳み式になっていて、展開すると図2のような情報入力面2が現れる。情報記録装置1としてはアンケートカード、または服薬記録カード等が考えられ、後述する紙基板30と、紙基板30上に設けられた導電回路18Aと、この導電回路18Aに回路コネクタ90を介して接続された無線送信可能な通信モジュール10とを備えている(図5参照)。
このうち紙基板30と、この紙基板30上に設けられた導電回路18Aとにより、回路基板70が構成されている。なお、回路コネクタ90は必ずしも設ける必要はなく、また回路コネクタ90はフレキシブルなコネクタでも堅固なコネクタであってもよい。
情報記録カード1が服薬記録カードの場合、図2の情報入力面2は3面構成であり、第1面2aにはスタートボタン3と取り消しボタン4が設けられ、第2面2bには患者が服用すべき薬(錠剤)5が配置され、第3面2cには患者の症状の度合いを入力するための選択ボタンが配置されている。第1面2aの裏面側が図1の「情報記録カード」と記載された面である。
第3面2cには、薬の効用に関連する複数の症状が記載されている。図2の例では、(1)症状1、(2)症状2、(3)症状3、(4)症状4および(5)症状5の計5種類の症状が記載され、各症状ごとに、3通りの度合い(重度、中度、軽度)から一つを選択可能になっている。使用者はまず、5種類の症状に対応する選択ボタン6a〜6eからなる第1ボタン列6のいずれかを押圧して、特定の症状を選択した後に、引き続いて、その症状の度合いに対応する選択ボタン7a〜7cからなる第2ボタン列7のいずれかを押圧する。これにより、使用者は、薬を服用した後に特定の症状の度合いを入力できる。使用者は、必ずしも5種類の症状のすべてに回答する必要はなく、一部の症状のみに回答してもよい。
第1ボタン列6を構成する各選択ボタン6a〜6eは図2のX方向に沿って配置され、第2ボタン列7を構成する各選択ボタンは、第1ボタン列6に略平行にY方向に沿って複数列にわたって配置されている。
なお、第3面2cに記載された症状とその度合いは、あくまで一例にすぎず、薬の種類によって任意に変更して構わない。
使用者は、情報記録装置1の使用を開始するときに、スタートボタン3を押圧する。その後、使用者は、第2面2bに配置された錠剤5のケース5aを指で押し込んで、第2面2bの下面側から薬を取り出して、服用する。そして、服用後の症状の度合いに該当する選択ボタン6,7を押圧する。
使用者が押圧したスタートボタン3、取り消しボタン4、錠剤5の各ケース5aおよび各選択ボタン6,7の情報は、情報記録装置1内に内蔵された通信モジュール10に自動的に記憶される仕組みになっている。
図3は上述した無線通信可能な通信モジュール10の概略構成を示すブロック図である。図3の通信モジュール10は、樹脂基板11の上に実装されたICチップとしてのASIC(Application Specific Integrated Circuit)12と、水晶振動子13と、ボタン電池14と、スピーカ15と、樹脂基板11の長辺に沿って形成される複数のパッド16と、樹脂基板11の外縁部に沿って形成されるアンテナパターン17aと、樹脂基板11上に形成される導電パターン17bとを有する。
図3は通信モジュール10の内部構成を機能化したブロック図であり、実際の各回路部品やパターンの配置やサイズ、形状、個数は任意に変更可能である。
図4はASIC12の内部構成の一例を示すブロック図である。図4のASIC12は、使用者が押圧したスタートボタン3、取り消しボタン4、錠剤5の各ケース5aおよび各選択ボタンの情報を時刻情報とともに時系列で記憶する記憶部21と、記憶部21に押圧情報を記憶する制御を行う制御部22と、不図示のホストコンピュータとの間で無線通信を行う無線通信部23とを有する。
記憶部21は、使用者が押圧したボタンを特定する情報と、そのボタンが押圧された時刻情報とを組にして記憶する。取り消しボタン4は、取り消しボタン4が押圧される直前に押圧されたボタンの情報を取り消すことを意図したものである。ホストコンピュータは、記憶部21に取り消しボタン4の押圧を特定する情報と、そのボタンが押圧された時刻情報とが記憶されている場合は、取り消しボタン4の直前に押圧されたボタンの情報を取り消す。
無線通信部23は、ホストコンピュータとの間で、いわゆるNFC(Near Field Communication、近接無線通信)を行って、情報の送受を行う。無線通信部23が無線通信に用いる方式や周波数帯域は特に制限されるものではなく、例えば13.56MHzの帯域でISO14443に準拠した無線方式で無線通信を行う。
NFCでは、規格上電力の送受もできるため、電池なしで通信モジュール10を駆動することも原理的には可能である。ただし、本実施形態の通信モジュール10は、スピーカ15も備えており、電力の消費量が比較的大きいため、ボタン電池14を搭載している。
次に、本実施形態に係る情報記録装置1の具体的構造について説明する。上述した情報記録装置1は、1枚の紙基板を縦方向に三等分して折り畳んだ三層構造であり、その表面に図2に示す情報入力面2が現れるようにしている。これをさらに後述する折曲線64に沿って横方向に三等分して折り畳むと図1に示す構造になる。以下では、大元の1枚の紙基板に形成される導電パターンについて説明する。
図5は情報記録装置1の元となる紙基板30を展開した図である。図5の紙基板30を縦方向に延びる折り目61で三等分に分割した各分割基板30a,30b,30cには、それぞれ異なる導電パターン18や切り欠き等が設けられる。なお、これら3つの分割基板30a〜30cは、折り目61で折り曲げ可能とされており、物理的に切り離されるものではない。また、各分割基板30a,30b,30cのうち最下層の分割基板30bは折曲線64を有し、この分割基板30bは横方向に延びる2本の折曲線64を介して三等分に折り畳まれる。図5において、各分割基板30bには2本の単一の折曲線64が設けられているが、単一の折曲線64の代わりに一対の平行する折曲線64,64を設けてもよい(図8参照)。
図5の中央の分割基板30bは、最下層に配置されて導電パターン18が形成される最下層基板30bである。その右側の分割基板30cは、主に切り欠き62とミシン目63を有し、最下層基板30bの上に配置される中間層基板30cである。最下層基板30bの左側の分割基板30aは、スイッチ接点の導通/遮断を行う導電パターン38を有し、中間層基板30cの上に配置される最上層基板30aである。
後述するように、三等分された最下層基板30bに中間層基板30cを折り畳んで熱圧着した後に、その上に錠剤5を含む成形シートを載せ、その上に最上層基板30aを折り畳んで熱圧着することにより、図2の構造が得られる。したがって、図5に示す最上層基板30aの裏面側が、図2に示す情報入力面2になる。
最下層基板30bの上に中間層基板30cを折り畳んで熱圧着する前に、最下層基板30bに通信モジュール10が接合され、その上に最上層基板30aが熱圧着される。このように、通信モジュール10は、最下層基板30bと最上層基板30aの間に挟み込まれる。これにより、最下層基板30bの表面に形成された導電パターン18と通信モジュール10は、情報記録装置1の完成状態では、外見に現れない。同様に、最上層基板30a上の導電パターンも、中間層基板30cの上に折り畳まれて熱圧着されるため、外見に現れない。
次に、最下層基板30bの表面に形成された導電パターン18について図5を用いて説明する。図5の導電パターン18は、三等分された第1〜第3面2a〜2cからなる情報入力面2に対応した第1〜第3パターン面30b1〜30b3を有する。
第1パターン面30b1は、スタートボタン3に対応したスイッチ接点31と、取り消しボタン4に対応したスイッチ接点32とを有する。第2パターン面30b2は、錠剤5の各ケース5aに対応した計6つのスイッチ接点33を有する。第3パターン面30b3は、患者の症状および症状の程度を選択する各選択ボタンに対応した計15個のスイッチ接点34〜37を有する。
これらスイッチ接点31〜37のうち、錠剤5の各ケース5aに対応した計6つのスイッチ接点33は初期状態で導通しており、それ以外の全てのスイッチ接点31,32,34〜37は初期状態で遮断されている。
錠剤5の各ケース5aに対応したスイッチ接点33は、ケース5aを押圧して錠剤5を取り出す際に物理的に破断されて、電気的導通が遮断される。それ以外のスイッチ接点31,32,34〜37は、対応するボタンを押圧したときに、情報入力面2の裏面側に設けられた円形の導電パターン38が対応するスイッチ接点に接触して、押圧している間だけ一時的に導通する。
このように、スイッチ接点31〜37の中には、初期状態で電気的に導通しているものと、電気的に遮断されているものとがある。各スイッチ接点を物理的に破断するか、各スイッチ接点に別の導電パターンを接触させることにより、スイッチ接点の状態を切り替えることができる。
図5に示す各スイッチ接点31〜37の一端は、導電パターン18を介して第1パターン面30b1上の端子部39の対応する端子に接続され、他端はいずれも導電パターン18を介して接地端子に接続されている。端子部39には、スイッチ接点の総数分の端子が設けられ、これに加えて、端子部39の両端側には接地端子が設けられている。接地端子から延びる導電パターン(以下、接地パターン18a)は、第1〜第3パターン面30b3の外縁に沿って、他の導電パターンとスイッチ接点を取り囲むように形成されている。
この接地パターン18aは、ノイズの低減を図るために、他の導電パターンよりも太く形成されている。
ここで上述した導電パターン18と接地パターン18aとにより、導電回路18Aが構成される。また導電回路18Aに端子部39が接続される。また紙基板30と、紙基板30上に形成された導電回路18Aとにより通信モジュール10が接合される前の回路基板70が構成される。
このように、すべてのスイッチ接点が、対応する端子と接地パターン18aとの間に接続されている。したがって、いずれかのスイッチ接点の状態が変化すると、その変化した情報が、専用の端子を介して通信モジュール10に伝達されることになる。通信モジュール10内の記憶部21は、接点の状態が変化したスイッチ接点を特定する情報と、すなわち押圧された選択ボタンまたは破断位置を特定する情報と、接点の状態が変化した時刻情報とを記憶する。
第3パターン面30b3上の各スイッチ接点は、X方向に沿って配置される第1ボタン列に対応する第1スイッチ接点列34と、第1ボタン列に略平行にY方向に沿って配置される複数の第2ボタン列に対応する複数の第2スイッチ接点列35〜37とにグループ分けされている。
第2スイッチ接点列35〜37のそれぞれにおける計5個のスイッチ接点の一端側はいずれも共通の端子に接続され、他端側はいずれも接地端子に接続されており、これら5個のスイッチ接点は並列接続されている。図5の例では、計5個のスイッチ接点が並列接続された第2スイッチ接点列35〜37が計3個設けられている。
並列接続された各スイッチ接点列35〜37内のどのスイッチ接点の状態が変化しても、その状態変化情報は同じ端子を介して通信モジュール10に伝達されるため、通信モジュール10では、どのスイッチ接点が変化したのかをその情報だけでは特定できない。そこで、本実施形態では、第2スイッチ接点列35〜37内のスイッチ接点の状態を変化させる前に、第1スイッチ接点列34内のスイッチ接点の状態を変化させるようにルール化することで、第2スイッチ接点列35〜37内のどのスイッチ接点の状態が変化したかを特定している。
より具体的には、まず第1スイッチ接点列34内のいずれかのスイッチ接点の状態を変化させて、このスイッチ接点のX方向位置を検出する。そして、同じX方向位置にある第2スイッチ接点列35〜37内の計3個のスイッチ接点を選択候補として決定する。次に、これら3個のスイッチ接点の中で、状態が変化したものがあれば、そのスイッチ接点の情報を通信モジュール10に伝達する。
このように、第1スイッチ接点列34内のスイッチ接点の状態変化情報と、第2スイッチ接点列35〜37内のスイッチ接点の状態変化情報とを組み合わせることで、第2スイッチ接点列35〜37内の特定のスイッチ接点の状態を正しく通信モジュール10に伝達することができる。
複数のスイッチ接点を並列接続して、一端側を共通の端子に接続することは、端子部39内の端子の総数と導電パターン18の数を削減できることから、特にパターン面積が限られている場合に有効である。第2スイッチ接点列35〜37内の複数のスイッチ接点を並列接続しても、第2スイッチ接点列35〜37と平行に配置された第1スイッチ接点列34内のスイッチ接点の状態と組み合わせることで、第2スイッチ接点列35〜37内の特定のスイッチ接点の状態を正確に特定できるため、実用上の問題は起きない。
このように、本実施形態に係る情報記録装置1は、スタートボタン3や各種の選択ボタンの他に、直前のボタン操作を取り消すための取り消しボタン4を具備するため、ボタンの誤操作による誤った情報が取消情報なく通信モジュール10に伝達されるおそれがなくなり、通信モジュール10およびホストコンピュータに伝達される情報の信頼性が向上する。
ところで、上述のように各分割基板30a,30b,30cのうち分割基板30bは、横方向に延びる各々の折曲線64を介して三等分に折り畳まれる。
また最下層基板30bには、導電パターン18と接地パターン18aとからなる導電回路18Aが設けられている。また最下層基板30bの折曲線64近傍には、折曲線64を介して最下層基板30bを繰り返し折り曲げた場合でも、導電回路18Aが破断したり破損することを防止するため、フレキシブル回路コネクタ80A,80Bが設けられている。
具体的には最下層基板30bは、横方向に延びる2本の折曲線64を介して三等分に折り畳まれるが、この場合、最下層基板30bは2本の折曲線64により、第1基板91と第2基板92と第3基板95とに区画され、第1基板91と第2基板92との間に折曲線64を跨いでフレキシブル回路コネクタ80Aが設けられ、第2基板92と第3基板95との間に折曲線64を跨いでフレキシブル回路コネクタ80Bが設けられている。
フレキシブル回路コネクタ80A,80Bは、略同様の構造をもつため、ここではフレキシブル回路コネクタ80Aについて図6Aおよび図6Bにより説明する。
図6Aおよび図6Bに示すように、導電回路18Aのうち第1基板91上の導電回路は、第1導電回路93となっており、第2基板92上の導電回路は第2導電回路94となっている。
フレキシブル回路コネクタ80Aは最下層基板30bのうち、折曲線64を介して連結された第1基板91と第2基板92との間に折曲線64を跨いで設けられ、第1基板91側の第1導電回路93と第2基板92側の第2導電回路94とを接続するものである。この場合、第1基板91上の第1導電回路93と第2基板92上の第2導電回路94は互いに離間し、フレキシブル回路コネクタ80Aを設けることにより、初めて導通するようになっている。しかしながら、フレキシブル回路コネクタ80Aがない場合でも、第1基板91上の第1導電回路93と第2基板92上の第2導電回路94を接続しておいてもよい。この場合、フレキシブル回路コネクタ80Aは、第1導電回路93と第2導電回路94が切断した際のバックアップ回路として機能する。
次にフレキシブル回路コネクタ80Aについて更に述べる。
図5、図6Aおよび図6Bに示すように、フレキシブル回路コネクタ80Aは、絶縁性基材81と、絶縁性基材81の一側に設けられた一側端子部83と、絶縁性基材81の他側に設けられた他側端子部84と、これら一側端子部83と他側端子部84とを接続する複数の導電部(導電インキ)82とを有する。
この場合、導電部82は一側端子部83から他側端子部84まで直線状に延びている。
また一側端子部83および他側端子部84上には、ヒートシール時に異方導電性能を発現する異方導電性接着剤87が設けられている。
ところで、一側端子部83は第1基板91上の第1導電回路93に接続される端子部であり、他側端子部84は第2基板92上の第2導電回路94に接続される端子部である。
また絶縁性基材81上には、一側端子部83と一側端子部83上の異方導電性接着剤87、他側端子部84と他側端子部84上の異方導電性接着剤87を露出させ、導電部82上を覆ってアクリルからなる絶縁層88が設けられている。
絶縁層88の材質としては、特に限定はなく、ビニル系、ゴム系などの材料を使用できる。また、図7Aに示すように、フレキシブル回路コネクタ80の絶縁層88として、異方導電性接着剤製のものを使用することもできる。
図7において、導電部82上に同一の異方導電性接着剤を印刷することにより、異方導電性接着剤からなり異方導電性能を発現する予定となる異方導電性能発現予定部87aと、異方導電性能を発現しない異方導電性接着剤製の絶縁層88とを同時に形成することができ、製造効率の向上を図ることができる。
図7に示すように、フレキシブル回路コネクタ80Aを第1導電回路93または第2導電回路94にヒートシールする際、異方導電性接着剤からなる異方導電性能発現予定部87aがヒートシールされて、異方導電性能を発現する異方導電性能発現部87bに変わる。図7において、絶縁層88は、異方導電性接着剤からなるが、異方導電性能は発現していない。
なお、フレキシブル回路コネクタ80の絶縁性基材81は、柔軟性基材、例えばポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート製の基材からなる。そしてフレキシブル回路コネクタ80は一側端子部83および他側端子部84を下方に向けて、一側端子部83と第1基板91の第1導電回路93を接続させ、他側端子部84と第2基板92の第2導電回路94とを接続させて、第1導電回路93と第2導電回路94とを接続する(図6Aおよび図6B参照)。
このように最下層基板30bの第1基板91と第2基板92との間に折曲線64を跨いで、第1導電回路93と第2導電回路94を接続してフレキシブル回路コネクタ80Aを設けることにより、最下層基板30bを折曲線64を介して繰り返し折り曲げたり拡げたりした場合であっても、フレキシブル回路コネクタ80Aが破断することはない。このことにより、第1基板91の第1導電回路93と第2基板92の第2導電回路94との間で、破断したり破損することなく、常に安定的に第1導電回路93と第2導電回路94との間の導通を得ることができる。
次にフレキシブル回路コネクタの使用方法について図6Aおよび図6Bにより説明する。
まず上述したフレキシブル回路コネクタ80Aを準備する。次にフレキシブル回路コネクタ80Aの一側端子部83と第1基板91の第1導電回路93とが接続される。この場合、フレキシブル回路コネクタ80Aは一側端子部83および他側端子部84を下方に向けて第1導電回路93上に重ね合わされ、フレキシブル回路コネクタ80Aの一側端子部83が上方から加熱押圧(ヒートシール)される。このことにより一側端子部83上の異方導電性接着剤87が異方導電性能を発現して、一側端子部83と第1導電回路93とが接続される。
同様にしてフレキシブル回路コネクタ80Aの他側端子部84と第2基板92の第2導電回路94とが接続される。
次に紙基板30について図5により更に述べる。紙基板30のうち、中間層基板30cは最下層基板30bの導電回路18Aと、最上層基板30aの導電パターン38とを分離するスペーサとして機能する。このため中間層基板30cを設けることによって、最上層基板30aの導電パターン38近傍にエンボス加工を施して導電パターン38を引込める必要はなく、各種ボタン2,3,4,5,6,7を押圧した場合に、押圧されたボタンに対応する導電回路18Aの各種接点31〜37のみを確実に導通させることができる。
また図5に示すように、紙基板30の最下層基板30bは2本の折曲線64により折曲げ自在となっており、さらに最上層基板30aには、最下層基板30bの各折曲線64から延長する領域に、折曲線64から延長する帯状の第1切取部101が設けられている。また中間層基板30cにも、最下層基板30bの各折曲線64から延長する領域に、折曲線64から延長する帯状の第2切取部102が設けられている。
これら最上層基板30aの第1切取部101と中間層基板30cの第2切取部102は、略同様の構成と作用効果をもつため、ここでは第1切取部101について詳述する。
図5において、最下層基板30b上に中間層基板30cを介して最上層基板30aを折り畳む。次に紙基板30を折曲線64および第1切取部101および第2切取部102を介してさらに折り畳む。このとき、最上層基板30aは、2つの第1切取部101により3つの分離した基板103,104,105に分離されているため、この3つの分離した基板103,104,105を第1切取部101を介して互いに重ね合わせた状態となり、これら基板103,104,105が復元力により元に戻る力が働くことはなく、重ね合わされた状態を確実に維持することができる。
すなわち、最上層基板30aを折曲線を介して3つに折曲げた場合に、折曲げられた基板は復元力により元に戻る力が働いて、元の状態(拡げた状態)に戻ろうとする。これに対して本実施の形態によれば、最上層基板30aは2本の第1切取部101を介して分離された3つの基板103,104,105を有し、これらの基板103,104,105は第1切取部101を介して互いに重ね合わされるため、基板103,104,105に対して復元力が働くことはなく、重ね合わされた状態を確実に維持することができる。
同様に中間層基板30cは、2本の第2切取部102を介して3つの基板106,107,108に分離され、3つの基板106,107,108は第2切取部102を介して互いに重ね合わされることが可能となる。
なお、上記実施の形態において、紙基板30が中間層基板30cを有する例を示したが、中間層基板30cは必ずしも設ける必要はなく、紙基板30は最下層基板30bと最上層基板30aのみを有していてもよい。
また、最下層基板30bに折曲線64を設けるとともに、最上層基板30aおよび中間層基板30cに、第1切取部101と第2切取部102を設けた例を示したが、最上層基板30aに折曲線64を設け、最下層基板30bに第1切取部を設け、中間層基板30cに第2切取部を設けてもよい。
<本発明の変形例>
次に図9乃至図23により、本発明の変形例について説明する。図9乃至図23に示す変形例は紙基板30の構造が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図8に示す実施の形態と略同一である。図9乃至図23に示す変形例において、図1乃至図8に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9および図10に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、一方の基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板95には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図10参照)。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離され、切り欠き62は基板105に設けられている。
図9および図10において、錠剤5のケース5aを切り欠き62側から押圧して錠剤5をミシン目63側から取り出す際に、ミシン目63を切断することにより、導電パターン18を破断することができる(図2参照)。
あるいは図11および図12に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、一方の基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板95に設けられた導電パターン18には、スタートボタン3に対応する接点31と複数の選択ボタン6,7に対応する接点34が設けられ、最上層基板30aには、接点31及び34に対応してエンボス加工により浮き上がるエンボス部38Aと、エンボス部38Aにより囲まれた導電パターン38が設けられている(図12参照)。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。
図11および図12において、最上層基板30aから導電パターン38側を押圧して接点31及び34を閉じることにより、導電パターン18を導通させることができる。
あるいは図13に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板92には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図13参照)。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。
図13において、錠剤5のケース5aを切り欠き62側から押圧して錠剤5をミシン目63側から取り出す際に、ミシン目63を切断することにより、導電パターン18を破断することができる(図2参照)。
あるいはまた図14に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの導電パターン18には、スタートボタン3に対応する接点31と複数の選択ボタン6,7に対応する接点34が設けられ、最上層基板30aには、接点31及び34に対応してエンボス部38Aにより囲まれた導電パターン38が設けられている(図14参照)。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。
図14において、最上層基板30aから導電パターン38側を押圧して接点31又は34を導通させることができる。
あるいは図15に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板92には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図15参照)。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。また、導電回路18Aには折曲線64を跨いで、フレキシブル回路コネクタ80が設けられている。
図15において、錠剤5のケース5aを切り欠き62側から押圧して錠剤5をミシン目63側から取り出す際に、ミシン目63を切断することにより、導電パターン18を破断することができる(図2参照)。
あるいはまた図16に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの導電パターン18には、スタートボタン3に対応する接点31と複数の選択ボタン6,7に対応する接点34が設けられ、最上層基板30aには、接点31及び34に対応してエンボス部38Aにより囲まれた導電パターン38が設けられている(図16参照)。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。また導電回路18Aには折曲線64を跨いでフレキシブル回路コネクタ80が設けられている。
図16において、最上層基板30aから導電パターン38を押圧して、接点31又は34を導通させることができる。
あるいは、図17に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30bに折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれるとともに折畳み時に最下層基板30bと最上層基板30aとの間に介在される中間層基板30cとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板95には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、また中間層基板30cにも最下層基板30bのミシン目63に対応してミシン目63が設けられている。また最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図17参照)。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。また、中間層基板30cにも折曲線64から延長する領域に帯状の第2切取部102が設けられ、中間層基板30cは第2切取部102によって2つの基板107,108に分離されている。
図17において、錠剤5のケース5aを切り欠き62側から押圧して錠剤5をミシン目63側から取り出す際に、ミシン目63を切断することにより、導電パターン18を破断することができる(図2参照)。
さらにまた、図17において、中間層基板30cには、通信モジュール10用の切り欠き62が設けられている。
あるいはまた、図18に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30bに折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれるとともに折畳み時に最下層基板30bと最上層基板30aとの間に介在される中間層基板30cとを有している。
最下層基板30bは折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの導電パターン18には、スタートボタン3に対応する接点31と複数の選択ボタン6,7に対応する接点34が設けられている。
また最上層基板30aには、折曲線64から延長する領域に帯状の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。また、中間層基板30cにも折曲線64から延長する領域に帯状の第2切取部102が設けられ、中間層基板30cは第2切取部102によって2つの基板107,108に分離されている。
また図18に示すように、最上層基板30aには接点31及び34に対応する部分に、エンボス部38Aにより囲まれた導電パターン38が設けられ、中間層基板30cには接点31及び34に対応する部分に切り欠き62が設けられている。
また中間層基板30cには、通信モジュール10に対応して切り欠き62が設けられている。
図18において、最上層基板30aから導電パターン38側を押圧して接点31又は34を導通させることができる。
あるいはまた、図19に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30bに折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれるとともに折畳み時に最下層基板30bと最上層基板30aとの間に介在される中間層基板30cとを有している。
最下層基板30bは一対の折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板92には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、また中間層基板30cにも最下層基板30bのミシン目63に対応してミシン目63が設けられている。また最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図19参照)。
また図19に示すように、最下層基板30bに設けられた一対の折曲線64,64は互いに平行している。
また最上層基板30aには、一対の折曲線64,64間から延長する領域に帯状の幅広切取部101Aが形成され、最上層基板30aは幅広切取部101Aにより基板104,105に分離されている。
さらに中間層基板30cにも、一対の折曲線64,64間から延長する領域に帯状の幅広切取部102Aが形成され、中間層基板30cは幅広切取部102Aにより基板107,108に分離されている。
図19において、帯状の幅広切取部101A,102Aの幅は、一対の折曲線64,64間の幅より大きくなっている。
なお、図19において、中間層基板30cには、通信モジュール10に対応して切り欠き62が設けられている。
図19において、錠剤5のケース5aを切り欠き62側から押圧して錠剤5をミシン目63側から取り出す際に、ミシン目63を切断することにより、導電パターン18を破断することができる(図2参照)。
図19に示すように、最上層基板30aと中間層基板30cに、各々一対の折曲線64,64間の幅よりも大きな幅をもつ幅広切取部101A,102Aを設けたことにより、最上層基板30aと中間層基板30cに対して復元力が生じることをより確実に防ぐことができ、コンパクトな形状を確実に維持することができる。また、幅広切取部101A,102Aはその幅が大きいことにより、打抜き加工等により容易に作製することができる。
あるいはまた、図20に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30bに折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれるとともに折畳み時に最下層基板30bと最上層基板30aとの間に介在される中間層基板30cとを有している。
最下層基板30bは一対の折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの導電パターン18には、スタートボタン3に対応する接点31と複数の選択ボタン6,7に対応する接点34が設けられている。
また図20に示すように、最下層基板30bに設けられた一対の折曲線64,64は互いに平行している。
また最上層基板30aには、一対の折曲線64,64間から延長する領域に帯状の幅広切取部101Aが形成され、最上層基板30aは幅広切取部101Aにより基板104,105に分離されている。
さらに中間層基板30cにも、一対の折曲線64,64間から延長する領域に帯状の幅広切取部102Aが形成され、中間層基板30cは幅広切取部102Aにより基板107,108に分離されている。
図20において、帯状の幅広切取部101A,102Aの幅は、一対の折曲線64,64間の幅より大きくなっている。
図20に示すように、最上層基板30aには接点31及び34に対応する部分に、エンボス部38Aにより囲まれた導電パターン38が設けられ、中間層基板30cには接点31及び34に対応する部分に切り欠き62が設けられている。
また中間層基板30cには、通信モジュール10に対応して切り欠き62が設けられている。
図21に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最下層基板30bは一対の折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板92には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図21参照)。
また最上層基板30aには、各折曲線64から延長する領域に帯状の一対の第1切取部101が設けられ、最上層基板30aは一対の第1切取部101により2つの基板104,105に分離されている。
また図21に示すように、帯状の一対の切取部101間には、最下層基板30bから延びる帯状フラップ110が形成されている。
この帯状フラップ110は最下層基板30b上に設けられた導電回路18Aの導電パターン18を覆って、これを隠しかつ保護する。
あるいはまた、図21において、錠剤5のケース5aを切り欠き62側から押圧して錠剤5をミシン目63側から取り出す際に、ミシン目63を切断することにより、導電パターン18を破断することができる(図2参照)。
図22に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30bに折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれるとともに折畳み時に最下層基板30bと最上層基板30aとの間に介在される中間層基板30cとを有している。
最下層基板30bは一対の折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板92には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、また中間層基板30cにも最下層基板30bのミシン目63に対応してミシン目63が設けられている。また最上層基板30aには、最下層基板30bおよび中間層基板30cのミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図22参照)。
また、図22に示すように、最下層基板30bに設けられた一対の折曲線64,64は互いに平行している。
また最上層基板30aには、一対の折曲線64,64間から延長する領域に帯状の幅広切取部101Aが形成され、最上層基板30aは幅広切取部101Aにより、基板104,105に分離されている。
さらに中間層基板30cは、各折曲線64,64から延長する領域に帯状の一対の第2切取部102が形成され、中間層基板30cは一対の第2切取部102によって基板107,108に分離されている。
そして一対の第2切取部102間には、最下層基板30bから延びるとともに、最下層基板30b上の導電回路18Aの導電パターン18を隠しかつ保護する帯状フラップ111が設けられている。
図22において、幅広切取部101Aの幅は、一対の折曲線64,64間の幅より大きくなっている。
また最下層基板30cには、通信モジュール10用の切り欠き62が設けられている。
あるいはまた、図23に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30bに折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれるとともに折畳み時に最下層基板30bと最上層基板30aとの間に介在される中間層基板30cとを有している。
最下層基板30bは一対の折曲線64を介して2つの基板92,95に折曲自在となっており、基板92および基板95に導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板92には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、また中間層基板30cにも最下層基板30bのミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている。また最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図23参照)。
また最上層基板30aに設けられた一対の折曲線64,64は互いに平行している。
また最上層基板30aには、一対の折曲線64,64間から延長する領域に、帯状の幅広切取部101Aが形成され、最上層基板30aは幅広切取部101Aにより、基板104,105に分離されている。
さらに中間層基板30cには、一対の折曲線64,64間から延長する領域に、帯状の幅広切取部102Aが形成され、中間層基板30cは幅広切取部102Aにより、基板107,108に分離されている。
図23において、幅広切取部101A,102Aの幅は、一対の折曲線64,64間の幅より大きくなっている。また、中間層基板30cには、通信モジュール10用の切り欠き62が設けられている。
また最下層基板30bには、一対の折曲線64,64を跨いでフレキシブル回路コネクタ80が設けられている。さらに最上層基板30aの基板104および中間層基板30cの基板107には、各々幅広切取部101Aおよび幅広切取部102A側に突出するフラップ112およびフラップ113が設けられている。
最上層基板30a側のフラップ112および中間層基板30c側のフラップ113は、いずれも最下層基板30b上に折畳まれた際に、フレキシブル回路コネクタ80の両端を上方から抑えてフレキシブル回路コネクタ80の浮き上がりを防止する。
あるいはまた、図24に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最上層基板30aは一対の折曲線64,64を介して2つの基板104,105に折曲自在となっている。
また最下層基板30bには、一対の折曲線64間から延長する領域に帯状の幅広切取部115が設けられ、最下層基板30bは幅広切取部115により2つの基板92,95に分離されている。また最下層基板30bの基板95に、導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの基板95には、導電パターン18の一部を囲むミシン目63が設けられ、最上層基板30aには、ミシン目63に対応して切り欠き62が設けられている(図24参照)。
図24において、最下層基板30bの幅広切取部115の幅は、一対の折曲線64,64間の幅より大きくなっている。
さらに最下層基板30bの基板92および最上層基板30aの基板104は、いずれも表示スペースとなっており、この基板92,104には印刷により文字、図形等が表示される。
図24において、錠剤5のケース5aを切り欠き62側から押圧して錠剤5をミシン目63側から取り出す際に、ミシン目63を切断することにより、導電パターン18を破断することができる(図2参照)。
あるいはまた、図25に示すように、紙基板30は導電パターン18を含む導電回路18Aが形成された最下層基板30bと、最下層基板30b上に折り目61を介して折畳まれる最上層基板30aとを有している。
最上層基板30aは一対の折曲線64,64を介して2つの基板104,105に折曲自在となっている。
また最下層基板30bには、一対の折曲線64間から延長する領域に帯状の幅広切取部115が設けられ、最下層基板30bは幅広切取部115により2つの基板92,95に分離されている。また最下層基板30bの基板95に、導電パターン18を含む導電回路18Aが形成され、導電回路18Aに通信モジュール10が接続されている。
最下層基板30bの導電パターン18には、スタートボタン3に対応する接点31と複数の選択ボタン6,7に対応する接点34が設けられ、最上層基板30aには、接点31及び34に対応してエンボス部38Aにより囲まれた導電パターン38が設けられている(図25参照)。
図25において、最下層基板30bの幅広切取部115の幅は、一対の折曲線64,64間の幅より大きくなっている。
さらに最下層基板30bの基板92および最上層基板30aの基板104は、いずれも表示スペースとなっており、この基板92,104には印刷により文字、図形等が表示される。
図25において、最上層基板30aの導電パターン38側から押圧することにより、導通させることができる。