JP6861374B2 - 圧力式炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、鍋及び蓋体のクリーニングを自動的に行うことが可能な圧力式炊飯器に関する。
従来、この種の圧力式炊飯器として、例えば、特許文献1に記載された圧力式炊飯器が知られている。特許文献1には、クリーニングコースが選択された際に、鍋内の水を沸騰させる立上加熱工程と、鍋内の水が沸騰した状態に維持する沸騰維持工程とを行う圧力式炊飯器が開示されている。
特開2000−271005号公報
しかしながら、従来の圧力式炊飯器においては、炊飯器の清潔性を一層向上させるという観点において未だ改善の余地がある。
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、炊飯器の清潔性を一層向上させることができる圧力式調理器を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る圧力式炊飯器は、鍋と、
前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、
前記鍋を加熱する加熱部と、
前記鍋内と前記蓋体内とを連通する蒸気排出穴を開閉する圧力弁と、
前記加熱部及び前記圧力弁を制御して、前記鍋内の水を沸騰させる立上加熱工程と、前記鍋内の水が沸騰した状態を維持する沸騰維持工程と、前記鍋内の圧力を予め決められた圧力まで徐々に低下させる減圧工程とを含むクリーニングコースを行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記立上加熱工程において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を閉塞し前記鍋内の圧力を大気圧を超えるように上昇させ、前記沸騰維持工程及び前記減圧工程において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を閉塞した状態を維持し、前記減圧工程の終了後において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を開放し前記鍋内の圧力を低下させるように構成されている。
本発明に係る圧力式炊飯器によれば、炊飯器の清潔性を一層向上させることができる。
本発明の実施形態に係る圧力式炊飯器の模式断面図である。 図1の圧力式炊飯器の斜視図である。 本実施形態に係る圧力式炊飯器を用いてクリーニング工程の一例を行ったときの鍋内の温度、鍋内の圧力、圧力弁の開閉状態、及び鍋底加熱ユニットの加熱電力の関係を示すグラフである。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者らは、炊飯器の清潔性を一層向上させるため、鋭意検討した結果、以下の新規な知見を得た。
従来の圧力式炊飯器では、立上加熱工程及び沸騰維持工程において蒸気排出穴を閉塞し、鍋内の圧力を大気圧を超える圧力にするように構成されている。この構成では、沸騰維持工程の終了後に蒸気排出穴を開放して鍋内の圧力を大気圧近傍に低下させる際に、鍋内に突沸現象が生じ、除去した汚れ成分を含む水が周囲に飛び散ることが起こり得る。これにより、炊飯器の清潔性が低下するおそれがある。また、沸騰した水が飛び散るおそれがあるため、安全性が低下するおそれがある。
これに対し、本発明者らは、沸騰維持工程の終了後に、鍋内の圧力を徐々に低下させる減圧工程を行うことで、蒸気排出穴が開放された状態で鍋内で突沸現象が生じることを抑えて、炊飯器の清潔性を一層向上させることができることを見出した。また、本発明者らは、突沸現象を抑えることで、沸騰した水が飛び散ることを抑え、安全性も向上させることができることを見出した。これらの新規な知見に基づき、本発明者らは、以下の発明に至った。
本発明の第1態様によれば、鍋と、
前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、
前記鍋を加熱する加熱部と、
前記鍋内と前記蓋体内とを連通する蒸気排出穴を開閉する圧力弁と、
前記加熱部及び前記圧力弁を制御して、前記鍋内の水を沸騰させる立上加熱工程と、前記鍋内の水が沸騰した状態を維持する沸騰維持工程と、前記鍋内の圧力を予め決められた圧力まで徐々に低下させる減圧工程とを含むクリーニングコースを行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記立上加熱工程において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を閉塞し前記鍋内の圧力を大気圧を超えるように上昇させ、前記沸騰維持工程及び前記減圧工程において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を閉塞した状態を維持し、前記減圧工程の終了後において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を開放し前記鍋内の圧力を低下させる、圧力式炊飯器を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記制御部は、前記減圧工程において前記加熱部を停止させて、前記鍋内の圧力を低下させる、第1態様のいずれか1つに記載の圧力式炊飯器を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記制御部は、前記立上加熱工程の開始から前記沸騰維持工程の終了まで前記加熱部に一定の加熱電力を供給する、第1又は2態様に記載の圧力式炊飯器を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記制御部は、前記立上加熱工程において前記加熱部に第1の加熱電力を供給し、前記沸騰維持工程において前記加熱部に前記第1の加熱電力よりも低い第2の加熱電力を供給する、第1又は2態様に記載の圧力式炊飯器を提供する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
《実施形態》
本発明の実施形態に係る圧力式炊飯器について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る圧力式炊飯器の模式断面図である。図2は、図1の圧力式炊飯器の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る圧力式炊飯器は、内部に鍋収納部1aが形成された略有底筒状の炊飯器本体1と、鍋収納部1aに収納され、米や水などの被調理物が入れられる鍋2とを備えている。炊飯器本体1の上部には、炊飯器本体1の上部開口部を開閉可能な中空構造の外蓋3が取り付けられている。外蓋3の内側(鍋2の上部開口部を覆う側)には、鍋2の上部開口部を密閉可能な略円盤状の内蓋4が着脱可能に取り付けられている。本実施形態においては、外蓋3と内蓋4とで、鍋2の上部開口部を開閉可能な蓋体が構成されている。
炊飯器本体1の鍋収納部1aは、上枠1bとコイルベース1cとで構成されている。上枠1bは、収納された鍋2の側壁に対して所定の隙間が空くように配置される筒状部1baと、筒状部1baの上部から外方に突出し炊飯器本体1の上部開口部の内周部に嵌合するフランジ部1bbとを備えている。筒状部1baの上端は、鍋2の上部開口部の周囲に設けられたフランジ部2aを支持している。
コイルベース1cは、鍋2の下部の形状に対応して有底筒状に形成され、その上部が上枠1bの筒状部1baの下端部に取り付けられている。コイルベース1cの外周面には、鍋2を加熱(誘導加熱)する加熱部の一例である鍋底加熱ユニット5が取り付けられている。鍋底加熱ユニット5は、底内加熱コイル5aと底外加熱コイル5bとで構成されている。底内加熱コイル5aは、コイルベース1cを介して鍋2の底部の中央部周囲に対向するように配置されている。底外加熱コイル5bは、コイルベース1cを介して鍋2の底部のコーナー部に対向するように配置されている。
コイルベース1cの底部の中央部分には開口部が設けられている。当該開口部には、鍋2の温度を測定するための鍋温度検知部の一例である鍋温度センサ6が、鍋収納部1aに収納された鍋2の底部に当接可能に配置されている。鍋2の温度は鍋2内の被調理物の温度と略同じであるので、鍋温度センサ6が鍋2の温度を検知することで、鍋2内の被調理物の温度を検知することができる。
外蓋3は、外蓋3の外郭を構成する上外郭部材3aと下外郭部材3bとを備えている。また、外蓋3は、ヒンジ軸3Aを備えている。ヒンジ軸3Aは、外蓋3の開閉軸であり、炊飯器本体1の上枠1bに両端部を回動自在に固定されている。ヒンジ軸3Aの周囲には、ねじりコイルばね7が取り付けられている。ねじりコイルばね7は、ヒンジ軸3Aを中心として外蓋3を鍋2の上部開口部から離れる方向(開方向)に弾性的に付勢する。
外蓋3の内部には、蓋開放装置8が設けられている。蓋開放装置8は、炊飯器本体1の一部に係合することにより、外蓋3が鍋2の上部開口部を塞いだ状態を保持する。一方、蓋開放装置8は、外蓋3が鍋2の上部開口部を塞いだ状態で炊飯器本体1又は外蓋3に設けられた開蓋ボタン81(図2参照)が押圧されたとき、フック軸8Aを中心に矢印A1方向に回転する。これにより、蓋開放装置8と炊飯器本体1の一部との係合が外れ、外蓋3が、ねじりコイルばね7の付勢力によりヒンジ軸3Aを中心として鍋2の上部開口部から離れる方向に回転する。これにより、外蓋3が、鍋2の上部開口部を塞いでいない開状態になる。なお、外蓋3は、例えば、鍋2の上部開口部を塞いだ位置からヒンジ軸3Aを中心として90度回転すると、当該回転を停止するように構成されている。
上外郭部材3aのヒンジ軸3Aの近傍には、凹部3dが設けられている。凹部3dには、蒸気筒9が着脱可能に取り付けられている。凹部3dの底部には、鍋2内の余分な蒸気を蒸気筒9に向けて排出できるように、蒸気逃がし穴3daが設けられている。蒸気筒9の上壁には、鍋2内の余分な蒸気を炊飯器の外部に排出できるように、蒸気逃がし穴9aが設けられている。鍋2内から蒸気逃がし穴9aまでの蒸気排出経路のいずれかの箇所に、蒸気の温度を検知する蒸気温度センサ(図示せず)が設けられている。
内蓋4には、鍋2内の蒸気を排出するための蒸気排出穴4aと、鍋2内と蓋体内とを連通する蒸気排出穴4bとが設けられている。蒸気排出穴4bの直径は、蒸気排出穴4aの直径よりも大きく、例えば、蒸気排出穴4aの直径の2倍以上に設定されている。蒸気排出穴4aの直径は、例えば4mmであり、蒸気排出穴4bの直径は、例えば10mmである。
また、内蓋4には、蒸気排出穴4aを開閉可能な圧力抑制弁10と、蒸気排出穴4bを開閉可能な圧力弁11とが設けられている。
圧力抑制弁10は、鍋2内の圧力が大気圧より高い所定値(例えば、1.2気圧)以上に上昇することを抑制する弁である。本実施の形態において、圧力抑制弁10は、ボールにより構成され、自重により蒸気排出穴4aを閉塞する。一方、圧力抑制弁10は、鍋2内の圧力が自重よりも大きくなったとき(例えば、1.2気圧を超えたとき)、鍋2内の圧力のみに押されて蒸気排出穴4aから離れ、蒸気排出穴4aを開放する。なお、圧力抑制弁10は、蒸気排出穴4aを閉塞する閉塞部材と、蒸気排出穴4aを閉塞するように閉塞部材を付勢するバネとで構成されてもよい。この構成によれば、鍋2内の圧力が大気圧より高い所定値以上に上昇したとき、当該圧力によりバネの付勢力に抗して閉塞部材が移動し、蒸気排出穴4aが開放される。
圧力弁11は、蒸気排出穴4bを閉塞する閉塞位置と蒸気排出穴4bを開放する開放位置との間で移動するように構成されている。
外蓋3には、蒸気排出穴4bを開閉するように圧力弁11を閉塞位置と開放位置との間で移動させる圧力弁移動機構12が設けられている。圧力弁移動機構12は、圧力弁11を所定値(例えば、1.2気圧)よりも大きな圧力で圧力弁11を押圧して、圧力弁11を閉塞位置で保持するように構成されている。これにより、鍋2内の圧力を昇圧(例えば、1.0気圧から1.2気圧に昇圧)することができる。また、圧力弁移動機構12は、鍋2内の圧力が所定値(例えば、1.2気圧)以上になった所定のタイミングで、後述する制御部14の制御により、圧力弁11を閉塞位置から開放位置に移動させるように構成されている。これにより、鍋2内の圧力を減圧(例えば、1.2気圧から1.0気圧に減圧)させることができる。なお、圧力弁移動機構12の具体的な構成については、従来の圧力弁移動機構と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、外蓋3には、炊飯コース、炊飯時間などの各種情報を表示するとともに、白米コースや玄米コース、白米(柔らかめ)コースなどの複数の炊飯コースの中から特定の炊飯コースを選択可能な表示操作部13が設けられている。また、表示操作部13は、少なくとも1つのクリーニングコースを選択可能に構成されている。表示操作部13は、炊飯コース、クリーニングコースなどの各種情報を表示する液晶ディスプレイ13Aと、炊飯コース及びクリーニングコースの選択の他、飯及びクリーニングの開始、取り消し、予約などの実行を指示する複数のボタン13Bとを備えている。ユーザは、液晶ディスプレイ13Aに表示された各種情報を参照しつつ、複数のボタン13Bにより特定の炊飯コース又はクリーニングコースを選択して炊飯又はクリーニングの開始を指示することができる。
また、炊飯器本体1の内部には、制御部14が搭載されている。制御部14は、米を炊飯するための炊飯シーケンスを複数記憶する記憶部を備えている。ここで、「炊飯シーケンス」とは、予熱、昇温、沸騰維持、蒸らしの主として4つの工程を順に行うにあたって、各工程において加熱電力、加熱時間、圧力弁駆動時間等が予め決められている炊飯の手順をいう。各炊飯シーケンスは、複数の炊飯コースのいずれかにそれぞれ対応している。制御部14は、表示操作部13にて選択された炊飯コースに対応する炊飯シーケンスに基づいて、鍋底加熱ユニット5と圧力弁11(すなわち、圧力弁移動機構12)とを制御し、炊飯工程を実行する。
また、制御部14の記憶部には、鍋2内及び蓋体内をクリーニングするためのクリーニングシーケンスが少なくとも1つ記憶されている。ここで、「クリーニングシーケンス」とは、立上加熱、沸騰維持、減圧、終了の主として4つの工程を順に行うにあたって、各工程において加熱電力、加熱時間、圧力弁11の開閉状態等が予め決められているクリーニングの手順をいう。制御部14は、表示操作部13にて選択されたクリーニングコースに対応するクリーニングシーケンスに基づいて、鍋底加熱ユニット5と圧力弁11(すなわち、圧力弁移動機構12)とを制御し、クリーニング工程を実行する。
次に、本実施形態に係る圧力式炊飯器の動作について説明する。図3は、本実施形態に係る圧力式炊飯器を用いてクリーニング工程の一例を行ったときの鍋2内の温度、鍋2内の圧力、圧力弁11の開閉状態、及び鍋底加熱ユニット5の加熱電力の関係を示すグラフである。図3においては、鍋2内に入れられる水が1.8L(リットル)の場合と1.0L(リットル)の場合の鍋底加熱ユニット5の加熱電力を併記している。
まず、ユーザにより、水が入れられた鍋2が鍋収納部1aにセットされる。その後、ユーザにより、表示操作部13にてクリーニングコースが選択された後、クリーニング開始が指示されると、制御部14の制御によりクリーニング工程が開始される。クリーニング工程が開始されると、まず、立上加熱工程が開始される。
立上加熱工程は、鍋2内の水を沸騰させる工程である。この立上加熱工程において、制御部14は、蒸気温度センサ(図示せず)の検知温度が予め決められた温度θ1(例えば、約80℃)になるまで、鍋底加熱ユニット5に加熱電力Wを供給する。また、制御部14は、立上加熱工程の間、蒸気排出穴4bを閉塞するように圧力弁11を制御して、立上加熱工程の後半において鍋2内の圧力を、大気圧(すなわち、0kPa)から大気圧を超えるように上昇させる。蒸気温度センサ(図示せず)の検知温度θ1が予め決められた温度(例えば、約80℃)になると、沸騰維持工程に移行する。
沸騰維持工程は、鍋2内の水の沸騰状態を維持する工程である。この沸騰維持工程において、制御部14は、鍋2内の水の量が1.8Lである場合、鍋温度センサ6の検知温度が加圧状態における水の沸点である温度θ2(例えば、約105℃)を維持するように、鍋底加熱ユニット5に加熱電力Wを供給する。また、制御部14は、鍋2内の水の量が1.0Lである場合、鍋温度センサ6の検知温度が温度θ2を維持するように、鍋底加熱ユニット5に加熱電力W(第1の加熱電力)よりも低い加熱電力WL(第2の加熱電力)を供給する。また、制御部14は、沸騰維持工程の間、蒸気排出穴4bを閉塞するように圧力弁11を制御し、鍋2内の圧力を大気圧を超える予め決められた圧力P2(例えば、20kPa)に上昇させた後、当該予め決められた圧力P2を維持する。沸騰維持工程の開始から予め決められた時間T1経過すると、減圧工程に移行する。なお、立上加熱工程に要する時間T0及び沸騰維持工程に要する時間T1の合計時間は、例えば、20分程度になるように設定されている。
減圧工程は、鍋2内の圧力を徐々に低下させる工程である。この減圧工程において、制御部14は、蒸気排出穴4bを閉塞するように圧力弁11を制御しつつ、鍋底加熱ユニット5を停止させる。これにより、鍋2内の圧力を予め決められた圧力P2(例えば、20kPa)から予め決められた圧力P1(例えば、5〜6kPa)まで徐々に低下させる。これにより、鍋2内に突沸現象が生じることが抑えられる。減圧工程の開始から予め決められた時間T2(例えば、2分)経過すると、終了工程に移行する。なお、予め決められた圧力P1は、蒸気排出穴4bが開放されて鍋2内の圧力が急激に大気圧近傍まで低下しても、鍋2内に突沸現象が生じないと想定される圧力に基づいて設定される。
終了工程は、鍋2内の温度を低下させる工程である。この終了工程において、制御部14は、鍋底加熱ユニット5を停止させるとともに、蒸気排出穴4bを開放するように圧力弁11を制御して、鍋2内の圧力を大気圧近傍とする。これにより、鍋2内の温度が自然に低下する。終了工程の開始から予め決められた時間T3(例えば、2分)経過すると、終了工程を完了(すなわち、クリーニング工程を終了)する。なお、時間T3は、例えば、鍋2内の温度が火傷しない温度(例えば、60℃以下)になると想定される時間に基づいて設定される。
本実施形態に係る圧力式炊飯器によれば、沸騰維持工程の終了後に、鍋2内の圧力を徐々に低下させる減圧工程を行うように構成されている。この構成によれば、蒸気排出穴4bが開放された状態で鍋2内で突沸現象が生じることを抑えることができる。従って、除去した汚れ成分を含む水が周囲に飛び散ることを抑えることができ、炊飯器の清潔性を一層向上させることができる。また、突沸現象を抑えることで、沸騰した水が飛び散ることを抑え、安全性も向上させることができる。
また、本実施形態に係る圧力式炊飯器によれば、立上加熱工程において蒸気排出穴4bを閉塞し鍋2内の圧力を大気圧を超えるように上昇させ、減圧工程の終了後に蒸気排出穴4bを開放し鍋2内の圧力を低下させるように構成されている。この構成によれば、立上加熱工程、沸騰維持工程、及び減圧工程を加圧状態で行うので、炊飯器の清潔性を一層向上させるとともに、鍋2内や蓋体内を十分に清掃するのに要する時間を短くすることができる。
また、本実施形態に係る圧力式炊飯器によれば、減圧工程において加熱部を停止させて、鍋内の圧力を低下させるように構成されてしている。この構成によれば、圧力弁11を制御して蒸気排出穴4bを閉塞した状態でも、鍋2内の圧力を徐々に低下させることができる。
また、本実施形態に係る圧力式炊飯器によれば、鍋2内の水の量が1.8Lである場合として示したように、立上加熱工程の開始から沸騰維持工程の終了まで鍋底加熱ユニット5に一定の加熱電力Wを供給するように構成されている。この構成によれば、加熱電力Wを高くして、蒸気の発生量を増加させることができるので、鍋2内及び蓋体内の隅々まで蒸気を行き渡らせることができ、炊飯器の清潔性を一層向上させることができる。
また、本実施形態に係る圧力式炊飯器によれば、鍋2内の水の量が1.0Lである場合として示したように、立上加熱工程において鍋底加熱ユニット5に第1の加熱電力として加熱電力Wを供給し、沸騰維持工程において鍋底加熱ユニット5に加熱電力Wよりも低い第2の加熱電力である加熱電力WLを供給するように構成されている。この構成によれば、鍋2内の水の量に応じた加熱電力Wにすることで、蒸気の発生量を増加させつつ、省エネルギ性を高めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記では、立上加熱工程において蒸気温度センサ(図示せず)の検知温度θ1が予め決められた温度(例えば、80℃)になったとき、沸騰維持工程に移行するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、立上加熱工程の開始から予め決められた時間経過したとき、沸騰維持工程に移行するようにしてもよい。
また、前記では、減圧工程の開始から予め決められた時間T2経過すると、終了工程に移行するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、鍋2内の圧力を検知する圧力センサを設けて、当該圧力センサの検知圧力が予め決められた圧力P1(例えば、5〜6kPa)になったとき、終了工程に移行するようにしてもよい。
また、前記では、終了工程の開始から予め決められた時間T3経過すると、終了工程を完了するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、鍋温度センサ6の検知温度が予め決められた温度(例えば、60℃)になったとき、終了工程を完了するようにしてもよい。
また、前記では、立上加熱工程の開始から減圧工程の終了まで蒸気排出穴4bを閉塞するように圧力弁11を制御したが、本発明はこれに限定されない。例えば、立上加熱工程の開始から予め決められた期間は、蒸気排出穴4bを開放するように圧力弁11を制御してもよい。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明に係る圧力式炊飯器は、炊飯器の清潔性を一層向上させることができるので、例えば、家庭用及び業務用の圧力式炊飯器に有用である。
1 炊飯器本体
1A ヒンジ部
1a 鍋収納部
1b 上枠
1ba 筒状部
1bb フランジ部
1c コイルベース
2 鍋
2a フランジ部
3 外蓋
3A ヒンジ軸
3a 上外郭部材
3b 下外郭部材
3d 凹部
3da 蒸気逃がし穴
4 内蓋
4a,4b 蒸気排出穴
5 鍋底加熱ユニット(加熱部)
5a 底内加熱コイル
5b 底外加熱コイル
6 鍋温度センサ
7 ねじりコイルばね
8 蓋開放装置
8A フック軸
8B 開蓋ボタン
9 蒸気筒
9a 蒸気逃がし穴
10 圧力抑制弁
11 圧力弁
12 圧力弁移動機構
13 表示操作部
13A 液晶ディスプレイ
13B ボタン
14 制御部

Claims (6)

  1. 鍋と、
    前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、
    前記鍋を加熱する加熱部と、
    前記鍋内と前記蓋体内とを連通する蒸気排出穴を開閉する圧力弁と、
    前記加熱部及び前記圧力弁を制御して、前記鍋内の水を沸騰させる立上加熱工程と、前記鍋内の水が沸騰した状態を維持する沸騰維持工程と、前記鍋内の圧力を予め決められた圧力まで徐々に低下させる減圧工程と、前記減圧工程後に前記鍋内の温度及び前記鍋内の圧力を前記減圧工程よりも低下させる終了工程とを含むクリーニングコースを行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記立上加熱工程において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を閉塞し前記鍋内の圧力を大気圧を超えるように上昇させ、前記沸騰維持工程及び前記減圧工程において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を閉塞した状態を維持し、前記減圧工程の終了後の前記終了工程において、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を開放し前記鍋内の圧力を低下させ、前記終了工程の終了により前記クリーニングコースを終了させる、圧力式炊飯器。
  2. 前記制御部は、前記減圧工程において前記加熱部を停止させて、前記鍋内の圧力を低下させる、請求項1に記載の圧力式炊飯器。
  3. 前記制御部は、前記立上加熱工程の開始から前記沸騰維持工程の終了まで前記加熱部に一定の加熱電力を供給する、請求項1又は2に記載の圧力式炊飯器。
  4. 前記制御部は、前記鍋内の水の量が予め決められた量以上である場合、前記立上加熱工程及び前記沸騰維持工程において前記加熱部に一定の加熱電力を供給し、前記鍋内の水の量が予め決められた量より少ない場合、前記立上加熱工程において前記加熱部に第1の加熱電力を供給し、前記沸騰維持工程において前記加熱部に前記第1の加熱電力よりも低い第2の加熱電力を供給する、請求項1又は2に記載の圧力式炊飯器。
  5. 前記減圧工程は、予め決められた時間が経過すると、前記終了工程に移行する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の圧力式炊飯器。
  6. 前記制御部は、前記終了工程において前記加熱部を停止させるとともに、前記圧力弁を制御して前記蒸気排出穴を開放して、前記鍋内の圧力を低下させる、請求項1に記載の圧力式炊飯器。
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