JP4190559B2 - 加圧下で食品を調理するための器具 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、加圧調理器等の加圧下で調理するための家庭用器具の一般的な技術分野に関し、ボウルと、ボウルにロックされ、シールされた調理用の閉鎖容器を形成するための蓋部と、を有しており、このような器具は、蒸気加圧下でボウルに含まれる食品を調理するように構成されている。
さらに詳しくは、本発明は、加圧下で調理するための家庭用器具に関し、調理用のボウル、前記ボウルに取り付けられかつロックされて、略シールされた調理用の閉鎖容器を形成するための蓋部、前記ボウルに対して蓋部をロックおよびアンロックするためのロック/アンロック手段、前記閉鎖容器の内部の相対圧力を、略一定かつ調理圧力として参照される所定の値に、維持するように構成される圧力調整手段、ユーザによって直接的にあるいは間接的に操作されることにより、前記圧力調整手段によって維持されている前記閉鎖容器の内部に存在する圧力を、ユーザにとって許容可能な安全条件下で前記蓋部をアンロックし得る降下圧力(降下相対圧力)へ、強制的に降下させるように構成される減圧手段、および、前記閉鎖容器の内部に存在する圧力に対応し、また、前記ボウルに対する前記蓋部のロックおよびアンロックを許容する下限位置と、前記ロック/アンロック手段と連携し、前記ボウルに対して前記蓋部がアンロックされることが防止される上限位置との間を、移動するように取り付けられる開放安全手段を、有している。
従来技術
加圧調理器の種類の中で、加圧下で調理するための家庭用器具は、良く知られている。
それらは、食品が配置される、気密シールされた閉鎖容器を提供し、当該閉鎖容器は、器具が熱源の影響を受ける場合、高圧および高温に到達することが可能である。
既知の加圧調理器において到達する高圧および高温レベルの組み合わされた作用は、食品を極めて素早く調理することを可能にする一方、食品の官能および栄養特性が害されないことを保障する。
このような既知の加圧調理器は、一般的に十分な満足感を与えているが、しかし、調理をする方法に関し、ユーザを拘束している。
加圧調理器のような種類の器具を使用しての食品の調理は、連続的に実施する必要がある。つまり、ユーザは、調理プロセスの開始と終了の間において、食品に対し、直接的に、何ら処置をすることができない。
換言すれば、従来の加圧調理器を使用する調理において、ユーザは、調理が実施されている場合、例えば、料理の材料を加えたり、食品を味わったりするために、あるいは、より一般的に、調理の進行状態を直接的にモニタするために、少なくとも、単純かつ迅速な方法において、蓋部を、一時的に開放することができない。
従来の加圧調理器による調理中、つまり、加圧調理器がまだ熱源の影響を受けている場合において、ユーザよる加圧調理器の蓋部の開放が不可能であることは、加圧調理器の内部に存在する高レベルの圧力(55〜90kPaの範囲に略位置する相対圧力)に、起因する。このような圧力にさらされる場合に、蓋部を直接的に開放することは、程度の差はあるが、ユーザを激しく負傷させることとなる、やけどするほど熱い噴霧を、場合により伴って、蓋部が突然に放出されることを、導くおそれがある。
そのため、従来の加圧調理器の蓋部を開放する前に、熱の適用を停止し、この目的のための提供されるバルブ装置を介し、閉鎖容器の内部と外部とを連通することによって、調理用閉鎖容器を減圧することが必要である。
閉鎖容器の内部に高レベルの圧力が存在するため、減圧のために利用される時間は、一般的に非常に長く(器具を冷水の流れの下に配置する場合であっても)、その結果、調理の実施中における蓋部の一時的な開放と、相容れない。加えて、既知の調理器具は、一般的に、開放を支配するための安全装置が設けられており、当該安全装置は、器具内部の圧力が大気圧を上回っている限り、ユーザが蓋部を開放することを妨害する。したがって、蓋部を開放するために、ユーザは、閉鎖容器の内部の圧力が大気圧に略等しくなるまで、待機しなければならない。この待機時間は、一般的に非常に長く、加圧下で調理するための既知の器具を、シチューパン、つまり、調理の実施中において蓋部を一時的かつ迅速に開放することが可能である器具として、使用することを妨げる。
また、既知の調理器具は、ボウルおよび蓋部を有し、当該蓋部は、略大気圧において、あるいは、ボウルに対して蓋部を気密的にロックするための調整弁および装置が設けられる特定の器具の場合においては、若干高い圧力において、食品を調理するのを可能にしている。
このような低圧調理器は、従来の加圧調理器と異なり、実際に、真正の先行減圧を実施することを開始する必要なく、調理サイクルの途中において、直接的かつ自由に、蓋部を開放することを許容する。
これらの器具は、実際に、調理の実施中において、蓋部を略瞬間的に開放することを可能とするが、調理速度および食品特性の維持に特に関し、従来の加圧調理器において生じる種類の、真正の加圧調理と連携する利点を、提供しない。
これらの器具は、若干改良された従来のスープ鍋のように、機能する。
発明の要約
したがって、本発明の目的は、上述のさまざまな欠点に対する改善策を提供し、また、調理の実施中に、加熱を停止することなく、いつでも比較的容易かつ迅速に、蓋部を開放することをそれでも許容し、かつ、非常に高レベルの安全をそれにもかかわらず提供する一方、従来技術の通常の加圧調理器で得られるものに近似した方法で、調理を実施することを可能とする、加圧下で調理するための新規な家庭用器具を提案することである。
本発明の別の目的は、調理速度および減圧速度に関し、非常に優れた折衷案を提供する、加圧下で調理するための新規な家庭用器具を提案することである。
本発明の別の目的は、調理速度、使用の柔軟性および安全に関し、非常に優れた折衷案を提示する、加圧下で調理するための新規な家庭用器具を提供することである。
本発明の別の目的は、非常に使いやすい新規な家庭用加圧調理器を提案することである。
本発明の前記目的は、閉鎖容器を形成するための蓋部、前記ボウルに対して前記蓋部をロックおよびアンロックするためのロック/アンロック手段、前記閉鎖容器の内部の相対圧力を、略一定かつ調理圧力として参照される所定の値に、維持するように構成される圧力調整手段、ユーザによって直接的にあるいは間接的に操作されることにより、前記圧力調整手段によって維持されている前記閉鎖容器の内部に存在する圧力を、ユーザにとって許容可能な安全条件下で前記蓋部をアンロックし得る降下圧力(降下相対圧力)へ、強制的に降下させるように構成される減圧手段、および、前記閉鎖容器の内部に存在する圧力に対応し、また、前記ボウルに対する前記蓋部のロックおよびアンロックを許容する下限位置と、前記ロック/アンロック手段と連携し、前記ボウルに対して前記蓋部がアンロックされることが防止される上限位置との間を、移動するように取り付けられる開放安全手段を有する、加圧下で調理するための家庭用器具によって達成される。
本発明によれば、前記圧力調整手段は、前記調理圧力が4.5〜30kPaの範囲に略位置するように、構成されており、前記減圧手段は、前記降下圧力(降下相対圧力)が1〜4kPaの範囲に略位置するように、構成されており、前記開放安全手段は、前記閉鎖容器の内部の圧力が、前記降下圧力(降下相対圧力に、到達する場合、その下限位置に向かって降下するように構成されている。
図面の簡単な説明
本発明の他の特徴および利点は、非制限的な実施の形態として純粋に与えられる添付の図面を参照し、次になされる説明を読みとることで、詳細に、現れかつ理解することが可能である。
なお、図1は、本発明に係る加圧下で調理するための家庭用器具の概略斜視図である。
図2は、本発明に係る調理用器具における蓋部の実施の形態の詳細を示している分解斜視図である。
図3は、本発明に係る調理用器具のための開放安全手段の実施の形態の詳細を示している部分断面図であり、ユーザによってボウルに対し蓋部がシール的にロックされている途中である。
図4は、図3に示される詳細に対応している、本発明の調理用器具の平面図である。
図5は、図3に示される実施の形態の詳細を示している部分断面図であり、ユーザによって器具の減圧が進行している途中である。
図6は、図5に示される詳細に対応している、本発明に係る調理用器具を示している平面図である。
図7は、図5に示される実施の形態の詳細の部分断面図であり、減圧が一旦完了している。
図8は、図7に示される詳細に対応している、本発明に係る調理用器具の平面図である。
図9は、図7に示される同一の実施の形態の詳細を示している部分断面図であり、ユーザによって蓋部がアンロックされる途中である。
図10は、図9に示される詳細に対応している、本発明の調理用器具の平面図である。
本発明を実施するための最適な方法
本発明に係る調理器具は、家庭的背景において、さまざまな種類の食品を加圧下で調理するために使用される。したがって、発明が適用される調理器具は、家庭環境での使用を意図しており、工業用器具とは異なり、持ち運び自在である。
通常のように、本発明に係る調理用器具は、調理容器を形成するボウル1を有し、当該ボウル1は、好ましくは、軸線X−X’に関し略回転対称である。下記において、形容詞「軸の」は、前記対称軸X−X’の方向を参照するために使用され、当該方向は、器具が通常操作にある場合における垂直に近似する。
通常のように、ボウル1は、ステンレス鋼等の金属から形成され、また、例えば、ホットスタンプ(frappe)によってボウル1に固定される熱伝導底部1Aが、設けられる。
ボウル1はまた、取手1B,1Cなどの把握するための部材を有し、当該部材は、好ましくは2つからなり、例えば、対角線上の位置で、ボウル1に固定される。
器具はまた、蓋部2を有し、当該蓋部は、ボウル1に取り付けられ、略シールされた、つまり、圧力の上昇が許容されるように、十分に気密シールされた調理用の閉鎖容器を形成するように構成されている。
蓋部2は、有利には、略円形状であり、その一般的な直径は、例えば、約26センチメートル(cm)であり、シチューパンのための現行の標準に対応している。
蓋部2は、ボウル1に対し蓋部2を係合するためのロック/アンロック手段3によって、ボウル1に対し、ロックされ(図4、6および8参照)、あるいは、アンロックされる(図10参照)。
ロック/アンロック手段3は、当業者にとって公知の何かのタイプとすることが可能であり、特に、ボウル1に対し蓋部2を固定するための少なくとも1つの部材3B,3Cに機能的に連結される、ノブタイプの手動制御部材3Aを、提供することが可能である。
下記において、より詳細に参照し、ロック/アンロック手段3は、図1に示されるように、回転ノブ3Aによって制御されるジョー3B,3Cを有する。
ジョー3B,3Cは、ボウル1の外周端と蓋部2の外周端とを同時にクランプできるように、外端部にみぞ部を有する金属プレートの形態をとることが可能である。
図に示されるように、有利には、器具の概略対称軸X−X’に関し、対角線上に位置決めされる2つのジョーが存在する。
ジョーは、有利には、回転ノブ3Aの制御下で直接的に回転させられる回転式中間プレート3Dの制御下で、ロック位置とアンロック位置の間において、半径方向に移動させられる。また、中間プレート3Dは、ジョー3B,3C(図2参照)と連携するガイドスタッド4,5上を平行移動(en translation)することによって、ジョー3B,3Cに影響を与える。
ノブ3Aは、固定ピン3E,3Fを介し中間プレート3Dに固定される。プレート3Dとノブ3Aによって形成されるアセンブリは、蓋部2に取り付けられる座部3Gに対し、回転させて取り付けられる。
しかし、ボウル1に対し蓋部2をロックおよびアンロックするためのロック/アンロック手段3は、ジョー方式に限定されず、本発明の範囲を越えることなく、例えば、差し込みロック方式、セグメントロック方式、ロッキングバー方式、あるいは、当業者にとって良く知られた他の手段に基づくことも、可能である。
本発明に係る家庭用調理器具は、圧力調整手段6を有し、当該圧力調整手段6は、閉鎖容器の内部に存在する相対圧力(つまり大気圧上で測定された圧力)を、調理圧力Pcとして参照される略一定の所定の値に、維持するように、構成される。
このような調整手段6の操作の一般的な原理は、当業者にとってよく知られている。
したがって、通常のように、圧力調整手段6は、調理用閉鎖容器の内部に存在する圧力に反応し、また、当接および復帰(rappel)が安定した位置である第1位置と、少なくとも1つの漏出位置との間を移動するように取り付けられる。第1位置においては、閉鎖容器の内部の圧力が、所定の調理圧力Pcの略以下である限り、閉鎖容器と器具の外部との間の連通が阻止される。漏出位置においては、閉鎖容器の内部の圧力が、所定の調理圧力Pcを越えている限り、閉鎖容器の内部と器具の外部とが連通される。
したがって、このような圧力調整手段6は、器具が過渡的な圧力上昇を完了し、定常運転状態に一旦到達すると、閉鎖容器の内部の圧力を、所定の基準(nominal)レベルPc周辺に維持するように機能する。
圧力調整手段6は、通常、荷重が負荷されたバルブあるいは圧縮バネによって偏向されたバルブによって、構成されており、下限シール位置と1つ以上の上限漏出位置との間の穴部(puits)に、移動可能に取り付けられる。
当業者にとって良く知られているように、圧力調整手段6はまた、校正(tarage)装置を設けることが可能であり、当該装置は、ユーザが、圧力を選択するための部材を介し、例えば、調理器具に存在する食品の種類の関数(en fonction)として、複数の調理圧力レベルから、調理圧力Pcのための所定の値を、選択することを可能とする。
本発明によれば、調理器具はまた、作動および作動停止されることに適している減圧手段6を含んでおり、当該減圧手段6は、作動される場合、閉鎖容器の内部の圧力が降下することを許容するように構成される。
本発明に係る調理用器具の作動および作動停止自在の減圧手段6の機能は、特に、次の通りである。
減圧手段が作動停止している場合、減圧手段は、閉鎖容器の内部から外部への蒸気の漏出を妨げることが略可能である。
減圧手段が作動している場合、減圧手段は、閉鎖容器の内部と外部とを連通させることで、蒸気の漏出を生じさせ、これによって、閉鎖容器の内部の圧力を低下させる。前記圧力は、調理圧力Pcに対応している第1値から、第1値より低くかつユーザにとって許容可能な安全条件下で蓋部をアンロックすることに対応する第2値(降下圧力)まで変化する。
減圧手段6は、閉鎖容器の内部に存在する圧力のレベルに無関係に作動可能であるように、特に、閉鎖容器の内部の圧力が調理圧力Pcに略等しい場合に作動可能であるように、好ましくは、構成される。
減圧手段は、当業者にとって知られている通常の手段によって構成することが可能である。特に、減圧手段の形状および寸法は、やけどするほど熱い調理材料(食品、煮汁)の危険なしぶきを飛ばすことなく、減圧が実行可能であるように設定することが必要である。
有利には、減圧手段の機能は、2つの機能を実施する圧力調整手段6によって実行される。
この目的のため、有利には、圧力調整手段6は、例えば、アクチュエータのヘッドの形態をとる作動自在の係合手段6Aを有する。この作動自在の係合手段6は、作動している場合、調整手段を漏出位置に配置するように機能するため、当該調整手段6はまた、作動自在の減圧手段を構成する。
減圧手段、つまりこの場合、係合手段6A(図2参照)は、手動制御部材3Aを使用して、ユーザによって直接的に、例えば手動式に、あるいは間接的に、操作され、係合手段6Aの変位を支配するように構成される傾斜9の移動を、引き起こすことが可能である。
本発明の重要な特徴によれば、調理圧力Pcが、4.5〜30kPaの範囲、より好ましくは、10〜30kPaの範囲に、略位置するように、圧力調整手段は構成されており、調理器具に適合されている。
特に、圧力調整手段6の構成および寸法は、圧力を制御し、4.5〜30kPaの範囲、より好ましくは、10〜30kPaの範囲に、位置するように、設定されている。
したがって、圧力調整手段6は、市販されている熱源の可変性と無関係に、その機能を実行するように構成されている。
本出願人が見出したことは、4.5〜30kPaの範囲、より好ましくは、10〜30kPaの範囲に位置する調理圧力Pcの選択は、一方における調理の所要時間と、他方における、その調理圧力Pcから、ユーザのための許容される安全状態下で蓋部を開放することに適合している下限圧力に移動させたい場合における、器具の減圧の所要時間と、の間における、非常に優れた折衷案を提供することである。
判明したことは、上記の範囲に位置する調理圧力Pcは、十分に短い減圧時間を許容しており、器具が継続して一定のヒータ出力にさらされた場合であっても、減圧中にやけどするほど熱い噴霧を導くことなく、例えば、閉鎖容器に存在する食品に、調味料を加えたり、味見をしたりするために、調理中に蓋部を一時的に開放することに、適合していることである。
したがって、上記圧力範囲は、加圧下で調理する利点と同様に、通常のシチューパンの使用の柔軟性に関する利点を、享受することを可能とする。それは、4.5〜30kPaの範囲が、55〜90kPaである通常の範囲より大幅に低いけれど、発明の枠組みにおいて出願人によって決定される調理圧力Pcは、大気圧の近傍の圧力で操作される通常のスープ鍋と比較し、十分な時間が節約されることを可能とする。
したがって、本発明の加圧調理用の器具は、一方として、真正の加圧調理を可能とし、他方として、安全かつ十分な速さで、減圧を許容するため、調理を実施中において、器具を熱源から離すことを必要とすることなく、また、熱源の出力を調整する(例えば、低下させる)ことを必要とすることなく、ユーザが蓋部を随時に開放することを可能とする。
好ましくは、本発明に係る器具の調理圧力Pcは、5〜30kPaの範囲に位置し、5〜10kPaの範囲、10〜15kPaの範囲、15〜20kPaの範囲、20〜25kPaの範囲、および、25〜30kPaの範囲もまた、興味深い個々の結果を与えるのに役立つ。
特に有利には、調理圧力Pcは、20kPaに略等しい。
本出願人が確認したことは、調理圧力Pcが20kPaに略等しいと、閉鎖容器の内部温度が約105°Cに上昇することを可能にしており、通常のシチューパンと比較して、本発明に係る器具を使用して得られる調理時間の節約は、ローストポークを調理する場合には25%、水中でニンジンを調理する場合には33%、そして、蒸気中でサーモンを調理する場合には22%である。
加えて、本発明に係る器具が、20kPaに略等しい調理圧力Pcを有する場合、以下の条件下において、約5秒からなる減圧時間(閉鎖容器の内部に存在する圧力が、調理用の値から蓋部の安全な開放に適合した値まで降下するために必要とされる時間に対応する時間)を得ることが可能である。
器具は、1リットル(L)の水の1リットル(L)を含んでいる。器具は、450ワット(W)に略等しい出力を有する誘導式熱源にさらされる。器具は、減圧操作の間においても、熱源の影響に連続的にさらされる。
有利には、本発明に係る加圧下で調理するための家庭用器具はまた、閉鎖容器の内部に存在する圧力および/または温度を感知する開放安全手段7を含んでいる。
有利には、開放安全手段7は、ロック/アンロック手段3と相互作用することで、閉鎖容器の内部に存在する圧力が、所定の値を上回っている限り、および/または、閉鎖容器の内部温度が、所定の値を上回っている限り、ボウル1に対し蓋部2がアンロックされるのを防止するように構成されている。
好ましくは、開放安全手段7は、閉鎖容器の内部に存在する圧力を感知する圧力計ロッド7Aを有する。ロッド7Aは、蓋部2に形成される穴部8を介して、下限位置(図7および図9参照)と上限位置(図2、図3および図5参照)との間を移動可能に取り付けられる。下限位置においては、ロッド7Aは、ボウル1に対し蓋部2がロックあるいはアンロックされることを許容する。上限位置においては、ロッド7Aは、ロック/アンロック手段3と連携し、ボウル1から蓋部2がアンロックされることを妨げる。
このような開放安全手段は、その一般的な原理に関して、良く知られている。それは、閉鎖容器の内部の圧力のレベルが、ユーザの安全の観点から許容されるレベルに到達する場合にのみ、ボウル1から蓋部2が分離されることを許容することによって、開放に対する確実な(positive)安全を提供する。
有利には、例えば、圧力計ロッド7Aを有する開放安全手段7は、閉鎖容器の内部に存在する圧力が、1.5〜4kPaの範囲に略位置する上昇圧力(上昇相対圧力値に、一旦到達すると、前記圧力の影響下で、上限位置に保持されるように、構成されている。
好ましくは、開放安全手段7は、上昇圧力が、3kPa±0.5kPaと略等しいように、構成される。
より有利には、上昇圧力は、3.3kPaに略等しい。
有利には、開放安全手段7は、閉鎖容器の内部の圧力が、1〜4kPaの範囲に、より好ましくは、1.5〜4kPaの範囲に略位置する降下圧力(降下相対圧力値に、到達する場合、その下限位置に向かって降下するように構成される。
前記降下圧力はまた、一般的に、上昇圧力より略低い。
好ましくは、降下圧力は、1.5〜2kPaの範囲、あるいは、下限(1.5kPa)を除外した1.5〜2kPaの範囲に略位置する。降下圧力はまた、1.6〜2kPaの範囲、あるいは、2〜3kPaの範囲、あるいはまた、3〜4kPaの範囲に、略位置することが可能であり、したがって、本発明の範囲を越えない。
2.5kPa±0.5kPaと略等しい降下圧力はまた、良好な結果を与える。
一般的に、本発明の枠組みにおいて、例えば、圧力計ロッド7Aによって形成される開放安全手段7の寸法および形状は、降下圧力が、上昇圧力より低いが、上昇圧力に可能な限り近くなるように、設定される必要がある。
開放安全手段7はまた、降下圧力として越えてはならない4kPaの限界を、目下、規定している現行の標準の制限内において、降下圧力が、可能な限り高くなるように、構成される必要がある。高い、例えば、1.5〜2kPaの範囲に位置する降下圧力を選択することは、降下圧力が一般的に0.5kPaを越えない先行技術に係る加圧調理器と比較し、器具の蓋部2を、より迅速に開放することを、可能にする。
しかし、高い降下圧力を得ることは、一般的に、圧力計ロッド7Aをより重くする。
重量のこの上昇は、当然に、器具の内部の圧力が上昇する際において、上限位置に向かう圧力計ロッド7Aの迅速な上昇に対して有害であり、調理サイクルを遅くする可能性がある。
そのため、本発明の枠組みにおいて、有利には、器具に、安全ロッド7Aを駆動するためのアクチュエータ手段10を提供する。そして、アクチュエータ手段10は、閉鎖容器の内部に存在する圧力値に関係なく、ロッド7Aを、上限位置に配置することを可能にするように構成される。
このようにして、アクチュエータ手段10は、上限位置に向かってロッド7Aを機械的に駆動する。なお、当該上限位置は、好ましくは、ロッド7Aが支持されることになるシールガスケット12の存在に起因してシールされる位置である。
有利には、開放安全手段7はまた、蓋部2を開放することが可能か否かをユーザに通知するための信号手段に、機能的に連結される。
好ましくは、信号手段は、可視タイプであり、有利には、圧力計ロッド7Aの本体部自体によって構成されており、その位置に応じ、特に、開放安全手段7を含んでいる保護ケーシング7Cに配置される開口部7Bを経由し、ユーザの目に対し、可視あるいは不可視となる。
この構成は、閉鎖容器の内部の圧力状態が、安全なアンロックに適合すると、ユーザに瞬間的に通知されるため、ユーザが蓋部2のアンロックを即座に実行することを可能とする。
以下において、本発明に係る調理用器具の操作が説明される。
まず、ユーザは、ボウル1に、つまり、ボウル1に直接的にあるいはボウル1に含まれる着脱式バスケットを介して間接的に、食品を配置する。
そして、図9および図10に示されるように、ユーザは、ボウル1に蓋部2を載置する。この時点において、ジョー3B,3Cは、アンロック位置にあり、また、減圧手段は、作動しており(つまり、アクチュエータヘッド6Aは、傾斜9によって上限位置に維持される)、一方、開放安全ロッド7は、下限位置にある。
その後、ユーザは、第1の所定ストロークで、ノブ3Aを時計回りに回転させることによって、ボウル1に対して蓋部2をロックして、シール性を確立し、その結果、半径方向かつ求心的な平行移動により、ジョーをそのロック位置に向かって駆動する一方、アクチュエータ手段を構成する傾斜10は、安全圧力計ロッド7Aを上限位置に向かって直接的に前進させ、また、同時に、減圧手段6の作動を停止させる。したがって、減圧手段6は、圧力調整手段となる。
そして、調理器具は、図3および図4に示される状況、つまり、略シールかつロックされた配置につくこととなる。したがって、器具の圧力は、4.5〜30kPaの範囲に位置する操作圧力まで、急速に上昇することが可能であり、その圧力は、圧力調整手段6によって調整されている。
調理を実施中に、ユーザが蓋部を開放することを望む場合、第2の所定ストロークで、ノブ3Aを反時計回りに回転させることで、十分であり、その結果、傾斜9を介し、ヘッド6Aを上昇させ、閉鎖容器の減圧を導く蒸気の漏出を引き起こす。
図5および図6に示されるように、圧力計ロッド7Aは、この状態において、もはや傾斜10によって支持されていないが、閉鎖容器の内部に存在する圧力が、例えば、1.5〜2kPaの範囲に位置する降下圧力を、略越えている限りにおいて、上限位置に留まる。
上限位置において、圧力計ロッド7Aは、中間ピース3D上のリブ11と連携し、ボウル1に対し蓋部2がアンロックされることを防止する。
その後、閉鎖容器の内部の圧力が、降下圧力を下回るまで一旦降下すると、圧力計ロッド7Aは、その下限位置に自動的に復帰し、蓋部がアンロックされることを許容する。
蓋部を開放する操作は、結局、極めて短くなる。それは、降下圧力と連携して器具のための操作圧力レベルを適切に定義しているためであり、前記操作圧力レベルはまた、素早く調理することを可能とする。
最後に特に言及することは、本発明は、開放安全手段を備えた器具だけを目指しているわけではなく、また、特に、加圧下で調理するための家庭用器具に関し、当該器具は、調理用のボウル1、前記ボウル1に取り付けられかつロックされて、略シールされた調理用の閉鎖容器を形成するように構成された蓋部2、前記ボウル1に対して前記蓋部2をロックおよびアンロックするためのロック/アンロック手段3、前記閉鎖容器の内部の相対圧力を、略一定かつ調理圧力として参照される所定の値Pに、維持するように構成される圧力調整手段6、および、ユーザによって直接的にあるいは間接的に操作されることにより、圧力調整手段6によって維持されている前記閉鎖容器の内部に存在する圧力を、ユーザにとって許容可能な安全条件下で蓋部2をアンロックし得る降下圧力(降下相対圧力)へ、強制的に降下させるように構成される減圧手段6を有しており、前記圧力調整手段6が、開放安全手段の利用とは無関係に、前記調理圧力Pが4.5〜19.9kPaの範囲に略位置するように、構成されていることを特徴とする。
判明したことは、4.5〜19.9kPaの範囲、それにまた、5〜19.9kPaの範囲あるいは10〜19.9kPaの範囲は、調理時間と、調理の実施中において蓋部を開放する速度と、の間における非常に優れた折衷案を提供することである。
産業上の利用の可能性
本発明の産業上の利用は、加圧下で食品を調理するための器具を、設計、製造および使用することに存する。
本発明に係る加圧下で調理するための家庭用器具の概略斜視図である。 本発明に係る調理用器具における蓋部の実施の形態の詳細を示している分解斜視図である。 本発明に係る調理用器具のための開放安全手段の実施の形態の詳細を示している部分断面図であり、ユーザによってボウルに対し蓋部がシール的にロックされている途中である。 図3に示される詳細に対応している、本発明の調理用器具の平面図である。 図3に示される実施の形態の詳細を示している部分断面図であり、ユーザによって器具の減圧が進行している途中である。 図5に示される詳細に対応している、本発明に係る調理用器具を示している平面図である。 図5に示される実施の形態の詳細の部分断面図であり、減圧が一旦完了している。 図7に示される詳細に対応している、本発明に係る調理用器具の平面図である。 図7に示される同一の実施の形態の詳細を示している部分断面図であり、ユーザによって蓋部がアンロックされる途中である。 図9に示される詳細に対応している、本発明の調理用器具の平面図である。

Claims (10)

  1. 加圧下で調理するための家庭用器具であって、
    調理用のボウル(1)、
    前記ボウル(1)に取り付けられかつロックされて、略シールされた調理用の閉鎖容器を形成するための蓋部(2)、
    前記ボウル(1)に対して前記蓋部(2)をロックおよびアンロックするためのロック/アンロック手段(3)、
    前記閉鎖容器の内部の相対圧力を、略一定かつ調理圧力として参照される所定の値(P)に、維持するように構成される圧力調整手段(6)、
    ユーザによって直接的にあるいは間接的に操作されることにより、前記圧力調整手段(6)によって維持されている前記閉鎖容器の内部に存在する圧力を、ユーザにとって許容可能な安全条件下で前記蓋部(2)をアンロックし得る降下相対圧力へ、強制的に降下させるように構成される減圧手段(6)、および、
    前記閉鎖容器の内部に存在する圧力に対応し、また、前記ボウルに対する前記蓋部(2)のロックおよびアンロックを許容する下限位置と、前記ロック/アンロック手段と連携し、前記ボウル(1)に対して前記蓋部(2)がアンロックされることが防止される上限位置との間を、移動するように取り付けられる開放安全手段(7)
    を有しており、
    前記圧力調整手段(6)は、前記調理圧力(P)が4.5〜30kPaの範囲に略位置するように、構成されており、
    前記減圧手段(6)は、前記降下相対圧力が1〜4kPaの範囲に略位置するように、構成されており、
    前記開放安全手段は、前記閉鎖容器の内部の圧力が、前記降下相対圧力に、到達する場合、その下限位置に向かって降下するように構成されている
    ことを特徴とする器具。
  2. 前記降下相対圧力は、1.5〜4kPaの範囲に略位置することを特徴とする請求項1に記載の器具。
  3. 前記降下相対圧力は、1.5〜2kPaの範囲に略位置することを特徴とする請求項2に記載の器具。
  4. 前記調理圧力(P)は、10〜30kPaの範囲に略位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の器具。
  5. 前記調理圧力(P)は、20kPaに略等しいことを特徴とする請求項4に記載の器具。
  6. 前記開放安全手段(7)は、前記圧力が、1.5〜4kPaの範囲に略位置する上昇相対圧力値に、一旦到達すると、前記閉鎖容器の内部に存在する圧力の影響下で、上限位置に維持されるように、構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の器具。
  7. 前記上昇相対圧力は、3kPa±0.5kPaに略等しいことを特徴とする請求項6に記載の器具。
  8. 前記器具は、前記開放安全手段(7)を操作するためのアクチュエータ手段(10)を含んでおり、
    前記閉鎖容器の内部に存在する圧力値に関係なく、前記開放安全手段(7)を上限位置に配置し得るように、前記アクチュエータ手段(10)は、構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の器具。
  9. 前記開放安全手段(7)は、前記蓋部を開放することが可能か否かをユーザに通知するための信号手段を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の器具。
  10. 前記信号手段は、位置に応じてユーザの目に対して可視あるいは不可視となる部材を有することを特徴とする請求項9に記載の器具。
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