JP6860994B2 - 杭頭接合部 - Google Patents

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Description

本開示は、杭頭接合部に関する。
上部構造を支持する杭基礎は、一般的に、複数の杭と、杭の上端部(杭頭部)を囲むように設けられるパイルキャップやフーチングのような基礎コンクリート部とを有している。杭頭部と基礎コンクリート部との接続を強化するために、例えば、特許文献1が開示するように、接合部材及び補強筋が用いられる。杭頭部、接合部材、補強筋及び基礎コンクリート部は、杭頭接合部を構成する。
より詳しくは、特許文献1が開示する杭頭接合部では、杭頭部の外周面に複数の接合部材が周方向に間隔をあけて取り付けられる。接合部材は、杭頭部の軸線方向に相互に離間した下板部及び上板部を有し、接合部材の下板部に補強筋の螺子部が結合される。補強筋の軸部は接合部材の上板部の挿通部を通過して延び、杭頭部の端面から上方に突出している。
特許文献1が開示する杭頭接合部では、基礎コンクリート部が上板部を上方へ押し上げ力にて押すことにより、補強筋に螺子部が螺子加工によって形成されていても、杭頭部と基礎コンクリート部の接合を効果的に補強することができる。
特開2015−34458号公報
本発明者等が検討したところ、特許文献1が開示する杭頭接合部においては、基礎コンクリート部のひび割れの有無や、接合部材の上板部の降伏の有無に応じて、杭頭接合部の許容曲げモーメントを場合分けして算定する必要があることが判明した。このような場合分けの必要性について、特許文献1には何ら記載はない。
杭頭接合部の設計にあたり、許容曲げモーメントの算定が必須であるが、許容曲げモーメントを場合分けして算定することは、設計者にとって煩雑である。
また、本発明者等の検討により、場合によっては、許容曲げモーメントの算定にあたって、補強筋の軸部の引っ張り降伏強さではなく、補強筋の螺子部の引っ張り降伏強さを考慮する必要があることがわかった。補強筋の螺子部の引っ張り降伏強さは軸部の引っ張り降伏強さよりも小さい。このため、杭頭接合部は、ひび割れの有無等によらず、補強筋の軸部の引っ張り降伏強さを考慮して許容曲げモーメントを算定可能な構造を有することが望ましい。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、杭頭部の軸線方向に相互に離間した下側突起部及び上側突起部を有する接合部材が杭頭部の外周面に取り付けられ、該下側突起部に螺子部が結合された補強筋の軸部に対し基礎コンクリート部が付着している杭頭接合部であって、補強筋の軸部の引っ張り降伏強さを考慮して許容曲げモーメントを算定可能な杭頭接合部を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る杭頭接合部は、
杭頭部と、
前記杭頭部の外周面に固定された複数の接合部材と、
前記杭頭部に対し前記接合部材を介してそれぞれ取り付けられた複数の補強筋と、
前記杭頭部、前記複数の接合部材、及び、前記複数の補強筋を囲む、コンクリートによって構成された基礎コンクリート部と、を備える杭頭接合部において、
前記補強筋は、
表面に凹凸を有する軸部と、
前記軸部の一端側に連なり前記軸部よりも小さい断面積を有する螺子部と、を有し、
前記接合部材は、
前記杭頭部の外周面に固定された下側突起部と、
前記杭頭部の外周面に固定された上側突起部であって、前記杭頭部の軸線方向にて前記下側突起部の上方に配置された上側突起部と、を有し、
前記補強筋の螺子部は前記下側突起部に結合され、
前記補強筋の軸部は、前記杭頭部の軸線方向にて前記下側突起部と前記上側突起部との間を延びる第1部分と、前記杭頭部の端面から上方に突出して延在する第2部分とを有しており、
前記杭頭接合部は、前記基礎コンクリート部の内部に配置された少なくとも1つの仕切部材を更に備え、
前記少なくとも1つの仕切部材は、前記補強筋の軸部の第1部分の側方に配置された仕切壁を有し、
前記基礎コンクリート部は、前記仕切壁と前記補強筋の軸部の前記第1部分との間に充填されたコンクリートによって構成されて前記補強筋の軸部の前記第1部分に付着した付着部分を有し、
前記杭頭接合部に曲げモーメントが作用したときに、前記付着部分から前記上側突起部に作用する力が発生するように構成されている。
上記構成(1)によれば、接合部材の上側突起部と下側突起部との間を延びる補強筋の軸部の第1部分の側方に仕切壁が配置されており、軸部の第1部分の側方にて、基礎コンクリート部を仕切ることができる。このように基礎コンクリート部を仕切ることによって、補強筋の径方向にて、軸部の第1部分に付着した基礎コンクリート部の部分(付着部分)と、仕切壁の外側の基礎コンクリート部の部分(遠位部分)との間の接続が遮断される。これにより、杭頭接合部に曲げモーメントが作用したときに、基礎コンクリート部の付着部分が、遠位部分に対し相対変位し易く、付着部分から上側突起部に作用する力(付着による抵抗力)が発生する。この結果として、許容曲げモーメントの算定の際、補強筋の軸部の引っ張り降伏強度を考慮することが可能となり、許容曲げモーメントを容易に算定することが可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記少なくとも1つの仕切部材は、前記接合部材に対応して設けられた複数の前記仕切部材によって構成され、
前記複数の仕切部材の各々の前記仕切壁は樋形状を有し、前記補強筋の軸部の第1部分を前記杭頭部の外周面とともに囲んでいる。
上記構成(2)によれば、樋形状を有する仕切壁及び杭頭部の外周面によって、対応する1つの軸部の第1部分を囲むことで、1つの第1部分の周方向全域に渡って、基礎コンクリート部の付着部分と、基礎コンクリート部の遠位部分との間の接続が遮断される。これにより、杭頭接合部に曲げモーメントが作用したときに、基礎コンクリート部の付着部分が、遠位部分に対し確実に相対変位し易くなる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記仕切壁は、前記杭頭部を囲むように配置された周壁によって構成されている。
上記構成(3)によれば、杭頭部を囲むように配置された周壁によって、補強筋の径方向にて、基礎コンクリート部の付着部分と、基礎コンクリート部の遠位部分との間の接続を簡単な構成で遮断することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(3)において、
前記仕切部材は、前記周壁の上端に連なり、前記杭頭部の端面に沿って配置される環状板を更に有し、
前記環状板は、前記補強筋が挿通される複数の開口を有する。
上記構成(4)によれば、環状板を杭頭部の端面上に配置することで、仕切壁を容易に配置することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、杭頭部の軸線方向に相互に離間した下側突起部及び上側突起部を有する接合部材が杭頭部の外周面に取り付けられ、該下側突起部に螺子部が結合された補強筋の軸部に対し基礎コンクリート部が付着している杭頭接合部であって、補強筋の軸部の引っ張り降伏強さを考慮して許容曲げモーメントを算定可能な杭頭接合部が提供される。
構造体の概略的な構成を示す図である。 杭頭接合部を説明するための図である。 図2中の杭頭部、接合部材、補強筋及び定着体を概略的に示す図であり、左半分は側面図、右半分は断面図である。 杭頭部、接合部材及び補強筋の一部を概略的に示す断面図である。 接合部材を概略的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図、そして、(d)は下面図である。 補強筋を概略的に示す側面図である。 仕切部材を概略的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、そして、(c)は上面図である。 杭頭部、接合部材及び仕切部材を概略的に示す上面図である。 図8の一部を拡大して示す図である。 仕切部材の作用効果を説明するための図である。 第2実施形態に係る杭頭接合部の杭頭部、接合部材、補強筋、及び、仕切部材の一部を概略的に示す断面図である。 仕切部材の構成を概略的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、そして、(c)は下面図である。 第3実施形態に係る杭頭接合部の杭頭部、接合部材、補強筋、及び、仕切部材を概略的に示す図であり、左半分は側面図、右半分は断面図である。 杭頭部、接合部材及び仕切部材を概略的に示す上面図である。 仕切部材の概略的な構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は縦断面図である。 仕切部材の変形例の概略的な構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は縦断面図である。 仕切部材の変形例の概略的な構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は縦断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る杭頭接合部10aについて説明する。
図1は、構造体1の概略的な構成を示す図である。構造体1は、複数の杭2と、複数の杭2の杭頭部の各々に接合されたパイルキャップ4aと、パイルキャップ4a同士を連結する梁5と、パイルキャップ4aを介して杭2によって支持された上部構造6と有する。杭2、パイルキャップ4a及び梁5は、上部構造6を支持するための杭基礎8を構成している。
なお、杭基礎8は、パイルキャップ4aに代えて、フーチングを有していてもよい。以下では、パイルキャップ4aやフーチングを基礎コンクリート部4とも称する。
図2は、杭頭接合部10aを説明するための図である。図3は、図2中の杭頭部、接合部材、補強筋(定着筋)及び定着体を概略的に示す図であり、左半分は側面図、右半分は断面図である。図4は、杭頭部、接合部材及び補強筋の一部を概略的に示す断面図である。図5は、接合部材を概略的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図、そして、(d)は下面図である。図6は、補強筋を概略的に示す側面図である。図7は、仕切部材を概略的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、そして、(c)は上面図である。図8は、杭頭部、接合部材及び仕切部材を概略的に示す上面図である。図9は、図8の一部を拡大して示す図である。
図1〜図9に示したように、杭頭接合部10aは、杭2の上端部(杭頭部)12と、複数の接合部材14と、複数の補強筋15と、複数の仕切部材16aと、基礎コンクリート部4とを備えている。
杭2は、場所打ち杭であっても既製杭であってもよい。ただし、円筒形状の杭頭部12の外周面には、接合部材14が溶接によって固定される。このため、場所打ち杭の場合には、杭2は鋼管コンクリート杭である。また、既製杭の場合には、杭2は、鋼管杭(SPP杭)若しくは外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)であるか、又は、上端部に鋼製の補強バンドが取り付けられているコンクリート杭、例えば、鉄筋コンクリート杭(RC杭)、プレストレストコンクリート杭(PC杭,PRC杭)、若しくは、高強度プレストレストコンクリート杭(PHC杭)等である。
本実施形態では、杭2は、SC杭であり、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部17と、コンクリート部17の両端を覆う金属製の端板18と、コンクリート部17の外周面を覆う外殻鋼管19とを有する。端板18は環形状を有し、外殻鋼管19に対して溶接されている。
複数の接合部材(ジョイントカプラ)14は、金属製であり、杭頭部12の周方向に間隔をおいて、杭頭部12の外周面に溶接によって固定されている。
複数の補強筋15は、金属製であり、杭頭部12に対し接合部材14を介してそれぞれ取り付けられている。
本実施形態では、杭頭接合部10aは、接合部材14に対応して複数の仕切部材16aを有する。仕切部材16aは例えば金属製である。
基礎コンクリート部4は、コンクリートによって構成され、杭頭部12、複数の接合部材14、複数の仕切部材16a及び、複数の補強筋15を囲んでいる。
なお図示しないけれども、基礎コンクリート部4内には、割裂防止筋や、梁5の主筋等が配置されていてもよい。
ここで、補強筋15は、表面に凹凸を有する軸部20と、軸部20の一端側に連なり軸部20よりも小さい断面積を有する螺子部21と、を有する。なお、補強筋15は、軸部20の両側に螺子部21を有していてもよい。この場合、補強筋15の上端側の螺子部21に定着体22としてのナットが螺合されていてもよい。
例えば、補強筋15として、図6に示したような異形鉄筋を用いることができる。
接合部材14は、下側突起部23と上側突起部24とを有する。下側突起部23及び上側突起部24は、杭頭部12の外周面に溶接によって固定され、杭頭部12の外周面から側方に突出している。そして、上側突起部24は、杭頭部12の軸線方向にて下側突起部23の上方に配置されている。例えば、杭頭部12の軸線方向にて、上側突起部24の上面の位置が、杭頭部12の上端面の位置に一致するように、接合部材14は杭頭部12の外周面に溶接される。
補強筋15の螺子部21は下側突起部23に結合されている。例えば、図5に示したように、下側突起部23に螺子孔26が形成され、螺子部21は螺子孔26に螺合される。或いは、図示しないけれども、下側突起部23には貫通孔が形成され、下側突起部23の下側に、貫通孔と同軸にてナットが溶接される。この場合、ナットを下側突起部23の一部と見なすことができ、ナットに螺子部21を螺合することにより、下側突起部23に螺子部21が螺合されていると見なすことができる。
補強筋15の軸部20は、杭頭部12の軸線方向にて下側突起部23と上側突起部24との間を延びるとともに、上側突起部24及び杭頭部12の端面から上方に突出して延在している。
従って、上側突起部24は、補強筋15の通過を許容するような形状を有している。一方で、上側突起部24は、下側突起部23と上側突起部24との間を延びる補強筋15の軸部20の部分に付着した基礎コンクリート部4の部分と、杭頭部12の軸線方向にて係合するように構成されている。
例えば、図5に示したように、上側突起部24は、補強筋15の通過を許容する切り欠き28が形成されたフォーク部29を有し、フォーク部29は、軸部20に付着したコンクリート部4の一部と杭頭部12の軸線方向にて係合するように構成されている。
なお以下では、補強筋15の軸部20のうち、上側突起部24の上端面と下側突起部23との間を延びる部分を第1部分20aとも称し、上側突起部24の上端面よりも上方の部分を第2部分20bとも称する。
好ましくは、接合部材14は、下側突起部23及び上側突起部24と一体に形成された連結部30と、2つの補強ビーム部32と、2つの補強リブ部34とを更に有する。
連結部30は、杭頭部12の軸線方向及び周方向に延びる板形状を有し、下側突起部23と上側突起部24を相互に連結している。連結部30は、杭頭部12側に、杭頭部12の外周面に沿って配置可能な湾曲面35を有する。
補強ビーム部32は、杭頭部12の軸線方向に延び、角柱形状を有している。補強ビーム部32は、杭頭部12の周方向にて連結部30の両側に一体に形成されている。補強ビーム部32は、下側突起部23と上側突起部24との間を延びている。
補強リブ部34は、補強ビーム部32と下側突起部23との間に形成される隅に一体に形成されている。
好ましくは、図9に示したように、杭頭部12の周方向にて連結部30の両側が、杭頭部12の外周面に溶接される。そのために、杭頭部12の周方向にて連結部30の両側には、杭頭部12の外周面に対し傾斜した開先面36が設けられ、開先面36と杭頭部12の外周面との間に溶接ビード38が形成される。好ましくは、開先面36及び溶接ビード38は、杭頭部12の軸線方向にて、下側突起部23から上側突起部24まで延びている。
なお、接合部材14の形状は上述したものに限定されることはなく、例えば、特開2015−34458号公報に記載された接合部材を用いることができる。
仕切部材16aは、図7に示したように樋形状(溝形状)を有し、例えばU字形状の断面形状を有する。仕切部材16aは、一対の長方形の側壁(第1側壁)40と、第1側壁40同士を相互に繋ぐ半円筒形状の側壁(第2側壁)42とを有する。第1側壁40は、杭頭部12の周方向にて対応する接合部材14の両側に配置され、接合部材14を間に挟んで相互に平行に配置される。第1側壁40の側縁が杭頭部12の外周面に溶接、例えばスポット溶接や点付け溶接、されることによって、仕切部材16aは杭頭部12に固定される。第2側壁42は、接合部材14を間に挟んで杭頭部12の外周面と対向して配置される。
第1側壁40及び第2側壁42は、接合部材14及び軸部20の第1部分20aから側方に離れて配置されており、仕切部材16aの内側、即ち、第1側壁40及び第2側壁42と第1部分20aとの間には空間が存在する。当該空間には基礎コンクリート部4を構成するコンクリートが充填される。
好ましくは、仕切部材16aの下端部は斜めに切り欠かれている。これにより、仕切部材16aの下端部の開口面積が拡大され、コンクリートが仕切部材16aの内側に充填され易い。
なお、仕切部材16aの内側の空間が狭く、コンクリートが充填され難い場合には、基礎コンクリート部4のコンクリートの打設の前に、モルタルやグラウト等の硬化性材料を仕切部材16aの内側に充填してもよい。この場合、便宜上、仕切部材16aの内側に充填された硬化性材料も、基礎コンクリート部4の一部であると見なす。
上述した第1実施形態に係る杭頭接合部10aによれば、1つの仕切部材16aが、対応する1つの補強筋15の軸部20の第1部分20aの側方に配置される1つの仕切壁44を構成しており、軸部20の第1部分20aの側方にて、基礎コンクリート部4を補強筋15の径方向にて内側と外側とに仕切ることができる。このように基礎コンクリート部4を仕切ることによって、図10に示したように、補強筋15の径方向にて、軸部20の第1部分20aに付着した基礎コンクリート部4の部分(付着部分(近位部分))46と、仕切壁44の外側の基礎コンクリート部4の部分(遠位部分)48との間の接続が遮断される。これにより、杭頭接合部10aに曲げモーメントが作用したときに、基礎コンクリート部4の付着部分46が、遠位部分48に対し相対変位し易く、図10に示したように、付着部分46から上側突起部24に作用する力(付着による抵抗力)Fsbが発生する。
これにより、許容曲げモーメントの算定に際し、螺子部21の引っ張り降伏強度Tsyに加えて、抵抗力Fsbを考慮することができるようになるが、通常、Tby≦Tsy+Fsbで示される関係が成立する。この結果として、許容曲げモーメントの算定の際、基礎コンクリート部4におけるひび割れ発生の有無にかかわらずに、補強筋15の軸部20の引っ張り降伏強度Tbyを考慮することが可能となり、許容曲げモーメントを容易に算定することが可能となる。
なお、仕切部材16aが設けられておらず、付着部分46と遠位部分48との間の接続が絶たれていない状態で曲げモーメントが発生したとき、付着部分46と遠位部分48が一体に変位するため、抵抗力Fsbの発生を期待することはできない。このため、許容曲げモーメントの算定に際して、螺子部21の引っ張り降伏強度Tsyを考慮する必要がある。ここで問題となるのは、仕切部材16aが設けられていなくても、基礎コンクリート部4にひび割れが発生することにより、偶発的に、付着部分46と遠位部分48との間の接続が絶たれる可能性があることである。もし、ひび割れにより接続が絶たれることも考慮に入れる場合、軸部20の引っ張り降伏強度Tbyを考慮する必要があり、設計者にとって、許容曲げモーメントの算定が煩雑となる。
なお、便宜上、図10中では、基礎コンクリート部4のハッチングを省略している。
また、上述した第1実施形態に係る杭頭接合部10aによれば、樋形状を有する仕切部材16a(仕切壁44)及び杭頭部12の外周面によって、対応する1つの軸部20の第1部分20aを個別に囲むことで、1つの第1部分20aの周方向全域に渡って、基礎コンクリート部4の付着部分46と、基礎コンクリート部4の遠位部分48との間の接続が遮断される。これにより、杭頭接合部10aに曲げモーメントが作用したときに、基礎コンクリート部4の付着部分46が、遠位部分48に対し確実に相対変位し易くなる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る杭頭接合部10bについて説明する。なお、以下の実施形態の説明では、上述した実施形態と異なる点を中心に説明し、同一又は類似の構成については、同一の符号を用いて説明を省略又は簡略化する。
図11は、第2実施形態に係る杭頭接合部10bの杭頭部12、接合部材14、補強筋15、及び、仕切部材16bの一部を概略的に示す断面図である。図12は、仕切部材16bの構成を概略的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、そして、(c)は下面図である。
仕切部材16bは、第1側壁40及び第2側壁42と一体の底壁50を有し、底壁50は、下方から接合部材14の下側突起部23に当接可能である。そして、底壁50には、U字形の切欠き52が形成され、切欠き52を通じて、螺子部21が底壁50よりも下方に突出可能である。螺子部21にはナット54が螺合され、ナット54と下側突起部23によって、底壁50が挟まれる。これにより、第1側壁40を杭頭部12の外周面に溶接しなくても、仕切部材16bを固定することができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る杭頭接合部10cについて説明する。
図13は、第3実施形態に係る杭頭接合部10cの杭頭部12、接合部材14、補強筋15、及び、仕切部材16cを概略的に示す図であり、左半分は側面図、右半分は断面図である。図14は、杭頭部12、接合部材14及び仕切部材16cを概略的に示す上面図である。図15は、仕切部材16cの概略的な構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は縦断面図である。
図13〜図15に示したように、仕切部材16cは、円筒形状の周壁56を有しおり、周壁56は、所定の空間を存して、杭頭部12を囲むように配置されている。そして、周壁56は、複数の接合部材14及び複数の補強筋15の第1部分20aを一括して囲むように配置されており、複数の接合部材14及び複数の補強筋15の第1部分20aの側方に配置された1つの仕切壁58を構成している。
上述した第3実施形態に係る杭頭接合部10cによれば、杭頭部12を囲むように配置された周壁56によって、補強筋15の径方向にて、基礎コンクリート部4の付着部分46と、基礎コンクリート部4の遠位部分48との間の接続を簡単な構成で遮断することができる。
好ましくは、図14及び図15に示したように、
仕切部材16cは、周壁56の上端に連なり、杭頭部12の端面に沿って配置される環状板60を有している。環状板60は、補強筋15が挿通される複数の開口62を有する。
上記構成によれば、環状板60を杭頭部12の端面上に配置することで、仕切壁58を容易に配置することができる。なお、例えば、環状板60をボルト(不図示)によって杭頭部12に固定することによって、仕切部材16cを杭頭部12に対し容易に固定することができる。
また、好ましくは、図16に示したように、仕切部材16cは、杭頭部12の外周面と周壁58との間の空間を、杭頭部12の周方向にて複数の領域に区画する複数の区画壁64を更に有している。
上記構成によれば、区画壁64によって、各軸部20の第1部分20aに付着している付着部分46同士の接続が杭頭部12の周方向にて絶たれることで、遠位部分48に対し付着部分46が容易に変位することができる。
なお、周壁56の形状は円筒形状に限定されることはなく、図17に示したように、仕切部材16cは、円錐台形状の周壁66を有していてもよい。
最後に、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、接合部材14の上側突起部24の形状は特に限定されることはなく、丸棒形状や、複数の突起が杭頭部12の軸線方向に配列されたものであってもよい。
1 構造体
2 杭
4 基礎コンクリート部
4a パイルキャップ
5 梁
6 上部構造
8 杭基礎
10a,10b 杭頭接合部
12 杭頭部
14 接合部材(ジョイントカプラ)
15 補強筋
16a,16b,16c 仕切部材
17 コンクリート部
18 端板
19 外殻鋼管
20 軸部
20a 第1部分
20b 第2部分
21 螺子部
22 定着体
23 下側突起部
24 上側突起部
26 螺子孔
28 切り欠き
29 フォーク部
30 連結部
32 補強ビーム部
34 補強リブ部
35 湾曲面
36 開先面
38 溶接ビード
40 側壁(第1側壁)
42 側壁(第2側壁)
44 仕切壁
46 付着部分(近位部分)
48 遠位部分
50 底壁
52 切欠き
54 ナット
56 周壁
58 仕切壁
60 環状板
62 開口
64 区画壁
66 周壁

Claims (4)

  1. 杭頭部と、
    前記杭頭部の外周面に固定された複数の接合部材と、
    前記杭頭部に対し前記接合部材を介してそれぞれ取り付けられた複数の補強筋と、
    前記杭頭部、前記複数の接合部材、及び、前記複数の補強筋を囲む、コンクリートによって構成された基礎コンクリート部と、を備える杭頭接合部において、
    前記補強筋は、
    表面に凹凸を有する軸部と、
    前記軸部の一端側に連なり前記軸部よりも小さい断面積を有する螺子部と、を有し、
    前記接合部材は、
    前記杭頭部の外周面に固定された下側突起部と、
    前記杭頭部の外周面に固定された上側突起部であって、前記杭頭部の軸線方向にて前記下側突起部の上方に配置された上側突起部と、を有し、
    前記補強筋の螺子部は前記下側突起部に結合され、
    前記補強筋の軸部は、前記杭頭部の軸線方向にて前記下側突起部と前記上側突起部との間を延びる第1部分と、前記杭頭部の端面から上方に突出して延在する第2部分とを有しており、
    前記杭頭接合部は、前記基礎コンクリート部の内部に配置された少なくとも1つの仕切部材を更に備え、
    前記少なくとも1つの仕切部材は、前記補強筋の軸部の第1部分の側方に配置された仕切壁を有し、
    前記基礎コンクリート部は、前記仕切壁と前記補強筋の軸部の前記第1部分との間に充填されたコンクリートによって構成されて前記補強筋の軸部の前記第1部分に付着した付着部分を有し、
    前記杭頭接合部に曲げモーメントが作用したときに、前記付着部分から前記上側突起部に作用する力が発生するように構成されている
    ことを特徴とする杭頭接合部。
  2. 前記少なくとも1つの仕切部材は、前記接合部材に対応して設けられた複数の前記仕切部材によって構成され、
    前記複数の仕切部材の各々の前記仕切壁は樋形状を有し、前記補強筋の軸部の第1部分を前記杭頭部の外周面とともに囲んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載の杭頭接合部。
  3. 前記仕切壁は、前記杭頭部を囲むように配置された周壁によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の杭頭接合部。
  4. 前記仕切部材は、前記周壁の上端に連なり、前記杭頭部の端面に沿って配置される環状板を更に有し、
    前記環状板は、前記補強筋が挿通される複数の開口を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の杭頭接合部。
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