JP7348513B2 - 中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造 - Google Patents
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Description
上述の事情に鑑みて、本発明の目的は、地震時に上部構造から作用する引き抜き力を減衰させる制震機能を有する新規な中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造を提供することにある。
前記パイルキャップは、
前記中空杭の上方に配置されたコンクリートによって構成されるブロック部と、
前記中空杭の中空部に充填されたコンクリートによって構成される中詰め部と、
前記ブロック部から前記中詰め部に渡って前記ブロック部及び前記中詰め部の内部に埋設された連結部材と、を含み、
前記中空杭は、中空で円筒形状の鋼管を含み、
前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管に対して摺動可能に配置されている。
前記中空杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を含み、
前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管としての前記内鋼管に対して摺動可能に配置されている。
一方、中空杭の最内周部に内鋼管が配置されているので、中空杭のコンクリート部に亀裂が生じたとしても、コンクリート部の一部が剥落し難く、中空杭は優れた変形性能を有する。このため、中空杭は、所定の引き抜き力が作用するまで優れた変形性能を発揮する一方で、所定以上の引き抜き力が作用すると曲げモーメントが低下するので損傷を免れることができる。
前記中空杭の前記鋼管と前記中詰め部との間に摩擦力を調整する被覆部を更に有する。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
各端板14は円環形状を有し、外鋼管15は中空で円筒形状を有している。外鋼管15の両端に端板14が溶接によって取り付けられている。内鋼管17は、中空で円筒形状を有しており、外鋼管15の内径よりも小さい外径を有し、外鋼管15の内側に同心上に配置されている。
コンクリート部21と内鋼管17との間に隙間がある場合、杭体19は、コンクリート部21と内鋼管17の間に円筒形状の充填部23を有する。充填部23は、セメントやモルタル等のグラウトによって構成され、コンクリート部21及び内鋼管17に付着している。
また、外鋼管15及び内鋼管17の両方に端板14が溶接されていてもよいが、一方のみに溶接され、他方には溶接されていなくてもよい。例えば、外鋼管15にのみ端板14が溶接され、内鋼管17には端板14が溶接されていなくてもよい。なお、端板14が取り付けられている場合、WSC杭の長さは、端板14の外面間の長さである。WSC杭は、例えば2m以上の長さを有する。
ブロック部25及び中詰め部27は、杭7の埋設後に打設されたコンクリートによって一体に構成されている。ブロック部25は、杭7の杭頭部の上方に配置され、例えば直方体形状を有する。中詰め部27は、ソイルセメント13が充填された杭孔5内に杭7を挿入した後で杭頭の中空部にコンクリートを充填することで形成されるので、中空部の形状に対応して円柱形状を有する。従って、中詰め部27は、WSC杭の内鋼管17の内周面に接している。
スパイラル筋33は、例えば異形鉄筋によって構成され、複数の主筋31の周りを螺旋状に囲むように配置され、各主筋31に接合されている。これにより複数の主筋31の輪郭形状は円筒形状に保たれている。スパイラル筋33は、少なくとも主筋31の下側半分を囲むように設けられており、主筋31の下端部と中詰め部27との間での引き抜きに対する接合強度を高めている。
なおスパイラル筋33に代えて、それぞれ環状の複数のフープ筋(帯筋)を用いてもよい。
また上記構成によれば、中空の杭7としてWSC杭を用いており、杭7の最内周部に内鋼管17が配置されているので、コンクリート部21に亀裂が生じたとしても、コンクリート部21の一部が剥落し難く、杭7は優れた変形性能を有する。このため、杭7は、所定の引き抜き力が作用するまで優れた変形性能を発揮する一方で、所定以上の引き抜き力が作用すると曲げモーメントが低下するので損傷を免れることができる。
なお図示しないが、主筋31として、J字型の端部形状のものを用いてもよい。更に、L字型やJ字型の端部形状の主筋31の場合、両端部の形状がL字型やJ字型であってもよい。
図11に示すように、連結部材43は、相互に対向する一対の側面が開口した中空の直方体形状を有する。例えば、連結部材43は、それぞれ金属製の上板45、下板47及び一対の側板49によって構成されている。各側板49の上端は上板45に連結され、各側板49の下端は下板47に連結されている。そして、上板45はブロック部25に埋設され、下板47は中詰め部27に埋設されている。
連結部材43によれば、上板45によって、ブロック部25と連結部材43との間での引き抜き力に対する接合強度が高められ、下板47によって、中詰め部27と連結部材43との間での引き抜き力に対する接合強度が高められる。本実施形態では、複数の連結部材43が主筋31と同様に、中詰め部27の周方向に相互に所定の間隔で離間した状態で埋設されている。
なお、本実施形態では、直方体形状の連結部材43を用いたが、これに限定されるものではなく、H鋼、アングル鋼、チャンネル鋼等の両端に四角形状の板を接合して用いてもよい。
図13に示すように、連結部材51は、それぞれ金属製の円筒部53、及び、円筒部53と一体に設けられた複数の突起55によって構成される。突起55は、円筒部53の外周面の上側及び下側にそれぞれ設けられている。そして、上側の突起55はブロック部25に埋設され、下側の突起55は中詰め部27に埋設されている。
連結部材51によれば、上側の突起55によって、ブロック部25と連結部材51との間での引き抜き力に対する接合強度が高められ、下側の突起55によって、中詰め部27と連結部材51との間での引き抜き力に対する接合強度が高められる。
なお、突起55は、円筒部53の内周面に設けられていてもよい。また、円筒部53は両端が開口しているが、一端側に蓋が設けられていてもよい。
被覆層57は、中詰め部27と内鋼管17との間での摩擦力(静止摩擦係数や動摩擦係数)を調整するためのものであり、例えば、樹脂コーティング等によって構成される。かかる場合には、被覆層57の下端深さ位置と中詰め部27の下端深さ位置とを一致させる。
本実施形態では、中詰め部27と内鋼管17とを直接、接触させた状態(図2)よりも摩擦力が小さくなるように調整した。
上記構成によれば、被覆層57を設けることにより、中詰め部27が内鋼管17に対し摺動しはじめる引き抜き力の大きさ(静止摩擦係数)や、摺動時の減衰力(動摩擦係数)を適宜調整することができる。
例えば、上述した実施形態では、内鋼管17は、外鋼管15と略同じ長さを有しており、一方の端板14aから他方の端板14bまで延びて杭体19の内周面を全域に渡って覆っているが、内鋼管17は外鋼管15よりも短くてもよく、少なくとも、パイルキャップ9の中詰め部27が充填される領域に存在していればよい。
また、上述した実施形態では、連結部材29、37、39、41を上下逆に設置してもよい。
更に上述した実施形態では、杭7がWSC杭であったが、中詰め部27と摺動する部分が金属製の部材によって構成されていれば、杭7の種類は特に限定されない。例えば、杭7は鋼管杭であってもよい。また、杭7は場所打ち杭であってもよい。
また更に、杭体19を構成するコンクリートは、無筋コンクリートであるが、鉄筋コンクリートであってもよい。
3 上部構造
5 杭穴
7 杭
7a 上杭
9 パイルキャップ
13 ソイルセメント
14、14a、14b 端板
15 外鋼管
17 内鋼管
19 杭体
21 コンクリート部
23 充填部
25 ブロック部
27 中詰め部
29、37、39、41、43、51 連結部材
31 主筋
33 スパイラル筋
35 定着部材
36 弾性部材
45 上板
47 下板
49 側板
53 円筒部
55 突起
57 被覆層
Claims (3)
- 中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造において、
前記パイルキャップは、
前記中空杭の上方に配置されたコンクリートによって構成されるブロック部と、
前記中空杭の中空部に充填されたコンクリートによって構成される中詰め部と、
前記ブロック部から前記中詰め部に渡って前記ブロック部及び前記中詰め部の内部に埋設された連結部材と、を含み、
前記中空杭は、中空で円筒形状の鋼管を含み、
前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管に対して摺動可能に配置されている
ことを特徴とする中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造。 - 前記中空杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を含み、
前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管としての前記内鋼管に対して摺動可能に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造。 - 前記中空杭の前記鋼管と前記中詰め部との間に摩擦力を調整する被覆部を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造。
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JP2019213425A JP7348513B2 (ja) | 2019-11-26 | 2019-11-26 | 中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造 |
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