JP7348513B2 - 中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造 - Google Patents

中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造 Download PDF

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Description

本開示は中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造に関する。
従来から中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造として、この中空杭の杭頭の中空部に鉄筋かごが配置されるとともにコンクリートが打設されたものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。この種の杭頭接合構造では、コンクリートの内部に配置された鉄筋かごが中空杭の中空部からパイルキャップに渡って延在しており、鉄筋かごにより引き抜き耐力が確保されている。
特開2009-7746号公報 特開2009-57790号公報
従来、中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造は、半剛接合であっても十分な引き抜き耐力を有するように設計されており、杭頭接合構造に作用する引き抜き力を減衰させるような構成にはなっていない。
上述の事情に鑑みて、本発明の目的は、地震時に上部構造から作用する引き抜き力を減衰させる制震機能を有する新規な中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造において、
前記パイルキャップは、
前記中空杭の上方に配置されたコンクリートによって構成されるブロック部と、
前記中空杭の中空部に充填されたコンクリートによって構成される中詰め部と、
前記ブロック部から前記中詰め部に渡って前記ブロック部及び前記中詰め部の内部に埋設された連結部材と、を含み、
前記中空杭は、中空で円筒形状の鋼管を含み、
前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管に対して摺動可能に配置されている。
上記構成(1)によれば、中詰め部に大地震等によって所定以上の引き抜き力が作用したときに、中詰め部が鋼管に対して上方に摺動することで、引き抜き力を減衰させることができる。これにより、地震時に上部構造の過剰な揺れを抑制しながら、中空杭に作用する曲げモーメントを低減することができ、上部構造や杭の損傷を抑制することができる。また、引き抜き力が無くなると建物等の自重によって元の状態に戻ることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記中空杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を含み、
前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管としての前記内鋼管に対して摺動可能に配置されている。
上記構成(2)によれば、中空杭の最内周部が内鋼管によって構成されており、内鋼管に対し中詰め部が摺動しやすい。このため、中詰め部に所定以上の引き抜き力が作用したときに、中詰め部が鋼管に対して確実に摺動可能である。
一方、中空杭の最内周部に内鋼管が配置されているので、中空杭のコンクリート部に亀裂が生じたとしても、コンクリート部の一部が剥落し難く、中空杭は優れた変形性能を有する。このため、中空杭は、所定の引き抜き力が作用するまで優れた変形性能を発揮する一方で、所定以上の引き抜き力が作用すると曲げモーメントが低下するので損傷を免れることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(1)又は(2)において、
前記中空杭の前記鋼管と前記中詰め部との間に摩擦力を調整する被覆部を更に有する。
上記構成(3)によれば、中詰め部が鋼管に対し摺動しはじめる引き抜き力の大きさ(静止摩擦係数)や摺動時の減衰力(動摩擦係数)を適宜調整することができる。
本発明によれば、地震時に上部構造から作用する引き抜き力を減衰させる制震機能を有する新規な中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造が提供される。
杭基礎及び杭基礎によって支持される上部構造を概略的に示す図である。 杭の杭頭部とパイルキャップの杭頭接合構造を説明するための概略的な断面図である。 上杭に用いられたWSC杭の概略的な縦断面図である。 図2の杭頭接合構造に適用された連結部材を概略的に示す正面図である。 他の実施形態に適用される連結部材を概略的に示す正面図である。 図5の連結部材を概略的に示す平面図である。 他の実施形態に適用される連結部材を概略的に示す平面図である。 他の実施形態に適用される連結部材を概略的に示す正面図である。 図8の連結部材を概略的に示す平面図である。 他の実施形態の杭頭接合構造を概略的に示す断面図である。 図10の杭頭接合に適用される連結部材の形状を概略的に示す斜視図である。 他の実施形態の杭頭接合構造を概略的に示す断面図である。 図12の杭頭接合に適用される連結部材の形状を概略的に示す斜視図である。 他の実施形態の杭頭接合構造の中詰め部及びその周辺を拡大して概略的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
図1は、杭基礎1及び杭基礎1によって支持される上部構造3を概略的に示す図である。杭基礎1は、地盤に形成された杭穴5に埋設された複数の杭7、複数の杭7の杭頭部にそれぞれ接合される複数のパイルキャップ9、及び、パイルキャップ9同士を連結する梁(不図示)によって構成されている。なお各杭穴5に埋設される杭7は、単杭であっても連結杭であってもよい。
図2は、杭7の杭頭部とパイルキャップ9の杭頭接合構造を説明するための概略的な断面図である。杭7は、例えば、複数の既製杭を連結した連結杭であり、最上位の上杭7aは、中空部を有する二重鋼管付きコンクリート杭(以下、WSC杭とも称する。なお、「WSC」は本出願人の登録商標であるが、本明細書では登録商標の表示を省略する。登録商標の表示を省略するのはあくまで明細書の記載を簡潔にするためであって、商標権の放棄や第三者による登録商標の自由使用の許諾を意図するものではない。)によって構成されている。
杭7は、例えばセメントミルク工法によって杭穴5に埋設される。このため、図2に示したように、上杭7aの中空部及び周囲には、ソイルセメント13が充填されている。ただし、杭頭接合のため、上杭7aの中空部については、上杭7aの上端面から所定深さまでソイルセメント13が除去されている。
図3は、上杭7aに用いられたWSC杭の概略的な縦断面図である。図3に示したように、WSC杭は、2つの端板14(14a,14b)と、外鋼管15と、内鋼管17と、杭体19とを備える。
各端板14は円環形状を有し、外鋼管15は中空で円筒形状を有している。外鋼管15の両端に端板14が溶接によって取り付けられている。内鋼管17は、中空で円筒形状を有しており、外鋼管15の内径よりも小さい外径を有し、外鋼管15の内側に同心上に配置されている。
杭体19は、外鋼管15の内側に設けられ、外鋼管15の軸線方向にて2つの端板14間に渡って延在している。杭体19は、外鋼管15と内鋼管17との間に配置され、円筒形状を有する。杭体19は、外鋼管15の内周面及び内鋼管17の外周面に付着している。
杭体19は、例えば硬化性の材料を硬化させて形成されており、円筒形状のコンクリート部21を少なくとも一部に含んでいる。コンクリート部21は、コンクリートによって構成されており、外鋼管15に付着した状態で外鋼管15と内鋼管17との間に配置されている。
コンクリート部21と内鋼管17との間に隙間がある場合、杭体19は、コンクリート部21と内鋼管17の間に円筒形状の充填部23を有する。充填部23は、セメントやモルタル等のグラウトによって構成され、コンクリート部21及び内鋼管17に付着している。
本実施形態では、2つの端板14のうち一方の端板14bの内径は他方の端板14aの内径よりも大きく、内鋼管17の一端が、端板14aの内周部に溶接等で接続されている。端板14bの内周部と内鋼管17の他端との間には、充填部23の材料を充填するための開口(不図示)がある。
なお、充填部23の材料を充填するための開口を端板14や内鋼管17に設ける等により、充填部23の材料を充填可能であれば、端板14a,14bの内径は同一であってもよく、内鋼管17の両端が端板14に溶接されていてもよい。
また、外鋼管15及び内鋼管17の両方に端板14が溶接されていてもよいが、一方のみに溶接され、他方には溶接されていなくてもよい。例えば、外鋼管15にのみ端板14が溶接され、内鋼管17には端板14が溶接されていなくてもよい。なお、端板14が取り付けられている場合、WSC杭の長さは、端板14の外面間の長さである。WSC杭は、例えば2m以上の長さを有する。
再び図2を参照すると、杭7に接合されるパイルキャップ9は、ブロック部25と、中詰め部27と、連結部材29とを含む。
ブロック部25及び中詰め部27は、杭7の埋設後に打設されたコンクリートによって一体に構成されている。ブロック部25は、杭7の杭頭部の上方に配置され、例えば直方体形状を有する。中詰め部27は、ソイルセメント13が充填された杭孔5内に杭7を挿入した後で杭頭の中空部にコンクリートを充填することで形成されるので、中空部の形状に対応して円柱形状を有する。従って、中詰め部27は、WSC杭の内鋼管17の内周面に接している。
連結部材29は、ブロック部25から中詰め部27に渡ってブロック部25及び中詰め部27の内部に埋設されている。ここで、図4は、連結部材29を概略的に示す正面図である。図4に示したように、連結部材29は、複数の主筋31と、スパイラル筋33と、定着部材35とを含んでいる。連結部材29はいわゆる鉄筋かごである。
複数の主筋31は、それぞれ例えば異形鉄筋(異形棒鋼)によって構成されている。複数の主筋31は、それぞれ上下方向に延在し、平面でみて(上下方向にみて)同心円上に配置されるように相互に離間して配置されている。
スパイラル筋33は、例えば異形鉄筋によって構成され、複数の主筋31の周りを螺旋状に囲むように配置され、各主筋31に接合されている。これにより複数の主筋31の輪郭形状は円筒形状に保たれている。スパイラル筋33は、少なくとも主筋31の下側半分を囲むように設けられており、主筋31の下端部と中詰め部27との間での引き抜きに対する接合強度を高めている。
なおスパイラル筋33に代えて、それぞれ環状の複数のフープ筋(帯筋)を用いてもよい。
定着部材35は、例えばナットによって構成されている。この場合、主筋31の端部には、ナットを螺合するための雄螺子が形成されている。なお、定着部材35は、主筋31の上端部とブロック部25と間での引き抜きに対する接合強度を高められるものであればよく、螺合以外の方法で主筋31に接合されていてもよい。
そして、図2に示した杭頭接合構造では、中詰め部27が、所定以上の引き抜き力が作用したときに、内鋼管17に対して内鋼管17の軸線方向、すなわち上下方向に摺動可能に配置されている。つまり、パイルキャップ9に所定以上の引き抜き力が作用したときに、連結部材29を埋設してあるためブロック部25と中詰め部27が分離することなく一体に変位可能である。一方、中空の杭7の内周面は金属製の内鋼管17によって構成されており、PHC杭等のようにコンクリートによって内周面が構成されている場合に比べて、摩擦係数が小さいので中詰め部27の外周面が内鋼管17の内周面に対して上下方向に変位しやすい。この結果として、図2に示した杭頭接合構造では、中詰め部27が、所定以上の引き抜き力が作用したときに、内鋼管17に対して内鋼管17の軸線方向に摺動可能となっている。
上記構成によれば、中詰め部27に所定以上の引き抜き力が作用したときに、中詰め部27が内鋼管17に対して上下方向に摺動することで、引き抜き力を減衰させることができる。これにより、地震時に上部構造3の過剰な揺れを抑制しながら、杭7に作用する曲げモーメントを低減することができ、上部構造3や杭7の損傷を抑制することができる。
また上記構成によれば、中空の杭7としてWSC杭を用いており、杭7の最内周部に内鋼管17が配置されているので、コンクリート部21に亀裂が生じたとしても、コンクリート部21の一部が剥落し難く、杭7は優れた変形性能を有する。このため、杭7は、所定の引き抜き力が作用するまで優れた変形性能を発揮する一方で、所定以上の引き抜き力が作用すると曲げモーメントが低下するので損傷を免れることができる。
幾つかの実施形態では、図2に示したように、ブロック部25に杭7の杭頭部が埋め込まれている。この場合、ブロック部25に対する杭7の回転を許容するように、杭7の杭頭部の周囲に弾性部材36を設置してもよく、あるいは隙間を設けておいてもよい。なお、杭7の杭頭部は、ブロック部25に埋め込まれていなくてもよい。
幾つかの実施形態では、中詰め部27との摩擦係数を小さくするために、中詰め部27の外周面に対応する内鋼管17の内周面の領域を研磨してもよい。かかる場合には、研磨する内周面の下端深さ位置と中詰め部27の下端深さ位置とを一致させる。
以下、本発明の他の実施形態について説明するが、上述した実施形態と同一又は類似の構成については同一の名称又は符号を付して説明を省略又は簡略化し、作用効果についても説明を省略又は簡略化する。
図5は、他の実施形態に適用される連結部材37を概略的に示す正面図である。図6は、連結部材37を概略的に示す平面図である。幾つかの実施形態では、図4の連結部材29に代えて、図5の連結部材37を用いてもよい。図5の連結部材37は、主筋31の端部形状がI字型ではなく、U字型である点においてのみ、図4の連結部材29と異なっている。連結部材37を用いた場合、連結部材29よりも引き抜きに対する接合強度を更に高めることができる。なお、図6に示したように、U字型の各主筋31は、連結部材37の周方向に沿うように配置されている。
図7は、他の実施形態に適用される連結部材39を概略的に示す平面図である。幾つかの実施形態では、図5の連結部材37に代えて、図7の連結部材39を用いてもよい。図7の連結部材39は、U字型の各主筋31が、連結部材39の径方向に沿うように配置されている点においてのみ、図5の連結部材37と異なっている。
図8は、他の実施形態に適用される連結部材41を概略的に示す正面図である。図9は、連結部材41を概略的に示す平面図である。幾つかの実施形態では、図4の連結部材29に代えて、図8の連結部材41を用いてもよい。図8の連結部材41は、主筋31の端部形状がI字型ではなく、L字型である点においてのみ、図4の連結部材29と異なっている。連結部材41を用いた場合、連結部材29よりも引き抜きに対する接合強度を更に高めることができる。なお、図9に示したように、L字型の各主筋31は、連結部材41の径方向に沿うように配置されているが、周方向に沿うように配置されていてもよい。
なお図示しないが、主筋31として、J字型の端部形状のものを用いてもよい。更に、L字型やJ字型の端部形状の主筋31の場合、両端部の形状がL字型やJ字型であってもよい。
図10は、他の実施形態の杭頭接合構造を概略的に示す断面図である。図11は、図10の杭頭接合に適用される連結部材43の形状を概略的に示す斜視図である。
図11に示すように、連結部材43は、相互に対向する一対の側面が開口した中空の直方体形状を有する。例えば、連結部材43は、それぞれ金属製の上板45、下板47及び一対の側板49によって構成されている。各側板49の上端は上板45に連結され、各側板49の下端は下板47に連結されている。そして、上板45はブロック部25に埋設され、下板47は中詰め部27に埋設されている。
連結部材43によれば、上板45によって、ブロック部25と連結部材43との間での引き抜き力に対する接合強度が高められ、下板47によって、中詰め部27と連結部材43との間での引き抜き力に対する接合強度が高められる。本実施形態では、複数の連結部材43が主筋31と同様に、中詰め部27の周方向に相互に所定の間隔で離間した状態で埋設されている。
なお、本実施形態では、直方体形状の連結部材43を用いたが、これに限定されるものではなく、H鋼、アングル鋼、チャンネル鋼等の両端に四角形状の板を接合して用いてもよい。
図12は、他の実施形態の杭頭接合構造を概略的に示す断面図である。図13は、図12の杭頭接合に適用される連結部材51の形状を概略的に示す斜視図である。
図13に示すように、連結部材51は、それぞれ金属製の円筒部53、及び、円筒部53と一体に設けられた複数の突起55によって構成される。突起55は、円筒部53の外周面の上側及び下側にそれぞれ設けられている。そして、上側の突起55はブロック部25に埋設され、下側の突起55は中詰め部27に埋設されている。
連結部材51によれば、上側の突起55によって、ブロック部25と連結部材51との間での引き抜き力に対する接合強度が高められ、下側の突起55によって、中詰め部27と連結部材51との間での引き抜き力に対する接合強度が高められる。
なお、突起55は、円筒部53の内周面に設けられていてもよい。また、円筒部53は両端が開口しているが、一端側に蓋が設けられていてもよい。
図14は、他の実施形態の杭頭接合構造の中詰め部27及びその周辺を拡大して概略的に示す断面図である。図14の杭頭接合構造は、内鋼管17と中詰め部27との間に摩擦力を調整する被覆部を有する点において、図2の杭頭接合構造と異なっている。具体的には、本実施形態では、内鋼管17の内周面において少なくとも中詰め部27と対向する領域に被覆部として被覆層57が設けられている。
被覆層57は、中詰め部27と内鋼管17との間での摩擦力(静止摩擦係数や動摩擦係数)を調整するためのものであり、例えば、樹脂コーティング等によって構成される。かかる場合には、被覆層57の下端深さ位置と中詰め部27の下端深さ位置とを一致させる。
本実施形態では、中詰め部27と内鋼管17とを直接、接触させた状態(図2)よりも摩擦力が小さくなるように調整した。
上記構成によれば、被覆層57を設けることにより、中詰め部27が内鋼管17に対し摺動しはじめる引き抜き力の大きさ(静止摩擦係数)や、摺動時の減衰力(動摩擦係数)を適宜調整することができる。
最後に、本発明は上述した幾つかの実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した実施形態では、内鋼管17は、外鋼管15と略同じ長さを有しており、一方の端板14aから他方の端板14bまで延びて杭体19の内周面を全域に渡って覆っているが、内鋼管17は外鋼管15よりも短くてもよく、少なくとも、パイルキャップ9の中詰め部27が充填される領域に存在していればよい。
また、上述した実施形態では、連結部材29、37、39、41を上下逆に設置してもよい。
更に上述した実施形態では、杭7がWSC杭であったが、中詰め部27と摺動する部分が金属製の部材によって構成されていれば、杭7の種類は特に限定されない。例えば、杭7は鋼管杭であってもよい。また、杭7は場所打ち杭であってもよい。
また、上述した実施形態では、ブロック部25及び中詰め部27は、杭7の埋設後に打設されたコンクリートによって一体に構成されているが(例えば、図2、10、12、14)、中詰め部27を構築し、その後にブロック部25を構築してもよい。かかる場合であっても、中詰め部27とブロック部25に連結部材29、37、39、41、43、51が設置されているため、当該連結部材29、37、39、41、43、51を介して中詰め部27とブロック部25は一体化している。
更に、上述した実施形態では、杭体19が2つの円筒形状の部分によって構成されていたが、杭体19が1つの円筒部によって構成されていてもよい。杭体19が1つの円筒部によって構成されている場合、杭体19はコンクリートによって構成されている。あるいは、杭体19が、3つ以上の円筒部によって構成されていてもよい。
また更に、杭体19を構成するコンクリートは、無筋コンクリートであるが、鉄筋コンクリートであってもよい。
1 杭基礎
3 上部構造
5 杭穴
7 杭
7a 上杭
9 パイルキャップ
13 ソイルセメント
14、14a、14b 端板
15 外鋼管
17 内鋼管
19 杭体
21 コンクリート部
23 充填部
25 ブロック部
27 中詰め部
29、37、39、41、43、51 連結部材
31 主筋
33 スパイラル筋
35 定着部材
36 弾性部材
45 上板
47 下板
49 側板
53 円筒部
55 突起
57 被覆層

Claims (3)

  1. 中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造において、
    前記パイルキャップは、
    前記中空杭の上方に配置されたコンクリートによって構成されるブロック部と、
    前記中空杭の中空部に充填されたコンクリートによって構成される中詰め部と、
    前記ブロック部から前記中詰め部に渡って前記ブロック部及び前記中詰め部の内部に埋設された連結部材と、を含み、
    前記中空杭は、中空で円筒形状の鋼管を含み、
    前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管に対して摺動可能に配置されている
    ことを特徴とする中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造。
  2. 前記中空杭は、
    中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を含み、
    前記中詰め部は、所定以上の引き抜き力が作用したときに前記鋼管としての前記内鋼管に対して摺動可能に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造。
  3. 前記中空杭の前記鋼管と前記中詰め部との間に摩擦力を調整する被覆部を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の中空杭とパイルキャップの杭頭接合構造。
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