JP7205824B2 - 二重鋼管付きコンクリート杭、その設計方法、その使用方法及びそれを備える杭基礎 - Google Patents

二重鋼管付きコンクリート杭、その設計方法、その使用方法及びそれを備える杭基礎 Download PDF

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Description

本開示は中空の二重鋼管付きコンクリート杭、その設計方法、その使用方法及びそれを備える杭基礎に関する。
既製杭の一種である外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)は、一般的に、外鋼管と、外鋼管によって覆われた中空で円筒形状のコンクリートとによって構成されている(例えば特許文献1参照)。
非特許文献1及び2は、SC杭に軸力が作用している場合のSC杭の曲げ変形性能を報告している。非特許文献2の図1によれば、SC杭に軸力が作用している場合(No.2~No.7)、軸力が作用していない場合(No.1)に比べ、部材角の増大に伴って杭頭曲げモーメントが急激に小さくなっており、SC杭の変形性能(靭性)が低下する。これに対し、SC杭の中空部にセメントミルクやコンクリートを充填材として充填した場合(No.8、No.9)、充填していない場合(No.2~No.7)に比べ、SC杭の靱性が向上する。具体的には、セメントミルクやコンクリートが充填されたSC杭(No.8、No.9)は、塑性率(降伏時の曲率(部材角)に対する曲率(部材角)の比率)5倍まで最大曲げ耐力の約8割を保持する。
一方、特許文献2は、SC杭の中空部に、円筒状補強部材として中空の内鋼管を配置したSC杭を開示している。当該SC杭によれば、外鋼管の座屈によりコンクリートの外鋼管からの剥離、圧壊が発生したとしても、コンクリート片の中空部への移動が防止され、SC杭の急激な耐力低下が抑制される。
またこの一方で、非特許文献3によれば、鋼管杭においては、局部座屈応力は鋼管の肉厚と半径の比t/rに比例するが、比t/rが0.04以上であれば局部座屈は発生しないとされている(非特許文献3の137頁)。
特許第5265447号公報 特開2016-223207号公報
長澤和彦、木谷好伸、後庵満丸、「既製コンクリート杭の曲げ変形性能に関する研究(その1 SC杭の曲げせん断実験概要)」、日本建築学会大会学術講演梗概集(九州)2016年8月 石川一真、浅井陽一、「既製コンクリート杭の曲げ変形性能に関する研究(その2 SC杭の曲げせん断実験結果)」、日本建築学会大会学術講演梗概集(九州)2016年8月 「建築耐震設計における保有耐力と変形性能」、日本建築学会、1990年
既製杭としてのSC杭を埋込み工法で施工する場合、SC杭に生じる浮力を低減するために、SC杭には中空部が必要となる。そのため、非特許文献1及び2が開示するような中空部に充填材が充填された中実のSC杭を埋め込み工法に用いることは難しい。
この点、特許文献2が開示するSC杭によれば、内鋼管を設けたことによって中空部を確保することができ、SC杭を埋め込み工法に容易に適用可能である。
一方、本発明者らが種々検討したところ、特許文献2が開示する内鋼管を備えたSC杭(二重鋼管付きコンクリート杭)においても、軸力が作用する場合、内鋼管が座屈し、コンクリート片の移動を十分に抑制できない場合があることが判明した。
上述の事情に鑑みて、本発明の目的は、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭を提供することにある。
また、本発明の目的は、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭の使用方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭を備える杭基礎を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
で満たされる関係を満たしている。
従来のSC杭では、外鋼管の内側のコンクリートが圧縮力を負担するものとして、外鋼管の座屈は考慮されてこなかった。このため、外鋼管の厚さについては、コンクリートを拘束可能でありさえすればよく、特に問題とはされてこなかった。
この点、特許文献2のSC杭においても、従来と同様、内鋼管の座屈については特に考慮されておらず、コンクリート片の移動さえ防止できればよいと考えられていたと思われる。
しかしながら、本発明者らが種々検討を重ねた結果、内鋼管が座屈した場合、コンクリート片の移動を十分に抑制できなくなり、当初期待した通りの靱性を得られない場合があることがわかった。
この点、上記構成(1)によれば、内鋼管の厚さを外径の0.02倍以上とすることで、内鋼管の局部座屈を抑制することができる。これにより、コンクリート部でコンクリート片が剥離、圧壊したとしても、二重鋼管付きコンクリート杭の中空部内へのコンクリート片の移動を抑制することができる。この結果として、上記構成(1)によれば、靭性が従来よりも改善される中空の二重鋼管付きコンクリート杭を提供することができる。
また、本発明者らが種々検討を更に重ねた結果、二重鋼管付きコンクリート杭には限界軸力があり、限界軸力を超える軸力の作用下では、靱性が低下することが判明した。そして、限界軸力を超える軸力の作用下では、内鋼管の座屈のみが靱性低下を引き起こしているのではなく、外鋼管の塑性変形、内鋼管の塑性変形及びコンクリート部の損傷のうち1つ又は2つ以上が要因となって靱性低下を引き起こしていることが判明してきた。
そこで、上記構成(1)では、靱性低下と関連のある、外鋼管の降伏耐力、内鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて限界軸力を設定している。このようにして設定された限界軸力以下で使用すれば、二重鋼管付きコンクリート杭は良好な靱性を発揮する。
また、上記構成(1)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso、内鋼管の降伏耐力Psi、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.42以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(1)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
次式: Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.32
で満たされる関係を満たしている。
上記構成(2)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso、内鋼管の降伏耐力Psi、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.32以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(2)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
3)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭は、 中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/Pso≦2.65
で示される関係を満たしている。
上記構成(3)によれば、外鋼管の降伏耐力Psoに対する限界軸力Nlimitの比が2.65以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管の損傷が抑制され、当該構成(3)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
4)幾つかの実施形態では、上記構成(3)において、
次式: Nlimit/Pso≦1.92
で示される関係を満たしている。
上記構成(4)によれば、外鋼管の降伏耐力Psoに対する限界軸力Nlimitの比が1.92以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管の損傷が抑制され、当該構成(4)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
5)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi)≦1.15
で示される関係を満たしている。
上記構成(5)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso及び内鋼管の降伏耐力Psiの和に対する限界軸力Nlimitの比が1.15以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及び内鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及び内鋼管の損傷が抑制され、当該構成(5)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
6)幾つかの実施形態では、上記構成(5)において、
次式: Nlimit/(Pso+Psi)≦1.02
で示される関係を満たしている。
上記構成(6)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso及び内鋼管の降伏耐力Psiの和に対する限界軸力Nlimitの比が1.02以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及び内鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及び内鋼管の損傷が抑制され、当該構成(6)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
7)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Pc)≦0.53
で示される関係を満たしている。
上記構成(7)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.53以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及びコンクリート部の損傷が抑制され、当該構成(7)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
8)幾つかの実施形態では、上記構成(7)において、
次式: Nlimit/(Pso+Pc)≦0.38
で示される関係を満たしている。
上記構成(8)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.38以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及びコンクリート部の損傷が抑制され、当該構成(8)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
9)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(8)の何れか1つにおいて、
前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとしたとき、次式:
Nlimit/Psi≦2.45
で示される関係を満たしている。
上記構成(9)によれば、内鋼管の降伏耐力Psiに対する限界軸力Nlimitの比が2.45以下に制限されており、内鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、内鋼管の損傷が抑制され、当該構成(9)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
10)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
前記内鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’とし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso’+Psi’+Pc)≦0.43
で満たされる関係を満たしている。
上記構成(10)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’、内鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.43以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(10)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
11)幾つかの実施形態では、上記構成(10)において、
次式: Nlimit/(Pso’+Psi’+Pc)≦0.34
で満たされる関係を満たしている。
上記構成(11)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’、内鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.34以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(11)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
12)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/Pso’≦3.10
で示される関係を満たしている。
上記構成(12)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’に対する限界軸力Nlimitの比が3.10以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管の損傷が抑制され、当該構成(12)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
13)幾つかの実施形態では、上記構成(12)において、
次式: Nlimit/Pso’≦2.24
で示される関係を満たしている。
上記構成(13)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’に対する限界軸力Nlimitの比が2.24以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管の損傷が抑制され、当該構成(13)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
14)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
前記内鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’とし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso’+Psi’)≦1.23
で示される関係を満たしている。
上記構成(14)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’及び内鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’の和に対する限界軸力Nlimitの比が1.23以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及び内鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及び内鋼管の損傷が抑制され、当該構成(14)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
15)幾つかの実施形態では、上記構成(14)において、
次式: Nlimit/(Pso’+Psi’)≦1.14
で示される関係を満たしている。
上記構成(15)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’及び内鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’の和に対する限界軸力Nlimitの比が1.14以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及び内鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及び内鋼管の損傷が抑制され、当該構成(15)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
16)幾つかの実施形態では、上記構成(10)乃至(15)の何れか1つにおいて、
前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso’+Pc)≦0.54
で示される関係を満たしている。
上記構成(16)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.54以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及びコンクリート部の損傷が抑制され、当該構成(16)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
17)幾つかの実施形態では、上記構成(16)において、
次式: Nlimit/(Pso’+Pc)≦0.40
で示される関係を満たしている。
上記構成(17)によれば、外鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.40以下に制限されており、外鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管及びコンクリート部の損傷が抑制され、当該構成(17)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
18)幾つかの実施形態では、上記構成(10)乃至(17)の何れか1つにおいて、
前記内鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’としたとき、次式:
Nlimit/Psi’≦2.63
で示される関係を満たしている。
上記構成(18)によれば、内鋼管の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’に対する限界軸力Nlimitの比が2.63以下に制限されており、内鋼管の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、内鋼管の損傷が抑制され、当該構成(18)の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
19)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(18)の何れか1つにおいて、
塑性率が6以上であり限界変形角が20/1000rad以上である。
上記構成(19)によれば、塑性率が6以上であって限界変形角が20/1000rad以上である、良好な靱性を有する二重鋼管付きコンクリート杭が提供される。
20)幾つかの実施形態では、上記構成(19)において、
塑性率が6以上であり限界変形角が40/1000rad以上である。
上記構成(20)によれば、塑性率が6以上であって限界変形角が40/1000rad以上である、良好な靱性を有する二重鋼管付きコンクリート杭が提供される。
21)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(20)の何れか1つにおいて、
前記コンクリート部と前記内鋼管の間に円筒形状のグラウトからなる充填部を有する。
上記構成(21)によれば、コンクリート部と内鋼管の間に硬化性材料であるグラウトからなる充填部が設けられており、良好な靱性を有しながら容易に製造可能な二重鋼管付きコンクリート杭が提供される。
22)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備える二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法において、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たすようにし、
前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて、前記二重鋼管付きコンクリート杭の限界軸力を設定し、
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
で満たされる関係を満たしている。
従来のSC杭では、外鋼管の内側のコンクリートが圧縮力を負担するものとして、外鋼管の座屈は考慮されてこなかった。このため、外鋼管の厚さについては、コンクリートを拘束可能でありさえすればよく、特に問題とはされてこなかった。
この点、特許文献2のSC杭においても、従来と同様、内鋼管の座屈については特に考慮されておらず、コンクリート片の移動さえ防止できればよいと考えられていたと思われる。
しかしながら、本発明者らが種々検討を重ねた結果、内鋼管が座屈した場合、コンクリート片の移動を十分に抑制できなくなり、当初期待した通りの靱性を得られない場合があることがわかった。
この点、上記構成(22)によれば、内鋼管の厚さを外径の0.02倍以上とすることで、内鋼管の局部座屈を抑制することができる。これにより、コンクリート部でコンクリート片が剥離、圧壊したとしても、二重鋼管付きコンクリート杭の中空部内へのコンクリート片の移動を抑制することができる。この結果として、上記構成(24)によれば、靭性が従来よりも改善される中空の二重鋼管付きコンクリート杭を提供することができる。
また、本発明者らが種々検討を更に重ねた結果、二重鋼管付きコンクリート杭には限界軸力があり、限界軸力を超える軸力の作用下では、靱性が低下することが判明した。そして、限界軸力を超える軸力の作用下では、内鋼管の座屈のみが靱性低下を引き起こしているのではなく、外鋼管の塑性変形、内鋼管の塑性変形及びコンクリート部の損傷のうち1つ又は2つ以上が要因となって靱性低下を引き起こしていることが判明してきた。
そこで、上記構成(22)では、靱性低下と関連のある、外鋼管の降伏耐力、内鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて限界軸力を設定している。このようにして設定された限界軸力以下で使用すれば、二重鋼管付きコンクリート杭は良好な靱性を発揮する。
また、上記構成(22)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso、内鋼管の降伏耐力Psi、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.42以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(22)で設計された二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
23)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備える二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法において、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たすようにし、
前記二重鋼管付きコンクリート杭の限界軸力が所定の値となるように、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上を選択し、
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
で満たされる関係を満たしている。
上記構成(23)によれば、限界軸力が所定の値となるように、靱性低下と関連のある、外鋼管の降伏耐力、内鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上を選択(設定)している。このようにして得られた限界軸力以下で使用すれば、二重鋼管付きコンクリート杭は良好な靱性を発揮する。
また、上記構成(23)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso、内鋼管の降伏耐力Psi、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.42以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(23)で設計された二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
24)本発明の少なくとも一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の使用方法は、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たす、二重鋼管付きコンクリート杭の使用方法であって、
前記二重鋼管付きコンクリート杭に対し地震時に作用する軸力が、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定される限界軸力以下になるようにし、
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
で満たされる関係を満たしている。
上記構成(24)によれば、靱性低下と関連のある、外鋼管の降伏耐力、内鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定される限界軸力以下で使用することにより、二重鋼管付きコンクリート杭は良好な靱性を発揮する。
また、上記構成(24)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso、内鋼管の降伏耐力Psi、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.42以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(24)で使用された二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
25)本発明の少なくとも一実施形態に係る杭基礎は、
二重鋼管付きコンクリート杭を備える杭基礎において、
前記二重鋼管付きコンクリート杭は、
中空で円筒形状の外鋼管と、
前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
前記内鋼管の外径をDsiとし、
前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たし、
前記二重鋼管付きコンクリート杭に対し地震時に作用する軸力が、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定される限界軸力以下であり、
前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
で満たされる関係を満たしている。
上記構成(25)によれば、靱性低下と関連のある、外鋼管の降伏耐力、内鋼管の降伏耐力及びコンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定される限界軸力以下で使用することにより、二重鋼管付きコンクリート杭は良好な靱性を発揮する。この結果として、二重鋼管付きコンクリート杭を備える杭基礎は、良好な耐震性を有する。
また、上記構成(25)によれば、外鋼管の降伏耐力Pso、内鋼管の降伏耐力Psi、及びコンクリート部の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.42以下に制限されており、外鋼管、内鋼管及びコンクリート部の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭に作用する軸力を負担可能である。このため、当該構成(25)の杭基礎において、二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力以下で良好な靱性を発揮する。
本発明によれば、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭が提供される。
また、本発明によれば、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法が提供される。
また、本発明によれば、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭の使用方法が提供される。
また、本発明によれば、軸力が作用している場合であっても、靭性が従来よりも改善される二重鋼管付きコンクリート杭を備える杭基礎が提供される。
本発明の一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の構成を概略的示す縦断面図である。 図1中のII-II線に沿う概略的な断面図である。 地震時に二重鋼管付きコンクリート杭の横断面に作用する応力分布を説明するための図である。 (a)は、外鋼管の歪みと応力度との関係の一例を示すグラフであり、(b)は、内鋼管の歪みと応力度との関係の一例を示すグラフであり、(c)は、杭体を構成するコンクリート部の歪みと応力度との関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の仕様の例を示す表である。 本発明の実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の仕様の例を示す表である。 本発明の実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の仕様の例を示す表である。 本発明の実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の仕様の例を示す表である。 本発明の実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の仕様の例を示す表である。 本発明の実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の仕様の例を示す表である。 正負交番載荷試験に供される実施例1~5及び比較例1~2の二重鋼管付きコンクリート杭の仕様及び載荷される作用軸力を示す表である。 正負交番載荷試験装置により実施例1~5及び比較例1~2の二重鋼管付きコンクリート杭に加えられる水平力及び軸力を説明するための図である。 実施例1のWSC杭における、正負交番載荷試験装置により得られた部材角(変形角)と杭頭発生曲げモーメント(曲げモーメント)との関係を示すグラフ(M-θ図)である。 図13の横軸を変位量に基づいて曲率に変換したグラフ(M-φ図)である。 図13に相当する比較例1のM-θ図である。 図14に相当する比較例1のM-φ図である。 図13に相当する比較例2のM-θ図である。 図14に相当する比較例2のM-φ図である。 図13に相当する実施例2のM-θ図である。 図14に相当する実施例2のM-φ図である。 図13に相当する実施例3のM-θ図である。 図14に相当する実施例3のM-φ図である。 図13に相当する実施例4のM-θ図である。 図14に相当する実施例4のM-φ図である。 図13に相当する実施例5のM-θ図である。 図14に相当する実施例5のM-φ図である。 実施例1~9及び比較例1~2の試験結果について、Na/(Pso+Pc+Psi)と低下率(最大曲げモーメントに対する曲げモーメントの比)の関係を変形角別にまとめたグラフであり、(a)は変形角が20/1000rad、(b)は変形角が30/1000rad、(c)は変形角が40/1000radのときのグラフである。 Na/Psoと低下率の関係を図27と同様に変形角別にまとめたグラフである。 Na/(Pso+Psi)と低下率の関係を図27と同様に変形角別にまとめたグラフである。 Na/(Pso+Pc)と低下率の関係を図27と同様に変形角別にまとめたグラフである。 Na/Psiと低下率の関係を図27と同様に変形角別にまとめたグラフである。 実施例1~5及び比較例1~2における、正負交番載荷試験結果から求められたθyに対する変形角の比を示している。 実施例1~5及び比較例1~2における、正負交番載荷試験結果から求められたφyに対する各変形角での曲率の比を示している。 正負交番載荷試験によって求められた実施例6~9の終局曲げモーメントの実験値Meuと理論値Mcuの比Meu/Mcuを示している。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭(以下、WSC杭とも称する。なお、「WSC」は本出願人の登録商標であるが、本明細書では登録商標の表示を省略する。登録商標の表示を省略するのはあくまで明細書の記載を簡潔にするためであって、商標権の放棄や第三者による登録商標の自由使用の許諾を意図するものではない。)1の構成を概略的示す縦断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿う概略的な断面図である。
図1及び図2に示したように、WSC杭1は、外鋼管3と、内鋼管4と、杭体5とを備える。
外鋼管3は、中空で円筒形状を有しており、例えば、SKK材によって構成されている。外鋼管3は、例えば、300mm以上1500mm以下の外径Dsoを有し、外鋼管3の外径Dsoは、WSC杭1の外径Dpに相当する。また、外鋼管3は、例えば、4.5mm以上25mm以下の厚さ(板厚)tsoを有する。外鋼管3は、例えば、325N/mmの降伏強度Fsoyを有し、205000N/mmの弾性係数Esoを有する。
内鋼管4は、中空で円筒形状を有しており、例えば、STK材によって構成されている。内鋼管4は、外鋼管3の内径よりも小さい外径Dsiを有し、外鋼管3の内側に同心上に配置されている。内鋼管4は、例えば、100mm以上1200mm以下の外径Dsiを有する。内鋼管4は、例えば、325N/mmの降伏強度Fsiyを有し、205000N/mmの弾性係数Esiを有する。
杭体5は、外鋼管3と内鋼管4との間に配置され、円筒形状を有する。杭体5は、外鋼管3の内周面及び内鋼管4の外周面に付着している。杭体5は、例えば硬化性の材料を硬化させて形成されており、円筒形状のコンクリート部6を少なくとも一部に含んでいる。コンクリート部6は、コンクリートによって構成されており、外鋼管3に付着した状態で外鋼管3と内鋼管4との間に配置されている。
コンクリート部6を構成するコンクリートは、遠心圧縮成形により形成され、例えば、80N/mm、85N/mm、105N/mm、123N/mm又は140N/mmの設計基準強度Fcを有する。設計基準強度Fcが大きくなるにつれてコンクリートの弾性係数Ecも大きくなり、当該弾性係数Ecは、例えば40000N/mm~43000N/mmの範囲となる。
ここで、図3は、地震時にWSC杭1の横断面に作用する応力分布を説明するための図である。図3の左上に示したように、WSC杭1には、上部構造から作用する軸力が作用しており、地震時には図3の左下に示したように水平力がさらに作用する。これら軸力及び水平力が作用すると、地震時には、図3の右側に示すような応力がWSC杭1の横断面に作用する。図3から、特に圧縮側で応力が大きくなることがわかる。
このような応力分布に起因して、従来のSC杭に軸力が作用している場合、SC杭の地震時の破壊モードは、外鋼管が圧縮力により座屈し、外鋼管の内周面付近のコンクリートが圧壊し、そして、コンクリートの最内周面が圧壊して崩落するという順序をたどる。このようにコンクリートの最内周面が崩落し、コンクリート片が移動することで、コンクリートの体積が減少し、曲げ変形が繰り返されると靱性が低下してしまう。
図4(a)は、外鋼管3の歪みと応力度との関係の一例を示しており、図4(b)は、内鋼管4の歪みと応力度との関係の一例を示しており、図4(c)は、杭体5を構成するコンクリート部6の歪みと応力度との関係の一例を示している。図4の例では、外鋼管3は降伏歪みεsoyで降伏し、内鋼管4は降伏歪みεsiyで降伏し、コンクリート部6は降伏歪みεcyで降伏する。外鋼管3の降伏歪みεsoy及び内鋼管4の降伏歪みεsiyは、コンクリート部6の降伏歪みεcyよりも小さい。このため、平面保持仮定の下では、外鋼管3がコンクリート部6よりも先に降伏することがわかる。
例えば、外鋼管3の両端には円環形状の端板7が溶接によって取り付けられ、内鋼管4及び杭体5は、外鋼管3の軸線方向にて2つの端板7間に渡って延びている。本実施形態では、2つの端板7のうち一方の端板7bの内径は他方の端板7aの内径よりも大きく、内鋼管4の一端が、端板7aの内周部に溶接等で接続されている。端板7bの内周部と内鋼管4の他端との間には、後述するように充填部9の材料を充填するための開口がある。
なお、充填部9の材料を充填するための開口を端板7や内鋼管4に設ける等により、充填部9の材料を充填可能であれば、端板7a,7bの内径は同一であってもよく、内鋼管4の両端が端板7に溶接されていてもよい。
また、外鋼管3及び内鋼管4の両方に端板7が溶接されていてもよいが、一方のみに溶接され、他方には溶接されていなくてもよい。例えば、外鋼管3にのみ端板7が溶接され、内鋼管4には端板7が溶接されていなくてもよい。なお、端板7が取り付けられている場合、WSC杭1の長さLは、端板7の外面間の長さである。WSC杭1は、例えば、2m以上の長さLを有する。
そして、本実施形態では、内鋼管4の厚さ(板厚)をtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi ・・・(1)
で示される関係が満たされている。つまり内鋼管4の厚さtsiは外径Dsiの0.02倍以上(2%以上)である。
上記実施形態によれば、内鋼管4の厚さtsiを外径Dsiの0.02倍以上とすることで、内鋼管4の局部座屈を抑制することができる。これにより、杭体5に含まれるコンクリート部6でコンクリート片が剥離、圧壊したとしても、WSC杭1の中空部内へのコンクリート片の移動を抑制することができる。この結果として、上記実施形態によれば、靭性が従来よりも改善される中空のWSC杭1を提供することができる。
また、本実施形態では、WSC杭1に限界軸力Nlimitが設定されている。限界軸力Nlimitは、WSC杭1を用いて基礎杭を設計・構築する際に、地震時に上部構造からWSC杭1に作用する軸力の上限値である。限界軸力Nlimitは、外鋼管3の降伏耐力、内鋼管4の降伏耐力、及び、コンクリート部6の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定されている。
なお、外鋼管3の降伏耐力(圧縮耐力)は、外鋼管3の座屈を考慮しない場合、外鋼管3の横断面積と外鋼管3の降伏強度(圧縮強度)Fsoyの積であるが、座屈を考慮にいれたものであってもよい。なお、外鋼管3の降伏強度Fsoyは、公称値であっても実測値であってもよい。
内鋼管4の降伏耐力(圧縮耐力)は、内鋼管4の座屈を考慮しない場合、内鋼管4の横断面積と内鋼管4の降伏強度(圧縮強度)Fsiyの積であるが、座屈を考慮にいれたものであってもよい。なお、内鋼管4の降伏強度Fsiyは、公称値であっても実測値であってもよい。
コンクリート部6の降伏耐力(圧縮耐力)は、コンクリート部6の横断面積とコンクリート部6の降伏強度(圧縮強度)Fcの積である。なお、コンクリート部6の降伏強度(圧縮強度)Fcは、公称値であっても実測値であってもよい。
本発明者らが種々検討を更に重ねた結果、二重鋼管付きコンクリート杭には限界軸力Nlimitがあり、限界軸力Nlimitを超える軸力の作用下では、靱性が低下することが判明した。そして、限界軸力Nlimitを超える軸力の作用下では、内鋼管4の座屈のみが靱性低下を引き起こしているのではなく、外鋼管3の塑性変形、内鋼管4の塑性変形及びコンクリート部6の損傷のうち1つ又は2つ以上が要因となって靱性低下を引き起こしていることが判明してきた。
そこで、本実施形態では、靱性低下と関連のある、外鋼管3の降伏耐力、内鋼管4の降伏耐力及びコンクリート部6の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて限界軸力Nlimitを設定している。このようにして設定された限界軸力Nlimit以下で使用すれば、二重鋼管付きコンクリート杭1は良好な靱性を発揮する。
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、内鋼管4の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、コンクリート部6の降伏耐力をPcとし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42 ・・・(2)
で満たされる関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の降伏耐力Pso、内鋼管4の降伏耐力Psi、及びコンクリート部6の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.42以下に制限されており、外鋼管3、内鋼管4及びコンクリート部6の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭1に作用する軸力を負担可能である。このため、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(2)において、Nlimit/(Pso+Psi+Pc)は、好ましくは0.32以下であり、より好ましくは0.31以下である。
ここで、図5は、上記実施形態のWSC杭1の仕様の例を示す表である。図5に示したWSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(2)で示される関係を満たしている。
なお、図5中の軸力比1は、限界軸力Nlimitに対する、外鋼管3の降伏耐力Psoとコンクリート部6の降伏耐力Pcの和の比であり、WSC杭1のうち従来のSC杭に相当する部分に着目したときの軸力比である。
また、図5中の軸力比2は、限界軸力Nlimitに対する、外鋼管3の降伏耐力Pso、コンクリート部6の降伏耐力Pc及び内鋼管4の降伏耐力Psiの和の比であり、WSC杭1のうち従来のSC杭に相当する部分と内鋼管4に着目したときの軸力比である。
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/Pso≦2.65 ・・・(3)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の降伏耐力Psoに対する限界軸力Nlimitの比が2.65以下に制限されており、外鋼管3の降伏耐力Psoに対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管3の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(3)において、Nlimit/Psoは、好ましくは1.92以下であり、より好ましくは1.83以下である。
ここで、図6は、上記実施形態のWSC杭1の仕様の例を示す表である。図6に示したWSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(3)で示される関係を満たしている。ただし、このときの式(3)の右辺は好ましい値(1.92)である。
また、図6に示したWSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(3)で示される関係と同時に、上記式(2)で示される関係も満たしている。ただし、このときの式(2)の右辺は好ましい値(0.32)である。このように、WSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(2)及び上記式(3)のうちいずれか一方を満たしていても、両方を満たしていてもよい。
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、内鋼管4の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Psi)≦1.15 ・・・(4)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の降伏耐力Pso及び内鋼管4の降伏耐力Psiの和に対する限界軸力Nlimitの比が1.15以下に制限されており、外鋼管3の降伏耐力Pso及び内鋼管4の降伏耐力Psiに対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管3及び内鋼管4の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(4)において、Nlimit/(Pso+Psi)は、好ましくは1.02以下であり、より好ましくは0.97以下である。
ここで、図7は、上記実施形態のWSC杭1の仕様の例を示す表である。図7に示したWSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(4)で示される関係を満たしている。
また、図7に示したWSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(4)で示される関係と同時に、上記式(2)で示される関係も満たしている。このように、WSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(2)及び上記式(4)のうちいずれか一方を満たしていても、両方を満たしていてもよい。
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、コンクリート部6の降伏耐力をPcとし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso+Pc)≦0.53 ・・・(5)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の降伏耐力Pso及びコンクリート部6の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.53以下に制限されており、外鋼管3の降伏耐力Pso及びコンクリート部6の降伏耐力Pcに対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管3及びコンクリート部6の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(5)において、Nlimit/(Pso+Pc)は、好ましくは0.38以下であり、より好ましくは0.37以下である。
ここで、図8は、上記実施形態のWSC杭1の仕様の例を示す表である。図8に示したWSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(5)で示される関係を満たしている。ただし、このときの式(5)の右辺は好ましい値(0.38)である。
また、図8に示したWSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(5)で示される関係と同時に、上記式(2)で示される関係も満たしている。ただし、このときの式(2)の右辺は好ましい値(0.32)である。このように、WSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(2)及び上記式(5)のうちいずれか一方を満たしていても、両方を満たしていてもよい。
また、図9及び図10は、上記実施形態のWSC杭1の仕様の例を示す表である。ただし、図10は、式(2)~(5)の右辺が好ましい値のときのものである。図9及び図10に示したように、WSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(2)~(5)で示される関係のうち何れか1つ以上を満たしていればよく、何れか2つ以上を満たしていてもよい。
幾つかの実施形態では、内鋼管4の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとしたとき、次式:
Nlimit/Psi≦2.45 ・・・(6)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、内鋼管4の降伏耐力Psiに対する限界軸力Nlimitの比が2.45以下に制限されており、内鋼管4の降伏耐力Psiに対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、内鋼管4の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
幾つかの実施形態では、限界軸力Nlimitの設定に関し、外鋼管3の降伏耐力を考慮する場合には、外鋼管3の降伏耐力として外鋼管3の座屈を考慮に入れた降伏耐力が考慮され、限界軸力Nlimitの設定に関し、内鋼管4の降伏耐力を考慮する場合には、内鋼管4の降伏耐力として内鋼管4の座屈を考慮に入れた降伏耐力が考慮されている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の座屈を考慮した降伏耐力及び内鋼管4の座屈を考慮した降伏耐力に基づいて限界軸力Nlimitが設定される。このため、座屈により外鋼管3や内鋼管4の降伏耐力が低下するとしても、設定された限界軸力Nlimit以下で使用すれば、二重鋼管付きコンクリート杭1は良好な靱性を発揮する。
なお、外鋼管3や内鋼管4の座屈を考慮に入れた降伏耐力とは、例えば、以下の式(7)~(9)に示される、終局限界圧縮耐力Nuや終局限界引張耐力Nulである。
Figure 0007205824000001
なお、式(7)~(9)中の記号は以下のものを表す。
F:鋼材の基準強度(=Fsoy又はFsiy)(N/mm
t:鋼管の厚さ(腐食しろを考慮)(mm)
r:鋼管の半径(mm)
A:鋼管の断面積(腐食しろを考慮)(mm
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、内鋼管4の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’とし、コンクリート部6の降伏耐力をPcとし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso’+Psi’+Pc)≦0.43 ・・・(10)
で満たされる関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’、内鋼管4の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’、及びコンクリート部6の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.43以下に制限されており、外鋼管3、内鋼管4及びコンクリート部6の3つの構成要素が全体として二重鋼管付きコンクリート杭1に作用する軸力を負担可能である。このため、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(10)において、Nlimit/(Pso’+Psi’+Pc)は、好ましくは0.34以下であり、より好ましくは0.32以下である。
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/Pso’≦3.10 ・・・(11)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’に対する限界軸力Nlimitの比が3.10以下に制限されており、外鋼管3の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管3の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(11)において、Nlimit/Pso’は、好ましくは2.24以下であり、より好ましくは2.14以下である。
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、内鋼管4の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’とし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso’+Psi’)≦1.23 ・・・(12)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’及び内鋼管4の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’の和に対する限界軸力Nlimitの比が1.23以下に制限されており、外鋼管3の降伏耐力及び内鋼管4の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管3及び内鋼管4の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(12)において、Nlimit/(Pso’+Psi’)は、好ましくは1.14以下であり、より好ましくは1.09以下である。
幾つかの実施形態では、外鋼管3の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、コンクリート部6の降伏耐力をPcとし、限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
Nlimit/(Pso’+Pc)≦0.54 ・・・(13)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、外鋼管3の座屈を考慮に入れた降伏耐力Pso’及びコンクリート部6の降伏耐力Pcの和に対する限界軸力Nlimitの比が0.54以下に制限されており、外鋼管3の降伏耐力及びコンクリート部6の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、外鋼管3及びコンクリート部6の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお上記式(13)において、Nlimit/(Pso’+Pc)は、好ましくは0.40以下であり、より好ましくは0.38以下である。
なお、座屈を考慮しない場合と同様、座屈を考慮にいれば場合も、WSC杭1の限界軸力Nlimitは、上記式(10)~(13)で示される関係のうち何れか1つ以上を満たしていればよく、何れか2つ以上を満たしていてもよい。
幾つかの実施形態では、
内鋼管4の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’としたとき、次式:
Nlimit/Psi’≦2.63 ・・・(14)
で示される関係を満たしている。
上記実施形態によれば、内鋼管4の座屈を考慮に入れた降伏耐力Psi’に対する限界軸力Nlimitの比が2.63以下に制限されており、内鋼管4の降伏耐力に対し軸力が過大になることが抑制されている。このため、内鋼管4の損傷が抑制され、当該実施形態の二重鋼管付きコンクリート杭1は、限界軸力Nlimit以下で良好な靱性を発揮する。
なお、図5~図10中の外鋼管3の圧縮強度Fsoy、内鋼管4の圧縮強度Fsiy及びコンクリート部6の圧縮強度Fcは、いずれも公称値である。
幾つかの実施形態では、二重鋼管付きコンクリート杭1の塑性率が6以上であり限界変形角が20/1000rad以上(2%以上)である。
上記実施形態によれば、塑性率が6以上であって限界変形角が20/1000rad以上である、良好な靱性を有する二重鋼管付きコンクリート杭1が提供される。
好ましくは、二重鋼管付きコンクリート杭1の塑性率が6以上であり限界変形角が40/1000rad以上(4%以上)である。
本明細書において、塑性率は、外鋼管3が降伏したときの部材角(変形角)に対する、曲げモーメントが最大曲げモーメントの80%まで低下したときの部材角(変形角)の比である。
限界変形角は、曲げモーメントが最大曲げモーメントの80%まで低下したときの部材角(変形角)である。
ただし、塑性率の定義としては、コンクリートの歪みが所定の歪み(例えば2625μ~5000μ)であるときの曲げモーメントにおける曲率(部材角)に対する、曲げモーメントが最大曲げモーメントの80%まで低下したときの部材角(変形角)の比を用いることもできる。
更に、塑性率の定義として、面積等値の方法で決定された曲率(部材角)に対する、曲げモーメントが最大曲げモーメントの80%まで低下したときの部材角(変形角)の比を用いることもできる。
幾つかの実施形態では、杭体5は、コンクリート部6と内鋼管4の間に円筒形状の充填部9を有する。充填部9は、セメントやモルタル等のグラウトによって構成され、コンクリート部6及び内鋼管4に付着している。充填部9の強度は、10N/mm以上であるのが望ましい。充填部9を構成するモルタルは、例えば、10000N/mm~20000N/mmの弾性係数を有する。
上記実施形態によれば、コンクリート部6と内鋼管4の間に硬化性材料であるグラウトからなる充填部9が設けられており、良好な靱性を有しながら容易に製造可能な二重鋼管付きコンクリート杭1が提供される。
また上記実施形態によれば、コンクリート部6の内周面に付着している円筒形状の充填部9を設けたことにより、内鋼管4の外径Dsiを小さくすることができる。これにより、内鋼管4の厚さtsiが比較的薄くても、厚さtsiを外径Dsiの0.02倍以上にすることができ、内鋼管4の局部座屈を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、コンクリート部6の厚さtcは、40mm以上300mm以下であり、充填部9の厚さtgは、10mm以上200mm以下である。
以下、本発明の一実施形態に係る二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法(以下、単に設計方法ともいう)について説明する。
設計方法は、中空で円筒形状の外鋼管3と、外鋼管3の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管4と、外鋼管3と内鋼管4との間に外鋼管3に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部6と、を備える二重鋼管付きコンクリート杭1の設計方法である。
本実施形態の設計方法では、内鋼管4の外径をDsiとし、内鋼管4の厚さをtsiとしたとき、次式:
tsi≧0.02×Dsi
で示される関係を満たすようにする。
そして、本実施形態の設計方法では、外鋼管3の降伏耐力、内鋼管4の降伏耐力、及び、コンクリート部6の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて、二重鋼管付きコンクリート杭の限界軸力を設定する。
従来のSC杭では、外鋼管3の内側のコンクリートが圧縮力を負担するものとして、外鋼管3の座屈は考慮されてこなかった。このため、外鋼管3の厚さについては、コンクリートを拘束可能でありさえすればよく、特に問題とはされてこなかった。
この点、特許文献2のSC杭においても、従来と同様、内鋼管4の座屈については特に考慮されておらず、コンクリート片の移動さえ防止できればよいと考えられていたと思われる。
しかしながら、本発明者らが種々検討を重ねた結果、内鋼管4が座屈した場合、コンクリート片の移動を十分に抑制できなくなり、当初期待した通りの靱性を得られない場合があることがわかった。
この点、上記実施形態によれば、内鋼管4の厚さを外径の0.02倍以上とすることで、内鋼管4の局部座屈を抑制することができる。これにより、コンクリート部6でコンクリート片が剥離、圧壊したとしても、二重鋼管付きコンクリート杭1の中空部内へのコンクリート片の移動を抑制することができる。この結果として、上記実施形態によれば、靭性が従来よりも改善される中空の二重鋼管付きコンクリート杭1を提供することができる。
また、本発明者らが種々検討を更に重ねた結果、二重鋼管付きコンクリート杭には限界軸力Nlimitがあり、限界軸力Nlimitを超える軸力の作用下では、靱性が低下することが判明した。そして、限界軸力Nlimitを超える軸力の作用下では、内鋼管4の座屈のみが靱性低下を引き起こしているのではなく、外鋼管3の塑性変形、内鋼管4の塑性変形及びコンクリート部6の損傷のうち1つ又は2つ以上が要因となって靱性低下を引き起こしていることが判明してきた。
そこで、上記実施形態では、靱性低下と関連のある、外鋼管3の降伏耐力、内鋼管4の降伏耐力及びコンクリート部6の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて限界軸力Nlimitを設定している。このようにして設定された限界軸力Nlimit以下で使用すれば、二重鋼管付きコンクリート杭1は良好な靱性を発揮する。
なお、靱性低下と関連のある、外鋼管3の降伏耐力、内鋼管4の降伏耐力及びコンクリート部6の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて限界軸力Nlimitを設定するということは、言い換えれば、所望の限界軸力Nlimitが得られるように、外鋼管3の降伏耐力、内鋼管4の降伏耐力及びコンクリート部6の降伏耐力のうち1つ以上を選択するということであり、外鋼管3、内鋼管4及びコンクリート部6の仕様を決定することでもある。
以下、上述したWSC杭1の製造方法の一例について説明する。
上述したWSC杭1の製造にあたっては、まず、原材料である外鋼管3、内鋼管4、コンクリート、グラウト、端板7を用意する。この際、所望の限界軸力Nlimitが得られるように、原材料が選択される。つまり、上述した二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法は、製造方法の一部でもある。
そして、端板7を溶接した外鋼管3内にコンクリートを充填してから遠心成形し、それを養生してコンクリート部6を形成する。
この後、コンクリート部6の内部に内鋼管4を配置してから内鋼管4を端板7に溶接する。それから、内鋼管4とコンクリート部6との隙間にグラウトを充填して固化させ、充填部9を形成する。これによりWSC杭1が製造される。
[実施例1~9及び比較例1~2の正負交番載荷試験]
図11は、正負交番載荷試験に供される実施例1~9及び比較例1~2のWSC杭の仕様、及び、当該試験においてWSC杭に載荷される軸力(作用軸力Na)を示す表である。なお、コンクリート部と内鋼管の間にはグラウトが充填されている。
図12は、正負交番載荷試験装置により実施例1~9及び比較例1~2のWSC杭に加えられる水平力及び軸力を説明するための図である。WSC杭には、下端部(杭頭部)がスタブ13に埋設されて固定された状態で、水平力及び軸力が加えられる。
より詳しくは、スタブ13は鋼製スタブであり、内径432mmの鋼管を含んでいる。WSC杭の下端側は、鋼製スタブの鋼管に挿入され、隙間に高強度のグラウト材(圧縮強度100N/mm、不図示)を充填した。WSC杭は、鋼製スタブの天端から反力床15に設置したPC鋼棒(不図示)にプレストレス力を導入することによって固定した。また、各WSC杭の外径を400mmとし、せん断スパンは地震力を受けるWSC杭の曲げモーメント分布において、地中部曲げモーメントがゼロとなる深さまでを模擬することを意図して1200mm(せん断スパン比3)とした。
正負交番載荷試験の加力サイクルは、水平加力ジャッキ位置の平均水平変位をせん断スパン1200mmで除した値(変形角θ)により制御し、θ=±2.5/1000rad、θ=±5.0/1000rad、θ=±7.5/1000rad、θ=±10.0/1000rad、θ=±15.0/1000rad、±20.0/1000radをこの順序で各2サイクル実施した後、±30.0/1000rad、±40.0/1000rad、±50.0/1000radを更にこの順序で1サイクル実施した。そして更に、実施例6~9については、θ=±50.0/1000radの加力を実施した。
なお、上述した変形角θは、平均水平変位をせん断スパンで除した値であり、WSC杭はスタブ13の天端で固定されているという条件下でのものであり、スタブ13からのWSC杭の抜け出しは考慮していない。
図13~図33は、正負交番載荷試験の結果を示すグラフ又は表である。
具体的には、図13は、実施例1のWSC杭における、正負交番載荷試験装置により得られた部材角(変形角)と杭頭発生曲げモーメント(曲げモーメント)との関係を示すグラフ(M-θ図)である。図14は、図13の横軸を変位量に基づいて曲率に変換したグラフ(M-φ図)である。
同様に、図15及び図16は、それぞれ比較例1のM-θ図及びM-φ図である。図17及び図18は、それぞれ比較例2のM-θ図及びM-φ図である。図19及び図20は、それぞれ実施例2のM-θ図及びM-φ図である。図21及び図22は、それぞれ実施例3のM-θ図及びM-φ図である。図23及び図24は、それぞれ実施例4のM-θ図及びM-φ図である。図25及び図26は、それぞれ実施例5のM-θ図及びM-φ図である。
図27は、実施例1~9及び比較例1~2の試験結果について、Na/(Pso+Pc+Psi)と低下率(最大曲げモーメントに対する曲げモーメントの比)の関係を変形角別にまとめたグラフである。同様に、図28は、Na/Psoと低下率の関係を変形角別にまとめたグラフである。図29は、Na/(Pso+Psi)と低下率の関係を変形角別にまとめたグラフである。図30は、Na/(Pso+Pc)と低下率の関係を変形角別にまとめたグラフである。図31は、Na/Psiと低下率の関係を変形角別にまとめたグラフである。
図32は、実施例1~5及び比較例1~2における、正負交番載荷試験結果から求められたθyに対する変形角(部材角)θの比を示している。なお、θyは、試験データより外鋼管が降伏歪みに達した際の変形角である。
図33は、実施例1~5及び比較例1~2における、正負交番載荷試験結果から求められたφyに対する各変形角θでの曲率の比を示している。なお、φyは、試験データより外鋼管の圧縮歪みが降伏に達したときの曲率である。
図13~図33からわかるように、実施例1~9のWSC杭は、比較例1~2のWSC杭よりも優れた靱性を示している。
具体的には、図27(a)、図28(a)、図29(a)及び図30(a)に示したように、作用軸力Naを限界軸力Nlimitに当てはめたときに上記式(2)~(5)又は(10)~(13)で示される関係を満たしていれば、変形角θが20/1000radであっても、曲げモーメントの低下率を80%以上に維持できていることがわかる。つまり、実施例1~9のように上記式(2)~(5)又は(10)~(13)で示される関係を満たしていれば、塑性率を6以上とし、限界変形角を20/1000rad以上とすることができ、良好な靱性を有するWSC杭を得られることがわかる。
なお、実施例でも一部のデータで低下率が80%を下回っているが、これは、繰り返し荷重や交番荷重を加えたためである。
そして更に、図27(b)、図28(b)、図29(b)及び図30(b)に示したように、作用軸力Naを限界軸力Nlimitに当てはめたときに上記式(2)~(5)又は(10)~(13)で示される関係であって、各式の右辺が好ましい値であるものを満たしていれば、変形角が25/1000radであっても、低下率を80%以上に維持できていることがわかる。つまり、実施例1、2、及び5~9のように、上記式(2)~(5)又は(10)~(13)で示される関係であって、各式の右辺が好ましい値であるものを満たしていれば、塑性率を6以上とし、限界変形角を25/1000rad以上とすることができ、より良好な靱性を有するWSC杭を得られることがわかる。
そして更に、図27(c)、図28(c)、図29(c)及び図30(c)に示したように、作用軸力Naを限界軸力Nlimitに当てはめたときに上記式(2)~(5)又は(10)~(13)で示される関係であって、各式の右辺が好ましい値であるものを満たしていれば、変形角が40/1000radであっても、低下率を80%以上に維持できていることがわかる。つまり、実施例1、2及び5のように、上記式(2)~(5)又は(10)~(13)で示される関係であって、各式の右辺が好ましい値であるものを満たしていれば、塑性率を6以上とし、限界変形角を40/1000rad以上とすることができ、極めて良好な靱性を有するWSC杭を得られることがわかる。
ここで図34は、正負交番載荷試験によって求められた実施例6~9の終局曲げモーメントの実験値Meuと理論値Mcuの比Meu/Mcuを示している。
図34に示したように、実施例9では、終局曲げモーメントの実験値Meuと理論値Mcuの比Meu/Mcuが1を下回っており、コンクリート部6のコンクリートの終局歪みが当初仮定した5000μ未満となっている可能性がある。これは、実施例9では、実施例6~8に比べてコンクリート部6の壁厚tcが相対的に薄く、コンクリート部6の外周側の圧壊が内周面まで到達しやすく、内鋼管4の板厚tsiが薄いと、コンクリート部6の欠落を十分に抑制できないためと考えられる。つまり、実施例9では、実施例6~8に比べ、コンクリート部6に対する内鋼管4の拘束力が相対的に低下していると考えられる。
このため、コンクリート部6の外径Dcに対する厚さtcの比tc/Dcが0.125未満の場合、内鋼管4の外径Dsiに対する厚さtsiの比tsi/Dsiは2.5%以上であることが好ましいことがわかる。
なお、図34中の外鋼管3の圧縮強度Fsoy、内鋼管4の圧縮強度Fsiy、コンクリート部6の圧縮強度Fc及び弾性係数Ec、並びに、グラウトの圧縮強度Fg及び弾性係数Egは、いずれも実測値である。一方、図34中の外鋼管3の弾性係数Eso及び内鋼管3の弾性係数Esiは公称値である。
最後に、本発明は上述した幾つかの実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、本発明によれば、WSC杭1を所定の限界軸力Nlimit以下で使用するWSC杭1の使用方法やWSC杭1を備える杭基礎も提供される。
また例えば、上述した実施形態では、杭体5が2つの円筒形状の部分によって構成されていたが、杭体5が1つの円筒部によって構成されていてもよい。杭体5が1つの円筒部によって構成されている場合、杭体5はコンクリートによって構成されている。あるいは、杭体が、3つ以上の円筒部によって構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、杭体5の内周面全域が内鋼管4によって覆われていたが、WSC杭1の軸線方向にて、相対的に大きな曲げモーメントが発生する領域にのみ内鋼管4を設けてもよい。つまり、WSC杭1の軸線方向にて、内鋼管4は杭体5を全長にわたって覆っている必要はなく、杭体5の内周面の必要な部分のみ内鋼管4によって部分的に覆ってもよい。この場合、少なくとも、座屈が発生し易い箇所(杭体5を構成するコンクリートの圧壊によって生じたコンクリート片が杭体5の中心方向に向かって移動し易い箇所)を含む部分を内鋼管4が覆っていればよい。ただし、内鋼管4は、WSC杭1の軸線方向にて、杭体5の1/4以上の長さの領域を覆っているのが好ましい。杭体5の内周面を内鋼管4によって部分的に覆う場合、全長にわたって覆う場合よりもコストを低減できる。
また更に、杭体5を構成するコンクリートは、無筋コンクリートであるが、鉄筋コンクリートであってもよい。
また、外鋼管3としては、SKK材のみならず、STK材、SM材、SS材、国土交通大臣認定の材料を用いてもよい。同様に、内鋼管4としては、STK材のみならず、SKK材、SM材、SS材、国土交通大臣認定の材料を用いてもよい。
1 二重鋼管付きコンクリート杭(WSC杭)
3 外鋼管
4 内鋼管
5 杭体
6 コンクリート部
7 端板
9 充填部
13 スタブ
15 反力床

Claims (25)

  1. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
    で満たされる関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭。
  2. 次式: Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.32
    で満たされる関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  3. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/Pso≦2.65
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭。
  4. 次式: Nlimit/Pso≦1.92
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項3に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  5. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso+Psi)≦1.15
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭。
  6. 次式: Nlimit/(Pso+Psi)≦1.02
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項5に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  7. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso+Pc)≦0.53
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭。
  8. 次式: Nlimit/(Pso+Pc)≦0.38
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項7に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  9. 前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとしたとき、次式:
    Nlimit/Psi≦2.45
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項1乃8の何れか1項に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  10. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
    前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
    前記内鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’とし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso’+Psi’+Pc)≦0.43
    で満たされる関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭。
  11. 次式: Nlimit/(Pso’+Psi’+Pc)≦0.34
    で満たされる関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項10に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  12. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
    前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/Pso’≦3.10
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭。
  13. 次式: Nlimit/Pso’≦2.24
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項12に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  14. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    限界軸力が設定されている、二重鋼管付きコンクリート杭であって、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記限界軸力は、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定され、
    前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
    前記内鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’とし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso’+Psi’)≦1.23
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭。
  15. 次式: Nlimit/(Pso’+Psi’)≦1.14
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項14に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  16. 前記外鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPso’とし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso’+Pc)≦0.54
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項10乃15の何れか1項に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  17. 次式: Nlimit/(Pso’+Pc)≦0.40
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項16に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  18. 前記内鋼管の座屈を考慮にいれた降伏耐力をPsi’としたとき、次式:
    Nlimit/Psi’≦2.63
    で示される関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項10乃17の何れか1項に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  19. 塑性率が6以上であり限界変形角が20/1000rad以上であることを特徴とする請求項1乃至18の何れか1項に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  20. 塑性率が6以上であり限界変形角が40/1000rad以上であることを特徴とする請求項19に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  21. 前記コンクリート部と前記内鋼管の間に円筒形状のグラウトからなる充填部を有することを特徴とする請求項1乃至20の何れか1項に記載の二重鋼管付きコンクリート杭。
  22. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備える二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法において、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たすようにし、
    前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて、前記二重鋼管付きコンクリート杭の限界軸力を設定し、
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
    で満たされる関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法。
  23. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備える二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法において、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たすようにし、
    前記二重鋼管付きコンクリート杭の限界軸力が所定の値となるように、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上を選択し、
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
    で満たされる関係を満たしている
    ことを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭の設計方法。
  24. 中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たす、二重鋼管付きコンクリート杭の使用方法であって、
    前記二重鋼管付きコンクリート杭に対し地震時に作用する軸力が、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定される限界軸力以下になるようにし、
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
    で満たされる関係を満たしていることを特徴とする二重鋼管付きコンクリート杭の使用方法。
  25. 二重鋼管付きコンクリート杭を備える杭基礎において、
    前記二重鋼管付きコンクリート杭は、
    中空で円筒形状の外鋼管と、
    前記外鋼管の内側に配置された中空で円筒形状の内鋼管と、
    前記外鋼管と前記内鋼管との間に前記外鋼管に接して配置され、コンクリートによって構成された円筒形状のコンクリート部と、を備え、
    前記内鋼管の外径をDsiとし、
    前記内鋼管の厚さをtsiとしたとき、次式:
    tsi≧0.02×Dsi
    で示される関係を満たし、
    前記二重鋼管付きコンクリート杭に対し地震時に作用する軸力が、前記外鋼管の降伏耐力、前記内鋼管の降伏耐力、及び、前記コンクリート部の降伏耐力のうち1つ以上に基づいて設定される限界軸力以下であり、
    前記外鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsoとし、
    前記内鋼管の座屈を考慮しない場合の降伏耐力をPsiとし、
    前記コンクリート部の降伏耐力をPcとし、
    前記限界軸力をNlimitとしたとき、次式:
    Nlimit/(Pso+Psi+Pc)≦0.42
    で満たされる関係を満たしていることを特徴とする杭基礎。
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