JP6327649B2 - コンクリート部材接合構造と、コンクリート部材接合構造用のスパイラル筋 - Google Patents

コンクリート部材接合構造と、コンクリート部材接合構造用のスパイラル筋 Download PDF

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本発明は、コンクリート部材を相互接合するためのコンクリート部材接合構造と、このコンクリート部材接合構造に用いられるスパイラル筋に関する。
水路や擁壁等のコンクリート構造物は、予め作製されたコンクリート部材(プレキャストコンクリート)を現場にて組み立てることにより構築されている。コンクリート構造物を組み立てるにはコンクリート部材を相互接合するための接合構造が必要であり、その一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている接合構造は、金属製のスプライススリーブ(以下、単にスリーブと言う)を用いたものである。具体的には、第1のコンクリート部材には、その接合面近傍にスリーブが埋設されており、このスリーブの一端側には、第1のコンクリート部材に埋設された鉄筋の端部が挿入されグラウト材によって固定されている。第2のコンクリート部材には、第2のコンクリート部材に埋設された鉄筋の端部がその接合面から外部に突出するように設けられている。第1のコンクリート部材と第2のコンクリート部材を接合するときには、第1のコンクリート部材のスリーブの他端側に第2のコンクリート部材の鉄筋の端部が挿入されるように両者の接合面を接触させた後、スリーブの他端側に挿入された鉄筋の端部をグラウト材によって固定する。
特許文献1に開示されている接合構造では、第1のコンクリート部材として、スリーブが埋設され、且つ、該スリーブの一端側に鉄筋の端部が挿入されたものを作製しなければならない。即ち、第1のコンクリート部材の作製工程が複雑になるが故に該第1のコンクリート部材のコストが嵩んでしまう。また、第1のコンクリート部材に埋設されたスリーブの他端側に挿入可能な鉄筋の直径が決まってしまうため、該直径の鉄筋が設けられた第2のコンクリート部材でないと第1のコンクリート部材との接合が行えない。即ち、第2のコンクリート部材の鉄筋の直径が多様の場合には、これら直径に対応した何種類もの第1のコンクリート部材を用意しておかないと所期の接合が行えない。さらに、第2のコンクリート部材は鉄筋の端部が外部に突出しているため、現場においてコンクリート構造物を組み立てるときにこの鉄筋の端部が周囲のものに衝突して曲がってしまうと所期の接合が行えなくなる。
特開平07−062753号公報
本発明の課題は、コスト面で有利で利便性があり、しかも、コンクリート部材の相互接合を適切に行えるコンクリート部材接合構造と、このコンクリート部材接合構造に有用なスパイラル筋を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート部材接合構造は、コンクリート部材を相互接合するためのコンクリート部材接合構造であって、(1)少なくとも第1接合面に開口を有する第1凹部が設けられ、前記第1凹部の内側に端部が突出するように第1鉄筋が埋設された第1コンクリート部材と、(2)少なくとも第2接合面に開口を有する第2凹部が設けられ、前記第2凹部の内側に端部が突出するように第2鉄筋が埋設された第2コンクリート部材と、(3)少なくとも2本の添え筋が内側に取り付けられ、一端側からの前記第1鉄筋の端部の挿入と他端側からの前記第2鉄筋の端部の挿入を可能としたスパイラル筋と、を備えており、前記第1コンクリート部材の前記第1接合面と前記第2コンクリート部材の前記第2接合面とが接触し、且つ、前記第1鉄筋の端部と前記第2鉄筋の端部とが向き合った状態で、前記第1凹部の内側及び前記第2凹部の内側に配置されている前記スパイラル筋の一端側に前記第1鉄筋の端部が挿入されていると共に他端側に前記第2鉄筋の端部が挿入されており、前記スパイラル筋の外側隙間及び内側隙間を埋めるように前記第1凹部の内側及び前記第2凹部の内側にグラウト材が充填されている。
また、前記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート部材接合構造用のスパイラル筋は、(1)少なくとも第1接合面に開口を有する第1凹部が設けられ、前記第1凹部の内側に端部が突出するように第1鉄筋が埋設された第1コンクリート部材と、(2)少なくとも第2接合面に開口を有する第2凹部が設けられ、前記第2凹部の内側に端部が突出するように第2鉄筋が埋設された第2コンクリート部材とを、前記第1コンクリート部材の前記第1接合面と前記第2コンクリート部材の前記第2接合面とが接触し、且つ、前記第1鉄筋の端部と前記第2鉄筋の端部とが向き合った状態で接合するときに用いられるスパイラル筋であって、少なくとも2本の添え筋が内側に取り付けられ、一端側からの前記第1鉄筋の端部の挿入と他端側からの前記第2鉄筋の端部の挿入を可能としており、前記状態において前記一端側に前記第1鉄筋の端部が挿入され得ると共に前記他端側に前記第2鉄筋の端部が挿入され得る。
本発明によれば、コスト面で有利で利便性があり、しかも、コンクリート部材の相互接合を適切に行えるコンクリート部材接合構造と、このコンクリート部材接合構造に有用なスパイラル筋を提供することができる。
図1(A)は本発明の第1実施形態に係る接合構造を示す要部縦断面図、図1(B)は図1(A)のS1−S1線に沿う断面図である。 図2(A)は図1(A)に示したスパイラル筋の縦断面図、図2(B)は図1(A)に示したスパイラル筋を長さ方向一方側から見た図である。 図3(A)と図3(B)それぞれは接合手順の説明図である。 図4(A)は図1(A)に示したスパイラル筋の第1変形例を示す図2(A)対応図、図4(B)は図1(A)に示したスパイラル筋の第2変形例を示す図2(B)対応図、図4(C)は図1(A)に示したスパイラル筋の第3変形例を示す図2(B)対応図である。 図5は本発明の第2実施形態に係る接合構造を示す要部縦断面図である。 図6(A)は本発明の第3実施形態に係る接合構造を示す要部縦断面図、図6(B)は図6(A)のS2−S2線に沿う断面図である。
《第1実施形態》
図1は、本発明の第1実施形態に係る接合構造を示す。この接合構造は、第1コンクリート部材11と、第1鉄筋12と、第2コンクリート部材13と、第2鉄筋14と、スパイラル筋15と、グラウト材16とによって構成されている。
図1(A)に示したように、第1コンクリート部材11には、第1接合面11aのみに開口を有する略円錐台状の第1凹部11bが設けられている。また、第1コンクリート部材11には、第1コンクリート部材11の外面から第1凹部11bの底部に至る第1注排口11cが設けられている。また、第1鉄筋12は、第1凹部11bの内側に端部12aが突出するように第1コンクリート部材11に埋設されている。
図1(A)に示したように、第2コンクリート部材13には、第1接合面13aのみに開口を有する略円錐台状の第2凹部13bが設けられている。また、第2コンクリート部材13には、第1コンクリート部材13の外面から第2凹部13bの底部に至る第2注排口13cが設けられている。また、第2鉄筋14は、第2凹部13bの内側に端部14aが突出するように第2コンクリート部材13に埋設されている。
ちなみに、第1凹部11bのサイズと第2凹部13bの設計上のサイズは同じであり、第1注排口11cの設計上の位置及びサイズと第2注排口13cの設計上の位置及びサイズは同じである。第1鉄筋12と第2鉄筋14は好ましくは異形鉄筋から成る。また、第1鉄筋12の直径と第2鉄筋14の直径は同じであり、第1鉄筋12の端部12aの設計上の突出長さと第2鉄筋14の端部の設計上の突出長さは同じであり、各々の突出長さは第1凹部11bと第2凹部13bそれぞれの深さ(図1(A)の上下寸法)よりも僅かに短い。
図1(A)から分かるように、接合状態にあっては、第1コンクリート部材11の第1接合面11aと第2コンクリート部材13の第2接合面13aは接触しており、第1鉄筋12の端部12aと第2鉄筋の端部14aは間隔をおいて向き合っている。
スパイラル筋15は、図2(A)に示したように、線径(符号無し)と外径Dと長さLとピッチPによってその態様を規定されている。また、図2(A)及び図2(B)に示したように、スパイラル筋15の内側には、2本の添え筋15aが溶接等によって取り付けられている。2本の添え筋15aは、好ましくはスパイラル筋15の内径中心を基準として等角度間隔(図2(B)では180度間隔)で配置されている。また、図2(B)に示したように、2本の添え筋15aがスパイラル筋15の内径方向で向き合う間隔は、第1鉄筋12の端部12aの直径と第2鉄筋14の端部14aの直径それぞれよりも僅かに広い。即ち、スパイラル筋15は、一端側からの第1鉄筋12の端部12aの挿入と他端側からの第2鉄筋14の端部14aの挿入を可能としている。
ちなみに、スパイラル筋15の線材と2本の添え筋15aは好ましくは異形鉄筋から成る。また、スパイラル筋15の設計上の長さLは、第1凹部11bの深さ(図1(A)の上下寸法)と第2凹部13bの深さ(図1(A)の上下寸法)との和と同じでも構わないが、好ましくは該和よりも僅かに短い。さらに、2本の添え筋15aの設計上の長さは、スパイラル筋15の長さLよりも僅かに長くても短くても構わないが、好ましくはスパイラル筋15の長さLと同じである。
図1(A)から分かるように、接合状態にあっては、第1凹部11bの内側及び第2凹部13bの内側に配置されているスパイラル筋15の一端側(図1(A)の下端側)の好ましくは内径中心位置に第1鉄筋12の端部12aが挿入されていると共に他端側(図1(A)の上端側)の好ましくは内径中心位置に第2鉄筋14の端部14aが挿入されている。
グラウト材16は、好ましくは無収縮モルタルである。図1(A)から分かるように、接合状態にあっては、グラウト材16は、第1凹部11bの内側及び第2凹部13bの内側に充填されていて、スパイラル筋15の外側隙間を埋めている他、第1鉄筋12の端部12aと第2鉄筋14の端部14aが挿入された後のスパイラル筋15の内側隙間を埋めている。即ち、スパイラル筋15に挿入されている第1鉄筋12の端部12aの表面及び第2鉄筋14の端部14aの表面は、グラウト材16を介してスパイラル筋15の内面及び各添え筋15aの表面に固定されている。また、スパイラル筋15の外面とスパイラル筋15に挿入されていない第1鉄筋12の端部12aの表面及び第2鉄筋14の端部14aの表面は、グラウト材16を介して第1凹部11bの内面及び第2凹部13bの内面に固定されている。
図3は、前記接合構造によって第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13を接合する手順を示す。接合に際しては、図3(A)に示したように、先ず、第1コンクリート部材11を設置し、スパイラル筋15をその一端側に第1鉄筋12の端部12aが挿入されるように第1凹部11bの内側に差し込む。
続いて、図3(B)に示したように、第1コンクリート部材11の第1凹部11bの真上(或いは真横)に第2コンクリート部材13の第2凹部13bを位置させ、そのまま第2コンクリート部材13を第1コンクリート部材11に接近させて、スパイラル筋15をその他端側に第2鉄筋14の端部14aが挿入されるように第2凹部13bの内側に差し込むと共に、第2接合面13aを第1接合面11aに接触させる。なお、この接触前に第1接合面11aと第2接合面13aの少なくとも一方にエポキシ樹脂系等の接着材を塗布しておけば、第1接合面11aと第2接合面13aとの水密性を向上できる。
続いて、第1注排口11cと第2注排口13cの一方(第1注排口11cと第2注排口13cが上下に位置する場合には下側の注排口)から第1凹部11bの内側及び第2凹部13bの内側に液状のグラウト材16を注入し(図3(B)の破線矢印を参照)、第1注排口11cと第2注排口13cの他方から注入量と略同じ量の液状のグラウト材16が排出されて十分な注入が確認されたところで注入を停止する。
第1凹部11bの内側及び第2凹部13bの内側に注入された液状のグラウト材16は、スパイラル筋15の外側隙間に流れ込んで該外側隙間を埋める他、第1鉄筋12の端部12aと第2鉄筋14の端部14aが挿入されているスパイラル筋15の内側隙間に流れ込んで該内側隙間を埋める。注入後の液状のグラウト材16は時間経過によって硬化し、この硬化によって、第1凹部11bの内側及び第2凹部13bの内側に存する第1鉄筋12の端部12aと第2鉄筋14の端部14aとスパイラル筋15(添え筋15aを含む)とが一体化すると共に、一体化したものが第1凹部11bの内面及び第2凹部13bの内面に密着する。
図4は、前記接合構造に用いられているスパイラル筋15の変形例を示す。図2(A)にはスパイラル筋15のピッチPが線径と略同じものを示したが、図4(A)に示したように、スパイラル筋15のピッチPが線径よりも大きなものを代わりに用いてもよい。
また、図2(B)には2本の添え筋15aがスパイラル筋15の内径中心を基準として180度間隔で配置されたものを示したが、図4(B)に示したように、添え筋15aを4本としこれらがスパイラル筋15の内径中心を基準として90度間隔で配置されたものを代わりに用いてもよいし、図4(C)に示したように、添え筋15aを3本としこれらがスパイラル筋15の内径中心を基準として120度間隔で配置されたものを代わりに用いてもよい。
ここで、前記接合構造を構成する第1鉄筋12及び第2鉄筋14と、スパイラル筋15及び添え筋15aと、スパイラル筋15への第1鉄筋12の端部12a及び第2鉄筋14の端部14aの挿入長さ(重ね長さ)のそれぞれの仕様等について例示する。
第1鉄筋12及び第2鉄筋14としてD25(材質はSD390)を用い、且つ、スパイラル筋15の線材としてD10(材質はSD295A)を用いた場合を例として説明すれば、添え筋15aが2本のときはD19(材質はSD390)が好ましく使用でき、添え筋15aが4本のときにはD16(材質はSD390)が好ましく使用できる。添え筋15aの直径の目安は、複数本の添え筋15aの断面積の和>D25の断面積である。また、スパイラル筋15のピッチPは、10〜30mmの範囲が好ましい。さらに、スパイラル筋15への第1鉄筋12の端部12a及び第2鉄筋14の端部14aの挿入長さ(重ね長さ)は、D25の直径の10〜15倍の範囲が好ましく、この範囲となるようにスパイラル筋15の長さLが設定される。
前記仕様等は、第1鉄筋12及び第2鉄筋14としてD25(材質はSD390)を用い、且つ、スパイラル筋15の線材としてD10(材質はSD295A)を用いた場合の例であり、第1鉄筋12及び第2鉄筋14としてはD25以外でSD390以外のものも使用でき、スパイラル筋15の線材としてはD10以外でD295A以外のものも使用でき、添え筋15aとしてD19及びD16以外でSD390以外のものも使用できることは言うまでもない。
以上説明した接続構造及びスパイラル筋15によれば、以下の効果E1〜E2を得ることができる。
(E1)第1コンクリート部材11として、第1接合面11aに開口を有する第1凹部11bが設けられ、第1凹部11bの内側に端部12aが突出するように第1鉄筋12が埋設されたものを用意し、第2コンクリート部材13として、第2接合面13aに開口を有する第2凹部13bが設けられ、第2凹部13bの内側に端部14aが突出するように第2鉄筋14が埋設されたものを用意すればよいため、第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13それぞれを低コストで作製できる。また、第1鉄筋12及び第2鉄筋14の各種直径に対応したスパイラル筋15を複数種類用意しておけば、第1鉄筋12及び第2鉄筋14の直径に応じてスパイラル筋15を適宜選択するだけで、所期の接合を適切に行える。さらに、第1鉄筋12の端部12aが第1コンクリート部材11の外部に突出しておらず、第2鉄筋14の端部14aが第2コンクリート部材13の外部に突出していないため、現場においてコンクリート構造物を組み立てるときにこれら端部12a及び14aが周囲のものに衝突して曲がってしまうことを回避して、所期の接合を適切に行える。
(E2)スパイラル筋15として少なくとも2本の添え筋15aが内側に取り付けられたものを用い、このスパイラル筋15の一端側に第1鉄筋12の端部12aが挿入され、且つ、他端側に第2鉄筋14の端部14aが挿入された状態で、スパイラル筋15の外側隙間及び内側隙間を埋めるように第1凹部11bの内側及び第2凹部12bの内側にグラウト材16が充填されている。即ち、スパイラル筋15aはこれと長さ、内径及び外径が同じ筒に比べて表面積が大きいため、スパイラル筋15の外側がグラウト材16を介して第1凹部11bの内面及び第2凹部13bの内面に密着する力が高く、スパイラル筋15の外側がグラウト材16を介して第1鉄筋12の端部12aの表面と第2鉄筋14の端部14aの表面に密着する力が高い。また、スパイラル筋15の内側に少なくとも2本の添え筋15aが取り付けられており、第1鉄筋12の端部12aと第2鉄筋14の端部14aそれぞれに生じる応力をグラウト材16を介して各添え筋15aに効果的に伝達できるため、接合構造に外力が加わったときに生じ得る各種破壊に対する耐力を向上できる。
《第2実施形態》
図5は、本発明の第2実施形態に係る接合構造を示す。この接合構造は、第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13の接合部分の両側に、図1に示した接合構造を配したものである。接合構造自体は図1及び図2に示したものと同じであるため、同一符号を用いてその説明を省略する。
第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13の接合部分の厚さがさほど厚くない場合には、第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13の接合部分の片側に図1に示した接合構造を設ければ十分であるが、第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13の接合部分の厚さが厚い場合には、図5に示したように、第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13の接合部分の両側に図1に示した接合構造を配するとよい。このようにすれば、大型のコンクリート構造物においても第1コンクリート部材11と第2コンクリート部材13の接合を良好に行うことができる。
《第3実施形態》
図6は、本発明の第3実施形態に係る接合構造を示す。この接合構造は、第1コンクリート部材21と、第1鉄筋22と、第2コンクリート部材23と、第2鉄筋24と、スパイラル筋25と、グラウト材26とによって構成されている。
図6に示した接合構造が、図1に示した接合構造と異なる点は、図6(A)及び図6(B)に示したように、第1コンクリート部材21に設けられた第1凹部21bが第1接合面21aの開口と第1コンクリート部材21の外面の開口とを連続して有する略四角錐台状となっている点と、第2コンクリート部材23に設けられた第2凹部23bが第1接合面23aの開口と第2コンクリート部材23の外面の開口とを連続して有する略四角錐台状となっている点にある。第1鉄筋22と第2鉄筋24とスパイラル筋25の構成は、図1及び図2に示した第1鉄筋12と第2鉄筋14とスパイラル筋15の構成と同じであるため、その説明を省略する。
第1コンクリート部材21と第2コンクリート部材23を接合するときには、先ず、第1コンクリート部材21を設置し、スパイラル筋25をその一端側に第1鉄筋22の端部22aが挿入されるように第1凹部21bの内側に差し込む。
続いて、第1コンクリート部材21の第1凹部21bの真上(或いは真横)に第2コンクリート部材23の第2凹部23bを位置させ、そのまま第2コンクリート部材23を第1コンクリート部材21に接近させて、スパイラル筋25をその他端側に第2鉄筋24の端部24aが挿入されるように第2凹部23bの内側に差し込むと共に、第2接合面23aを第1接合面21aに接触させる。なお、この接触前に第1接合面21aと第2接合面23aの少なくとも一方にエポキシ樹脂系等の接着材を塗布しておけば、第1接合面21aと第2接合面23aとの水密性を向上できる。
続いて、第1凹部21b及び第2凹部23bの外面側開口から第1凹部21bの内側及び第2凹部23bの内側に液状のグラウト材26を注入する。第1凹部21bの内側及び第2凹部23bの内側に注入された液状のグラウト材26は、スパイラル筋25の外側隙間に流れ込んで該外側隙間を埋める他、第1鉄筋22の端部22aと第2鉄筋24の端部24aが挿入されているスパイラル筋25の内側隙間に流れ込んで該内側隙間を埋める。注入後の液状のグラウト材26は時間経過によって硬化し、この硬化によって、第1凹部21bの内側及び第2凹部23bの内側に存する第1鉄筋22の端部22aと第2鉄筋24の端部14aとスパイラル筋25(添え筋25aを含む)とが一体化すると共に、一体化したものが第1凹部21bの内面及び第2凹部23bの内面に密着する。
図6に示した接合構造は、第1凹部21b及び第2凹部23bの形状が図1に示した接合構造と異なるものの、図1に示した接合構造と同様の効果を得ることができる。また、第1コンクリート部材21と第2コンクリート部材23の接合部分の厚さが厚い場合には、図5に示したものと同様に、第1コンクリート部材21と第2コンクリート部材23の接合部分の両側に図6に示した接合構造を配してもよい。
《他の実施形態》
(1)前記第1実施形態と前記第2実施形態では、スパイラル筋15の設計上の長さLとして、第1凹部11bの図1(A)及び図5の上下寸法と第2凹部13bの図1(A)及び図5の上下寸法との和と同じか、或いは、該和よりも僅かに短いものを示し、前記第3実施形態では、スパイラル筋25の設計上の長さLとして、第1凹部21bの図5の上下寸法と第2凹部23bの図5の上下寸法との和と同じか、或いは、該和よりも僅かに短いものを示したが、前記長さLは前記和よりも短くてもよい。この場合には、スパイラル筋15及び25の少なくとも一方に位置調整のためのリング状スペーサを一体又は別体で設けて、スパイラル筋15及び25の配置位置、即ち、スパイラル筋15及び25への第1鉄筋12及び22の端部12a及び22aと第2鉄筋14及び24の端部14a及び24aの挿入長さ(重ね長さ)を調整するようにするとよい。
(2)前記第1実施形態と前記第2実施形態と前記第3実施形態では、スパイラル筋15及び25への第1鉄筋12及び22の端部12a及び22aと第2鉄筋14及び24の端部14a及び24aの好ましい挿入位置として、スパイラル筋15及び25の内径中心位置を示したが、第1凹部11b及び21bの形状と第2凹部13b及び23bの形状に依存して、前記挿入位置がスパイラル筋15及び25の内径中心位置から大きくずれてしまうような場合には、適当な位置規制具を配して前記挿入位置が前記内径中心位置となるようにするとよい。
11…第1コンクリート部材、11a…第1コンクリート部材の第1接合面、11b…第1コンクリート部材の第1凹部、11c…第1コンクリート部材の第1注排口、12…第1鉄筋、12a…第1鉄筋の端部、13…第2コンクリート部材、13a…第2コンクリート部材の第1接合面、13b…第2コンクリート部材の第2凹部、13c…第2コンクリート部材の第2注排口、14…第2鉄筋、14a…第2鉄筋の端部、15…スパイラル筋、15a…添え筋、21…第1コンクリート部材、21a…第1コンクリート部材の第1接合面、21b…第1コンクリート部材の第1凹部、22…第1鉄筋、22a…第1鉄筋の端部、23…第2コンクリート部材、23a…第2コンクリート部材の第2接合面、23b…第2コンクリート部材の第2凹部、24…第2鉄筋、24a…第2鉄筋の端部。

Claims (6)

  1. コンクリート部材を相互接合するためのコンクリート部材接合構造であって、
    (1)少なくとも第1接合面に開口を有する第1凹部が設けられ、前記第1凹部の内側に端部が突出するように第1鉄筋が埋設された第1コンクリート部材と、(2)少なくとも第2接合面に開口を有する第2凹部が設けられ、前記第2凹部の内側に端部が突出するように第2鉄筋が埋設された第2コンクリート部材と、(3)線径と外径と長さとピッチとによって態様が規定され、且つ、長さ方向両方から見た形状が環状であると共に、長さ方向の一端側前記第1鉄筋の端部挿入でき、且つ、長さ方向の他端側前記第2鉄筋の端部挿入できるように長さ方向に沿う少なくとも2本の添え筋が内側に取り付けられたスパイラル筋と、を備えており、
    前記第1コンクリート部材と前記第2コンクリート部材は、前記第1接合面と前記第2接合面とが接触し、且つ、前記第1鉄筋の端部と前記第2鉄筋の端部とが向き合った状態にあり
    前記スパイラル筋は、前記長さ方向の一端側に前記第1鉄筋の端部が挿入され、且つ、前記長さ方向の他端側に前記第2鉄筋の端部が挿入された状態で、前記第1凹部の内側及び前記第2凹部の内側に配置されており
    前記スパイラル筋が配置された前記第1凹部の内側及び前記第2凹部の内側には、前記スパイラル筋の外側隙間及び内側隙間を埋めるようにグラウト材が充填されている、
    コンクリート部材接合構造。
  2. 前記スパイラル筋の内側に取り付けられた前記少なくとも2本の添え筋は、前記スパイラル筋の内径中心を基準として等角度間隔で配置されている、
    請求項1に記載のコンクリート部材接合構造。
  3. 前記第1凹部は前記第1接合面のみに開口を有する形状を成し、前記第2凹部は前記第2接合面のみに開口を有する形状を成しており、
    前記第1コンクリート部材には該第1コンクリート部材の外面から前記第1凹部に至る第1注排口が設けられ、前記第2コンクリート部材には該第2コンクリート部材その外面から前記第2凹部に至る第2注排口が設けられている、
    請求項1又は2に記載のコンクリート部材接合構造。
  4. 前記第1凹部は前記第1接合面の開口と前記第1コンクリート部材の外面の開口とを連続して有する形状を成し、前記第2凹部は前記第2接合面の開口と前記第2コンクリート部材の外面の開口とを連続して有する形状を成している、
    請求項1又は2に記載のコンクリート部材接合構造。
  5. (1)少なくとも第1接合面に開口を有する第1凹部が設けられ、前記第1凹部の内側に端部が突出するように第1鉄筋が埋設された第1コンクリート部材と、(2)少なくとも第2接合面に開口を有する第2凹部が設けられ、前記第2凹部の内側に端部が突出するように第2鉄筋が埋設された第2コンクリート部材とを、前記第1接合面と前記第2接合面とが接触し、且つ、前記第1鉄筋の端部と前記第2鉄筋の端部とが向き合った状態で接合するときに用いられるスパイラル筋であって、
    当該スパイラル筋は、線径と外径と長さとピッチとによって態様が規定され、且つ、長さ方向両方から見た形状が環状であると共に、長さ方向の一端側前記第1鉄筋の端部挿入でき、且つ、長さ方向の他端側前記第2鉄筋の端部挿入できるように長さ方向に沿う少なくとも2本の添え筋が内側に取り付けられている
    コンクリート部材接合構造用のスパイラル筋。
  6. 前記スパイラル筋の内側に取り付けられた前記少なくとも2本の添え筋は、前記スパイラル筋の内径中心を基準として等角度間隔で配置されている、
    請求項5に記載のコンクリート部材接合構造用のスパイラル筋。
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