JP6859226B2 - 調湿ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、調湿された空気を生成するために用いられる調湿ユニットに関する。
下記特許文献1は、調湿された空気を生成するための調湿処理室を提案している。下記特許文献1の調湿処理室は、例えば、住宅の床下空間に設けられた箱状のケース内部に、吸放湿性能を有する調湿材が充填されて構成されている。このような調湿処理室は、供給された空気を調湿(加湿又は除湿)して出力することができる。
特開2004−150675号公報
ところで、調湿材は、定期的な点検や交換が必要になる場合がある。また、充分な換気用の空気を調湿処理するためには、ケースが大型化し、施工性や可搬性において改善の余地があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、メンテナンス性、可搬性及び施工性に優れる調湿ユニットを提供することを主たる目的としている。
本発明は、調湿ユニットであって、第1開口から第2開口に延びる空気通路を有し、かつ、前記空気通路内に水蒸気の吸放湿性能を有する調湿材が収容された調湿チャンバー部と、前記調湿チャンバー部の前記第1開口側に配されかつ調湿用の空気を前記第1開口へ供給するための入力チャンバー部と、前記調湿チャンバー部の前記第2開口側に配されかつ調湿された空気を前記第2開口から受け取るための出力チャンバー部とを含み、前記調湿チャンバー部に対して、前記入力チャンバー部及び前記出力チャンバー部の少なくとも一方が取外し可能に連結されていることを特徴とする。
本発明に係る前記調湿ユニットにおいて、前記調湿チャンバー部は、断熱材を用いて形成された筐体を有してもよい。
本発明に係る前記調湿ユニットにおいて、前記入力チャンバー部は、前記調湿用の空気が供給される第1入口を含み、前記第1入口には、前記調湿ユニットの内、外の圧力差によって、前記第1入口を開閉する第1差圧ダンパーが設けられていてもよい。
本発明に係る前記調湿ユニットにおいて、前記出力チャンバー部は、前記調湿された空気が供給される第1出口を含み、前記第1出口には、前記調湿ユニットの内、外の圧力差によって、前記第1出口を開閉する第2差圧ダンパーが設けられていてもよい。
本発明に係る前記調湿ユニットにおいて、前記出力チャンバー部は、前記第2開口に対向する第1部分と、前記第1部分の上部に分解可能に固定されることにより前記調湿チャンバー部よりも上部に位置する第2部分とを含み、前記第2部分に、前記調湿された空気を取り出すためのファンが設けられていてもよい。
本発明に係る前記調湿ユニットにおいて、前記ファンは、前記第2部分から側方に突出して設けられ、その重量の一部は前記調湿チャンバー部の上面で支持されてもよい。
本発明の調湿ユニットは、前記調湿チャンバー部に対して、前記入力チャンバー部及び前記出力チャンバー部の少なくとも一方が取外し可能に連結されている。これにより、本発明の調湿ユニットは、小さな部材に分割して施工現場等に搬入できるため、可搬性及び施工性を向上しうる。また、前記入力チャンバー部及び前記出力チャンバー部が調湿チャンバー部から取り外されることで、前記調湿チャンバー部の第1開口又は第2開口を通して、調湿材を点検等することができる。
本発明の調湿ユニットを利用した建物の一例を概念的に示す側面図である。 調湿ユニットの一例を示す斜視図である。 調湿ユニットの断面図である。 調湿材の一例を示す正面図である。 吸湿モードの調湿ユニットの一例を示す断面図である。 (a)は、第1調湿ユニットの調湿モード及び第2調湿ユニットの吸湿モードを説明する図、(b)は、第1調湿ユニットの吸湿モード及び第2調湿ユニットの調湿モードを説明する図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。なお、各図面は、発明の内容の理解を高めるためのものであり、誇張された表示が含まれる他、各図面間において、縮尺等は厳密に一致していない点が予め指摘される。
本実施形態の調湿ユニットは、調湿された空気を生成するためのものである。調湿された空気は、例えば、建物(住宅)の居室空間等に供給される。なお、調湿された空気の供給先は、特に限定されない。図1は、本発明の調湿ユニット1を利用した建物(住宅)2の一例を概念的に示す側面図である。
本実施形態では、一対の調湿ユニット1(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)が利用される態様が例示されるが、一つの調湿ユニット1のみが利用されてもよい。本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bは、実質的に同一仕様を有している。本実施形態において、実質的に同一仕様とは、形状、容積及び調湿能力が同一であることを示している。第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bは、並列的に用いられている。
図2は、調湿ユニット1の一例を示す斜視図である。図3は、調湿ユニット1の断面図である。本実施形態の調湿ユニット1(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)は、調湿チャンバー部6、入力チャンバー部7、及び、出力チャンバー部8を含んで構成されている。
本実施形態の調湿チャンバー部6は、空気通路11と、空気通路11内に収容される調湿材12とを含んで構成されている。
本実施形態の空気通路11は、筐体13によって区分されている。本実施形態の筐体13は、断面矩形の箱状に形成されている。筐体13の一方側には、第1開口14aが設けられている。筐体13の他方側には、第2開口14bが設けられている。これにより、筐体13の内部には、第1開口14aから第2開口14bに延びる空気通路11が形成される。
本実施形態の筐体13は、断熱材13Aを用いて形成されている。これにより、空気通路11は、外部と断熱され、空気通路11内の空気の温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を最小限に抑えることができる。これは、調湿材12に安定した吸湿機能又は放湿機能を発揮させるのに有効である。
本実施形態の断熱材13Aは、板状に形成されている。断熱材13Aの一例としては、スチレンボード、ロックウールボード、又は、グラスウールボード等である。本実施形態では、耐火性に優れるロックウールボード、又は、グラスウールボードが採用されている。断熱材13Aの外側には、例えば、化粧材(図示省略)等が配置されてもよい。
本実施形態の空気通路11は、第1開口14aと第2開口14bとの間を水平方向に延びている。また、空気通路11は、断面矩形状に形成されている。なお、空気通路11は、このような態様に限定されない。
調湿材12は、水蒸気の吸放湿性能を有するものである。調湿材12は、空気通路11と略同一(即ち、空気通路11と同一、又は、やや小さい)の大きさを有しており、断面略矩形状に形成されている。本実施形態の調湿材12は、第1開口14aから第2開口14bまで連続して配置されている態様が示されているが、第1開口14aから第2開口14bまでの一部に配置されてもよい。
図4は、調湿材12の一例を示す正面図である。本実施形態の調湿材12は、シート状に形成された調湿面材12Aが、複数の隙間15を形成しながら積層されることによって、上記形状に形成されている。図3に示されるように、各隙間15は、調湿材12が空気通路11に収容された状態において、第1開口14aから第2開口14bに連続して延びている。これにより、調湿材12は、第1開口14aと第2開口14bとの間で、空気を通過させることができる。
図4に示されるように、調湿面材12Aは、例えば、オニ段状、又は、ハニカム状(図示省略)に積層されるのが望ましい。これにより、調湿材12は、例えば、調湿面材12Aが碁盤目状に積層される場合に比べて、湿気交換面積、及び、その強度を大きくすることができる。また、調湿材12の圧力損失を低減しつつ、湿気交換面積を確保するために、隣接する調湿面材12A、12A間の断高さH1は、5〜15mmが望ましい。調湿面材12Aとしては、適宜採用することができる。本実施形態の調湿面材12Aは、例えば、パルプ繊維が採用されている。
調湿材12には、例えば、調湿面材12Aとは水蒸気の吸着性能が異なる吸着材(図示省略)が担持されていてもよい。これにより、調湿材12は、広い範囲の相対蒸気圧において、水蒸気を吸着又は放出することができる。この吸着材としては、適宜採用することができる。本実施形態の吸着材は、A形シリカゲルが採用されている。
図2に示されるように、本実施形態では、第1調湿ユニット1Aの調湿チャンバー部6の筐体13と、第2調湿ユニット1Bの調湿チャンバー部6の筐体13とが分解可能に形成されているが、一体に形成されてもよい。
入力チャンバー部7は、調湿用の空気A(図3に示す)を第1開口14aへ供給するためのものである。入力チャンバー部7は、調湿チャンバー部6の第1開口14a側に配されている。図3に示されるように、本実施形態の入力チャンバー部7は、その内部に空間19を区画する筐体20を含んで構成されている。筐体20は、調湿チャンバー部6の第1開口14a側で開口する開口部21を有している。この開口部21は、空間19と連通している。
本実施形態の筐体20は、調湿チャンバー部6の筐体13と同様に、断面矩形の箱状に形成されている。また、筐体20は、調湿チャンバー部6の筐体13と同様に、断熱材20Aを用いて形成されている。これにより、入力チャンバー部7は、調湿用の空気Aの温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を最小限に抑えることができる。また、断熱材20Aの外側には、例えば、化粧材(図示省略)等が配置されてもよい。
入力チャンバー部7の開口部21は、調湿チャンバー部6の第1開口14aに隙間なく連結されている。入力チャンバー部7と調湿チャンバー部6との連結手段(図示省略)としては、取外し可能なものであれば、特に限定されない。連結手段の一例としては、気密性の高いテープ材(図示省略)や、ワンタッチで取り付け及び取外しが可能なコネクタ手段(図示省略)等が含まれる。これにより、本実施形態の調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6に対して、入力チャンバー部7を取外し可能に連結することができる。
入力チャンバー部7は、調湿用の空気A(図5に示す)が供給される第1入口23を含んでいる。本実施形態の第1入口23は、筐体20の上面部に設けられた貫通孔として形成されている。さらに、本実施形態の入力チャンバー部7は、調湿用の空気A(図3に示す)が供給される第2入口24を含んでいる。本実施形態の第2入口24は、筐体20において、第1開口14a側とは逆向きの側面部に設けられた貫通孔として形成されている。これらの第1入口23及び第2入口24は、入力チャンバー部7に独立して設けられているため、例えば、湿度が異なる調湿用の空気Aを、入力チャンバー部7に供給することができる。
第1入口23には、第1差圧ダンパー(チャッキダンパー)27が設けられている。このような第1差圧ダンパー27は、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第1入口23を開閉することができ、動力源を必要としない。従って、第1差圧ダンパー27は、調湿ユニット1の製造コスト、及び、ランニングコストを抑制することができる。本実施形態の第1差圧ダンパー27は、調湿ユニット1内が負圧になったとき(即ち、第1入口23から調湿ユニット1内に向かう気流が発生した場合)のみ開くように設定されている。
本実施形態の第1差圧ダンパー27は、入力チャンバー部7から突出するダクト内に設けられている。これにより、第1差圧ダンパー27は、入力チャンバー部7の空間19の外側に設けられるため、空間19が小さくなるのを防ぐことができる。第1差圧ダンパー27が設けられるダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。これにより、第1入口23に供給される調湿用の空気Aの温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を、最小限に抑えることができる
第2入口24には、電動モータ28aによって駆動する第1電動ダンパー28が設けられている。第1電動ダンパー28の開閉は、例えば、予め記憶されているプログラムを実行することができる制御手段10(図1に示す)によって行われる。このような第1電動ダンパー28は、調湿ユニット1の内、外の圧力差に影響されることなく、第2入口24を開閉することができる。本実施形態の第1電動ダンパー28は、入力チャンバー部7の側面部から側方に突出するダクト内に設けられている。これにより、第1電動ダンパー28は、入力チャンバー部7の空間19の外側に設けられるため、空間19が小さくなるのを防ぐことができる。第1電動ダンパー28が設けられるダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
図2に示されるように、本実施形態では、第1調湿ユニット1Aの入力チャンバー部7の筐体20と、第2調湿ユニット1Bの入力チャンバー部7の筐体20とが分解可能に形成されているが、一体に形成されてもよい。
図3に示されるように、出力チャンバー部8は、調湿チャンバー部6で調湿された空気Bを、第2開口14bから受け取るためのものである。本実施形態の出力チャンバー部8は、調湿チャンバー部6の第2開口14b側に配されている。本実施形態の出力チャンバー部8は、第1部分8Aと、第2部分8Bとを含んで構成されている。
第1部分8Aは、調湿チャンバー部6の第2開口14bに対向して設けられている。第1部分8Aは、その内部に空間29を区画する筐体30を含んで構成されている。筐体30は、調湿チャンバー部6の第2開口14b側で開口する開口部31を有している。この開口部31は、空間29に連通している。
本実施形態の筐体30は、調湿チャンバー部6の筐体13と同様に、断面矩形の箱状に形成されている。さらに、筐体30は、断熱材30Aを用いて形成されている。これにより、第1部分8Aは、調湿された空気Bの温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を最小限に抑えることができる。
第1部分8Aの開口部31は、調湿チャンバー部6の第2開口14bに隙間なく連結される。第1部分8Aと調湿チャンバー部6との連結手段は、入力チャンバー部7と調湿チャンバー部6との連結手段と同様のもの採用することができる。これにより、本実施形態の調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6に対して、第1部分8A(即ち、出力チャンバー部8)を取外し可能に連結することができる。
本実施形態の第1部分8Aは、調湿された空気Bが供給される第1出口34を含んでいる。本実施形態の第1出口34は、筐体30において、第2開口14b側とは逆向きの側面部に設けられた貫通孔として形成されている。さらに、第1部分8Aは、調湿された空気B(図5に示す)が供給される第2出口33を含んでいる。本実施形態の第2出口33は、筐体30の上面部に設けられた貫通孔として形成されている。これらの第1出口34及び第2出口33は、第1部分8Aに独立して設けられているため、例えば、建物2の異なる領域に、調湿された空気Bを供給することができる。
第1出口34には、第2差圧ダンパー(チャッキダンパー)37が設けられている。このような第2差圧ダンパー37は、第1差圧ダンパー27と同様に、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第2入口24を開閉することができるため、調湿ユニット1の製造コストを抑制することができる。本実施形態の第2差圧ダンパー37は、調湿ユニット1内が正圧になったとき(即ち、調湿ユニット1内から第1出口34に向かう気流が発生した場合)のみ開くように設定されている。また、本実施形態の第2差圧ダンパー37は、第1部分8Aの側面部から側方に突出するダクト内に設けられている。これにより、第2差圧ダンパー37は、第1部分8Aの空間29が小さくなるのを防ぐことができる。第2差圧ダンパー37が設けられるダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
第2出口33には、電動モータ38aによって駆動する第2電動ダンパー38が設けられている。第2電動ダンパー38の開閉は、例えば、第1電動ダンパー28と同様に、制御手段10(図1に示す)によって行われる。このような第2電動ダンパー38は、調湿ユニット1の内、外の圧力差に影響されることなく、第2出口33を開閉することができる。また、本実施形態の第2電動ダンパー38は、第1部分8Aの空間29内に配置されるため、第2部分8Bの空間39が小さくなるのを防ぐことができる。
図2に示されるように、本実施形態では、第1調湿ユニット1Aの第1部分8Aの筐体30と、第2調湿ユニット1Bの第1部分8Aの筐体30とが分解可能に形成されているが、一体に形成されてもよい。
第2部分8Bは、第1部分8Aの上部に分解可能に固定されている。これにより、第2部分8Bは、調湿チャンバー部6よりも上部に位置している。
本実施形態の第2部分8Bは、第1調湿ユニット1Aの第1部分8A、及び、第2調湿ユニット1Bの第1部分8Aに跨って配置されている。これにより、第2部分8Bは、一対の調湿ユニット1(即ち、第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1B)において、一つのみが設けられている。なお、第2部分8Bは、第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bのそれぞれに、分解可能に形成されてもよい。
第2部分8Bは、その内部に空間39を区画する筐体40を含んで構成されている。筐体40は、第1部分8Aの第2出口33(本実施形態では、図2に示した第1調湿ユニット1Aの第2出口33及び第2調湿ユニット1Bの第2出口33の双方)側で開口する開口部41を有している。この開口部41は、空間39に連通している。また、筐体40は、第1部分8Aの筐体30と同様に、断面矩形の箱状に形成されている。さらに、筐体40は、第1部分8Aの筐体30と同様に、断熱材40Aを用いて形成されている。
第2部分8Bの開口部41は、第1部分8A(本実施形態では、図2に示した第1調湿ユニット1Aの第1部分8A及び第2調湿ユニット1Bの第1部分8Aの双方)の上面に隙間なく連結される。第1部分8Aと第2部分8Bとの連結手段は、入力チャンバー部7と調湿チャンバー部6との連結手段と同様のもの採用することができる。これにより、第1部分8Aと第2部分8Bとを取外し可能に連結することができる。本実施形態の調湿ユニット1は、第1部分8Aと第2部分8Bとを分解可能に固定することができる。
第2部分8Bには、調湿された空気B(図5に示す)を取り出すためのファン43が設けられている。本実施形態のファン43は、筐体40の調湿チャンバー部6側の側面部に設けられた第3出口45に配されており、第2部分8Bから側方に突出して設けられている。ファン43には、取り出された空気Bを排出するためのダクト46が設けられている。このようなファン43は、第2出口33(図2に示した第1調湿ユニット1Aの第2出口33、及び、第2調湿ユニット1Bの第2出口33の少なくとも一方)が開いている状態で起動されることにより、調湿ユニット1の内部を負圧にすることができる。これにより、ファン43は、調湿された空気B(図5に示す)を、第1部分8A及び第2部分8Bを介して取り出すことができる。
ファン43の重量の一部は、調湿チャンバー部6の上面で支持されている。これにより、第2部分8Bは、ファン43を片持ちで支える必要がないため、第2部分8Bの構造を簡素化できる。従って、調湿ユニット1のコストを低減しうる。本実施形態では、調湿チャンバー部6の上面に、ファン43が固定されることなく載置されている。これにより、調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6、第1部分8A、及び、第2部分8Bを容易に取り外すことができる。
本実施形態の調湿ユニット1(各第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1B)の作用について説明する。
調湿ユニット1は、図3に示されるように、第1電動ダンパー28が開かれ、かつ、第2電動ダンパー38が閉じられた状態で、例えば、空調機61等によって、入力チャンバー部7の第2入口24に調湿用の空気Aが供給されると、調湿ユニット1内が正圧となる。これにより、調湿ユニット1は、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第2差圧ダンパー37を開くことができ、調湿用の空気Aを、入力チャンバー部7の第2入口24から調湿チャンバー部6を経て、第1部分8Aの第1出口34に通過させることができる。
調湿用の空気Aとして、例えば、相対湿度(即ち、相対蒸気圧)の低い空気(例えば、冬期では、暖房空調された空気)A1が供給された場合、調湿ユニット1は、調湿材12から空気中に水蒸気を放出させることができる(放湿モード)。これにより、調湿ユニット1は、相対湿度が高められた高湿空気B1を得ることができる。また、調湿された空気B(高湿空気B1)は、第1出口34から外部に取り出される。
図5は、吸湿モードの調湿ユニット1の一例を示す断面図である。調湿ユニット1は、第1電動ダンパー28が閉じられ、かつ、第2電動ダンパー38が開かれた状態で、ファン43が運転されると、調湿ユニット1内が負圧となる。これにより、調湿ユニット1は、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第1差圧ダンパー27を開くことができ、調湿用の空気Aを、入力チャンバー部7の第1入口23から調湿チャンバー部6を経て、第1部分8Aの第2出口33に通過させることができる。
調湿用の空気Aとして、例えば、相対湿度(即ち、相対蒸気圧)の高い空気(例えば、冬期では、低温の外気や小屋裏9の空気)A2が供給された場合、調湿ユニット1は、空気中の水蒸気を調湿材12に吸着させることができる(吸湿モード)。これにより、調湿材12は、水蒸気を吸着した吸湿状態に調整される。また、水蒸気が吸着された相対湿度の低い低湿空気B2は、第2部分8Bの第3出口45を経て、ファン43のダクト57から外部に取り出される。
このように、調湿ユニット1は、調湿された空気B(高湿空気B1又は低湿空気B2)を生成することができる。
図3に示されるように、本実施形態の入力チャンバー部7は、第1入口23及び第2入口24と、調湿材12の第1開口14a側の端部12aとの間に、空間19を形成することができる。これにより、調湿ユニット1は、第1入口23及び第2入口24から供給される調湿用の空気Aを、調湿材12の隙間15に満遍なく供給することができる。さらに、本実施形態の出力チャンバー部8は、第1出口34及び第2出口33と、調湿材12の第2開口14b側の端部12bとの間に、空間29を形成することができる。これにより、出力チャンバー部8は、調湿された空気Bを、調湿材12の隙間15から満遍なく受け取ることができる。従って、調湿ユニット1は、調湿された空気Bを、効率よく生成することができる。
図2に示されるように、調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6に対して、入力チャンバー部7及び出力チャンバー部8の少なくとも一方(本実施形態では、入力チャンバー部7及び出力チャンバー部8の双方)が取外し可能に連結されている。これにより、調湿ユニット1は、小さな部材に分割して施工現場等に搬入できるため、可搬性及び施工性を向上しうる。
調湿ユニット1は、入力チャンバー部7及び出力チャンバー部8が、調湿チャンバー部6から取り外されることで、第1開口14a及び第2開口14bを露出させることができる。これにより、調湿チャンバー部6の第1開口14a又は第2開口14bを通して、調湿材12を点検等することができる。従って、調湿ユニット1は、メンテナンス性に優れる。
さらに、本実施形態では、出力チャンバー部8の第1部分8Aと第2部分8Bとが分解されることで、第2出口33及び第2電動ダンパーを露出させることができる。これにより、第2出口33及び第2電動ダンパーの点検等を容易にすることができる。
次に、図1に示されるように、一対の調湿ユニット(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)を用いた建物2の居室3を調湿するための調湿システムについて説明する。本実施形態の調湿システムは、例えば、冬期において、居室3を換気しながら空調及び加湿している。
本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bにおいて、入力チャンバー部7の第1入口23(第1差圧ダンパー27)には、高湿空気供給手段53が接続されている。高湿空気供給手段53は、相対湿度の高い空気A2(図5に示す)を、第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給するためのものである。
本実施形態の高湿空気供給手段53は、例えば、筒状に形成されたダクトによって形成されている。本実施形態の高湿空気供給手段53の一端側は、屋外So又は小屋裏9に接続されている。また、高湿空気供給手段53の他端側は、第1調湿ユニット1Aの第1入口23及び第2調湿ユニット1Bの第1入口23に分岐して接続されている。
このような高湿空気供給手段53は、冬期において、居室3内の空気よりも温度が低く、かつ、相対湿度が高い空気(外気又は小屋裏9の空気)A2を、図2に示した第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給することができる。高湿空気供給手段53を構成するダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
本実施形態の調湿ユニット1のファン43のダクト57は、小屋裏9(又は、屋外So)に配置されている。これにより、ファン43は、調湿チャンバー部6の調湿材12で調湿された空気B(本実施形態では、図5に示した低湿空気B2)を、小屋裏9(又は、屋外So)に排出することができる。
本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bにおいて、入力チャンバー部7の第2入口24(第1電動ダンパー28)には、低湿空気供給手段60(図1に示す)が接続されている。低湿空気供給手段60は、相対湿度の低い空気A1(図3に示す)を、図2に示した第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給するためのものである。本実施形態の低湿空気供給手段60は、空調機61、及び、空調機61と調湿ユニット1との間を延びる第1流路62とを含んで構成されている。
空調機61は、ヒートポンプ式の空気調和機である場合が例示される。空調機61は、建物2の内部に設置された室内機61aと、建物2の外部に設置された室外機(図示省略)とをセットとして含んでいる。室内機61aは、熱源チャンバー63内に格納されている。空調機61は、冬期において、室内機61aで空調(加熱)された相対湿度の低い空気A1を吹き出すことができる。
熱源チャンバー63は、内部に断熱された空間を区画するケーシング63cを具えている。熱源チャンバー63には、室内空気C1及び新鮮な外気C2が供給され、室内空気C1と新鮮な外気C2との混合気を、室内機61aの空気吸込口(図示省略)に案内している。そして、熱源チャンバー63は、室内機61aが混合気を加熱した相対湿度の低い空気A1を、第1流路62を介して、調湿ユニット1(第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1B)に供給している。
第1流路62は、筒状に形成されたダクトとして構成されている。なお、第1流路62は、例えば、間仕切り壁などの仕切り等(図示省略)で囲まれた空間で形成されてもよい。第1流路62の一端側は、熱源チャンバー63に接続されている。第1流路62の他端側は、第1調湿ユニット1Aの第2入口24及び第2調湿ユニット1Bの第2入口24に分岐して接続されている。
このような低湿空気供給手段60は、冬期において、空調機61で空調された相対湿度の低い空気A1を、図2に示した第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給することができる。第1流路62を構成するダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bにおいて、出力チャンバー部8(第1部分8A)の第1出口34には、調湿チャンバー部6の調湿材12で調湿された空気Bを、居室3に供給するための第2流路68が接続されている。第2流路68は、第1流路62と同様に、筒状に形成されたダクトとして構成されている。なお、第2流路68は、例えば、間仕切り壁などの仕切り等(図示省略)で囲まれた空間で形成されてもよい。
第2流路68の一端側は、第1調湿ユニット1Aの第1出口34及び第2調湿ユニット1Bの第1出口34に接続されている。第2流路68の他端側は、居室3、3に分岐して接続されている。このような第2流路68は、調湿チャンバー部6の調湿材12で調湿された空気B(本実施形態では、図3に示した高湿空気B1)を、居室3に供給することができる。第2流路68を構成するダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
次に、建物2に設けられた一対の調湿ユニット(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)の作用について説明する。図6(a)は、第1調湿ユニット1Aの調湿モード、及び、第2調湿ユニット1Bの吸湿モードを説明する図である。
第1調湿ユニット1Aは、第1電動ダンパー28が開かれ、かつ、第2電動ダンパー38が閉じられる。一方、第2調湿ユニット1Bは、第1電動ダンパー28が閉じられ、かつ、第2電動ダンパー38が開かれる。第2部分8Bのファン43及び空調機61(図1に示す)は、継続して運転されている。
第1調湿ユニット1Aは、空調機61(図1に示す)で空調された相対湿度の低い空気A1を、第2入口24を介して、調湿材12(図3に示す)に供給することができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、調湿材12に吸着している水蒸気を放出させることができる(調湿モード)。また、第1調湿ユニット1Aは、空調機61からの空気A1の供給によって正圧となるため、第1調湿ユニット1Aの内、外の圧力差によって、第2差圧ダンパー37を開くことができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、相対湿度が高められた高湿空気B1を生成して、第2流路68を介して、居室3(図1に示す)に供給される。これにより、本実施形態では、夏期に比べて居室3の相対湿度が著しく低くなる冬期において、居室3を暖房しつつ効果的に加湿することができる。また、居室3に供給された空気は、図1に示した熱源チャンバー63を介して、空調機61に供給されるため、暖房空調された室内空気C1を再利用することができる。
第2調湿ユニット1Bは、ファン43の運転によって負圧となるため、第2調湿ユニット1Bの内、外の圧力差によって、第1差圧ダンパー27を開くことができる。これにより、第2調湿ユニット1Bは、高湿空気供給手段53から供給される相対湿度の高い空気(本実施形態では、外気)A2を、第1入口23を介して、調湿材12(図5に示す)に供給することができる。これにより、第2調湿ユニット1Bは、調湿材12に水蒸気を吸着させることができる(吸湿モード)。また、水蒸気が吸着された相対湿度の低い低湿空気B2は、ファン43を介して、図1に示した小屋裏9(又は屋外So)に排出される。これにより、本実施形態の第2調湿ユニット1Bは、居室3(図1に示す)の湿度や温度を低下させることもない。
第1調湿ユニット1Aの調湿材12(図3に示す)の水蒸気が完全に放出される頃に、第1調湿ユニット1Aが吸湿モードに切り替えられ、かつ、第2調湿ユニット1Bが調湿モードに切り替えられる。図6(b)は、第1調湿ユニット1Aの吸湿モード、及び、第2調湿ユニット1Bの調湿モードを説明する図である。
第1調湿ユニット1Aは、第1電動ダンパー28が閉じられ、かつ、第2電動ダンパー38が開かれる。一方、第2調湿ユニット1Bは、第1電動ダンパー28が開かれ、かつ、第2電動ダンパー38が閉じられる。第2部分8Bのファン43及び空調機61(図1に示す)は、継続して運転されている。
第1調湿ユニット1Aは、ファン43の運転によって負圧となるため、第1調湿ユニット1Aの内、外の圧力差によって、第1差圧ダンパー27を開くことができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、高湿空気供給手段53から供給される相対湿度の高い空気(本実施形態では、外気)A2を、第1入口23を介して、調湿材12(図5に示す)に供給することができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、図6(a)の調湿モードで水蒸気が放出された調湿材12に、水蒸気を吸着させることができる(吸湿モード)。また、水蒸気が吸着された相対湿度の低い低湿空気B2は、ファン43を介して、図1に示した小屋裏9(又は屋外So)に排出される。
第2調湿ユニット1Bは、空調機61(図1に示す)で空調された相対湿度の低い空気A1を、第2入口24を介して、調湿材12(図3に示す)に供給することができる。これにより、第2調湿ユニット1Bは、図6(a)で吸着した調湿材12の水蒸気を放出させることができる(調湿モード)。また、第2調湿ユニット1Bは、空調機61からの空気A1の供給によって正圧となるため、第1調湿ユニット1Aの内、外の圧力差によって、第2差圧ダンパー37を開くことができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、相対湿度が高められた高湿空気B1を生成して、第2流路68を介して、居室3(図1に示す)に供給される。これにより、本実施形態では、居室3(図1に示す)を暖房しつつ効果的に加湿することができる。
本実施形態の調湿システムは、第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bを、常に、異なるモード(吸湿モード又は調湿モード)で運転させている。従って、本実施形態では、第1調湿ユニット1A又は第2調湿ユニット1Bのそれぞれにおいて、放湿モードと吸湿モードとが交互に切り替えられることで、空調及び加湿された空気A1を、居室3に連続的に、かつ、効率よく供給することができる。これにより、本実施形態の調湿システムによれば、冬期において、安定的に居室3を加湿することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 調湿ユニット
6 調湿チャンバー部
7 入力チャンバー部
8 出力チャンバー部
12 調湿材
14a 第1開口
14b 第2開口

Claims (5)

  1. 調湿ユニットであって、
    第1調湿ユニット及び第2調湿ユニットを含み、
    前記第1調湿ユニット及び前記第2調湿ユニットは、
    第1開口から第2開口に延びる空気通路を有し、かつ、前記空気通路内に水蒸気の吸放湿性能を有する調湿材が収容された調湿チャンバー部と、
    前記調湿チャンバー部の前記第1開口側に配されかつ調湿用の空気を前記第1開口へ供給するための入力チャンバー部と、
    前記調湿チャンバー部の前記第2開口側に配されかつ調湿された空気を前記第2開口から受け取るための出力チャンバー部とをそれぞれ含み、
    前記調湿チャンバー部に対して、前記入力チャンバー部及び前記出力チャンバー部の少なくとも一方が取外し可能に連結されており、
    前記調湿材は、シート状に形成された調湿面材が、複数の隙間を形成しながら、オニ段状又はハニカム状に積層されることで形成され、
    前記出力チャンバー部は、前記第2開口に対向する第1部分と、前記第1部分の上部に分解可能に固定されることにより前記調湿チャンバー部よりも上部に位置する第2部分とを含み、
    前記第2部分に、前記調湿された空気を取り出すためのファンが設けられており、
    前記第2部分が、前記第1調湿ユニットの前記第1部分、及び、前記第2調湿ユニットの前記第1部分に跨って配置されることにより、前記第1調湿ユニット及び前記第2調湿ユニットにおいて、前記第2部分及び前記ファンが一つのみ設けられる、
    調湿ユニット。
  2. 前記調湿チャンバー部は、断熱材を用いて形成された筐体を有する、
    請求項1記載の調湿ユニット。
  3. 前記入力チャンバー部は、前記調湿用の空気が供給される第1入口を含み、
    前記第1入口には、前記調湿ユニットの内、外の圧力差によって、前記第1入口を開閉する第1差圧ダンパーが設けられている、
    請求項1又は2に記載の調湿ユニット。
  4. 前記出力チャンバー部は、前記調湿された空気が供給される第1出口を含み、
    前記第1出口には、前記調湿ユニットの内、外の圧力差によって、前記第1出口を開閉する第2差圧ダンパーが設けられている、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の調湿ユニット。
  5. 前記ファンは、前記第2部分から側方に突出して設けられ、その重量の一部は前記調湿チャンバー部の上面で支持される、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の調湿ユニット。
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