以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。なお、各図面は、発明の内容の理解を高めるためのものであり、誇張された表示が含まれる他、各図面間において、縮尺等は厳密に一致していない点が予め指摘される。
本実施形態の調湿ユニットは、調湿された空気を生成するためのものである。調湿された空気は、例えば、建物(住宅)の居室空間等に供給される。なお、調湿された空気の供給先は、特に限定されない。図1は、本発明の調湿ユニット1を利用した建物(住宅)2の一例を概念的に示す側面図である。
本実施形態では、一対の調湿ユニット1(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)が利用される態様が例示されるが、一つの調湿ユニット1のみが利用されてもよい。本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bは、実質的に同一仕様を有している。本実施形態において、実質的に同一仕様とは、形状、容積及び調湿能力が同一であることを示している。第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bは、並列的に用いられている。
図2は、調湿ユニット1の一例を示す斜視図である。図3は、調湿ユニット1の断面図である。本実施形態の調湿ユニット1(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)は、調湿チャンバー部6、入力チャンバー部7、及び、出力チャンバー部8を含んで構成されている。
本実施形態の調湿チャンバー部6は、空気通路11と、空気通路11内に収容される調湿材12とを含んで構成されている。
本実施形態の空気通路11は、筐体13によって区分されている。本実施形態の筐体13は、断面矩形の箱状に形成されている。筐体13の一方側には、第1開口14aが設けられている。筐体13の他方側には、第2開口14bが設けられている。これにより、筐体13の内部には、第1開口14aから第2開口14bに延びる空気通路11が形成される。
本実施形態の筐体13は、断熱材13Aを用いて形成されている。これにより、空気通路11は、外部と断熱され、空気通路11内の空気の温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を最小限に抑えることができる。これは、調湿材12に安定した吸湿機能又は放湿機能を発揮させるのに有効である。
本実施形態の断熱材13Aは、板状に形成されている。断熱材13Aの一例としては、スチレンボード、ロックウールボード、又は、グラスウールボード等である。本実施形態では、耐火性に優れるロックウールボード、又は、グラスウールボードが採用されている。断熱材13Aの外側には、例えば、化粧材(図示省略)等が配置されてもよい。
本実施形態の空気通路11は、第1開口14aと第2開口14bとの間を水平方向に延びている。また、空気通路11は、断面矩形状に形成されている。なお、空気通路11は、このような態様に限定されない。
調湿材12は、水蒸気の吸放湿性能を有するものである。調湿材12は、空気通路11と略同一(即ち、空気通路11と同一、又は、やや小さい)の大きさを有しており、断面略矩形状に形成されている。本実施形態の調湿材12は、第1開口14aから第2開口14bまで連続して配置されている態様が示されているが、第1開口14aから第2開口14bまでの一部に配置されてもよい。
図4は、調湿材12の一例を示す正面図である。本実施形態の調湿材12は、シート状に形成された調湿面材12Aが、複数の隙間15を形成しながら積層されることによって、上記形状に形成されている。図3に示されるように、各隙間15は、調湿材12が空気通路11に収容された状態において、第1開口14aから第2開口14bに連続して延びている。これにより、調湿材12は、第1開口14aと第2開口14bとの間で、空気を通過させることができる。
図4に示されるように、調湿面材12Aは、例えば、オニ段状、又は、ハニカム状(図示省略)に積層されるのが望ましい。これにより、調湿材12は、例えば、調湿面材12Aが碁盤目状に積層される場合に比べて、湿気交換面積、及び、その強度を大きくすることができる。また、調湿材12の圧力損失を低減しつつ、湿気交換面積を確保するために、隣接する調湿面材12A、12A間の断高さH1は、5〜15mmが望ましい。調湿面材12Aとしては、適宜採用することができる。本実施形態の調湿面材12Aは、例えば、パルプ繊維が採用されている。
調湿材12には、例えば、調湿面材12Aとは水蒸気の吸着性能が異なる吸着材(図示省略)が担持されていてもよい。これにより、調湿材12は、広い範囲の相対蒸気圧において、水蒸気を吸着又は放出することができる。この吸着材としては、適宜採用することができる。本実施形態の吸着材は、A形シリカゲルが採用されている。
図2に示されるように、本実施形態では、第1調湿ユニット1Aの調湿チャンバー部6の筐体13と、第2調湿ユニット1Bの調湿チャンバー部6の筐体13とが分解可能に形成されているが、一体に形成されてもよい。
入力チャンバー部7は、調湿用の空気A(図3に示す)を第1開口14aへ供給するためのものである。入力チャンバー部7は、調湿チャンバー部6の第1開口14a側に配されている。図3に示されるように、本実施形態の入力チャンバー部7は、その内部に空間19を区画する筐体20を含んで構成されている。筐体20は、調湿チャンバー部6の第1開口14a側で開口する開口部21を有している。この開口部21は、空間19と連通している。
本実施形態の筐体20は、調湿チャンバー部6の筐体13と同様に、断面矩形の箱状に形成されている。また、筐体20は、調湿チャンバー部6の筐体13と同様に、断熱材20Aを用いて形成されている。これにより、入力チャンバー部7は、調湿用の空気Aの温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を最小限に抑えることができる。また、断熱材20Aの外側には、例えば、化粧材(図示省略)等が配置されてもよい。
入力チャンバー部7の開口部21は、調湿チャンバー部6の第1開口14aに隙間なく連結されている。入力チャンバー部7と調湿チャンバー部6との連結手段(図示省略)としては、取外し可能なものであれば、特に限定されない。連結手段の一例としては、気密性の高いテープ材(図示省略)や、ワンタッチで取り付け及び取外しが可能なコネクタ手段(図示省略)等が含まれる。これにより、本実施形態の調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6に対して、入力チャンバー部7を取外し可能に連結することができる。
入力チャンバー部7は、調湿用の空気A(図5に示す)が供給される第1入口23を含んでいる。本実施形態の第1入口23は、筐体20の上面部に設けられた貫通孔として形成されている。さらに、本実施形態の入力チャンバー部7は、調湿用の空気A(図3に示す)が供給される第2入口24を含んでいる。本実施形態の第2入口24は、筐体20において、第1開口14a側とは逆向きの側面部に設けられた貫通孔として形成されている。これらの第1入口23及び第2入口24は、入力チャンバー部7に独立して設けられているため、例えば、湿度が異なる調湿用の空気Aを、入力チャンバー部7に供給することができる。
第1入口23には、第1差圧ダンパー(チャッキダンパー)27が設けられている。このような第1差圧ダンパー27は、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第1入口23を開閉することができ、動力源を必要としない。従って、第1差圧ダンパー27は、調湿ユニット1の製造コスト、及び、ランニングコストを抑制することができる。本実施形態の第1差圧ダンパー27は、調湿ユニット1内が負圧になったとき(即ち、第1入口23から調湿ユニット1内に向かう気流が発生した場合)のみ開くように設定されている。
本実施形態の第1差圧ダンパー27は、入力チャンバー部7から突出するダクト内に設けられている。これにより、第1差圧ダンパー27は、入力チャンバー部7の空間19の外側に設けられるため、空間19が小さくなるのを防ぐことができる。第1差圧ダンパー27が設けられるダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。これにより、第1入口23に供給される調湿用の空気Aの温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を、最小限に抑えることができる
第2入口24には、電動モータ28aによって駆動する第1電動ダンパー28が設けられている。第1電動ダンパー28の開閉は、例えば、予め記憶されているプログラムを実行することができる制御手段10(図1に示す)によって行われる。このような第1電動ダンパー28は、調湿ユニット1の内、外の圧力差に影響されることなく、第2入口24を開閉することができる。本実施形態の第1電動ダンパー28は、入力チャンバー部7の側面部から側方に突出するダクト内に設けられている。これにより、第1電動ダンパー28は、入力チャンバー部7の空間19の外側に設けられるため、空間19が小さくなるのを防ぐことができる。第1電動ダンパー28が設けられるダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
図2に示されるように、本実施形態では、第1調湿ユニット1Aの入力チャンバー部7の筐体20と、第2調湿ユニット1Bの入力チャンバー部7の筐体20とが分解可能に形成されているが、一体に形成されてもよい。
図3に示されるように、出力チャンバー部8は、調湿チャンバー部6で調湿された空気Bを、第2開口14bから受け取るためのものである。本実施形態の出力チャンバー部8は、調湿チャンバー部6の第2開口14b側に配されている。本実施形態の出力チャンバー部8は、第1部分8Aと、第2部分8Bとを含んで構成されている。
第1部分8Aは、調湿チャンバー部6の第2開口14bに対向して設けられている。第1部分8Aは、その内部に空間29を区画する筐体30を含んで構成されている。筐体30は、調湿チャンバー部6の第2開口14b側で開口する開口部31を有している。この開口部31は、空間29に連通している。
本実施形態の筐体30は、調湿チャンバー部6の筐体13と同様に、断面矩形の箱状に形成されている。さらに、筐体30は、断熱材30Aを用いて形成されている。これにより、第1部分8Aは、調湿された空気Bの温度(ひいては、相対湿度(相対蒸気圧))の変動を最小限に抑えることができる。
第1部分8Aの開口部31は、調湿チャンバー部6の第2開口14bに隙間なく連結される。第1部分8Aと調湿チャンバー部6との連結手段は、入力チャンバー部7と調湿チャンバー部6との連結手段と同様のもの採用することができる。これにより、本実施形態の調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6に対して、第1部分8A(即ち、出力チャンバー部8)を取外し可能に連結することができる。
本実施形態の第1部分8Aは、調湿された空気Bが供給される第1出口34を含んでいる。本実施形態の第1出口34は、筐体30において、第2開口14b側とは逆向きの側面部に設けられた貫通孔として形成されている。さらに、第1部分8Aは、調湿された空気B(図5に示す)が供給される第2出口33を含んでいる。本実施形態の第2出口33は、筐体30の上面部に設けられた貫通孔として形成されている。これらの第1出口34及び第2出口33は、第1部分8Aに独立して設けられているため、例えば、建物2の異なる領域に、調湿された空気Bを供給することができる。
第1出口34には、第2差圧ダンパー(チャッキダンパー)37が設けられている。このような第2差圧ダンパー37は、第1差圧ダンパー27と同様に、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第2入口24を開閉することができるため、調湿ユニット1の製造コストを抑制することができる。本実施形態の第2差圧ダンパー37は、調湿ユニット1内が正圧になったとき(即ち、調湿ユニット1内から第1出口34に向かう気流が発生した場合)のみ開くように設定されている。また、本実施形態の第2差圧ダンパー37は、第1部分8Aの側面部から側方に突出するダクト内に設けられている。これにより、第2差圧ダンパー37は、第1部分8Aの空間29が小さくなるのを防ぐことができる。第2差圧ダンパー37が設けられるダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
第2出口33には、電動モータ38aによって駆動する第2電動ダンパー38が設けられている。第2電動ダンパー38の開閉は、例えば、第1電動ダンパー28と同様に、制御手段10(図1に示す)によって行われる。このような第2電動ダンパー38は、調湿ユニット1の内、外の圧力差に影響されることなく、第2出口33を開閉することができる。また、本実施形態の第2電動ダンパー38は、第1部分8Aの空間29内に配置されるため、第2部分8Bの空間39が小さくなるのを防ぐことができる。
図2に示されるように、本実施形態では、第1調湿ユニット1Aの第1部分8Aの筐体30と、第2調湿ユニット1Bの第1部分8Aの筐体30とが分解可能に形成されているが、一体に形成されてもよい。
第2部分8Bは、第1部分8Aの上部に分解可能に固定されている。これにより、第2部分8Bは、調湿チャンバー部6よりも上部に位置している。
本実施形態の第2部分8Bは、第1調湿ユニット1Aの第1部分8A、及び、第2調湿ユニット1Bの第1部分8Aに跨って配置されている。これにより、第2部分8Bは、一対の調湿ユニット1(即ち、第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1B)において、一つのみが設けられている。なお、第2部分8Bは、第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bのそれぞれに、分解可能に形成されてもよい。
第2部分8Bは、その内部に空間39を区画する筐体40を含んで構成されている。筐体40は、第1部分8Aの第2出口33(本実施形態では、図2に示した第1調湿ユニット1Aの第2出口33及び第2調湿ユニット1Bの第2出口33の双方)側で開口する開口部41を有している。この開口部41は、空間39に連通している。また、筐体40は、第1部分8Aの筐体30と同様に、断面矩形の箱状に形成されている。さらに、筐体40は、第1部分8Aの筐体30と同様に、断熱材40Aを用いて形成されている。
第2部分8Bの開口部41は、第1部分8A(本実施形態では、図2に示した第1調湿ユニット1Aの第1部分8A及び第2調湿ユニット1Bの第1部分8Aの双方)の上面に隙間なく連結される。第1部分8Aと第2部分8Bとの連結手段は、入力チャンバー部7と調湿チャンバー部6との連結手段と同様のもの採用することができる。これにより、第1部分8Aと第2部分8Bとを取外し可能に連結することができる。本実施形態の調湿ユニット1は、第1部分8Aと第2部分8Bとを分解可能に固定することができる。
第2部分8Bには、調湿された空気B(図5に示す)を取り出すためのファン43が設けられている。本実施形態のファン43は、筐体40の調湿チャンバー部6側の側面部に設けられた第3出口45に配されており、第2部分8Bから側方に突出して設けられている。ファン43には、取り出された空気Bを排出するためのダクト46が設けられている。このようなファン43は、第2出口33(図2に示した第1調湿ユニット1Aの第2出口33、及び、第2調湿ユニット1Bの第2出口33の少なくとも一方)が開いている状態で起動されることにより、調湿ユニット1の内部を負圧にすることができる。これにより、ファン43は、調湿された空気B(図5に示す)を、第1部分8A及び第2部分8Bを介して取り出すことができる。
ファン43の重量の一部は、調湿チャンバー部6の上面で支持されている。これにより、第2部分8Bは、ファン43を片持ちで支える必要がないため、第2部分8Bの構造を簡素化できる。従って、調湿ユニット1のコストを低減しうる。本実施形態では、調湿チャンバー部6の上面に、ファン43が固定されることなく載置されている。これにより、調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6、第1部分8A、及び、第2部分8Bを容易に取り外すことができる。
本実施形態の調湿ユニット1(各第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1B)の作用について説明する。
調湿ユニット1は、図3に示されるように、第1電動ダンパー28が開かれ、かつ、第2電動ダンパー38が閉じられた状態で、例えば、空調機61等によって、入力チャンバー部7の第2入口24に調湿用の空気Aが供給されると、調湿ユニット1内が正圧となる。これにより、調湿ユニット1は、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第2差圧ダンパー37を開くことができ、調湿用の空気Aを、入力チャンバー部7の第2入口24から調湿チャンバー部6を経て、第1部分8Aの第1出口34に通過させることができる。
調湿用の空気Aとして、例えば、相対湿度(即ち、相対蒸気圧)の低い空気(例えば、冬期では、暖房空調された空気)A1が供給された場合、調湿ユニット1は、調湿材12から空気中に水蒸気を放出させることができる(放湿モード)。これにより、調湿ユニット1は、相対湿度が高められた高湿空気B1を得ることができる。また、調湿された空気B(高湿空気B1)は、第1出口34から外部に取り出される。
図5は、吸湿モードの調湿ユニット1の一例を示す断面図である。調湿ユニット1は、第1電動ダンパー28が閉じられ、かつ、第2電動ダンパー38が開かれた状態で、ファン43が運転されると、調湿ユニット1内が負圧となる。これにより、調湿ユニット1は、調湿ユニット1の内、外の圧力差によって、第1差圧ダンパー27を開くことができ、調湿用の空気Aを、入力チャンバー部7の第1入口23から調湿チャンバー部6を経て、第1部分8Aの第2出口33に通過させることができる。
調湿用の空気Aとして、例えば、相対湿度(即ち、相対蒸気圧)の高い空気(例えば、冬期では、低温の外気や小屋裏9の空気)A2が供給された場合、調湿ユニット1は、空気中の水蒸気を調湿材12に吸着させることができる(吸湿モード)。これにより、調湿材12は、水蒸気を吸着した吸湿状態に調整される。また、水蒸気が吸着された相対湿度の低い低湿空気B2は、第2部分8Bの第3出口45を経て、ファン43のダクト57から外部に取り出される。
このように、調湿ユニット1は、調湿された空気B(高湿空気B1又は低湿空気B2)を生成することができる。
図3に示されるように、本実施形態の入力チャンバー部7は、第1入口23及び第2入口24と、調湿材12の第1開口14a側の端部12aとの間に、空間19を形成することができる。これにより、調湿ユニット1は、第1入口23及び第2入口24から供給される調湿用の空気Aを、調湿材12の隙間15に満遍なく供給することができる。さらに、本実施形態の出力チャンバー部8は、第1出口34及び第2出口33と、調湿材12の第2開口14b側の端部12bとの間に、空間29を形成することができる。これにより、出力チャンバー部8は、調湿された空気Bを、調湿材12の隙間15から満遍なく受け取ることができる。従って、調湿ユニット1は、調湿された空気Bを、効率よく生成することができる。
図2に示されるように、調湿ユニット1は、調湿チャンバー部6に対して、入力チャンバー部7及び出力チャンバー部8の少なくとも一方(本実施形態では、入力チャンバー部7及び出力チャンバー部8の双方)が取外し可能に連結されている。これにより、調湿ユニット1は、小さな部材に分割して施工現場等に搬入できるため、可搬性及び施工性を向上しうる。
調湿ユニット1は、入力チャンバー部7及び出力チャンバー部8が、調湿チャンバー部6から取り外されることで、第1開口14a及び第2開口14bを露出させることができる。これにより、調湿チャンバー部6の第1開口14a又は第2開口14bを通して、調湿材12を点検等することができる。従って、調湿ユニット1は、メンテナンス性に優れる。
さらに、本実施形態では、出力チャンバー部8の第1部分8Aと第2部分8Bとが分解されることで、第2出口33及び第2電動ダンパーを露出させることができる。これにより、第2出口33及び第2電動ダンパーの点検等を容易にすることができる。
次に、図1に示されるように、一対の調湿ユニット(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)を用いた建物2の居室3を調湿するための調湿システムについて説明する。本実施形態の調湿システムは、例えば、冬期において、居室3を換気しながら空調及び加湿している。
本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bにおいて、入力チャンバー部7の第1入口23(第1差圧ダンパー27)には、高湿空気供給手段53が接続されている。高湿空気供給手段53は、相対湿度の高い空気A2(図5に示す)を、第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給するためのものである。
本実施形態の高湿空気供給手段53は、例えば、筒状に形成されたダクトによって形成されている。本実施形態の高湿空気供給手段53の一端側は、屋外So又は小屋裏9に接続されている。また、高湿空気供給手段53の他端側は、第1調湿ユニット1Aの第1入口23及び第2調湿ユニット1Bの第1入口23に分岐して接続されている。
このような高湿空気供給手段53は、冬期において、居室3内の空気よりも温度が低く、かつ、相対湿度が高い空気(外気又は小屋裏9の空気)A2を、図2に示した第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給することができる。高湿空気供給手段53を構成するダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
本実施形態の調湿ユニット1のファン43のダクト57は、小屋裏9(又は、屋外So)に配置されている。これにより、ファン43は、調湿チャンバー部6の調湿材12で調湿された空気B(本実施形態では、図5に示した低湿空気B2)を、小屋裏9(又は、屋外So)に排出することができる。
本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bにおいて、入力チャンバー部7の第2入口24(第1電動ダンパー28)には、低湿空気供給手段60(図1に示す)が接続されている。低湿空気供給手段60は、相対湿度の低い空気A1(図3に示す)を、図2に示した第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給するためのものである。本実施形態の低湿空気供給手段60は、空調機61、及び、空調機61と調湿ユニット1との間を延びる第1流路62とを含んで構成されている。
空調機61は、ヒートポンプ式の空気調和機である場合が例示される。空調機61は、建物2の内部に設置された室内機61aと、建物2の外部に設置された室外機(図示省略)とをセットとして含んでいる。室内機61aは、熱源チャンバー63内に格納されている。空調機61は、冬期において、室内機61aで空調(加熱)された相対湿度の低い空気A1を吹き出すことができる。
熱源チャンバー63は、内部に断熱された空間を区画するケーシング63cを具えている。熱源チャンバー63には、室内空気C1及び新鮮な外気C2が供給され、室内空気C1と新鮮な外気C2との混合気を、室内機61aの空気吸込口(図示省略)に案内している。そして、熱源チャンバー63は、室内機61aが混合気を加熱した相対湿度の低い空気A1を、第1流路62を介して、調湿ユニット1(第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1B)に供給している。
第1流路62は、筒状に形成されたダクトとして構成されている。なお、第1流路62は、例えば、間仕切り壁などの仕切り等(図示省略)で囲まれた空間で形成されてもよい。第1流路62の一端側は、熱源チャンバー63に接続されている。第1流路62の他端側は、第1調湿ユニット1Aの第2入口24及び第2調湿ユニット1Bの第2入口24に分岐して接続されている。
このような低湿空気供給手段60は、冬期において、空調機61で空調された相対湿度の低い空気A1を、図2に示した第1調湿ユニット1Aの調湿材12及び第2調湿ユニット1Bの調湿材12に供給することができる。第1流路62を構成するダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
本実施形態の第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bにおいて、出力チャンバー部8(第1部分8A)の第1出口34には、調湿チャンバー部6の調湿材12で調湿された空気Bを、居室3に供給するための第2流路68が接続されている。第2流路68は、第1流路62と同様に、筒状に形成されたダクトとして構成されている。なお、第2流路68は、例えば、間仕切り壁などの仕切り等(図示省略)で囲まれた空間で形成されてもよい。
第2流路68の一端側は、第1調湿ユニット1Aの第1出口34及び第2調湿ユニット1Bの第1出口34に接続されている。第2流路68の他端側は、居室3、3に分岐して接続されている。このような第2流路68は、調湿チャンバー部6の調湿材12で調湿された空気B(本実施形態では、図3に示した高湿空気B1)を、居室3に供給することができる。第2流路68を構成するダクトは、断熱材で覆われるのが望ましい。
次に、建物2に設けられた一対の調湿ユニット(第1調湿ユニット1A、及び、第2調湿ユニット1B)の作用について説明する。図6(a)は、第1調湿ユニット1Aの調湿モード、及び、第2調湿ユニット1Bの吸湿モードを説明する図である。
第1調湿ユニット1Aは、第1電動ダンパー28が開かれ、かつ、第2電動ダンパー38が閉じられる。一方、第2調湿ユニット1Bは、第1電動ダンパー28が閉じられ、かつ、第2電動ダンパー38が開かれる。第2部分8Bのファン43及び空調機61(図1に示す)は、継続して運転されている。
第1調湿ユニット1Aは、空調機61(図1に示す)で空調された相対湿度の低い空気A1を、第2入口24を介して、調湿材12(図3に示す)に供給することができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、調湿材12に吸着している水蒸気を放出させることができる(調湿モード)。また、第1調湿ユニット1Aは、空調機61からの空気A1の供給によって正圧となるため、第1調湿ユニット1Aの内、外の圧力差によって、第2差圧ダンパー37を開くことができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、相対湿度が高められた高湿空気B1を生成して、第2流路68を介して、居室3(図1に示す)に供給される。これにより、本実施形態では、夏期に比べて居室3の相対湿度が著しく低くなる冬期において、居室3を暖房しつつ効果的に加湿することができる。また、居室3に供給された空気は、図1に示した熱源チャンバー63を介して、空調機61に供給されるため、暖房空調された室内空気C1を再利用することができる。
第2調湿ユニット1Bは、ファン43の運転によって負圧となるため、第2調湿ユニット1Bの内、外の圧力差によって、第1差圧ダンパー27を開くことができる。これにより、第2調湿ユニット1Bは、高湿空気供給手段53から供給される相対湿度の高い空気(本実施形態では、外気)A2を、第1入口23を介して、調湿材12(図5に示す)に供給することができる。これにより、第2調湿ユニット1Bは、調湿材12に水蒸気を吸着させることができる(吸湿モード)。また、水蒸気が吸着された相対湿度の低い低湿空気B2は、ファン43を介して、図1に示した小屋裏9(又は屋外So)に排出される。これにより、本実施形態の第2調湿ユニット1Bは、居室3(図1に示す)の湿度や温度を低下させることもない。
第1調湿ユニット1Aの調湿材12(図3に示す)の水蒸気が完全に放出される頃に、第1調湿ユニット1Aが吸湿モードに切り替えられ、かつ、第2調湿ユニット1Bが調湿モードに切り替えられる。図6(b)は、第1調湿ユニット1Aの吸湿モード、及び、第2調湿ユニット1Bの調湿モードを説明する図である。
第1調湿ユニット1Aは、第1電動ダンパー28が閉じられ、かつ、第2電動ダンパー38が開かれる。一方、第2調湿ユニット1Bは、第1電動ダンパー28が開かれ、かつ、第2電動ダンパー38が閉じられる。第2部分8Bのファン43及び空調機61(図1に示す)は、継続して運転されている。
第1調湿ユニット1Aは、ファン43の運転によって負圧となるため、第1調湿ユニット1Aの内、外の圧力差によって、第1差圧ダンパー27を開くことができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、高湿空気供給手段53から供給される相対湿度の高い空気(本実施形態では、外気)A2を、第1入口23を介して、調湿材12(図5に示す)に供給することができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、図6(a)の調湿モードで水蒸気が放出された調湿材12に、水蒸気を吸着させることができる(吸湿モード)。また、水蒸気が吸着された相対湿度の低い低湿空気B2は、ファン43を介して、図1に示した小屋裏9(又は屋外So)に排出される。
第2調湿ユニット1Bは、空調機61(図1に示す)で空調された相対湿度の低い空気A1を、第2入口24を介して、調湿材12(図3に示す)に供給することができる。これにより、第2調湿ユニット1Bは、図6(a)で吸着した調湿材12の水蒸気を放出させることができる(調湿モード)。また、第2調湿ユニット1Bは、空調機61からの空気A1の供給によって正圧となるため、第1調湿ユニット1Aの内、外の圧力差によって、第2差圧ダンパー37を開くことができる。これにより、第1調湿ユニット1Aは、相対湿度が高められた高湿空気B1を生成して、第2流路68を介して、居室3(図1に示す)に供給される。これにより、本実施形態では、居室3(図1に示す)を暖房しつつ効果的に加湿することができる。
本実施形態の調湿システムは、第1調湿ユニット1A及び第2調湿ユニット1Bを、常に、異なるモード(吸湿モード又は調湿モード)で運転させている。従って、本実施形態では、第1調湿ユニット1A又は第2調湿ユニット1Bのそれぞれにおいて、放湿モードと吸湿モードとが交互に切り替えられることで、空調及び加湿された空気A1を、居室3に連続的に、かつ、効率よく供給することができる。これにより、本実施形態の調湿システムによれば、冬期において、安定的に居室3を加湿することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。