JP6857939B2 - 免疫学的測定方法および測定試薬 - Google Patents

免疫学的測定方法および測定試薬 Download PDF

Info

Publication number
JP6857939B2
JP6857939B2 JP2016205039A JP2016205039A JP6857939B2 JP 6857939 B2 JP6857939 B2 JP 6857939B2 JP 2016205039 A JP2016205039 A JP 2016205039A JP 2016205039 A JP2016205039 A JP 2016205039A JP 6857939 B2 JP6857939 B2 JP 6857939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reagent
immunological measurement
sulfite
immunological
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016205039A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018066636A (ja
Inventor
裕輔 村上
裕輔 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eiken Chemical Co Ltd
Original Assignee
Eiken Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eiken Chemical Co Ltd filed Critical Eiken Chemical Co Ltd
Priority to JP2016205039A priority Critical patent/JP6857939B2/ja
Publication of JP2018066636A publication Critical patent/JP2018066636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6857939B2 publication Critical patent/JP6857939B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

本発明は、被測定物質の免疫学的方法での測定において、異好性抗体やリウマトイド因子等の干渉物質(以下、干渉物質)による干渉作用を抑制し、抗原または抗体濃度を正確に測定することができる免疫学的測定方法、および免疫学的測定試薬に関するものである。
抗原と抗体との間の抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法は、生体中の蛋白質等の免疫学的活性物質を簡便、迅速に測定できることから、近年、各種疾患の診断に広く利用されている。このような免疫学的測定法としては、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、免疫比濁法(TIA)、ラテックス凝集法(LA)、イムノクロマトグラフィー法等の種々の方法が実用化されている。
しかしながら、免疫学測定法の測定対象となる検体の中には、抗原抗体反応に対して干渉する干渉物質等が含まれている場合がある。これら抗原抗体反応に干渉物質が含まれると、測定結果に影響するため正確な測定ができなくなり、特に臨床検査の分野では、正確な診断ができなくなるため、これまで、干渉物質の影響を軽減、あるいは抑制する方法が提案されている。
例えば、リウマトイド因子の混在による干渉作用の問題を解決するため、検体を予めヒトリウマトイド因子の結合部位に結合する動物由来抗体で前処理して、リウマトイド因子による干渉作用を低減させる免疫学的測定法(特許文献1)や、反応液のpHを4.0から6.0に保つことにより、リウマトイド因子の干渉作用を抑制する免疫学的測定法(特許文献2)等が提案されている。
また、干渉物質による干渉作用を軽減あるいは抑制するため、免疫学的測定に使用する抗体のFc部分を酵素反応で除去したF(ab’)を使用する方法が提案されている(特許文献3)。しかしながら、この免疫学的測定法では、抗原を測定する場合にしか利用できず、しかもF(ab’)作製のための酵素反応や精製等の煩雑な工程が必要であり、コストアップや製造ロット間差という問題があった。
さらに、重合化または凝集した抗体分子を利用する、異好性抗体による干渉作用を抑制する方法も提案されている(特許文献4)が、異好性抗体による干渉作用を完全に抑制するためには大量の重合化または凝集した抗体分子が必要であり、コストが高くなるという問題がある。
これらの文献に記載された、干渉物質による干渉作用を抑制する方法では、確かに干渉物質による影響は改善されるものの、測定すべき試料中に干渉物質が高濃度で含まれる場合には、その干渉作用を抑制する効果は不十分であった。
測定すべき試料中に干渉物質が高濃度で含まれる場合であっても、干渉物質による干渉作用を抑制することができる、亜硫酸塩を利用するする方法(特許文献5)が提案されている。亜硫酸塩は非常に安価であり、高濃度の干渉物質の影響を十分に抑制できるような濃度で使用してもコストを上げることがなく、また、抗原抗体反応に影響を与えにくいという利点がある。
特開平7−012818号公報 特開平8−146000号公報 特開昭54−119292号公報 特開平4−221762号公報 特開2001−074739号公報
しかしながら、亜硫酸塩は測定試薬中の溶存酸素または空気中の酸素により徐々に硫酸塩に酸化されるため、干渉物質による干渉作用の抑制効果が経時的に低下する。すなわち、自動分析装置等で使用するために、開封状態で試薬庫等に保存することにより経時的に亜硫酸塩濃度が減少し、干渉物質の影響を十分に抑制できなくなるという問題があった。また、干渉物質が高濃度の場合は、その干渉作用を十分に抑制できないこともあるという問題もあった。
従って本発明は、上記の現状に着目してなされたものであって、測定する試料中に干渉物質が高濃度に含まれる場合であっても、これらによる干渉作用を長期間にわたって抑制することができる安定性の高い疫学的測定方法およびこれを用いた測定試薬を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、亜硫酸塩を含む測定試薬のpHを7.0以下にすることにより、長期間にわたり高い干渉物質に対する抑制効果がえられることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成よりなる。
(1)免疫学的測定試薬を用いて、亜硫酸塩の存在下で、抗原抗体反応を行う免疫学的測定法において、亜硫酸を含有する免疫学的測定試薬のpHが7.0以下であることを特徴とする前記免疫学的測定方法。
(2)前記亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬のpHが5.6から7.0の範囲である(1)に記載の免疫学的測定方法。
(3)前記亜硫酸塩が50mM以上である(1)または(2)に記載の免疫学低測定方法。
(4)前記亜硫酸塩が50mMから600mMである(1)から(3)のいずれか1項に記載の免疫学的測定方法。
(5) 前記免疫学的測定試薬を含む第1試薬と、測定対象物と反応する抗体または抗原、もしくは測定対象物と反応する抗体または抗原を担持した担体を含む第2試薬とを混合する工程を含む、測定対象物を定量または定性測定する(1)から(4)のいずれか1項に記載の免疫学的測定方法。
(6)免疫学的測定方法が、ラテックス凝集法である(1)から(5)のいずれか1項に記載の免疫学的測定方法。
(7)亜硫酸塩の存在下で、抗原抗体反応を行う免疫学的測定試薬であって、亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬のpHが7.0以下であることを特徴とする前記免疫学的測定試薬。
(8)前記亜硫酸塩を含有する試薬のpHが5.6から7.0の範囲である(7)に記載の免疫学的測定試薬。
(9)前記亜硫酸塩が50mM以上である(7)または(8)記載の免疫学低測定試薬。
(10)前記亜硫酸塩が50mMから600mMである(7)から(9)のいずれか1項に記載の免疫学的測定試薬。
(11)免疫学的測定方法が、ラテックス凝集法である(7)から(10)のいずれか1項に記載の免疫学的測定試薬。
(12)(7)から(11)のいずれか1項に記載の免疫学的測定試薬と、測定対象物と反応する抗体または抗原、もしくは測定対象物と反応する抗体または抗原を担持した担体とを含む免疫学的測定試薬キット。
本発明は、亜硫酸塩を含む免疫学的測定試薬のpHを7.0以下にすることにより、測定対象である試料中に、抗原抗体反応に対する干渉物質が高濃度で含まれる場合においても、干渉物質の影響を受けることなく免疫学的測定を行うことができる、安定性にすぐれた免疫学的測定試薬を提供する。
そして、この免疫学的測定により得られる結果についても、信頼性の高いものとなることが期待される。
驚くべきことに、亜硫酸塩を含有する試薬のpHを、特許文献5実施例に記載されているpH7.4から、わずかに低下させるだけで、亜硫酸塩による干渉物質の抑制効果だけでなく、亜硫酸塩を含有する、免疫学的測定試薬や前処理試薬の安定性も向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の一実施形態は、亜硫酸塩の存在下で、免疫学的測定試薬を用いて抗原抗体反応を行う免疫学的測定法において、亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬のpHを7.0以下にした免疫学的測定方法である 。
本発明において、「免疫学的測定法」とは、測定対象である測定対象物と特異的に結合する物質(例えば、抗体または抗原)を用いて、測定対象物の存在の有無の判定(検出)や、測定対象物が存在する場合にはその存在量の測定(定量)を行う方法であり、例えば、サンドイッチ法、競合法の原理に基づくRIA法やELISA法、免疫凝集反応法に基づく免疫比濁法(TIA法)やラテックス凝集法(LIA法)等が挙げられる。
本発明の「免疫学的測定試薬」とは抗原抗体反応を行う免疫学的測定方法に用いる試薬であり、亜硫酸塩を含む。さらに、本発明の免疫学的測定方法は測定対象物質を含む測定試料の前処理試薬として用いることができる。
本発明の「前処理試薬」とは、免疫学的測定方法を用いて測定対象物質を含む測定試料を測定する前に、測定試料を処理するために用いる試薬であり、亜硫酸塩を含む。前処理試薬によって処理した測定試料は、そのまま公知の免疫学的測定方法の測定試料とすることができる。
本発明に使用する亜硫酸塩は公知のものから適宜選択することができる。亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム等が挙げられる。
本発明において、亜硫酸塩が免疫学的測定試薬または前処理試薬に含まれる場合、免疫学的測定試薬または前処理試薬中の亜硫酸塩濃度は、50mM以上、好ましくは50mMから600mM、より好ましくは100mMから600mM、さらに好ましくは250mMから500mMである。硫酸塩の濃度が50mM未満になると免疫反応に影響を与える干渉物質の影響を十分に抑制しにくく、600mMを超えても干渉物質の影響を効果的に抑制できなくなり、また、溶液の粘度上昇により測定に悪影響を与えうる。
本発明の亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬または前処理試薬のpHは、7.0以下が好ましく、pH5.6からpH7.0がより好ましい。pH5.6を下回ると蛋白質等の変性が起こりやすく正確な測定に影響を与えることとなり、pH7.0を超えると干渉物質の影響の抑制効果が経時的に低下しやすくなる。
本発明においては、必要に応じて公知の蛋白質保護剤を加えて測定対象物質の安定性を高めることができる。このような蛋白質保護剤としては、アルブミンやゼラチン等の蛋白質や合成ポリマー素材、界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬または前処理試薬によって干渉物質の影響を抑制した試料は、そのまま公知の免疫学的測定方法により測定することができる。免疫学的測定方法としては、例えば、サンドイッチ法、競合法の原理に基づくRIA法やELISA法、免疫凝集反応法に基づく免疫比濁法(TIA法)やラテックス凝集法(LIA法)等が挙げられる。
これらの免疫学的測定方法の中でも、特に測定試料中の被測定物質である抗原(または抗体)と測定試薬中の抗体(または抗原)とを反応させ、その結果生じる免疫凝集物を検出することを測定原理とする、免疫比濁法やラテックス凝集法が好ましい。
本発明の免疫学的測定試薬は、免疫比濁法やラテックス凝集法に用いることができ、緩衝液を含む第1試薬、および緩衝液に抗体または抗原、もしくは抗体または抗原を担持させた担体(好ましくはラテックス粒子)を含有させた第2試薬の2つの試薬から構成することができる。
免疫比濁法やラテックス凝集法による免疫学的測定試薬に用いることができる緩衝液としては、pHを一定に保てるものであれば特に限定されず、公知のものから適宜選択することができる。例えば、りん酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられる。
本発明の亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬を、前記2つの試薬から構成される免疫比濁法やラテックス凝集法等の免疫学的測定試薬の第1試薬とすることもできる。すなわち、本発明の干渉物質の影響の抑制方法を用いた第1試薬に、測定試料を混合した後に、この混合液に抗体(または抗原)、あるいは抗体(または抗原)を担持させたラテックス粒子等を含む第2試薬を混和して測定してもよい。
また、本発明の干渉物質の影響の抑制方法を用いた前処理試薬と測定試料を混合した後、この混合液を、ELISA法やラテックス凝集法等の免疫学的測定方法の測定試料として測定してもよい。
本発明においては、担体に担持させる抗体または抗原としては、特に限定されず、公知のものから適宜選択することができる。担体に担持させる抗体または抗原としては、例えば、C反応性蛋白(CRP)、トランスフェリン等の血漿蛋白質に対する抗体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、サイロキシン、インスリン、ヒト胎盤性ラクトーゲン等のホルモンに対する抗体、癌胎児性抗原(CEA)、β2−マイクログロブリン、α―フェトプロテイン(AFP)等の腫瘍関連物質に対する抗体、HBs抗原、HBe抗原等のウイルス性肝炎の抗原に対する抗体およびHBs抗体、HBe抗体等のウイルス性肝炎の抗体に対する抗原、ヘルペス、麻疹、風疹等のウイルス、各種生体成分に対する抗体または抗原、フェノバルビタール、アセトアミノフェン、サイクロスポリン等の各種薬剤に対する抗体等が挙げられる。
本発明において、抗体または抗原を担持させる担体としては、特に制限されず、公知のものから適宜選択することができる。抗体または抗原を担持させる担体としては、ポリスチレンプレート、ポリスチレンビーズ、ラテックス粒子、金属コロイド粒子、シリカコロイド粒子等が挙げられる。
本発明で使用できる上記抗体としては、由来する動物種は特に限定されず、例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ウマ、ヒツジ等の動物に由来する抗体が挙げられ、測定対象物を免疫した動物の血清から得られるポリクローナル、測定対象物を免疫した動物の脾臓をミエローマ細胞と細胞融合して得られるモノクローナル抗体のいずれを用いてもよい。
本発明において、測定試料は特に限定されず、例えば、血液、血清、血漿、尿、リンパ液、 刺液、髄液、汗、唾液、胃液、肺洗浄液、糞便等が挙げられる。これらのうち、血清、血漿が特に好ましい。
また、本発明において、測定対象物質についても特に限定されず、例えば、C反応性蛋白(CRP)、トランスフェリン等の血漿蛋白質、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、サイロキシン、インスリン、ヒト胎盤性ラクトーゲン等のホルモン、癌胎児性抗原(CEA)、β2−マイクログロブリン、α―フェトプロテイン(AFP)等の腫瘍関連物質、HBs抗原、HBe抗原等のウイルス性肝炎の抗原およびHBs抗体、HBe抗体等のウイルス性肝炎の抗体、ヘルペス、麻疹、風疹等のウイルス、各種生体成分に対する抗体または抗原、フェノバルビタール、アセトアミノフェン、サイクロスポリン等の各種薬剤等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 干渉反応抑制効果に対する亜硫酸塩濃度の影響
硫酸ナトリウム添加による干渉反応の抑制に対する亜硫酸塩濃度の影響を評価した。また、亜硫酸塩の酸化を促進する条件(試薬容器に半分充填し4℃で3週間振とう)で保存して安定性を評価した。
(1)試薬
第1試薬:150mM NaCl、0.1% NaN、0.1% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、0mM、50mM、100mM、250mM、350mM、500mMまたは600mMの亜硫酸ナトリウムを含む50mM HEPES緩衝液(pH7.4)を調製した。また、調製した第1試薬を試薬容器に半分充填し、4℃で3週間振とうして、亜硫酸塩の空気中の酸素による酸化を促進させた。
第2試薬:抗KL−6抗体担持ポリスチレンラテックス液、400mM アルギニン塩酸塩、0.1% NaNを含む50mM HEPES緩衝液(pH7.4)を調製した。
上記の抗KL−6担持ラテックス液は、公知の方法により調製した。すなわち、抗KL−6抗体とポリスチレンラテックスを混合して、ポリスチレンラテックス表面に抗KL−6抗体を担持することにより調製した。
(2)測定試料
プール血清に干渉チェックRFプラス(シスメックス株式会社)をリウマトイド因子濃度が、0、100、200、300、400、500、または1000IU/mLとなるように添加してRF試料を調製した。
(3)評価方法
前記RF試料2.0μLに第1試薬120μLを混合し37℃で5分間インキュベーションした後、この混合液に第2試薬を40μL混合し37℃で反応させ、第2試薬混合後約5分間の660nmの吸光度変化を測定した。なお、一連の測定は日立7180形自動分析装置(株式会社日立ハイテクノロジーズ)を用いて行った。
KL−6の濃度を定量するため、KL−6の標準物質を測定して得られた検量線から、血清検体中のKL−6濃度を算出した。調製直後の結果を表1に、亜硫酸塩の酸化を促進させた場合の結果を表2に示す。
Figure 0006857939
Figure 0006857939
表1より、亜硫酸塩濃度50mM以上でRFによる干渉反応の抑制効果がみられ、亜硫酸塩濃度50mMにおいても、RFによる干渉反応を亜硫酸塩無添加時(0mM)の約1/2に抑制できることがわかった。また、干渉反応の抑制効果は、亜硫酸塩濃度に依存して向上し亜硫酸塩濃度250mMから500mMで抑制効果は最大となり、亜硫酸塩濃度600mMでは低下することがわかった。亜硫酸塩濃度は50mM以上が好ましく、50mMから600mMがより好ましく、100mMから600mMがさらに好ましく、250mMから500mMが最も好ましい。
また、表1と表2より、亜硫酸塩濃度が50mMの場合には、亜硫酸塩の酸化により干渉反応の抑制効果が低下している。干渉反応の抑制効果に対する亜硫酸塩の酸化の影響は、亜硫酸塩濃度に依存して軽減され、亜硫酸塩濃度250mMから500mMで最も影響が小さくなり安定性が向上したが、亜硫酸濃度が600mMの場合には、亜硫酸塩の酸化により干渉反応の抑制効果が低下することがわかった。
実施例2 亜硫酸塩の干渉反応の抑制に対するpHの影響
亜硫酸ナトリウムを250mMとして、干渉物質の干渉反応の抑制に対するpHの影響を評価した。
(1)試薬
第1試薬:150mM NaCl、0.1% NaN、0.1% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、250mM 亜硫酸ナトリウムを含む50mM PIPES緩衝液(pH6.4または6.8)または50mM HEPES緩衝液(pH7.4または7.8)を調製した。
第2試薬:実施例1と同様である。
(2)測定試料
プール血清に干渉チェックRFプラス(シスメックス株式会社)をリウマトイド因子濃度が、0、100、200、300、400、または500IU/mLとなるように添加してRF試料を調製したRF試料に加え、正常検体(異好性抗体およびRF陰性のヒト血清試料)および異常検体(異好性抗体およびRF陽性のヒト血清試料)を試料とした。
(3)評価方法
実施例1と同様に試料を測定した。RF試料の結果を表3に、ヒト血清試料の結果を表4に示す。
Figure 0006857939
Figure 0006857939
表3より明らかなように、亜硫酸塩によるRFの干渉反応の抑制効果は、pH7.8以上では高pHほど顕著に低下し、測定値の正誤差が拡大する。しかし、pH7.4以下での亜硫酸塩によるRFの干渉反応の抑制効果には大きな差異は見られない。
また、表4より、正常検体では亜硫酸塩による干渉反応の抑制に対するpHの影響は、ほとんど見られない。これに対し、干渉物質が存在する異常検体では、pH7.8以上では亜硫酸塩の干渉反応の抑制効果が顕著に低下し測定値が高値化したが、pH6.4および6.8での測定値の変動は小さく、効果的に干渉反応が抑制されていることがわかる。
実施例3 亜硫酸塩の干渉反応の抑制に対するpHの影響(詳細評価)
亜硫酸ナトリウムを250mMとして、干渉物質の干渉反応の抑制に対するpHの影響をさらに詳細に評価した。また、亜硫酸塩の酸化を促進する条件(試薬容器に半分充填し4℃で3週間振とう)で保存して安定性を評価した。
(1)試薬
第1試薬:150mM NaCl、0.1% NaN、0.1% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、250mM 亜硫酸ナトリウムを含む50mM PIPES緩衝液(pH5.6、6.0、6.2、6.4、6.6、6.7、6.8または7.0)または50mM HEPES緩衝液(pH7.4)を調製した。また、調製した第1試薬を試薬容器に半分充填し、4℃で3週間振とうして亜硫酸塩の空気中の酸素による酸化を促進させた。
第2試薬:実施例1と同様である。
(2)測定試料
実施例1と同様にRF試料を調製した。
(3)評価方法
実施例1と同様に試料を測定した。調製直後の結果を表5に、亜硫酸塩の酸化を促進させた場合の結果を表6に示す。
Figure 0006857939
Figure 0006857939
表5から明らかなように、pH7.4の場合は、高濃度のRF(1000IU/mL)の干渉反応の抑制効果が不十分であるのに対し、pHが7.0以下の場合はRFの干渉反応の抑制効果に対するpHによる差異はなく、高濃度のRFに対しても高い抑制効果を持つことがわかった。
また、表5および表6より、pHが7.4の場合には、亜硫酸塩の酸化による干渉反応の抑制効果の低下が認められるのに対し、pHが7.0以下の場合は、RF干渉反応の抑制効果に対する亜硫酸塩の酸化の影響は認められず、亜硫酸塩を含有する試薬の安定性が向上することがわかった。前記結果および本結果から、亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬または前処理試薬のpHは7.0以下が好ましく、pH5.6からpH7.0の範囲がより好ましい。
以上のように、本発明によれば、測定する試料中に異好性抗体やリウマトイド因子等の干渉物質が高濃度に含まれる場合であっても、これらによる干渉作用を長期間十分に抑制することができ、測定対象物を正確に測定ができる安定性の高い免疫学的測定方法および免疫学的測定試薬の提供が可能となる。

Claims (11)

  1. 免疫学的測定試薬(ヒトヘモグロビンの安定化溶液を除く)を用いて、亜硫酸塩の存在下で、抗原抗体反応を行う免疫学的測定法において、亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬のpHが5.6から7.0の範囲で、かつ、前記亜硫酸塩が50mM以上であることを特徴とする前記免疫学的測定方法。
  2. 前記亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬のpHが6.0から7.0の範囲である請求項1に記載の免疫学的測定方法。
  3. 前記亜硫酸塩が50mMから600mMである請求項1または請求項2に記載の免疫学低測定方法。
  4. 前記免疫学的測定試薬を含む第1試薬と、測定対象物と反応する抗体または抗原、もしくは測定対象物と反応する抗体または抗原を担持した担体を含む第2試薬とを混合する工程を含む、測定対象物を定量または定性測定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の免疫学的測定方法。
  5. 免疫学的測定方法が、ラテックス凝集法である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の免疫学的測定方法。
  6. 亜硫酸塩の存在下で、抗原抗体反応を行う免疫学的測定試薬(ヒトヘモグロビンの安定化溶液を除く)であって、亜硫酸塩を含有する免疫学的測定試薬のpHが5.6から7.0の範囲で、かつ、前記亜硫酸塩が50mM以上であることを特徴とする前記免疫学的測定試薬。
  7. 前記亜硫酸塩を含有する試薬のpHが6.0から7.0の範囲である請求項6に記載の免疫学的測定試薬。
  8. 前記亜硫酸塩が50mMから600mMである請求項6または請求項7に記載の免疫学的測定試薬。
  9. 前記免疫学的測定試薬が免疫学的測定方法に用いるための試薬であり、免疫学的測定方法が、ラテックス凝集法である請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の免疫学的測定試薬。
  10. 請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の免疫学的測定試薬と、測定対象物と反応する抗体または抗原、もしくは測定対象物と反応する抗体または抗原を担持した担体とを含む免疫学的測定試薬キット。
  11. pHが5.6から7.0の範囲で、かつ、亜硫酸塩が50mM以上である免疫学的測定試薬を用いて、亜硫酸塩の存在下で、抗原抗体反応を行う免疫学的測定法を行うことを特徴とする干渉物質による干渉作用を抑制する方法。
JP2016205039A 2016-10-19 2016-10-19 免疫学的測定方法および測定試薬 Active JP6857939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205039A JP6857939B2 (ja) 2016-10-19 2016-10-19 免疫学的測定方法および測定試薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205039A JP6857939B2 (ja) 2016-10-19 2016-10-19 免疫学的測定方法および測定試薬

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018066636A JP2018066636A (ja) 2018-04-26
JP6857939B2 true JP6857939B2 (ja) 2021-04-14

Family

ID=62086058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016205039A Active JP6857939B2 (ja) 2016-10-19 2016-10-19 免疫学的測定方法および測定試薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6857939B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4837395A (en) * 1985-05-10 1989-06-06 Syntex (U.S.A.) Inc. Single step heterogeneous assay
JP3423085B2 (ja) * 1994-11-17 2003-07-07 積水化学工業株式会社 免疫測定法
JP4261665B2 (ja) * 1999-03-05 2009-04-30 アルフレッサファーマ株式会社 溶液中のヒトヘモグロビンの安定化方法および安定化溶液
JP4278123B2 (ja) * 1999-09-06 2009-06-10 栄研化学株式会社 免疫学的測定方法、免疫反応干渉物質の除去方法および測定試薬
JP2009174871A (ja) * 2008-01-21 2009-08-06 Fujifilm Corp 免疫学的検出方法
CA2756106C (en) * 2009-06-30 2018-03-20 Junichi Kondou Immunoassay reagent for kl-6 assay

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018066636A (ja) 2018-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012022005A (ja) 凝集反応安定化方法
JP4657328B2 (ja) 免疫反応干渉物質の除去方法
TWI832901B (zh) 血紅素之測定試劑、測定套組及測定方法
JP6857939B2 (ja) 免疫学的測定方法および測定試薬
JP5191291B2 (ja) 便検体中ヘモグロビンの測定方法及び測定試薬キット
JP6782785B2 (ja) 免疫学的測定方法および測定試薬
JP2004325414A (ja) 免疫測定方法及び免疫測定キット
JP4278123B2 (ja) 免疫学的測定方法、免疫反応干渉物質の除去方法および測定試薬
JP3220546B2 (ja) 免疫複合体存在下の抗原または抗体の測定方法
JP2001255325A (ja) 免疫学的測定法及び試薬
JP3886639B2 (ja) 免疫学的凝集反応試薬およびこれを用いたプロゾーン現象の抑制方法
JP6931673B2 (ja) 免疫分析方法及び試薬
JP4507439B2 (ja) ラテックス免疫比濁測定法及びそれに用いるキット
WO2017090103A1 (ja) 免疫分析方法及び試薬キット
JP5177677B2 (ja) 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬
JPH02103466A (ja) 免疫学的活性物質の測定方法及びそのための試薬
US20190056388A1 (en) Improved assay
JP3328053B2 (ja) 免疫凝集反応による抗体又は抗原の濃度定量法
JPH04329357A (ja) 免疫学的測定方法
JP3041382B2 (ja) 免疫学的測定法
JPH10253629A (ja) 免疫測定試薬製造法
JP3966615B2 (ja) 免疫学的凝集反応試薬およびこれを用いたプロゾーン現象の抑制方法
JP3246978B2 (ja) 抗原または抗体測定用試薬の製造方法
JP2003028875A (ja) 非特異反応を抑制したイムノアッセイ法
JPH10311830A (ja) 免疫測定試薬および免疫測定法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200817

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6857939

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250