JP6857837B2 - 封止用熱硬化性樹脂組成物、半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

封止用熱硬化性樹脂組成物、半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は封止用熱硬化性樹脂組成物、半導体装置の製造方法、及び半導体装置に関し、詳しくは先供給方式のアンダーフィリングによって基材と半導体チップとの間を封止するために好適な封止用熱硬化性樹脂組成物、この封止用熱硬化性樹脂組成物を用いて先供給方式のアンダーフィリングによって基材と半導体チップとの間を封止する半導体装置の製造方法、及びこの封止用熱硬化性樹脂組成物を用いたアンダーフィリングによって封止された半導体装置に関する。
フリップチップ型の半導体チップ3を基材上にフェイスダウンで実装する場合、半導体チップ3として、従来、例えばFC−BGA(フリップ・チップ−ボール・グリッド・アレイ)が用いられている。FC−BGAにおけるバンプ電極33の間隔は150μm以上である(図4B参照)。基材へ半導体チップ3を実装した後、基材と半導体チップ3との間の隙間に樹脂組成物を充填することでこの隙間を封止するアンダーフィリング技術も、広く採用されている。
近年、電子部品の高集積化のために、半導体チップ3におけるバンプ電極33間のピッチを狭くすることが要請されている。そのために、半導体チップ3として、図4Aに示すようなFC−CSP(フリップ・チップ−チップ・サイズ・パッケージ)が提案されている。この図4Aに示す半導体チップ3におけるバンプ電極33は、銅製のピラー31とその先端に設けられたはんだバンプ32とで構成されている。これにより、バンプ電極33間のピッチを100μm以下、例えば50μmにすることが可能である。またピラー31が銅製であると、バンプ電極33における通電量の増大、及びバンプ電極33の熱伝導性の向上を実現できる。またバンプ電極33がピラー31を備えることでバンプ電極33におけるはんだバンプ32の量を抑制できる。更にピラー31はリフロー処理時に融解しないため、はんだの広がりによる短絡を抑制できる。
バンプ電極の狭ピッチ化に伴い、アンダーフィリング技術として、先供給方式が注目を集めている。この先供給方式では、例えば導体配線を備える基材と、バンプ電極を備える半導体チップと、常温で液状の封止用熱硬化性樹脂組成物とを用意する。続いて、基材上に封止用熱硬化性樹脂組成物を配置し、基材上の封止用熱硬化性樹脂組成物が配置されている位置に半導体チップを配置するとともに、導体配線上にバンプ電極を配置する。この状態で、封止用熱硬化性樹脂組成物及びバンプ電極を加熱することで、封止用熱硬化性樹脂組成物を硬化させて封止材を形成するとともにバンプ電極と導体配線とを電気的に接続する。これにより、基材への半導体チップの実装と、半導体チップと基材との間の隙間の封止とを、同時に行うことができる。しかも、バンプ電極間のピッチが狭くても、半導体チップと基材との間の隙間に封止材の未充填が生じにくい。
先供給方式の封止の場合、封止材中のボイドを抑制するために封止用熱硬化性樹脂組成物にアクリル樹脂を含有させることが行われており、封止材の熱伝導性向上などのために無機フィラーを含有させることも行われている(特許文献1参照)。
特開2011−243786号公報
近年、封止用熱硬化性樹脂組成物には、バンプ電極の狭ピッチ化に伴って成形時の流動性向上が要請されているだけでなく、コスト低減のために硬化速度向上も要請され、半導体チップの発熱量の増大に伴って硬化物の耐熱性向上の要請もされている。さらに、半導体チップのバンプ電極と基材の導体配線との間に無機フィラーの粒子が介在することによる導通不良を抑制することも要請されている。
しかし、従来、これらの要請を十分に満たす封止用熱硬化性樹脂組成物は得られていない。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、先供給方式のアンダーフィリングによって基材と半導体チップとの間を封止するために好適であり、流動性が高く、加熱された場合の硬化速度が速く、硬化物の耐熱性が高く、更に半導体チップのバンプ電極と基材の導体配線との間の導通不良を抑制することができる封止用熱硬化性樹脂組成物、この封止用熱硬化性樹脂組成物を用いた半導体装置の製造方法、及びこの封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる封止材を備える半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る封止用熱硬化性樹脂組成物は、基板と、前記基板上にフェイスダウンで実装されている半導体チップとの間の隙間を封止するための封止用熱硬化性樹脂組成物であって、五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有し、25℃で液状であるアクリル樹脂と、最大粒子径が10.0μm以下の無機フィラーとを含有し、前記アクリル樹脂と前記無機フィラーとの合計量に対して、前記アクリル樹脂が10〜40質量%の範囲内、前記無機フィラーが60〜90質量%の範囲内であり、1分間半減期温度120〜190℃の範囲内の有機過酸化物を更に含有する。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、導体配線を備える基材上に前記封止用熱硬化性樹脂組成物を配置し、前記基材上の前記封止用熱硬化性樹脂組成物が配置されている位置に、バンプ電極を備える半導体チップをフェイスダウンで配置するとともに、前記導体配線上に前記バンプ電極を配置し、前記封止用熱硬化性樹脂組成物及び前記バンプ電極に加熱処理を施すことで前記封止用熱硬化性樹脂組成物を硬化させて封止材を形成するとともに前記バンプ電極を融解させることで前記バンプ電極と前記導体配線とを電気的に接続することを含む。
本発明の一態様に係る半導体装置は、基材と、前記基材にフェイスダウンで実装されている半導体チップと、前記基材と前記半導体チップとの間を封止する封止材とを備え、前記封止材が、前記封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
本発明の一態様によれば、先供給方式のアンダーフィリングによって基材と半導体チップとの間を封止するために好適であり、成形時の流動性が高く、加熱された場合の硬化速度が速く、しかも硬化物の耐熱性が高い封止用熱硬化性樹脂組成物が得られる。
図1Aないし図1Dの各々は、本発明の一実施形態における半導体装置を製造する工程を示す概略的な断面図である。 図2Aは実施例4のはんだの濡れ性評価試験の結果を示すバンプ電極と電極パッドとの接続部位を示す断面写真であり、図2Bは実施例3のはんだの濡れ性評価試験の結果を示すバンプ電極と電極パッドとの接続部位を示す断面写真であり、図2Cは比較例6のはんだの濡れ性評価試験の結果を示すバンプ電極と電極パッドとの接続部位を示す断面写真である。 図3Aは実施例5のフィラーのかみこみ評価試験の結果を示すバンプ電極と電極パッドとの接続部位を示す断面写真であり、図3Bは比較例6のフィラーのかみこみ評価試験の結果を示すバンプ電極と電極パッドとの接続部位を示す断面写真であり、図3Cは比較例7のフィラーのかみこみ評価試験の結果を示すバンプ電極と電極パッドとの接続部位を示す断面写真である。 図4A及び図4Bの各々は、半導体チップの例を示す斜視図である。
本実施形態に係る封止用熱硬化性樹脂組成物について説明する。
本実施形態に係る封止用熱硬化性樹脂組成物は、半導体装置1を製造するに当たり、特に先供給方式のアンダーフィリングによって基材2と半導体チップ3との間の隙間に封止材42を形成するために好適である(図1Aないし図1D参照)。
本実施形態に係る封止用熱硬化性樹脂組成物は、常温で液状であることが好ましい。「常温で液状」とは、大気圧下、25℃で流動性を有することを意味する。特に封止用熱硬化性樹脂組成物は、大気圧下、20〜30℃の範囲内のいかなる温度でも流動性を有することが好ましい。
封止用熱硬化性樹脂組成物は、五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有し、25℃で液状であるアクリル樹脂と、最大粒子径が10.0μm以下の無機フィラーとを含有する。アクリル樹脂と無機フィラーとの合計量に対し、アクリル樹脂は10〜40質量%の範囲内であり、無機フィラーは60〜90質量%の範囲内である。封止用熱硬化性樹脂組成物は、更に1分間半減期温度120〜190℃の範囲内の有機過酸化物を含有する。
本実施形態では、アクリル樹脂が25℃で液状であるので、封止用熱硬化性樹脂組成物は成形時に優れた流動性を有する。また、アクリル樹脂が五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有するため、アクリル樹脂の硬化物は高いガラス転移温度及び高い熱分解温度を有する。このため、封止材42は高い耐熱性を有する。
また、無機フィラーの最大粒径が10μm以下であるので、封止材42中に無機フィラーの粒子が良好に分散しやすく、このため半導体チップ3が備えるバンプ電極33と基材2が備える導体配線21との間に無機フィラーの粒子が介在しにくくなる。また、たとえバンプ電極33と導体配線21との間に無機フィラーの粒子が介在しても、無機フィラーの最大粒径が小さいため、バンプ電極33と導体配線21との間の導通不良は発生しにくい。なお、無機フィラーの熱伝導率は20W/m・K以上であることが望ましい。
また、アクリル樹脂と無機フィラーとの合計量に対して、アクリル樹脂が10〜40質量%の範囲内、無機フィラーが60〜90質量%の範囲内であることで、高い熱伝導性を有する封止材42を得ることが可能であり、1W/m・Kの熱伝導率を有する封止材42を得ることも可能である。さらに、封止用熱硬化性樹脂組成物の速い硬化速度を維持することができて、そのため封止材42におけるボイドを効果的に抑制できる。
さらに、有機過酸化物の1分間半減期温度が120〜190℃の範囲内であるため、封止用熱硬化性樹脂組成物が加熱されると速やかに有機過酸化物が分解してラジカルを生じる。このため、封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化速度が速い。このため、半導体装置1の製造効率の向上が可能である。
封止用熱硬化性樹脂組成物の構成成分について更に詳しく説明する。
アクリル樹脂は、熱硬化性を有し、25℃で液状である。特にアクリル樹脂は、大気圧下、20〜30℃の範囲内のいかなる温度でも流動性を有することが好ましい。封止用熱硬化性樹脂組成物がアクリル樹脂を含有すると、封止用熱硬化性樹脂組成物から形成される封止材42中にボイドが生じにくくなる。これは、アクリル樹脂がラジカル重合反応によって硬化する際の初期段階で封止用熱硬化性樹脂組成物が増粘するためであると考えられる。
アクリル樹脂は、上記のように五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有する。五員環の例は、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環を含む。アクリル樹脂は、一分子あたり一つの五員環を有してもよく、複数の五員環を有してもよい。六員環の例は、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、及びベンゼン環を含む。アクリル樹脂は、一分子あたり一つの六員環を有してもよく、複数の六員環を有してもよい。アクリル樹脂は、一分子あたり、少なくとも一つの五員環と少なくとも一つの六員環とを有していてもよい。更に五員環及び六員環は、ナフタレン環といった縮合多環構造の一部であってもよく、トリシクロデカン、アダマンタンといった架橋多環構造の一部であってもよい。なお、五員環及び六員環は、芳香環又は不飽和環に限定される必要はない。この理由は、芳香環及び不飽和環に限らず、アクリル樹脂が五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有することで、アクリル樹脂の硬化物に高いガラス転移温度を付与し、封止材42に優れた耐熱性を付与しうるからである。すなわち、五員環及び六員環を有しない場合、アクリル樹脂の硬化物のガラス転移温度が低く、封止材42の耐熱性が低下するためである。
上述の通りアクリル樹脂が五員環と六員環のうち少なくとも一方を有することで、アクリル樹脂の硬化物のガラス転移温度及び熱分解温度が高くなり、封止材42の耐熱性が向上する。このため、半導体チップ3の発熱量が多い場合、及び半導体装置1が高温環境下で使用される場合でも、半導体装置1は高い信頼性を有する。
アクリル樹脂の重量平均分子量は100〜1500の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量が100以上であれば、アクリル樹脂の硬化性が特に良好であるため、特に高い強度及び耐熱性を有する硬化物が得られる。重量平均分子量が1500以下であれば、アクリル樹脂が高粘度化したりゴム状になったりすることを抑制することができるため、アクリル樹脂の取扱い性が良好である。したがって、アクリル樹脂の重量平均分子量が100〜1500の範囲内であれば、アクリル樹脂の硬化物の強度及び耐熱性を特に高めるとともに、アクリル樹脂を低粘度化して取扱い性を高めることができる。なお、重量平均分子量の測定は、一般的なGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で行うことができる。
アクリル樹脂は、封止材42の耐熱性を確保するためには、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物を含むことが好ましく、1分子あたり2〜6個の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物を含むことがより好ましく、1分子あたり2個の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物を含むことが更に好ましい。
1分子あたり2個の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物の例は、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジエタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジアルキルアルコールジ(メタ)アクリレート、及びジメタノールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートを含む。
1分子あたり2個の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物の例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルアクリレート2モルとの反応物、並びにビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルメタクリレート2モルとの反応物も含む。
1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物の例は、架橋多環構造を有する(メタ)アクリレートを含む。具体的には、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物の例は、下記式(I)で示される化合物及び下記式(II)で示される化合物を含む。これらの化合物は、封止材42の耐熱性を特に向上しうる。
Figure 0006857837
式(I)中、R1及びR2の各々は水素原子又はメチル基を示し、aは1又は2であり、bは0又は1である。
Figure 0006857837
式(II)中、R3及びR4の各々は水素原子又はメチル基を示し、Xは水素原子、メチル基、メチロール基、アミノ基、又は(メタ)アクリロイルオキシメチル基を示し、cは0又は1である。
架橋多環構造を有する(メタ)アクリレートの、より具体的な例は、式(I)におけるaが1、bが0であるジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレート、式(II)におけるcが1であるパーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン骨格を有する(メタ)アクリレート、式(II)におけるcが0であるノルボルナン骨格を有する(メタ)アクリレート、式(I)におけるR1及びR2が水素原子、a=1、b=0であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(ジシクロペンタジエニルジアクリレート)、式(II)におけるXがアクリロイルオキシメチル基、R3及びR4が水素原子、cが1であるパーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,7−トリメチロールトリアクリレート、式(II)におけるX、R3及びR4が水素原子、cが0であるノルボルナンジメチロールジアクリレート、並びに式(II)におけるX、R3及びR4が水素原子、cが1であるパーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメチロールジアクリレートを含む。特に架橋多環構造を有する(メタ)アクリレートが、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート及びノルボルナンジメチロールジアクリレートのうち少なくとも一方を含むことが好ましい。
トリシクロデカンジメタノールジアクリレートの市販品の例は、新中村化学工業製のA−DCP、共栄社株式会社製のライトアクリレートDCP−A及び日立化成製のFA−513Mを含む。
2個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物の例は、ビスフェノール骨格にアルキレンオキサイドが付加された構造を有するジ(メタ)アクリレートを含む。具体的には、2個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物の例は、式(III)で示される化合物及び式(IV)で表される化合物を含む。これらの化合物は、封止材42と半導体チップ3及び基材2との密着性を向上できる。
Figure 0006857837
式(III)中、R5は水素、メチル基、又はエチル基を示し、R6は2価の有機基を示し、m及びnの各々は1〜20の整数を示す。
Figure 0006857837
式(IV)中、R5は水素、メチル基、又はエチル基を示し、R6は2価の有機基を示し、m及びnの各々は1〜20の整数を示す。
ビスフェノール骨格にアルキレンオキサイドが付加された構造を有するジ(メタ)アクリレートの、より具体的な例は、アロニックスM−210、M−211B(東亞合成製)、NKエステルABE−300、A−BPE−4、A−BPE−6、A−BPE−10、A−BPE−20、A−BPE−30、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE−900、BPE−1300N(新中村化学製)といったEO変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート(n=2〜20);アロニックスM−208(東亞合成製)といったEO変性ビスフェノールF型ジ(メタ)アクリレート(n=2〜20);デナコールアクリレートDA−250(ナガセ化成製)、ビスコート540(大阪有機化学工業製)といったPO変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート(n=2〜20);並びにデナコールアクリレートDA−721(ナガセ化成製)といったPO変性フタル酸ジアクリレートを含む。
2個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物は、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。この場合、特に封止用熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含有する場合に、封止用熱硬化性樹脂組成物の反応性が向上するとともに、封止材42の耐熱性及び密着性が向上する。
エポキシ(メタ)アクリレートは、例えばエポキシ樹脂と、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和一塩基酸との付加反応物であるオリゴマーである。
エポキシ(メタ)アクリレートの原料であるエポキシ樹脂は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノールに代表されるビスフェノール類とエピハロヒドリンとの縮合によって得られるジグリシジル化合物(ビスフェノール型エポキシ樹脂)を含む。エポキシ樹脂は、フェノール骨格を有するエポキシ樹脂を含んでもよい。フェノール骨格を有するエポキシ樹脂としては、フェノール又はクレゾールとホルマリンに代表されるアルデヒドとの縮合物であるフェノールノボラック類とエピハロヒドリンとの縮合によって得られる多価グリシジルエーテル(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)が挙げられる。エポキシ樹脂は、シクロヘキシル環を有するエポキシ樹脂を含んでもよい。
エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、25℃で液状であるビスフェノールA型エポキシアクリレートを含むことが好ましい。ビスフェノールA型エポキシアクリレートは、例えば下記式(V)で表される。
Figure 0006857837
式(V)中、nは正の整数を示す。
ビスフェノールA型エポキシアクリレートの市販品の例は、デナコールアクリレートDA−250(ナガセ化成製、25℃で60Pa・s)、デナコールアクリレートDA−721(ナガセ化成製、25℃で100Pa・s)、リポキシVR−77(昭和高分子製、25℃で100Pa・s)、リポキシVR−90(昭和高分子製)、及びエポキシエステル3002M(N)(共栄社化学製)を含む。
アクリル樹脂が3個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物を含む場合、3個以上の(メタ)アクリロイル基を持つ化合物の例は、1,3−アダマンタンジオールジメタクリレート、1,3−アダマンタンジオールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、及び1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレートを含む。
アクリル樹脂は、例えば10〜50質量%の架橋多環構造を有する(メタ)アクリレート、3〜20質量%のビスフェノール骨格にアルキレンオキサイドが付加された構造を有するジ(メタ)アクリレート、及び5〜30質量%のエポキシ(メタ)アクリレートを含むことができる。
封止用熱硬化性樹脂組成物は、五員環と六員環のいずれも有さない第二のアクリル樹脂を含有してもよい。上記アクリル樹脂と第二のアクリル樹脂との合計に対して、第二のアクリル樹脂は10質量%以下であることが好ましい。
封止用熱硬化性樹脂組成物中の有機過酸化物は、ラジカル開始剤である。有機過酸化物の1分間半減期温度は120〜190℃の範囲内である。このため、上記の通り封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化速度が速く、このため、半導体装置1の製造効率の向上が可能である。また、硬化反応が十分に速く進行することで、半導体チップ3と封止材42との間の剥離を抑制することができる。さらに、封止用熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化させる工程における初期段階ではんだ製のバンプ電極33と導体配線21との濡れ性を阻害しない程度に速やかに封止用熱硬化性樹脂組成物が増粘することで、封止材42中のボイドの生成が抑制される。有機過酸化物の1分間半減期温度が150〜190℃の範囲内であれば更に好ましい。
有機過酸化物は、例えばt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(1分間半減期温度161.4℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(1分間半減期温度166.8℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(1分間半減期温度173.3℃)、ジクミルパーオキサイド(1分間半減期温度175.2℃)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(1分間半減期温度175.4℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(1分間半減期温度179.8℃)、及びジ−t−ブチルパーオキサイド(1分間半減期温度185.9℃)からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することができる。
アクリル樹脂100質量部に対して、有機過酸化物は0.2〜2.0質量部の範囲内であることが好ましい。この場合、特に先供給方式のアンダーフィリングによって基材2と半導体チップ3との間を封止する際に、半導体チップ3のバンプ電極33と基材2の導体配線21との間の特に良好な濡れ性を確保できる。すなわち、有機過酸化物が2.0質量部以下であると、封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化速度を適度に抑制できるため、基材2上に封止用熱硬化性樹脂組成物が配置されている状態で、基材2上に半導体チップ3をフェイスダウンで配置し、この状態でバンプ電極33を加熱して導体配線21と接合する際、封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度上昇によってバンプ電極33のはんだが流動しにくくなることを抑制でき、このため、バンプ電極33と導体配線21との間の接続信頼性を向上できる。また、有機過酸化物が0.2以上であると、封止用熱硬化性樹脂組成物の良好な硬化性を確保できる。
封止用熱硬化性樹脂組成物は無機フィラーを含有する。このため、封止材42の熱膨張係数を調整することができる。また、無機フィラーによって封止材42の熱伝導性が向上し、このため半導体チップ3から発せられた熱が封止材42を通じて効率良く放出されうる。
無機フィラーは、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ホウ素及び炭化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有することが望ましい。この理由は、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ホウ素及び炭化ケイ素は、熱伝導率が高いからである。なお、無機フィラーは、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ホウ素及び炭化ケイ素以外に、他の無機フィラーを添加することも有用である。
無機フィラーは、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ホウ素及び炭化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の材料に加えて、溶融シリカ、合成シリカ、結晶シリカといったシリカ粉末;酸化チタンといった酸化物;タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスといったケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトといった炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムといった水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムといった硫酸塩又は亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムといったホウ酸塩;並びに窒化ホウ素、窒化ケイ素といった窒化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料を、含有してもよい。また用途によっては、無機フィラーは、溶融シリカ、合成シリカ、結晶シリカといったシリカ粉末;アルミナ、酸化チタンといった酸化物;タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスといったケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトといった炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムといった水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムといった硫酸塩又は亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムといったホウ酸塩;並びに窒化ホウ素、窒化ケイ素といった窒化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料を主体として含有することも可能である。
無機フィラーは、カップリング処理されていることが好ましい。この場合、封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度を低減してその流動性を向上できる。そのため、特に先供給方式のアンダーフィリングによって基材2と半導体チップ3との間を封止する際に、半導体チップ3のバンプ電極33と基材2の導体配線21との間の特に良好な濡れ性を確保できる。すなわち、無機フィラーがカップリング処理されていることで封止用熱硬化性樹脂組成物が高い流動性を有すると、基材2上に封止用熱硬化性樹脂組成物が配置されている状態で基材2上に半導体チップ3をフェイスダウンで配置し、この状態でバンプ電極33を加熱して導体配線21と接合する際に、封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度上昇によってバンプ電極33のはんだが流動しにくくなることを抑制できるとともに、バンプ電極33と導体配線21との間に無機フィラーの粒子が特に介在しにくくなる。さらに、無機フィラーがカップリング処理されていると、封止材42中のボイドを低減できる。これは、封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度を低減することで、封止用熱硬化性樹脂組成物中にボイドが混入しにくくなったためであると考えられる。
カップリング処理は、無機フィラーの表面をカップリング剤で処理することで行われる。カップリング剤は、例えばシランカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アマイド、及びリン酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。特に無機フィラーが窒化アルミニウムを含有する場合は、カップリング剤はリン酸エステルであることが好ましい。また、無機フィラーがアルミナを含有する場合は、カップリング剤はシランカップリング剤であることが好ましい。
無機フィラーの熱伝導率は20W/m・K以上であることが好ましい。この場合、封止材42の熱伝導性を特に向上し、この封止材42による半導体チップ3の放熱性を向上することができる。そのためには、特に無機フィラーが、20W/m・K以上の熱伝導率を有する窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ホウ素及び炭化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有することが好ましい。
無機フィラーの形状は、破砕状、針状、鱗片状、又は球状であってよく、特に限定されないが、封止用熱硬化性樹脂組成物中での無機フィラーの分散性向上、並びに封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度制御のためには、無機フィラーは球状であることが好ましい。
無機フィラーは、基材2とこれに実装されている半導体チップ3との間の寸法よりも小さい平均粒径を有することが好ましい。
無機フィラーの最大粒径が10μm以下であることで、上記の通り封止材42中に無機フィラーの粒子が良好に分散しやすい。このため半導体チップ3のバンプ電極33と基材2の導体配線21との間に無機フィラーの粒子が介在しにくくなる。また、たとえバンプ電極33と導体配線21との間に無機フィラーの粒子が介在しても、無機フィラーの最大粒径が小さいため、バンプ電極33と導体配線21との間の導通不良は発生しにくい。無機フィラーの最大粒径が5μm以下であれば特に好ましい。
無機フィラーの平均粒径が0.1〜10.0μmの範囲内であれば、特に好ましい。この場合、隣り合うバンプ電極33の間隔が狭い場合でも、先供給方式のアンダーフィリングによって基材2と半導体チップ3との間を封止する際に、半導体チップ3のバンプ電極33と基材2の導体配線21との間の特に良好な濡れ性を確保できる。すなわち、無機フィラーの平均粒径が10.0μm以下であると、封止用熱硬化性樹脂組成物は良好な流動性を有しうるため、基材2上に封止用熱硬化性樹脂組成物が配置されている状態で、基材2上に半導体チップ3をフェイスダウンで配置し、この状態でバンプ電極33を加熱して導体配線21と接合する際、封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度上昇によってバンプ電極33のはんだが流動しにくくなることを抑制できるとともに、バンプ電極33と導体配線21との間に無機フィラーの粒子が特に介在しにくくなる。このため、バンプ電極33と導体配線21との間の接続信頼性を向上できる。また、無機フィラーの平均粒径が0.1μm以上であることによっても、封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度上昇を抑制できる。
さらに、無機フィラーの平均粒径が0.5〜4.0μmの範囲内であることが、封止用熱硬化性樹脂組成物及び封止材42における無機フィラーの充填密度の向上、並びに封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度調整のために好ましい。
なお、本実施形態における最大粒径はレーザー光回折法による粒度分布測定の結果から求められる。また本実施形態における平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定の結果から算出されるメジアン径である。
封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度調整又は封止材42の物性の調整のためには、無機フィラーが互いに異なる平均粒径を有する2種以上の成分を含有してもよい。
封止用熱硬化性樹脂組成物は、フラックス(活性剤ともいう)を含有することが好ましい。この場合、フラックスの作用によって、リフロー時に半導体チップ3におけるはんだの表面の酸化膜が除去され、半導体チップ3と基材2との電気的な接続信頼性が向上する。
フラックスの沸点は220℃付近であることが好ましく、特に180℃以上であることが好ましい。フラックスの融点は220℃付近以下であることが好ましく、特に180℃以下であることが好ましい。この場合、封止用熱硬化性樹脂組成物に加熱処理を施して硬化させる際に、フラックスが液状であるとともに封止用熱硬化性樹脂組成物から放出されにくいため、フラックスがその作用を十分に発揮することができる。
フラックスは、例えば有機酸、各種アミン及びその塩ならなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。特にフラックスは有機酸を含むことが好ましい。この場合、バンプ電極33と導体配線21との間の濡れ性を特に向上させることができる。
有機酸は、例えば、アビエチン酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ジグリコール酸、チオジグリコール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、プロパントリカルボン酸、クエン酸、及び酒石酸からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有することができる。特に、バンプ電極33と導体配線21との濡れ性を特に向上させるためには、有機酸はアジピン酸、セバシン酸、グルタル酸及び安息香酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。
フラックスは、封止用熱硬化性樹脂組成物全体に対して0.1〜20質量%の範囲内であることが好ましく、1〜10質量%の範囲内であればより好ましい。この場合、フラックスの活性が特に高くなるため、はんだと導体配線21との間の濡れ性が特に高くなる。さらに、フラックスが封止材42を脆くしたり、封止材42の絶縁信頼性を損ねたりすることを抑制することができ、封止材42からのフラックスのブリードも抑制することができる。
封止用熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記成分以外の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、消泡剤、レベリング剤、低応力剤、及び顔料が挙げられる。ただし、封止用熱硬化性樹脂組成物は溶剤は含有しないことが好ましい。
封止用熱硬化性樹脂組成物は、例えば次の方法で調製される。
まず封止用熱硬化性樹脂組成物の無機フィラー以外の成分を同時に又は別々に配合することで、混合物を得る。この混合物を、必要に応じて加熱処理や冷却処理を行いながら撹拌して混合する。次に、この混合物に無機フィラーを加える。無機フィラーは、混合物に加えられる前にシランカップリング剤で処理されている。次にこの混合物を、必要に応じて加熱処理や冷却処理を行いながら、再度撹拌して混合する。これにより、封止用熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。混合物の撹拌のためには、例えばディスパー、プラネタリーミキサー、ボールミル、3本ロールなどを組み合わせて用いることができる。
本実施形態では、B型回転粘度計を用いて、25℃、回転数50rpmの条件で測定される封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度は、200Pa・s以下であることが好ましい。この場合、微細な空間への封止用熱硬化性樹脂組成物の充填性を高められる。この粘度は、100Pa・s以下であればより好ましく、60Pa・s以下であれば更に好ましい。またこの粘度は、1Pa・s以上が好ましく、3Pa・s以上であればより好ましく、5Pa・s以上であれば更に好ましい。この場合、封止用熱硬化性樹脂組成物を基材2上に塗布すると、基材2上で封止用熱硬化性樹脂組成物の形状が安定して保持されうる。また粘度が1〜200Pa・sの範囲内であると、基材2上に封止用熱硬化性樹脂組成物を配置する際の作業性が特に良好になる。粘度が5〜100Pa・sの範囲内であることも好ましい。粘度が5〜60Pa・sの範囲内であれば特に好ましい。
測定時の回転数を5rpmに変更した場合の粘度、すなわちB型回転粘度計を用いて、25℃、回転数5rpmの条件で測定される封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度が、15〜600Pa・sの範囲内であることも好ましい。このように、回転数50rpmの条件で測定された粘度に対し、回転数5rpmで測定した粘度が2〜4倍となるように封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度あるいはレオロジーを調整すると、封止用熱硬化性樹脂組成物の塗布性が特に高くなる。
封止用熱硬化性樹脂組成物は、220〜280℃の範囲内のいずれかの温度で加熱されることで、加熱開始時から10秒以内で硬化する特性を有することが好ましい。この場合、封止用熱硬化性樹脂組成物に加熱処理を施して封止材42を作製する際の加熱処理の時間を短くすることができ、このため半導体装置1の生産効率が高くなる。封止用熱硬化性樹脂組成物が硬化しているか否かは、示差走査熱量測定によって確認できる。示差走査熱量測定の結果、封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化反応が進行する温度で発熱ピークが認められない場合に、封止用熱硬化性樹脂組成物が硬化していると判断できる。上述の通り、本実施形態では、1分間半減期温度が120〜190℃の範囲内である有機過酸化物を含有することから、封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化速度が速い。このため、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成を上記説明の範囲で適宜調整することで、前記特性を容易に達成することができる。
上記のような封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度は、上述の説明の範囲内で封止用熱硬化性樹脂組成物の組成を調整することで実現できる。
封止用熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させることで得られる封止材42の熱伝導率は、1.0W/m・K以上であることが好ましい。この場合、封止材42を備える半導体装置1の放熱性が特に高くなる。このような高い熱伝導率は、上述の説明の範囲内で封止用熱硬化性樹脂組成物の組成を調整することで実現できる。封止材42の熱伝導率が高いほど半導体装置1の放熱性も高い。ただし、熱伝導率向上のために無機フィラーの含有量が多くなると、封止用熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて例えば200Pa・sを超えることで、封止用熱硬化性樹脂組成物の塗布性に影響を与えることがある。粘度上昇を抑制しながら熱伝導率を向上しようとすると、ダイヤモンド粉末のような特殊な材料が必要となってしまう。このため、封止材42の熱伝導率は、10W/m・K以下であることが好ましい。
封止用熱硬化性樹脂組成物は、アンダーフィル又はNCP(Non Conductive Polymer)として好適である。封止用熱硬化性樹脂組成物を用いた先供給方式(加熱圧着工法ともいう)のアンダーフィリングによって基材2と半導体チップ3との間を封止することで半導体装置1を得る方法の例について、図1Aないし図1Dを参照して説明する。
基材2は、例えばマザー基板、パッケージ基板又はインターポーザー基板である。例えば基材2は、ガラスエポキシ製、ポリイミド製、ポリエステル製、セラミック製などの絶縁基板と、その表面上に形成された導体配線21とを備える。導体配線21は例えば銅製である。導体配線21は例えば電極パッド22を備える。
半導体チップ3は、例えばBGA(ボール・グリッド・アレイ)、LGA(ランド・グリッド・アレイ)、CSP(チップ・サイズ・パッケージ)といったフリップチップ型のチップである。また、半導体チップ3は、PoP(パッケージ・オン・パッケージ)型のチップであってもよい。半導体チップ3は、基材2と対向する面にバンプ電極33を備える。バンプ電極33は、例えば銅製のピラー31(銅ピラーともよばれる)と、ピラー31の先端に設けられたはんだバンプ32とを備える。はんだバンプ32は、例えばSn−3.5Ag(融点221℃)、Sn−2.5Ag−0.5Cu−1Bi(融点214℃)、Sn−0.7Cu(融点227℃)、Sn−3Ag−0.5Cu(融点217℃)といった、融点210℃以上の鉛フリーはんだ製である。
本実施形態において、隣り合うバンプ電極33間のピッチは、100μm以下であることが好ましく、70μm以下であればより好ましく、50μm以下であれば更に好ましい。この場合、電子部品の高集積化に対応できる。また、隣り合うバンプ電極33間のピッチは、例えば30μm以上であるが、これに制限されない。
本実施形態では、封止用熱硬化性樹脂組成物が良好な流動性を有するため、バンプ電極33の狭ピッチ化が可能である。例えば、バンプ電極33の相互間の最短ピッチは、5〜150μmの範囲内であってもよい。この場合でも、バンプ電極33を加熱して導体配線21と接合する際、封止用熱硬化性樹脂組成物によるバンプ電極33のはんだの流動の阻害を抑制でき、このため、バンプ電極33と導体配線21との間の接続信頼性を向上できる。
また、本実施形態において、バンプ電極33の径は、例えば3〜90μmの範囲内である。バンプ電極33がこのような径を有する場合においても、バンプ電極33を加熱して導体配線21と接合する際、封止用熱硬化性樹脂組成物によるバンプ電極33のはんだの流動の阻害を抑制できるとともに、半導体チップ3のバンプ電極33と基材2の導体配線21との間に無機フィラーの粒子が介在することを抑制でき、このため、バンプ電極33と導体配線21との間の接続信頼性を向上できる。
本方法では、ボンディングヘッド51とステージ52とを備えるフリップチップボンダー50を用いて、基材2に半導体チップ3をフェイスダウンで実装することができる。
本方法では、まず図1Aに示すように、基材2における導体配線21を備える面上に、アンダーフィル41として封止用熱硬化性樹脂組成物を配置する。封止用熱硬化性樹脂組成物を配置する方法の例は、ディスペンサーを用いる方法、スクリーン印刷法、及びインクジェット法を含む。なお、基材2上に配置する封止用熱硬化性樹脂組成物の量は、半導体チップ3の寸法に応じて、適宜最適化すればよい。
次に、基材2をステージ52に支持させるとともに、半導体チップ3をボンディングヘッド51に保持させる。この状態で、ボンディングヘッド51をステージ52へ向けて移動させる。これにより、基材2における封止用熱硬化性樹脂組成物が配置されている位置に、半導体チップ3を配置する。このとき、半導体チップ3におけるバンプ電極33と基材2の導体配線21における電極パッド22とが重なるように、半導体チップ3と基材2とを位置合わせした状態で、半導体チップ3を配置する。
この状態で、ボンディングヘッド51とステージ52を通じて、半導体チップ3及び基材2を加熱することにより、封止用熱硬化性樹脂組成物及びバンプ電極33に加熱処理を施す。そうすると、はんだバンプ32が融解することで、バンプ電極33と電極パッド22とが電気的に接続される。また、封止用熱硬化性樹脂組成物が熱硬化することで封止材42が形成され、これにより、半導体チップ3と基材2との間が封止材42で封止される。以上のようにして、基材2に半導体チップ3が実装され、基材2、基材2にフェイスダウンで実装されている半導体チップ3、及び基材2と半導体チップ3との間を封止する封止材42を備える半導体装置1が得られる。半導体チップ3は、複数のバンプ電極33を備え、複数のバンプ電極33は、封止材42に埋まっている。
加熱処理におけるバンプ電極33及び封止用熱硬化性樹脂組成物の加熱温度は、はんだバンプ32の組成及び封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に応じて、はんだバンプ32の融点を超える温度に適宜設定される。例えば加熱処理における最高加熱温度が230〜280℃の範囲内である。加熱処理における加熱時間は、はんだバンプ32の融点、加熱装置の各種設備の条件等を考慮して適宜設定される。特に加熱処理における加熱時間が2〜10秒の範囲内であることが好ましい。この場合、半導体装置1の生産性が特に高い。本実施形態では封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化速度が速いため、このように加熱時間が短くても封止用熱硬化性樹脂組成物を十分に硬化させることができる。
なお、本実施形態に係る封止用熱硬化性樹脂組成物は、アンダーフィル以外の用途にも適用可能である。例えば半導体チップ3と放熱部品とを接着するための接着剤として封止用熱硬化性樹脂組成物を適用してもよい。
本実施形態では、例えば基材2と半導体チップ3との隙間が5〜150μmの範囲内であり、隣り合うバンプ電極33間の間隔が5〜150μmである場合でも、優れた接続安定性、接続信頼性及び高放熱性が得られる。特に無機フィラーの平均粒径が0.5〜4.0μmの範囲内である場合、バンプ電極33間の間隔が60μm未満、あるいは50μm未満であっても、高い接続安定性が得られる。
[組成物の調製]
各実施例及び比較例につき、表1〜3に示す成分のうち、無機フィラー以外の成分を配合し、攪拌して混合することにより、混合物を調製した。この混合物に無機フィラーを加えてから更に攪拌して混合した。これにより、液状の封止用熱硬化性樹脂組成物を得た。
なお、表中の成分の詳細は次の通りである。
・アクリル樹脂1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、新中村化学工業社製、品番A−DCP。
・アクリル樹脂2:ビスフェノールA型エポキシアクリレート、昭和高分子社製、品番VR−77。
・アクリル樹脂3:ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、新中村化学工業製、品番A−200。
・アクリル樹脂4:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、新中村化学工業製、品番A−HD−N。
・有機過酸化物1:ジクミルパーオキサイド(1分間半減期温度175.2℃)。
・有機過酸化物2:日本油脂製、パーブチルZ(1分間半減期温度166.8℃)。
・有機過酸化物3:日本油脂製、パーヘキシン25B(1分間半減期温度179.8℃)。
・有機過酸化物4:日本油脂製、パーヘキシン25B−40(1分間半減期温度194.3℃)。
・エポキシ樹脂:新日鉄住金化学製、品番YDF8170。
・酸無水物:三菱化学製、品番YH307。
・イミダゾール:2−フェニル−4−メチルイミダゾール。
・無機フィラー1:リン酸エステルでカップリング処理された窒化アルミニウム粉。
・無機フィラー2:カップリング処理されていない窒化アルミニウム粉。
・フラックス:セバシン酸。
[評価試験]
各実施例及び比較例で得られた封止用熱硬化性樹脂組成物に対し、次の評価試験を行った。その結果は後掲の表1〜3に示す。
なお、比較例1〜3は、実施例1〜3において、アクリル樹脂の代わりにエポキシ樹脂を使用した例であり、特にアクリル樹脂を用いることによるボイドの低減を確認するために行った。実施例1〜3では、開始剤の量を変更することで、その影響を確認した。実施例4〜5及び比較例6では、フラックスの量を変更することでその影響を確認した。実施例6及び比較例7では、無機フィラーの平均粒径を変更することでその影響を確認した。実施例7及び比較例4では、無機フィラーの含有率を変更することで、その影響を確認した。比較例5及び実施例8〜9では、開始剤の種類を変更することで、その影響を確認した。比較例6では、五員環及び六員環を有しないアクリル樹脂を用いることで、その影響を確認した。比較例7では、最大粒径が10μmより大きい無機フィラーを用いることで、その影響を確認した。
表1〜3に示す評価内容について説明する。
(1)粘度評価
粘度評価は、表1〜3に示す実施例1〜12及び比較例1〜7に示す封止用熱硬化性樹脂組成物について行った。粘度評価に当たっては、B型粘度測定装置(商品名DV−II)brookfield社製、使用ローター直径8.74mm、設定温度25℃)を用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物の回転数50rpmにおける粘度を求めた。
(2)塗布性評価
塗布性評価は、表1〜3に示す実施例1〜12及び比較例1〜7に示す封止用熱硬化性樹脂組成物について行った。塗布性評価に当たっては、エアーディスペンス装置(武蔵エンジニアリング社製)を用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物をダブルクロスパターンを描くように塗装した。この場合、塗膜の形状の不良又は糸引き不良が発生した場合を「C」、不良が発生したがその程度が僅かである場合を「B」、このような不良が発生しなかった場合を「A」と評価した。なお、評価が「B」の場合は、塗布方法等を最適化することで、評価「A」を達成可能と考えられる。
(3)硬化物の熱伝導性評価
硬化物の熱伝導性評価は、表1〜3に示す実施例1〜12及び比較例1〜7に示す封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化物について行った。硬化物の熱伝導性評価に当たっては、まず封止用熱硬化性樹脂組成物を室温から60分間かけて150℃まで昇温し、続いて150℃で2時間加熱することで、直径2cm、厚み1mmの円盤状の試験片を作製した。この試験片の熱拡散係数(α)をレーザーフラッシュ法(t1/2法)で測定し、比熱(Cp)をDSC法で測定し、密度(ρ)をJIS K6911準拠で測定した。これらの値から熱伝導率(=α×Cp×ρ)を算出した。その結果、熱伝導率が2W/m・K以上の場合を「A」、1W/m・K以上2W/m・K未満の場合を「B」、1W/m・K未満の場合を「C」と評価した。なお、熱伝導率が1W/m・K以上である場合、優れた熱伝導性を有すると評価できる。
(4)半導体装置評価
サイズ7.3mm×7.3mm、バンプピッチ50μm、バンプ数544、厚み0.15mmの半導体チップを用意した。半導体チップにおけるバンプ電極は、高さ30μm、平面視寸法30μm×30μmの銅製のピラーと、高さ15μmのはんだバンプを備え、はんだバンプは鉛フリーはんだ(Sn−3.5Ag:融点221℃)製であった。基材としては、プリフラックス処理による防錆皮膜が設けられた銅製の導体配線を備えるガラスエポキシ基板を準備した。フリップチップボンダーのステージを60〜100℃の範囲に加熱した状態で、このステージ上に基材を固定した。この基材上に、封止用熱硬化性樹脂組成物3.0〜4.0mgをディスペンサーで塗布した。半導体チップをフリップチップボンダーのボンディングヘッドに保持させ、ボンディングヘッドを130℃に加熱した状態でボンディングヘッドをステージに近づけて、半導体チップを基材における封止用熱硬化性樹脂組成物が塗布されている位置に、半導体チップのバンプ電極と基材の電極パッドとを位置合わせしながら配置し、半導体チップを基材に0.5秒間押しつけた。続いて、ボンディングヘッドから半導体チップへ30Nの荷重をかけながら、ボンディングヘッドの温度を1.5秒間かけて260℃の最高到達温度まで上昇させた。続いて、ボンディングヘッドの温度を最高到達温度に2秒間保持してから、ボンディングヘッドによる半導体チップの保持を解除し、ボンディングヘッドをステージから離した。半導体チップを基材上に配置してからボンディングヘッドをステージから離すまでの時間を約4秒とした。これにより半導体装置を得た。
(4−1)ボイド評価
半導体装置における封止材中のボイドを、超音波探傷装置(SAT)を用いて調査した。その結果、直径50μm以上のボイドが認められない場合を「A」、直径50μm以上のボイドが1〜30個認められた場合を「B」、直径50μm以上のボイドが31個以上認められた場合を「C」と評価した。
(4−2)導通評価
半導体装置におけるバンプ電極と電極パッドとの間の電気抵抗を測定した。その結果、電気抵抗の測定値が30Ω以下である場合を「A」、電気抵抗の測定値が30Ω以上である場合を「B」、電気抵抗の測定値が無限大である場合を「C」と、評価した。
(4−3)はんだの濡れ性(はんだの電極パッドに対する濡れ性)
半導体装置を、半導体チップのバンプ電極と基材の電極パッドとの接続部分を含む面で切断してから、断面を研磨した。この断面をSEMで観察し、はんだバンプの電極パッドに対する濡れ性を、次のように評価した。
A:電極パッドの上面だけでなく側面まではんだバンプが接しており、電極パッドとはんだバンプとの間には合金層が形成されている。
B:電極パッドの上面のみがはんだバンプに接しているが、電極パッドとはんだバンプとの間には合金層が形成されている。
C:電極パッドとはんだバンプとの間に合金層が認められない。
なお、評価が「A」又は「B」であれば半導体装置は良品であるとみなすことができ、評価が「C」であれば半導体装置には問題があるとみなされる。
図2Aは評価「A」である実施例6の場合の断面のSEM写真を示す。図2Bは評価「B」である実施例3の場合の断面のSEM写真を示す。図2Cは評価「C」である比較例6の場合のSEM写真を示す。
(4−4)吸湿リフロー試験
半導体装置を60℃、60%RHの条件下に192時間暴露した。続いて、半導体装置を最大温度260℃の温度プロファイルでリフロー炉を3回通過させた。続いて、封止材のクラックの有無、及び封止材と半導体チップ及び基材との界面の剥離の有無を、超音波探傷装置(SAT)を用いて調査した。
各実施例及び比較例につき、5個のサンプルについてこの試験を行い、その結果、いずれのサンプルにもクラック及び界面の剥離が認められない場合を「A」、5個のサンプルのうちのいずれかに1箇所でもクラック又は剥離が認められた場合を「B」と評価した。
(4−5)フィラーのかみこみ評価
半導体装置を半導体チップのバンプ電極と基材の電極パッドとの接続部分を含む面で切断してから、断面を研磨した。この断面をSEMで観察し、その結果を次のように評価した。
A:はんだバンプと電極パッドとの間に無機フィラーの粒子が介在せず、あるいははんだバンプと電極パッドとの間に介在している無機フィラーの粒径が3μm未満である。
B:はんだバンプと電極パッドとの間に無機フィラーの粒径が介在するが、この粒子の最大粒径は3μm以上5μm未満である。
C:はんだバンプと電極パッドとの間に無機フィラーの粒径が介在し、この粒子の最大粒径が5μm以上である。
なお、図3Aは評価「A」である実施例5の場合の断面のSEM写真を示す。図3Bは評価「B」である比較例6の場合のフィラーのかみこみが認められた箇所の断面のSEM写真を示す。図3Cは評価「C」である比較例7の場合のフィラーのかみこみが認められた箇所の断面のSEM写真を示す。
(5)半導体装置(狭ピッチ)評価
サイズ7.3mm×7.3mm、バンプピッチ40μm、バンプ径26μm, バンプ数1352の半導体チップを用意した。半導体チップにおけるバンプ電極は、高さ15μmの銅製のピラーと、高さ10μmのはんだバンプを備え、はんだバンプは鉛フリーはんだ(Sn−3.5Ag:融点221℃)製であった。基材としては、Ni/Au電極を備えるシリコン製インターポーザを準備した。フリップチップボンダーのステージを60〜100℃の範囲に加熱した状態で、このステージ上に基材を固定した。この基材上に、封止用熱硬化性樹脂組成物3.0〜4.0mgをディスペンサーで塗布した。半導体チップをフリップチップボンダーのボンディングヘッドに保持させ、ボンディングヘッドを130℃に加熱した状態でボンディングヘッドをステージに近づけて、半導体チップを基材における封止用熱硬化性樹脂組成物が塗布されている位置に、半導体チップのバンプ電極と基材の電極パッドとを位置合わせしながら配置し、半導体チップを基材に0.5秒間押しつけた。続いて、ボンディングヘッドから半導体チップへ30Nの荷重をかけながら、ボンディングヘッドの温度を1.5秒間かけて260℃の最高到達温度まで上昇させた。続いて、ボンディングヘッドの温度を最高到達温度に2秒間保持してから、ボンディングヘッドによる半導体チップの保持を解除し、ボンディングヘッドをステージから離した。半導体チップを基材上に配置してからボンディングヘッドをステージから離すまでの時間を約4秒とした。これにより半導体装置を得た。
この半導体装置について、上記のボイド評価、導通評価、はんだの濡れ性評価、吸湿リフロー試験、及びフィラーのかみこみ評価を行った。
Figure 0006857837
Figure 0006857837
Figure 0006857837
1 半導体装置
2 基材
21 導体配線
3 半導体チップ
33 バンプ電極
42 封止材

Claims (16)

  1. 基板と、前記基板上にフェイスダウンで実装されている半導体チップとの間の隙間を封止するための封止用熱硬化性樹脂組成物であって、
    アクリル樹脂、無機フィラー、及び有機過酸化物を含み、
    イミド化合物を含有せず、
    前記アクリル樹脂は、五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有し、25℃で液状であるアクリル樹脂のみからなり、
    前記無機フィラーは、最大粒子径が10.0μm以下であり、
    前記アクリル樹脂と前記無機フィラーとの合計量に対して、前記アクリル樹脂が10〜40質量%の範囲内、前記無機フィラーが60〜90質量%の範囲内であり、
    前記有機過酸化物は、1分間半減期温度120〜190℃の範囲内の有機過酸化物のみからなり、
    前記封止用熱硬化性樹脂組成物は、更にフラックスを含有する
    封止用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 基板と、前記基板上にフェイスダウンで実装されている半導体チップとの間の隙間を封止するための封止用熱硬化性樹脂組成物であって、
    アクリル樹脂、無機フィラー、及び有機過酸化物を含み、
    イミド化合物を含有せず、
    前記アクリル樹脂は、五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有し、25℃で液状であるアクリル樹脂のみからなり、
    前記無機フィラーは、最大粒子径が10.0μm以下であり、
    前記アクリル樹脂と前記無機フィラーとの合計量に対して、前記アクリル樹脂が10〜40質量%の範囲内、前記無機フィラーが60〜90質量%の範囲内であり、
    前記有機過酸化物は、1分間半減期温度120〜190℃の範囲内の有機過酸化物のみからなり、
    B型回転粘度計を用いて、25℃、回転数50rpmの条件で測定される粘度が、1〜200Pa・sの範囲内である
    封止用熱硬化性樹脂組成物。
  3. 基板と、前記基板上にフェイスダウンで実装されている半導体チップとの間の隙間を封止するための封止用熱硬化性樹脂組成物であって、
    アクリル樹脂、無機フィラー、及び有機過酸化物を含み、
    イミド化合物を含有せず、
    前記アクリル樹脂は、五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有し、25℃で液状であるアクリル樹脂のみからなり、
    前記無機フィラーは、最大粒子径が10.0μm以下であり、
    前記アクリル樹脂と前記無機フィラーとの合計量に対して、前記アクリル樹脂が10〜40質量%の範囲内、前記無機フィラーが60〜90質量%の範囲内であり、
    前記有機過酸化物は、1分間半減期温度120〜190℃の範囲内の有機過酸化物のみからなり、
    前記無機フィラーの熱伝導率は20W/m・K以上である、
    封止用熱硬化性樹脂組成物。
  4. 基板と、前記基板上にフェイスダウンで実装されている半導体チップとの間の隙間を封止するための封止用熱硬化性樹脂組成物であって、
    アクリル樹脂、無機フィラー、及び有機過酸化物を含み、
    イミド化合物を含有せず、
    前記アクリル樹脂は、五員環及び六員環のうち少なくとも一方を有し、25℃で液状であるアクリル樹脂のみからなり、
    前記無機フィラーは、最大粒子径が10.0μm以下であり、
    前記アクリル樹脂と前記無機フィラーとの合計量に対して、前記アクリル樹脂が10〜40質量%の範囲内、前記無機フィラーが60〜90質量%の範囲内であり、
    前記有機過酸化物は、1分間半減期温度120〜190℃の範囲内の有機過酸化物のみからなり、
    前記無機フィラーは、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ホウ素及び炭化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の材料からなる、
    封止用熱硬化性樹脂組成物。
  5. B型回転粘度計を用いて、25℃、回転数50rpmの条件で測定される粘度が、1〜200Pa・sの範囲内である
    請求項1に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記無機フィラーの熱伝導率は20W/m・K以上である
    請求項1、2又は5に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記無機フィラーは、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ホウ素及び炭化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の材料からなる
    請求項1、2、3、5又は6に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記アクリル樹脂100質量部に対して、前記有機過酸化物は、0.2〜2.0質量部の範囲内である
    請求項1ないし7のいずれか一項に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  9. 220〜280℃の範囲内のいずれかの温度で加熱されることで、加熱開始時から10秒以内で硬化する
    請求項1ないしのいずれか一項に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  10. 前記無機フィラーの平均粒径は、0.1〜10.0μmの範囲内である
    請求項1ないしのいずれか一項に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  11. 前記無機フィラーの平均粒径は0.5〜4.0μmの範囲内である
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  12. 前記無機フィラーは、カップリング処理されている
    請求項1ないし11のいずれか一項に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  13. 導体配線を備える基材上に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物を配置し、
    前記基材上の前記封止用熱硬化性樹脂組成物が配置されている位置に、バンプ電極を備える半導体チップをフェイスダウンで配置するとともに、前記導体配線上に前記バンプ電極を配置し、
    前記封止用熱硬化性樹脂組成物及び前記バンプ電極に加熱処理を施すことで前記封止用熱硬化性樹脂組成物を硬化させて封止材を形成するとともに前記バンプ電極を融解させることで前記バンプ電極と前記導体配線とを電気的に接続することを含む
    半導体装置の製造方法。
  14. 基材と、前記基材にフェイスダウンで実装されている半導体チップと、前記基材と前記半導体チップとの間を封止する封止材とを備え、前記封止材が、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる半導体装置。
  15. 前記半導体チップは、複数のバンプ電極を備え、
    前記複数のバンプ電極は、前記封止材に埋まっており、
    前記複数のバンプ電極の相互間の最短ピッチは、5.0〜150μmの範囲内である、
    請求項14に記載の半導体装置。
  16. 前記半導体チップは、複数のバンプ電極を備え、
    前記複数のバンプ電極は、前記封止材に埋まっており、
    前記複数のバンプ電極の径は、3〜90μmの範囲内である、
    請求項14又は15に記載の半導体装置。
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