JP6857209B2 - 乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥装置に関し、特に有底筒状の缶体を乾燥する装置に適用するものに関する。
有底筒状の缶体を乾燥するインサイド・ベーク・オーブン(以下、IBOという)は、樹脂製又はステンレススチール製コンベアネットで缶体を一定量まとめて搬送して加熱処理するトンネルタイプオーブンである。例えば図14に示すIBO100のように、3つの領域(106,108,110)に分かれて加熱するタイプが主流である。前工程のインサイド・スプレーマシンで缶体内面に熱硬化性樹脂塗料が塗装された缶体104が、上部開口を上向きとした状態(以下、正置という)でIBO100に搬送される。
IBO100では、コンベアネット102上に正置された缶体104が平面視において千鳥状のパターンを形成し、予熱帯106、昇温帯108、保持帯110、冷却帯114の各領域を通過する。予熱帯106では、100℃程度で水、溶剤を蒸発させる。昇温帯108では、所定の温度に缶体104を到達させる。保持帯110では、樹脂を架橋反応させて分子構造を密にし、要求性能を満たす塗膜を形成する。要求性能を満たす塗膜を形成するために、例えば190℃×60secを確保する必要がある。保持帯110からエアシール112を経て、冷却帯114で缶温200℃近傍から冷却されて、次の工程へ搬送される。
IBO100の各領域には、コンベアネット102上に正置された缶体104の上方の所定位置に、ノズル本体116が設けられている。ノズル本体116は、缶体104を乾燥させるための気体を缶体104の縦方向に平行に吐出するスリットノズル117を備える。スリットノズル117は、缶体104の搬送方向に直交する方向、すなわちコンベアネット102の幅方向を長手方向とするスリット状の吐出口を有する。吐出口は、所定の幅(例えば3〜7mm)を有し、一定間隔(例えば75〜90mm等)で搬送方向に複数配置されている。スリットノズル117から吐出される気体は、レイノルズ数(以下、「Re数」)2000程度(吐出口で12〜16m/s)である。以上のように缶体104を乾燥する際、スリットノズル117が配備されているエリアにおいては、スリットノズル117から吐出される気体を缶内に吹き込ませる衝突噴流が、また、スリットノズル117が配備されていないエリアにおいては、自然対流熱伝達が採用されている。
IBO100は、熱風循環式により、図示しないが、気体として外気を吸気しバーナー加熱された熱風を、循環ファンにより循環させている。上記熱風は、上部の吹出ノズル118から吹出され、吹出ノズル118直後のパンチングプレート120と、スリットノズル117直前のパンチングプレート122を順に通過することによって、各領域の全体に分散、均圧化される。このようにしてスリットノズル117からは、均一な流速の熱風が吹き出る。
上記スリットノズルとして、特許文献1には、一対の波板を、互いの山部及び谷部が直交するように、離間して配置された渦流発生装置が開示されている。上記特許文献1によると、渦流発生装置によって生じた乱流状態にある空気が缶体に到達すると、缶体の周囲の気流の流れを乱し、缶体の表面に付着した水分を効率よく乾燥することができる。
特開平3−95385号公報
しかしながら上記特許文献1のスリットノズルは、吐出口の長手方向が、搬送方向と直交する方向に配置されているため、スリットノズルからの衝突噴流が間欠的に缶内に吹き込むような構成となっている。スリットノズルの間隔が缶外径より大きい場合、自然対流のみの熱伝達になるエリア(時間)があるので、常時衝突噴流が流れ込む系よりも乾燥効率が低くなる。また、スリットノズルの間隔が缶外径より小さい場合、二つの衝突噴流が流れ込むエリアがあることで、缶内流れが不安定になり、エネルギー消費量が増え、初期設備費用もかさむことが推定される。
本発明は、缶体内部を効率的に乾燥することができる乾燥装置を提供することを目的とする。
本発明に係る乾燥装置は、有底筒状に形成された缶体を搬送する搬送部と、前記缶体の上部開口に向かって気体を吐出するスリット状の吐出口を有するノズルとを備え、前記吐出口の長手方向が搬送方向と平行であることを特徴とする。
本発明に係る乾燥装置において、前記吐出口は、前記缶体の中心から前記搬送部の幅方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る乾燥装置において、前記吐出口の幅方向の中心と前記缶体の中心の間の距離をD、前記缶体の半径をrとした場合、前記吐出口は(r/3)≦D<rの範囲内に配置されているのが好ましい。
本発明に係る乾燥装置において、前記缶体の中心を挟んで前記吐出口が配置された側と反対側に、前記気体を吸引する吸引口が設けられているのが好ましい。
本発明に係る乾燥装置において、前記搬送部は、前記缶体を搬送方向に一列に整列させる整列機構を有するのが好ましい。
本発明に係る乾燥装置において、前記ノズルは、所定の間隔を開けて対向して配置された一対のノズル壁と、前記ノズル壁の先端に前記吐出口を備え、前記ノズル壁の先端側に互いのノズル壁に向かって突出した複数の突起を有するのが好ましい。
本発明によれば、吐出口の長手方向が、搬送方向と平行に配置されているので、缶体の上部開口が熱風に継続的に曝されるため、缶体内部を効率的に乾燥することができる。
本実施形態の乾燥装置の全体構成を示す模式図である。 本実施形態の乾燥装置に用いられるノズルの斜視図である。 上記ノズルの平面図である。 上記ノズルの作用の説明に供する断面図である。 上記ノズルの変形例を示す斜視図である。 実験装置の構成を模式的に示す斜視図である。 実験装置の部分拡大図である。 実施形態のノズルを通過した気体を撮影した可視化画像であり、図8Aはノズルが缶体の左側面付近、図8Bはノズルが缶体の中央左寄り、図8Cはノズルが缶体の中央右寄り、図8Dはノズルが缶体の右側面にある場合の、可視化画像である。 図8の各図に対応した缶体とノズルの位置を示す平面図であり、図9Aはノズルが缶体の左側面のD=rの位置、図9Bはノズルが缶体の中央左寄りのD=(r/3)の位置、図9Cはノズルが缶体の中央右寄りD=(r/3)の位置、図9Dはノズルが缶体の右側面のD=rの位置の平面図である。 ノズルの位置がD=0の場合の缶体の温度変化を示すグラフである。 ノズルの位置がD=(4r/5)の場合の缶体の温度変化を示すグラフである。 温度及び速度のコンター図である。 ノズルの位置と、缶体の温度差との関係を示すグラフである。 従来の乾燥装置の全体構成を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る乾燥装置1について図1を参照して説明する。有底筒状の缶体104を乾燥する乾燥装置1は、樹脂製またはステンレススチール製のコンベアネット102で缶体104を一定量まとめて搬送して加熱処理するトンネルタイプオーブンである。乾燥装置1は、3つの領域に分かれて加熱する。前工程のインサイド・スプレーマシンで缶体内面に熱硬化性樹脂塗料が塗装された缶体104が、上部開口105が上向きである正置した状態で乾燥装置1に搬送される。
乾燥装置1は、上流から、昇温帯108、保持帯110、冷却帯114が搬送方向に沿って順に設けられている。そして、必要に応じ昇温帯108の前方に予熱帯106が設けられる。搬送部としてのコンベアネット102上に正置された缶体104は、平面視において格子状に配置され、予熱帯106、昇温帯108、保持帯110、冷却帯114の各領域を通過する。予熱帯106では、100℃以下で水、溶剤を蒸発させる。昇温帯108では、所定の温度に缶体104を到達させる。保持帯110では、樹脂を架橋反応させて分子構造を密にし、要求性能を満たす塗膜を形成する。要求性能を満たす塗膜を形成するために、例えば190℃×60secを確保する必要がある。保持帯110からエアシール112を経て、冷却帯114で缶温200℃近傍から冷却されて、次の工程へ搬送される。
乾燥装置1の各領域には、コンベアネット102上に正置された缶体104の上方の所定位置に、ノズル本体10Aがそれぞれ設けられている。ノズル本体10Aは、缶体104の縦方向に平行に気体を吐出するノズル(後述する)を備える。本明細書において平行とは、完全に平行である状態に限定されず、完全に平行な状態からわずかに傾いた状態を含む。
乾燥装置1は、熱風循環式により、図示しないが、缶体104を乾燥する気体として外気を吸気し、100℃〜255℃程度にバーナー加熱された熱風を、循環ファンにより循環させている。上記熱風は、上部の吹出ノズル118から吹出され、吹出ノズル118直後のパンチングプレート120と、ノズル11直前のパンチングプレート122を順に通過することによって、各領域の全体に分散、均圧化される。このようにしてノズルからは、均一な流速の熱風が吹き出る。なお、乾燥装置1の基本的な構成は、図1に示した例に限定されるものではなく、いわゆる衝突噴流を用いる他の形態にも適用できる。
図2に示すように、ノズル本体10Aは、ノズル11が設けられている。ノズル11は、図2の場合1つを図示しているが、実際はコンベアネット102の幅方向に、所定の間隔をあけて、複数設けられている。ノズル11は、所定の間隔(例えば3〜7mm)を開けて対向して配置された一対のノズル壁12,14を備える。図2において、搬送方向はx方向、搬送部としてのコンベアネット102の幅方向はy方向、コンベアネット表面に垂直な方向はz方向とする。
ノズル11は、パンチングプレート122(図1)を通過した熱風を一方向へ導く流路を有する。当該流路は、ノズル壁12,14の間に形成された扁平形状である。一方向は、熱風の吐出方向である。図2の場合、一方向は、図中矢印方向(z方向)であり、上部開口105を上向きとして正置された有底筒状の缶体104の中心軸に平行な方向である。ノズル11の一方向の長さは、適宜選択することができる。
本実施形態の場合、ノズル壁12,14は、所定の間隔を開けて配置された一対の平板で形成されている。ノズル壁12,14同士は、基端において天板13に一体化されている。ノズル本体10Aは、天板13を挟んでノズル11が形成されている。ノズル11の基端は、パンチングプレート122を通過した熱風の入口である。
缶体104は、搬送方向に一列に整列した状態で搬送される。乾燥装置1は、コンベアネット102の上流側に、缶体104を搬送方向に一列に整列させる整列機構(図示しない)を有するのが好ましい。整列機構を有することにより、乾燥装置1の上流の工程から平面視において千鳥状に配置された状態で搬送されてくる缶体104を、一列に整列させることができる。
ノズル11の先端は、缶体104の上部開口105に向かって熱風を吐出する、熱風の出口である吐出口15が設けられている。吐出口15は、スリット状の開口を有する。ノズル11は、吐出口15の長手方向を搬送方向(x方向)と平行、すなわちコンベアネット102の長手方向に対して平行に配置されている。吐出口15の幅方向の長さは、缶体104の半径より短い。ノズル11の入口と吐出口15を結ぶ流路は、一方向から見て扁平形状である。当該流路の開口面積は、吐出口15の直前まで一定であるのが好ましい。図2の場合、流路および吐出口15は、一方向から見た形状が長方形状である。ノズル11から吐出される熱風は、所定のRe数、例えば、2000程度(吐出口で12〜16m/s)である。以上のように缶の乾燥においては、ノズル11から吐出される熱風を缶体104に吹き込ませる、いわゆる衝突噴流が採用されている。
図3に示すように、前記吐出口15は、缶体104の中心からコンベアネット102の幅方向にずれた位置に配置されているのが好ましい。缶体104の中心とは、中心軸方向から見たときの円形状の缶体104の中心をいう。吐出口15の位置は、缶体104の中心を含まず、缶体104の中心を通るy方向の直線と缶体胴部の交点までの範囲で選択することができる。図3の場合、吐出口15は、缶体104の中心からコンベアネット102の幅方向(y方向)左側にずれた位置に配置されている。
吐出口15の幅方向の中心と、缶体104の中心の間の距離をD、前記缶体104の半径をrとした場合、吐出口15は、コンベアネット102の幅方向(y方向)であって(r/3)≦D≦(2r/3)の範囲に配置されるのが好ましい。吐出口15が上記範囲内に配置されていることにより、吐出口15から吐出された熱風は、大半が缶体104内へ送り込まれ、後述するコアンダ効果によって、缶体104の胴部内面に沿って直進し、缶体104の内部へ容易に進入することができる。
なお、図3では、吐出口15は、缶体104の中心からコンベアネット102の幅方向(y方向)左側にずれた位置に配置されている場合について説明したが、幅方向(y方向)右側にずれていてもよいことはもちろんである。
吐出口15は、(r/3)≦D<rの範囲に配置されるのが好ましい。吐出口15は、(r/3)≦D<rの範囲に配置されることによって、缶体104内に進入した熱風が、後述するコアンダ効果によって、胴部内面に沿ってより確実に直進するので、缶体104の全体をより均一に加熱することができる。吐出口15は、(3r/5)≦D<rの範囲に配置されるのが、より好ましい。
乾燥装置1は、吐出口15に対し缶体104の中心を挟んで反対側に、吸引口21を設けてもよい。吸引口21は、図示しないが、配管を通じて循環ファンに接続される。吸引口21は、吐出口15と同様、スリット状の開口を有し、長手方向がコンベアネット102の長手方向と平行となるように配置されている。吸引口21と缶体104の中心の間の距離は、上記Dと同じでもよいし、異なっていてもよく、適宜選択することができる。
次に、乾燥装置1の作用及び効果について説明する。乾燥装置1では、コンベアネット102上を搬送方向に一列に整列した状態で缶体104が搬送される。缶体104は、コンベアネット102の幅方向に複数列配列され、全体として格子状に配列される。上方の所定位置に配置された吐出口15から缶体104の上部開口105に向かって熱風が吐出される。吐出口15の長手方向が、搬送方向と平行に配置されているので、缶体104の上部開口105が熱風に継続的に曝されるため、缶体内部を効率的に乾燥することができる。
吐出口15から吐出された熱風は、図4に示すように、吐出口15が缶体104の中心から幅方向(y方向)にずれた位置に配置されていることにより、缶体104の胴部内面に沿って直進し、缶体104の内部へ容易に進入することができる。缶体104の内部へ進入した熱風は、一部が吐出口15の長手方向に平行な方向を軸とする横渦となって缶体104中心部へそれながら、残部がコアンダ効果によって缶体104内面に沿って、缶体底部に到達する。缶体底部に到達した熱風は、反対側の胴部内面に沿って上昇する。
本実施形態に係る乾燥装置1は、熱風を缶体104の内部へ容易に進入させることができるので、缶体104の内面を効率的に乾燥することができる。吐出口15を(r/3)≦D≦(2r/3)の範囲に配置することにより、吐出口15から吐出された熱風をより確実に缶体104の内部へ容易に進入させることができる。
乾燥装置1は、吐出口15を(r/3)≦D<rの範囲に配置することによって、缶体104の全体をより均一に加熱することができる。吐出口15は、(3r/5)≦D<rの範囲に配置されることによって、缶体104における温度差をより低減することができる。
缶体104は、長手方向が搬送方向に平行に配置された吐出口15の下を、缶体104が搬送方向に一列に整列した状態で搬送される。乾燥装置1は、缶体104に進入する熱風の流量が一定であるため、缶体104が継続的に熱風に曝されるため効率的に乾燥することができる。
上記のようにノズル11を配置することにより、缶体104の上部開口105から缶体内部へ継続的に熱風を供給することができ、さらに供給された熱風が効率的に缶体内面に沿って底部へ到達する。したがって缶体104は、接触した熱風によって熱せられるので、効率的に乾燥される。特に缶体104が、アルミニウムで形成されている場合、熱伝達率が高いので、より効率的に乾燥される。
従来の乾燥装置100の場合、吐出口の長手方向をコンベアネットの幅方向に平行となるように配置しているので、缶体に進入する熱風の流量の変化が大きく、缶体の上部開口が熱風に曝されるのが間欠的であるため、効率的とはいえない。吐出口のないエリアでは、基本的に自然対流による熱伝達のみで、いわゆる蒸し焼き状態である。実際のコンベアネット上の缶体は、格子状ではなく千鳥状に配列された稠密状態で搬送される。従って、格子状に配列された缶群よりも千鳥状に配列された缶群の方が流体抵抗として大きくなる。吐出口から吐出された熱風の流速は缶体の上部開口付近で急速に減速し、上記熱風は缶群のない部分に流れやすくなると考えられる。上記熱風を、缶体内面や、缶体と缶体の間に強制的に供給するには、缶体の転倒を抑止しながら流速を上げる必要があり、現実的ではない。缶体内面や、缶体と缶体の間に熱風が供給されないことによって、缶体を効率的に加熱することが難しく、缶体上部と下部の間の温度差が大きくなる。この結果、缶体は、内面の塗料の焼き付けムラや溶剤の残留、の抑制が十分でない状態となる。したがって従来は、搬送速度を落としたり、設備を長くしたりして、乾燥時間を長くしなければならなかった。
これに対し、本実施形態の場合、乾燥装置1の入り口で缶体104を格子状に配列することで、缶体104と缶体104の隙間を広げる。長手方向が搬送方向に平行に配置された吐出口15から吐出された熱風は、缶体104と缶体104の隙間と、缶体104内とにそれぞれ流れ込む。缶体104と缶体104の隙間が広いので、上記隙間に熱風が流れ込みやすい。上記熱風によって、缶体104は外面からの強制対流熱伝達の効果が寄与される。
缶体104内に流れ込んだ熱風は、吐出口15が缶体104の中心から幅方向(y方向)にずれた位置に配置されていることにより、缶体104内においてコアンダ効果が生じやすい。上記熱風は、コアンダ効果によって、いわゆる壁面噴流となる。壁面噴流は、自由噴流よりも拡散が抑制されるので、流速が低下しにくく、噴流の中心速度は維持される。従って、缶体104内の壁面噴流は、缶底まで達し、缶上部へ吹き上げる流れを形成する。缶体104内面の塗料の焼き付けのプロセスでは、塗料の架橋反応と共に水や溶剤の蒸発・揮発を伴う。上記壁面噴流は、これらの溶媒が缶体104内で滞留することを抑制し、効率よく物質移動させる。缶底に達した壁面噴流は、溶媒を含んで缶上部へ吹き上がっていくので、この噴流を回収することで、物質移動をさらに促進することができる。
格子状に缶体104を配列することによって時間当たりの缶体104の搬送数量が従来に比べ減少する。しかしながら、本実施形態の乾燥装置1は、熱伝達率及び物質移動効率を向上させた分、コンベアネットの搬送速度を上げることによって、時間当たり搬送数量を減らすことなく処理することができる。以上より、本実施形態は、熱伝達率及び物質移動効率を向上することによって、缶体104の塗膜の品質を向上できると共に省エネルギー化を実現することができる。
上記実施形態の場合、流路および吐出口15は、一方向から見た形状が長方形状である場合について説明したが、本発明はこれに限らない。図5に示すノズル本体10Bは、ノズル23が設けられている。ノズル23は、ノズル壁12,14の先端側、図5の場合、先端27,28に互いのノズル壁12,14に向かって突出した複数の突起31を有する。突起31は、櫛歯状であって、吐出口25の長手方向に沿って複数形成されている。図5に示す突起31は、一方向から見た形状が四角形状である。突起31同士の間は凹部32が形成されている。凹部32は、突起31と同様、四角形状である。
上記のようなノズル23を通過した熱風は、突起31同士の間の凹部32を通過することにより、一方向の軸を有する縦渦となることで、直進性が増す。本変形例に係る吐出口25は、吐出口25の長手方向が、搬送方向と平行に配置されているので、缶体104の上部開口105に熱風を継続的に供給できるため、缶体内部を効率的に乾燥することができる。
吐出口25は、缶体104の中心から幅方向(y方向)にずれた位置に配置されることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また上記ノズル23を備えた乾燥装置1は、当該ノズル23が突起31を有することにより、直進性が向上した熱風を吐出口25から吐出することができるので、より効率的に缶体104内部を乾燥することができる。ノズル23に突起31を設け、強制的に縦渦を発生させることによって自由噴流の大規模渦列を抑制することができる。ノズル23を通過した熱風は、突起のないノズルを通過した熱風に比べ、吐出口の流速が保たれる領域(速度ポテンシャルコア)を伸ばすことができ、レイノルズ数を大きくすることと等価の効果が得られる。上記突起31は、四角形状である場合に限られず、三角形状でもよい。
図5の場合、ノズル壁12に形成された突起31と凹部32は、ノズル壁14に形成された突起31と凹部32と同じ位置に形成されているが、本発明はこれに限らない。例えば、ノズル壁12に形成された突起31と凹部32は、ノズル壁14に形成された突起31と凹部32と、吐出口15の長手方向にずれていてもよく、ノズル壁12に形成された突起31に対応した位置にノズル壁14に凹部32が形成されていてもよい。
図5の場合、ノズル壁12,14の先端27,28に複数の突起31を有する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。突起31は、圧力損失による熱風の直進性が著しく低下しない程度の範囲内で、吐出口25の入口方向へずれた位置に形成してもよい。
上記実施形態の場合、乾燥装置1は、コンベアネット102の上流側に、缶体104を搬送方向に一列に整列させる整列機構(図示しない)を有する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。整列機構は、乾燥装置1とは別に、乾燥装置1の上流側に設けることとしてもよい。
実際に上記実施形態に係る吐出口の配置の有効性を検証した結果を以下に説明する。まず図6に示す実験装置124を用意した。当該実験装置124は、上部の吹出ノズル118、パンチングプレート120、ノズル本体10Aを介して、気体が缶体104に吐出される。気体は、レイノルズ数を2000、吐出口15における流速を6m/sとした。缶体104は、リニアガイド34によって、吐出口15の長手方向に直交する方向に移動可能に保持されている。缶体104の移動速度は、2.40cm/sとした。
粒子イメージ流速計測法(Particle Image Velocimetry)により、吐出された気体の流れを撮影した。具体的には、CCDカメラ36を用いて、ノズル11から吐出された気体の流れを撮影した。トレーサーとしてオイルミスト(平均粒径1μm、比重s≒1.05)を用いた。光源38は、Nd:YAGレーザ(最大出力200mJ)であり、図6の位置よりレーザーシートを照射した。
缶体104(図7)は、透明樹脂で形成した、直径66mm、高さ123mmの上部開口を有する有底筒状体を用いた。ノズル11は、一方向の長さを30mm、吐出口15の幅方向長さを5mm、缶体を載せた台と天板13までの距離を190mmとした。CCDカメラ36を用いてノズル11から吐出された気体の流れを撮影した結果を図8に示す。図9は、図8の各図に対応した缶体104と吐出口15の位置を示す平面図である。
各画像の右下には、缶体104の左側胴部と、吐出口が一致した時点からの経過時間を示す。図8A、8Dに示すように、缶体胴部の近傍では、吐出口15から吐出された気体は、一方向へ直進し、コアンダ効果により缶体胴部内面に沿って、缶体内部に進入している。
図8B、8Cに示すように、吐出口15が、缶体104の中心からの距離Dが9mm(図8B)、及び7.8mm(図8C)の位置では、吐出口15から吐出された気体は、コアンダ効果により缶体胴部へ向かいながら、缶体内部へ入りこんでいることが確認された。また、図9B,9Cに示すように、吐出口15と上部開口105の重なりが大きく、吐出口15から吐出された気体のほとんどを缶体内部へ送り込むことができるので、効率的といえる。
上記の結果から、吐出口15が、少なくとも(r/3)≦Dの位置では、吐出口15から吐出された気体は、缶体胴部へ向かいながら、上部開口105から缶体内部へ入りこむ。吐出口15から吐出された熱風を効率的に缶体内部へ送り込むには、吐出口15と上部開口の重なりを相当程度大きくする必要があるため、D≦(2r/3)であるのが好ましいといえる。
実際に上記実施形態に係る吐出口の配置と、缶体の加熱温度との関係を検証した結果を以下に説明する。噴流源としてヒートガン((株)石崎電機製作所製 SUREプラジェットPJ−214A)を用いた。高さ135mm、内径約50mmの缶体に対し、缶体の上端から約20mmの上方の位置にノズルを配置した。ノズルは開口幅3mm、長さ約50mmの吐出口を有する平面ノズルを用いた。当該ノズルから、風速約15m/s、温度約300℃、レイノズル数約1400の熱風を吐出した。缶体の中心から吐出口の中心までの距離Dを変えながら、缶体の底面から8mmの位置(ボトム)、底面から68mmの位置(ミドル)、底面から127mmの位置(トップ)の温度を測定した。温度は、缶体を中心軸方向から見てa,b,cの各地点で測定した。地点aは、缶体の中心を通りノズルの長手方向に直交する直線と缶体の胴部の一方の交点である。地点cは、缶体の中心を挟んで地点aに対向する缶体胴部の他方の交点である。地点bは、缶体の中心を通りノズルの長手方向に平行な直線と缶体の胴部の一方の交点である。
図10は距離Dが0の位置(缶体の中心位置)に吐出口を配置した場合の結果を示す。グラフは、横軸が時間(s)、縦軸が温度(℃)、曲線がそれぞれボトム、ミドル、トップにおける測定温度の変化を示す。地点a(=c),地点bのいずれにおいても、ボトムの温度が最も低く、特に地点aにおけるトップとボトムの熱風の吐出開始から120秒後の温度差は、40.3℃であることが確認された。図12は、熱風の吐出開始から40秒後の温度と速度のコンター図を示す。距離D(ノズル位置)が0の場合における温度コンター図では、缶体のトップが最も温度が高く、次いでミドルが高く、ボトムが最も温度が低いことが示されている。速度コンター図に認められるように、ノズルから吐出された熱風の速度は、缶体のミドルで急速に低下していることが分かる。この結果は、図10の結果と整合しており、吐出口が缶体の中心位置にあるとき、吐出口から吐出された熱風は、缶体の底部まで到達していないため、ボトムとトップの温度差が大きくなると考えられる。
図11は距離Dが4r/5(=0.8r)の位置に吐出口を配置した場合の結果を示す。各グラフは、横軸が時間(s)、縦軸が温度(℃)、曲線がそれぞれボトム、ミドル、トップにおける測定温度の変化を示す。吐出口が最も近い地点aにおいては、トップの温度が最も高いが、地点bでは熱風の吐出開始から120秒後の温度差が3.5℃と小さく、吐出口から最も離れた地点cではミドル及びボトムがトップの温度より高温であった。図12の温度コンター図から明らかなように、距離Dが4r/5の場合、トップ、ボトム、ミドルの全体にわたって温度が高いことが示されている。速度コンター図に認められるように、吐出口から吐出された熱風は、缶体胴部内面に沿って、缶体内部に進入し、底部で折り返して、反対側の缶体胴部内面に沿って上昇していることが分かる。この結果は、図11の結果と整合しており、吐出口を缶体の中心よりずれた位置に配置することによって、吐出口から吐出された熱風を缶体の底部まで到達させることができ、ボトムとトップの温度差が小さくなると考えられる。
図13に、缶体の中心から缶体までの距離Dと、各地点におけるボトム、ミドル、トップの温度差との関係を示す。図13から、吐出口を缶体の中心に配置した場合(距離D=0)、温度差が最も大きいことが確認された。温度差は、吐出口が缶体の中心からずれていくにしたがって小さくなり、距離Dが4r/5(=0.8r)のとき最も小さくなることが示された。
1 乾燥装置
10A,10B ノズル本体
11 ノズル
12,14 ノズル壁
15 吐出口
21 吸引口
23 ノズル
25 吐出口
31 突起
100 乾燥装置

Claims (6)

  1. 有底筒状に形成された缶体を搬送する搬送部と、
    前記缶体の上部開口に向かって気体を吐出するスリット状の吐出口を有するノズルと
    を備え、
    前記吐出口の長手方向が搬送方向と平行である
    ことを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記吐出口は、前記缶体の中心から前記搬送部の幅方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記吐出口の幅方向の中心と前記缶体の中心の間の距離をD、前記缶体の半径をrとした場合、前記吐出口は(r/3)≦D<rの範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
  4. 前記缶体の中心を挟んで前記吐出口が配置された側と反対側に、前記気体を吸引する吸引口が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の乾燥装置。
  5. 前記搬送部は、前記缶体を搬送方向に一列に整列させる整列機構を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の乾燥装置。
  6. 前記ノズルは、所定の間隔を開けて対向して配置された一対のノズル壁と、前記ノズル壁の先端に前記吐出口を備え、前記ノズル壁の先端側に互いのノズル壁に向かって突出した複数の突起を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の乾燥装置。
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