図1以下に示すように、避難装置は、上階側の床1に開設された開口に嵌合固定されて避難用開口2を形成するケース2aと、避難用開口2を閉塞するための蓋体21と、下階の床面3上に立設され、上端が上記避難用開口2に固定されるガイド支柱14と、昇降台4とを有する。
昇降台4は、図1に示すように、避難用開口2内に保持される待機位置と、この待機位置からガイド支柱14に沿って降下して下階床面3上に着地する避難位置との間で昇降駆動される。
上記ガイド支柱14は適宜の座屈強度を有する中空パイプ体であり、例えばアルミニウムを押し出し成形して形成される。このガイド支柱14の下端部は下階の床スラブに、上端部はケース2aに固定される。
また、ガイド支柱14の一側壁面にはラック溝14aが形成される。図1に示すように、ラック溝14aは、ステンレス等の高強度の板材に所定ピッチで凹部14bを形成したもので、ガイド支柱14のほぼ全長にわたって形成される。
さらに、この場合、図3A、3Bに示すように、ケース2aの周縁の下端に凹部2bを形成すると、昇降台4が退避位置から上昇して待機位置に到達した際の下蓋とケース2a下縁との衝突音の発生を防ぐことができる。
さらに、図4、5に示すように、ガイド支柱14の中空部には、図外のワイヤにより吊り下げられる重錘22が収容されており、昇降台4が下階に到達した後、利用者が昇降台4を降りると、重錘22の重量により昇降台4は待機位置に復帰する。
図6に示すように、昇降台4は、車椅子23の利用者が乗ることができるような十分な広さ、および耐荷重を有するように形成されており、車椅子23は、図4、6において左側の後縁部から中央部の車椅子搭載エリア4aに乗り込むことができる。車椅子搭載エリア4aの斜め後方には、介助者が乗るための補助スペース4bが形成される。
なお、本明細書において、車椅子23の進行方向(図4における右側)を「前方」、乗り込み側を「後方」、図において上下方向を「側方」とする。
図4、5に示すように、この昇降台4の各側辺部には、上記ガイド支柱14が挿通する支柱挿通開口4cが開設され、支柱挿通開口4cを挟んだ前後には昇降台4の降下速度を低下させるための緩降装置24が搭載される。緩降装置24の回転軸24aには上記ガイド支柱14の凹部14bに噛合するピニオン24bが固定されており、該ピニオン24bの回転数を緩降装置24により減速することにより昇降台4の降下速度が低減される。
また、昇降台4にはガイド支柱14の前後方向壁面、および外側の側壁面に当接するローラ4dが配置されており、昇降時のぐらつき等が規制される。
さらに、昇降台4の前縁部には、手摺25が配置される。手摺25は、パイプ体を折り曲げて形成され、横杆25aと、横杆25aの両端から直角方向に延びる縦杆25bとを有してU字形状に形成される。この手摺25の昇降台4への装着は、各縦杆25bの自由端部を昇降台4に固定される手摺ブラケット26に回転自在に連結して行われる。
上記手摺25は、図1に示すように、昇降台4の表面に沿う倒伏姿勢と、図2に示すように、横杆25aが上方に引き上げられた起立姿勢との間を回転移動することができる。手摺25は、起立姿勢側に付勢されており、蓋体21を閉塞することにより倒伏姿勢を保持し、蓋体21の開放操作に伴って自動的に起立姿勢に移行する。
図7、8に手摺25の詳細を示す。図8に示すように、手摺25の各縦杆25bは下端部をロック操作片25cとして機能させるために、下端からやや上方位置において手摺ブラケット26に連結され、トーションスプリング27により起立姿勢側、すなわち、図8における時計回り方向の付勢力が与えられる。
手摺ブラケット26には、図8に示すように、後述するロック位置、ロック解除位置、および仮保持位置間を連結する長孔状の移動通路26aが形成され、両方の手摺ブラケット26間に橋渡される杆状の手摺ロック体28の両端が移動通路26aに挿入される。
上記ロック位置は図9Cに示すように、手摺25が起立姿勢にあるとき、手摺ロック体28がロック操作片25cの倒伏姿勢側への移動経路を閉塞する位置に設けられ、図9Bにおいて手摺ロック体28が位置するロック解除位置は、手摺ロック体28がロック操作片25cの移動軌跡に干渉しない位置に設けられる。
また、図9Dにおいて手摺ロック体28が位置する仮保持位置は、ロック解除位置から後方に向けて延設され、ロック操作片25cの移動軌跡に干渉しない非干渉経路26bの終端をロック操作片25cの移動軌跡との干渉領域に再び進入させた位置に設けられ、本例では、手摺ロック体28が嵌合可能な切欠状の凹部26cを手摺25の回転中心方向に延ばして形成される。
さらに、上記手摺ロック体28の移動通路26a内での位置を決定させるために、手摺ロック体28には、一端が手摺25の回転中心(C25)に固定される第1引張スプリング29と、一端が手摺ブラケット26の前端部に固定される第2引張スプリング30が連結される。
したがって、本例において、蓋体21を開放すると、手摺25は、図8に示す倒伏姿勢からトーションスプリング27の復元力により起立姿勢側に移動する。起立姿勢への移行に伴って、まず、図9Aに示すように、ロック操作片25cはロック位置に保持されている手摺ロック体28に干渉し、さらに起立姿勢側に移動するに伴って、図9Bに示すように、手摺ロック体28をロック解除位置側に押し出す。
この後、さらに手摺25が起立姿勢側に移動すると、手摺ロック体28は第1、第2引張スプリング29、30の復元力により図9Cに示すように、ロック位置に復帰する。
手摺25が起立姿勢にあるとき、ロック位置にある手摺ロック体28は、図9Cに示すように、ロック操作片25cの倒伏位置方向への移動を移動通路の壁面により規制することから、手摺25に倒伏方向の力を加えても手摺25が倒れることはない。
この状態から、図9Dに示すように、手摺ロック体28をロック解除位置を超えて仮保持位置まで移動させると、手摺ロック体28は、第1引張スプリング29により仮保持位置の終端壁に押し付けられるとともに、第2引張スプリング30の付勢力によるロック位置方向の移動が凹部26cの壁面により形成されるストッパ壁26dにより遮られる結果、仮保持位置から離脱することがない。
また、図4、5に示すように、手摺ロック体28の中心部は昇降台4の後方に開放されているために、該手摺ロック体28の中心部を後方に向けて押し込むだけで、手摺ロック体28は、非干渉経路26bの終端に移動し、この後、押し込み操作を終了すると、第1引張スプリング29の復元力により仮保持位置に移動させることができる。
さらに、図9Dの状態、すなわち、手摺25が起立位置にあり、かつ、手摺ロック体28が仮保持位置にある状態から手摺25を倒伏させると、手摺ロック体28は、ロック操作片25cにより仮保持位置から非干渉経路26bに押し出され、その後、第2引張スプリング30の復元力によりロック位置に引き戻される。
したがって、本例において、避難装置の使用後、昇降台4が待機位置に復帰した状態で手摺ロック体28を仮保持位置に移動させ、次いで、蓋体21を閉塞させるだけで手摺25を倒伏位置に移動させることができる。
本例においてトーションスプリング27の一端は図8に示すように、手摺ブラケット26の昇降台4への取付片26eを貫通して昇降台4内に挿入されているが、図10A、10B、10Cに示すように、手摺ブラケット26の後部折返し片26fに係止させることもできる。
なお、以後の各実施例において、上述した実施の形態と実質的に同一の構成要素は図中に同一符号を付して説明を省略する。
以上の手摺25には、後述するロック部材9を操作するためのロック操作部10が配置される。ロック操作部10は、手摺25の横杆25aの中心部に設けられ、車椅子23に乗った被介助者の不自由でないいずれの上肢でも操作できるように、あるいは介助者がいずれの補助スペース4bに乗っても被介助者の肩越しに操作することができるように、横杆25aの中心位置に対して対称位置に一対設けられる。
これらロック操作部10のいずれを操作しても、後述するインナーワイヤ15bを同期させて作動させることができるように、一対のロック操作部10には互いに噛合するギア状部20が形成される。
また、各ロック操作部10は、被介助者が腕をロック操作部10上に載せて体重をかけるだけで操作することができるように、あるいは介助者が被介助者の肩越しに押し込むだけで操作することができるように、図6、11に示すように、レバー形状で、かつ、下方向に押し下げることによりロック部材9のロック解除操作が行えるように配慮される。
これらロック操作部10によるロック部材9の操作はアウターケーブル15a内にインナーワイヤ15bを移動自在に挿通させたワイヤ装置15を使用して行われ、図11、12A、12Bに示すように、回転中心(C10)周りに回転操作可能な各ロック操作部10には各々インナーワイヤ15bが連結される。
ワイヤ装置15をプル仕様として使用するために、インナーワイヤ15bは連結対象のロック操作部10と反対側のロック操作部10内に挿通させる。ロック操作部10に連結されたワイヤ装置15は、図11に示すように、パイプ状の手摺25に開設したワイヤ導入開口25dから手摺25の内部空間内に引き込まれた後、図5に示すように、再びワイヤ導出開口25eから手摺25外部に引き出され、昇降台4の表面上適宜高さで手摺25の縦杆25bに沿うようにして配索されて後述する変換部16に連結される。
さらに、昇降台4の車椅子搭載エリア4aの後端部にはフラップ31が回転軸(C31)周りに上下方向に回転自在に連結され、さらに、その後方には昇降台4が下階床面3に着地した状態で下階床面3との段差を吸収するための傾斜面32が形成される。
後述するように、上記フラップ31は下階床面3への着地とともにロックが解除されて下方への回転が許容されるように形成されており、下階床面3に着地した後、車椅子23を後退させると、フラップ31が押し下げられるように回転して自由端部が傾斜面32上に乗り上げ、そのまま下階床面3に進むことができる。
また、上階側の待機位置において車椅子23の搭載を容易にするために、避難用開口2にはスロープ体33が連結される。
図6に示すように、スロープ体33は、車椅子23が通ることができる程度の幅寸法を有する板体であり、図13に示すように、自由端部が昇降台4上に乗り上げたセット位置と、図14に示すように、避難用開口2から吊り下がった状態の吊下姿勢との間で回転中心(C33)周りに回転する。
このスロープ体33の自由端にはセットローラ34と、支承ローラ35とが連結される。図13に示すように、セット位置において支承ローラ35は傾斜面34上に乗り上げてスロープ体33上を通過する車椅子23の荷重を負担する。
また、図13に示すように、上述したフラップ31は昇降台4が待機位置にあるとき、スロープ体33の自由端上に乗り上がった状態となっており、この状態で上階側床面1と昇降台4の表面との間にはスロープ体33が架け渡されて上階側床面1と昇降台4表面との間の段差が解消される。
この状態で昇降台4が降下すると、図14に示すように、傾斜面32による支えを失ったスロープ体33は自重により下方に回転して吊下姿勢に移行する。
上記セットローラ34はスロープ体33が吊下姿勢にあり、上昇してきた昇降台4の補助スペース4b内端部上面に当接したときにスロープ体33にセット位置方向、すなわち、図14において反時計回りの回転操作力を発生させるように配置される。
したがって本例において、昇降台4が降下後、再び待機位置側に移動すると、まず、セットローラ34が昇降台4の補助スペース4b内端部上面に当接し、スロープ体33が昇降台4と上昇するとともにセット位置に復帰し、図13に示す初期状態に復帰する。
また、昇降台4とセットローラ34が衝接した際の衝撃を吸収するために、避難用開口2とスロープ体33の裏面との間にはダンパ36が介装される。
上記フラップ31は、上述したように、昇降台4の車椅子搭載エリア4aの後端部に上下方向回転自在に連結され、図14に示す起立姿勢と、自由端が傾斜面32に乗り上げた倒伏姿勢との間で回転し、回転軸(C31)に巻装されるトーションスプリング31aにより起立姿勢側に付勢される。フラップ31の起立姿勢における角度は、フラップ31の前後方向の長さ寸法を考慮して、昇降台4上の車椅子23の車輪止めとして機能する程度に決定される。
上記フラップ31は、フラップロック部37により起立姿勢の維持が制御され、昇降台4の昇降時、すなわち、待機位置と下階床面3への着地時以外ではロック状態となって起立姿勢が保持され、昇降台4の昇降終端位置、すなわち、待機位置と下階床面3への着地時にはロック解除状態となって倒伏姿勢側への移動が許容される。
この結果、昇降台4が降下中は、フラップ31の起立姿勢は維持されて昇降台4からの車椅子23の転落が防がれ、昇降台4の昇降終端位置、すなわち、待機位置と下階床面3への着地時には倒伏姿勢への移動が許容されて車椅子23の通過の障害となることがない。
フラップロック部37は、図15A、15Bに示すように、昇降台4に回転自在に連結されるロック制御体38と、フラップ31の自由端部、およびロック制御体38に回転自在に連結されるフラップロック体39とを有し、各々には、ロック状態において相互に係止するロックストッパ38a、39aが形成される。
上記ロック制御体38は、ロック位置とロック解除位置との間を回転中心(C38)周りに回転自在で、フラップロック部37は、フラップロック体39が、ロック位置にあるロック制御体38のロックストッパ38aにロックストッパ39aを係止させた係止位置に移動することによりロック状態となる。
また、ロック制御体38とフラップロック体39とを連結する回転軸(C39M)にはトーションスプリング40が巻装されており、この結果、フラップ31に対して回転中心(C39)周りに回転自在に連結されるフラップロック体39は、トーションスプリング31aによる付勢力により係止位置側に付勢され、ロック制御体38は、フラップロック体39との間に介装されるトーションスプリング40の付勢力によりロック位置側に付勢される。
図15Aに示すように、フラップロック体39とロック制御体38との連結位置、ロック制御体38の昇降台4への連結位置、およびロック状態におけるロックストッパ38a、39a同士の係止位置は、フラップ31の倒伏方向への移動操作力がフラップロック体39との連結点に付加された際のフラップロック体39とロック制御体38間の交差角(θ)の変更をロックストッパ38a、39a同士の係止により規制する関係になるように設定される。
すなわち、図15Bにおいて、フラップ31に倒伏方向の回転操作力が負荷された場合、フラップロック体39のフラップ31との連結点(C39)には力(F)が作用し、ロック制御体38には反時計回りの回転力が発生する。ロックストッパ38a、39a同士の係止位置は、ロック制御体38の反時計方向への回転によるロック制御体38とフラップロック体39との鋭角側の交差角(θ)の減少を規制する位置に設定されており、この結果、ロック制御体38とフラップロック体39とは、フラップ31の倒伏方向の荷重に対して実質的に一体物として挙動することとなる。
ロック制御体38とフラップロック体39の一体化により、フラップ31、ロック制御体38とフラップロック体39の一体物、および昇降台4は三節のリンクを構成することとなり、移動の自由度がなくなるため、フラップ31は起立姿勢を維持することができる。
また、ロック制御体38には、昇降台4への連結点(C38)から下方に伸び、昇降台4が下階床面3に着地した際に該ロック制御体38を図15Aにおいて時計回り(ロック解除方向)に回転させる検知突部38bが設けられる。
したがって、本例において、昇降台4が降下して下階床面3に着地すると、検知突部38bが下階床面3に押されて図15Aにおいて時計回り、すなわちロック解除位置方向に回転する。ロック制御体38がロック解除位置に回転すると、図16Aに示すように、フラップロック体39のロックストッパ39aの係止が解除され、ロック制御体38とフラップロック体39との連結点(C39M)の拘束が解除されてフラップロック体39の回転が可能になり、フラップ31は倒伏方向に移動することができる。
この状態で車椅子23が移動すると、フラップ31は車輪により図16Aにおける矢印方向に押し込まれて自由端が傾斜面32に乗り上げる状態となり、車椅子23の降車が可能になる。
一方、昇降台4が上昇して待機位置近傍に至ると、上述したように、スロープ体33が吊下姿勢からセット位置に移行する。
図13に示すように、スロープ体33の自由端部には、セット位置への移動時にフラップロック体39をロック制御体38との係止解除方向に移動させる操作突部41が設けられる。本例において操作突部41は、フラップロック体39に形成される円弧状の被押圧辺39bを押圧する突起形状に形成される。
図16Bに示すように、昇降台4の待機位置への接近に伴って、操作突部41はフラップロック体39の被押圧辺39bに接近し、やがて上記被押圧辺39bは操作突部41により前方に押し込まれる。
操作突部41により被押圧辺39bが前方に押されたフラップロック体39のロックストッパ39aとロック制御体38のロックストッパ38aとの係止が解除され、さらに、ロック制御体38はロック解除位置方向に、フラップ31は倒伏位置方向に駆動される。
フラップロック体39の被押圧辺39bは、スロープ体33のセット位置への復帰後にフラップ31の自由端がスロープ体33に乗り上げ、かつその状態でフラップロック体39に対する回転駆動が停止するように設定されており、上述したように、昇降台4が待機位置に復帰した状態では車椅子23は、スロープ体33、およびフラップ31を通って上階側の床1から円滑に搭乗することができる。
図17A、17B、18A、18Bにスロープ体33の変形例を示す。本変形例において、スロープ体33は、前端にセットローラ34を連結したスロープ本体部47と、スロープ本体部47の前端に固定される突部形成部48とからなる。突部形成部48は、図17Aに示すように、支承ローラ35を連結したハウジング48aの前端にローラ状の操作突部41を回転自在に連結して形成される。操作突部41の両端はハウジング48aに開設した長孔48bに挿通されてナット等により抜け止めされており、さらに、トーションスプリング48cにより前方に付勢される。
したがって、本変形例において、昇降台4が待機位置にあるときには、上述した実施の形態と同様に、ローラ状の操作突部41はフラップロック体39の被押圧辺39bに当接する。
また、図18Aに示す吊下姿勢から昇降台4が上昇する時、昇降台4とスロープ体33の相対位置が寸法誤差の集積により設定値からずれて、操作突部41から被押圧辺39bへの操作力が、例えば、フラップロック体39の回転中心(C39)方向に向き、あるいは回転中心(C39)から操作力の方向線におろした垂線の長さ(モーメントアーム)が短くなる場合があり、この場合、フラップロック体39に十分な回転操作力を付与することができないために、円滑な動作に支障を来す虞がある。
しかし、本変形例のように、操作突部41を長孔48b内で移動自在にしておくと、上述したような場合であっても、操作突部41は長孔48bに沿って後方に移動することにより被押圧辺39bへの当接角度が変化し、モーメントアームが大きくなるために、円滑な作動が保障される。
以上のように構成される昇降台4は昇降台保持機構42を使用して待機位置に保持される。
昇降台保持機構42は、図19に示すように、待機位置周辺に形成された被係止部5と、被係止部5に係脱するフック部材6と、フック部材6の係脱状態を制御するロック部材9とから構成される。
本例において被係止部5はU字ボルトにより形成され、左右対称位置に配置される一対、2本のガイド支柱14(図4参照)の前後壁面に各々合計4個が固定される。上記フック部材6とロック部材9とは、上記各被係止部5に対応して昇降台4上に配置され、各ガイド支柱14に付き2対、合計4対の各フック部材6とロック部材9とは、ガイド支柱14の前後壁面に平行な作動面内に作動する。
上記フック部材6は、回転中心(C6)周りに図20Aに示す係止位置と、図20Cに示す係止解除位置との間を回転自在であり、上端部に係止位置において上記被係止部5に係止する係止フック部6aと、該係止フック部6aの対向位置に干渉突部11とを備える。
干渉突部11は、図20Dに示すように、フック部材6が係止解除位置にあるときに被係止部5の相対移動経路、すなわち、昇降台4が昇降時の被係止部5の相対的な移動経路上に配置される。
したがって、本例において、図20Dの状態から昇降台4が上昇すると、まず、被係止部5がフック部材6の干渉突部11に衝接し、フック部材6は係止位置まで回転駆動される。フック部材6の係止位置への回転によりフック部は図20Aに示すように、被係止部5の上方に位置することとなって被係止部5に係止される。
また、フック部材6の係止解除位置側辺縁にはフック側突部8が突設される。このフック側突部8と後述するロック側突部7との係止面は、ロック部材9の回転中心(C9)を中心とする円弧面により形成される。
被係止部5との係止状態においてフック部材6には昇降台4の自重により係止解除方向への回転力が発生しており、この回転力に抗して係止状態を維持するために、ロック部材9が配置される。
ロック部材9は、フック部材6の係止解除側辺縁に隣接して配置され、図20Aのロック位置と、図20Cのロック解除位置との間で回転自在であり、ロック位置においてフック部材6側辺縁に突設されるロック側突部7がフック部材6のフック側突部8に係止する。このロック部材9と上記フック部材6とは引張部材としての引張スプリング12により連結され、引張スプリング12はフック部材6が係止位置にあるときにロック部材9をロック位置側に付勢する。
ロック側突部7がフック側突部8に係止した状態でフック部材6に係止解除位置方向(図20Aにおける時計回り)の回転力が発生すると、ロック部材9には回転中心(C9)に向かう圧縮力が発生し、フック部材6側辺縁に形成されたフック当接部13がフック部材6に当接する。
フック当接部13のフック部材6への当接部位置は、フック部材6が係止解除位置に移動する際にロック部材9が接近する領域、すなわち、本例においては、ロック部材9の回転中心(C9)より上方に設定される。
したがって、本例において、昇降台4の荷重によりフック部材6に係止解除位置方向の回転力が発生しても、ロック側突部7と対応するフック部材6の辺縁との圧接力が増加するだけで、フック部材6が回転することはなく、係止状態、すなわち、昇降台4の待機位置への保持状態が維持される。
この状態から、ロック部材9をロック解除位置に回転させると、ロック側突部7はフック側突部8の円弧面上を移動しながらフック側突部8との係止が解除され、昇降台4は降下を開始する。図20B、図20Cに示すように、フック部材6の被係止部5との係止が解除され、さらに、ロック部材9がロック解除位置に保持された状態でフック部材6は引張スプリング12により係止解除位置側にさらに引かれ、フック部材6のフック側突部8はロック部材9の段部9aに係止する。
この状態がロック解除状態であり、一旦フック部材6が段部9aに係止するとロック部材9のロック位置側への移動経路がフック部材6により閉塞されるために、ロック解除状態が保持される。
上述したように、この後、昇降台4が上昇してフック部材6が被係止部5に係止すると、引張スプリング12によりロック部材9はロック位置に移動し、この後、ロック状態が保持される。
図21、22A、22B、23A、23Bに昇降台保持機構42の変形例を示す。なお、図21、22A、22B、23A、23Bにおいて上述した実施の形態と実質的に同一の構成要素には、図中に同一符号を付して説明を省略する。
本変形例において、ラック溝14aはガイド支柱14の前後壁面に形成されており、図21において矢印で示す前方壁面に形成されるラック溝14aに緩降装置24のピニオン24bが噛合する。このように、ラック溝14aをガイド支柱14の前後壁面、すなわち、短辺部に配置することにより、該短辺部が長辺部に比して剛性が高く、撓み量も小さなために、ピニオン24bとの噛合精度が高くなって円滑な作動が可能になる上に、全体の強度を高めることができる。
なお、図21においては重錘22を吊り下げるワイヤ22a、22bはプーリを示す。
また、昇降台保持機構42は、ガイド支柱14のラック溝14aが形成される壁面に隣接する壁面に平行な面内で動作して被係止部5に係脱可能に形成される。
図22A、22Bに示すように、本変形例における昇降台保持機構42は、上述したフック部材6、ロック部材9、および引張スプリング12に加えてフック補助部材46が装着される。フック部材6とロック部材9とは、上述した実施の形態と同様に、フック側突部8、およびロック側突部7を備えて回転中心(C6、C9)周りに回転自在に昇降台4に連結され、上述した実施の形態と同様に動作し、ロック部材9同士が作動杆体17により連結される。
フック補助部材46は、上記フック部材6と同軸上でフック部材6に対して相対回転自在で、後端部に被係止部5に当接可能なフック形状をした当接突部46aを備えるとともに、前端部に作動壁46bを備え、その中間部に逃し長孔46cが開設される。
逃し長孔46cは、フック部材6の回転中心(C6)を中心とする円弧形状に形成され、ロック部材9の回転中心(C9)を形成する回転軸が挿通可能な曲率を有して形成される。
また、作動壁46bは、ロック部材9から突設される作動突部9bの上方に位置し、該作動突部9bに当接可能な位置に形成される。
図22Aに示すように、フック部材6が係止状態にあるときには、フック補助部材46の当接突部46aは被係止部5よりやや上方に位置している。フック部材6の被係止部5への係止が解除され、昇降台4が降下し始めると、被係止部5にフック補助部材46の当接突部46aが当接し、図22Bに示すように、逃し長孔46c内をロック部材9の回転軸(C9)が相対移動するようにしてフック補助部材46は時計回りに回転する。
フック補助部材46の回転に伴って作動壁46bはロック部材9の作動突部9bを押し付けることから、該ロック部材9は係止解除側のストローク終端位置まで回転駆動される。
また、フック部材6とフック補助部材46には、図外のトーションスプリングにより反時計回りの付勢力が与えられており、フック部材6による係止が解除されて昇降台4が降下すると、図22Aの初期姿勢に復帰する。
一方、昇降台4が上昇した場合には、図23Aに示すように、まず、フック補助部材46の当接突部46aが被係止部5に当接して時計回りに回転する。フック補助部材46の回転に伴って、ロック部材9は作動突部9bがフック補助部材46の作動壁46bにより下方に押されて、図23Bに示すように、係止解除位置側に回転し、フック部材6の干渉突部11が被係止部5に当接し、この後、干渉突部11に加えられる力によりフック部材6は係止位置に移動する。
以上のように、本変形例においては、昇降台4が上昇して待機位置に移動する際に、フック部材6と被係止部5との衝突が発生しないために、フック部材6へのダメージの発生を確実に防止することができる。
上記ロック部材9の操作は、上述したように手摺25に配置されたロック操作部10に連結される変換部16により行われる。
図19に示すように、変換部16は、対向配置される一対のロック部材9間を連結し、ガイド支柱14のラック溝14a形成壁面に沿って配置される作動杆体17と、開放レバー19とを有する。作動杆体17の長手方向中央部には該作動杆体17が移動自在に挿通する筒状に形成され、両端にフランジ43aを形成したカラー43が装着される。
開放レバー19は、図19、25に示すように、板材をL字形状に折り曲げて形成される取付片19aと立ち上がり片19bとを有し、取付片19aにおいて昇降台4上に固定されるレバーブラケット44に回転自在に連結される。
この開放レバー19は、立ち上がり片19bが作動杆体17に直交する姿勢で配置され、立ち上がり片19bには、図24Bに示すように、カラー43の外周にほぼ半周に渡って当接する円弧状の係止端18aを備えた長孔状の杆体係止部18が形成される。杆体係止部18の係止端18aに対する反対端部はカラー43に装着する際のカラー43挿入用の入り口を提供するための下方開放部18bが形成される。
図24Aに示すように、開放レバー19の回転中心 (C19)は作動杆体17からやや昇降台4の中心寄りに配置されており、上記回転中心を挟んで反対側にワイヤ装置15のインナーワイヤ15bが連結される。
ワイヤ装置15は昇降台4の表面に沿って昇降台4上の適宜高さで、手摺25の縦杆25b、すなわち、作動杆体17に平行に配索されており、手摺25のロック操作部10を操作すると、インナーワイヤ15bがロック操作部10方向へ引っ張られて、図25Aに示すように、開放レバー19は回転軸(C19)周りに回転する。開放レバー19の回転に伴って杆体係止部18の係止端18aは前方に移動し、係止端18aに押されるようにしてカラー43、および該カラー43に挿入された作動杆体17は初期位置から所定距離(δ)だけ昇降台4の中心方向に移動する。
移動距離(δ)はロック部材9のロック位置からロック解除位置への作動ストロークに一致しており、この結果、ロック部材9はロック解除位置に移動し、フック部材6による被係止部5への係止状態が解除されて昇降台4の降下が開始する。
また、カラー43のフランジ43aは圧縮スプリング45により初期位置側に付勢されており、ロック部材9に対する解除操作後にロック操作部10への操作力を解除すると、圧縮スプリング45の復元力によりカラー43には初期位置方向への操作力が発生する。
上記杆体係止部18の係止端18aに続く直線部18c(図24B参照)はロック部材9の動作時における鉛直方向の成分を加味してやや傾斜状に形成されるように、レバーブラケット44が傾いて設けられているために、カラー43は杆体係止部18の直線部18cを通って初期位置に復帰し、これに伴って開放レバー19は初期位置に復帰する(図25B参照)。開放レバー19の初期位置への復帰によりワイヤ装置15のインナーワイヤ15bも初期状態側に駆動されてロック操作部10も初期状態に復帰する。
この後、フック部材6により被係止部5への係止動作が発生すると、上述したように、ロック部材9はロック位置側に移動し、これに伴って作動杆体17が移動し、変換部16は図19に示す初期状態に復帰する。
図26以下に本開示の他の実施の形態を示す。本例において、ラック溝14aはガイド支柱14の後部壁面に形成されて図示しない緩降装置のピニオン(図示せず)が噛合し、さらに、ガイド支柱14の左右側壁面には、フック部材6、およびロック部材9と協働して昇降台保持機構42を構成する一対の被係止部5が背向位置に固定される。
上記フック部材6とロック部材9とは、上記各被係止部5に対応して昇降台4上に配置され、各々ガイド支柱14の左右側壁面に平行な面を作動面として回転する。
上記フック部材6は、図28Aに示す係止位置と、図28Cに示す係止解除位置との間を回転中心(C6)周りに回転自在であり、上端部には係止位置において上記被係止部5に係止する係止フック部6aを、この係止フック部6aに対向する位置に干渉突部11を各々備える。
本例において、図28Dの状態から昇降台4が上昇すると、まず、被係止部5にフック部材6の干渉突部11が衝接し、その後、フック部材6が係止位置まで回転駆動されて図28Aに示すように、被係止部5に係止される。
ロック部材9は、フック部材6に隣接して配置されてフック部材6の作動面と同一面内で回転中心(C9)周りに回転自在であり、フック部材6が係止位置にあるとき、フック部材6のフック側突部8がロック部材9のロック側突部7に係止する。
また、フック部材6が係止位置にあるとき、昇降台4の自重によりフック部材6には係止解除方向への回転力が発生するのに対し、ロック部材9はフック当接部13がフック部材6のフック側突部8に当接することにより図28Aの反時計回りの回転が規制され、かつ、ロック側突部7がフック側突部8に押さえつけられて時計回りの回転も規制されているために図28Aの位置に留まり、結果、ロック部材9は係止位置に保持される。
この状態からロック部材9を図28Aにおける時計方向、すなわちロック解除位置側に回転させると、フック部材6はロック側突部7による支えを失って図28Bに示すように、係止解除位置方向に回転して被係止部5との係止が解除され、昇降台4は降下を開始する。
ロック部材9によるフック部材6の係止解除操作を円滑に行うために、ロック側突部7とフック側突部8との接触面は、ロック部材9の回転中心(C9)を中心とする円弧面により形成される。
さらに、フック部材6とロック部材9とは引張スプリング12により連結されているために、ロック部材9のロック解除位置への回転操作に伴ってフック部材6は係止解除位置まで移動し、図28Cに示すように、フック側突部8がロック部材9の段部9aに係止して停止する。
この状態がロック解除状態であり、一旦フック部材6が段部9aに係止するとロック部材9のロック位置側への移動経路がフック部材6により閉塞されるために、ロック解除状態が保持される。
上記ロック部材9を操作するために、図29に示すように、上記各ガイド支柱14の両側壁に対応する一対のロック部材9は作動杆体17により連結されるとともに、作動杆体17の中心位置には一端がロック操作部10に連結されるワイヤ装置15のインナーワイヤ15bの他端が連結される(図30A、30B参照)。
上記インナーワイヤ15bの操作方向、正確にはインナーワイヤ15bによる作動杆体17への操作力作用方向がフック部材6、およびロック部材9の作動面と平行な面内に位置するように、昇降台4にはワイヤガイド49が設けられる。
さらに、ワイヤガイド49に固定されるワイヤ装置15のアウターケーブル15aと、作動杆体17に連結されるインナーワイヤ15bとの間には圧縮スプリング50が介装されており、インナーワイヤ15bに作動杆体17への連結端側に引き出す付勢力を付与する。この結果、昇降台4が下階床面3から上昇して待機位置に復帰し、フック部材6が係止位置に移行すると、インナーワイヤ15bが引かれてロック操作部10が操作前の初期状態に復帰する。
ガイド支柱14の左右両側壁に沿ってフック部材6、およびロック部材9を配置し、ロック部材9間を連結する作動杆体17の中心位置にワイヤ装置15を連結することにより、ワイヤ装置15の作動杆体17への連結端は、図27に示すように、ガイド支柱14の幅方向中心線上にほぼ一致することとなる。
この結果、手摺25のワイヤ導出開口25eから引き出されたワイヤ装置15の屈曲曲率を図5に示す場合に比して大きくすることができるために、ワイヤ操作時の接触抵抗が小さくなり、操作力を円滑に伝達することが可能になる。
さらに本例において、図31、32に示すように、手摺25を回転自在に連結する手摺ブラケット26の前端部にはロック操作部材51が回転中心(C51)周りに回転自在に連結されるとともに、手摺ブラケット26の対向する一対の翼片52には各々移動通路26aが各々対向位置に開設され、第1引張スプリング29と第2引張スプリング30とにより引っ張られる手摺ロック体28の両端が移動自在に挿入される。
上記第1引張スプリング29と第2引張スプリング30とは、上記手摺ロック体28が後述する移動通路26aの干渉経路26g側終端位置方向に付勢されるように配置され、本例において第2引張スプリング30の一端はロック操作部材51の回転中心(C51)位置に連結される。
上記移動通路26aは手摺25下端(ロック操作片25c)の移動軌跡に干渉する干渉経路26gと、移動軌跡に干渉しない非干渉経路26bとを有して前方に凸なL字形状をなしており、手摺25が起立姿勢で、手摺ロック体28が干渉経路26gに位置するときには手摺25の起立姿勢からの倒伏動作が規制され、非干渉経路26b内に位置するときに手摺25の倒伏動作が許容される。また、図34Aに示すように、移動通路26aの干渉経路26g側の終端位置近傍にはロック位置が、非干渉経路26bの終端位置近傍にはロック待避位置が設定される。
図31に示すように、上記ロック操作部材51は、手摺ブラケット26の対向する一対の翼片52の内壁面に沿う一対の側片51aを連結片51bにより連結するとともに、各側片51aから幅方向中心に向けて被動片51cを突設させて形成される。上記各側片51aには第1ストッパ辺53a、第2ストッパ辺53b、操作辺53c、押圧辺53d、および操作辺53cと押圧辺53dとを連結する中間辺53eが設けられる。
このロック操作部材51は、図33A、33Bに示すように、第1ストッパ辺53aを手摺ブラケット26の操作部材ストッパ壁26iに当接させた初期位置と、図35A、35Bに示すように、第2ストッパ辺53bを上記操作部材ストッパ壁26iに当接させた作動位置との間を回転操作することができる。
図33Aに示すように、手摺25が蓋体21により押さえつけられて倒伏姿勢にあるとき、ロック操作部材51は、後述するように、手摺25の倒伏姿勢への変更に伴って初期位置まで駆動される。この状態で操作辺53cは手摺ロック体28に付加される付勢力により図33Aにおいて時計回りの回転力が付与され、結果、第1ストッパ辺53aが操作部材ストッパ壁26iに圧接し、ロック操作部材51はガタツキ等の発生が防止されて初期位置に保持される。
この状態から蓋体21が開放されると、トーションスプリング27の復元力により手摺25は図33Bに示すように、縦杆がガイド支柱14の左右側壁に平行な面内を移動して起立姿勢方向に回転する。手摺25の回転に伴って手摺ロック体28は手摺25の下端部(ロック操作片25c)により下方に押し下げられて該手摺25の回転軌跡を開放するために、手摺25は図32、34Aに示すように、手摺ブラケット26に形成された手摺ストッパ26jに手摺25下端が当接した起立姿勢まで移行することができる。
手摺25の起立姿勢において、手摺ロック体28は手摺25のロック操作片25cの前面に当接して手摺25の図34Aにおける反時計回り、すなわち、倒伏方向への回転を規制しているために、手摺25に倒伏方向の力を与えても、手摺25が倒伏することがない。
この状態から図34Bに示すように、連結片51bを引き上げるようにしてロック操作部材51を初期位置から作動位置側に回転操作すると、手摺ロック体28はロック操作部材51の操作辺53cにより押し下げられて干渉経路26gから非干渉経路26b内に移動する。この後、さらにロック操作部材51を第2ストッパ辺53bが操作部材ストッパ壁26iに当接する作動位置まで回転させると、図35Aに示すように、手摺ロック体28はロック操作部材51の操作辺53cに次いで押圧辺53dにより押し下げられてロック待避位置に移動する。
ロック待避位置において手摺ロック体28はロック操作部材51の押圧辺53dに圧接しており、圧接箇所における押圧辺53dに直交する方向の分力によりロック操作部材51には図35Aにおける時計回りの回転モーメント、すなわち、第2ストッパ辺53bを操作部材ストッパ壁26iに圧接させる回転力が発生し、ロック操作部材51は作動位置に、手摺ロック体28はロック待避位置に各々留まった状態が保持される。
手摺ロック体28がロック待避位置に留まった状態において手摺25の倒伏方向への移動が許容され、蓋体21の閉塞動作に伴って手摺25は倒伏方向に回転する。図35Bに示すように、手摺25が倒伏方向に回転すると、やがて手摺25下端部は被動片51cに当接し、さらに手摺25が倒伏すると、手摺25下端部により被動片51cが押されてロック操作部材51は初期位置に復帰する。
手摺ロック体28はロック操作部材51の復帰動作に追随してロック位置側に移動し、手摺ロック体28の操作辺53c、押圧辺53d、および中間辺53eは、手摺ロック体28の移動タイミングを手摺25との干渉が発生しないように決定するためのカムとして機能する。