JP6855292B2 - Ag−Cu合金粉末およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Ag−Cu合金粉末およびその製造方法に関し、特に、ろう材や導電性ペーストなどに使用するのに適したAg−Cu合金粉末およびその製造方法に関する。
Ag−Cu合金粉末は、ろう材や導電性ペーストなどに使用されており、Ag−Cuろう材を使用して金属導体層とセラミックの絶縁基板を接合する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなAg−Cuろう材を使用して金属導体層とセラミック基板を接合すると、金属導体層上に搭載された半導体チップの動作による大電流と熱を金属導体層とAg−Cuろう材を介してセラミック基板に逃がすことができる。
ろう材や導電性ペーストに使用するAg−Cu合金粉末の粒子径を小さくすると、粒子間の接触点の増加による導電性の向上を図ることができるため、粒子径の小さいAg−Cu合金粉末が望まれている。このような粒子径の小さいAg−Cu合金粉末を製造する方法として、高圧水アトマイズ法によって平均粒径1〜15μmの球状の銀銅合金粉を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−118970号公報(段落番号0005) 特開平4−187574号公報(第2頁)
しかし、Ag−Cu合金粉末の粒子径を小さくすると、酸素含有量が高くなり易く、導電性が低下し易いという問題がある。特許文献2の方法で製造した銀銅合金粉の酸素含有量も0.2質量%程度と高く、酸素含有量をさらに低下させることが望まれている。また、特許文献1に記載されているように、Ag−Cuろう材を使用して金属導体層とセラミック基板を接合する場合には、700℃以上の高温で加熱して接合する必要があり、この加熱の際にAg−Cuろう材が大きく収縮すると、金属導体層とセラミック基板との熱による収縮の差が大きくなって、セラミック基板に応力がかかり、セラミック基板の割れやクラックの発生の原因になる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、粒子径が小さく、酸素含有量が低く且つ熱による収縮率が低いAg−Cu合金粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、銀と銅を溶解した溶湯を落下させながら、非酸化性雰囲気中において高圧水を吹き付けて急冷凝固させることによって得られた粉末を、還元処理することにより、粒子径が小さく、酸素含有量が低く且つ熱による収縮率が低いAg−Cu合金粉末を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるAg−Cu合金粉末の製造方法は、銀と銅を溶解した溶湯を落下させながら、非酸化性雰囲気中において高圧水を吹き付けて急冷凝固させることによって得られた粉末を、還元処理することを特徴とする。このAg−Cu合金粉末の製造方法において、非酸化性雰囲気が窒素雰囲気であるのが好ましく、還元処理が水素雰囲気中において熱処理することによって行われるのが好ましい。また、高圧水が水圧20〜160MPaで吹き付けられるのが好ましい。
また、本発明によるAg−Cu合金粉末は、平均粒径が1〜20μm、酸素含有量が0.1質量%以下であり、且つ400℃における収縮率が6%以下であることを特徴とする。このAg−Cu合金粉末は、BET比表面積が0.01〜1m/gであるのが好ましく、タップ密度が3g/cm以上であるのが好ましく、炭素含有量が0.1質量%以下であるのが好ましい。
また、本発明による導電性ペーストまたはろう材ペーストは、上記のAg−Cu合金粉末と溶剤からなることを特徴とする。また、本発明による粉末ろう材は、Ag−Cu合金粉末からなることを特徴とする。さらに、本発明による接合方法は、上記のろう材ペーストまたは粉末ろう材を被接合物間に介在させて加熱することにより、被接合物同士を接合することを特徴とする。この接合方法において、被接合物の一方がセラミック基板であるとともに他方が金属部材であるのが好ましく、加熱が700〜1200℃で行われるのが好ましい。
なお、本明細書中において、「平均粒径」とは、(ヘロス法によって)レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50径)をいう。
本発明によれば、粒子径が小さく、酸素含有量が低く且つ熱による収縮率が低いAg−Cu合金粉末を製造することができる。
実施例1で得られたAg−Cu合金粉末とAgおよびCuについての粉末X線回折法(XRD)による測定結果を示す図である。 実施例1〜3、比較例2、4および6で得られたAg−Cu合金粉末の熱機械的分析(TMA)における温度に対する膨張率の関係を示す図である。 実施例1〜3で得られたAg−Cu合金粉末の熱機械的分析(TMA)における温度に対する膨張率の関係を示す図である。 比較例4および6で得られたAg−Cu合金粉末のTMAにおける温度に対する膨張率の関係を示す図である。 実施例3および比較例6で得られたAg−Cu合金粉末のTMAにおける温度に対する膨張率の関係を示す図である。 実施例1および比較例4で得られたAg−Cu合金粉末のTMAにおける温度に対する膨張率の関係を示す図である。
本発明によるAg−Cu合金粉末の製造方法の実施の形態では、銀と銅を溶解した溶湯を落下させながら、非酸化性雰囲気中において(好ましくは水圧20〜160MPa、さらに好ましくは水圧20〜150MPaで)高圧水を吹き付けて急冷凝固させることによって得られた(スラリーを固液分離して得られた固形物を乾燥して得られた)粉末を、還元処理して、Ag−Cu合金粉末を得る。なお、必要に応じて、固形物を乾燥する前に水洗してもよく、乾燥した後に解砕したり、分級して、粒度を調整してもよい。
高圧水を吹き付ける、所謂水アトマイズ法によりAg−Cu合金粉末を製造すると、粒子径が小さいAg−Cu合金粉末を得ることができる。粒子径が小さいAg−Cu合金粉末をろう材や導電性ペーストに使用すると、導電性を向上させることができる。一方、Ag−Cu合金粉末の粒子径が小さくなると、酸素含有量が高くなり易く、酸素含有量が高くなると、導電性が低下し易くなるという問題がある。また、Ag−Cu合金粉末の粒子径が同程度であれば、酸素含有量が高くなると、加熱による収縮率も大きくなる。本発明によるAg−Cu合金粉末の製造方法の実施の形態では、非酸化性雰囲気中において水アトマイズ法により製造したAg−Cu合金粉末を還元処理することにより、Ag−Cu合金粉末の粒子の表面の酸素だけでなく、粒子の内部の酸素の量も低下させることができ、粒子全体の酸素含有量を低下させることができる。特に、水アトマイズ法により製造したAg−Cu合金粉末を還元処理することにより、Ag−Cu合金粉末の粒子の表面の酸素を除去するだけでは、粒子全体の酸素含有量を十分に低下させることができないが、非酸化性雰囲気中において水アトマイズ法によりAg−Cu合金粉末を製造すれば、粒子の内部の酸素の量を低下させることができ、Ag−Cu合金粉末の粒子径が同程度であれば、加熱による収縮率を低下させることもできる。なお、高圧水を吹き付けることにより、銀と銅を溶解した溶湯を急冷凝固させて得られたAg−Cu合金粉末は、非共晶合金粉末になる。
なお、非酸化性雰囲気として、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気や、水素、一酸化炭素などの還元性雰囲気が挙げられるが、コストや安全性の観点から、窒素雰囲気であるのが好ましい。また、還元処理の方法として、水素雰囲気や一酸化炭素雰囲気中において熱処理する、気相還元法が挙げられるが、コストや安全性の観点から、水素雰囲気中における熱処理(水素還元処理)であるのが好ましい。この熱処理における加熱温度は120〜320℃であるのが好ましく、熱処理後の粉末の凝集を防止するために、120〜260℃であるのがさらに好ましい。また、熱処理時間は5〜20時間であるのが好ましい。
上述したAg−Cu合金粉末の製造方法の実施の形態により、本発明によるAg−Cu合金粉末の実施の形態を製造することができる。
また、本発明によるAg−Cu合金粉末の実施の形態は、平均粒径が1〜20μm(加熱による収縮率を小さくするためには、好ましくは3〜18μm、さらに好ましくは5〜16μm)であり、酸素含有量が0.1質量%以下(好ましくは0.08質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下)であり、400℃における収縮率が6%以下(好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下、最も好ましくは1.5%以下)である。このAg−Cu合金粉末の形状は、好ましくは粒状または(略)球状である。Ag−Cu合金粉末のAgとCuの質量割合(Ag:Cu)は、好ましくは30:70〜80:20であり、さらに好ましくは40:60〜75:25である。Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は、0.01〜1m/gであるのが好ましく、0.03〜0.6m/gであるのがさらに好ましく、0.05〜0.2m/gであるのが最も好ましい。Ag−Cu合金粉末のタップ密度は、Ag−Cu合金粉末をろう材ペーストや導電性ペーストに使用する場合に粉末の充填性を高めるために、3g/cm以上であるのが好ましく、5g/cm以上であるのがさらに好ましく、5〜6g/cmであるのが最も好ましい。Ag−Cu合金粉末の炭素含有量は、Ag−Cu合金粉末をろう材や導電性ペーストに使用する場合に加熱により発生するガスにより被接合物との密着性が低下するのを防止するために、0.1質量%以下であるのが好ましく、0.05質量%以下であるのがさらに好ましく、0.02質量%以下であるのが最も好ましい。
本発明によるAg−Cu合金粉末の実施の形態は、導電性に優れるとともに、加熱による収縮率が低いため、ろう材に使用するのに適している。Ag−Cu合金粉末をそのまま粉末ろう材として使用してもよいし、溶剤と混合してろう材ペーストとして使用してもよい。ろう材ペーストは、必要に応じてバインダ樹脂を含んでもよい。ろう材ペーストに混合する溶剤として、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、イソホロン、トルエン、酢酸エチル、テレピネオール、ジエチレングリコール、モノブチルエーテル、テキサノールなどの有機溶剤を使用することができ、バインダ樹脂として、セルロース系樹脂や、(メタ)アクリル樹脂などを使用することができる。
本発明によるAg−Cu合金粉末の実施の形態をろう材ペーストまたは粉末ろう材に使用し、このろう材ペーストまたは粉末ろう材を(好ましくは被接合物の少なくとも一方に印刷などにより塗布することにより)被接合物間に介在させて(好ましくは700〜1200℃の温度で)加熱してろう材ペーストまたは粉末ろう材中のAg−Cu合金粉末を焼結させることにより、被接合物同士(好ましくはセラミック基板と金属部材)を接合することができる。セラミック基板として、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などからなる絶縁基板を使用することができる。金属部材として、アルミニウムや銅などの金属板や金属導体層などを使用することができる。
本発明によるAg−Cu合金粉末の実施の形態は、導電性に優れるとともに、加熱による収縮率が低いため、ろう材ペーストまたは粉末ろう材に使用してセラミック基板と金属部材を接合する際に加熱しても、セラミック基板にかかる応力を小さくし、セラミック基板の割れやクラックの発生を防止することができる。本発明によるAg−Cu合金粉末の実施の形態をろう材ペーストまたは粉末ろう材に使用してセラミック基板と金属部材を接合して得られた積層体は、パワーモジュール用の放熱板として使用することができる。
本発明によるAg−Cu合金粉末の実施の形態は、導電性に優れるとともに、加熱による収縮率が低いため、溶剤と混合して(好ましくは600〜1000℃程度の高温で焼成する)焼成温度が高い焼結型導電性ペーストに使用することができる。導電性ペーストに混合する溶剤として、飽和脂肪族炭化水素類、不飽和脂肪族炭化水素類、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、エステル類、アルコール類などの有機溶剤を使用することができる。また、必要に応じて、エチルセルロースや(メタ)アクリル樹脂などのバインダ樹脂を有機溶剤に溶解したビヒクル、ガラスフリット、無機酸化物、分散剤などを導電性ペーストに添加してもよい。
以下、本発明によるAg−Cu合金粉末およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
(純度99.99質量%の)ショット銀7.2kgと(純度99.99質量%の)銅ボール2.8kgを1200℃に加熱して溶解した溶湯をタンディッシュ下部から落下させながら、水アトマイズ装置により窒素雰囲気中において水圧70MPa、水量160L/分で20℃の高圧水を吹き付けて急冷凝固させ、得られたスラリーを固液分離し、固形分を水洗し、乾燥し、解砕して得られた粉末を、水素雰囲気中において200℃で10時間加熱して熱処理(水素還元処理)した後、解砕し、篩分して、球状のAg−Cu合金粉末を得た。
このようにして得られたAg−Cu合金粉末について、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めるとともに、粉末X線回折法(XRD)による測定を行った。
BET比表面積は、BET比表面積測定器(ユアサアイオニクス株式会社製の4ソーブUS)を使用し、測定器内に105℃で20分間窒素ガスを流して脱気した後、30体積%の窒素と70体積%のヘリウムの混合ガスを流しながら、BET1点法により測定した。その結果、BET比表面積は0.16m/gであった。
タップ密度(TAP)は、特開2007−263860号公報に記載された方法と同様に、Ag−Cu合金粉末を内径6mmの有底円筒形のダイに充填して合金粉末層を形成し、この合金粉末層の上面に0.160N/mの圧力を均一に加えた後、合金粉末層の高さを測定し、この合金粉末層の高さの測定値と、充填された合金粉末の重量とから、合金粉末の密度を求めて、Ag−Cu合金粉末のタップ密度とした。その結果、タップ密度は5.16g/cmであった。
酸素含有量は、酸素・窒素・水素分析装置(株式会社堀場製作所製のEMGA−920)により測定した。その結果、酸素含有量は0.03質量%であった。
炭素含有量は、炭素・硫黄分析装置(堀場製作所製のEMIA−220V)により測定した。その結果、炭素含有量は0.010質量%であった。
粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製のへロス粒度分布測定装置(HELOS&RODOS(気流式の乾燥モジュール)))を使用して、分散圧5barで測定した。その結果、累積10%粒子径(D10)は2.4μm、累積25%粒子径(D25)は3.8μm、累積50%粒子径(D50)は5.9μm、累積75%粒子径(D75)は9.2μm、累積90%粒子径(D90)は14.4μm、累積99%粒子径(D99)は22.5μmであった。
また、得られたAg−Cu合金粉末について、X線回折装置(株式会社リガク製のRINT Ultima III)を使用して、Co管球により、電圧40kV、電流30mA、スキャン速度2°/分、測定間隔0.01°の条件で、10〜90°/2θの範囲を測定して、X線回折(XRD)による結晶構造の評価を行った。この測定結果を図1に示す。図1に示すように、AgとCuの単相は確認されず、非共晶合金粉末であることがわかった。
[実施例2]
水アトマイズにおける水圧を30MPaとした以外は、実施例1と同様の方法により、球状のAg−Cu合金粉末を得た。このAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.06m/g、タップ密度は5.54g/cm、酸素含有量は0.03質量%、炭素含有量は0.005質量%であり、累積10%粒子径(D10)は6.5μm、累積25%粒子径(D25)は9.4μm、累積50%粒子径(D50)は15.0μm、累積75%粒子径(D75)は26.0μm、累積90%粒子径(D90)は40.3μm、累積99%粒子径(D99)は68.3μmであった。
[実施例3]
水アトマイズにおける水圧を150MPaとした以外は、実施例1と同様の方法により、球状のAg−Cu合金粉末を得た。このAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.58m/g、タップ密度は4.45g/cm、酸素含有量は0.08質量%、炭素含有量は0.013質量%であり、累積10%粒子径(D10)は1.1μm、累積25%粒子径(D25)は1.7μm、累積50%粒子径(D50)は2.6μm、累積75%粒子径(D75)は3.7μm、累積90%粒子径(D90)は5.0μm、累積99%粒子径(D99)は8.2μmであった。
[比較例1]
(純度99.99質量%の)ショット銀5.0kgと(純度99.99質量%の)銅ボール5.0kgを1200℃に加熱して溶解した溶湯をタンディッシュ下部から落下させながら、実施例1と同様の水アトマイズ装置により大気中において水圧150MPa、水量160L/分で20℃の高圧水を吹き付けて急冷凝固させ、得られたスラリーを固液分離し、固形分を水洗し、乾燥し、解砕して得られた粉末を、水素雰囲気中において140℃で10時間加熱して熱処理(水素還元処理)した後、解砕し、篩分して、球状のAg−Cu合金粉末を得た。
このようにして得られたAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.97m/g、タップ密度は3.09g/cm、酸素含有量は0.27質量%、炭素含有量は0.014質量%であり、累積10%粒子径(D10)は1.0μm、累積25%粒子径(D25)は1.6μm、累積50%粒子径(D50)は2.3μm、累積75%粒子径(D75)は3.4μm、累積90%粒子径(D90)は4.9μm、累積99%粒子径(D99)は9.4μmであった。
[比較例2]
水アトマイズにおける雰囲気を大気とし、水素還元を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、球状のAg−Cu合金粉末を得た。このAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.28m/g、タップ密度は4.64g/cm、酸素含有量は0.21質量%、炭素含有量は0.007質量%であり、累積10%粒子径(D10)は2.2μm、累積25%粒子径(D25)は3.4μm、累積50%粒子径(D50)は5.5μm、累積75%粒子径(D75)は8.6μm、累積90%粒子径(D90)は12.5μm、累積99%粒子径(D99)は19.0μmであった。
[比較例3]
水アトマイズにおける雰囲気を大気とし、水素還元温度を140℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、球状のAg−Cu合金粉末を得た。このAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.25m/g、タップ密度は4.68g/cm、酸素含有量は0.14質量%、炭素含有量は0.009質量%であり、累積10%粒子径(D10)は2.3μm、累積25%粒子径(D25)は3.6μm、累積50%粒子径(D50)は5.8μm、累積75%粒子径(D75)は9.3μm、累積90%粒子径(D90)は14.2μm、累積99%粒子径(D99)は23.3μmであった。
[比較例4]
水アトマイズにおける雰囲気を大気とした以外は、実施例1と同様の方法により、球状のAg−Cu合金粉末を得た。このAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.24m/g、タップ密度は4.78g/cm、酸素含有量は0.13質量%、炭素含有量は0.008質量%であり、累積10%粒子径(D10)は2.4μm、累積25%粒子径(D25)は3.7μm、累積50%粒子径(D50)は5.9μm、累積75%粒子径(D75)は9.4μm、累積90%粒子径(D90)は14.1μm、累積99%粒子径(D99)は23.5μmであった。
[比較例5]
水アトマイズにおける雰囲気を大気とし、水素還元温度を300℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、球状のAg−Cu合金粉末を得た。このAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.20m/g、タップ密度は3.74g/cm、酸素含有量は0.12質量%、炭素含有量は0.007質量%であり、累積10%粒子径(D10)は3.7μm、累積25%粒子径(D25)は5.6μm、累積50%粒子径(D50)は8.2μm、累積75%粒子径(D75)は11.7μm、累積90%粒子径(D90)は16.4μm、累積99%粒子径(D99)は23.7μmであった。
[比較例6]
水アトマイズにおける雰囲気を大気とした以外は、実施例3と同様の方法により、球状のAg−Cu合金粉末を得た。このAg−Cu合金粉末について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量および粒度分布を求めた。
その結果、Ag−Cu合金粉末のBET比表面積は0.65m/g、タップ密度は3.79g/cm、酸素含有量は0.14質量%、炭素含有量は0.028質量%であり、累積10%粒子径(D10)は0.9μm、累積25%粒子径(D25)は1.5μm、累積50%粒子径(D50)は2.3μm、累積75%粒子径(D75)は3.5μm、累積90%粒子径(D90)は5.5μm、累積99%粒子径(D99)は11.2μmであった。
また、実施例1〜3と比較例2、4および6で得られたAg−Cu合金粉末について、熱機械的分析(TMA)を行って、Ag−Cu合金粉末の収縮率を求めた。Ag−Cu合金粉末の収縮率(%)は、Ag−Cu合金粉末0.1gを円筒形の金型に入れ、980mNの荷重をかけて成形した試料を、熱機械的分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製のTMA/SS6200)を用いて、窒素雰囲気中において室温から800℃まで昇温速度10℃/分で加熱した場合の試料の長さを測定して、{(加熱前の試料の長さ)−(加熱後の試料の長さ)}×100/(加熱前の試料の長さ)から求めた。その結果、400℃における収縮率は、実施例1では1.2%(膨張率−1.2%)、実施例2では0.4%(膨張率−0.4%)、実施例3では4.9%(膨張率−4.9%)、比較例2では1.7%(膨張率−1.7%)、比較例4では1.7%(膨張率−1.7%)、比較例6では10.0%(膨張率−10.0%)であった。
これらの実施例および比較例のAg−Cu合金粉末の製造条件および特性を表1および表2に示す。また、熱機械的分析の結果を図2〜図6に示す。
Figure 0006855292
Figure 0006855292
表1〜表2からわかるように、実施例1〜3では、粒子径が小さく、酸素含有量が(0.1質量%以下と)低く且つ加熱による収縮率が低いAg−Cu合金粉末を得ることができる。
また、図3に示すように、窒素雰囲気中で水アトマイズを行って得られた実施例1〜3のAg−Cu合金粉末では、400℃における収縮率が、それぞれ1.2%、0.4%、4.9%と低く、粒径が大きいほど加熱による収縮率が小さくなることがわかる。また、図4に示すように、大気雰囲気中で水アトマイズを行って得られた比較例4および6のAg−Cu合金粉末でも、粒径が大きいほど加熱による収縮率が小さくなることがわかる。さらに、図5および図6に示すように、窒素雰囲気中で水アトマイズを行って得られた実施例1および3のAg−Cu合金粉末では、大気雰囲気中で水アトマイズを行って得られた比較例4および6のAg−Cu合金粉末と比べて、加熱による収縮率が小さくなることがわかる。

Claims (8)

  1. 銀と銅を溶解した溶湯を落下させながら、非酸化性雰囲気中において高圧水を水圧20〜160MPaで吹き付けて急冷凝固させることによって得られた粉末を、水素雰囲気中において120〜260℃で熱処理することによって還元処理することを特徴とする、Ag−Cu合金粉末の製造方法。
  2. 前記非酸化性雰囲気が窒素雰囲気であることを特徴とする、請求項1に記載のAg−Cu合金粉末の製造方法。
  3. 前記Ag−Cu合金粉末の平均粒径が1〜20μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のAg−Cu合金粉末の製造方法
  4. 前記Ag−Cu合金粉末の酸素含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のAg−Cu合金粉末の製造方法。
  5. 前記Ag−Cu合金粉末の400℃における収縮率が6%以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のAg−Cu合金粉末の製造方法。
  6. 前記Ag−Cu合金粉末のBET比表面積が0.01〜1m/gであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のAg−Cu合金粉末の製造方法
  7. 前記Ag−Cu合金粉末のタップ密度が3g/cm以上であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のAg−Cu合金粉末の製造方法
  8. 前記Ag−Cu合金粉末の炭素含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする、請求項乃至のいずれかに記載のAg−Cu合金粉末の製造方法
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