JP2009167491A - 焼結性に優れた金属粉末、その製造方法、及び当該金属粉末を用いた焼結体の製造方法 - Google Patents

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臣治 寺居
Kota Inaba
恒太 稲葉
Shinri Kikukawa
真利 菊川
Tadashi Koyama
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Abstract

【課題】銀粉末および銀合金粉末において、従来焼結しにくかった低温で焼結を進行させ、優れた延性および強度の焼結体を製造可能にする。
【解決手段】50%径が0.5〜20μmでかつ球形度が0.5以上の銀粉末または銀合金粉末で、ハロゲン元素及び/又はハロゲン化物の存在下で焼結することにより、焼結時に粉末粒子間のネック部の成長が促進され、低温での焼結でも十分な延性および強度が得られかつ寸法収縮の小さい焼結体が得られる。この金属粉末のハロゲン元素含有率は5〜2000ppmの範囲内であり、このような金属粉末を製造するには、延性向上成分であるハロゲン含有物を金属粉末に混合しても良く、ハロゲンイオンを含む溶液中に金属粉末を浸漬させた後、取り出して乾燥させても良い。又、ハロゲンイオン含有水溶液を噴霧媒として用い、この噴霧媒により金属溶湯を噴霧して金属粉末としても良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀系粉末の焼結において、より低温(600℃前後の温度)で優れた延性および強度を持つ焼結部品を製造するための金属粉末に関するものである。又、本発明は、このような金属粉末の製造方法に関するものでもある。
更に本発明は、このような金属粉末を用いることにより、延性および強度に優れ且つ寸法収縮の小さい焼結体を製造するための方法に関するものでもある。
金属の微粉末は、射出成形法(MIM)等の粉末冶金分野、ダイヤモンド工具のボンディング材、銀粘土等の装飾品分野、エレクトロニクス分野においては電子回路やコンデンサー等で使用される導体ペーストや抵抗ペースト等、幅広い分野で使用されている。一般的に粉末冶金において金属粉末の焼結は、その主成分元素の融点の約2/3程度で行われる。焼結温度の上昇は、金属または合金元素の拡散、金属粉末粒子の接触面においてネックの成長を促進すると共に、焼結体中の気孔の球状化が進行する。その結果、焼結体の強度、延性といった特性は向上する。しかし通常の金属粉の焼結に際しては体積拡散の寄与が大きいため、焼結温度が上昇して焼結が進行するに従って焼結体の収縮率が大きくなる。焼結体の収縮率が大きくなると、例えば電子部品の場合は、導体ペーストが基材から剥離する。また粉末冶金においては、焼結体の寸法精度を悪化する等の問題が生じる。
一方、焼結部品の製造コストの低減といった観点から、より低温の焼結で良い特性の焼結体を得るような技術が要求されている。しかしながら焼結温度を低くした場合、寸法収縮は抑えることはできるが、粉末粒子間の焼結は十分に進行せず機械的特性が劣化するだけでなく、各金属粒子間のネックの成長に差が生じ易くなるため、焼結体の機械的特性にバラツキが生じるといった問題が起こる。低温で焼結が進行し寸法収縮が小さく優れた焼結性を有する焼結材料(金属粉末)が提案されている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2005-325411号公報
上記特許文献1には、銀粉末または銀合金粉末をハロゲン元素および/またはハロゲン化物の存在下において焼結することで、低温での焼結が可能となり焼結体の延性は改善されると提案されている。しかしながら、ハロゲン元素および/またはハロゲン化物の存在下において低温で焼結が進行したとしても、粉末の粒子形状が不規則な場合や粉末粒子サイズが適当でない場合は、充分な焼結体の強度や延性が得られない。
特許文献1に記載されている金属粉末は、粉末の粒度および形状に関しては明確にされておらず十分な提案がなされているとは言えない。
本発明は、焼結温度が低温(600℃前後の温度)であっても粉末粒子間の焼結が進行し、延性および強度に優れしかも寸法収縮の比較的小さな焼結品を製造可能にする金属粉末を提供することを課題とする。又、本発明の課題は、このような低温での焼結性に優れた金属粉末の製造方法を提供することを課題とするものでもある。
更に、本発明は、比較的低温の焼結で延性および強度に優れ且つ寸法収縮の小さい焼結体を製造することが可能な方法を提供することを課題とするものでもある。
通常高温で行う金属の焼結に際しては体積拡散の寄与が大きいため、焼結が進行するにつれて焼結体の寸法収縮が大きくなる。従って十分に焼結を進行させ、即ち十分にネックを成長させ、かつ同時に焼結体の寸法収縮を抑制するには、焼結に際し体積拡散よりむしろ表面拡散、あるいは気相反応を含めた表面輸送現象によってネックを成長させる必要がある。
このような観点に立って、本願発明者は上記の課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、ハロゲン元素および/またはハロゲン化物を原料粉末と混合あるいは粉末表面に付着および形成させ焼結することで、原料粉末粒子間の収縮を抑え且つ低温であっても焼結が促進することを見出した。
また金属粉末の粒子サイズおよび形状は、微細で球状な粒子であるほど、粉末粒子間の接触部が多くなりネックの形成部が増え焼結の進行が速くなる。低温で焼結を進行させるには、粒子サイズが小さい球状の粒子であることが好ましい。
本発明の金属粉末(焼結体製造用金属粉末)は、50%径が0.5〜20μmであり、球形度0.5以上である微細で球状な粒子からなり、銀または銀合金のいずれかを主成分とし、延性向上成分として、ハロゲン元素またはハロゲン化物の少なくともいずれか一方を含み、当該金属粉末におけるハロゲン元素含有率が5〜2000ppmの範囲内であることを特徴とする。
この際、上記のハロゲン化物としては、元素周期律表のIA〜VIIA族およびVIII族並びにIB族〜IVB族に属する元素とハロゲン元素との化合物が好ましく、特に好ましいものは、コバルト、鉄、ビスマス、ニッケル、銅、銀、亜鉛および錫から成るグループより選ばれた金属元素とのハロゲン化物である。
上述の金属粉末を製造するための本発明の第1の方法は、延性を向上させる成分として、ハロゲン元素またはハロゲン化物の少なくともいずれか一方を予め準備する工程と、前記延性向上成分を、銀または銀合金のいずれかを主成分とする金属粉末と混合する工程を含むことを特徴とするもの(混合法)である。
又、上述の金属粉末を製造するための本発明の第2の方法は、銀または銀合金のいずれかを主成分とする金属粉末を、ハロゲンイオンを含む溶液中に浸漬させ、当該溶液から取り出した後、乾燥を行うことにより、前記金属粉末の表面にハロゲン化物を形成させる工程を含むことを特徴とするもの(浸漬法)である。
更に、上述の金属粉末を製造するための本発明の第3の方法は、噴霧媒としてハロゲンイオンを含む水溶液を予め準備する工程と、前記工程で準備した噴霧媒を用いて金属の溶湯を噴霧することにより金属粉末を得る工程を含むことを特徴とするもの(アトマイズ法)である。
本発明は、前述の製造方法のいずれかにより得られた前記金属粉末を用いて焼結体を製造するための方法でもあり、当該製法は、銀または銀合金のいずれかを主成分とし、ハロゲン元素またはハロゲン化物の少なくともいずれか一方を延性向上成分として含む金属粉末で、当該金属粉末におけるハロゲン元素含有率が5〜2000ppmの範囲内であるものを準備し、当該金属粉末を使用して加圧成形を行い圧粉体を形成し、得られた圧粉体を500〜900℃の温度で焼結することを特徴とする。
本発明の金属粉末の場合には、微細で球状な粉末粒子であり、ハロゲン元素を介した気相反応を含めた表面輸送現象を主として焼結が進行するために、粉末粒子間のネックの成長は速い。そのため本発明の金属粉末は600℃前後の低温での焼結に有用である。また、このような金属を使用して得られる焼結体は寸法収縮率が小さく、且つ優れた延性および強度を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。原料粉末としては、銀または銀合金が用意される。上記合金粉末として具体的には銀‐銅系合金粉末等が挙げられる。
本発明の金属粉末の50%径は、0.5〜20μmと微細な粉末でかつ球形度が0.5以上の球形に近い形状の粉末が好ましい。50%径が0.5μm未満の粉末は焼結体の寸法収縮が大きくなる、またハンドリングの問題や経済的に高価なものとなるため好ましくない。50%径が21μm以上の粗い粉末の場合や、球形度が0.5未満の不規則な形状の粒子の場合は、低温で焼結が進行してもネック形成部分が少なくなり十分な焼結体強度および延性が得られないため好ましくない。
金属微粉末の製造には、高圧力の水で金属の溶湯を噴霧する高圧水アトマイズ法が一般的に使用される。球形度の高い微細な金属粉末を得る方法としては、例えば、国際公開WO2000/38865に記載されているような高圧水アトマイズ法の冷却媒体に旋回水ジェットを使う方法が好適である。
本発明の焼結処理において使用されるハロゲン元素は、具体的にはVIIB族に属する元素が挙げられる。さらに好ましくは塩素が使用される。またハロゲン化物としては、特に限定されない。具体的には、元素周期律表のIA〜VIIA族およびVIII族並びにIB族〜IVB族に属する元素とのハロゲン化物が挙げられる。さらに好ましくはコバルト、鉄、ビスマス、ニッケル、銅、銀、亜鉛および錫のような金属元素とのハロゲン化物が使用される。
また高圧水アトマイズ法の噴霧媒としてハロゲン元素を含む水溶液、例えば塩素を含む水道水を使用する。上記のように製造過程で原料金属粉末にハロゲン元素を添加することもできる。
上記ハロゲン元素および/またはハロゲン化物の含有率は5〜2000ppm、好ましくは10〜1000ppm、さらに好ましくは20〜500ppmである。ハロゲン元素および/またはハロゲン化物の過剰な添加、具体的には2000ppm以上の添加は、原料金属粉末の凝集性を強くする、また焼結炉に悪影響を及ぼす等の問題がある。焼結後にハロゲン元素が残留した場合は、焼結体の変色および腐食の原因となる可能性がある。
金属粉末は焼結温度の上昇に伴って粉末粒子同士の接触部分から焼結を開始し、この接触部にネックを形成する。原料金属粉末中に仕込まれたハロゲン化物は焼結時に気相となり、蒸気圧の低いネック部へ輸送され凝着する。この結果ネック部の成長が促進され、太く成長したネックを有する焼結体が得られる。上記のようなハロゲン元素を介した表面輸送現象による焼結では、比較的低温であっても焼結が進行し、また寸法変化の少ない焼結体が得られる。低温の焼結温度としては、好ましくは500〜900℃、最適には550〜650℃である。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。
焼結性の評価は、JPMA 9規格の抗折試験による抗折力および破断時の曲がり角度を測定した。金属粉末の50%径は日機装株式会社製のマイクロトラックを使用してレーザー回折散乱法(体積%)を用いて測定した。比表面積はBET法により測定した。球形度は50%径から計算できる真球の比表面積とBET法による比表面積との比により算出した。
下記に示す実施例および比較例の原料粉末の特性値を表1に示す。原料粉末は、高圧水アトマイズ法により作成し、製造装置としては、国際公開WO2000/38865に記載される装置を使用した。噴霧媒の圧力は85MPa、水量は、300L/minとした。原料粉末1〜7の製造においては水ジェットの旋回角度ωを10degとして噴霧し、得られた粉末を気流式分級機により分級し、表1に示す粒度を有した球形度:0.5以上の粉末を作成した。原料粉9および10は、水ジェットの旋回角度ωを従来法である0degとして噴霧し、得られた粉末を気流式分級機により表1に示す粒度を有した球形度0.5未満の粉末を作成した。
尚、本明細書における旋回角度ωとは、液体ジェットの放出速度Vを、環状スリットの接線方向の速度成分Vx、円形の環状スリットの法線方向の速度成分Vy、および鉛直方向の速度成分Vzに分解した際の、VxとVyとの合力がy軸に対して作る角度をいう。
〔実施例1、2〕
原料粉末1をそれぞれ30ppm、1000ppmの塩酸水溶液に浸積させ、その後脱水、乾燥し塩素を有した粉末を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を圧力5MPaで加圧成形し、幅10mm、長さ30mm、厚さ2mmの圧粉体を作成した。上記圧粉体を大気中において温度600℃で30分間、焼結炉内で焼結した。得られた焼結体の評価結果を表1に併せて記載する。
〔実施例3〕
原料粉末2を30ppmの塩酸水溶液に浸積させ、その後脱水、乾燥し塩素を有した粉末を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例4〕
原料粉末3を30ppmの塩酸水溶液に浸積させ、その後脱水、乾燥し塩素を有した粉末を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例5〕
原料粉末1に対してAgI粉末を0.05質量%混合した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例6〕
原料粉末1に対してAgBr粉末を0.05質量%混合した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例7〕
原料粉末1を脱水機容器内において塩素含有量13ppmの水道水で流水洗浄し、その後脱水、乾燥して塩素を有する粉末を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例8〕
原料粉末1に対してZnCl2粉末を0.05質量%混合した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例9〕
原料粉末1に対してSnCl2粉末を0.05質量%混合した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例10〕
原料粉末1に対してBiCl3粉末を0.05質量%混合した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例11、12〕
原料粉末5をそれぞれ30ppm、1000ppmの塩酸水溶液に浸積させ、その後脱水、乾燥し塩素を有した粉末を作成した。 得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例13〕
原料粉末1を200ppmのNaOCl水溶液に浸積させ、その後脱水、乾燥し塩素を有した粉末を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例14〕
高圧水アトマイズ法の噴霧媒である水にNaOClを30ppm添加し作成した粉末を気流式分級機に通して分級し、表1に示す粒度を有した球形度:0.5以上の原料粉末6を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例15〕
高圧水アトマイズ法の噴霧媒である水に塩酸を30ppm添加し、作成した粉末を気流式分級機に通して分級し、表1に示す粒度を有した球形度:0.5以上の原料粉末7を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔実施例16〕
高圧水アトマイズ法の噴霧媒に水道水を使用し作成した粉末を気流式分級機に通して分級し、表1に示す粒度を有した球形度:0.5以上の原料粉末8を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔比較例1、2〕
原料粉末1および5を使い、上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
〔比較例3〜5〕
原料粉末9、10および4をそれぞれ30ppmの塩酸水溶液に浸積させ、その後脱水、乾燥し塩素を有した粉末を作成した。得られた粉末の塩素含有量分析結果を表2に示す。これら上記粉末を上記実施例1と同様の方法で圧粉体および焼結体を作成した。得られた焼結体の評価結果を表2に併せて記載する。
Figure 2009167491
Figure 2009167491
実施例1〜16に示すように50%径が0.5〜20μmでかつ球形度が0.5以上の銀および銀合金の原料金属粉末をハロゲン元素の存在下で焼結した場合は、焼結温度が600℃と比較的低温であっても焼結体は破断せず、優れた延性および強度が得られている。比較例1および比較例2に示すように、600℃の焼結温度でハロゲン元素の存在しない状態で焼結した銀および銀合金の焼結体は、充分な延性および強度が得られず破断する。これは焼結温度が低いために焼結が充分に進んでいないことを示している。
比較例3に示すように球形度が0.5以下の粉末や比較例4に示すように50%径が21μm以上の粉末は、ハロゲン元素が存在しても十分な焼結体の延性および強度が得られない。形状が不規則な場合や粉末粒子が粗い場合は、粒子間に形成されるネック数が少なくなるため、ネックが成長しても十分な延性および強度が得られない。
比較例5に示すように50%径が0.5μm未満の粉末の焼結体は充分な延性が得られるが、寸法収縮が非常に大きくなる。
このように、本発明の特徴は、50%径が0.5〜20μmかつ球形度が0.5以上の銀粉末または銀合金粉末において焼結の際にハロゲン元素を利用することで、焼結温度が低温であっても焼結が進行し焼結体は十分な延性および強度が得られ、しかも高温焼結で得られる焼結体に比べ寸法収縮が小さい点にある。
本発明の金属粉末は、比較的低温の焼結で延性に優れ且つ寸法収縮の小さい焼結体を製造することが可能である。金属粉末の焼結により部品を製造される分野、例えば粉末冶金分野、装飾品分野、電子部品分野等、あらゆる分野で適用の可能性がある。

Claims (7)

  1. 焼結によって焼結体を製造するのに使用される金属粉末であって、当該金属粉末が、銀または銀合金のいずれかを主成分とし、延性向上成分として、ハロゲン元素またはハロゲン化物の少なくともいずれか一方を含み、当該金属粉末におけるハロゲン元素含有率が5〜2000ppmの範囲内であること、及び当該金属粉末の50%径が0.5〜20μmかつ球形度0.5以上であることを特徴とする金属粉末。
  2. 前記ハロゲン化物が、元素周期律表のIA〜VIIA族およびVIII族並びにIB族〜IVB族に属する元素とハロゲン元素との化合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属粉末。
  3. 前記ハロゲン化物が、コバルト、鉄、ビスマス、ニッケル、銅、銀、亜鉛および錫から成るグループより選ばれた金属元素とのハロゲン化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属粉末。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載される金属粉末を製造するための方法であって、当該方法が、延性向上成分として、ハロゲン化物を予め準備する工程、及び、前記延性向上成分を、銀または銀合金のいずれかを主成分とする金属粉末と混合する工程を含むことを特徴とする金属粉末の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載される金属粉末を製造するための方法であって、当該方法が、銀または銀合金のいずれかを主成分とする金属粉末を、ハロゲンイオンを含む溶液中に浸漬させ、当該溶液から取り出した後、乾燥を行うことにより、前記金属粉末の表面にハロゲン化物を形成させる工程を含むことを特徴とする金属粉末の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載される金属粉末を製造するための方法であって、当該方法が、噴霧媒としてハロゲンイオンを含む水溶液を予め準備する工程、前記工程の噴霧媒を用いて金属の溶湯を噴霧することにより金属粉末を得る工程を含むことを特徴とする金属粉末の製造方法。
  7. 銀または銀合金のいずれかを主成分とし、ハロゲン元素またはハロゲン化物の少なくともいずれか一方を延性向上成分として含む金属粉末で、当該金属粉末におけるハロゲン元素含有率が5〜2000ppmの範囲内であるものを準備し、前記金属粉末を使用して加圧成形を行い、圧粉体を形成し、得られた圧粉体を500〜900℃の温度で焼結することを特徴とする焼結体の製造方法。
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