JP6851361B2 - リンク作動装置の制御方法 - Google Patents
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Description
このようなリンク作動装置において、2自由度のパラレルリンク機構1を3個以上のモータで駆動する装置は折れ角θと旋回角φにより姿勢が決定され、その折れ角θと旋回角φから各アーム回転角(β1n 、β2n 、β3n )を求め、アームを駆動するアクチュエータに位置決めさせる。例えば、あるリンクハブ3の先端姿勢A(θa 、φa )とB(θb 、φb )について、各々の先端姿勢に対応する各アーム回転角はリンクハブとアーム回転角との関係式によりA(β1a 、β2a 、β3a )、B(β1b 、β2b 、β3b )として求められる。ここで、先端姿勢Aから先端姿勢Bへの移動は各アームの回転角がβ1aからβ1b、β2aからβ2b、β3aからβ3bへ移動することで実行される。なお、図10,図11には実施形態を示す図1〜図9に対応する部分に同じ符号を付した。
また、ジョグボタン操作においても、XY軸の2次元での操作しかできなかった為、3次元ワークの高さ方向(Z軸方向)を調整したい場合に、操作が直感的に分かり辛いという課題があった。具体例を挙げると、立ち姿勢の円筒状ワークの側面に高さ方向に沿って塗布等の処理を行いたい場合があり、その場合、エンドエフェクタを上下方向にのみ動作させることになるが、このように高さ方向にのみ移動させる場合にも、XY軸の2次元での操作で入力することになるため、操作が分かり難い。
この発明の他の目的は、X、Y、Zの3次元の直交座標系で入力操作が行えるようにして、入力操作の簡易化、効率化を図ることである。
前記リンク作動装置51は産業機器に用いられるものであり、前記リンク作動装置51には、
前記目標値を、前記基端側のリンクハブ2の中心軸上に原点が位置する3次元の直交座標系上の3次元直交座標により入力可能な目標値入力手段57が設けられ、かつこの目標値入力手段57により入力された値を用いて、前記基端側のリンクハブ2の中心軸に対して前記先端側のリンクハブ3の中心軸が傾斜した垂直角度である折れ角θと、前記基端側のリンクハブ2の中心軸に対して前記先端側のリンクハブ3の中心軸が傾斜した水平角度である旋回角φとによって表される前記リンク作動装置の前記先端姿勢を計算し、その計算結果から前記各アクチュエータ53の指令動作量を計算して前記制御装置53に入力する入力変換手段58が設けられ、
前記制御方法の過程として、
前記3次元形状のワークのCADデータから前記エンドエフェクタ122が作業を行う前記3次元の直交座標系上の3次元直交座標を得てこの3次元直交座標を、前記目標値入力手段57に前記目標値として入力する過程と、
前記入力された前記目標値である前記3次元直交座標から前記入力変換手段58が前記先端姿勢の前記計算を行い前記各アクチュエータ53の前記指令動作量を計算して前記制御装置54に入力する過程とを含む。
高さ方向については、例えば、高さ方向目標値入力部57zにより、移動量または高さ方向の座標位置の入力を直接に行えるようにしたため、前記従来の2次元座標で間接的に高さを指定するものに比べて、オペレータが換算する必要がなく、簡単かつ迅速に指定することができる。現在姿勢から高さ方向だけを変更したい場合は、高さ方向目標値入力部57zで入力するだけで済む。
このように、先端姿勢を高さ方向にのみ変更させる動作の入力が、高さ方向の値で直接に行えて、高さ方向にのみ変更させる動作の指令の入力が簡単に行え、入力操作時間の短縮が図れる。
この発明において、前記リンク機構4は3組以上設けられ、前記各リンク機構4は、それぞれ前記基端側のリンクハブ2および先端側のリンクハブ3に一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材5,6と、これら基端側および先端側の端部リンク部材5,6の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材7とでなり、前記各リンク機構4は、このリンク機構4を直線で表現した幾何学モデルが、前記中央リンク部材7の中央部に対する基端側部分と先端側部分とが対称を成す形状であり、前記3組以上のリンク機構4のうち2組以上のリンク機構4に、前記基端側のリンクハブ2に対する前記先端側のリンクハブ3の姿勢である先端姿勢を変更させる前記アクチュエータ53が設けられたものであってもよい。
この構成の場合、先端姿勢を高さ方向に移動させるにつき、押し操作ボタン85,86の操作回数や操作時間によって、移動させたい方向である高さ方向に微小量ずつ移動させれば良いため、直感的なティ−チングが可能となり、より一層、高さ位置の指定の操作が容易となる。
前記押し操作ボタン85,86による1回のオン操作の移動量、および押し続けて操作量を換える移動量は、例えば、移動量パラメータで適宜の量に設定しておけば、押し操作による操作量の調整が容易に行える。
なお、前記押し操作ボタン85,86は、例えば「ジョグボタン」または「JOGボタン」と称される場合がある。
先端側のリンクハブ3に取付けられたエンドエフェクタ122が作業する3次元ワークの3次元直交座標(X,Y,Z)は、CADデータ等から容易に算出することができ、その3次元座標(X,Y,Z)を前記3次元直交座標入力部57Aで入力することで、エンドエフェクタ122はその入力されたポジションへ作業することになり、ジョグ送り等によるティーチング作業が不要になる。エンドエフェクタ122の位置決め精度にバラつきがある場合、微調整のティーチングが必要となるが、おおよその位置決めは出来ていることから、ティーチングにかかる時間は大幅に短縮できる。
ティーチングを行う際も、前記3次元直交座標におけるXY軸方向の押し操作ボタン81〜84とZ軸方向(前記高さ方向)の押し操作ボタン85,86があれば、直感的なティーチングが可能となる。
最小自乗法によると、先端姿勢を表す適切な折れ角θおよび旋回角φが簡単な演算で得られる。
cos (θ/2)sin βn−sin (θ/2)sin (φ+δn)cos βn+sin (γ/2)=0
で表される式を逆変換することにより、目標とする前記先端姿勢における前記各基端側の端部リンク部材5の回転角を求め、この求められた回転角と、現在の前記先端姿勢における前記各基端側の端部リンク部材5の回転角との差分から、前記各アクチュエータ53の前記指令動作量を算出するようにしても良い。
この手法によると、容易に指令動作量を求めることができ、アクチュエータ53の制御が簡易となる。
cos (θ/2)sin βn−sin (θ/2)sin (φ+δn)cos βn+sin (γ/2)=0
で表される式を逆変換することにより、前記先端姿勢と前記各基端側の端部リンク部材5の回転角との関係を示すテーブルを作成しておき、このテーブルを用いて、目標とする前記先端姿勢における前記各基端側の端部リンク部材5の回転角を求め、この求められた回転角と、現在の前記各基端側の端部リンク部材5の回転角との差分から、前記各アクチュエータ53の指令動作量を算出するようにしても良い。
この手法によると、事前に先端姿勢と基端側のリンクハブ2の各回転角との関係をテーブル化しておくことにより、上記式を用いた指令動作量の計算時間を短くすることができ、アクチュエータ53の制御をより一層高速で行うことができる。
3次元直交座位置の指定は、数値入力の他に、押し操作入力部57B等による入力としても良いが、前述のようにエンドエフェクタ122が作業する3次元ワークの3次元直交座標(X,Y,Z)は、CADデータ等から容易に算出することができるため、前記次元直交座位置の指定は数値入力で行うようにすることが、入力操作の簡易化、効率化の面で好ましい。
3次元直交座位置の指定を、定められた基準点に対する絶対座標で数値入力させるようにすると、目標となる先端姿勢の絶対座標の座標位置が分かっている場合に、入力が容易となる。
3次元直交座位置の指定を、差分を数値入力で行うようにする場合は、現在の先端姿勢から少しの移動を行わせるような場合に、入力が直感的に行えて容易となる。
前記目標値入力手段57から行う入力は、先端姿勢の3次元直交座位置の座標位置や移動量であるが、先端姿勢の3次元直交座とアクチュエータ53の動作量とはリンク作動装置の構成によって定まった関係があるため、定められた変換式でアクチュエータ53の動作量に変換するようにすれば、目標値入力手段57の入力から3次元直交座等を入力することで、アクチュエータ53の正しい制御が行える。
リンクハブの中心軸上に原点が位置する3次元の直交座標系上の3次元直交座標により入力可能な目標値入力手段が設けられ、かつこの目標値入力手段により入力された値を用いて、前記基端側のリンクハブの中心軸に対して前記先端側のリンクハブの中心軸が傾斜した垂直角度である折れ角と、前記基端側のリンクハブの中心軸に対して前記先端側のリンクハブの中心軸が傾斜した水平角度である旋回角とによって表される前記リンク作動装置の前記先端姿勢を計算し、その計算結果から前記各アクチュエータの指令動作量を計算して前記制御装置に入力する入力変換手段が設けられ、前記制御方法の過程として、前記3次元形状のワークのCADデータから前記エンドエフェクタが作業を行う前記3次元の直交座標系上の3次元直交座標を得てこの3次元直交座標を、前記目標値入力手段に前記目標値として入力する過程と、前記入力された前記目標値である前記3次元直交座標から前記入力変換手段が前記先端姿勢の前記計算を行い前記各アクチュエータの前記指令動作量を計算して前記制御装置に入力する過程とを含むため、先端姿勢を高さ方向にのみ変更させる動作の入力が、高さ方向の値で直接に行えて、高さ方向にのみ変更させる動作の指令の入力が簡単に行え、入力操作時間の短縮が図れる。
また、前記目標値入力手段57は、図1の画面Gで示された座標位置の入力を行う入力形成の他に、画面Gの表示内容を図2のように切り換えて押し操作ボタン81〜86による入力形式に切換可能とされている。この押し操作ボタンによる入力については、後に説明する。
同図(B)の式(1)に示すように、高さZ上の平面の原点O’と目標座標T(x,y,z)との距離をrとすると、rは目標座標Tのx,y座標から求められる。
まず、式(1)からrを求める(ステップS1)。次に、計算フローの初期設定として、現在の繰返し回数jをゼロリセットし、折れ角θを探索する際の初期設定値θ’と、探索の繰返し回数Nを設定する。例えば、θ’は最大折れ角の半分の値に設定する。繰返し回数Nは、値が大きいほど最終的に得られる折れ角θの精度は良くなるが、計算フローの処理時間は長くなる。折れ角θの精度と、許容される処理時間の関係から最適なNを決定する。
また、ここでθ’=θ’/2とする(ステップS3)。
回転角βnは、例えば、次の式(7)を逆変換することで求められる。逆変換とは、折れ角θおよび旋回角φから回転角βnを算出する変換のことである。折れ角θおよび旋回角φと、回転角βnとは相互関係があり、一方の値から他方の値を導くことができる。
cos (θ/2)sin βn−sin (θ/2)sin (φ+δn)cos βn+sin (γ/2)=0 …(7)
ただし、n=1,2,3
ここで、γ(図1,図3)は、基端側の端部リンク部材5に回転自在に連結された中央リンク部材7の連結端軸と、先端側の端部リンク部材6に回転自在に連結された中央リンク部材7の連結端軸とが成す角度である。δnは、基準となる基端側の端部リンク部材5に対する各基端側の端部リンク部材5の円周方向の離間角である。
同図(B)は、図1の高さ方向目標値入力部57zによってZ軸方向(高さ方向)に移動させるためのジョグ操作画面であり、画面Gには、押し操作ボタン85,86と、現在の座標位置におけるZ座標位置を示す現在値表示部69とが表示されている。
上記の各押し操作ボタン81〜86は、いずれも、操作時間または操作回数により操作量が変わる操作手段である。具体的には、これら押し操作ボタン81〜86は、押し続ける(画面タッチを続ける)ことによって操作量が増え続け、ごく短時間の押し操作(画面タ
ッチ)であると1回の操作の操作量が一定であって、繰り返して操作して操作回数を増や
すことで操作量が増える。
(9)式における変数Zは、下向きの低速ボタン66aの押し下げの場合は、図2(B)の移動量表示部71に表示された値とし、下向きの高速ボタン66bの押し下げの場合は、同図の移動量表示部72に表示された値とし、設定操作時間毎に計算を繰り返す。
ティーチングを行う際も、XY軸方向の押し操作ボタン81〜84とZ軸方向の押し操作ボタン85,86により、直感的なティーチングが可能となる。
3…先端側のリンクハブ
4…リンク機構
5…基端側の端部リンク部材
6…先端側の端部リンク部材
7…中央リンク部材
51…リンク作動装置
53…アクチュエータ
54…制御装置
56…表示装置
57…目標値入力手段
57A…3次元直交座標入力部
57B…押し操作入力部
57x…横方向目標値入力部
57y…縦方向目標値入力部
57z…高さ方向目標値入力部
61…入力変換手段
62…目標値表示部
65…数値入力ボタン
81〜86…押し操作ボタン
O…原点
QA…基端側のリンクハブの中心軸
QA´…延長軸
QB…先端側のリンクハブの中心軸
θ…折れ角
φ…旋回角
Claims (2)
- 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、リンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢である先端姿勢を変更させるアクチュエータが設けられ、これらアクチュエータを制御する制御装置が設けられ、前記先端側のリンクハブに、作業台上の3次元形状のワークに対し作業を行うエンドエフェクタが取付けられたリンク作動装置において、前記先端姿勢を変更させる目標値を入力する制御方法であって、
前記リンク作動装置は産業機器に用いられるものであり、前記リンク作動装置には、
前記目標値を、前記基端側のリンクハブの中心軸上に原点が位置する3次元の直交座標系上の3次元直交座標により入力可能な目標値入力手段が設けられ、かつこの目標値入力手段により入力された値を用いて、前記基端側のリンクハブの中心軸に対して前記先端側のリンクハブの中心軸が傾斜した垂直角度である折れ角と、前記基端側のリンクハブの中心軸に対して前記先端側のリンクハブの中心軸が傾斜した水平角度である旋回角とによって表される前記リンク作動装置の前記先端姿勢を計算し、その計算結果から前記各アクチュエータの指令動作量を計算して前記制御装置に入力する入力変換手段が設けられ、
前記制御方法の過程として、
前記3次元形状のワークのCADデータから前記エンドエフェクタが作業を行う前記3次元の直交座標系上の3次元直交座標を得てこの3次元直交座標を、前記目標値入力手段に前記目標値として入力する過程と、
前記入力された前記目標値である前記3次元直交座標から前記入力変換手段が前記先端姿勢の前記計算を行い前記各アクチュエータの前記指令動作量を計算して前記制御装置に入力する過程とを含むリンク作動装置の制御方法。 - 請求項1に記載のリンク作動装置の制御方法において、前記リンク機構は3組以上設けられ、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とでなり、前記各リンク機構は、このリンク機構を直線で表現した幾何学モデルが、前記中央リンク部材の中央部に対する基端側部分と先端側部分とが対称を成す形状であり、前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢である先端姿勢を変更させる前記アクチュエータが設
けられたリンク作動装置の制御方法。
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